JPH06158499A - 不織布の製造方法 - Google Patents

不織布の製造方法

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JPH06158499A JP32281692A JP32281692A JPH06158499A JP H06158499 A JPH06158499 A JP H06158499A JP 32281692 A JP32281692 A JP 32281692A JP 32281692 A JP32281692 A JP 32281692A JP H06158499 A JPH06158499 A JP H06158499A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、不織布製造における、嵩減
少、粗硬感の問題解消であり、さらに詳しくは、エアス
ルー不織布加工装置を大幅に改造することなく、既存の
熱接着性繊維を用いて得る不織布の、強力をほぼ維持し
たまま、嵩高性、風合を簡便に改良することが可能な製
造方法を提供することに有る。 【構成】低融点成分、高融点成分からなる熱接着性繊維
を含む繊維集合体を、熱処理冷却処理により接着する不
織布の製法において、風速0.2〜5 m/sec、加熱時間
0.1〜300sec 、低融点成分融点以上の温度の熱風
で熱処理加工し、その直後に風速0.1〜1m/sec、冷
却時間0.1sec以上、温度−30〜45℃の風圧のか
からない低温気体で冷却処理し、低融点成分を固着する
ことを特徴とする不織布の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0010】
【産業上の利用分野】 本発明は不織布の製造方法に関
し、さらに詳しくは、嵩高で、風合がソフトな不織布が
得られ、それに伴う強力の低下が少ない不織布の製造方
法に関する。
【0011】
【従来の技術】 紙おむつや生理用品の表面材等には
不織布が多く用いられている。近年、これらの製品の高
級化、多様化に伴い原材料となる不織布には高度な性能
が要求されている。すなわち、低目付けでありながら高
強力で高嵩高性を有し、風合がソフトなことが不織布の
性能として要求されており、この要求を満たすために多
種多様な不織布用の熱接着性繊維が開発されている。こ
れら熱接着性繊維の改良に関しては、特公昭52−12
830号公報に開示された熱接着性繊維を始めとして、
数多く開示されているが、いずれの熱接着性繊維を用い
ても高強力、高嵩高性を有し、風合がソフトな不織布と
して満足できるものは得られていない。
【0012】 例えば、特公昭52−12830号公報
の熱接着性繊維を用いて得た不織布は高強力ではある
が、嵩高性、風合の点で劣っている。この改良として開
示されている特開昭63−92722号公報は、熱接着
性繊維の低融点成分に直鎖状低密度ポリエチレンを用
い、高融点成分にポリエステルを用いることにより、高
嵩高性を有し、風合がソフトな不織布が得られているも
のの、反面強力が低下している。
【0013】 また、特開昭63−135549号公報
では、低融点成分にポリエチレン、高融点成分に高結晶
性ポリプロピレンを用いて嵩高性を向上させているが、
やはり強力の低下が見られる。一方、不織布の製造方法
において、現行のエアスルー加工装置で不織布加工を行
うと、繊維集合体を熱加工した後に、冷却工程において
不織布の嵩高性を悪化させるという欠点があり、既存の
熱接着性繊維が本来持つ性能を充分に発揮させる事が出
来ない。また、他の不織布製造法としては高速水流によ
る製造等優れた加工方法が開発されているが、いずれの
方法も新たな設備の導入、あるいは大幅な改造が必要と
なり経済的に不利である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、不
織布製造における、嵩減少、粗硬感の問題解消であり、
さらに詳しくは、エアスルー不織布加工装置を大幅に改
造することなく、既存の熱接着性繊維を用いて得られる
不織布の、強力をほぼ維持したまま、嵩高性、風合を簡
便に改良することが可能な製造方法を提供することに有
