JPH06158980A - シールド機の発進方法および発進装置並びに到達方法および到達装置 - Google Patents

シールド機の発進方法および発進装置並びに到達方法および到達装置

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JPH06158980A
JPH06158980A JP33108392A JP33108392A JPH06158980A JP H06158980 A JPH06158980 A JP H06158980A JP 33108392 A JP33108392 A JP 33108392A JP 33108392 A JP33108392 A JP 33108392A JP H06158980 A JPH06158980 A JP H06158980A
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JP
Japan
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shield machine
shaft
wellhead
starting
anchor cables
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Application number
JP33108392A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kashima
豊 加島
Norio Kondo
紀夫 近藤
Koji Mizushima
浩治 水島
Yukihiro Kitamura
行宏 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiho Construction Co Ltd
Original Assignee
Daiho Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 坑口部に鉄筋コンクリート地中連続壁や立坑
土留め壁を構築し、また掘進部の防護工事としてシール
ドの前方部に強固な地盤改良工事を行い、さらに前記鉄
筋コンクリート地中連続壁や立坑土留め壁を取り壊す工
事を全て省略し得るシールド機の発進、到達立坑への到
達技術を提供すること。 【構成】 発進立坑1の立坑壁2に予め設定された坑口
部3に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のアンカケ
ーブル4a,4bを配列しておき、前記坑口部3を掘削
すべき横坑の位置に合わせて発進立坑1を所定の位置に
沈設し、前記発進立坑1内にシールド機7を設置し、シ
ールド機7の後方に仮セグメント8を組み立て、仮セグ
メント8に反力を取ってシールド機7を推進し、シール
ド機7により坑口部3を掘削中、シールド機7の先端部
が前記アンカケーブル4a,4bの列に接触する直前
に、アンカケーブル4a,4bを引き抜き、再び坑口部
3を掘削し、通過させるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド機の発進方法
および発進装置並びに到達方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のシールド式トンネル掘進工事で
は、シールド機の発進,到達工程で、坑口部に鉄筋コン
クリート地中連続壁や、H型鋼,鋼製矢板などで立坑土
留め壁を構築し、さらに掘進部の防護工事としてシール
ドの前方部に強固な地盤改良を行っていた。
【0003】また、この種シールド機の発進技術とし
て、従来特開昭53−58134号公報、および特開昭
61−72193号公報に記載の技術がある。
【0004】前記特開昭53−58134号公報に記載
の技術では、発進立坑の底部に床版を設け、この床版上
に、一端部を立坑前壁面に密接に当接させて筒状体を設
置している。一方、立坑後端面側には、反力壁を設けて
いる。前記筒状体の内部の前半部側には、シールド式ト
ンネル掘進機を設置している。前記反力壁とシールド式
トンネル掘進機間には、推進用ジャッキを取り付けてい
る。そして、前記筒状体の内部に圧気を加え、立坑前壁
面の安定と湧水の防止を図りながら、推進用ジャッキを
介して反力壁に反力を取り、シールド式トンネル掘進機
を推進させ、シールド式トンネル掘進機を立坑前壁面か
ら発進させるようにしている。
【0005】また、特開昭61−72193号公報に記
載の技術では、立坑壁の坑口部に、両端開放型で筒状の
カプセル本体を設置し、その内部にシールド機を設置
し、このシールド機の後方に仮セグメントを組み立てて
いる。さらに、前記カプセル本体の内周と仮セグメント
の外周間を止水材でシールし、前記仮セグメントに反力
を取ってシールド機を前進させ、シールド機をカプセル
本体の内部から坑口部に向かって発進させるようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のうち
の、坑口部に鉄筋コンクリート地中連続壁や立坑土留め
壁を構築し、さらに掘進部の防護工事として、シールド
の前方部に強固な地盤改良を行う技術では、鉄筋コンク
リート地中連続壁や立坑土留め壁をシールド機のカッタ
ビットで切削できず、発進,到達時にはシールド機が通
過する部分を人力で取り壊さなければならないという問
題があった。また、立坑土留め壁の壁厚は、大深度にな
れば高い土圧,水圧に耐えられるように厚くなってお
り、さらに大口径になれば取り壊し面積が増大する。し
たがって、立坑土留め壁の取り壊し作業が長期に及ぶ問
題があり、危険を伴うという問題があった。
