JPH06157347A - 選択性制癌剤 - Google Patents

選択性制癌剤

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JPH06157347A
JPH06157347A JP3323773A JP32377391A JPH06157347A JP H06157347 A JPH06157347 A JP H06157347A JP 3323773 A JP3323773 A JP 3323773A JP 32377391 A JP32377391 A JP 32377391A JP H06157347 A JPH06157347 A JP H06157347A
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JP
Japan
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cancer
cell
amino group
selective
hybridoma
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Pending
Application number
JP3323773A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Nakanishi
俊博 中西
Hajime Yoshizumi
肇 吉栖
Kozo Imai
浩三 今井
Akira Yanai
昭 谷内
Fueroone Sorudano
フェローネ(国籍 アメリカ合衆国) ソルダノ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 癌細胞に対してのみ選択的に作用しうる抗腫
瘍薬剤を提供する。 【構成】 ヒトの癌抗原に由来するハイブリドーマの産
生した単クローン性抗体中の塩基性アミノ基が、制癌作
用物質の遊離アミノ基と飽和二価アルデヒドを介して交
叉的にシッフベース又はアミノメチル結合により炭素−
窒素共有結合している選択性制癌剤であり、ハイブリド
ーマの一例は、ヒトの悪性黒色腫で感作した動物(BALB
/マウス)の脾臓細胞と動物の骨髄腫細胞(ミエローマ
細胞)との融合細胞が挙げられる。 【効果】 ヒトの癌抗原に由来するハイブリドーマの産
生した単クローン性抗体と癌作用物質との結合体は、適
合抗原を持つ特定の癌細胞に対してのみ強い親和性を現
し、当該癌細胞を死滅させ又はその増殖を阻止する反
面、正常細胞に対しては殆ど影響を与えないので、選択
的制癌剤として期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は選択性制癌剤、殊にハイ
ブリドーマの産生したヒトの癌抗原に対する単クローン
性抗体(以下“MoAb”と称す)と制癌作用物質との
両者が、シッフベース又はアミノメチル結合により炭素
−窒素共有結合している、ヒトの癌細胞に対し特異的に
親和性を有する制癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】悪性腫瘍、即ち癌に対する治療薬として
は、既に多数の細胞毒性物質が臨床的に実用又は試用さ
れているが、これらはいずれも癌細胞に対し非特異的で
あって、正常細胞に対しても毒性を有するので、有効濃
度に達するまで投与量を増加するのが不可能であるとい
う本質的な欠点がある。このため、現在においても癌の
化学療法剤に対する信頼性は乏しく、早期発見、外科手
術というのが依然として癌治療の大道である。
【0003】そこで近年に至り、制癌作用や細胞毒性を
有する物質を特殊なキャリーに結合させ、これを選択的
に癌細胞に伝達、作用させるというアイデアが生まれ、
この線に沿って、癌細胞の持つ抗原に対する抗体の利用
が研究されてきた。元来、同一個体の同種の、又は異種
の抗腫瘍抗体は、必ずしも癌細胞に対し傷害作用を発揮
するという訳ではないが、高い確率をもって癌細胞に結
合する性質を有する点では共通している。この性質を利
用して、例えば、 ・ダウノマイシン等の制癌剤と抗腫瘍免疫グロブリンの
Fab’二量体とを共有結合させた例(特開昭51−14
4723号)、 ・ジフテリア毒素とウサギSV40抗体をグルタルアルデヒ
ドで架橋した複合体(F.L. Moolten et al., J. Natl.