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、上記の課
題を解決するために鋭意研究の結果、従来の技術は、強
度向上に主眼がおかれ、そのため冷却時に著しく嵩減少
した状態で繊維の固着が行われたところに要因があるこ
とを解明し、その対策として、低融点成分、高融点成分
からなる熱接着性繊維を含む繊維集合体を、熱処理冷却
処理により接着する不織布の製法において、風速0.2
〜5m/sec 、加熱時間0.1〜500sec 、低融点成分
融点以上の温度の熱風で熱処理加工し、その直後に風速
0.1〜1m/sec 、冷却時間0.1sec以上 、冷風温度
−30〜30℃の風圧のかからない低温気体で冷却処理
し、低融点成分を固着することによって、所期の成果が
得られることを知り、本発明を完成するに至った。以下
本発明を詳細に説明する。
【0016】 本発明における熱接着性繊維とは、低融
点成分、高融点成分を有する2成分以上の複合繊維であ
り、低融点成分が鞘となる鞘芯型複合繊維、並列型複合
繊維を例示でき、低融点成分、高融点成分の温度差が2
0℃以上が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン、ポリエステルなどを用い加熱処理
により低融点成分を溶融し、接する繊維と融着した後、
冷却処理により固着し接着する事が可能な繊維である。
このような加熱、冷却処理することにより、熱接着する
熱接着繊維であればいずれも使用でき、特公昭52−1
2830号公報に開示されている繊維等を例示できる。
【0017】 本発明における繊維集合体とは、該熱接
着性繊維を100%用いても、あるいは他の繊維と混綿
して用いてもよい。ただし、混綿する場合は、他の繊維
の混率を熱接着性繊維の接着能力により充分不織布化が
可能な程度にすることが望ましい。繊維集合体は、熱接
着性繊維をカード機等でウェブ状に加工した繊維した集
合体、ウェブ状スパンボンド法で紡糸したフリース、あ
るいはメルトブロー法で紡糸したウェブ等である。
【0018】 本発明の熱処理加工とは、風速0.2〜
5 m/sec、加熱時間0.1〜500 sec、低融点成分融
点以上の温度の熱風で加工することである。これによ
り、熱接着性繊維の低融点成分を溶融し、この溶融分が
接する繊維と融着し、溶融しない高融点成分が繊維形状
を残し、繊維集合体の嵩高を保つ加工である。本発明の
目的から、加熱媒体、加熱媒体温度、加熱時間、加熱媒
体風速が選ばれ、熱接着性繊維の低融点成分の融点以
上、高融点成分の融点以下の温度に加熱した空気、蒸気
を、ブロアー等で加速し、繊維集合体にあて、さらに反
対方向からサクションすることで繊維集合体中を貫通さ
せ、低融点成分を溶融し、接する繊維と融着することが
できる。また繊維形状を変形しない短時間であれば、熱
接着性繊維の高融点成分融点以上の温度であってもよ
い。このため、より好ましくは風速1〜3m/sec、加熱
時間10〜30sec 、低融点成分融点の2℃以上、高融
点成分融点の15℃以下の温度の熱風で熱処理加工す
る。
【0019】 本発明の冷却処理とは、前記熱処理加工
直後に、風速0.1〜1m/sec 、冷却時間0.1sec 以
上、冷風温度−30〜45℃の風圧のかからない冷却処
理し、低融点成分を固着する。この冷却処理の固着した
後に、残留した蓄熱を除くために強風で最終冷却しても
よい。また本発明の冷却処理には、繊維集合体の比容積
が熱処理加工直後の比容積に対し60%以上を維持した
状態になるような(以下この数値を維持率と表すことも
ある)風速の遅い低温気体で冷却することにより接着さ
れた不織布とすることが好ましい。風速1m/sec 以下の
風圧のかからない低温気体で冷却処理することにより、
嵩高性やソフトな風合の不織布とすることができる。ま
た風速0.1m/sec 未満の遅い風速の低温気体では冷却
時間が長くなるなど実用的ではない。より好ましくは風
速0.2〜0.8m/sec、冷却時間1〜10sec 、冷風
温度0〜30℃の冷風である。雰囲気温度の高い夏場
は、チ−ラ−などの冷却装置を用いると冷却効果が高
い。本発明における冷却法は、第1図に示すような装置
を用いる徐冷法、あるいは第2図及び第3図に示すよう
な装置を用いる横冷却法、第4図に示すような装置を用