【0007】また、前記特開昭53−58134号公報
に記載の技術は、筒状体の内部を圧気状態に保って、シ
ールド機であるシールド式トンネル掘進機を推進するよ
うにしている。したがって、筒状体を堅牢な構造としな
ければならないこと、および圧気設備を要することによ
り設備費が嵩む問題があり、重量も増大するため、設置
作業性が悪いという問題があり、圧気下で仮セグメント
の組み立て等の作業を行うことになるので、潜函病の発
生のおそれもある。
【0008】さらに、前記特開昭61−72193号公
報に記載の技術では、前述の問題は解決されるものの、
発進立坑の立坑壁に設定された坑口部をシールド機によ
り掘削し、通過させるときの作業性を改善することにつ
いては配慮されていない。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、坑口部に鉄筋コンクリ
ート地中連続壁や立坑土留め壁を構築し、また掘進部の
防護工事としてシールドの前方部に強固な地盤改良工事
を行い、さらに前記鉄筋コンクリート地中連続壁や立坑
土留め壁を取り壊す工事を全て省略でき、しかも発進立
坑の立坑壁に設定された坑口部をシールド機により掘削
し、通過させるときに、その坑口部の崩壊を防止しつつ
掘削作業を能率良く行い得るシールド機の発進方法を提
供しようとするものである。
【0010】本発明の他の目的は、前記本発明方法を的
確に実施し得るシールド機の発進装置を提供しようとす
るものである。また、到達方法、到達装置をも提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明方法は発進立坑1の立坑壁2に予め設定され
た坑口部3に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のア
ンカケーブル4a,4bを配列しておき、前記坑口部3
を掘削すべき横坑の位置に合わせて発進立坑1を所定の
位置に沈設し、前記発進立坑1内に、坑口部3に対向さ
せてシールド機7を設置し、このシールド機7の後方に
仮セグメント8を組み立て、この仮セグメント8に反力
を取ってシールド機7を推進し、このシールド機7によ
り坑口部3を掘削中、シールド機7の先端部が前記アン
カケーブル4a,4bの列に接触する直前に、アンカケ
ーブル4a,4bを引き抜き、再び坑口部3を掘削し、
通過させるようにしたものである。
【0012】また、上記目的を達成するため、本発明方
法は前記坑口部3の内壁側周辺とシールド機7の前端部
外周間を、シールするようにしたものである。
【0013】さらに、上記目的を達成するため、本発明
方法は発進立坑1の立坑壁2に予め設定された坑口部3
に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のアンカケーブ
ル4a,4bを配列しておき、前記坑口部3を掘削すべ
き横坑の位置に合わせて発進立坑1を所定の位置に沈設
し、前記発進立坑1内に、両端開放型の筒状のカプセル
本体14を、前記坑口部3に一方の開口部を当接させて
設置し、その内部に、坑口部3に対向させてシールド機
7を設置し、このシールド機7の後方に仮セグメント8
を組み立て、少なくとも前記坑口部3の内壁側周辺とカ
プセル本体14の前端部間、およびカプセル本体14の
後端部内周と仮セグメント8の外周間をそれぞれシール
し、前記仮セグメント8に反力を取ってシールド機7を
推進し、このシールド機7により坑口部3を掘削中、シ
ールド機7の先端部が前記アンカケーブル4a,4bの
列に接触する直前に、アンカケーブル4a,4bを引き
抜き、再び坑口部3を掘削し、通過させるようにしたも
のである。
【0014】また、上記目的をより良く達成するため、
本発明方法は前記アンカケーブル4a,4bを、シール
ド機7の掘進方向に複数列配置させるようにしたもので
あり、さらに前記アンカケーブル4a,4bを引き抜い
た後の空隙に、充填材を充填するようにしたものであ
る。
【0015】そして、上記目的を達成するため、本発明
装置は立坑壁における予め設定された坑口部3に、立坑
内部から引き抜き可能に複数本のアンカケーブル4a,
4bを配列し、かつ前記坑口部3を掘削すべき横坑の位
置に合わせて沈設された発進立坑1と、この発進立坑内
1に、坑口部3に対向させて設置されたシールド機7
と、このシールド機7の後方に組み立てられ、かつシー
ルド機7が反力を取って進出するための仮セグメント8
とを備えて構成したものである。
【0016】さらに、上記目的を達成するため、本発明
装置は立坑壁における予め設定された坑口部3に、立坑
内部から引き抜き可能に複数本のアンカケーブル4a,
4bを配列し、かつ前記坑口部3を掘削すべき横坑の位
置に合わせて沈設された発進立坑1と、両端開放型の筒
状に形成され、かつ発進立坑1内に一方の開口部を前記
坑口部3に当接させて設置されたカプセル本体14と、
このカプセル本体14内に、前記坑口部3に対向させて
設置されたシールド機7と、このシールド機7の後方に
組み立てられ、かつシールド機7が反力を取って進出す
るための仮セグメント8と、少なくとも前記坑口部3の
内壁側周辺とカプセル本体14の前端部間をシールする
シール手段、および前記カプセル本体の後端部内周と仮
セグメント8の外周間をシールするシール手段とを備え
て構成したものである。
【0017】また、到達立坑29の立坑壁30に予め設
定された坑口部に、立坑内部から引き抜き可能に複数本
のアンカケーブル4a,4bを配列しておき、前記坑口
部にシールド機7が到達し、その掘削中、シールド機7
の先端部が前記アンカケーブル4a,4bの列に接触す
る直前に、アンカケーブル4a,4bを引き抜き、再び
