JPH06156892A - エレベータの群管理装置 - Google Patents

エレベータの群管理装置

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Publication number
JPH06156892A
JPH06156892A JP4310239A JP31023992A JPH06156892A JP H06156892 A JPH06156892 A JP H06156892A JP 4310239 A JP4310239 A JP 4310239A JP 31023992 A JP31023992 A JP 31023992A JP H06156892 A JPH06156892 A JP H06156892A
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Japan
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elevator
priority
car
value
specific
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JP4310239A
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English (en)
Inventor
Shintaro Tsuji
伸太郎 辻
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定のエレベータの優先割当動作の運用に関
して、乗客の好みを自動的に検出でき、エレベータ管理
者の作業負担を軽減する。 【構成】 乗場釦により各エレベータに共通の乗場呼を
登録する乗場呼登録手段9A、前記乗場呼に対する評価
値に応じて応答する割当かごを選択する割当手段9B、
及び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータを他の
エレベータより優先的に割当かごとして選択させる特定
かご優先手段9Cを備え、検出手段9Dにより乗場呼に
前記特定エレベータ以外のエレベータが応答したとき、
このエレベータに乗客が乗車しなかったことを検出し、
データ収集手段9Eにより前記検出手段9Dによる検出
結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータへの
乗車希望度を演算して記憶し、判定手段9Fにより前記
乗車希望度に応じて前記特定かご優先手段9Cの動作可
否に関する指令を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物に設置された複数
のエレベータを運転制御するエレベータの群管理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビルの最上階または最上階近
くの数階床にレストランや商店を入店させた展望階を設
け、エレベータかごの中から建物の外の景色を眺望しな
がら上記展望階まで上昇できる展望エレベータを、一般
のエレベータと併設した事務所ビルやホテルが多くなっ
てきている。このような建物においては、外来客専用に
上記展望エレベータを一般のエレベータから切り離して
運行させたり、展望エレベータと一般エレベータを一群
として管理し、外来客と建物内利用客に共通に使用させ
たりすることが採用されている。
【0003】しかしながら、前者の場合は、展望エレベ
ータを独立して運行させるため、一般エレベータを利用
する建物内利用客のサービスが非常に悪くなる欠点があ
る。また、後者の場合は、思い通りに展望エレベータに
乗れないという外来客の不満が生じたり、なかには展望
エレベータが来るまで、一般エレベータが来ても乗車せ
ずに乗場呼を何度でも登録するなどして、運転効率を低
下させる等の欠点がある。
【0004】そこで、上記問題点に鑑み、特公昭61−
23156号公報においては、展望エレベータと一般エ
レベータというように、種類の異なったエレベータが複
数台併設された場合でも、建物内のサービスを極端に悪
くすることなく、かつ利用客の乗りたいエレベータをで
きるだけ優先的に応答させるために、特定の乗場呼には
特定のエレベータかごを優先的に割当てる方式が提案さ
れている。
【0005】即ち、乗場呼が新たに登録されると、上記
新規乗場呼を各エレベータかごに仮に割当てたときの評
価値を演算して、それが最小となるエレベータかごに正
規に上記新規乗場呼を割当てるものにおいて、特定の乗
場呼(例えば、上り呼)を新規に割当てるとき、特定か
ご(展望エレベータ)の評価値を一般かごに比べて所定
の優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
正することによって、上記特定乗場呼には上記特定かご
が割当てられやすくなるようにしたものである。これら
の評価値は、例えば、次のように表される。
【0006】 ・新規乗場呼=下り呼のときの総合評価値: Ea=Wa Eb=Wb ・新規乗場呼=上り呼のときの総合評価値: Ea=Wa−Ba Eb=Wb ここで、a号機が展望エレベータ、b号機が一般エレベ
ータで、Eaはa号機に新規乗場呼を仮に割当てたとき
のa号機に対する総合評価値、Ebはb号機に新規乗場
呼を仮に割当てたときのb号機に対する総合評価値、W
aはa号機に新規乗場呼を仮に割当てたときのa号機に
対する待時間評価値、Wbはb号機に新規乗場呼を仮に
割当てたときのb号機に対する待時間評価値、Baは展
望エレベータを割当てやすくするための優先度(ボーナ
ス)である。なお、待時間評価値WaとWbは、新規乗
場呼を仮にa号機とb号機にそれぞれ割当てたときに、
既に登録されている乗場呼を含めて待時間の予測値(予
測待時間)を演算し、例えば、それら予測待時間を2乗
した値の総和で求められる。
【0007】したがって、上り呼を新規に割当てると
き、a号機の総合評価値Eaは優先度Baだけ小さめに
計算されるため、その分、a号機はb号機より上り呼に
割当てられやすくなることになる。
【0008】なお、エレベータ利用客が特に乗ってみた
い、是非利用したいと強く希望するような上記特定のエ
レベータかごとしては、特殊なかご構造を持った上記展
望エレベータ等のほか、特殊な意匠(例えば、手摺や台
車対策用床など)と機能(例えば、開延長釦による戸開
延長機能)を持つ人荷用エレベータ、特殊な表示機能
(例えば、液晶テレビによるインフォメーション機能)
を持つ高機能乗用エレベータ、豪華な天井意匠を持つ高
級乗用エレベータなどが考えられる。
【0009】また、上述の特公昭61−23156号公
報には、操作された乗場釦の位置(呼を登録した乗客が
立っている位置)からエレベータ乗降口への距離が短い
エレベータも上記特定のエレベータかごとすることが開
示されている。例えば、ホテルなどのように荷物を持っ
て階床間を移動する乗客がいる場合には、操作した乗場
釦に近接したエレベータが応答してくれた方が乗りやす
いため、上記乗客はこの近接かごに是非乗車したいと希
望するであろう。なお、操作された乗場釦によって毎回
特定かごとなる号機が変化するところが、上記特殊な構
造、意匠、あるいは機能を持ったエレベータの場合(特
定かごとなる号機は固定される)と異なる点である。
【0010】さらにまた、図17に示すように、複数の
エレベータが共通にサービスできる共通階FCと、特定
のエレベータしかサービスできない特定階(上部特定階
FT、下部特定階FB)とからなる建物において、特定
階へ向かう方向の乗場呼には、その特定階に行ける号機
を優先的に割り当るという方式が、同じく特公昭61−
23156号公報に開示されている。図17は従来のエ
レベータの群管理装置を備えた建物の構成を示す概略図
である。
【0011】図において、例えば、1階から上部特定階
FTに行く乗客は、乗換えなしで行けるb号機が応答し
てくれることを希望するであろう。この場合にも特定か
ご、即ち、上記特定階に行くことのできるエレベータか
ごを優先的に割当てるようにすれば、上記乗客の不満解
消と他の乗客に対するサービスとをバランスさせること
ができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のエレベータの群管理装置では、特定かごに対する
優先割当動作を常に有効にしておくと、交通状況によっ
ては他の問題が発生していた。例えば、展望エレベータ
を特定かごとする場合を考えてみると、外来客が少ない
時間帯では、少数の外来客のために多数の建物内利用客
の待時間が長くなってしまう問題があった。逆に、上記
特定かごに対する優先割当動作を常に無効にしておく
と、上述したように外来客の多い時間帯では、外来客の
不満や運転効率の低下が生じるという問題が生じてい
た。
【0013】そこで、エレベータの管理者(または、エ
レベータ保守担当者)自身で、エレベータの運行状態を
監視し、外来客の数を的確に把握することが必要であっ
た。しかし、よく調べてみると外来客の全てが展望かご
に乗車したいと希望しているとは限らないし、建物内利
用客であっても展望かごに乗車したいと思っている乗客
もおり、展望かごの利用を欲する乗客を的確に把握する
のは困難であった。このような乗客の希望を把握するに
は、単に外来客と建物内利用客の区別をするだけでは済
まず、エレベータホールで乗客の挙動をよく観察しなけ
ればならなかった。さらに、その観察結果に基づいて、
上記優先割当動作を有効にしたり無効にしたりする切換
え時期の判断をタイミングよく行なうことが必要であっ
た。
【0014】また、特定かごへの乗車を強く希望する乗
客と特定かごへのこだわりがない乗客とに対してバラン
スがとれたサービスを行なおうとすると、それぞれの乗
客数に応じて展望エレベータに対する優先度合を上記管
理者自身が変更する必要があった。
【0015】このように、上記優先割当動作を効果的に
実施しようとすると、非常に困難で手間のかかる作業を
上記管理者に強いるという問題点が残されていた。
【0016】また、上述のような問題点は、展望エレベ
ータだけでなく、人荷用エレベータ、高機能乗用エレベ
ータ、高級乗用エレベータ、操作された乗場釦に近接す
るエレベータかご、上部特定階行きのエレベータかご、
下部特定階行きのエレベータかご等を優先的に割当てる
場合にも生じていた。
【0017】なお、上記従来例の他に、従来より、割当
評価関数の構成要素に関する重み付けを交通実測結果に
基づいて自動変更するものが、例えば、特公昭61−3
1707号公報のエレベータの群管理装置や、特開平1
−231779号公報のエレベータ群管理制御装置等に
開示されている。また、予報条件を交通実測結果に基づ
いて自動変更するものが、例えば、特公昭61−317
05号公報のエレベータの群管理装置等に開示されてい
る。さらに、割当評価関数の構成要素に関する重み付け
を群管理装置内に設けたシミュレータによる予測結果に
基づいて自動変更するものが、例えば、特開平4−20
467号公報等に開示されている。さらにまた、割当評
価関数の構成要素に関する重み付けを利用客の好みや管
理者の方針等の要求に応じて人為的な操作で変更するも
のや、そのときの上記構成要素に関する実測データを表
示して上記操作の判断を助けるものが、例えば、特公昭
61−50873号公報のエレベータの運転監視装置
や、特開平4−173673号公報の群管理エレベータ
ーシステム等に開示されている。
【0018】しかしながら、上記のような従来方式のい
ずれも、割当評価関数の構成要素として待時間、乗車時
間、かご内乗車率等の各エレベータかごに共通の指標を
採用した割当方式に対してその構成要素の重み付けを自
動変更する方式を開示しているものの、後述の本発明の
対象としている特定かごに対する優先割当動作のよう
に、エレベータかごによって考慮すべき評価要素が異な
る場合の割当方式に対して、乗客の好みや管理者の方針
を満足させるために、その構成要素の重み付けを自動的
に変更したり、或いは、割当動作そのものを自動的に有
効、または無効にしたりする方式を開示しているわけで
はない。
【0019】特に、上記特定かごに対する優先割当動作
に関して上述したような乗客の好みを自動的に検出する
方策や、乗客の希望あるいは管理者の方針に合うように
特定かごの配車を制御する方式を示唆する記載は、いず
れの従来例にも見受けられなかった。このため、上記特
定かごの優先割当動作の運用に関する問題点を解決する
ことはできなかった。
【0020】そこで、本発明は、上記のような問題点を
解決するために、特定のエレベータの優先割当動作の運
用に関して、乗客の好みを自動的に検出でき、エレベー
タ管理者の作業負担を軽減できるエレベータの群管理装
置の提供を課題とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
エレベータの群管理装置は、複数のエレベータを一群と
して複数の階床に就役させると共に、各階のエレベータ
乗場に設けた乗場釦が操作されると各エレベータに共通
の乗場呼を登録する乗場呼登録手段、前記乗場呼に対す
る評価値を各エレベータ毎に演算して、その評価値が小
さいエレベータを乗場呼に応答する割当かごとして選択
する割当手段、及び前記乗場呼を割当てるとき、特定エ
レベータを他のエレベータより優先的に割当かごとして
選択させる特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベ
ータが応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出し、データ収集手段により前記検出手
段による検出結果を計数して、これに基づき前記特定エ
レベータへの乗車希望度を演算して記憶し、判定手段に
より前記乗車希望度が基準値を超えているときは、前記
特定かご優先手段の動作を許可する指令を出力し、前記
乗車希望度が基準値以下のときは、前記特定かご優先手
段の動作を禁止する指令を出力するように構成したもの
である。
【0022】請求項2の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータを他のエ
レベータより優先的に割当かごとして選択させる特定か
ご優先手段を備えたものにおいて、検出手段により乗場
呼に前記特定エレベータ以外のエレベータが応答したと
き、このエレベータに乗客が乗車しなかったことを検出
し、データ収集手段により前記検出手段による検出結果
を計数して、これに基づき前記特定エレベータへの乗車
希望度を演算して記憶し、入力手段により前記特定かご
優先手段の動作の有効/無効を外部操作によって設定
し、表示手段により前記特定かご優先手段の動作の有効
/無効の設定に関する操作指示を表示し、操作推奨手段
により前記データ収集手段で収集した乗車希望度が基準
値以下のときに、前記特定かご優先手段の動作を無効に
した方がよい旨の表示を行わせる表示指令、あるいは前
記乗車希望度が基準値を超えるときに、前記特定かご優
先手段の動作を有効にした方がよい旨の表示を行わせる
表示指令のうちの、少なくともいずれか一方を前記表示
手段に対して出力するように構成したものである。
【0023】請求項3の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベ
ータが応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出し、データ収集手段により前記検出手
段による検出結果を計数して、これに基づき前記特定エ
レベータへの乗車希望度を演算して記憶し、優先度設定
手段により前記乗車希望度が大きいときは、前記特定エ
レベータの優先度を大きい値に設定し、前記乗車希望度
が小さいときは、前記特定エレベータの優先度を小さい
値に設定するように構成したものである。
【0024】請求項4の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベ
ータが応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出し、データ収集手段により前記検出手
段による検出結果を計数して、これに基づき前記特定エ
レベータへの乗車希望度を演算して記憶し、入力手段に
より前記特定かご優先手段で使用する優先度を外部操作
によって設定し、表示手段により前記特定かご優先手段
の動作の優先度の設定に関する操作指示を表示し、優先
度設定手段により前記データ収集手段で収集した乗車希
望度が大きいときは、前記特定エレベータの優先度の推
奨値を大きい値に設定し、また、前記乗車希望度が小さ
いときは、前記特定エレベータの優先度の推奨値を小さ
い値に設定し、表示指令手段により前記推奨値を前記表
示手段に表示させる表示指令を出力するように構成した
ものである。
【0025】請求項5の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、優先度修正手段により前記配
車率が基準値より大きいときは、前記特定エレベータの
優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配車
率が基準値より小さいときは、前記特定エレベータの優
先度を現在の設定値より大きい値に修正するように構成
したものである。
【0026】請求項6の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、入力手段により前記特定かご
優先手段で使用する優先度を外部操作によって設定し、
表示手段により前記特定かご優先手段の動作の優先度の
設定に関する操作指示を表示し、優先度修正手段により
前記データ収集手段で収集した配車率が基準値より大き
いときは、前記特定エレベータの優先度の推奨値を現在
の設定値より小さい値に修正し、また、前記配車率が基
準値より小さいときは、前記特定エレベータの優先度の
推奨値を現在の設定値より大きい値に修正し、表示指令
手段により前記推奨値を前記表示手段に表示させる表示
指令を出力するように構成したものである。
【0027】請求項7の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、入力手段により前記特定エレ
ベータの配車率の目標値を外部操作によって設定し、表
示手段により前記特定かご優先手段の動作状況に関する
情報を表示し、優先度修正手段により前記データ収集手
段で収集した配車率が目標値より大きいときは、前記特
定エレベータの優先度を現在の設定値より小さい値に修
正し、前記配車率が目標値より小さいときは、前記特定
エレベータの優先度を現在の設定値より大きい値に修正
し、表示指令手段により前記データ収集手段で収集した
配車率を前記表示手段に表示させる表示指令を出力する
ように構成したものである。
【0028】請求項8の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、優先度修正手段により前記配
車率が基準値より大きいときは、前記特定エレベータの
優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配車
率が基準値より小さいときは、前記特定エレベータの優
先度を現在の設定値より大きい値に修正し、修正阻止手
段により前記優先度の設定値を変更してから経過した時
間を計数するとともに、この経過時間が所定期間以内の
とき前記優先度の修正を阻止するように構成したもので
ある。
【0029】
【作用】請求項1の発明のエレベータの群管理装置にお
いては、乗場呼に対して特定かごを他のエレベータかご
より優先的に割当てるものにおいて、乗客が一般かごへ
の乗車を拒否したことを検出して、これを基に特定かご
への乗車希望度を演算して記憶しておき、前記乗車希望
度が基準値を超えているときは、前記優先割当動作を有
効にし、前記乗車希望度が基準値以下のときは、前記優
先割当動作を無効にするものであるから、自動的に乗客
の乗車希望度が検出でき、この乗車希望度に応じて特定
のエレベータの優先割当動作ができる。
【0030】請求項2の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対して特定かごを他のエレベータ
かごより優先的に割当てるとともに、外部操作により前
記優先割当動作の有効/無効を設定するようにしたもの
において、乗客が一般かごへの乗車を拒否したことを検
出して、これを基に特定かごへの乗車希望度を演算して
記憶しておき、前記乗車希望度が基準値以下のときに、
前記優先割当動作を無効にするように指示する表示か、
或いは、前記乗車希望度が基準値を超えるときに、前記
優先割当動作を有効にするように指示する表示のうち、
少なくともいずれか一方の表示を管理者に対して行なう
ものであるから、エレベータ管理者はこの表示に従って
外部操作により優先割当動作の有効/無効を設定でき
る。
【0031】請求項3の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、前記乗場呼を割当てる
とき、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先
度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正する
ようにしたものにおいて、乗客が一般かごへの乗車を拒
否したことを検出して、これを基に特定かごへの乗車希
望度を演算して記憶しておき、前記乗車希望度が大きい
ときは、前記特定かごの優先度を大きい値に設定し、前
記乗車希望度が小さいときは、前記特定かごの優先度を
小さい値に設定するものであるから、自動的に乗客の乗
車希望度が検出でき、この乗車希望度に応じた優先度で
特定のエレベータの優先割当動作ができる。
【0032】請求項4の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、前記乗場呼を割当てる
とき、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先
度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正し、
さらに外部操作により前記優先度を設定するようにした
ものにおいて、乗客が一般かごへの乗車を拒否したこと
を検出して、これを基に特定かごへの乗車希望度を演算
して記憶しておき、前記乗車希望度が大きいときは、前
記特定かごの優先度の推奨値を大きい値に設定し、前記
乗車希望度が小さいときは、前記特定かごの優先度を小
さい値に設定し、この推奨値を優先度として設定するよ