いるトンネル冷却法、第5図に示すような装置を用いる
吹上冷却法等が例示できる。
【0020】 以下徐冷法について第1図を用いて説明
する。第1図において、カード機(図示せず)より矢印
A方向から送られてきたウェブ1は駆動ロール10と連
動ロール11、12、13によって、矢印B方向に循環
移動するネットコンベアー2によって運ばれ、熱処理加
工装置3内を通過する。熱処理加工装置3内はエアスル
ー方式になっている。すなわち、ブロアー15によって
矢印F方向に循環するエアーはヒーター14で設定温度
条件まで昇温されて熱風となる。この熱風がウェブ1に
対し、矢印F1方向に吹き付けられる。このとき、ウェ
ブ1は熱接着性繊維の低融点成分の融点以上、かつ高融
点成分の融点以下の温度に加熱された空気が吹き付けら
れるので、前記低融点成分が溶融する。しかも、反対側
からサクションボックス4で吸引するので、加熱空気は
ウェブ1の繊維集合体内を貫通する。ここで溶融した低
融点成分は、繊維集合体内の各接合点を融着する。サク
ションボックスで吸引された加熱空気は、矢印F2方向
に流れ、ブロアー15をへて、ヒーター14で再度昇温
されて矢印F1方向に再循環するようになっている。
【0021】 次いで、移動するネットコンベアー2上
のウェブ1は、本発明の冷却ゾーンに入る。冷却ゾーン
は、ウェブ1の上方側に冷風ダクト5が設けられ、冷却
機(図示せず)から矢印G1方向に冷風が送られ、冷却
ゾーンの雰囲気温度を調整する。なお、ここで衝立7の
如き隔壁、または仕切板を第1図の如く設けると、冷却
ゾーンの温度調節された雰囲気が、最終冷却ゾーンのサ
クションボックス8から吸引され、冷却効果が妨げられ
る事を防ぐ事ができる。温度調整された冷却ゾーンの雰
囲気は、風速が弱いサクションボックス6から、サクシ
ョンブロアー(図示せず)によって矢印G2方向へ吸引
され、ウェブ1の繊維集合体内を緩やかに均一に貫通
し、繊維集合体中の繊維の接点を固着する。このため冷
却では、ウェブ1の嵩へたり作用が極力抑制される。
【0022】 また、運転走行中の冷却ゾーンのウェブ
1の比容積は、例えばウェブ1の両側に光センサーを取
付けて厚みをチェックし、これに冷却条件を連動させて
調節するようにすると安定した工程管理が容易となるの
で好ましい。このようにして、冷却ゾーンで比容積を熱
処理加工直後の比容積に対し、60%以上に維持された
状態で繊維集合体中の繊維の接点が固着されたウェブ1
は、必要であれば、雰囲気が風速の強いサクションボッ
クス8からサクションブロアー(図示せず)によって矢
印E方向へ吸引される装置が設けられた最終冷却ゾーン
で冷却してもよい。これにより、製品の蓄熱を防ぐこと
ができる。次いでウェブ1は工程を終了し、不織布9と
してネットコンベアー2によって矢印C方向に送られ、
巻取機(図示せず)に巻取られる。このようにして得ら
れた不織布は、従来の不織布に比し、嵩高でソフトな風
合に富んだものとなる。
【0023】 横冷却法とは熱処理加工直後の繊維集合
体を、表面横方向からの冷却風により冷却することで、
該繊維集合体の比容積が熱処理加工直後の比容積に対し
60%以上となる状態で、繊維の接点を固着する不織布
の製造方法である。以下横冷却法について第2図及び第
3図を用いて説明する。横冷却法に関しては、熱処理加
工工程終了までは前記徐冷法と同様である。移動するネ
ットコンベアー2上のウェブ1は熱処理加工ゾーンから
冷却ゾーンにはいる。冷却ゾーンは、ウェブ1の側面に
吹出しスリット17a、17bを具備した冷風ダクト1
6a、16bが設けられ、冷却機(図示せず)から矢印
G1方向に送られる冷風によって、ウェブ1が冷却され
る。冷風はウェブ1側面からウェブ1にあたるため、熱
処理加工直後のウェブ1は比容積がほとんど減少するこ
と無く、繊維集合体中の繊維の接点が固着される。比容
積の工程管理は徐冷法と同様に行っても良い。冷却ゾー
ン以降の工程に関しては徐冷法と同様である また、横冷却法は徐冷法と比して、熱処理加工終了後の
ウェブ1の比容積を低下させる要因が少ないため嵩高性
がさらに優れている場合が多い。次いでトンネル冷却法
とは、熱処理加工直後の繊維集合体を、繊維集合体の進
行方向に随伴して流れる冷却風によって冷却し、該繊維