坑口部3を掘削し開口し、坑口部3の立坑内部に設けた
耐圧容器31内に前記シールド機7を収容する構成とし
ている。
【0018】また、沈設された到達立坑29と、この到
達立坑29における坑口部に、立坑内部から引き抜き可
能に配列された複数本のアンカケーブル4a,4bと前
記坑口部の立坑内部に設けられ、かつ前記シールド機7
を収容可能な耐圧容器31とを備えた構成としている。
【0019】
【作用】本発明方法では、発進立坑1の立坑壁に予め設
定された坑口部3に、立坑内部から引き抜き可能にアン
カケーブル4a,4bを複数本配列しておく。そして、
前記坑口部3を掘削すべき横坑の位置に合わせて発進立
坑1を所定の位置に沈設する。ついで、発進立坑1内
に、前記坑口部3に対向させてシールド機7を設置し、
シールド機7の後方に仮セグメント8を組み立て、この
仮セグメント8に反力を取ってシールド機7を推進し、
坑口部3を掘削する。この坑口部3の掘削中、シールド
機7の先端部が前記アンカケーブル4a,4bの列に接
触する直前に、アンカケーブル4a,4bを引き抜く。
その後、シールド機7により再び前記坑口部3を掘削
し、通過させる。
【0020】このように、本発明方法では発進立坑1の
立坑壁に予め設定された坑口部3に複数本のアンカケー
ブル4a,4bを配列しておき、シールド機7により坑
口部3を掘削中、シールド機7の先端部がアンカケーブ
ル4a,4bの列に接触する直前に、アンカケーブル4
a,4bを引き抜くようにしており、シールド機7によ
り坑口部3を掘削する途中の段階ではアンカケーブル4
a,4bの列により強度を大きくでき、シールド機7が
坑口部3の残りの部分を掘削する段階ではアンカケーブ
ル4a,4bを引き抜いて掘削しやすいようにしている
ので、坑口部3に鉄筋コンクリート地中連続壁や立坑土
留め壁を構築し、また掘進部の防護工事としてシールド
の前方部に強固な地盤改良工事を行い、さらに前記鉄筋
コンクリート地中連続壁や立坑土留め壁を取り壊す工事
を全て省略でき、しかも発進立坑1の立坑壁に設定され
た坑口部3をシールド機7により掘削し、通過させると
きに、坑口部3の崩壊を防止しつつ掘削作業を能率良く
行うことができる。
【0021】また、本発明方法では前記坑口部3の内壁
側周辺とシールド機7の前端部外周間を、シールするよ
うにしているので、発進立坑1の外部から土砂や水の浸
入を防止しつつシールド機を発進させることができる。
【0022】さらに、本発明方法では所定の位置に沈設
された発進立坑1内に、両端開放型の筒状のカプセル本
体14を、坑口部3に一方の開口部を当接させて設置
し、その内部に、坑口部3に対向させてシールド機7を
設置する。また、シールド機7の後方に仮セグメント8
を組み立てる。そして、前記坑口部3の内壁側周辺とカ
プセル本体14の前端部間、およびカプセル本体14の
後端部内周と仮セグメント8の外周間をそれぞれシール
するようにしている。
【0023】これにより、シールド機7をより一層安全
に発進させることができる。
【0024】さらにまた、本発明方法ではアンカケーブ
ル4a,4bを、シールド機7の掘進方向に複数列配置
しているので、シールド機7でより一層安全に坑口部を
掘削し、通過することができる。
【0025】しかも、本発明方法ではアンカケーブル4
a,4bを引き抜いた後の空隙に、充填材を充填するよ
うにしているので、アンカケーブル4a,4bを引き抜
いた後の空隙からの漏水や漏砂等を防止し、坑口部の掘
削を安全に行うことができる。
【0026】本発明装置では、立坑壁2に予め設定され
た坑口部3に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のア
ンカケーブル4a,4bを配列した発進立坑1を、前記
坑口部3を掘削すべき横坑の位置に合わせて沈設してい
る。また、前記発進立坑1内に、坑口部3に対向させて
シールド機7を設置している。さらに、シールド機7の
後方に仮セグメント8を組み立て、この仮セグメント8
に反力を取ってシールド機7を推進し、坑口部3を掘削
するようにしている。そして、坑口部3の掘削中、シー
ルド機7が前記アンカケーブル4a,4bの列に接触す
る直前にアンカケーブル4a,4bを引き抜き、その後
再び坑口部3を掘削し、シールド機7を通過させるよう
にしている。
【0027】したがって、前記本発明装置により本発明
方法を的確に実施することができる。
【0028】また、本発明装置では前記発進立坑1内
に、両端開放型の筒状のカプセル本体14を、坑口部3
に一方の開口部を当接させて設置している。さらに、カ
プセル本体14の内部に、前記坑口部3に対向させてシ
ールド機7を設置し、このシールド機7の後方に仮セグ
メント8を組み立てている。そして、シール手段によ
り、前記坑口部3の内壁側周辺とカプセル本体14の前
端部間をシールしている。さらに、他のシール手段によ
り、カプセル本体14の後端部内周と仮セグメント8の
外周間をシールしている。
【0029】したがって、前記本発明装置ではより一層
安全にかつ的確に本発明方法を実施することができる。
【0030】シールド機7の到達側の到達立坑29も上
記と同様のアンカケーブル4a,4bを設けたため、坑
口部に従来のように鉄筋コンクリート地中連続壁や立坑
土留め壁などの構築を不要とし、かつシールド機7を到
達立坑29内の密閉状の耐圧容器31に収容するように
し、到達立坑側での作業性を良好としている。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図4は本発明の第1実施例を工程順に示し
た一部縦断側面図、図5は図1のA−A矢視図、図6は