うに指示する表示を管理者に対して行なうものであるか
ら、エレベータ管理者はこの表示に従って外部操作によ
り優先割当動作の優先度を設定できる。
【0033】請求項5の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正するよ
うにしたものにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車
率を検出して記憶しておき、前記配車率が基準値より大
きいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値より
小さい値に修正し、前記配車率が基準値より小さいとき
は、前記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値
に修正するものであるから、自動的に特定かごの配車率
を検出でき、この配車率に応じた優先度で特定のエレベ
ータの優先割当動作ができる。
【0034】請求項6の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正し、さ
らに外部操作により前記優先度を設定するようにしたも
のにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車率を検出し
て記憶しておき、前記配車率が基準値より大きいとき
は、前記特定かごの優先度の推奨値を現在の設定値より
小さい値に修正し、前記配車率が基準値より小さいとき
は、前記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値
に修正し、この推奨値を優先度として設定するように指
示する表示を管理者に対して行なうものであるから、エ
レベータ管理者はこの表示に従って外部操作により推奨
値を参考にして優先割当動作の優先度を設定できる。
【0035】請求項7の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正するも
のにおいて、外部操作により乗場呼に対する特定かごの
配車率の目標値を設定する一方、乗場呼に対する特定か
ごの配車率の実績を検出して記憶しておき、前記配車率
の実績値が前記目標値より大きいときは、前記特定かご
の優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配
車率が基準値より小さいときは、前記特定かごの優先度
を現在の設定値より大きい値に修正するとともに、前記
配車率の実績値を管理者に案内する表示を行なうもので
あるから、エレベータ管理者はこの表示に従って外部操
作により推奨値を参考にして特定かご配車率の目標値を
設定できる。
【0036】請求項8の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正するよ
うにしたものにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車
率を検出して記憶しておき、前記配車率が基準値より大
きいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値より
小さい値に修正し、前記配車率が基準値より小さいとき
は、前記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値
に修正するが、前記特定かごの優先度を修正してから経
過時間が所定期間以内のときは、前記優先度の修正を禁
止するものであるから、自動的に特定かごの配車率を検
出でき、この配車率に応じた優先度の設定ができ、しか
も、この優先度は所定時間維持される。
【0037】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明をす
る。
【0038】〈第一実施例〉図1〜図6は、この発明の
第一実施例を示すものである。この第一実施例では、1
階から6階までをサービスするa号機とb号機の2台の
エレベータが設置されているものとする。なお、a号機
は展望エレベータ(以後、展望かごという)、b号機は
一般エレベータ(以後、一般かごという)である。
【0039】図1は本発明の第一実施例であるエレベー
タの群管理装置を示す全体構成図である。
【0040】図において、1はa号機のエレベータか
ご、2は1階〜6階の行先釦21〜26や戸開閉釦(図
示しない)からなるa号機のかご操作盤、5はエレベー
タかご1の戸の開閉を行なうためのドア装置、6は機械
室に設けられエレベータかご1を昇降させる巻上機、7
はa号機のエレベータかご1の運行を制御するかご制御
装置、8は同じくb号機のかご制御装置、9はa号機と
b号機のエレベータを群管理制御する群管理装置、10
1〜106はそれぞれ1階〜6階のエレベータ乗場に設
けられた乗場釦、11は建物の管理者がいる管理人室に
設けられたパーソナルコンピュータからなる端末装置で
ある。
【0041】なお、端末装置11は、群管理装置9と接
続され、特定かご優先手段9C(後述)による優先割当
動作を「自動選択」にするか、または、「手動選択」に
するかの指定と、「手動選択」を指定しているときに、
上記優先割当動作を「有効」にするか、または、「無
効」にするかの指定を、それぞれキーボードを使って入
力できるようにした入力装置11Aと、上記優先割当動
作を「手動選択」に指定しているときに、上記優先割当
動作を「有効」にした方がよいか、あるいは「無効」に
した方がよいかという有効/無効の指定に関する指示を
CRTに表示する表示装置11Bとから構成されてい
る。
【0042】また、かご制御装置7,8と、群管理装置
9は、それぞれマイクロコンピュータ(以下、マイコン
という)で構成されている。かご制御装置7は、行先釦
21〜26により各階のかご呼をそれぞれ登録するかご
呼登録手段7Aと、上記かご呼や群管理装置9により割
当てられた乗場呼にエレベータかごを応答させるため
に、エレベータかごの走行及び停止や運行方向の決定等
を制御する周知の運転制御手段7Bと、エレベータかご
の戸や乗場側の戸の開閉時期と戸開放時間をそれぞれ制
御する周知の戸制御手段7Cとから構成されている。b
号機用のかご制御装置8もa号機用のかご制御装置7と
同様に構成されている。かご制御装置7,8から群管理
装置9へは、それぞれa号機とb号機の運行状態(かご
位置、運行方向、戸開閉状態、かご呼等)を表す信号が
送信される。
【0043】さらにまた、群管理装置9は、乗場釦10
1〜106により各階の乗場呼(上り呼、下り呼)の登
録・解消を行なう周知の乗場呼登録手段9Aと、乗場呼
に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、その
評価値が最小のエレベータかごを割当かごとして選択す
る周知の割当手段9Bと、a号機とb号機に共通の乗場
呼、即ち、1階〜5階の上り呼と2階〜6階の下り呼を
割当てるとき、展望かご(a号機:展望エレベータ)の
評価値を、一般かご(b号機:一般エレベータ)に比べ
て予め設定された優先度に対応した分だけ相対的に小さ
くなるように補正する周知の特定かご優先手段9Cと、
乗場呼に応答したことを展望かごと一般かご別々に検出
するとともに、一般かごが乗場呼に応答したときに、こ
のエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを検出す
る検出手段9Dと、上記検出手段9Dによる検出結果を
計数して、一般かごが乗場呼に応答した回数と展望かご
が乗場呼に応答した回数とから一般かごと展望かごのそ
れぞれの配車率を求めるとともに、更に、これらに基づ
き展望かごへの乗車希望度を演算して記憶するデータ収
集手段9Eと、上記優先割当動作が「自動選択」に指定
されているときに、上記乗車希望度を基準値と比較し
て、上記特定かご優先手段9Cの優先割当動作を自動的
に許可または禁止する判定手段9Fと、上記優先割当動
作が「手動選択」に指定されているときに、同じく上記
乗車希望度を基準値と比較して、上記特定かご優先手段
9Cの優先割当動作を上記入力装置11Aを使って有効
または無効にした方がよい旨の操作指示を上記表示装置
11Bに表示させる操作推奨手段9Gとから構成されて
いる。群管理装置9からかご制御装置7及び8へは、そ
れぞれa号機とb号機に対する各種指令(乗場呼の割当
指令、戸開放時間の設定値等)を表す信号が送信され
る。
【0044】次に、この第一実施例のエレベータの群管
理装置の動作を図2〜図6を参照しながら説明する。図
2は本発明の第一実施例であるエレベータの群管理装置
による制御プログラムを示すフローチャート、図3は本
発明の第一実施例であるエレベータの群管理装置による
検出プログラムを示すフローチャート、図4は本発明の
第一実施例であるエレベータの群管理装置によるデータ
収集プログラムを示すフローチャート、図5は本発明の
第一実施例であるエレベータの群管理装置による割当処
理プログラムを示すフローチャートであり、図2〜図5
に示すフローチャートは、群管理装置9を構成するマイ
コンのメモリに記憶された群管理プログラムのうち、図
1の検出手段9D、データ収集手段9E、判定手段9
F、及び操作推奨手段9Gからなる制御プログラムと、
同じく割当手段9Bと特定かご優先手段9Cからなる割
当処理プログラムの手順を示したものである。図6は本
発明の第一実施例であるエレベータの群管理装置による
操作指示の表示例を示す説明図であり、図6は表示装置
11Bに表示する内容の例を示したものである。なお、
群管理プログラム全体(割当処理プログラムや制御プロ
グラムも含む)は、周期的(例えば、100ミリ秒毎)
に繰返されて実行されるものとする。
【0045】まず、図2〜図5に示すフローチャートに
より制御プログラムの動作を説明する。
【0046】図2の制御プログラムにおいて、まずステ
ップS50の検出プログラムでは、展望かごと一般かご
が乗場呼に応答したことをそれぞれ階床別・方向別に検
出するとともに、一般かごが乗場呼に応答したときに、
このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを階床
別・方向別に検出する。この手順を図3を参照しながら
説明する。
【0047】図3のステップS51の配車検出プログラ
ムにおいて、ステップS52でa号機のエレベータが1
階〜6階のいずれかの乗場呼に応答した直後か否かを判
定し、もし、乗場呼応答直後であれば、ステップS53
でa号機のかご位置乗場faに対応する“乗場”別の配
車検出フラグFA(fa)を「1」にセットする。それ
以外のときは、ステップS54で同じく配車検出フラグ
FA(fa)を「0」にリセットする。したがって、上
記乗場呼応答を検出した演算周期の期間(0.1秒間)
だけ配車検出フラグFA(fa)が「1」となる。な
お、ここでいう“乗場”とは階床と運行方向を同時に表
すもので、乗場番号が1〜5のとき1階〜5階の上り方
向の“乗場”に対応し、乗場番号が6〜10のとき6階
〜2階の下り方向の“乗場”に対応するものとする。ま
た、エレベータかごのいる階床と運行方向を表す“乗
場”を「かご位置乗場」、同じ階床で方向が反対の“乗
場”を「逆方向乗場」ということにする。
【0048】b号機のエレベータについても同様で、ス
テップS55〜57において、b号機用の配車検出フラ
グFB(fb)のセット/リセットが行なわれる。
【0049】次に、ステップS61の乗車拒否検出プロ
グラムにおいて、ステップS62でb号機が乗場呼に応
答して停止中か否か、ステップS63で戸閉完了直前に
なったか否か、そして、ステップS64で戸開開始から
戸閉完了直前までの間に乗車した乗客があるか否かを判
定する。もし、b号機のエレベータが乗場呼に応答して
停止したときに、戸閉完了直前までに、そのエレベータ
乗場で乗車客を検出しなければ、乗場呼を登録した乗客
は展望かご(a号機)に乗車したいと強く希望してb号
機のエレベータかごへの乗車を拒否したものと判断し、
ステップS65でb号機のかご位置乗場fbに対応する
“乗場”別の乗車拒否検出フラグFH(fb)を「1」
にセットする。上記以外のときは、常に、ステップS6
6においてb号機のかご位置乗場fbに対応する“乗
場”別の乗車拒否検出フラグFH(fb)を「0」にリ
セットする。この検出フラグFH(fb)も同様に、上
記乗車拒否を検出した演算周期の期間(0.1秒間)だ
け検出フラグFH(fb)が「1」となる。なお、乗客
がエレベータかごに乗込んだか否かは、かご床に設けた
秤装置(図示しない)の出力の増減等を利用して判断す
る。
【0050】こうして、展望かごと一般かごが乗場呼に
応答したこと、及び一般かごが乗場呼に応答したとき
に、このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを
検出すると、図2の制御プログラムのステップS70の
データ収集プログラムでは、上記検出結果に基づいて時
間帯毎(1時間単位で、1日を24個の時間帯に分割す
る)に配車回数と乗車拒否回数を計数し、さらに、過去
の同一時間帯における配車回数と乗車拒否回数の平均値
との重み付け平均を行い、その結果を新しい配車回数と
乗車拒否回数の平均値としてそれぞれ記憶する。そし
て、さらに、配車回数と乗車拒否回数の平均値とから、
展望かごと一般かごの配車率、及び展望かごへの乗車希
望度を演算する。この手順を図4を参照しながら説明す
る。
【0051】図4のデータ収集プログラムにおいて、ス
テップS71では群管理装置9に内蔵された時計(図示
しない)の時刻信号に基づいて、分と秒の値が00分0
0秒になったか否かにより、時間帯(1時間単位)の境
界を判定する。分と秒の値が00分00秒でないとき
は、k番目の時間帯(現在の時刻に対応する時間帯)に
ついてステップS72〜80の処理を行なう。即ち、ま
ず、ステップS72で乗場番号nを「1」に初期設定し
た後、ステップS73〜78で各“乗場”に対応する処
理を行い、ステップS79で乗場番号nを更新し、ステ
ップS80で全“乗場”(n=1〜10)について処理
したか否かを判定する。n番目の“乗場”に対する処理
は、ステップS73で乗車拒否検出フラグFH(n)が
「1」であることを検出すると、ステップS74で乗車
拒否カウンタCH(n)を1だけカウントアップすると
いう具合に行なわれる。同様にして、ステップS75と
ステップS76でa号機の配車カウンタCA(n)のカ
ウントアップを、ステップS77とステップS78でb
号機の配車カウンタCB(n)のカウントアップを行な
う。
【0052】こうして、k番目の時間帯における“乗
場”別の配車回数と乗車拒否回数を計数する一方、分と
秒の値が00分00秒になりk番目の時間帯が終了する
と、ステップS71からステップS81へと進み、ステ
ップS82〜84で時間帯の境界における処理を行な
う。まず、ステップS81で乗場番号nを「1」に初期
設定した後、ステップS82でk番目の時間帯のn番目
の“乗場”における乗車拒否回数の平均値NH(k,
n)と、a号機及びb号機の配車回数の平均値NA
(k,n)及びNB(k,n)を更新する。ここでは、
新規に得られた乗車拒否回数、即ち、乗車拒否カウンタ
CH(n)の値には0.25の重みをかけ、過去の乗車
拒否回数の平均値NH(k,n)の値には0.75の重
みをかけて平均を求め、これを新しい平均値NH(k,
n)として記憶する。配車回数の平均値NA(k,n)
及びNB(k,n)についても同様で、新規に得られた
配車回数CA(n)とCB(n)の値には0.25の重
みをかけ、過去の配車回数の平均値NA(k,n)とN
B(k,n)の値には0.75の重みをかけて平均を求
め、これを新しい平均値NA(k,n)とNB(k,
n)として記憶する。そして、さらに、新しく求めた乗
車拒否回数の平均値NH(k,n)と配車回数の平均値
NA(k,n)及びNB(k,n)とから、展望かご及
び一般かごのそれぞれの配車率HX(k,n)及びHY
(k,n)と、展望かごへの乗車希望度HH(k,n)
を次の計算式に従って演算する。
【0053】 HX(k,n)=NA(k,n)÷{NA(k,n)+NB(k,n)} HY(k,n)=NB(k,n)÷{NA(k,n)+NB(k,n)} HH(k,n)=NH(k,n)÷HY(k,n) 次のステップS83では次の時間帯のために乗車拒否カ
ウンタCH(n)、配車カウンタCA(n)、及びCB
(n)をそれぞれ「0(回)」に初期設定し、ステップ
S84で乗場番号nを更新し、ステップS85で全“乗
場”(n=1〜10)について処理したかどうかを判定
する。そして、全“乗場”についての処理を終えると、
ステップS86で現在時刻に対応する新しい時間帯の番
号kを求め直す(1日を1時間毎の24個に分割してい
るので、それまでの番号kを1だけ増やし、これが25
以上になれば番号kを「1」に戻して設定する)。そし
て、この後に、上述したようにステップS72〜80に
より、各検出フラグをチェックし、必要に応じてカウン
タの更新を行なう。
【0054】ここで、展望かごへの乗車希望度につい
て、少し説明を加える。展望かごと一般かごが併設され
た建物では、どのエレベータかごに乗りたいかによって
乗客は次の3つのタイプに分けられる。即ち、 (a)展望かごと一般かごのどちらでもよい乗客。
【0055】(b)どちらかというと一般かごより展望
かごに乗りたい乗客。
【0056】(c)どうしても展望かごに乗りたい乗
客。
【0057】上記(a)と(b)の乗客は乗場呼に応答
したエレベータかごにほぼ確実に乗車すると考えられる
ため、エレベータ側でその意志を検出することは非常に
困難である。しかし、上記(c)の乗客は展望かごに乗
車する意志は非常に強いと考えられるため、その意志は
一般かごが到着しても乗車しないという行動として現れ
る。したがって、「一般かごが乗場呼に応答したときに
乗込み客がいない」という現象を検出すれば、上記
(c)のタイプの乗客の有無を判断することができる。
【0058】そこで、この第一実施例では、展望かごに
乗車したいという希望を持つ利用客のうち、その一部で
ある上記(c)のタイプの乗客を検出し、これを基に展
望かごへの乗車を希望する乗客全体を推定するようにし
た。これが展望かごへの乗車希望度であり、次の計算式
で求めるようになっている。
【0059】展望かごへの乗車希望度=G×(一般かご
での乗車拒否数)÷(一般かごの配車率) ここで、階床によって一般かごの配車回数がかなりばら
つくので、この影響を少なくするために一般かごの配車
率で除算して補正するようにしている。また、上記G
は、上記(b)のタイプの乗客の乗車希望を反映するた
めの補正用係数であり、この第一実施例ではG=1とす
る。
【0060】上記のようにして、データ収集プログラム
70では、過去において一般かごへの乗車を拒否した回
数、及び乗場呼に応答させるためにエレベータかごを配
車した回数がそれぞれ時間帯毎に計数されるとともに、
これらに基づいて展望かごへの乗車希望度が演算され記
憶される。
【0061】次に、図2の制御プログラムのステップS
89〜599において、乗場番号n=1〜10に対応す
る各“乗場”に対して、ステップS90の判定プログラ
ムとステップS110の操作推奨プログラムの処理が実
行される。
【0062】まず、ステップS90の判定プログラムで
は、上記乗車希望度HH(k,n)(k=1、…、2
4。n=1、…、10)に基づいて、特定かごへの優先
割当動作が「自動選択」と指定されている場合に、この
優先割当動作を許可するか否かを“乗場”別に判定す
る。
【0063】即ち、ステップS91で、現時間帯kの
“乗場”nにおける乗車希望度HH(k,n)が第1基
準値Hu(=11回)を超えているか否かをチェック
し、もし乗車希望度HH(k,n)が第1基準値Huを
超えているときは、ステップS92へ進み、ここで“乗
場”nの上記優先割当動作を許可するために、動作許可
信号HP(n)を「1」に設定するとともに、特定かご
への優先割当動作が「手動選択」と指定されている場合
に、この判定結果を表示装置11Bに表示して管理者へ
推奨するために表示許可フラグHQ(n)を「1」に設
定する。また、ステップS91の判断で乗車希望度HH
(k,n)が第1基準値Hu以下のときは、ステップS
93へ進み、乗車希望度HH(k,n)が第2基準値H
d(=6回)未満であるか否かをチェックし、もし、乗
車希望度HH(k,n)が第2基準値Hd未満であると
きは、ステップS94へ進み、ここで“乗場”nの上記
優先割当動作を禁止するために、動作許可信号HP
(n)を「0」に設定するとともに、特定かごへの優先
割当動作が「手動選択」と指定されている場合に、この
判定結果を表示装置11Bに表示して管理者へ推奨する
ために表示許可フラグHQ(n)を「1」に設定する。
さらにまた、ステップS91及びステップS93の判断
でHd≦HH(k,n)≦Huの場合には、上記優先割
当動作の有効/無効を現状のままとするために動作許可
信号HP(n)はそのままとし、ステップS95で、特
定かごへの優先割当動作が「手動選択」と指定されてい
る場合に、表示装置11Bに操作指示を何も表示しない
ようにするために、表示許可フラグHQ(n)を「0」
に設定する。
【0064】次の、ステップS110の操作推奨プログ
ラムでは、特定かごへの優先割当動作が「手動選択」と
指定されている場合に、上記ステップS90の判定プロ
グラムの判定結果を管理者への操作指示として表示装置
11Bに表示するよう指令する。
【0065】即ち、ステップS111で、端末装置11
によって上記優先割当動作が「手動選択」と指定されて
いるか否かをチェックし、もし、「手動選択」と指定
(選択信号ASW=「0」)されているときはステップ
S112へ進み、ここで上記“乗場”nの優先割当動作
を「有効」と設定するように指示する信号、即ち、動作
有効指示指令信号HS(n)と、“乗場”nの優先割当
動作を「無効」と設定するように指示する信号、即ち、
動作無効指示指令信号HR(n)と、更に、管理者の判
断の参考データとするための乗車希望度データHN
(n)とを設定し、端末装置11の表示装置11Bへ出
力する。
【0066】動作有効指示指令信号HS(n)は、HQ
(n)∧HP(n)∧/DP(n)という論理演算で設
定され、動作無効指示指令信号HR(n)は、HQ
(n)∧/HP(n)∧DP(n)という論理演算で設
定される。ここで、/は否定論理を表し、端末装置11
による動作許可信号DP(n)は、端末装置11の入力
装置11Aにより設定され、「有効」と入力したときは
DP(n)=「1」と設定され、「無効」と入力したと
きはDP(n)=「0」と設定されるものとする。例え