集合体の比容積が熱処理加工直後の比容積に対し60%
以上となる状態で、繊維の接点を固着する不織布の製造
方法である。
【0024】 以下トンネル冷却法について第4図を用
いて説明する。トンネル冷却法に関しては、熱処理加工
工程終了までは前記徐冷法と同様である。移動するネッ
トコンベアー2上のウェブ1は熱処理加工ゾーンから冷
却ゾーンにはいる。冷却ゾーンには、ネットコンベアー
2の上方及び下方にトンネル様なスリット式冷却管18
a,18bを配置する。送風管19a及び19bを通じ
て、冷却機(図示せず)から矢印G1方向に送られた冷
風を導入し、熱処理加工直後のウェブ1の走行に随伴す
るように冷風を流し、これによってウェブ1は冷却され
る。冷却終了後の冷風は排気孔20a,20bより排気
される。ウェブ1を上方から抑える要因が無いため、熱
処理加工直後のウェブ1は比容積がほとんど減少するこ
と無く、繊維集合体中の繊維の接点が固着される。比容
積の工程管理は徐冷法と同様に行っても良い。冷却ゾー
ン以降の工程に関しては徐冷法と同様である
【0025】 さらに吹上冷却法とは、熱処理加工直後
の繊維集合体を、ウェブ下方から冷風を吹上げて、該繊
維集合体の比容積が熱処理加工直後の比容積に対し60
%以上となる状態で、繊維の接点を固着する不織布の製
造方法である。以下冷風吹上冷却法について第5図を用
いて説明する。吹上冷却法に関しては、熱処理加工工程
終了までは徐冷法と同様である。移動するネットコンベ
アー2上のウェブ1は熱処理加工ゾーンから冷却ゾーン
にはいる。冷却ゾーンには、ネットコンベアー2の下方
より冷風を吹上げる装置21が設置されており、ウェブ
1は冷却機(図示せず)から矢印G1方向に送られてき
た冷風により、ネットコンベアー越しに冷却される。ウ
ェブ1を上方から抑える要因が無いため、熱処理加工直
後のウェブ1は比容積が損なわれる事無く、繊維集合体
中の繊維の接点が固着される。比容積の工程管理は徐冷
法と同様に行っても良い。冷却ゾーン以降の工程に関し
ては徐冷法と同様である
【0026】 いかなる冷却法でも、冷却中の繊維集合
体の比容積が、熱処理加工の直後の比容積に対し、60
%以上を維持した状態に冷却条件を調整すること、ま
た、冷却直後の繊維集合体中の繊維の温度が、低融点成
分の固着する温度以下である事が望ましい。具体的には
冷却ゾーンの長さl、冷風の温度、風速などを調節して
条件決定すれば良い。さらに、徐冷法では冷却サクショ
ン付近の雰囲気温度が20℃以下であると、また、横冷
却法、トンネル冷却法、吹上冷却法では冷風の温度が2
0℃以下であると、それぞれ冷却効果が高く、冷却ゾー
ンの長さlが短くて良いため有利である。冷却は、該繊
維集合体の比容積が熱処理加工直後の比容積に対し、6
0%以上を維持した状態で、更に好ましくは90%以上
で95%未満となる状態で行うことが望ましい。60%
以上の比容積で行うと、嵩高性に優れた不織布が得ら
れ、特に90%以上ではより優れたものが得られる。ま
た、95%未満の比容積で行うことで強力をほぼ完全に
維持することが出来る。95%以上では強力が多少低下
するものの嵩高性は更に優れたものとなる。
【0027】 本発明における前述の複合スパンボンド
法とは、従来公知の方法で、複合紡糸口金から紡出した
繊維を、高速気流により引き取り、この繊維と気流とを
補修面に吹き付ける、不織布の製造方法であり特開昭4
8−1471号公報に記載の方法などが例示できる。
【0028】 また本発明における前述の複合メルトブ
ロー法とは、複合紡糸口金から紡出した繊維群を高温高
速の気流に随伴させ、この繊維と気流とを補修面に吹き
付ける、不織布の製造方法であり、特開平4−6556
8号公報に記載の方法などが例示できる。本発明でいう
風合とは、不織布に触れた場合の手触りの感覚であり、
風合がソフトなほど優れた不織布である。本発明で製造
する不織布においては、風合は比容積の増大と共にソフ
トとなる。
【0029】 以下、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、これらの実施例で用いた用語は以下の通り
である。本発明における比容積とは以下に示す式で算出
される値で、繊維集合体あるいは不織布の嵩高性をあら