本発明で用いるアンカケーブルの一実施例とその引き抜
き過程を示す斜視図、図7,図8および図9は図6のB
−B線,C−C線およびD−D線断面図である。
【0032】その図1〜図4に示す第1実施例では、地
山13の所定の位置に発進立坑1が沈設されている。こ
の発進立坑1には、鉄筋コンクリートケーソンが用いら
れており、筒型の立坑壁2を有している。前記発進立坑
1の立坑壁2には、予め坑口部3が設定されている。こ
の坑口部3は、コンクリートで作られている。この坑口
部3のコンクリートは、曲げ圧縮に耐えられるので、発
進立坑1における坑口部3以外の部分のコンクリートよ
り強度の小さいものでも良い。前記坑口部3の骨材は、
比較的小さいもので、切削しやすいものが良い。また、
坑口部3には、必要に応じて、カッターで切削が容易な
細い鉄筋を配力筋として配置しても良い。なお、発進立
坑1における坑口部3以外の部分には、複数本の鉄筋が
適正に配置されている。しかして、前記発進立坑1は坑
口部3を、掘削すべき横坑の位置に合わせて沈設されて
いる。
【0033】前記坑口部3には、図1,図2に示すよう
に、シールド機の推進方向に所定の間隔をおいて、アン
カケーブル4a,4bが2列配置されている。各列のア
ンカケーブル4a,4bとも、図5から分かるように、
シールド機の推進方向と直交する方向にほぼ等間隔をお
いて複数本配列されている。各列のアンカケーブル4
a,4bは、立坑壁2の内側に取り付けられた当該ケー
ブル台座5a,5bを介して坑口部3に挿入されかつ緊
張した状態に設けられており、さらに前記ケーブル台座
5a,5bを通じて立坑内部から引き抜き可能に設けら
れている。
【0034】前記アンカケーブル4a,4bには、例え
ば「センターコア工法研究会」が開発した「アンカーケ
ーブルC5,C6タイプ」のものを使用する。このタイ
プのアンカケーブルは、図6,図7に符号40で代表し
て示すように、センタコア41と、引き抜き鋼材43
と、PCより線44と、コアカバー45と、グラウト4
6とを有して構成されている。前記センタコア41は、
合成樹脂で形成され、円周方向に等間隔をおいて仕切り
板42が設けられている。前記引き抜き鋼材43は、P
Cより線で形成され、センタコア41の中心部に設けら
れた穴に挿入され、かつコアボンドによりセンタコア4
1と一体化され、センタコア41を引き抜くために用い
られる。前記PCより線44は、センタコア41におけ
る円周方向に隣接する仕切り板42間に形成された溝内
に、この実施例では2本ずつ挿入されている。前記コア
カバー45は、センタコア41の仕切り板42の外側
と、仕切り板42間の溝内に挿入されたPCより線44
の外側とを一括して包み込むように設けられており、ま
たコアカバー45と仕切り板42間には、グリース状の
潤滑剤が塗布されている。前記グラウト46は、コアカ
バー45のさらに外側を被覆し、保護している。そし
て、このタイプのアンカケーブル40を引き抜く場合
は、引き抜き専用のジャッキを使用し、引き抜き鋼材4
3を引っ張り、この引き抜き鋼材43を介してセンタコ
ア41を引き抜く。前記センタコア41を引き抜くと、
アンカケーブルの中央部に空隙ができるので、その空隙
を利用して各PCより線44を引き抜く。
【0035】前記発進立坑1内の底部には、架台6が設
置されている。この架台6上には、シールド機7がその
先端部を前記坑口部3に対向させて設置されている。
【0036】前記シールド機7の後方には、仮セグメン
ト8が組み立てられており、シールド機7はこの仮セグ
メント8に反力を取って推進されるようになっている。
【0037】前記坑口部3の内側の周辺には、シール台
座9が設けられている。このシール台座9には、シール
手段である止水材10が取り付けられている。この止水
材10は、ゴムパッキン等で形成されており、立坑内に
掘削物や土砂,水等が浸入しないようにシールしてい
る。なお、この止水材10は必要に応じて2段以上取り
付けても良い。
【0038】前記坑口部3の内側と、シールド機7の先
端部と、シール台座9と、止水材10とに囲まれた空間
部12には、シール台座9に設けられた注入口11を通
じて、土砂または泥土が注入され、充満されている。
【0039】この第1実施例では、前記機材や部材のほ
かに、シールド機用の推進ジャッキ、シールド機7の隔
壁に取り付けられた土圧計、排土装置であるスクリュー
コンベアや、作泥土材の注入設備等が配備されている
が、これらは図面では省略されている。
【0040】次に、前記第1実施例の作用に関連して、
本発明方法の一例を説明する。
【0041】まず、発進立坑1の立坑壁2に予め坑口部
3を設定し、その坑口部3にケーブル台座5a,5bを
通じて、シールド機7の推進方向に2列にアンカケーブ
ル4a,4bを挿入し、各列のアンカケーブル4a,4
bとも、シールド機7の推進方向と直交する方向に間隔
をおいて複数本配列し、緊張状態に配置しておく。ま
た、前記坑口部3の内側周辺に設けられたシール台座9
には、止水材10を取り付ける。
【0042】この状態から、発進立坑1を予め設定され
た位置に設置し、発進立坑1内の地山13を常法により
掘削し、発進立坑1を自重により沈下させて行き、図1
に示すように、前記坑口部3を掘削すべき横坑に対応す
る位置に合わせて発進立坑1を沈設する。
【0043】ついで、発進立坑1内の底部に架台6を設
置し、さらにこの架台6上に、先端部を坑口部3に対向
させてシールド機7を設置する。
【0044】その後、シールド機7の後方に仮セグメン
ト8を組み立てる。一方、坑口部3の内側と、シールド
機7の先端部と、シール台座9と、止水材10とにより
囲まれた空間部12に、シール台座9に設けられた注入