ば、4階の上り方向乗場n(=4)において、表示許可
フラグHQ(4)=「1」、動作許可信号HP(4)=
「1」であって、且つ、動作許可信号DP(4)=
「0」の場合には、動作有効指示指令信号HS(4)=
「1」となる。したがって、表示装置11BのCRT画
面には、図6の表示例121に示すように、4階から上
方の階へ行く場合の優先割当動作については、「4階に
対する動作は「無効」に設定されているが、乗車希望度
から判断して「有効」に設定した方がよい」旨の表示
を、乗車希望度の表示と併せて行なう。
【0067】また、2階の上り方向乗場n(=2)にお
いて、表示許可フラグHQ(2)=「1」、動作許可信
号HP(2)=「0」であって、且つ、動作許可信号D
P(2)=「1」の場合には、動作無効指示指令信号H
R(2)=「1」となる。したがって、表示装置11B
のCRT画面には、同じく図6の表示例121に示すよ
うに、2階から上方の階へ行く場合の優先割当動作につ
いては、「2階に対する動作は「有効」に設定されてい
るが、乗車希望度から判断して「無効」に設定した方が
よい」旨の表示を、乗車希望度の表示と併せて行なう。
【0068】さらにまた、1階の上り方向乗場n(=
1)において、表示許可フラグHQ(1)=「0」、動
作許可信号HP(1)=「1」であって、且つ動作許可
信号DP(1)=「1」の場合には、動作有効指示指令
信号HS(1)と動作無効指示指令信号HR(1)は共
に「0」となる。したがって、表示装置11BのCRT
画面には、図6の表示例121に示すように、1階から
上方の階へ行く場合の優先割当動作については、「現状
のままの設定でよい」旨の表示が行なわれる。
【0069】上記のようにして、図2の制御プログラム
においては、展望かごへの乗車希望度を検出し、それに
基づいて展望かごへの優先割当動作の有効/無効を自動
判定する一方、上記優先割当動作が「手動選択」と指定
されている場合は上記優先割当動作の有効/無効の設定
に関する推奨案を管理者に提示する。なお、この制御プ
ログラムでは、上記優先割当動作が「自動選択」と指定
されている場合は、表示装置11Bには何も表示しない
ようになっているが、有効/無効を自動判定した結果を
表示装置11Bに送出して、階床毎に上記優先割当動作
の有効/無効の状況を表示するようにもできる。
【0070】次に、乗場呼の割当動作を、図5の割当処
理プログラムの手順を示すフローチャートを用いて説明
する。
【0071】図において、まず、ステップS231で新
規に乗場呼が登録されたか否かを判定する。新規に乗場
呼が登録されていなければ、この割当処理プログラムを
直ちにぬけるが、もし、新規に乗場呼が登録されたこと
を検出すると、ステップS232とステップS233で
上記新規乗場呼cを各エレベータかごに仮に割当てたと
きの待時間評価値Wa,Wbをそれぞれ演算する。待時
間評価値Wa,Wbの演算方法については、これまでに
多数の方法が提案されているが、この第一実施例では、
新規乗場呼cと他の登録済みの乗場呼の待時間をそれぞ
れ予測し、その予測待時間の2乗の総和を待時間評価値
とする方式を使用するものとする。なお、この方式につ
いては特公昭58−48464号公報に詳細に記載され
ており、既に公知であるので詳細な説明は省略する。
【0072】上記のようにして待時間評価値Wa,Wb
をそれぞれ求めると、次にステップS234の特定かご
優先プログラムにおいて、上り呼や下り呼のいずれにも
展望かごが優先的に割当てられるように待時間評価値W
a,Wbを補正して、総合評価値Ea,Ebをそれぞれ
演算する。
【0073】まず、ステップS235で、端末装置11
によって上記優先割当動作が「自動選択」と指定(選択
信号ASW=「1」)されていて、且つ、新規乗場呼c
に対応する乗場の優先割当動作が上述のステップS90
の判定プログラムによって「有効」(動作許可信号HP
(c)=「1」)と自動判定されていることを検出する
と、ステップS238において、展望かごであるa号機
を優先的に割当てるために、優先度Ba(c)をそのま
ま補正値とし、a号機の待時間評価値Waから優先度B
a(c)を差し引いて総合評価値Eaを求める。一方、
b号機の総合評価値Ebには待時間評価値Wbをそのま
ま設定する。ここで、優先度Ba(c)の値は階床毎に
異ならせることも可能であるが、この第一実施例では一
律に「400」に設定されているものとする。また、端
末装置11によって上記優先割当動作が「手動選択」と
指定(選択信号ASW=「0」)されていて、且つ、端
末装置11によって新規乗場呼cに対応する乗場の優先
割当動作が「有効」(動作許可信号DP(c)=
「1」)と手動設定されていることを検出したときも同
様に、ステップS235→ステップS236→ステップ
S238と進んで、ここで総合評価値EaとEbが演算
される。さらにまた、端末装置11によって上記優先割
当動作が「自動選択」と指定(選択信号ASW=
「1」)されているが、新規乗場呼cに対応する乗場の
優先割当動作が上述のステップS90の判定プログラム
によって「無効」(動作許可信号HP(c)=「0」)
と自動判定されている場合、或いは、上記優先割当動作
が「手動選択」と指定(選択信号ASW=「0」)され
ているが、端末装置11によって新規乗場呼cに対応す
る乗場の優先割当動作が「無効」(動作許可信号DP
(c)=「0」)と手動設定されている場合には、ステ
ップS237において待時間評価値Wa,Wbをそのま
ま総合評価値Ea,Ebとしてそれぞれ設定する。即
ち、これらの場合には、上記優先割当動作が適用されな
いことになる。
【0074】上記のステップS234の特定かご優先プ
ログラムで、総合評価値Ea,Ebが演算されると、次
にステップS241で総合評価値Ea,Ebの比較を行
なう。もし、Ea>Ebであれば、ステップS242で
総合評価値の小さい方のb号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をb号機のかご制御装置8に出
力する。また、Ea≦Ebであれば、ステップS243
で総合評価値の小さい方のa号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をa号機のかご制御装置7に出
力する。
【0075】こうして、ステップS90の判定プログラ
ムによる動作許可信号HP(c)、或いは、端末装置1
1による動作許可信号DP(c)に応じて、展望かご
(a号機)に対する優先割当動作の有効/無効が制御さ
れることになる。
【0076】このように、本実施例のエレベータの群管
理装置は、a号機及びb号機の2機のエレベータを一群
として複数の階床に就役させると共に、1階から6階の
各階のエレベータ乗場に設けた乗場釦が操作されると各
エレベータに共通の乗場呼を登録する乗場呼登録手段9
Aと、乗場呼に対する評価値をa号機及びb号機の各エ
レベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータ
を乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段9
Bと、前記乗場呼を割当てるとき、展望かご(特定エレ
ベータ)を一般かご(他のエレベータ)より優先的に割
当かごとして選択させる特定かご優先手段9Cと、前記
乗場呼に前記一般かご(特定エレベータ以外のエレベー
タ)が応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出する検出手段9Dと、検出手段9Dに
よる検出結果を計数して、これに基づき前記展望かご
(特定エレベータ)への乗車希望度を演算して記憶する
データ収集手段9Eと、前記乗車希望度が基準値を超え
ているときは、特定かご優先手段9Cの動作を許可する
指令を出力し、前記乗車希望度が基準値以下のときは、
特定かご優先手段9Cの動作を禁止する指令を出力する
判定手段9Fとを備えている。
【0077】即ち、この第一実施例のエレベータの群管
理装置は、乗場呼に対して一般かごより展望かごを優先
的に割当てるものにおいて、過去に乗場呼に応答した一
般かごへ乗客が乗車しなかったことを階床別・方向別に
検出し、これに基づいて展望かごへの乗車希望度を演算
して記憶しておき、自動選択が指定されている場合は、
上記乗車希望度が基準値を超えている階床と方向の乗場
呼に対しては上記優先割当動作を自動的に有効にして実
行し、逆に上記乗車希望度が基準値以下の階床と方向の
乗場呼に対しては上記優先割当動作を自動的に無効にし
て実行を停止するものである。
【0078】したがって、上記優先割当動作を管理者自
身で有効にしたり無効にしたりする必要がなくなり、管
理者の負担を軽くすることができる。また、階床毎、方
向毎に優先割当動作の有効/無効を制御するようにした
ので、各階床の用途や利用する人の特性によって展望か
ごへの乗車希望に関して階床間に偏りがある場合でも、
展望かごへの乗車希望度の高い階床に対しては、展望か
ごへの優先割当による効果を十分発揮できると同時に、
展望かごへの乗車希望度の低い階床に対しては、乗客の
サービス(待時間)悪化を防止することができる。な
お、展望かごへの乗車希望度に関して階床間に偏りがな
い建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対する優先割
当動作の有効/無効を制御するように構成すればよく、
この場合に対しても十分にこの発明の効果を奏すること
ができる。
【0079】また、本実施例のエレベータの群管理装置
は、外部操作により特定かご優先手段9Cの動作の有効
/無効を設定する入力装置11A(入力手段)と、特定
かご優先手段9Cの動作の有効/無効の設定に関する操
作指示を表示する表示装置11B(表示手段)と、デー
タ収集手段9Eで収集した乗車希望度が基準値以下のと
きに、特定かご優先手段9Cの動作を無効にした方がよ
い旨の表示を行なわせる表示指令、あるいは、乗車希望
度が基準値を超えるときに、特定かご優先手段9Cの動
作を有効にした方がよい旨の表示を行なわせる表示指令
のうちの、少なくともいずれか一方を表示装置11B
(表示手段)に対して出力する操作推奨手段9Gとを備
えている。
【0080】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、上記優先割当動作の有効/無効を管理者の判断で手
動選択できるようにするために、上記優先割当手段の動
作の有効/無効を階床別、方向別に設定できるようにし
た入力装置11Aと、上記優先割当手段の動作の有効/
無効の設定に関する階床別、方向別の操作指示を表示す
る表示装置11Bを備えておき、手動選択が指定されて
いる場合は、上記乗車希望度が基準値を超えている階床
と方向の乗場呼に対しては上記優先割当動作を有効にし
た方がよい旨の表示を上記表示装置11Bに行なわせ、
逆に上記乗車希望度が基準値以下の階床と方向の乗場呼
に対しては上記優先割当動作を無効にした方がよい旨の
表示を上記表示装置11Bに行なわせるようにしたもの
である。したがって、管理者により上記優先割当動作を
手動選択するようになっている場合でも、上記優先割当
動作の切換え時期の判断が容易になり、管理者の負担を
軽減することができる。また、階床・方向別に優先割当
動作の有効/無効を指示するとともに、上記乗車希望度
も表示するようにしたので、乗車希望度に関して階床間
に偏りがある場合でも、管理者はこの情報に基づいてよ
り柔軟に階床・方向別の有効/無効の判断を行なうこと
ができる。なお、展望かごへの乗車希望度に関して階床
間に偏りがない建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に
対する優先割当動作の有効/無効を表示するように構成
すればよく、この場合も十分に本実施例の効果を奏する
ことができる。
【0081】なお、上記第一実施例では、乗場呼を割当
てるとき、展望かごの割当評価値を優先度に応じて小さ
く補正して、展望かごを他のエレベータかごより割当て
やすくするようにしたが、上記展望かごを優先的に割当
てるための方法はこのような評価値の補正による方式に
限るものではない。例えば、展望かごへの乗車希望度が
非常に高い階床と方向の乗場呼に対しては、必ず展望か
ごを選択して割当てるという方式も含むものである。ま
た、割当優先度を各階での乗車希望度に無関係に一定の
値としたが、上記乗車希望度に応じて割当優先度を設定
するように構成してもよい。そうすれば、割当優先動作
を許可/禁止という2段階ではなく、展望かごへの乗車
希望度に応じた連続的な制御が可能となる。また、その
階床別の優先度を非常に大きな値に設定することによっ
て、必ず展望かごが割当てられるように構成することも
容易である。つまり、特定かご優先手段9Cは、乗場呼
を割当てるとき、特定エレベータを他のエレベータより
優先的に割当かごとして選択させてもよく、また、前記
特定エレベータの評価値を特定エレベータ以外のエレベ
ータに比べて予め設定された優先度に対応した分だけ相
対的に小さくなるように補正するようなものであっても
構わない。
【0082】また、上記第一実施例では、「許可」状態
から「禁止」状態に自動変更する場合の第2判定基準値
Hdの値を、「禁止」状態から「許可」状態に自動変更
する場合の第1判定基準値Huよりも小さく設定するこ
とにより、判定基準値付近でのハンチング現象を阻止し
判定結果を安定させるようにした。しかし、この2つの
判定基準値を必ずしも異ならせる必要はなく、この2つ
の判定基準値を同一の値にしても十分にこの発明の効果
を得ることができる。
【0083】さらにまた、上記第一実施例では、判定基
準値Hu,Hdを各階床及び各時間帯で一律に同じ値を
使用したが、階床の用途(玄関、事務所、レストラン、
会議室等)や時間帯(出勤時、平常時、昼食時、退勤
時、夜間等)に応じて異なる値を採用してもよい。
【0084】〈第二実施例〉図7〜図11はこの発明の
第二実施例を示すものである。この第二実施例において
も、上記第一実施例と同様に、1階から6階までをサー
ビスするa号機(展望エレベータ)とb号機(一般エレ
ベータ)の2台のエレベータが設置されているものとす
る。
【0085】図7は本発明の第二実施例であるエレベー
タの群管理装置を示す全体構成図であり、上記第一実施
例の図1に相当するものである。図中、第一実施例と同
一符号及び記号は第一実施例の構成部分と同一または相
当する構成部分を示す。
【0086】図において、9Hは群管理装置9に設けら
れ、データ収集手段9Eによる乗車希望度に基づいて特
定かご優先手段9Cで使用する優先度を設定する優先度
設定手段、9Jは同じく、上記優先度設定が「手動設
定」に指定されているときに、上記優先度の推奨値を端
末装置11の表示装置11Bに表示するよう指令する表
示指令手段である。
【0087】なお、図7の端末装置11は群管理装置9
と接続されており、入力装置11Aは特定かご優先手段
9Cによる優先割当動作を「自動設定」にするか、また
は、「手動設定」にするかの指定、及び「手動設定」を
指定しているときの上記優先割当動作の優先度の設定
を、それぞれキーボードを使って入力できるようになっ
ている。また、表示装置11Bは上記優先度設定を「手
動設定」に指定しているときに、その優先度の設定に関
する操作指示を表示するようになっている。
【0088】また、図8は本発明の第二実施例であるエ
レベータの群管理装置による制御プログラムを示すフロ
ーチャートであり、上記第一実施例の図2に相当する制
御プログラムの全体の手順を示すフローチャートであ
る。図9は本発明の第二実施例であるエレベータの群管
理装置による割当処理プログラムを示すフローチャート
であり、上記第一実施例の図5に相当する割当処理プロ
グラムの全体の手順を示すフローチャートである。図1
0は本発明の第二実施例であるエレベータの群管理装置
による乗車希望度と優先度の関係を示す対応図、図11
は本発明の第二実施例であるエレベータの群管理装置に
よる優先度設定指示の表示例を示す説明図であり、表示
装置11Bに表示する内容の例を示す。なお、この第二
実施例におけるステップS50の検出プログラムとステ
ップS70のデータ収集プログラムの手順を示すフロー
チャートは、上記第一実施例の図3と図4をそのまま使
用するものとする。
【0089】次に、この第二実施例のエレベータの群管
理装置の動作を説明する。まず、図8に示すフローチャ
ートにより制御プログラムの動作を説明する。
【0090】図8の制御プログラムにおいて、まず、ス
テップS50の検出プログラムでは、展望かごと一般か
ごが乗場呼に応答したことをそれぞれ階床別・方向別に
検出するとともに、一般かごが乗場呼に応答したとき
に、このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを
階床別・方向別に検出する。この手順は第一実施例の図
3で説明したものと同一であるので、ここでは説明を省
略する。
【0091】上述したように、上記ステップS50で展
望かごと一般かごが乗場呼に応答したこと、及び一般か
ごが乗場呼に応答したときに、このエレベータかごに乗
客が乗車しなかったことを検出すると、次にステップS
70のデータ収集プログラムでは、上記検出結果に基づ
いて時間帯毎(1時間単位で、1日を24個の時間帯に
分割する)に配車回数と乗車拒否回数を計数し、更に、
過去の同一時間帯における配車回数と乗車拒否回数の平
均値との重み付け平均を行い、その結果を新しい配車回
数と乗車拒否回数の平均値としてそれぞれ記憶する。そ
して、さらに配車回数と乗車拒否回数の平均値とから、
展望かごと一般かごの配車率、及び展望かごへの乗車希
望度を演算する。この手順は第一実施例の図4で説明し
たものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0092】さらに、ステップS89〜599におい
て、乗場番号n=1〜10に対応する各“乗場”に対し
て、ステップS140の優先度設定プログラムとステッ
プS150の表示指令プログラムの処理が実行される。
【0093】まず、ステップS140の優先度設定プロ
グラムでは、展望かごへの優先割当動作の優先度設定が
「自動設定」と指定されている場合に対応して、上記乗
車希望度HH(k,n)(k=1、…、24。n=1、
…、10)に基づいた優先割当動作の優先度の設定と、
上記優先度設定が「手動設定」と指定されている場合に
対応して、端末装置11により入力された優先度の設定
をそれぞれ“乗場”別に行なう。即ち、ステップS14
1で、現時間帯kの“乗場”nにおける乗車希望度HH
(k,n)をxとして取出し、これをステップS142
で変換関数F(x)を使用して「自動設定」時用の優先
度Ba(n)に変換する。優先度Ba(n)への変換に
用いる変換関数F(x)は、図10の表に示すように予
め決められている。例えば、乗車希望度x=4(回)の
ときの優先度F(4)=0となり、また、乗車希望度x
=15(回)のときの優先度F(15)=230とな
る。そして、次のステップS143では、入力装置11
Aのキーボードから入力した優先度の値を「手動設定」
時用の優先度DQ(n)として設定する。
【0094】次のステップS150の表示指令プログラ
ムでは、展望かごへの優先割当動作の優先度設定が「手
動設定」と指定されている場合に、上記ステップS14
0の優先度設定プログラムの「自動設定」時用の設定結
果を管理者への推奨値として表示装置11Bに表示する
よう指令する。即ち、ステップS151で、入力装置1
1Aによって上記優先度設定が「手動設定」と指定され
ているか否かをチェックし、もし、「手動設定」と指定
(選択信号ASW=「0」)されているときは、ステッ
プS152へ進み、ここで上記“乗場”nの優先割当動
作における優先度の推奨値を設定するように指示する信
号、即ち、推奨値信号PR(n)にステップS142で
設定された「自動設定」時用の優先度Ba(n)の値を
設定し、更に、管理者の判断の参考データとするための
表示用データHN(n)に乗車希望度HH(k,n)の
値を設定し、端末装置11の表示装置11Bへ出力す
る。
【0095】例えば、上記優先度設定が「手動設定」と
指定されている場合において、1階〜5階の上り方向乗
場(n=1〜5)における現時間帯kの乗車希望度HH
(k,n)がそれぞれ15(回)、2(回)、4
(回)、10(回)、及び1(回)で、現在の優先度の
設定値DQ(n)がそれぞれ50、150、150、5
0、50となっており、また、6階〜2階の下り方向乗
場(n=6〜10)における現時間帯kの乗車希望度H
H(k,n)がそれぞれ20(回)、12(回)、7
(回)、3(回)、及び1(回)で、現在の優先度の設
定値DQ(n)がそれぞれ150、150、50、5
0、50となっているとすると、表示装置11BのCR
T画面には、図11の表示例122に示すように表示さ
れる。
【0096】即ち、図11の表示例122において、上
り方向乗場に対しては、「4階に対する優先度は「5
0」に設定されているが、これは乗車希望度から判断し
ても妥当な設定値である」旨の表示を、また、「2階と
3階に対する優先度は「150」、5階に対する優先度
は「50」に設定されているが、これは乗車希望度から
判断するといずれも「0」に設定し実質的に優先割当動
作が働かないようにした方がよい」旨の表示を、更に、
「1階に対する優先度は「50」に設定されているが、
これは乗車希望度から判断すると「230」とさらに大
きな値に設定した方がよい」旨の表示が行われることに
なる。下り方向乗場における優先割当動作についても同
様な表示が行われる。
【0097】上記のようにして、図8の制御プログラム
においては、展望かごと一般かごの配車回数、及び一般
かごへの乗車拒否回数を検出し、「自動設定」と指定さ
れている場合は、それに基づいて展望かごへの優先割当
動作の優先度を自動設定する一方、「手動設定」と指定
されている場合は、上記優先割当動作の優先度の設定に
関する推奨案を管理者に提示する。なお、この制御プロ
グラムでは、上記優先割当動作の優先度設定が「自動設
定」と指定されている場合は、表示装置11Bには何も
表示しないようになっているが、自動設定した結果(優
先度)を表示装置11Bに送出して、階床毎に上記優先
度の設定状況を表示するようにもできる。
【0098】次に、乗場呼の割当動作を、図9の割当処
理プログラムの手順を示すフローチャートを用いて説明
する。
【0099】図において。まず、ステップS231で、
新規に乗場呼が登録されたか否かを判定する。新規に乗
場呼が登録されていなければ、この割当処理プログラム
を直ちにぬけるが、もし、新規に乗場呼が登録されたこ