わす。 比容積(cc/g)=(繊維集合体あるいは不織布の厚
み(mm))/(繊維集合体あるいは不織布の目付け
(g/m2))×1000 なお、繊維集合体あるいは不織布の厚みについてはJI
S K−6767に準じて測定する。 維持率(%)=(冷却中の比容積)/(熱加工直後の比
容積)×100 不織布強力:それぞれの目付けの不織布を機械方向5c
m、機械方向に垂直な方向15cmの短冊状に切断し機
械方向に垂直な方向に引っ張り試験機を用いて、つかみ
幅2.5cm×2、実試長10cmで引っ張り、破断時
の強力を測定した。得られた強力値を次式により換算し
た値を記載した。 強力(Kg/5cm)=(測定値)/(目付け)×20
=(記載値) (目付け20g/m2換算強力 CD方向 単位) なお、それぞれの実施例、比較例における冷却風の温度
は20℃である。また、繊維集合体の温度は熱電対を用
いた接触温度計で測定した。
【0030】
【実施例】
実施例1〜3 鞘側低融点成分、芯側高融点成分として、それぞれ、表
1に示したポリマーを用い、孔径0.6mm、孔数35
0個の鞘芯型複合口金を用いて、単糸繊度8d/fの鞘
芯型熱接着性繊維の未延伸糸を紡糸した。この鞘芯型熱
接着性繊維の未延伸糸をロール延伸装置を用いて100
℃に加熱しながら4倍延伸し、クリンパーで捲縮を付与
した後に、カッターで切断して単糸繊度2d/f、カッ
ト長51mmの鞘芯型熱接着性繊維のステープルファイ
バーを得た。得られたステープルファイバーをカード機
にて目付け20g/m2のウェブとした後サクションドラ
イヤー(温度は表1に示した、風速1.5m/sec、
加工時間15秒、ネットコンベアー速度10m/mi
n)にて熱処理加工した。熱処理加工直後のウェブの比
容積を表1に示した。得られた低融点成分が溶融した状
態のウェブを第1図に示した徐冷装置を用い20℃の冷
却気体で冷却した(l=0.5m)。冷却の風速、冷却
中のウェブの比容積、冷却後のウェブの温度を表1に示
した。冷却終了後、製品不織布の蓄熱を防ぐために風速
2m/secのサクション冷却機で5秒間最終冷却を行
い不織布を得た。不織布の物性を表1に示した。
【0031】 実施例4 実施例1で冷却操作として第2図に示した横冷却装置を
用いる以外は同様に操作を行い不織布を得た。各使用ポ
リマー、ウェブの熱処理加工温度、冷却の風速、冷却後
の不織布の温度、熱処理加工直後と冷却中のウェブの比
容積および、製品不織布の強力と比容積に関して表1に
示した。 実施例5 実施例1で冷却操作として第4図に示したトンネル冷却
装置を用いる以外は同様に操作を行い不織布を得た。各
使用ポリマー、ウェブの熱処理加工温度、冷却の風速、
冷却後の不織布の温度、熱処理加工直後と冷却中のウェ
ブの比容積および、製品不織布の強力と比容積に関して
表1に示した。
【0032】実施例6 実施例1で冷却操作として第5図に示した吹上冷却装置
を用いる以外は同様に操作を行い不織布を得た。各使用
ポリマー、ウェブの熱処理加工温度、冷却の風速、冷却
後の不織布の温度、熱処理加工直後と冷却中のウェブの
比容積および、製品不織布の強力と比容積に関して表1
に示した。 実施例7 実施例1で口金として孔径0.4mm、孔数200個の
複合スパンボンド用口金を用いて、複合スパンボンド法
で目付け30g/m2のフリース(単糸繊度3d/f)を
得る以外は同様に操作を行い、不織布を得た。各使用ポ
リマー、フリースの熱処理加工温度、冷却の風速、冷却
後の不織布の温度、熱処理加工直後と冷却中のフリース
の比容積および、製品不織布の強力と比容積に関して表
1に示した。
【0033】実施例8 実施例1で口金として孔径0.3mm、孔数501個の
複合メルトブロ−用口金を用い、加熱空気圧2.2Kg
/cm2(230℃)の複合メルトブロー法で目付け50
g/m2のウェブ(単糸平均繊維径10μm)を得る以外
は同様に操作を行い、不織布を得た。各使用ポリマー、
ウェブの熱処理加工温度、冷却の風速、冷却後の不織布
の温度、熱処理加工直後と冷却中のウェブの比容積およ
び、製品不織布の強力と比容積に関して表1に示した。 実施例9 実施例1で冷却の風速を強める以外は同様に操作を行い
不織布を得た。各使用ポリマー、ウェブの熱処理加工温