口11を通じて、土砂または泥土を注入し、充満させて
おく。
【0045】次に、後方取り付けの推進ジャッキを用
い、仮セグメント8に反力を取りシールド機7を坑口部
3に向かって推進させる。このとき、例えばシールド機
7の隔壁に取り付けられている土圧計の値と、坑口部3
に作用する土水圧とがほぼ等しくなるように、シールド
機7内の後方に取り付けられているスクリューコンベア
の回転数を調整しながらシールド機7を推進させる。ま
た、必要に応じて、作泥土材の注入設備を通じて作泥土
材を注入する。
【0046】このようにして、図2に示すように、シー
ルド機7により坑口部3の掘削を行う。この掘削中、坑
口部3は各列複数本ずつ配置されたアンカケーブル4
a,4bにより強度が強化されているので、坑口部3の
外側の土圧や水圧による坑口部3の崩壊を防ぐことがで
きる。そして、シールド機7の先端部が内側のアンカケ
ーブル4aの列に接触する直前に、アンカケーブル4a
を引き抜く。このアンカケーブル4aの引き抜きには、
引き抜きジャッキおよび油圧ユニットを用いて行う。前
述のごとく、アンカケーブル4aを引き抜く前に、基本
的には空間部12側を坑口部3に作用する外圧とほぼ同
等になるように加圧し、崩壊を防ぐ。
【0047】前記坑口部3の内側のアンカケーブル4a
を引き抜いた後、再びシールド機7を推進させ、図3に
示すように、坑口部3を掘削する。そして、シールド機
7の先端部が坑口部3の外側のアンカケーブル4bの列
に接触する直前に、引き抜きジャッキおよび油圧ユニッ
トを用いてアンカケーブル4bを引き抜く。
【0048】前記アンカケーブル4bを引き抜いた後、
図4に示すように、再びシールド機7を推進させ、坑口
部3の残りの部分を掘削し、シールド機7を通過させ、
到達立坑に向かって推進させる。
【0049】以上説明した第1実施例によれば、シール
ド機7の発進過程で、坑口部3の前方に鉄筋コンクリー
ト地中連続壁や立坑土留め壁を構築する必要がないし、
さらに掘進部の防護工事として、シールド機7の前方に
強固な地盤改良を行う必要もなく、シールド機7を発進
させることができる。
【0050】なお、前記アンカケーブル4a,4bは必
ずしも完全に引き抜く必要はなく、アンカケーブル4
a,4bの先端部が坑口部3の上側の位置にまで引き抜
いても良い。アンカケーブル4a,4bを完全に引き抜
いたとき、空隙ができる。そこで、シールド機7の発進
後に、ケーブル台座5a,5bからモルタル等を注入
し、前記空隙および坑口部3内に充填し、漏水,漏砂等
を防止するようにしても良い。
【0051】前述のごとく、アンカケーブル4a,4b
を引き抜くことにより、主筋部材がなくなるため、シー
ルド機7による坑口部3の掘削を能率良く行うことがで
きる。
【0052】なお、シールド機7の到達立坑について
も、アンカケーブルを複数本緊張させて設けた坑口部を
形成することにより、地盤改良等の工事を省略すること
が可能となる。
【0053】次に、図10は本発明の第2実施例を示す
一部縦断側面図、図11はこの第2実施例で用いるカプ
セル本体の拡大斜視図、図には図10中A−A線の概略
断面図である。この第2実施例では、発進立坑1内にカ
プセル本体14が設置され、その内部にシールド機7が
設置されている点に特徴を有している。
【0054】前記カプセル本体14は、図11に示すよ
うに、円弧型に形成されたカプセルエレメント15を複
数個組み合わせて、両端開放型の筒状に構成されてい
る。円周方向および長さ方向に隣接するカプセルエレメ
ント15は、互いにフランジ16同士、およびリブ17
同士を当接させ、前記フランジ16およびリブ17に設
けられたボルト穴18にボルト(図示せず)を通して連
結されている。また、カプセル本体14の前端部にはボ
ルト穴20を有するフランジ19が設けられている。さ
らに、カプセル本体14の胴部の前端部、後端部および
中間部には、モルタル等の注入口21が設けられてい
る。
【0055】そして、前記カプセル本体14を、図10
に示すように、発進立坑1内の底部に設置された架台6
上に、フランジ19を有する前端部を発進立坑1の坑口
部3に合わせて設置する。ついで、前記フランジ19に
設けられたボルト穴20にボルト22を通し、このボル
ト22を介してカプセル本体14の前端部を坑口部3の
周辺に気密的に取り付ける。また、坑口部3の内側とフ
ランジ19間に、必要に応じてパッキン材、その他の充
填材による止水材を介装し、シールしても良い。さら
に、カプセル本体14の内部に設置されているシールド
機7の後方に仮セグメント8を組み立てる。ついで、少
なくともカプセル本体14の後端部内周と、仮セグメン
ト8の外周間に、フランジ16に設けられたボルト穴1
8を利用してゴムパッキン等の止水材23を取り付け、
シールする。なお、カプセル本体14はシールド機7の
全長が収まる長さを持ち、さらにカプセル本体14の後
端部は止水材23により仮セグメント8と固定されてい
る。この止水材23は坑口部の掘削の前に設けられる。
【0056】以上のように坑口部3に両端開放型の筒状
のカプセル本体14を、図12に示すように、架台26
に介して取り付け、その内部に設けられた発進架台24
上にシールド機7を設置する。この発進架台24は、例
えばH鋼を用い、シールド機7の進行方向に2本配列さ
れ、固定部材25に固定されている。しかして、シール
ド機7の後方に仮セグメント8を組み立て、少なくとも
坑口部3の内側周辺とカプセル本体14の前端部をシー
ルし、また、シールド機7の外周とカプセル本体14の
内周間にパッキン材27を設け、かつカプセル本体14
の後端部内周と仮セグメント8の外周間をシールし、確
実に土砂や水の侵入を防止したうえで、前述の第1実施