Cancer Inst., Vol.55, pp.473-477(1975))、 ・ジフテリア毒素と抗リンパ球抗体とをクロラムブシル
を介して結合した結合体(Nature,Vol.271, pp,752-754
(1978))、 などが発表されており、この他、特開昭55-136235、同55
-49321、 同56-16418、 同56-16417などの発明も公開され
ている。
【0004】しかしながら、これらの文献で使用される
抗体はどれも単一の抗体ではなく、正常細胞の抗原に対
する抗体をも併せ含有するため、癌細胞に対する選択性
が不充分であって、このため、薬剤が正常細胞に対して
も傷害的に作用する可能性が高い。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】そこで本発明は、薬剤を担持する癌抗体の
純度が高く、選択的に癌細胞に対して作用する性質を有
す選択的制癌剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明者らは
癌細胞に対してのみ選択的に作用しうる抗腫瘍薬剤の創
製に努力した結果、細胞融合法により得られた融合細胞
(ハイブリドーマ)が産生する蛋白を精製することによ
り、ヒト癌細胞の抗原に対するMoAbを得ることに成
功し、この特異抗体の塩基性アミノ基を制癌作用物質の
アミノ基と飽和二価アルデヒドを介して交叉的にシッフ
塩基又はアミノメチル結合により炭素−窒素共有結合さ
せることにより、癌細胞に対して特異性のある選択性制
癌剤を得ることができた。
【0007】即ち、本発明の薬剤は、癌細胞の成長を抑
制し又はこれを死滅させる作用を有する活性成分と、該
活性成分を担持し、これを癌細胞に誘導する担体成分と
から構成される。活性成分は、含アミノ化合物であると
共に、現在制癌剤として実用されていると否とを問わず
強力な細胞毒性作用を有するものが好ましく、例えばサ
ルコリシンなどのアルキル化剤、アメトプテリン、8−
アザグアニン、シトシンアラビノシドなどの代謝拮抗物
質;マイトマイシンC、アクチノマイシンD、アドリア
マイシン、ダウノマイシンなどの抗生物質;種々の細胞
毒性アルカロイド;ムギ由来の塩基性ポリペプチド(SP
1,SP2,SP-Hなど)、ジフテリア毒素、ボツリヌス毒素、
破傷風毒素、リシン(ricin)のような毒性蛋白又はペプ
チドを例示できる。
【0008】担体成分は、ヒト癌抗原に対する単一抗体
であって発明の主要部を構成する。このものは、ヒトの
癌細胞で感作された適当な実験動物、例えばBALB/cマ
ウス由来の骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)との融合細胞
(ハイブリドーマ)で、これをクローニングすることに
より、ヒト癌細胞の癌特異抗原と結合能のあるMoAb
を産生する融合細胞を選択、分離し、次いでこの選択さ
れた癌特異抗原と結合能を有する抗体産能を有する融合
細胞を増殖させることにより得られる。
【0009】培養法又は動物体内で増殖した融合細胞
(ハイブリドーマ)は採集され、それから適宜の手段で
抗体が分離される。発明目的上、この癌抗体は可及的純
粋でなければならず、理想的には電気泳動的に単一にま
で純化されているのが好ましい。かつ、抗腫瘍性薬剤又
は細胞毒性物質のアミノ基と飽和二価アルデヒドを介し
て交叉的にシッフベース又はアミノメチル結合を形成さ
せるため、塩基性のアミノ基を含む必要がある。
【0010】精製された抗体は、次いでその塩基性アミ
ノ基に関して所望の抗腫瘍性薬剤又は細胞毒性物質のア
ミノ基と飽和二価アルデヒドを介して交叉的にシッフベ
ース又はアミノメチル結合により炭素−窒素共有結合せ
しめられる。具体的には、例えばグルタルアルデヒドの
如き二価アルデヒドにより薬剤のアミノ基と抗体のアミ
ノ基とを交叉結合させる。結合物(シッフ塩基)は必要
に応じ飽和化合物(アミノメチル体)に還元される。こ
こに使用されうる含アミノ薬剤としては、前記のもの以
外に、例えばACNU(ニムスチン)、カルボコン、メ
ルファラン、シタラビン等がある。
【0011】
【作用】本発明物質は臨床的に血管内又は筋肉内注射の
形で投与されるか又は癌組織に対し直接適用されるのが
最適であろう。先の実験結果が示すとおり、結合体は標
的癌細胞の癌特異抗原と結合し、その後、癌細胞の食作
用(phagocytosis)及び飲作用(pinocytosis) により内部
に取りこまれる結果、当該細胞に致死効果を奏するもの
と推定される。この際、適応抗原を有しないその他の正
常細胞にはこの結合体が結合しないため、当然致死作用
が表れないものと考えることができる。
【0012】
【実施例】以下実施例により発明の実施手段を具体的に
述べるが、もちろん説明は単なる例示であって発明の内
包・外延を限るものではない。
【0013】実施例1 (ハイブリドーマ(225,28S)の培養及びMoAbの精
製)予めダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco's Mod
ified Eagle Medium)(D-MEM)、(10%の仔牛血清を含む)
中で培養したハイブリドーマ(225.28S)をBALB/c
マウス(♀、8〜12週令)の腹腔内に5×106 個づつ接
種する。なお、マウスには接種の1週間前にプリステイ
ン(2,6,10,14 −テトラメチルペンタデカン)を0.