とを検出すると、スッテプ232とステップS233で
上記新規乗場呼cを各エレベータかごに仮に割当てたと
きの待時間評価値Wa,Wbをそれぞれ演算する。この
待時間評価値Wa,Wbの演算方法については、上記第
一実施例の図5と同様であるので詳細な説明は省略す
る。
【0100】こうして、待時間評価値Wa,Wbをそれ
ぞれ求めると、次にステップS234の特定かご優先プ
ログラムにおいて、上り呼及び下り呼のいずれに対して
も展望かごが優先的に割当てられるように待時間評価値
Wa,Wbを補正して、総合評価値Ea,Ebをそれぞ
れ演算する。即ち、まず、ステップS251で、端末装
置11によって上記優先度設定が「自動設定」と指定さ
れているか否かを判定する。「自動設定」が指定(選択
信号ASW=「1」)されているときは、ステップS2
51からステップS253へと進み、ここで展望かごで
あるa号機を優先的に割当てるために、優先度Ba
(c)をそのまま補正値とし、a号機の待時間評価値W
aから「自動設定」時用の優先度Ba(c)を差し引い
て総合評価値Eaを求める。一方、b号機の総合評価値
Ebには待時間評価値Wbをそのまま設定する。また、
ステップS251で、端末装置11により「手動設定」
が指定(選択信号ASW=「0」)されていることを検
出すると、ステップS252へ進み、今度は「手動設
定」時用の優先度DQ(c)を補正値とし、a号機の待
時間評価値Waから優先度DQ(c)を差し引いて総合
評価値Eaを求める。一方、b号機の総合評価値Ebに
は待時間評価値Wbをそのまま設定する。
【0101】上記のステップS234の特定かご優先プ
ログラムで、総合評価値Ea,Ebが演算されると、次
にステップS241で総合評価値Ea,Ebの比較を行
なう。もし、Ea>Ebであれば、ステップS242で
総合評価値の小さい方のb号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をb号機のかご制御装置8に出
力する。また、Ea≦Ebであれば、ステップS243
で総合評価値の小さい方のa号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をa号機のかご制御装置7に出
力する。
【0102】こうして、ステップS140の優先度設定
プログラムによる「自動設定」時用の優先度Ba
(c)、或いは、端末装置11による「手動設定」時用
の優先度DQ(c)に応じて、展望かご(a号機)に対
する優先割当動作の優先度が制御されることになる。
【0103】このように、本実施例のエレベータの群管
理装置は、a号機及びb号機の2機のエレベータを一群
として1階から6階の階床に就役させると共に、各階の
エレベータ乗場に設けた乗場釦が操作されると各エレベ
ータに共通の乗場呼を登録する乗場呼登録手段9Aと、
前記乗場呼に対する評価値をa号機及びb号機の各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段9B
と、前記乗場呼を割当てるとき、展望かご(特定エレベ
ータ)の評価値を一般かご(特定エレベータ以外のエレ
ベータ)に比べて予め設定された優先度に対応した分だ
け相対的に小さくなるように補正する特定かご優先手段
9Cと、前記乗場呼に前記一般かご(特定エレベータ以
外のエレベータ)が応答したとき、このエレベータに乗
客が乗車しなかったことを検出する検出手段9Dと、検
出手段9Dによる検出結果を計数して、これに基づき展
望かご(特定エレベータ)への乗車希望度を演算して記
憶するデータ収集手段9Eと、前記乗車希望度が大きい
ときは、前記展望かご(特定エレベータ)の優先度を大
きい値に設定し、前記乗車希望度が小さいときは、上記
展望かご(特定エレベータ)の優先度を小さい値に設定
する優先度設定手段9Hとを具備するものである。
【0104】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、乗場呼を割当てるとき、展望かごの評価値を一般か
ごに比べて所定の優先度に対応した分だけ相対的に小さ
くなるように補正して、上記展望かごを優先的に割当て
るようにしたものにおいて、上記優先度を乗場呼(上り
呼、下り呼)に対応して階床単位に設定するものとし、
過去に乗場呼に応答した一般かごへ乗客が乗車しなかっ
たことを階床別・方向別検出して、これを基に展望かご
への乗車希望度を演算して記憶しておき、自動設定が指
定されている場合は、上記乗車希望度に応じて上記優先
度をそれぞれ自動的に設定する、つまり、上記乗車希望
度が大きい階床・方向の乗場呼に対してはそれに応じて
上記展望かごの優先度を大きい値に設定し、上記乗車希
望度が小さい階床・方向の乗場呼に対してはそれに応じ
て上記展望かごの優先度を小さい値に設定するものであ
る。
【0105】したがって、上記優先割当動作の優先度を
管理者自身で設定する必要がなくなり、管理者の負担を
軽減することができる。また、階床・方向別に優先度を
自動設定するようにしたので、各階床の用途や利用する
人の特性によって展望かごへの乗車希望に関して階床間
に偏りがある場合でも、展望かごへの乗車希望度の高い
階床に対しては、展望かごへの優先割当による効果を十
分発揮できると同時に、展望かごへの乗車希望度の低い
階床に対しては、乗客のサービス(待時間)悪化を防止
することができる。なお、展望かごへの乗車希望度に関
して階床間に偏りがない建物や時間帯の場合には、乗場
呼全体に共通の優先度を自動設定するように構成すれば
よく、この場合にも十分に本実施例の効果を奏する。
【0106】また、本実施例のエレベータの群管理装置
は、外部操作により特定かご優先手段9Cで使用する優
先度を設定する入力装置11A(入力手段)と、特定か
ご優先手段9Cの動作の優先度の設定に関する操作指示
を表示する表示装置11B(表示手段)と、データ収集
手段9Eで収集した乗車希望度が大きいときは、前記展
望かご(特定エレベータ)の優先度の推奨値を大きい値
に設定し、前記乗車希望度が小さいときは、前記展望か
ご(特定エレベータ)の優先度の推奨値を小さい値に設
定する優先度設定手段9Hと、優先度設定手段9Hによ
る優先度の推奨値を表示装置11B(表示手段)に表示
させる表示指令を出力する表示指令手段9Jとを備えて
いる。
【0107】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、さらに上記優先割当動作の優先度を管理者の判断で
手動設定できるようにするために、上記優先度を階床・
方向別に設定できるようにした入力装置11Aと、上記
優先度の設定に関する操作指示を階床・方向別に表示す
る表示装置11Bを備えておき、手動設定が指定されて
いる場合は、上記乗車希望度に応じて上記優先度の推奨
値を階床・方向別にそれぞれ演算し、その推奨値を上記
表示装置11Bにそれぞれ表示する。即ち、上記乗車希
望度が大きい階床・方向の乗場呼に対しては、それに応
じて上記展望かごの優先度の推奨値を大きい値に設定し
て表示し、上記乗車希望度が小さい階床・方向の乗場呼
に対しては、それに応じて上記展望かごの優先度の推奨
値を小さい値に設定して表示するものである。
【0108】したがって、管理者により上記優先度を手
動設定するようになっている場合でも、上記優先割当動
作の優先度の設定値の判断が容易になり、管理者の負担
を軽減することができる。また、優先度の推奨値を階床
・方向別に表示するとともに、上記展望かごへの乗車希
望度もそれぞれ階床・方向別に表示するようにしたの
で、展望かごへの乗車希望度に関して階床間に偏りがあ
る場合でも、管理者はこの情報に基づいてより柔軟に階
床・方向別の優先度の設定の判断を行なうことができ
る。なお、特定かごへの乗車希望度に関して階床間に偏
りがない建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対する
優先度の推奨値を表示するように構成すればよく、この
場合にも十分に本実施例の効果を奏する。
【0109】なお、上記第一実施例及び第二実施例で
は、乗場呼に応答した一般かごへ乗客が乗車しなかった
ときは、この乗客は展望かごへの乗車を強く希望してい
ると判断して、これを一般かごへの乗車拒否回数(即
ち、展望かごへの乗車希望回数)として計数するように
した。さらに、一般かごが乗場呼に応答した回数と展望
かごが乗場呼に応答した回数とから、一般かごと展望か
ごのそれぞれの配車率を求めた。そして、上記乗車拒否
回数を一般かごの配車率で除してその商を展望かごへの
乗車希望度として演算するようにした。これは、上記乗
車拒否回数をそのまま展望かごへの乗車希望度として演
算すると、たまたま一般かごの配車率が低かった階床に
対しては、どうしても優先割当動作を行なわない側、つ
まり、優先度を小さい値に設定する側に偏ってしまうと
いう問題が生じるためである。
【0110】そこで、乗場呼に応答したエレベータを展
望かご(特定エレベータ)と一般かご(特定エレベータ
以外のエレベータ)とに区別して検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
前記特定エレベータの配車率を演算して記憶するデータ
収集手段と、前記配車率が基準値より大きいときは、前
記展望かご(特定エレベータ)の優先度を現在の設定値
より小さい値に修正し、前記配車率が基準値より小さい
ときは、前記展望かご(特定エレベータ)の優先度を現
在の設定値より大きい値に修正する優先度修正手段とを
備えたエレベータの群管理装置とすれば、一般かごの配
車率を考慮することによって、展望かごへの乗車希望度
をより正確に推定できるようになるので、上記の問題を
解決することができる。
【0111】また、同様に、外部操作により前記特定か
ご優先手段で使用する優先度を設定する入力装置11A
と、前記特定かご優先手段の動作の優先度の設定に関す
る操作指示を表示する表示装置11Bと、前記データ収
集手段で収集した配車率が基準値より大きいときは、前
記展望かご(特定エレベータ)の優先度の推奨値を現在
の設定値より小さい値に修正し、前記配車率が基準値よ
り小さいときは、前記展望かご(特定エレベータ)の優
先度の推奨値を現在の設定値より大きい値に修正する優
先度修正手段と、前記優先度修正手段による優先度の推
奨値を前記表示手段に表示させる表示指令を出力する表
示指令手段とを備えエレベータの群管理装置とすれば、
管理者により上記優先度を手動設定するようになってい
る場合でも、上記優先割当動作の優先度の設定値の判断
が容易になり、管理者の負担を軽減することができるだ
けでなく、一般かごの配車率を考慮することによって、
展望かごへの乗車希望度をより正確に推定できるように
なるので、上記の問題を解決することができる。
【0112】なお、一般かごの配車率に関係した上記問
題を解決する方法はこれに限るものではない。例えば、
上記乗車拒否回数をそのまま特定かごへの乗車希望度と
して演算し、一般かごの配車率が小さいときは判定基準
値も小さめの値に設定し、逆に一般かごの配車率が大き
いときは判定基準値も大きめの値に設定するように構成
すれば、上記第一実施例や第二実施例と同様の効果を得
ることができる。また、一般かごの配車率がほぼ一定に
なるような交通状態や時間帯であれば、上記乗車拒否回
数をそのまま特定かごへの乗車希望度として演算しても
十分に本実施例と同様の効果を奏することができること
は言うまでもない。
【0113】さらにまた、上記第一実施例及び第二実施
例では、交通量にかかわらず一般かごへの乗車拒否回数
から展望かごへの乗車希望度を求めるようにしたが、こ
れは、乗場呼に応答したときに乗場で待っている乗客は
1人と仮定したためである。しかしながら、実際には、
乗場呼に応答したときに2人以上の乗客がエレベータホ
ールで待っていることもあり、これが上記乗車希望度の
推定値に誤差を生じるさせることになる。そこで、この
問題点を解決する方法として、例えば、下記の(イ)〜
(ニ)のようなものが考えられるが、いずれも容易に実
現することができる。
【0114】(イ)一般かごへの乗車拒否回数に対し
て、交通量(例えば、乗車客数や乗場呼数等)に応じた
補正を加える。即ち、乗車客数が多い階床では、その乗
車客数に応じて一般かごへの乗車拒否回数を大きめの値
に修正する。
【0115】(ロ)特定かごへの乗車希望度に対する判
定基準値に、交通量に応じた補正を加える。即ち、乗車
客数が多い階床では、その乗車客数に応じて判定基準値
を小さめの値に修正する。
【0116】(ハ)エレベータホールに待客数検出装置
を設け、一般かごが乗場呼に応答したときに、何人の待
客が乗車せずに残ったかを検出して、これを一般かごへ
の乗車拒否人数として計数し、これを用いて特定かごへ
の乗車希望度を求める。
【0117】(ニ)エレベータホールに、希望するエレ
ベータの種類(一般かご、特殊かご)を指定する装置を
設け、この入力状況から一般かごに乗車しなかった乗客
数を推定する。
【0118】〈第三実施例〉上記第一実施例及び第二実
施例では、乗客の行動、即ち、希望するかご以外のエレ
ベータかごには乗車しないという乗客の強い意志を検出
して、これを基に優先割当動作の有効/無効の判定や優
先度の設定値の判定を行った。つまり、これは、利用者
の立場で考えて優先割当動作の制御を行なうものであ
る。
【0119】一方、エレベータ管理者側の管理目標を全
面に押し出した優先割当動作の制御方法も考えられる。
即ち、特定かごを配車する割合(配車率)の目標値を予
め決めておき、実際の配車率をこの目標値に近付けるよ
うに優先割当動作を制御するものである。以下、図12
〜図16に示す第三実施例によって、これを説明する。
なお、この第三実施例においても、上記第一実施例及び
第二実施例と同様に、1階から6階までをサービスする
a号機(展望エレベータ)とb号機(一般エレベータ)
の2台のエレベータが設置されているものとする。
【0120】図12は本発明の第三実施例であるエレベ
ータの群管理装置を示す全体構成図であり、上記第一実
施例の図1及び第二実施例の図7に相当するものであ
る。図中、第一実施例と同一符号及び記号は第一実施例
の構成部分と同一または相当する構成部分を示す。
【0121】図において、9Kは群管理装置9に設けら
れ、データ収集手段9Eによる展望かごの配車率の実績
値に基づいて特定かご優先手段9Cで使用する優先度を
修正する優先度修正手段、9Lは同じく、優先度を変更
してから経過した時間に応じて上記優先度の修正を阻止
する修正阻止手段である。なお、表示指令手段9Jにお
いては、「手動設定」と指定されているときに、上記修
正した優先度を推奨値として端末装置11の表示装置1
1Bに表示するようにした点、及び「自動設定」と指定
されているときに、上記展望かごの配車率の実績値を表
示装置11Bに表示するようにした点が第二実施例の表
示指令手段9Jと異なる。また、入力装置11Aにおい
ては、配車率の目標値を入力できるようにした点が第二
実施例の入力装置11Aと異なる。
【0122】また、図13は本発明の第三実施例である
エレベータの群管理装置による制御プログラムを示すフ
ローチャートであり、第一実施例の図2及び第二実施例
の88に相当する制御プログラムの全体の手順を示すフ
ローチャートである。図14は本発明の第三実施例であ
るエレベータの群管理装置による優先度修正プログラム
を示すフローチャート、図15は本発明の第三実施例で
あるエレベータの群管理装置による優先度設定指示の表
示例を示す説明図、図16は本発明の第三実施例である
エレベータの群管理装置による優先度設定指示の他の表
示例を示す説明図であり、図15及び図16は表示装置
11Bに表示する内容の例を示す。なお、この第三実施
例におけるステップS50の検出プログラム、ステップ
S70のデータ収集プログラム、及び割当処理プログラ
ムの手順を示すフローチャートは、第一実施例の図3、
図4、及び第二実施例の図9をそのまま使用するものと
する。
【0123】次に、この第三実施例のエレベータの群管
理装置の動作を説明する。まず、図13に示すフローチ
ャートにより制御プログラムの動作を説明する。
【0124】図13の制御プログラムにおいて、まず、
ステップS50の検出プログラムでは、展望かごと一般
かごが乗場呼に応答したことをそれぞれ階床別・方向別
に検出するとともに、一般かごが乗場呼に応答したとき
に、このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを
階床別・方向別に検出する。この手順は第一実施例の図
3で説明したものと同一であるので、ここでは説明を省
略する。
【0125】次のステップS70のデータ収集プログラ
ムでは、上記検出結果に基づいて時間帯毎(1時間単位
で、1日を24個の時間帯に分割する)に配車回数と乗
車拒否回数を計数し、更に、過去の同一時間帯における
配車回数と乗車拒否回数の平均値との重み付け平均を行
い、その結果を新しい配車回数と乗車拒否回数の平均値
としてそれぞれ記憶する。そして、さらに、配車回数と
乗車拒否回数の平均値とから、展望かごと一般かごの配
車率、及び展望かごへの乗車希望度を演算する。この手
順は第一実施例の図4で説明したものと同一であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0126】次のステップS170の優先度修正プログ
ラムでは、展望かごへの優先割当動作の優先度設定が
「自動設定」と指定されている場合に対応して、展望か
ごの配車率の目標値Xt(k,n)と実績値HX(k,
n)(k=1、…、24。n=1、…、10)に基づい
て、この優先割当動作の優先度を“乗場”別に修正す
る。この手順を図14を参照しながら説明する。まず、
ステップS171で乗場番号nを「1」に初期設定した
後、ステップS172〜181で各“乗場”に対応する
処理を行い、ステップS182で乗場番号nを更新し、
ステップS183で全“乗場”(n=1〜10)につい
て処理したか否かを判定する。
【0127】例えば、n番目の“乗場”に対する処理
は、まず、ステップS172で、図4のステップS70
のデータ収集プログラムのステップS71と同様にし
て、時間帯の境界になったか否かを判定する。時間帯の
境界でなければステップS181へ進み、ここで入力装
置11Aのキーボードから入力した優先度の値を「手動
設定」用の優先度DQ(n)として設定し、乗場番号n
の“乗場”に対する処理を終了する。なお、ステップS
173、ステップS174、及びステップS180によ
り優先度の修正を一定期間禁止するための修正阻止プロ
グラムを構成している。
【0128】もし、ステップS172で時間帯の境界を
検出したときは、ステップS173へ進み、ここで、新
しい時間帯番号k(ステップS70のデータ収集プログ
ラムで設定)において、乗場番号nの“乗場”の優先度
が更新されてから経過した日数を表す経過期間PER
(k,n)を「1(日)」だけカウントアップする。そ
して、ステップS174で、上記経過期間PER(k,
n)が優先度の更新を禁止するために設けた更新阻止期
間Tx(=5日)を超えたか否かを判定する。もし、P
ER(k,n)≦Txであれば、ステップS181へ進
み、入力装置11Aのキーボードから入力した優先度の
値を「手動設定」用の優先度DQ(n)として設定し、
乗場番号nの“乗場”に対する処理を終了する。また、
ステップS174で経過期間PER(k,n)が更新阻
止期間Txを超えたことを検出すると、ステップS17
5で現時間帯kの“乗場”nにおける展望かごの目標配
車率Xt(k,n)を端末装置11から読取り、第1基
準値Xuと第2基準値XdをそれぞれXu=Xt(k,
n)+0.05、及びXd=Xt(k,n)−0.05
で演算する。そして、ステップS176で、現時間帯k
の“乗場”nにおける展望かごの実績配車率HX(k,
n)が第1基準値Xuを超えているか否かをチェック
し、もし、実績配車率HX(k,n)が第1基準値Xu
を超えているときはステップS177へ進み、ここで
“乗場”nの優先度Ba(n)を現在の設定値より一定
値L(=50)だけ小さくなるように修正し、ステップ
S181の処理を行って乗場番号nの“乗場”に対する
処理を終了する。なお、目標配車率Xt(k,n)の設
定値によっては修正した優先度Ba(n)が負の値にな
ることがあるが、その場合は逆に一般かごを優先割当す
ることになる。また、ステップS178では、実績配車
率HX(k,n)が第2基準値Xd未満であるかを否か
をチェックし、もし、配車率HX(k,n)が第2基準
値Xd未満であるときはステップS179へ進み、ここ
で“乗場”nの優先度Ba(n)を現在の設定値より一
定値Lだけ大きくなるように修正し、ステップS181
の処理を行って乗場番号nの“乗場”に対する処理を終
了する。なお、Xd≦HX(k,n)≦Xuの場合に
は、優先度Ba(n)の値は現在設定されている値のま
まとし、ステップS181の処理を行って乗場番号nの
“乗場”に対する処理を終了する。
【0129】上記のようにして、展望かごへの優先割当
動作の優先度を“乗場”別に修正すると、次のステップ
S190の表示指令プログラムでは、展望かごへの優先
割当動作の優先度設定が「手動設定」と指定されている
場合に、上記ステップS170の優先度修正プログラム
の「自動設定」時用の修正結果を管理者への推奨値とし
て表示装置11Bに表示するよう指令する。
【0130】まず、ステップS191で乗場番号nを
「1」に初期設定した後、ステップS192〜194で
各“乗場”に対応する処理を行い、ステップS195で
乗場番号nを更新し、ステップS196で全“乗場”
(n=1〜10)について処理したか否かを判定する。
n番目の“乗場”に対する処理は、まず、ステップS1
92で、端末装置11によって上記優先度設定が「手動
設定」と指定されているか否かをチェックし、もし、
「手動設定」と指定(選択信号ASW=「0」)されて
いるときはステップS193へ進み、ここで上記“乗
場”nの優先度の推奨値を設定するように指示する信
号、即ち、推奨値信号PR(n)にステップS170の
優先度修正プログラムで設定された「自動設定」用の優
先度Ba(n)の値を設定し、更に、管理者の判断の参
考データとするための表示用データHN(n)に展望か
ごの実績配車率HX(k,n)の値を設定し、端末装置
11の表示装置11Bへ出力する。
【0131】例えば、上記優先度設定が「手動設定」と
指定されている場合において、1階〜5階の上り方向乗
場(n=1〜5)における現時間帯k(例えば、k=1
1[10:00〜11:00])の展望かごの実績配車
率HX(k,n)がそれぞれ0.70、0.76、0.