例と同じ要領でシールド機7を発進させ、坑口部3を通
過させ、到達立坑に向かって掘進させる。なお、発進に
際してはカプセル本体14のリブ16のボルト穴を利用
し、ゴムパッキンを取付け、第1実施例と同様チャンバ
ー内の空間部12に泥土を充満させ発進させる。
【0057】以上説明した第2実施例によれば、カプセ
ル本体14の内部からシールド機7を発進させるように
しているので、シールド機7をより一層安全に発進させ
ることができる。
【0058】なお、この第2実施例において、カプセル
本体14は円筒状に限らず、多角筒状に形成しても良
い。また、カプセル本体14は複数個のカプセルエレメ
ント15を組み立てる型式のものに限らず、一体型とし
ても良い。
【0059】さらに、坑口部3の内側周辺とカプセル本
体14の前端部のフランジ19との間に、ゴムパッキン
等を介装し、シールしても良い。このパッキン材は必要
に応じ適位置に複数設置できる。
【0060】また、止水材23はカプセル本体14の後
端部内周と仮セグメント8の外周間の1個所に設ける場
合に限らず、カプセル本体14の内周とシールド機7の
外周間等にわたる複数個所に設けても良い。さらに、ゴ
ムパッキンを用いた止水材23に代えて、カプセル本体
14に設けられた注入口21を利用して、モルタル等の
充填物を注入し、充填しても良い。さらには、カプセル
本体14と仮セグメント8とが鋼製の場合には、鋼鉄板
を両者間に溶接して取り付け、シールするようにしても
良い。なお、上記実施例において、必ずしもカプセル本
体14はシールド機7の全長より長くする必要はない。
【0061】図13は到達立坑29の実施例を示す。こ
の到達立坑29の立坑壁30には発進立坑1と同様に引
き抜き可能なアンカケーブル4a,4bがケーブル台座
5a,5bを介して設けられている。また、到達立坑2
9の内には断面略横U字状をなし、かつシールド機7の
先端ビットからシールド筒の後端部を収容可能な大きさ
の耐圧容器31の開口端28側が立坑壁30に、例えば
ボルト等により固定されている。耐圧容器31内には泥
土または水等の充填物32が入っており、この固定部は
耐圧容器31内の充填物32の泥圧または水圧等の圧が
逃げないように確実に止水されている。
【0062】この耐圧容器31は蓋体31aと筒体31
bとからなり、全体として底部が弧状となっている有底
筒状の形状をなし、到達立坑29内に設けられた架台3
7上に固定され、かつ、耐圧容器31の開口端28側の
外周には地山から土砂や水等が耐圧容器31内に侵入す
るのを防止する裏込め注入バルブ33が取付けられてい
る。この注入バルブ33からは比較的硬化の早い水中コ
ンクリートが掘進に伴って組込まれたセグメント8Aの
外周部に注入される。この裏込め注入はアンカケーブル
4a,4bの引き抜き後のアンカケーブル孔4a’,4
b’を利用して行うこともできる。
【0063】また、耐圧容器31の開口端28側の内周
には、例えばワイヤーブラシ等を適数段設けてなるシー
ル材34が設けられ、裏込め注入材が耐圧容器31内に
流入しないようになっている。
【0064】また、耐圧容器31の底部側近くには、耐
圧容器31内に充填物32を注入するためのバルブ3
5、36が設けられている。
【0065】次にシールド機7が到達立坑29に到達す
る工程を説明する。まず、到達立坑29の所定の位置に
耐圧容器31を取付け、バルブ35、36を用いて内部
に充填物32を注入し圧力を発生させる。この圧力はシ
ールド機7が掘削する立坑壁30に作用する土水圧とほ
ぼ同等に設定される。
【0067】シールド機7が到達立坑29の立坑壁30
の外側に達したら、発進方法のときと同様にアンカケー
ブル4a,4bを引き抜きながら掘進を行う。しかし
て、シールド機7が立坑壁30を貫通して耐圧容器31
内の所定の位置に達するまでは常に耐圧容器31内の圧
力はほぼ一定に維持される。
【0068】裏込め注入バルブ33からの裏込め材の注
入は、シールド機7の後端部が立坑壁30を抜け出る位
置において行う。
【0069】裏込め材硬化後、耐圧容器31内の充填物
32をバルブ35、36を介し取除き、かつ耐圧容器3
1の蓋体31aをボルト37を取除くことによって取り
外し、シールド機7を解体すれば発進立坑1から到達立
坑29にわたってトンネルを完成させることができる。
【0070】なお、上記実施例ではシールド機7のシー
ルド筒の後端部が耐圧容器31内に完全に入る場合につ
いて説明したが、例えばシールド機7を埋設してしまう
場合には、実施例で示すような長さは必要でなく、短く
ても良い。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法では発
進立坑1の立坑壁に予め設定された坑口部3に、立坑内
部から引き抜き可能に複数本のアンカケーブル4a,4
bを配列しておき、前記坑口部3を掘削すべき横坑の位
置に合わせて発進立坑1を所定の位置に沈設し、前記発
進立坑1内に、坑口部3に対向させてシールド機7を設
置し、このシールド機7の後方に仮セグメント8を組み
立て、この仮セグメント8に反力を取ってシールド機7
を推進し、このシールド機7により坑口部3を掘削中、
シールド機7の先端部が前記アンカケーブル4a,4b
の列に接触する直前に、アンカケーブル4a,4bを引
き抜き、再び坑口部3を掘削し、通過させるようにして
いるので、坑口部3に鉄筋コンクリート地中連続壁や立
坑土留め壁を構築し、また掘進部の防護工事としてシー
ルドの前方部に強固な地盤改良工事を行い、さらに前記
鉄筋コンクリート地中連続壁や立坑土留め壁を取り壊す
工事を全て省略し得る効果を有する外、シールド機7に
