JP5776497B2 - ポペットバルブ - Google Patents
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シャフトを介して弁体を軸方向に駆動するポペットバルブの一例として、流体のコントロールを行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、この特許文献1に示すポペットバルブは、EGRガスのコントロールを行うバルブ装置である。
(a)軸方向へ駆動されるシャフト(駆動軸)と、
(b)このシャフトに設けられる弁体と、
(c)この弁体によって開閉される弁開口を有する弁座部材と、
を備えて構成される。
そして、弁体が弁座部材に着座することで弁開口が閉塞される。
閉弁時に流体の漏れを防ぐためには、弁体の周囲が全周に亘って弁座部材に接する必要がある。
しかしながら、ポペットバルブを構成する各部品の「組付け誤差」や「部品精度」によって、弁座部材に対して弁体が傾くことが考えられる。
すると、弁体が弁座部材に着座しても、弁体と弁座部材との間に、弁座部材に対する弁体の傾きによる隙間が生じ、その隙間から流体が漏れてしまう。
螺子機構(雄ネジと雌ネジの螺合構造)などを用いてシャフトに回転力を加えることでシャフトを軸方向へ駆動する場合がある。
弁体はシャフトと一体に移動するものであるため、弁体と弁座部材とが接する状態では、弁体と弁座部材との着座面(接触箇所)に回転方向の摩擦力が生じる。このため、シャフトを回転させるには、摩擦力に抗する回転力をシャフトに付与する必要があり、シャフト駆動力の増加を招く不具合がある。
また、シャフトに回転力が加わる場合、弁体と弁座部材との着座面に回転方向の摩擦力が生じる。このため、長期の使用により着座面が摩耗してシール不良が発生する懸念がある。
請求項1のポペットバルブは、シャフトに弁体が挿通されており、シャフトと弁体との間に介在させた弾性部材によって、シャフトに対して弁体が傾斜可能に支持される。そして、弾性部材は、シャフトと弁体との隙間をシールしている。
このため、ポペットバルブを構成する各部品の「組付け誤差」や「部品精度」によって、弁座部材に対して弁体が相対的に傾く場合であっても、その「傾き」を弾性部材が弾性変形によって吸収する。
その結果、閉弁時において弁体と弁座部材との間に、弁座部材に対する弁体の傾きによる隙間が生じず、隙間から流体が漏れる不具合が無い。
請求項2のポペットバルブは、シャフトまたは弁体と弾性部材との間にベアリングを設けており、シャフトと弁体との間に介在させた弾性部材とベアリングによって、シャフトに対して弁体が「傾斜可能」で且つ「回転可能」に支持される。
このため、シャフトに回転力を加えることでシャフトを軸方向へ駆動する場合、弁体と弁座部材とが接する状態において、ベアリングがシャフトと弁体の相対回転差を吸収する。これにより、容易にシャフトを回転することができ、シャフト駆動力を小さくすることができる。
実施形態1のポペットバルブは、
(a)軸方向へ駆動されるシャフト1と、
(b)このシャフト1に設けられる弁体2と、
(c)この弁体2によって開閉される弁開口αを有する弁座部材3と、
(d)シャフト1と弁体2との間に設けられてシャフト1に対して弁体2を弾性変形可能に支持する弾性部材4と、
を備えて構成される。
(a)軸方向へ駆動されるシャフト1と、
(b)このシャフト1に設けられる弁体2と、
(c)この弁体2によって開閉される弁開口αを有する弁座部材3と、
(d)シャフト1と弁体2との間に介在され、シャフト1に対して弁体2を弾性変形可能に支持する弾性部材4と、
(e)シャフト1と弁体2との間に介在され、シャフト1に対して弁体2を回転可能に支持するベアリング5(転がりベアリングまたは滑りベアリング)と、
を備えて構成される。
図1を参照して実施例1を説明する。
この実施例のポペットバルブは、自動車に搭載されて、エンジン冷却水の流量制御(流路の開閉および開度制御)、あるいは分配制御(流路の切替制御)を行うものである。
(a)軸方向へ駆動されるシャフト1と、
(b)このシャフト1とともに軸方向へ移動する弁体2と、
(c)この弁体2によって開閉される弁開口αを有する弁座部材3と、
(d)シャフト1と弁体2との間に介在して配置され、シャフト1に対して弁体2を弾性変形可能に支持する弾性部材4と、
を備える。
この例を具体的に説明すると、図示上側のフランジ1aは、シャフト1と一体に設けられるものであり、図示下側のフランジ1bは、弾性部材4をシャフト1に組付けた後に圧入等によりシャフト1に固定されるものである。
なお、シャフト1と弁体2との間の回転差を積極的に吸収する例を、後述実施例2において説明する。