77、0.68、及び0.72で、現在の優先度の設定
値DQ(n)がそれぞれ100、200、200、15
0、及び150となっており、また、6階〜2階の下り
方向乗場(n=6〜10)における現時間帯kの展望か
ごの実績配車率HX(k,n)がそれぞれ0.76、
0.67、0.65、0.78、及び0.63で、現在
の優先度の設定値DQ(n)がそれぞれ250、15
0、100、250、及び100となっているとする
と、表示装置11BのCRT画面には、図15の表示例
123のような表示がされる。
【0132】図15の表示例123において、上り方向
乗場に対しては、「4階及び5階に対する優先度はそれ
ぞれ「150」に設定されているが、これは目標とする
配車率(=0.7)と実績の配車率から判断して妥当な
設定値である」旨の表示を、また、「2階と3階に対す
る優先度はそれぞれ「200」に設定されているが、こ
れは目標とする配車率(=0.7)と実績の配車率から
判断するといずれも「150」に一度修正し、その後の
様子を見た方がよい」旨の表示を、さらに、「1階に対
する優先度は「100」に設定されているが、これは目
標とする配車率(=0.8)と実績の配車率から判断す
ると「150」に一度修正し、その後の様子を見た方が
よい」旨の表示が行なわれることになる。なお、下り方
向乗場における優先割当動作についても同様な表示が行
なわれる。
【0133】また、図13のステップS192で「自動
設定」と指定(選択信号ASW=「1」)されていると
きはステップS194へ進み、ここで管理者の判断の参
考データとするための表示用データHN(n)として展
望かごの実績配車率HX(k,n)の値を設定し、端末
装置11の表示装置11Bへ出力する。このとき、例え
ば、図16の表示例124に示すように、表示装置11
BのCRT画面には、目標配車率と実績配車率とが階床
・方向別に表示される。
【0134】上記のようにして、図13の制御プログラ
ムにおいては、展望かごと一般かごの配車率の実績値を
検出し、「自動設定」と指定されている場合は実績配車
率に基づいて展望かごへの優先割当動作の優先度を自動
修正する一方、「手動設定」と指定されている場合は上
記優先割当動作の優先度の設定に関する推奨案を管理者
に提示する。また、上記優先度設定が「自動設定」と指
定されている場合も、自動設定した結果の実績配車率を
表示装置に11Bに送出して、階床毎に上記優先割当動
作の動作状況を表示する。なお、上記のようにして設定
された優先度を用いて乗場呼の割当動作が行なわれる
が、これは、第二実施例の図5の割当処理プログラムの
手順と同一であるので説明は省略する。
【0135】このように、本実施例のエレベータの群管
理装置は、a号機及びb号機の2機のエレベータを一群
として複数の階床に就役させると共に、1階から6階の
各階のエレベータ乗場に設けた乗場釦が操作されると各
エレベータに共通の乗場呼を登録する乗場呼登録手段9
Aと、前記乗場呼に対する評価値をa号機及びb号機の
各エレベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベ
ータを乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手
段9Bと、前記乗場呼を割当てるとき、展望かご(特定
エレベータ)の評価値を一般かご(特定エレベータ以外
のエレベータ)に比べて予め設定された優先度に対応し
た分だけ相対的に小さくなるように補正する特定かご優
先手段9Cと、前記乗場呼に応答したエレベータを上記
展望かご(特定エレベータ)と一般かご(特定エレベー
タ以外のエレベータ)とに区別して検出する検出手段9
Dと、検出手段9Dによる検出結果を計数して、これに
基づき前記展望かご(特定エレベータ)の配車率を演算
して記憶するデータ収集手段9Eと、外部操作により前
記特定エレベータの配車率の目標値を設定する入力装置
11A(入力手段)と、特定かご優先手段9Cの動作状
況に関する情報を表示する表示装置11B(表示手段)
と、データ収集手段9Eで収集した配車率が目標値より
大きいときは、前記展望かご(特定エレベータ)の優先
度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配車率が
目標値より小さいときは、前記展望かご(特定エレベー
タ)の優先度を現在の設定値より大きい値に修正する優
先度修正手段9Kと、データ収集手段9Eで収集した配
車率を表示装置11B(表示手段)に表示させる表示指
令を出力する表示指令手段9Jとを備えている。
【0136】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、乗場呼を割当てるとき、展望かごの評価値を一般か
ごに比べて所定の優先度に対応した分だけ相対的に小さ
くなるように補正して、上記展望かごを優先的に割当て
るようにしたものにおいて、上記優先度を乗場呼(上り
呼、下り呼)に対応して階床単位に設定するものとし、
過去に乗場呼に応答した一般かごと展望かごの配車回数
を階床別・方向別検出して、これを基に展望かごの配車
率(実績値)を演算して記憶しておき、自動設定が指定
されている場合は、上記展望かごの配車率に応じて上記
優先度をそれぞれ自動的に設定する、即ち、上記展望か
ごの実績配車率が第1基準値よりも高い階床・方向の乗
場呼に対しては上記展望かごの優先度を現在の設定値よ
り小さい値に修正し、上記実績配車率が第2基準値(≦
第1基準値)より低い階床・方向の乗場呼に対しては上
記優先度を現在の設定値より大きい値に修正し、上記実
績配車率が第1基準値と第2基準値の間にある階床・方
向の乗場呼に対しては上記優先度の値をそのままにして
おくものである。
【0137】したがって、目標とする配車率とその実績
値に応じて、上記優先割当動作の優先度を管理者自身が
設定する必要がなくなり、管理者の負担を軽減すること
ができる。また、階床・方向別に優先度を自動修正する
ようにしたので、各階床の用途や利用する人の特性によ
って展望かごの目標配車率や実績配車率が階床間で異な
る場合でも、展望かごの目標配車率を高く設定した階床
に対しては、展望かごへの優先割当による効果を十分発
揮できると同時に、展望かごの目標配車率を全かごの平
均配車率(=0.5)に十分近くなるように設定した階
床に対しては、乗客のサービス(待時間)悪化を防止す
ることができる。なお、展望かごの配車率に関して階床
間に差がない建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対
する展望かごの実績配車率を求め、これに応じて乗場呼
全体に共通の優先度を自動設定するように構成すればよ
く、この場合も十分に本実施例の効果を奏する。
【0138】しかも、優先度の設定が自動設定の場合で
も目標配車率と実績配車率を階床・方向別に表示装置に
表示するようにしたことにより、管理者は思い通りに展
望かごの優先割当動作が行なわれているか否かを容易に
判断することができる。
【0139】また、本実施例のエレベータの群管理装置
は、配車率が基準値より大きいときは、前記展望かご
(特定エレベータ)の優先度を現在の設定値より小さい
値に修正し、前記配車率が基準値より小さいときは、前
記展望かご(特定エレベータ)の優先度を現在の設定値
より大きい値に修正する優先度修正手段9Eと、前記優
先度の設定値を変更してから経過した時間を計数すると
ともに、この経過時間が所定期間以内のときは、前記優
先度の修正を阻止する修正阻止手段9Lとを備えてお
り、優先度の設定値を一度自動変更すると、変更してか
ら所定期間Tx(=5日間)を経過するまでは、新しい
優先度に変更することを禁止するものである。
【0140】したがって、一度設定した優先度の下で配
車率の実績がどのように変化するかを慎重に見極めてか
ら次の修正を行なうことができるようになったので、優
先度の変更の速さに配車率の実績が追従できずに優先割
当動作が思うように制御できないという問題点を解決す
ることができる。なお、上記変更阻止期間Txの値は実
施例のものに限るものではない。上記変更阻止期間Tx
の値は、優先度を変更したとき、配車率の実績値がどの
程度の速さで収束するかに依存するものであって、第三
実施例のように、過去何日間かの実績値の重み付け平均
をとる方式であれば、重み係数の値にもよるが最低数日
間は変更を阻止する必要がある。また、過去の古いデー
タは使わずに比較的新しいデータ、例えば、現時点から
過去30分とか10分のデータを使う場合であれば、上
記変更阻止期間Txの値は、数十分〜数分程度に設定す
ればよい。
【0141】また、この第三実施例では、さらに上記優
先割当動作の優先度を管理者の判断で手動設定できるよ
うにするために、上記優先度を階床・方向別に設定でき
るようにした入力装置11Aと、上記優先度の設定に関
する操作指示を階床・方向別に表示する表示装置11B
を備えておき、手動設定が指定されている場合は、上記
実績配車率に応じて上記優先度の推奨値を階床・方向別
にそれぞれ演算し、その推奨値を上記表示装置にそれぞ
れ表示する。即ち、上記展望かごの実績配車率が第1基
準値よりも高い階床・方向の乗場呼に対しては、上記展
望かごの優先度の推奨値を現在の設定値より小さい値に
設定して表示し、上記実績配車率が第2基準値(≦第1
基準値)より低い階床・方向の乗場呼に対しては、上記
優先度の推奨値を現在の設定値より大きい値に設定して
表示し、上記配車率が第1基準値と第2基準値の間にあ
る階床・方向の乗場呼に対しては、上記優先度の推奨値
をそのままにして表示する。
【0142】これにより、管理者自身が上記優先度を手
動設定するようになっている場合でも、上記優先割当動
作の優先度の設定値の判断が容易になり、管理者の負担
を軽減することができる。また、優先度の推奨値を階床
・方向別に表示するとともに、上記展望かごの実績配車
率もそれぞれ階床・方向別に表示するようにしたので、
展望かごの目標配車率や実績配車率が階床間で異なる場
合でも、管理者はこれら情報に基づいて、より柔軟に階
床・方向別の優先度の設定の判断を行なうことができ
る。なお、展望かごの配車率に関して階床間に差がない
建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対する展望かご
の実績配車率を求め、これに応じて乗場呼全体に共通の
優先度の推奨値を表示するように構成すればよく、この
場合も十分に本実施例の効果を奏する。
【0143】ところで、上記第三実施例では、展望かご
の配車率の目標値Xt(k,n)に対して、優先度を現
在の設定値より小さい値に自動修正する場合の第1判定
基準値Xuの値を[Xt(k,n)+0.05]、優先
度を現在の設定値より大きい値に自動修正する場合の第
2判定基準値Xdの値を[Xt(k,n)−0.05]
というように、0.1の幅を持たせることによって、目
標値Xt(k,n)付近でのハンチング現象を阻止し、
優先度の修正を安定させるようにした。しかし、この幅
は0.1に限るものではなく、エレベータの設置台数、
交通状態、サービス状態等により適宜決めればよい。ま
た、優先度を修正する場合の一定値Lの値を「50」と
したが、この一定値Lの値もこれに限るものではなく、
同様にエレベータの設置台数、交通状態、サービス状態
等により適宜決めるようにすればよい。
【0144】また、上記第三実施例では、展望かごの配
車率の目標値Xt(k,n)を2階〜5階で一律に同じ
値「0.7」を使用したが、階床の用途(玄関、事務
所、レストラン、会議室等)や時間帯(出勤時、平常
時、昼食時、退勤時、夜間等)に応じて異ならせてもよ
い。また、この展望かごの配車率の目標値Xt(k,
n)をどの程度にするかは管理者が決めるべきものであ
る。この第三実施例では、上記端末装置11を用いて上
記目標値Xt(k,n)を管理者自身が修正できるよう
にしたので、その管理者の希望を直ちに反映することが
できる。
【0145】なお、上記第一実施例乃至第三実施例で
は、待時間評価値Wa,Wbを演算するための評価関数
を「予測待時間の2乗値の総和」とした。そのため、展
望かごへの優先割当動作を行なうための待時間評価値W
aの補正値は、待時間の2乗値に相当する値となる。そ
こで、上記第一実施例乃至第三実施例では、優先度も待
時間の2乗値に相当する値として入力・設定し、これを
そのまま補正値として使用するようにしたが、補正値や
優先度の設定の仕方はこれに限定されるものではない。
【0146】まず、優先度を管理者にもわかりやすい尺
度で表すことが、優先度を設定するときの管理者の判断
を容易にするという観点から重要である。例えば、乗場
呼を登録したときに、その階のすぐ近くに一般かごがい
て、展望かごは離れた位置にいる場合を想定して、展望
かごに乗れるなら20秒余分に待ってもよいとか、15
秒以上余分に待つなら一般かごに乗るのもやむを得ない
というように、展望かごに乗るためにどのくらい我慢で
きるかという程度(即ち、展望かごに乗るためにどのく
らい余分に長く待つことができるかという時間)を優先
度として設定する方法がある。また、感覚的な表現を用
いて、例えば、展望かごに乗れるのなら少し余分に長く
待ってもよいが、乗場釦を押してからの時間が非常に長
くなるのなら一般かごに乗る、というような表現で優先
度を表してもよい。
【0147】次に、優先度から補正値に変換する場合、
その変換の仕方は優先度の持つ意味と評価関数の構成に
全く依存することになる。例えば、展望かごに乗るため
に待つことのできる限界の時間を優先度として入力・設
定する場合、上記優先度を2乗した値が補正値となるよ
うに変換されることになる。また、上述の感覚的な表現
による優先度の場合には、ファジー理論を応用して主観
的な表現を数値(時間)に変換した後に、それを2乗し
た値を補正値とすればよい。なお、優先度の推奨値を端
末装置に表示する場合は、評価値の補正値から優先度へ
逆変換すればよい。例えば、評価関数が2次関数の場
合、補正値の平方根を求めこれを設定すべき推奨値(待
時間相当)として表示すればよい。即ち、補正値や優先
度の設定については、評価関数の構成や入力のしやすさ
に応じて適宜選択すればよい。
【0148】また、上記第一実施例乃至第三実施例で
は、展望かごと一般かごが併設された建物において、展
望かごを特定かごとして扱ったが、特定かごとして優先
割当動作を行なわせるエレベータはこれに限るものでは
ない。エレベータ利用客が特に乗ってみたい、是非利用
したいと強く希望するような上記特定のエレベータかご
としては、従来の技術の項で説明したように、特殊な構
造、機能、或いは意匠を持つような、特殊用途エレベー
タ、高機能エレベータ、高級意匠エレベータがある。ま
た、乗客の乗りやすさを考慮して、例えば、操作された
乗場釦の近くのエレベータかごを特定かごとするよう
に、状況に応じて優先的に割当てる号機を選択し、その
エレベータかごを特定かごとして優先的に割当てる場合
にも適用することができる。さらにまた、図17のよう
に、上部特定階や下部特定階が設けられている建物にお
いて、上記特定階に向かう方向の共通階の乗場呼を特定
階行きかごに優先的に割当てる場合にも適用することが
できる。
【0149】要するに、乗場呼にエレベータかごを割当
てるとき、所定条件を満たす特定のエレベータかごを他
のエレベータかごより優先的に割当てる機能を持つ動作
であれば、どのような優先割当動作にもこの発明を適用
することができる。
【0150】さらにまた、上記第一実施例乃至第三実施
例では、1時間毎に求めた特定かごへの乗車希望度や配
車率と、過去何日間かの同一時間帯に得た乗車希望度や
配車率とを重み付け平均して、これらを判定に使用する
乗車希望度や配車率として求めたが、判定に使用する乗
車希望度や配車率の演算方法はこれに限るものではな
い。例えば、総合的に判定するために1日単位で乗車希
望度や配車率を演算する方法や、時間帯を30分や15
分というように、更に細かく分けて演算する方法や、過
去の古いデータは使用せずに比較的新しいデータ(例え
ば、現時点から過去30分間とか10分間など)のみを
使用して乗車希望度や配車率を求める方法も考えられ
る。なお、これらはいずれも容易に実現することができ
る。
【0151】また、上記第二実施例及び第三実施例で
は、優先度を現在の設定値から変化させた場合でも過去
の配車回数や乗車拒否回数の平均値を初期値とし、それ
らを修正しながら新しい優先度における配車回数や乗車
拒否回数を求めるものについて説明したが、上述のよう
に、新しい実測データほど大きく重み付けしながら平均
値を求めるようにしているので、古いデータが新しい優
先度の下でのデータに悪影響を与えることは少ない。し
かしながら、新しい優先度の下での効果をより早く確認
したい場合には、新しい優先度の下で得た最初のデータ
を初期値として再学習するようにもできる。この場合、
図4のステップS70のデータ収集プログラムのステッ
プS82において、優先度が変化した最初の重み付け平
均を行なうときに限り、平均値NH(k,n)の代わり
に検出回数CH(n)を、NA(k,n)の代わりにC
A(n)を、NB(k,n)の代わりにCB(n)を使
用して演算するように構成すればよい。
【0152】さらにまた、上記各第一実施例乃至第三実
施例では、端末装置11を管理者のいる管理人室に設け
たものについて説明したが、端末装置の設置場所は管理
人室に限るものではない。例えば、エレベータ機械室に
設置するようにしてもよいし、電話回線を利用すれば、
建物内や建物外(保守センター等)の任意の場所に設置
して、群管理装置9と通信することが可能となる。ま
た、端末装置11もパーソナルコンピュータを使用した
高価な装置である必要はなく、複数のスイッチからなる
入力装置とランプやLED等の簡単な表示素子を使用し
た表示装置であってもよい。
【0153】さらにまた、上記各第一実施例乃至第三実
施例では、a号機及びb号機の2機のエレベータが配置
された場合を示したが、3台以上の群管理エレベータで
あっても適用できることは明かである。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
エレベータの群管理装置は、乗場呼登録手段と、割当手
段と、特定かご優先手段と、検出手段と、データ収集手
段と、判定手段とを備え、乗場呼に対して特定かごを他
のエレベータかごより優先的に割当てるものにおいて、
乗客が一般かごへの乗車を拒否したことを検出して、こ
れを基に特定かごへの乗車希望度を演算して記憶してお
き、前記乗車希望度が基準値を超えているときは、前記
優先割当動作を有効にし、前記乗車希望度が基準値以下
のときは、前記優先割当動作を無効にすることにより、
自動的に乗客の乗車希望度が検出でき、この乗車希望度
に応じて特定のエレベータの優先割当動作ができるの
で、上記優先割当動作を管理者自身で有効にしたり無効
にしたりする必要がなくなり、管理者の負担を軽減でき
る。
【0155】請求項2の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、操作推奨手段とを備え、乗場呼に対して特定か
ごを他のエレベータかごより優先的に割当てるととも
に、外部操作により前記優先割当動作の有効/無効を設
定するようにしたものにおいて、乗客が一般かごへの乗
車を拒否したことを検出して、これを基に特定かごへの
乗車希望度を演算して記憶しておき、前記乗車希望度が
基準値以下のときに、前記優先割当動作を無効にするよ
うに指示する表示か、或いは、前記乗車希望度が基準値
を超えるときに、前記優先割当動作を有効にするように
指示する表示のうち、少なくともいずれか一方の表示を
管理者に対して行なうことにより、エレベータ管理者は
この表示に従って外部操作により優先割当動作の有効/
無効を設定できるので、上記優先割当動作を有効にした
り無効にしたりする時期の判定が容易になり、管理者の
負担を軽減できる。
【0156】請求項3の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、優先度設定手段と
を備え、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に
演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割当か
ごとして選択するとともに、前記乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正るよう
にしたものにおいて、乗客が一般かごへの乗車を拒否し
たことを検出して、これを基に特定かごへの乗車希望度
を演算して記憶しておき、前記乗車希望度が大きいとき
は、前記特定かごの優先度を大きい値に設定し、前記乗
車希望度が小さいときは、前記特定かごの優先度を小さ
い値に設定することにより、自動的に乗客の乗車希望度
が検出でき、この乗車希望度に応じた優先度で特定のエ
レベータの優先割当動作ができるので、管理者自身で交
通状態に応じた優先度に変更する必要がなくなり、管理
者の負担を軽減できる。
【0157】請求項4の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、優先度設定手段と、表示指令手段とを備え、乗
場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、
その評価値が小さいエレベータかごを割当かごとして選
択するとともに、前記乗場呼を割当てるとき、一般かご
に比べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応した分
だけ相対的に小さくなるように補正し、さらに外部操作
により前記優先度を設定するようにしたものにおいて、
乗客が一般かごへの乗車を拒否したことを検出して、こ
れを基に特定かごへの乗車希望度を演算して記憶してお
き、前記乗車希望度が大きいときは、前記特定かごの優
先度の推奨値を大きい値に設定し、前記乗車希望度が小
さいときは、前記特定かごの優先度を小さい値に設定
し、この推奨値を優先度として設定するように指示する
表示を管理者に対して行なうことにより、エレベータ管
理者はこの表示に従って外部操作により優先割当動作の
優先度を設定できるので、交通状態に応じた優先度の設
定値の判断が容易になり、管理者の負担を軽減できる。
【0158】請求項5の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、優先度修正手段と
を備え、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に
演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割当か
ごとして選択するとともに、乗場呼を割当てるとき、一
般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応
した分だけ相対的に小さくなるように補正するようにし
たものにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車率を検
出して記憶しておき、前記配車率が基準値より大きいと
きは、前記特定かごの優先度を現在の設定値より小さい
値に修正し、前記配車率が基準値より小さいときは、前
記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値に修正
することにより、自動的に特定かごの配車率を検出で
き、この配車率に応じた優先度で特定のエレベータの優
先割当動作ができるので、管理者自身で交通状態に応じ
た優先度に修正する必要がなくなり、管理者の負担を軽
減できる。
【0159】請求項6の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、優先度修正手段と、表示指令手段とを備え、乗
場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、
その評価値が小さいエレベータかごを割当かごとして選
択するとともに、乗場呼を割当てるとき、一般かごに比
べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応した分だけ
相対的に小さくなるように補正し、さらに外部操作によ
り前記優先度を設定するようにしたものにおいて、乗場
呼に対する特定かごの配車率を検出して記憶しておき、
前記配車率が基準値より大きいときは、前記特定かごの
優先度の推奨値を現在の設定値より小さい値に修正し、
前記配車率が基準値より小さいときは、前記特定かごの
優先度を現在の設定値より大きい値に修正し、この推奨
値を優先度として設定するように指示する表示を管理者
に対して行なうことにより、エレベータ管理者はこの表
示に従って外部操作により推奨値を参考にして優先割当