より坑口部3を掘削する途中の段階ではアンカケーブル
4a,4bの列により強度を大きくでき、シールド機7
が坑口部3の残りの部分を掘削する段階ではアンカケー
ブル4a,4bを引き抜いて掘削しやすいようにしてい
るので、発進立坑1の立坑壁に設定された坑口部3をシ
ールド機7により掘削し、通過させるときに、坑口部3
の崩壊を防止しつつ掘削作業を能率良く行い得る効果が
ある。
【0072】また、本発明方法では前記坑口部3の内壁
側周辺とシールド機7の前端部外周間を、シールするよ
うにしているので、発進立坑1の外部から土砂や水の浸
入を防止しつつシールド機7を発進させ得る効果があ
る。
【0073】さらに、本発明方法では発進立坑1の立坑
壁2に予め設定された坑口部3に、立坑内部から引き抜
き可能に複数本のアンカケーブル4a,4bを配列して
おき、前記坑口部3を掘削すべき横坑の位置に合わせて
発進立坑1を所定の位置に沈設し、前記発進立坑1内
に、両端開放型の筒状のカプセル本体14を、前記坑口
部3に一方の開口部を当接させて設置し、その内部に、
坑口部3に対向させてシールド機7を設置し、このシー
ルド機7の後方に仮セグメント8を組み立て、少なくと
も前記坑口部3の内壁側周辺とカプセル本体14の前端
部間、およびカプセル本体14の後端部内周と仮セグメ
ント8の外周間をそれぞれシールし、前記仮セグメント
8に反力を取ってシールド機7を推進し、このシールド
機7により坑口部3を掘削中、シールド機7の先端部が
前記アンカケーブル4a,4bの列に接触する直前に、
アンカケーブル4a,4bを引き抜き、再び坑口部3を
掘削し、通過させるようにしているので、シールド機7
をより一層安全に発進させ得る効果がある。
【0074】さらにまた、本発明方法ではアンカケーブ
ル4a,4bを、シールド機7の掘進方向に複数列配置
しているので、シールド機7でより一層安全に坑口部を
掘削し、通過させ得る効果がある。
【0075】また、本発明方法ではアンカケーブル4
a,4bを引き抜いた後の空隙に、充填材を充填するよ
うにしているので、アンカケーブル4a,4bを引き抜
いた後の空隙からの漏水や漏砂等を防止し、坑口部3の
掘削を安全に行い得る効果がある。
【0076】そして、本発明装置では立坑壁2における
予め設定された坑口部3に、立坑内部から引き抜き可能
に複数本のアンカケーブル4a,4bを配列し、かつ前
記坑口部3を掘削すべき横坑の位置に合わせて沈設され
た発進立坑1と、この発進立坑1内に、坑口部3に対向
させて設置されたシールド機7と、このシールド機7の
後方に組み立てられ、かつシールド機7が反力を取って
進出するための仮セグメント8とを備えて構成している
ので、前記本発明方法を的確に実施し得る効果がある。
【0077】さらに、本発明装置では立坑壁2における
予め設定された坑口部3に、立坑内部から引き抜き可能
に複数本のアンカケーブル4a,4bを配列し、かつ前
記坑口部3を掘削すべき横坑の位置に合わせて沈設され
た発進立坑1と、両端開放型の筒状に形成され、かつ発
進立坑1内に一方の開口部を前記坑口部3に当接させて
設置されたカプセル本体14と、このカプセル本体14
内に、前記坑口部3に対向させて設置されたシールド機
7と、このシールド機7の後方に組み立てられ、かつシ
ールド機7が反力を取って進出するための仮セグメント
8と、少なくとも前記坑口部3の内壁側周辺とカプセル
本体14の前端部間をシールするシール手段、および前
記カプセル本体14の後端部内周と仮セグメント8の外
周間をシールするシール手段とを備えて構成しているの
で、より一層安全にかつ的確に本発明方法を実施し得る
効果がある。
【0078】また、到達技術において、本発明では到達
立坑29に発進側と同様のアンカケーブル4a,4bを
設け、かつ立坑壁30を通過して到達立坑29内に入っ
てきたシールド機7を収容する耐圧容器31を立坑壁3
0の坑口部に接続したから、坑口部に鉄筋コンクリート
地中連続壁や立坑土留め壁などの構築が不要となり、か
つ坑口部の崩壊を防止しつつ容易にシールド機7を到達
立坑29内に引き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す一部縦断側面図であ
り、シールド機の発進当初の工程を示す図である。
【図2】図1に続く工程説明図である。
【図3】図2に続く工程説明図である。
【図4】図3に続く工程説明図である。
【図5】図1のA−A矢視図である。
【図6】本発明で用いるアンカケーブルの一実施例を示
す斜視図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】図6のC−C線断面図である。
【図9】図6のD−D線断面図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す一部縦断側面図で
ある。
【図11】第2実施例で用いるカプセル本体の拡大斜視
図である。
【図12】図10中A−A線概略断面図。
【図13】本発明の到達側立坑の実施例を示す。
【符号の説明】
1 発進立坑 2 立坑壁 3 坑口部 4a,4b アンカケーブル 5a,5b ケーブル台座 7 シールド機 8 仮セグメント 10 止水材 11 モルタル等の注入口 13 地山 14 カプセル本体 15 カプセルエレメント 16,19 フランジ 21 モルタル等の注入口 22 坑口部の内側とカプセル本体の前端部の接続用の
ボルト 23 止水材 24 発進架台 25 固定部材 26 架台 27 パッキン材 28 ボルト 29 到達立坑 30 立坑壁 31 耐圧容器 32 充填材 33 裏込め注入バルブ 34 シール材 35、36 バルブ 37 架台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 行宏 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発進立坑1の立坑壁2に予め設定された