度、冷却の風速、冷却後の不織布の温度、熱処理加工直
後と冷却中のウェブの比容積および、製品不織布の強力
と比容積に関して表1に示した。
【0034】実施例10 実施例1で得られた熱接着性繊維に羊毛を20%wt混
綿する以外は同様に操作を行い不織布を得た。各使用ポ
リマー、ウェブの熱処理加工温度、冷却の風速、冷却後
の不織布の温度、熱処理加工直後と冷却中のウェブの比
容積および、製品不織布の強力と比容積に関して表1に
示した。 実施例11 実施例1で並列型複合口金を用いて並列型熱接着性繊維
を得る以外は同様に操作を行い不織布を得た。各使用ポ
リマー、ウェブの熱処理加工温度、冷却の風速、冷却後
の不織布の温度、熱処理加工直後と冷却中のウェブの比
容積および、製品不織布の強力と比容積に関して表1に
示した。 実施例12 実施例1で冷却終了後の、最終冷却を行わずに、放冷に
より製品不織布の蓄熱を防ぐ以外は同様に操作を行い不
織布を得た。各使用ポリマー、ウェブの熱処理加工温
度、冷却の風速、冷却後の不織布の温度、熱処理加工直
後と冷却中のウェブの比容積および、製品不織布の強力
と比容積に関して表1に示した。
【0035】比較例1〜3、4〜5、6〜7 それぞれ、実施例1〜3、7〜8、11〜12で本発明
の冷却条件による冷却を行わずに、最終冷却を行う以外
は同様に操作を行い、不織布を得た。各使用ポリマー、
ウェブあるいはフリースの熱処理加工温度、最終冷却直
前の不織布の温度、熱処理加工直後と最終冷却中のウェ
ブあるいはフリースの比容積および、製品不織布の強力
と比容積に関して表2に示した。 比較例8 実施例7で冷却の風速を強める以外は同様に操作を行い
不織布を得た。各使用ポリマー、ウェブあるいはフリー
スの熱処理加工温度、最終冷却直前の不織布の温度、熱
処理加工直後と最終冷却中のウェブあるいはフリースの
比容積および、製品不織布の強力と比容積に関して表2
に示した。
【0036】
【発明の効果】 本発明により、従来の不織布製造装置
を大幅に改良することなく、既存の熱接着性繊維の本来
持つ性能を充分に発揮させることが可能になった。本発
明により不織布の嵩高性については、従来品と比べ比容
積の値で10〜50%改良され、それに伴って風合も充
分に改良された。また、本発明の方法を行うことによる
不織布強力の低下はほとんど見られず、簡便に高性能な
不織布を得ることが可能となり、製品に支障の無い程度
の強力の多少の低下を無視するとすれば、嵩高性を大幅
に増加させることも可能となった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の一実施態様である徐冷法に使用する
装置の側面説明図、
【図2】は本発明の一実施態様である横冷却法に使用す
る装置の側面説明図、
【図3】は第2図横冷却装置の冷却ゾーン付近の拡大立
体模式図、
【図4】は本発明の一実施態様であるトンネル冷却法に
使用する装置の側面説明図、
【図5】は本発明の一実施態様である吹上冷却法に使用
する装置の側面説明図である。
【符号の説明】
1:ウェブ 2:ネットコンベアー 5:冷却ダクト
6:風速が弱いサクションボックス 9:不織布 1
6:横冷却風ダクト 18:スリット式冷却管 19:
冷風入口 20:冷風出口 21:冷風吹上装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低融点成分、高融点成分からなる熱接
    着性繊維を含む繊維集合体を、熱処理冷却処理により接
    着する不織布の製法において、風速0.2〜5m/sec、
    加熱時間0.1〜300sec 、低融点成分融点以上の温
    度の熱風で熱処理加工し、その直後に風速0.1〜1m/
    sec、冷却時間0.1sec以上、温度−30〜45℃の風
    圧のかからない低温気体で冷却処理し、低融点成分を固
    着することを特徴とする不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1製造法において、熱処理加工
    後の比容積の60%以上を維持した状態で冷却する不織
    布の製造方法。
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