動作の優先度を設定できるので、交通状態に応じた優先
度の設定値の判断が容易になり、管理者の負担を軽減で
きる。
【0160】請求項7の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、優先度修正手段と、表示指令手段とを備え、乗
場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、
その評価値が小さいエレベータかごを割当かごとして選
択するとともに、乗場呼を割当てるとき、一般かごに比
べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応した分だけ
相対的に小さくなるように補正するものにおいて、外部
操作により乗場呼に対する特定かごの配車率の目標値を
設定する一方、乗場呼に対する特定かごの配車率の実績
を検出して記憶しておき、前記配車率の実績値が前記目
標値より大きいときは、前記特定かごの優先度を現在の
設定値より小さい値に修正し、前記配車率が基準値より
小さいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値よ
り大きい値に修正するとともに、前記配車率の実績値を
管理者に案内する表示を行なうことにより、エレベータ
管理者はこの表示に従って外部操作により推奨値を参考
にして特定かご配車率の目標値を設定できるので、優先
割当動作の目標値を設定しさえすれば、管理者自身で交
通状態に応じた優先度に修正する必要がなく、しかも思
い通りに優先割当動作が行なわれているか否かの判断が
容易になり、管理者の負担を軽減できる。
【0161】請求項8の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、優先度修正手段
と、修正阻止手段とを備え、乗場呼に対する評価値を各
エレベータかご毎に演算して、その評価値が小さいエレ
ベータかごを割当かごとして選択するとともに、乗場呼
を割当てるとき、一般かごに比べて特定かごの評価値を
所定の優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正するようにしたものにおいて、乗場呼に対する特
定かごの配車率を検出して記憶しておき、前記配車率が
基準値より大きいときは、前記特定かごの優先度を現在
の設定値より小さい値に修正し、前記配車率が基準値よ
り小さいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値
より大きい値に修正するが、前記特定かごの優先度を修
正してから経過時間が所定期間以内のときは、前記優先
度の修正を禁止することにより、自動的に特定かごの配
車率を検出でき、この配車率に応じた優先度の設定がで
き、しかも、この優先度は所定時間維持されるので、管
理者自身で交通状態に応じた優先度に修正する必要がな
くなり、管理者の負担を軽減することができるととも
に、とりわけ優先度の自動修正の判定が的確となり優先
割当動作をうまく制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例であるエレベータの
群管理装置を示す全体構成図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例であるエレベータの
群管理装置による制御プログラムを示すフローチャート
である。
【図3】図3は本発明の第一実施例であるエレベータの
群管理装置による検出プログラムを示すフローチャート
である。
【図4】図4は本発明の第一実施例であるエレベータの
群管理装置によるデータ収集プログラムを示すフローチ
ャートである。
【図5】図5は本発明の第一実施例であるエレベータの
群管理装置による割当処理プログラムを示すフローチャ
ートである。
【図6】図6は本発明の第一実施例であるエレベータの
群管理装置による操作指示の表示例を示す説明図であ
る。
【図7】図7は本発明の第二実施例であるエレベータの
群管理装置を示す全体構成図である。
【図8】図8は本発明の第二実施例であるエレベータの
群管理装置による制御プログラムを示すフローチャート
である。
【図9】図9は本発明の第二実施例であるエレベータの
群管理装置による割当処理プログラムを示すフローチャ
ートである。
【図10】図10は本発明の第二実施例であるエレベー
タの群管理装置による乗車希望度と優先度の関係を示す
対応図である。
【図11】図11は本発明の第二実施例であるエレベー
タの群管理装置による優先度設定指示の表示例を示す説
明図である。
【図12】図12は本発明の第三実施例であるエレベー
タの群管理装置を示す全体構成図である。
【図13】図13は本発明の第三実施例であるエレベー
タの群管理装置による制御プログラムを示すフローチャ
ートである。
【図14】図14は本発明の第三実施例であるエレベー
タの群管理装置による優先度修正プログラムを示すフロ
ーチャートである。
【図15】図15は本発明の第三実施例であるエレベー
タの群管理装置による優先度設定指示の表示例を示す説
明図である。
【図16】図16は本発明の第三実施例であるエレベー
タの群管理装置による優先度設定指示の他の表示例を示
す説明図である。
【図17】図17は従来のエレベータの群管理装置を備
えた建物の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 エレベータかご 2 かご操作盤 5 ドア装置 6 巻上機 7 かご制御装置 7A かご呼登録手段 7B 運転制御手段 7C 戸制御手段 8 かご制御装置 9 群管理装置 9A 乗場呼登録手段 9B 割当手段 9C 特定かご優先手段 9D 検出手段 9E データ収集手段 9F 判定手段 9G 操作推奨手段 9H 優先度設定手段 9J 表示指令手段 9K 優先度修正手段 9L 修正阻止手段 11 端末装置 11A 入力装置 11B 表示装置 21〜26 1階〜6階の行先釦 101〜106 1階〜6階の乗場釦
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物に設置された複数
のエレベータを運転制御するエレベータの群管理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビルの最上階または最上階近
くの数階床にレストランや商店を入店させた展望階を設
け、エレベータかごの中から建物の外の景色を眺望しな
がら上記展望階まで上昇できる展望エレベータを、一般
のエレベータと併設した事務所ビルやホテルが多くなっ
てきている。このような建物においては、外来客専用に
上記展望エレベータを一般のエレベータから切り離して
運行させたり、展望エレベータと一般エレベータを一群
として管理し、外来客と建物内利用客に共通に使用させ
たりすることが採用されている。
【0003】しかしながら、前者の場合は、展望エレベ
ータを独立して運行させるため、一般エレベータを利用
する建物内利用客のサービスが非常に悪くなる欠点があ
る。また、後者の場合は、思い通りに展望エレベータに
乗れないという外来客の不満が生じたり、なかには展望
エレベータが来るまで、一般エレベータが来ても乗車せ
ずに乗場呼を何度でも登録するなどして、運転効率を低
下させる等の欠点がある。
【0004】そこで、上記問題点に鑑み、特公昭61−
23156号公報においては、展望エレベータと一般エ
レベータというように、種類の異なったエレベータが複
数台併設された場合でも、建物内のサービスを極端に悪
くすることなく、かつ利用客の乗りたいエレベータをで
きるだけ優先的に応答させるために、特定の乗場呼には
特定のエレベータかごを優先的に割当てる方式が提案さ
れている。
【0005】即ち、乗場呼が新たに登録されると、上記
新規乗場呼を各エレベータかごに仮に割当てたときの評
価値を演算して、それが最小となるエレベータかごに正
規に上記新規乗場呼を割当てるものにおいて、特定の乗
場呼(例えば、上り呼)を新規に割当てるとき、特定か
ご(展望エレベータ)の評価値を一般かごに比べて所定
の優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
正することによって、上記特定乗場呼には上記特定かご
が割当てられやすくなるようにしたものである。これら
の評価値は、例えば、次のように表される。
【0006】 ・新規乗場呼=下り呼のときの総合評価値: Ea=Wa Eb=Wb ・新規乗場呼=上り呼のときの総合評価値: Ea=Wa−Ba Eb=Wb ここで、a号機が展望エレベータ、b号機が一般エレベ
ータで、Eaはa号機に新規乗場呼を仮に割当てたとき
のa号機に対する総合評価値、Ebはb号機に新規乗場
呼を仮に割当てたときのb号機に対する総合評価値、W
aはa号機に新規乗場呼を仮に割当てたときのa号機に
対する待時間評価値、Wbはb号機に新規乗場呼を仮に
割当てたときのb号機に対する待時間評価値、Baは展
望エレベータを割当てやすくするための優先度(ボーナ
ス)である。なお、待時間評価値WaとWbは、新規乗
場呼を仮にa号機とb号機にそれぞれ割当てたときに、
既に登録されている乗場呼を含めて待時間の予測値(予
測待時間)を演算し、例えば、それら予測待時間を2乗
した値の総和で求められる。
【0007】したがって、上り呼を新規に割当てると
き、a号機の総合評価値Eaは優先度Baだけ小さめに
計算されるため、その分、a号機はb号機より上り呼に
割当てられやすくなることになる。
【0008】なお、エレベータ利用客が特に乗ってみた
い、是非利用したいと強く希望するような上記特定のエ
レベータかごとしては、特殊なかご構造を持った上記展
望エレベータ等のほか、特殊な意匠(例えば、手摺や台
車対策用床など)と機能(例えば、開延長釦による戸開
延長機能)を持つ人荷用エレベータ、特殊な表示機能
(例えば、液晶テレビによるインフォメーション機能)
を持つ高機能乗用エレベータ、豪華な天井意匠を持つ高
級乗用エレベータなどが考えられる。
【0009】また、上述の特公昭61−23156号公
報には、操作された乗場釦の位置(呼を登録した乗客が
立っている位置)からエレベータ乗降口への距離が短い
エレベータも上記特定のエレベータかごとすることが開
示されている。例えば、ホテルなどのように荷物を持っ
て階床間を移動する乗客がいる場合には、操作した乗場
釦に近接したエレベータが応答してくれた方が乗りやす
いため、上記乗客はこの近接かごに是非乗車したいと希
望するであろう。なお、操作された乗場釦によって毎回
特定かごとなる号機が変化するところが、上記特殊な構
造、意匠、あるいは機能を持ったエレベータの場合(特
定かごとなる号機は固定される)と異なる点である。
【0010】さらにまた、図17に示すように、複数の
エレベータが共通にサービスできる共通階FCと、特定
のエレベータしかサービスできない特定階(上部特定階
FT、下部特定階FB)とからなる建物において、特定
階へ向かう方向の乗場呼には、その特定階に行ける号機
を優先的に割り当るという方式が、同じく特公昭61−
23156号公報に開示されている。図17は従来のエ
レベータの群管理装置を備えた建物の構成を示す概略図
である。
【0011】図において、例えば、1階から上部特定階
FTに行く乗客は、乗換えなしで行けるb号機が応答し
てくれることを希望するであろう。この場合にも特定か
ご、即ち、上記特定階に行くことのできるエレベータか
ごを優先的に割当てるようにすれば、上記乗客の不満解
消と他の乗客に対するサービスとをバランスさせること
ができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のエレベータの群管理装置では、特定かごに対する
優先割当動作を常に有効にしておくと、交通状況によっ
ては他の問題が発生していた。例えば、展望エレベータ
を特定かごとする場合を考えてみると、外来客が少ない
時間帯では、少数の外来客のために多数の建物内利用客
の待時間が長くなってしまう問題があった。逆に、上記
特定かごに対する優先割当動作を常に無効にしておく
と、上述したように外来客の多い時間帯では、外来客の
不満や運転効率の低下が生じるという問題が生じてい
た。
【0013】そこで、エレベータの管理者(または、エ
レベータ保守担当者)自身で、エレベータの運行状態を
監視し、外来客の数を的確に把握することが必要であっ
た。しかし、よく調べてみると外来客の全てが展望かご
に乗車したいと希望しているとは限らないし、建物内利
用客であっても展望かごに乗車したいと思っている乗客
もおり、展望かごの利用を欲する乗客を的確に把握する
のは困難であった。このような乗客の希望を把握するに
は、単に外来客と建物内利用客の区別をするだけでは済
まず、エレベータホールで乗客の挙動をよく観察しなけ
ればならなかった。さらに、その観察結果に基づいて、
上記優先割当動作を有効にしたり無効にしたりする切換
え時期の判断をタイミングよく行なうことが必要であっ
た。
【0014】また、特定かごへの乗車を強く希望する乗
客と特定かごへのこだわりがない乗客とに対してバラン
スがとれたサービスを行なおうとすると、それぞれの乗
客数に応じて展望エレベータに対する優先度合を上記管
理者自身が変更する必要があった。
【0015】このように、上記優先割当動作を効果的に
実施しようとすると、非常に困難で手間のかかる作業を
上記管理者に強いるという問題点が残されていた。
【0016】また、上述のような問題点は、展望エレベ
ータだけでなく、人荷用エレベータ、高機能乗用エレベ
ータ、高級乗用エレベータ、操作された乗場釦に近接す
るエレベータかご、上部特定階行きのエレベータかご、
下部特定階行きのエレベータかご等を優先的に割当てる
場合にも生じていた。
【0017】なお、上記従来例の他に、従来より、割当
評価関数の構成要素に関する重み付けを交通実測結果に
基づいて自動変更するものが、例えば、特公昭61−3
1707号公報のエレベータの群管理装置や、特開平1
−231779号公報のエレベータ群管理制御装置等に
開示されている。また、予報条件を交通実測結果に基づ
いて自動変更するものが、例えば、特公昭61−317
05号公報のエレベータの群管理装置等に開示されてい
る。さらに、割当評価関数の構成要素に関する重み付け
を群管理装置内に設けたシミュレータによる予測結果に
基づいて自動変更するものが、例えば、特開平4−20
467号公報等に開示されている。さらにまた、割当評
価関数の構成要素に関する重み付けを利用客の好みや管
理者の方針等の要求に応じて人為的な操作で変更するも
のや、そのときの上記構成要素に関する実測データを表
示して上記操作の判断を助けるものが、例えば、特公昭
61−50873号公報のエレベータの運転監視装置
や、特開平4−173673号公報の群管理エレベータ
ーシステム等に開示されている。
【0018】しかしながら、上記のような従来方式のい
ずれも、割当評価関数の構成要素として待時間、乗車時
間、かご内乗車率等の各エレベータかごに共通の指標を
採用した割当方式に対してその構成要素の重み付けを自
動変更する方式を開示しているものの、後述の本発明の
対象としている特定かごに対する優先割当動作のよう
に、エレベータかごによって考慮すべき評価要素が異な
る場合の割当方式に対して、乗客の好みや管理者の方針
を満足させるために、その構成要素の重み付けを自動的
に変更したり、或いは、割当動作そのものを自動的に有
効、または無効にしたりする方式を開示しているわけで
はない。
【0019】特に、上記特定かごに対する優先割当動作
に関して上述したような乗客の好みを自動的に検出する
方策や、乗客の希望あるいは管理者の方針に合うように
特定かごの配車を制御する方式を示唆する記載は、いず
れの従来例にも見受けられなかった。このため、上記特
定かごの優先割当動作の運用に関する問題点を解決する
ことはできなかった。
【0020】そこで、本発明は、上記のような問題点を
解決するために、特定のエレベータの優先割当動作の運
用に関して、乗客の好みを自動的に検出でき、エレベー
タ管理者の作業負担を軽減できるエレベータの群管理装
置の提供を課題とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
エレベータの群管理装置は、複数のエレベータを一群と
して複数の階床に就役させると共に、各階のエレベータ
乗場に設けた乗場釦が操作されると各エレベータに共通
の乗場呼を登録する乗場呼登録手段、前記乗場呼に対す
る評価値を各エレベータ毎に演算して、その評価値が小
さいエレベータを乗場呼に応答する割当かごとして選択
する割当手段、及び前記乗場呼を割当てるとき、特定エ
レベータを他のエレベータより優先的に割当かごとして
選択させる特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベ
ータが応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出し、データ収集手段により前記検出手
段による検出結果を計数して、これに基づき前記特定エ
レベータへの乗車希望度を演算して記憶し、判定手段に
より前記乗車希望度が基準値を超えているときは、前記
特定かご優先手段の動作を許可する指令を出力し、前記
乗車希望度が基準値以下のときは、前記特定かご優先手
段の動作を禁止する指令を出力するように構成したもの
である。
【0022】請求項2の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータを他のエ
レベータより優先的に割当かごとして選択させる特定か
ご優先手段を備えたものにおいて、検出手段により乗場
呼に前記特定エレベータ以外のエレベータが応答したと
き、このエレベータに乗客が乗車しなかったことを検出
し、データ収集手段により前記検出手段による検出結果
を計数して、これに基づき前記特定エレベータへの乗車
希望度を演算して記憶し、入力手段により前記特定かご
優先手段の動作の有効/無効を外部操作によって設定
し、表示手段により前記特定かご優先手段の動作の有効
/無効の設定に関する操作指示を表示し、操作推奨手段
により前記データ収集手段で収集した乗車希望度が基準
値以下のときに、前記特定かご優先手段の動作を無効に
した方がよい旨の表示を行わせる表示指令、あるいは前
記乗車希望度が基準値を超えるときに、前記特定かご優
先手段の動作を有効にした方がよい旨の表示を行わせる
表示指令のうちの、少なくともいずれか一方を前記表示
手段に対して出力するように構成したものである。
【0023】請求項3の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベ
ータが応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出し、データ収集手段により前記検出手
段による検出結果を計数して、これに基づき前記特定エ
レベータへの乗車希望度を演算して記憶し、優先度設定
手段により前記乗車希望度が大きいときは、前記特定エ
レベータの優先度を大きい値に設定し、前記乗車希望度
が小さいときは、前記特定エレベータの優先度を小さい
値に設定するように構成したものである。
【0024】請求項4の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベ
ータが応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出し、データ収集手段により前記検出手
段による検出結果を計数して、これに基づき前記特定エ
レベータへの乗車希望度を演算して記憶し、入力手段に
より前記特定かご優先手段で使用する優先度を外部操作
によって設定し、表示手段により前記特定かご優先手段
の動作の優先度の設定に関する操作指示を表示し、優先
度設定手段により前記データ収集手段で収集した乗車希
望度が大きいときは、前記特定エレベータの優先度の推
奨値を大きい値に設定し、また、前記乗車希望度が小さ
いときは、前記特定エレベータの優先度の推奨値を小さ
い値に設定し、表示指令手段により前記推奨値を前記表
示手段に表示させる表示指令を出力するように構成した
ものである。
【0025】請求項5の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、優先度修正手段により前記配
車率が基準値より大きいときは、前記特定エレベータの
優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配車
率が基準値より小さいときは、前記特定エレベータの優
先度を現在の設定値より大きい値に修正するように構成
したものである。
【0026】請求項6の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、入力手段により前記特定かご
優先手段で使用する優先度を外部操作によって設定し、
表示手段により前記特定かご優先手段の動作の優先度の
設定に関する操作指示を表示し、優先度修正手段により
前記データ収集手段で収集した配車率が基準値より大き
いときは、前記特定エレベータの優先度の推奨値を現在
の設定値より小さい値に修正し、また、前記配車率が基
準値より小さいときは、前記特定エレベータの優先度の
推奨値を現在の設定値より大きい値に修正し、表示指令
手段により前記推奨値を前記表示手段に表示させる表示
指令を出力するように構成したものである。
【0027】請求項7の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、入力手段により前記特定エレ
ベータの配車率の目標値を外部操作によって設定し、表
示手段により前記特定かご優先手段の動作状況に関する
情報を表示し、優先度修正手段により前記データ収集手
段で収集した配車率が目標値より大きいときは、前記特
定エレベータの優先度を現在の設定値より小さい値に修
正し、前記配車率が目標値より小さいときは、前記特定
エレベータの優先度を現在の設定値より大きい値に修正
し、表示指令手段により前記データ収集手段で収集した
配車率を前記表示手段に表示させる表示指令を出力する
ように構成したものである。
【0028】請求項8の発明にかかるエレベータの群管
理装置は、複数のエレベータを一群として複数の階床に
就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた乗場
釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登録す
る乗場呼登録手段、前記乗場呼に対する評価値を各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段、及
び前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値
を、特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正する特定かご優先手段を備えたものにおいて、検
出手段により乗場呼に応答したエレベータを前記特定エ
レベータと特定エレベータ以外のエレベータとに区別し
て検出し、データ収集手段により前記検出手段による検
出結果を計数して、これに基づき前記特定エレベータの
配車率を演算して記憶し、優先度修正手段により前記配
車率が基準値より大きいときは、前記特定エレベータの
優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配車
率が基準値より小さいときは、前記特定エレベータの優
先度を現在の設定値より大きい値に修正し、修正阻止手
段により前記優先度の設定値を変更してから経過した時
間を計数するとともに、この経過時間が所定期間以内の
とき前記優先度の修正を阻止するように構成したもので
ある。
【0029】
【作用】請求項1の発明のエレベータの群管理装置にお
いては、乗場呼に対して特定かごを他のエレベータかご
より優先的に割当てるものにおいて、乗客が一般かごへ
の乗車を拒否したことを検出して、これを基に特定かご
への乗車希望度を演算して記憶しておき、前記乗車希望
度が基準値を超えているときは、前記優先割当動作を有
効にし、前記乗車希望度が基準値以下のときは、前記優
先割当動作を無効にするものであるから、自動的に乗客
の乗車希望度が検出でき、この乗車希望度に応じて特定
のエレベータの優先割当動作ができる。
【0030】請求項2の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対して特定かごを他のエレベータ
かごより優先的に割当てるとともに、外部操作により前
記優先割当動作の有効/無効を設定するようにしたもの
において、乗客が一般かごへの乗車を拒否したことを検
出して、これを基に特定かごへの乗車希望度を演算して
記憶しておき、前記乗車希望度が基準値以下のときに、