    坑口部3に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のアン
    カケーブル4a,4bを配列しておき、前記坑口部3を
    掘削すべき横坑の位置に合わせて発進立坑1を所定の位
    置に沈設し、前記発進立坑1内に、坑口部3に対向させ
    てシールド機7を設置し、このシールド機7の後方に仮
    セグメント8を組み立て、この仮セグメント8に反力を
    取ってシールド機7を推進し、このシールド機7により
    坑口部3を掘削中、シールド機7の先端部が前記アンカ
    ケーブル4a,4bの列に接触する直前に、アンカケー
    ブル4a,4bを引き抜き、再び坑口部3を掘削し、通
    過させることを特徴とするシールド機の発進方法。
  2. 【請求項2】 前記坑口部3の内壁側周辺とシールド機
    7の前端部外周間を、シールすることを特徴とする請求
    項1記載のシールド機の発進方法。
  3. 【請求項3】 発進立坑1の立坑壁2に予め設定された
    坑口部3に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のアン
    カケーブル4a,4bを配列しておき、前記坑口部3を
    掘削すべき横坑の位置に合わせて発進立坑1を所定の位
    置に沈設し、前記発進立坑1内に、両端開放型の筒状の
    カプセル本体14を、前記坑口部3に一方の開口部を当
    接させて設置し、その内部に、坑口部3に対向させてシ
    ールド機7を設置し、このシールド機7の後方に仮セグ
    メント8を組み立て、少なくとも前記坑口部3の内壁側
    周辺とカプセル本体14の前端部間、およびカプセル本
    体14の後端部内周と仮セグメント8の外周間をそれぞ
    れシールし、前記仮セグメント8に反力を取ってシール
    ド機7を推進し、このシールド機7により坑口部3を掘
    削中、シールド機7の先端部が前記アンカケーブル4
    a,4bの列に接触する直前に、アンカケーブル4a,
    4bを引き抜き、再び坑口部3を掘削し、通過させるこ
    とを特徴とするシールド機の発進方法。
  4. 【請求項4】 前記アンカケーブル4a,4bを、シー
    ルド機7の掘進方向に複数列配置することを特徴とする
    請求項1または3記載のシールド機の発進方法。
  5. 【請求項5】 前記アンカケーブル4a,4bを引き抜
    いた後の空隙に、充填材を充填することを特徴とする請
    求項1または3記載のシールド機の発進方法。
  6. 【請求項6】 立坑壁2における予め設定された坑口部
    3に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のアンカケー
    ブル4a,4bを配列し、かつ前記坑口部3を掘削すべ
    き横坑の位置に合わせて沈設された発進立坑1と、この
    発進立坑1内に、坑口部3に対向させて設置されたシー
    ルド機7と、このシールド機7の後方に組み立てられ、
    かつシールド機7が反力を取って前進するための仮セグ
    メント8とを備えていることを特徴とするシールド機の
    発進装置。
  7. 【請求項7】 立坑壁2における予め設定された坑口部
    3に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のアンカケー
    ブル4a,4bを配列し、かつ前記坑口部3を掘削すべ
    き横坑の位置に合わせて沈設された発進立坑1と、両端
    開放型の筒状に形成され、かつ発進立坑1内に一方の開
    口部を前記坑口部3に当接させて設置されたカプセル本
    体14と、このカプセル本体14内に、前記坑口部3に
    対向させて設置されたシールド機7と、このシールド機
    7の後方に組み立てられ、かつシールド機7が反力を取
    って前進するための仮セグメント8と、少なくとも前記
    坑口部3の内壁側周辺とカプセル本体14の前端部間を
    シールするシール手段、および前記カプセル本体14の
    後端部内周と仮セグメント8の外周間をシールするシー
    ル手段とを備えていることを特徴とするシールド機の発
    進装置。
  8. 【請求項8】 到達立坑29の立坑壁30に予め設定さ
    れた坑口部に、立坑内部から引き抜き可能に複数本のア
    ンカケーブル4a,4bを配列しておき、前記坑口部に
    シールド機7が到達し、その掘削中、シールド機7の先
    端部が前記アンカケーブル4a,4bの列に接触する直
    前に、アンカケーブル4a,4bを引き抜き、再び坑口
    部3を掘削し開口し、坑口部3の立坑内部に設けた耐圧
    容器31内に前記シールド機7を収容することを特徴と
    するシールド機の到達方法。
  9. 【請求項9】 沈設された到達立坑29と、この到達立
    坑29における坑口部に、立坑内部から引き抜き可能に
    配列された複数本のアンカケーブル4a,4bと、前記
    坑口部の立坑内部に設けられ、かつ前記シールド機7を
    収容可能な耐圧容器31とを備えたことを特徴とするシ
    ールド機の到達装置。
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