3ml づつ腹腔内へ投与し、ハイブリドーマが生育し易い
状態にしておく。
【0014】ハイブリドーマの接種後2週間目よりマウ
スが斃死するまで腹水を収集する。この腹水を3000r.p.
m,10分間遠心して赤血球及びプリステインを除く。上清
に飽和硫酸アンモニウム溶液を終濃度33.3%になるよう
に充分混合しながら加え、4℃で1時間以上放置する。
生成した沈殿を遠心分離する(10000r.p.m,10 分、4
℃)。集められた沈殿を少量のリン酸塩緩衝生理食塩水
液(Ca++及びMg++なし)(PBS)に溶かし、透析用チ
ューブ(Cellophane Tubing-Seamless, 米国Union Carb
ide 社製)中に填めて1夜PBSに対し透析する。この
間少なくとも4回外液の交換を行い、最後にM/100 ト
リス−塩酸緩衝液(pH8.0)に対し透析した後、予め同一
緩衝液で緩衝化されたDE−52カラム(2.5×16.5cm)に負
荷する。このカラムを、同一の緩衝液を用い、但し該液
中の食塩濃度が0〜0.5 Mで直接的に変化するように食
塩を添加して溶出する。溶出ピーク画分(280nm におい
て)中のMoAbの活性は、125I−プロテインAを用
い、ヒト悪性黒色腫(Hu-man Mallignant Melanoma)へ
の結合(binding)量で測定する。
【0015】活性画分を4℃で濃縮後、セファデックス
(Sephadex) G−200 カラム(1.5×90cm) を通すと、2
80nm の吸収パターンでは単一のピークにまで精製され
る。このMoAbは電気泳動的にも単一で、凍結乾燥す
るか又は凍結状態に保つことによりで保存できる。
【0016】なお、以上の培養及び精製単離手段は、ハ
イブリドーマの産生するヒト悪性黒色腫抗原に対する他
のMoAb ,例えば376.74,376.96,465.14,473.54,653.
25(以上の数値は、ハイブリドーマとその産生するMo
Abの種類を示す。)に対しても適用される。各抗体
は、悪性黒色腫の抗原に対してのみ特異的に結合する
が、抗体の種類により多少結合部位を異にするため、数
種のMoAbとの薬剤との結合体との混合物は、結合部
位を異にする数種の抗体・薬剤結合体によるカクテル療
法の可能性を示唆する。
【0017】実施例2 (薬剤・MoAbの結合体の製造)実施例1で得た抗体
30mgとダウノマイシン5mgをPBS3mlに溶解し、これ
にグルタルアルデヒドを終濃度0.1 %になるように加
え、室温で15分間放置する。得られた反応液をゲル濾過
して精製すると、目的のダウノマイシン・MoAb結合
体が得られる。
【0018】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る薬剤・
MoAb結合体は、適合抗原を持つ特定の癌細胞に対し
てのみ強い親和性を現し、当該癌細胞を死滅させ又はそ
の増殖を阻止する反面、正常細胞に対しては殆ど影響を
与えないので、選択的制癌剤としての貢献が嘱望され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 8214−4B // A61K 45/00 ADU 8415−4C (72)発明者 ソルダノ フェローネ(国籍 アメリカ合 衆国) アメリカ合衆国、カリフォルニア州、ラホ ヤ、シニックドライブ ノース 8936 (郵便番号92307)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトの癌抗原に由来するハイブリドーマ
    の産生した単クローン性抗体中の塩基性アミノ基が、制
    癌作用物質の遊離アミノ基と飽和二価アルデヒドを介し
    て交叉的にシッフベース又はアミノメチル結合により炭
    素−窒素共有結合している選択性制癌剤。
  2. 【請求項2】 ハイブリドーマが、ヒトの悪性黒色腫で
    感作した動物(BALB/マウス)の脾臓細胞と動物の骨髄
    腫細胞(ミエローマ細胞)との融合細胞である請求項1
    の制癌剤。
JP3323773A 1981-09-08 1991-11-11 選択性制癌剤 Pending JPH06157347A (ja)

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