前記優先割当動作を無効にするように指示する表示か、
或いは、前記乗車希望度が基準値を超えるときに、前記
優先割当動作を有効にするように指示する表示のうち、
少なくともいずれか一方の表示を管理者に対して行なう
ものであるから、エレベータ管理者はこの表示に従って
外部操作により優先割当動作の有効/無効を設定でき
る。
【0031】請求項3の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、前記乗場呼を割当てる
とき、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先
度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正する
ようにしたものにおいて、乗客が一般かごへの乗車を拒
否したことを検出して、これを基に特定かごへの乗車希
望度を演算して記憶しておき、前記乗車希望度が大きい
ときは、前記特定かごの優先度を大きい値に設定し、前
記乗車希望度が小さいときは、前記特定かごの優先度を
小さい値に設定するものであるから、自動的に乗客の乗
車希望度が検出でき、この乗車希望度に応じた優先度で
特定のエレベータの優先割当動作ができる。
【0032】請求項4の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、前記乗場呼を割当てる
とき、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先
度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正し、
さらに外部操作により前記優先度を設定するようにした
ものにおいて、乗客が一般かごへの乗車を拒否したこと
を検出して、これを基に特定かごへの乗車希望度を演算
して記憶しておき、前記乗車希望度が大きいときは、前
記特定かごの優先度の推奨値を大きい値に設定し、前記
乗車希望度が小さいときは、前記特定かごの優先度を小
さい値に設定し、この推奨値を優先度として設定するよ
うに指示する表示を管理者に対して行なうものであるか
ら、エレベータ管理者はこの表示に従って外部操作によ
り優先割当動作の優先度を設定できる。
【0033】請求項5の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正するよ
うにしたものにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車
率を検出して記憶しておき、前記配車率が基準値より大
きいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値より
小さい値に修正し、前記配車率が基準値より小さいとき
は、前記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値
に修正するものであるから、自動的に特定かごの配車率
を検出でき、この配車率に応じた優先度で特定のエレベ
ータの優先割当動作ができる。
【0034】請求項6の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正し、さ
らに外部操作により前記優先度を設定するようにしたも
のにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車率を検出し
て記憶しておき、前記配車率が基準値より大きいとき
は、前記特定かごの優先度の推奨値を現在の設定値より
小さい値に修正し、前記配車率が基準値より小さいとき
は、前記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値
に修正し、この推奨値を優先度として設定するように指
示する表示を管理者に対して行なうものであるから、エ
レベータ管理者はこの表示に従って外部操作により推奨
値を参考にして優先割当動作の優先度を設定できる。
【0035】請求項7の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正するも
のにおいて、外部操作により乗場呼に対する特定かごの
配車率の目標値を設定する一方、乗場呼に対する特定か
ごの配車率の実績を検出して記憶しておき、前記配車率
の実績値が前記目標値より大きいときは、前記特定かご
の優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配
車率が基準値より小さいときは、前記特定かごの優先度
を現在の設定値より大きい値に修正するとともに、前記
配車率の実績値を管理者に案内する表示を行なうもので
あるから、エレベータ管理者はこの表示に従って外部操
作により推奨値を参考にして特定かご配車率の目標値を
設定できる。
【0036】請求項8の発明のエレベータの群管理装置
においては、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご
毎に演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割
当かごとして選択するとともに、乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正するよ
うにしたものにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車
率を検出して記憶しておき、前記配車率が基準値より大
きいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値より
小さい値に修正し、前記配車率が基準値より小さいとき
は、前記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値
に修正するが、前記特定かごの優先度を修正してから経
過時間が所定期間以内のときは、前記優先度の修正を禁
止するものであるから、自動的に特定かごの配車率を検
出でき、この配車率に応じた優先度の設定ができ、しか
も、この優先度は所定時間維持される。
【0037】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明をす
る。
【0038】〈第一実施例〉図1〜図6は、この発明の
第一実施例を示すものである。この第一実施例では、1
階から6階までをサービスするa号機とb号機の2台の
エレベータが設置されているものとする。なお、a号機
は展望エレベータ(以後、展望かごという)、b号機は
一般エレベータ(以後、一般かごという)である。
【0039】図1は本発明の第一実施例であるエレベー
タの群管理装置を示す全体構成図である。
【0040】図において、1はa号機のエレベータか
ご、2は1階〜6階の行先釦21〜26や戸開閉釦(図
示しない)からなるa号機のかご操作盤、5はエレベー
タかご1の戸の開閉を行なうためのドア装置、6は機械
室に設けられエレベータかご1を昇降させる巻上機、7
はa号機のエレベータかご1の運行を制御するかご制御
装置、8は同じくb号機のかご制御装置、9はa号機と
b号機のエレベータを群管理制御する群管理装置、10
1〜106はそれぞれ1階〜6階のエレベータ乗場に設
けられた乗場釦、11は建物の管理者がいる管理人室に
設けられたパーソナルコンピュータからなる端末装置で
ある。
【0041】なお、端末装置11は、群管理装置9と接
続され、特定かご優先手段9C(後述)による優先割当
動作を「自動選択」にするか、または、「手動選択」に
するかの指定と、「手動選択」を指定しているときに、
上記優先割当動作を「有効」にするか、または、「無
効」にするかの指定を、それぞれキーボードを使って入
力できるようにした入力装置11Aと、上記優先割当動
作を「手動選択」に指定しているときに、上記優先割当
動作を「有効」にした方がよいか、あるいは「無効」に
した方がよいかという有効/無効の指定に関する指示を
CRTに表示する表示装置11Bとから構成されてい
る。
【0042】また、かご制御装置7,8と、群管理装置
9は、それぞれマイクロコンピュータ(以下、マイコン
という)で構成されている。かご制御装置7は、行先釦
21〜26により各階のかご呼をそれぞれ登録するかご
呼登録手段7Aと、上記かご呼や群管理装置9により割
当てられた乗場呼にエレベータかごを応答させるため
に、エレベータかごの走行及び停止や運行方向の決定等
を制御する周知の運転制御手段7Bと、エレベータかご
の戸や乗場側の戸の開閉時期と戸開放時間をそれぞれ制
御する周知の戸制御手段7Cとから構成されている。b
号機用のかご制御装置8もa号機用のかご制御装置7と
同様に構成されている。かご制御装置7,8から群管理
装置9へは、それぞれa号機とb号機の運行状態(かご
位置、運行方向、戸開閉状態、かご呼等)を表す信号が
送信される。
【0043】さらにまた、群管理装置9は、乗場釦10
1〜106により各階の乗場呼(上り呼、下り呼)の登
録・解消を行なう周知の乗場呼登録手段9Aと、乗場呼
に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、その
評価値が最小のエレベータかごを割当かごとして選択す
る周知の割当手段9Bと、a号機とb号機に共通の乗場
呼、即ち、1階〜5階の上り呼と2階〜6階の下り呼を
割当てるとき、展望かご(a号機:展望エレベータ)の
評価値を、一般かご(b号機:一般エレベータ)に比べ
て予め設定された優先度に対応した分だけ相対的に小さ
くなるように補正する周知の特定かご優先手段9Cと、
乗場呼に応答したことを展望かごと一般かご別々に検出
するとともに、一般かごが乗場呼に応答したときに、こ
のエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを検出す
る検出手段9Dと、上記検出手段9Dによる検出結果を
計数して、一般かごが乗場呼に応答した回数と展望かご
が乗場呼に応答した回数とから一般かごと展望かごのそ
れぞれの配車率を求めるとともに、更に、これらに基づ
き展望かごへの乗車希望度を演算して記憶するデータ収
集手段9Eと、上記優先割当動作が「自動選択」に指定
されているときに、上記乗車希望度を基準値と比較し
て、上記特定かご優先手段9Cの優先割当動作を自動的
に許可または禁止する判定手段9Fと、上記優先割当動
作が「手動選択」に指定されているときに、同じく上記
乗車希望度を基準値と比較して、上記特定かご優先手段
9Cの優先割当動作を上記入力装置11Aを使って有効
または無効にした方がよい旨の操作指示を上記表示装置
11Bに表示させる操作推奨手段9Gとから構成されて
いる。群管理装置9からかご制御装置7及び8へは、そ
れぞれa号機とb号機に対する各種指令(乗場呼の割当
指令、戸開放時間の設定値等)を表す信号が送信され
る。
【0044】次に、この第一実施例のエレベータの群管
理装置の動作を図2〜図6を参照しながら説明する。図
2は本発明の第一実施例であるエレベータの群管理装置
による制御プログラムを示すフローチャート、図3は本
発明の第一実施例であるエレベータの群管理装置による
検出プログラムを示すフローチャート、図4は本発明の
第一実施例であるエレベータの群管理装置によるデータ
収集プログラムを示すフローチャート、図5は本発明の
第一実施例であるエレベータの群管理装置による割当処
理プログラムを示すフローチャートであり、図2〜図5
に示すフローチャートは、群管理装置9を構成するマイ
コンのメモリに記憶された群管理プログラムのうち、図
1の検出手段9D、データ収集手段9E、判定手段9
F、及び操作推奨手段9Gからなる制御プログラムと、
同じく割当手段9Bと特定かご優先手段9Cからなる割
当処理プログラムの手順を示したものである。図6は本
発明の第一実施例であるエレベータの群管理装置による
操作指示の表示例を示す説明図であり、図6は表示装置
11Bに表示する内容の例を示したものである。なお、
群管理プログラム全体(割当処理プログラムや制御プロ
グラムも含む)は、周期的(例えば、100ミリ秒毎)
に繰返されて実行されるものとする。
【0045】まず、図2〜図5に示すフローチャートに
より制御プログラムの動作を説明する。
【0046】図2の制御プログラムにおいて、まずステ
ップS50の検出プログラムでは、展望かごと一般かご
が乗場呼に応答したことをそれぞれ階床別・方向別に検
出するとともに、一般かごが乗場呼に応答したときに、
このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを階床
別・方向別に検出する。この手順を図3を参照しながら
説明する。
【0047】図3のステップS51の配車検出プログラ
ムにおいて、ステップS52でa号機のエレベータが1
階〜6階のいずれかの乗場呼に応答した直後か否かを判
定し、もし、乗場呼応答直後であれば、ステップS53
でa号機のかご位置乗場faに対応する“乗場”別の配
車検出フラグFA(fa)を「1」にセットする。それ
以外のときは、ステップS54で同じく配車検出フラグ
FA(fa)を「0」にリセットする。したがって、上
記乗場呼応答を検出した演算周期の期間(0.1秒間)
だけ配車検出フラグFA(fa)が「1」となる。な
お、ここでいう“乗場”とは階床と運行方向を同時に表
すもので、乗場番号が1〜5のとき1階〜5階の上り方
向の“乗場”に対応し、乗場番号が6〜10のとき6階
〜2階の下り方向の“乗場”に対応するものとする。ま
た、エレベータかごのいる階床と運行方向を表す“乗
場”を「かご位置乗場」、同じ階床で方向が反対の“乗
場”を「逆方向乗場」ということにする。
【0048】b号機のエレベータについても同様で、ス
テップS55〜57において、b号機用の配車検出フラ
グFB(fb)のセット/リセットが行なわれる。
【0049】次に、ステップS61の乗車拒否検出プロ
グラムにおいて、ステップS62でb号機が乗場呼に応
答して停止中か否か、ステップS63で戸閉完了直前に
なったか否か、そして、ステップS64で戸開開始から
戸閉完了直前までの間に乗車した乗客があるか否かを判
定する。もし、b号機のエレベータが乗場呼に応答して
停止したときに、戸閉完了直前までに、そのエレベータ
乗場で乗車客を検出しなければ、乗場呼を登録した乗客
は展望かご(a号機)に乗車したいと強く希望してb号
機のエレベータかごへの乗車を拒否したものと判断し、
ステップS65でb号機のかご位置乗場fbに対応する
“乗場”別の乗車拒否検出フラグFH(fb)を「1」
にセットする。上記以外のときは、常に、ステップS6
6においてb号機のかご位置乗場fbに対応する“乗
場”別の乗車拒否検出フラグFH(fb)を「0」にリ
セットする。この検出フラグFH(fb)も同様に、上
記乗車拒否を検出した演算周期の期間(0.1秒間)だ
け検出フラグFH(fb)が「1」となる。なお、乗客
がエレベータかごに乗込んだか否かは、かご床に設けた
秤装置(図示しない)の出力の増減等を利用して判断す
る。
【0050】こうして、展望かごと一般かごが乗場呼に
応答したこと、及び一般かごが乗場呼に応答したとき
に、このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを
検出すると、図2の制御プログラムのステップS70の
データ収集プログラムでは、上記検出結果に基づいて時
間帯毎(1時間単位で、1日を24個の時間帯に分割す
る)に配車回数と乗車拒否回数を計数し、さらに、過去
の同一時間帯における配車回数と乗車拒否回数の平均値
との重み付け平均を行い、その結果を新しい配車回数と
乗車拒否回数の平均値としてそれぞれ記憶する。そし
て、さらに、配車回数と乗車拒否回数の平均値とから、
展望かごと一般かごの配車率、及び展望かごへの乗車希
望度を演算する。この手順を図4を参照しながら説明す
る。
【0051】図4のデータ収集プログラムにおいて、ス
テップS71では群管理装置9に内蔵された時計(図示
しない)の時刻信号に基づいて、分と秒の値が00分0
0秒になったか否かにより、時間帯(1時間単位)の境
界を判定する。分と秒の値が00分00秒でないとき
は、k番目の時間帯(現在の時刻に対応する時間帯)に
ついてステップS72〜80の処理を行なう。即ち、ま
ず、ステップS72で乗場番号nを「1」に初期設定し
た後、ステップS73〜78で各“乗場”に対応する処
理を行い、ステップS79で乗場番号nを更新し、ステ
ップS80で全“乗場”(n=1〜10)について処理
したか否かを判定する。n番目の“乗場”に対する処理
は、ステップS73で乗車拒否検出フラグFH(n)が
「1」であることを検出すると、ステップS74で乗車
拒否カウンタCH(n)を1だけカウントアップすると
いう具合に行なわれる。同様にして、ステップS75と
ステップS76でa号機の配車カウンタCA(n)のカ
ウントアップを、ステップS77とステップS78でb
号機の配車カウンタCB(n)のカウントアップを行な
う。
【0052】こうして、k番目の時間帯における“乗
場”別の配車回数と乗車拒否回数を計数する一方、分と
秒の値が00分00秒になりk番目の時間帯が終了する
と、ステップS71からステップS81へと進み、ステ
ップS82〜84で時間帯の境界における処理を行な
う。まず、ステップS81で乗場番号nを「1」に初期
設定した後、ステップS82でk番目の時間帯のn番目
の“乗場”における乗車拒否回数の平均値NH(k,
n)と、a号機及びb号機の配車回数の平均値NA
(k,n)及びNB(k,n)を更新する。ここでは、
新規に得られた乗車拒否回数、即ち、乗車拒否カウンタ
CH(n)の値には0.25の重みをかけ、過去の乗車
拒否回数の平均値NH(k,n)の値には0.75の重
みをかけて平均を求め、これを新しい平均値NH(k,
n)として記憶する。配車回数の平均値NA(k,n)
及びNB(k,n)についても同様で、新規に得られた
配車回数CA(n)とCB(n)の値には0.25の重
みをかけ、過去の配車回数の平均値NA(k,n)とN
B(k,n)の値には0.75の重みをかけて平均を求
め、これを新しい平均値NA(k,n)とNB(k,
n)として記憶する。そして、さらに、新しく求めた乗
車拒否回数の平均値NH(k,n)と配車回数の平均値
NA(k,n)及びNB(k,n)とから、展望かご及
び一般かごのそれぞれの配車率HX(k,n)及びHY
(k,n)と、展望かごへの乗車希望度HH(k,n)
を次の計算式に従って演算する。
【0053】 HX(k,n)=NA(k,n)÷{NA(k,n)+NB(k,n)} HY(k,n)=NB(k,n)÷{NA(k,n)+NB(k,n)} HH(k,n)=NH(k,n)÷HY(k,n) 次のステップS83では次の時間帯のために乗車拒否カ
ウンタCH(n)、配車カウンタCA(n)、及びCB
(n)をそれぞれ「0(回)」に初期設定し、ステップ
S84で乗場番号nを更新し、ステップS85で全“乗
場”(n=1〜10)について処理したかどうかを判定
する。そして、全“乗場”についての処理を終えると、
ステップS86で現在時刻に対応する新しい時間帯の番
号kを求め直す(1日を1時間毎の24個に分割してい
るので、それまでの番号kを1だけ増やし、これが25
以上になれば番号kを「1」に戻して設定する)。そし
て、この後に、上述したようにステップS72〜80に
より、各検出フラグをチェックし、必要に応じてカウン
タの更新を行なう。
【0054】ここで、展望かごへの乗車希望度につい
て、少し説明を加える。展望かごと一般かごが併設され
た建物では、どのエレベータかごに乗りたいかによって
乗客は次の3つのタイプに分けられる。即ち、 (a)展望かごと一般かごのどちらでもよい乗客。
【0055】(b)どちらかというと一般かごより展望
かごに乗りたい乗客。
【0056】(c)どうしても展望かごに乗りたい乗
客。
【0057】上記(a)と(b)の乗客は乗場呼に応答
したエレベータかごにほぼ確実に乗車すると考えられる
ため、エレベータ側でその意志を検出することは非常に
困難である。しかし、上記(c)の乗客は展望かごに乗
車する意志は非常に強いと考えられるため、その意志は
一般かごが到着しても乗車しないという行動として現れ
る。したがって、「一般かごが乗場呼に応答したときに
乗込み客がいない」という現象を検出すれば、上記
(c)のタイプの乗客の有無を判断することができる。
【0058】そこで、この第一実施例では、展望かごに
乗車したいという希望を持つ利用客のうち、その一部で
ある上記(c)のタイプの乗客を検出し、これを基に展
望かごへの乗車を希望する乗客全体を推定するようにし
た。これが展望かごへの乗車希望度であり、次の計算式
で求めるようになっている。
【0059】展望かごへの乗車希望度=G×(一般かご
での乗車拒否数)÷(一般かごの配車率) ここで、階床によって一般かごの配車回数がかなりばら
つくので、この影響を少なくするために一般かごの配車
率で除算して補正するようにしている。また、上記G
は、上記(b)のタイプの乗客の乗車希望を反映するた
めの補正用係数であり、この第一実施例ではG=1とす
る。
【0060】上記のようにして、データ収集プログラム
70では、過去において一般かごへの乗車を拒否した回
数、及び乗場呼に応答させるためにエレベータかごを配
車した回数がそれぞれ時間帯毎に計数されるとともに、
これらに基づいて展望かごへの乗車希望度が演算され記
憶される。
【0061】次に、図2の制御プログラムのステップS
89〜599において、乗場番号n=1〜10に対応す
る各“乗場”に対して、ステップS90の判定プログラ
ムとステップS110の操作推奨プログラムの処理が実
行される。
【0062】まず、ステップS90の判定プログラムで
は、上記乗車希望度HH(k,n)(k=1、…、2
4。n=1、…、10)に基づいて、特定かごへの優先
割当動作が「自動選択」と指定されている場合に、この
優先割当動作を許可するか否かを“乗場”別に判定す
る。
【0063】即ち、ステップS91で、現時間帯kの
“乗場”nにおける乗車希望度HH(k,n)が第1基
準値Hu(=11回)を超えているか否かをチェック
し、もし乗車希望度HH(k,n)が第1基準値Huを
超えているときは、ステップS92へ進み、ここで“乗
場”nの上記優先割当動作を許可するために、動作許可
信号HP(n)を「1」に設定するとともに、特定かご
への優先割当動作が「手動選択」と指定されている場合
に、この判定結果を表示装置11Bに表示して管理者へ
推奨するために表示許可フラグHQ(n)を「1」に設
定する。また、ステップS91の判断で乗車希望度HH
(k,n)が第1基準値Hu以下のときは、ステップS
93へ進み、乗車希望度HH(k,n)が第2基準値H
d(=6回)未満であるか否かをチェックし、もし、乗
車希望度HH(k,n)が第2基準値Hd未満であると
きは、ステップS94へ進み、ここで“乗場”nの上記
優先割当動作を禁止するために、動作許可信号HP
(n)を「0」に設定するとともに、特定かごへの優先
割当動作が「手動選択」と指定されている場合に、この
判定結果を表示装置11Bに表示して管理者へ推奨する
ために表示許可フラグHQ(n)を「1」に設定する。
さらにまた、ステップS91及びステップS93の判断
でHd≦HH(k,n)≦Huの場合には、上記優先割
当動作の有効/無効を現状のままとするために動作許可
信号HP(n)はそのままとし、ステップS95で、特
定かごへの優先割当動作が「手動選択」と指定されてい
る場合に、表示装置11Bに操作指示を何も表示しない
ようにするために、表示許可フラグHQ(n)を「0」
に設定する。
【0064】次の、ステップS110の操作推奨プログ
ラムでは、特定かごへの優先割当動作が「手動選択」と
指定されている場合に、上記ステップS90の判定プロ
グラムの判定結果を管理者への操作指示として表示装置
11Bに表示するよう指令する。
【0065】即ち、ステップS111で、端末装置11
によって上記優先割当動作が「手動選択」と指定されて
いるか否かをチェックし、もし、「手動選択」と指定
(選択信号ASW=「0」)されているときはステップ
S112へ進み、ここで上記“乗場”nの優先割当動作
を「有効」と設定するように指示する信号、即ち、動作
有効指示指令信号HS(n)と、“乗場”nの優先割当
動作を「無効」と設定するように指示する信号、即ち、
動作無効指示指令信号HR(n)と、更に、管理者の判
断の参考データとするための乗車希望度データHN
(n)とを設定し、端末装置11の表示装置11Bへ出
力する。
【0066】動作有効指示指令信号HS(n)は、HQ
(n)∧HP(n)∧/DP(n)という論理演算で設
定され、動作無効指示指令信号HR(n)は、HQ
(n)∧/HP(n)∧DP(n)という論理演算で設
定される。ここで、/は否定論理を表し、端末装置11
による動作許可信号DP(n)は、端末装置11の入力