この実施例のポペットバルブは、上述したように、シャフト1と弁体2との間に介在させた弾性部材4によって、シャフト1に対して弁体2が傾斜可能に支持される。
このため、ポペットバルブを構成する各部品の「組付け誤差」や「部品精度」によって、弁座部材3に対して弁体2が相対的に傾く場合であっても、閉弁時に弁体2が弁座部材3に押し付けられることで、弁座部材3に対する弁体2の「傾き」を弾性部材4が弾性変形により吸収する。
また、弁座部材3に対する弁体2の「傾き」を弾性部材4が吸収するため、「組付け公差」や「部品公差」を大きく設けることが可能になる。これによって、部品コストや組付けコストを抑えることが可能になり、結果的に信頼性の高いポペットバルブのコストを低く抑えることが可能になる。
図2を参照して実施例2を説明する。
上記の実施例1のポペットバルブでは、シャフト1と弁体2との間に弾性部材4を介在させる例を示した。
これに対し、この実施例2のポペットバルブは、シャフト1と弁体2の間に、弾性部材4の他に、さらにシャフト1に対して弁体2を回転可能に支持するベアリング5を設けるものである。
このベアリング5は、軸方向への移動は許容せずに、回転のみを許容するものであり、ボールベアリングあるいは滑りベアリングによって設けられる。もちろんベアリング5は、ベアリング5を介して冷却水が漏れないようにシールタイプを採用するものである。
弾性部材4とベアリング5のアウターレース(外輪)との結合手段は限定されるものではないが、具体的な一例としてこの実施例では、弾性部材4の内周面に設けた環状溝にアウターレースを嵌め入れるものである。なお、接着剤や焼付等の結合技術を用いて弾性部材4とアウターレースとを結合しても良い。
さらに具体的に説明すると、実施例1と同様、図示上側のフランジ1aはシャフト1と一体に設けられるものであり、図示下側のフランジ1bは、ベアリング5をシャフト1に組付けた後に圧入等によりシャフト1に固定されるものである。
このため、ポペットバルブの作動時には、シャフト1に回転力が付与される。
この実施例のポペットバルブは、上述したように、ベアリング5を用いてシャフト1と弁体2との回転力を吸収するように設けている。
これにより、弁体2が弁座部材3に接触する状態でシャフト1に回転力が加えられた場合(シャフト1と弁体2の間に回転差が生じた場合)、ベアリング5がシャフト1と弁体2の相対回転差を吸収する。
このため、弁体2が弁座部材3に接する状態であっても、ベアリング5によってシャフト1を容易に回転させることができ、シャフト駆動力を小さくすることができる。
その結果、アクチュエータに求められる駆動トルクを小さくすることができ、アクチュエータの小型化および低コスト化が可能になる。
また、弁体2が弁座部材3に接する状態でシャフト1に回転力が加えられた場合、ベアリング5がシャフト1と弁体2の相対回転差を吸収するため、弁体2と弁座部材3との着座面に生じる回転方向の摩擦力を極めて小さくすることができる。
これにより、長期に使用されても着座面の摩耗を抑えることができ、摩耗によるシール不良の発生を未然に防ぐことができる。即ち、ポペットバルブの信頼性を高めることができる。
2 弁体
3 弁座部材
4 弾性部材
5 ベアリング
α 弁開口
Claims (2)
- 軸方向へ駆動されるシャフト(1)と、
このシャフト(1)に設けられて前記シャフト(1)とともに軸方向へ移動する弁体(2)と、
前記シャフト(1)と前記弁体(2)との間に設けられて前記シャフト(1)に対して前記弁体(2)を弾性変形可能に支持する弾性部材(4)と、
を具備し、
前記弁体(2)は、前記シャフト(1)に対して挿通される穴を有しており、
前記弾性部材(4)は、前記穴の内周囲と前記シャフト(1)の外周囲との隙間をシールすることで、前記シャフト(1)と前記弁体(2)とを弾性的に結合していることを特徴とするポペットバルブ。 - 請求項1に記載のポペットバルブにおいて、
前記シャフト(1)または前記弁体(2)と前記弾性部材(4)との間には、前記シャフト(1)に対して前記弁体(2)を回転可能に支持するベアリング(5)が設けられており、
前記弾性部材(4)は、前記ベアリング(5)の外周囲または内周囲との隙間をシールすることで、前記ベアリング(5)を介して前記シャフト(1)と前記弁体(2)とを弾性的に結合していることを特徴とするポペットバルブ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011239036A JP5776497B2 (ja) | 2011-10-31 | 2011-10-31 | ポペットバルブ |
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