装置11Aにより設定され、「有効」と入力したときは
DP(n)=「1」と設定され、「無効」と入力したと
きはDP(n)=「0」と設定されるものとする。例え
ば、4階の上り方向乗場n(=4)において、表示許可
フラグHQ(4)=「1」、動作許可信号HP(4)=
「1」であって、且つ、動作許可信号DP(4)=
「0」の場合には、動作有効指示指令信号HS(4)=
「1」となる。したがって、表示装置11BのCRT画
面には、図6の表示例121に示すように、4階から上
方の階へ行く場合の優先割当動作については、「4階に
対する動作は「無効」に設定されているが、乗車希望度
から判断して「有効」に設定した方がよい」旨の表示
を、乗車希望度の表示と併せて行なう。
【0067】また、2階の上り方向乗場n(=2)にお
いて、表示許可フラグHQ(2)=「1」、動作許可信
号HP(2)=「0」であって、且つ、動作許可信号D
P(2)=「1」の場合には、動作無効指示指令信号H
R(2)=「1」となる。したがって、表示装置11B
のCRT画面には、同じく図6の表示例121に示すよ
うに、2階から上方の階へ行く場合の優先割当動作につ
いては、「2階に対する動作は「有効」に設定されてい
るが、乗車希望度から判断して「無効」に設定した方が
よい」旨の表示を、乗車希望度の表示と併せて行なう。
【0068】さらにまた、1階の上り方向乗場n(=
1)において、表示許可フラグHQ(1)=「0」、動
作許可信号HP(1)=「1」であって、且つ動作許可
信号DP(1)=「1」の場合には、動作有効指示指令
信号HS(1)と動作無効指示指令信号HR(1)は共
に「0」となる。したがって、表示装置11BのCRT
画面には、図6の表示例121に示すように、1階から
上方の階へ行く場合の優先割当動作については、「現状
のままの設定でよい」旨の表示が行なわれる。
【0069】上記のようにして、図2の制御プログラム
においては、展望かごへの乗車希望度を検出し、それに
基づいて展望かごへの優先割当動作の有効/無効を自動
判定する一方、上記優先割当動作が「手動選択」と指定
されている場合は上記優先割当動作の有効/無効の設定
に関する推奨案を管理者に提示する。なお、この制御プ
ログラムでは、上記優先割当動作が「自動選択」と指定
されている場合は、表示装置11Bには何も表示しない
ようになっているが、有効/無効を自動判定した結果を
表示装置11Bに送出して、階床毎に上記優先割当動作
の有効/無効の状況を表示するようにもできる。
【0070】次に、乗場呼の割当動作を、図5の割当処
理プログラムの手順を示すフローチャートを用いて説明
する。
【0071】図において、まず、ステップS231で新
規に乗場呼が登録されたか否かを判定する。新規に乗場
呼が登録されていなければ、この割当処理プログラムを
直ちにぬけるが、もし、新規に乗場呼が登録されたこと
を検出すると、ステップS232とステップS233で
上記新規乗場呼cを各エレベータかごに仮に割当てたと
きの待時間評価値Wa,Wbをそれぞれ演算する。待時
間評価値Wa,Wbの演算方法については、これまでに
多数の方法が提案されているが、この第一実施例では、
新規乗場呼cと他の登録済みの乗場呼の待時間をそれぞ
れ予測し、その予測待時間の2乗の総和を待時間評価値
とする方式を使用するものとする。なお、この方式につ
いては特公昭58−48464号公報に詳細に記載され
ており、既に公知であるので詳細な説明は省略する。
【0072】上記のようにして待時間評価値Wa,Wb
をそれぞれ求めると、次にステップS234の特定かご
優先プログラムにおいて、上り呼や下り呼のいずれにも
展望かごが優先的に割当てられるように待時間評価値W
a,Wbを補正して、総合評価値Ea,Ebをそれぞれ
演算する。
【0073】まず、ステップS235で、端末装置11
によって上記優先割当動作が「自動選択」と指定(選択
信号ASW=「1」)されていて、且つ、新規乗場呼c
に対応する乗場の優先割当動作が上述のステップS90
の判定プログラムによって「有効」(動作許可信号HP
(c)=「1」)と自動判定されていることを検出する
と、ステップS238において、展望かごであるa号機
を優先的に割当てるために、優先度Ba(c)をそのま
ま補正値とし、a号機の待時間評価値Waから優先度B
a(c)を差し引いて総合評価値Eaを求める。一方、
b号機の総合評価値Ebには待時間評価値Wbをそのま
ま設定する。ここで、優先度Ba(c)の値は階床毎に
異ならせることも可能であるが、この第一実施例では一
律に「400」に設定されているものとする。また、端
末装置11によって上記優先割当動作が「手動選択」と
指定(選択信号ASW=「0」)されていて、且つ、端
末装置11によって新規乗場呼cに対応する乗場の優先
割当動作が「有効」(動作許可信号DP(c)=
「1」)と手動設定されていることを検出したときも同
様に、ステップS235からステップS236、ステッ
プS238へと進んで、ここで総合評価値EaとEbが
演算される。さらにまた、端末装置11によって上記優
先割当動作が「自動選択」と指定(選択信号ASW=
「1」)されているが、新規乗場呼cに対応する乗場の
優先割当動作が上述のステップS90の判定プログラム
によって「無効」(動作許可信号HP(c)=「0」)
と自動判定されている場合、或いは、上記優先割当動作
が「手動選択」と指定(選択信号ASW=「0」)され
ているが、端末装置11によって新規乗場呼cに対応す
る乗場の優先割当動作が「無効」(動作許可信号DP
(c)=「0」)と手動設定されている場合には、ステ
ップS237において待時間評価値Wa,Wbをそのま
ま総合評価値Ea,Ebとしてそれぞれ設定する。即
ち、これらの場合には、上記優先割当動作が適用されな
いことになる。
【0074】上記のステップS234の特定かご優先プ
ログラムで、総合評価値Ea,Ebが演算されると、次
にステップS241で総合評価値Ea,Ebの比較を行
なう。もし、Ea>Ebであれば、ステップS242で
総合評価値の小さい方のb号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をb号機のかご制御装置8に出
力する。また、Ea≦Ebであれば、ステップS243
で総合評価値の小さい方のa号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をa号機のかご制御装置7に出
力する。
【0075】こうして、ステップS90の判定プログラ
ムによる動作許可信号HP(c)、或いは、端末装置1
1による動作許可信号DP(c)に応じて、展望かご
(a号機)に対する優先割当動作の有効/無効が制御さ
れることになる。
【0076】このように、本実施例のエレベータの群管
理装置は、a号機及びb号機の2機のエレベータを一群
として複数の階床に就役させると共に、1階から6階の
各階のエレベータ乗場に設けた乗場釦が操作されると各
エレベータに共通の乗場呼を登録する乗場呼登録手段9
Aと、乗場呼に対する評価値をa号機及びb号機の各エ
レベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータ
を乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段9
Bと、前記乗場呼を割当てるとき、展望かご(特定エレ
ベータ)を一般かご(他のエレベータ)より優先的に割
当かごとして選択させる特定かご優先手段9Cと、前記
乗場呼に前記一般かご(特定エレベータ以外のエレベー
タ)が応答したとき、このエレベータに乗客が乗車しな
かったことを検出する検出手段9Dと、検出手段9Dに
よる検出結果を計数して、これに基づき前記展望かご
(特定エレベータ)への乗車希望度を演算して記憶する
データ収集手段9Eと、前記乗車希望度が基準値を超え
ているときは、特定かご優先手段9Cの動作を許可する
指令を出力し、前記乗車希望度が基準値以下のときは、
特定かご優先手段9Cの動作を禁止する指令を出力する
判定手段9Fとを備えている。
【0077】即ち、この第一実施例のエレベータの群管
理装置は、乗場呼に対して一般かごより展望かごを優先
的に割当てるものにおいて、過去に乗場呼に応答した一
般かごへ乗客が乗車しなかったことを階床別・方向別に
検出し、これに基づいて展望かごへの乗車希望度を演算
して記憶しておき、自動選択が指定されている場合は、
上記乗車希望度が基準値を超えている階床と方向の乗場
呼に対しては上記優先割当動作を自動的に有効にして実
行し、逆に上記乗車希望度が基準値以下の階床と方向の
乗場呼に対しては上記優先割当動作を自動的に無効にし
て実行を停止するものである。
【0078】したがって、上記優先割当動作を管理者自
身で有効にしたり無効にしたりする必要がなくなり、管
理者の負担を軽くすることができる。また、階床毎、方
向毎に優先割当動作の有効/無効を制御するようにした
ので、各階床の用途や利用する人の特性によって展望か
ごへの乗車希望に関して階床間に偏りがある場合でも、
展望かごへの乗車希望度の高い階床に対しては、展望か
ごへの優先割当による効果を十分発揮できると同時に、
展望かごへの乗車希望度の低い階床に対しては、乗客の
サービス(待時間)悪化を防止することができる。な
お、展望かごへの乗車希望度に関して階床間に偏りがな
い建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対する優先割
当動作の有効/無効を制御するように構成すればよく、
この場合に対しても十分にこの発明の効果を奏すること
ができる。
【0079】また、本実施例のエレベータの群管理装置
は、外部操作により特定かご優先手段9Cの動作の有効
/無効を設定する入力装置11A(入力手段)と、特定
かご優先手段9Cの動作の有効/無効の設定に関する操
作指示を表示する表示装置11B(表示手段)と、デー
タ収集手段9Eで収集した乗車希望度が基準値以下のと
きに、特定かご優先手段9Cの動作を無効にした方がよ
い旨の表示を行なわせる表示指令、あるいは、乗車希望
度が基準値を超えるときに、特定かご優先手段9Cの動
作を有効にした方がよい旨の表示を行なわせる表示指令
のうちの、少なくともいずれか一方を表示装置11B
(表示手段)に対して出力する操作推奨手段9Gとを備
えている。
【0080】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、上記優先割当動作の有効/無効を管理者の判断で手
動選択できるようにするために、上記優先割当手段の動
作の有効/無効を階床別、方向別に設定できるようにし
た入力装置11Aと、上記優先割当手段の動作の有効/
無効の設定に関する階床別、方向別の操作指示を表示す
る表示装置11Bを備えておき、手動選択が指定されて
いる場合は、上記乗車希望度が基準値を超えている階床
と方向の乗場呼に対しては上記優先割当動作を有効にし
た方がよい旨の表示を上記表示装置11Bに行なわせ、
逆に上記乗車希望度が基準値以下の階床と方向の乗場呼
に対しては上記優先割当動作を無効にした方がよい旨の
表示を上記表示装置11Bに行なわせるようにしたもの
である。したがって、管理者により上記優先割当動作を
手動選択するようになっている場合でも、上記優先割当
動作の切換え時期の判断が容易になり、管理者の負担を
軽減することができる。また、階床・方向別に優先割当
動作の有効/無効を指示するとともに、上記乗車希望度
も表示するようにしたので、乗車希望度に関して階床間
に偏りがある場合でも、管理者はこの情報に基づいてよ
り柔軟に階床・方向別の有効/無効の判断を行なうこと
ができる。なお、展望かごへの乗車希望度に関して階床
間に偏りがない建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に
対する優先割当動作の有効/無効を表示するように構成
すればよく、この場合も十分に本実施例の効果を奏する
ことができる。
【0081】なお、上記第一実施例では、乗場呼を割当
てるとき、展望かごの割当評価値を優先度に応じて小さ
く補正して、展望かごを他のエレベータかごより割当て
やすくするようにしたが、上記展望かごを優先的に割当
てるための方法はこのような評価値の補正による方式に
限るものではない。例えば、展望かごと一般かごの到着
予想時間を比較して、展望かごの方が遅い場合でもその
差が基準値(これを割当優先度と考える)以下であれ
ば、遅い方の展望かごを優先的に選択して割当てる方式
とか、展望かごへの乗車希望度が非常に高い階床と方向
の乗場呼に対しては、必ず展望かごを選択して割当てる
という方式も含むものである。また、割当優先度を各階
での乗車希望度に無関係に一定の値としたが、上記乗車
希望度に応じて割当優先度を設定するように構成しても
よい。そうすれば、割当優先動作を許可/禁止という2
段階ではなく、展望かごへの乗車希望度に応じた連続的
な制御が可能となる。また、その階床別の優先度を非常
に大きな値に設定することによって、必ず展望かごが割
当てられるように構成することも容易である。つまり、
特定かご優先手段9Cは、乗場呼を割当てるとき、特定
エレベータを他のエレベータより優先的に割当かごとし
て選択させてもよく、また、前記特定エレベータの評価
値を特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定
された優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正するようなものであっても構わない。
【0082】また、上記第一実施例では、「許可」状態
から「禁止」状態に自動変更する場合の第2判定基準値
Hdの値を、「禁止」状態から「許可」状態に自動変更
する場合の第1判定基準値Huよりも小さく設定するこ
とにより、判定基準値付近でのハンチング現象を阻止し
判定結果を安定させるようにした。しかし、この2つの
判定基準値を必ずしも異ならせる必要はなく、この2つ
の判定基準値を同一の値にしても十分にこの発明の効果
を得ることができる。
【0083】さらにまた、上記第一実施例では、判定基
準値Hu,Hdを各階床及び各時間帯で一律に同じ値を
使用したが、階床の用途(玄関、事務所、レストラン、
会議室等)や時間帯(出勤時、平常時、昼食時、退勤
時、夜間等)に応じて異なる値を採用してもよい。
【0084】〈第二実施例〉図7〜図11はこの発明の
第二実施例を示すものである。この第二実施例において
も、上記第一実施例と同様に、1階から6階までをサー
ビスするa号機(展望エレベータ)とb号機(一般エレ
ベータ)の2台のエレベータが設置されているものとす
る。
【0085】図7は本発明の第二実施例であるエレベー
タの群管理装置を示す全体構成図であり、上記第一実施
例の図1に相当するものである。図中、第一実施例と同
一符号及び記号は第一実施例の構成部分と同一または相
当する構成部分を示す。
【0086】図において、9Hは群管理装置9に設けら
れ、データ収集手段9Eによる乗車希望度に基づいて特
定かご優先手段9Cで使用する優先度を設定する優先度
設定手段、9Jは同じく、上記優先度設定が「手動設
定」に指定されているときに、上記優先度の推奨値を端
末装置11の表示装置11Bに表示するよう指令する表
示指令手段である。
【0087】なお、図7の端末装置11は群管理装置9
と接続されており、入力装置11Aは特定かご優先手段
9Cによる優先割当動作を「自動設定」にするか、また
は、「手動設定」にするかの指定、及び「手動設定」を
指定しているときの上記優先割当動作の優先度の設定
を、それぞれキーボードを使って入力できるようになっ
ている。また、表示装置11Bは上記優先度設定を「手
動設定」に指定しているときに、その優先度の設定に関
する操作指示を表示するようになっている。
【0088】また、図8は本発明の第二実施例であるエ
レベータの群管理装置による制御プログラムを示すフロ
ーチャートであり、上記第一実施例の図2に相当する制
御プログラムの全体の手順を示すフローチャートであ
る。図9は本発明の第二実施例であるエレベータの群管
理装置による割当処理プログラムを示すフローチャート
であり、上記第一実施例の図5に相当する割当処理プロ
グラムの全体の手順を示すフローチャートである。図1
0は本発明の第二実施例であるエレベータの群管理装置
による乗車希望度と優先度の関係を示す対応図、図11
は本発明の第二実施例であるエレベータの群管理装置に
よる優先度設定指示の表示例を示す説明図であり、表示
装置11Bに表示する内容の例を示す。なお、この第二
実施例におけるステップS50の検出プログラムとステ
ップS70のデータ収集プログラムの手順を示すフロー
チャートは、上記第一実施例の図3と図4をそのまま使
用するものとする。
【0089】次に、この第二実施例のエレベータの群管
理装置の動作を説明する。まず、図8に示すフローチャ
ートにより制御プログラムの動作を説明する。
【0090】図8の制御プログラムにおいて、まず、ス
テップS50の検出プログラムでは、展望かごと一般か
ごが乗場呼に応答したことをそれぞれ階床別・方向別に
検出するとともに、一般かごが乗場呼に応答したとき
に、このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを
階床別・方向別に検出する。この手順は第一実施例の図
3で説明したものと同一であるので、ここでは説明を省
略する。
【0091】上述したように、上記ステップS50で展
望かごと一般かごが乗場呼に応答したこと、及び一般か
ごが乗場呼に応答したときに、このエレベータかごに乗
客が乗車しなかったことを検出すると、次にステップS
70のデータ収集プログラムでは、上記検出結果に基づ
いて時間帯毎(1時間単位で、1日を24個の時間帯に
分割する)に配車回数と乗車拒否回数を計数し、更に、
過去の同一時間帯における配車回数と乗車拒否回数の平
均値との重み付け平均を行い、その結果を新しい配車回
数と乗車拒否回数の平均値としてそれぞれ記憶する。そ
して、さらに配車回数と乗車拒否回数の平均値とから、
展望かごと一般かごの配車率、及び展望かごへの乗車希
望度を演算する。この手順は第一実施例の図4で説明し
たものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0092】さらに、ステップS89〜599におい
て、乗場番号n=1〜10に対応する各“乗場”に対し
て、ステップS140の優先度設定プログラムとステッ
プS150の表示指令プログラムの処理が実行される。
【0093】まず、ステップS140の優先度設定プロ
グラムでは、展望かごへの優先割当動作の優先度設定が
「自動設定」と指定されている場合に対応して、上記乗
車希望度HH(k,n)(k=1、…、24。n=1、
…、10)に基づいた優先割当動作の優先度の設定と、
上記優先度設定が「手動設定」と指定されている場合に
対応して、端末装置11により入力された優先度の設定
をそれぞれ“乗場”別に行なう。即ち、ステップS14
1で、現時間帯kの“乗場”nにおける乗車希望度HH
(k,n)をxとして取出し、これをステップS142
で変換関数F(x)を使用して「自動設定」時用の優先
度Ba(n)に変換する。優先度Ba(n)への変換に
用いる変換関数F(x)は、図10の表に示すように予
め決められている。例えば、乗車希望度x=4(回)の
ときの優先度F(4)=0となり、また、乗車希望度x
=15(回)のときの優先度F(15)=230とな
る。そして、次のステップS143では、入力装置11
Aのキーボードから入力した優先度の値を「手動設定」
時用の優先度DQ(n)として設定する。
【0094】次のステップS150の表示指令プログラ
ムでは、展望かごへの優先割当動作の優先度設定が「手
動設定」と指定されている場合に、上記ステップS14
0の優先度設定プログラムの「自動設定」時用の設定結
果を管理者への推奨値として表示装置11Bに表示する
よう指令する。即ち、ステップS151で、入力装置1
1Aによって上記優先度設定が「手動設定」と指定され
ているか否かをチェックし、もし、「手動設定」と指定
(選択信号ASW=「0」)されているときは、ステッ
プS152へ進み、ここで上記“乗場”nの優先割当動
作における優先度の推奨値を設定するように指示する信
号、即ち、推奨値信号PR(n)にステップS142で
設定された「自動設定」時用の優先度Ba(n)の値を
設定し、更に、管理者の判断の参考データとするための
表示用データHN(n)に乗車希望度HH(k,n)の
値を設定し、端末装置11の表示装置11Bへ出力す
る。
【0095】例えば、上記優先度設定が「手動設定」と
指定されている場合において、1階〜5階の上り方向乗
場(n=1〜5)における現時間帯kの乗車希望度HH
(k,n)がそれぞれ15(回)、2(回)、4
(回)、10(回)、及び1(回)で、現在の優先度の
設定値DQ(n)がそれぞれ50、150、150、5
0、50となっており、また、6階〜2階の下り方向乗
場(n=6〜10)における現時間帯kの乗車希望度H
H(k,n)がそれぞれ20(回)、12(回)、7
(回)、3(回)、及び1(回)で、現在の優先度の設
定値DQ(n)がそれぞれ150、150、50、5
0、50となっているとすると、表示装置11BのCR
T画面には、図11の表示例122に示すように表示さ
れる。
【0096】即ち、図11の表示例122において、上
り方向乗場に対しては、「4階に対する優先度は「5
0」に設定されているが、これは乗車希望度から判断し
ても妥当な設定値である」旨の表示を、また、「2階と
3階に対する優先度は「150」、5階に対する優先度
は「50」に設定されているが、これは乗車希望度から
判断するといずれも「0」に設定し実質的に優先割当動
作が働かないようにした方がよい」旨の表示を、更に、
「1階に対する優先度は「50」に設定されているが、
これは乗車希望度から判断すると「230」とさらに大
きな値に設定した方がよい」旨の表示が行われることに
なる。下り方向乗場における優先割当動作についても同
様な表示が行われる。
【0097】上記のようにして、図8の制御プログラム
においては、展望かごと一般かごの配車回数、及び一般
かごへの乗車拒否回数を検出し、「自動設定」と指定さ
れている場合は、それに基づいて展望かごへの優先割当
動作の優先度を自動設定する一方、「手動設定」と指定
されている場合は、上記優先割当動作の優先度の設定に
関する推奨案を管理者に提示する。なお、この制御プロ
グラムでは、上記優先割当動作の優先度設定が「自動設
定」と指定されている場合は、表示装置11Bには何も
表示しないようになっているが、自動設定した結果(優
先度)を表示装置11Bに送出して、階床毎に上記優先
度の設定状況を表示するようにもできる。
【0098】次に、乗場呼の割当動作を、図9の割当処
理プログラムの手順を示すフローチャートを用いて説明
する。
【0099】図において。まず、ステップS231で、
新規に乗場呼が登録されたか否かを判定する。新規に乗
場呼が登録されていなければ、この割当処理プログラム
を直ちにぬけるが、もし、新規に乗場呼が登録されたこ
とを検出すると、スッテプ232とステップS233で
上記新規乗場呼cを各エレベータかごに仮に割当てたと
きの待時間評価値Wa,Wbをそれぞれ演算する。この
待時間評価値Wa,Wbの演算方法については、上記第
一実施例の図5と同様であるので詳細な説明は省略す
る。
【0100】こうして、待時間評価値Wa,Wbをそれ
ぞれ求めると、次にステップS234の特定かご優先プ
ログラムにおいて、上り呼及び下り呼のいずれに対して
も展望かごが優先的に割当てられるように待時間評価値
Wa,Wbを補正して、総合評価値Ea,Ebをそれぞ
れ演算する。即ち、まず、ステップS251で、端末装
置11によって上記優先度設定が「自動設定」と指定さ
れているか否かを判定する。「自動設定」が指定(選択
信号ASW=「1」)されているときは、ステップS2
51からステップS253へと進み、ここで展望かごで
あるa号機を優先的に割当てるために、優先度Ba
(c)をそのまま補正値とし、a号機の待時間評価値W
aから「自動設定」時用の優先度Ba(c)を差し引い
て総合評価値Eaを求める。一方、b号機の総合評価値
Ebには待時間評価値Wbをそのまま設定する。また、
ステップS251で、端末装置11により「手動設定」
が指定(選択信号ASW=「0」)されていることを検
出すると、ステップS252へ進み、今度は「手動設
定」時用の優先度DQ(c)を補正値とし、a号機の待
時間評価値Waから優先度DQ(c)を差し引いて総合
評価値Eaを求める。一方、b号機の総合評価値Ebに
は待時間評価値Wbをそのまま設定する。
【0101】上記のステップS234の特定かご優先プ
ログラムで、総合評価値Ea,Ebが演算されると、次
にステップS241で総合評価値Ea,Ebの比較を行
なう。もし、Ea>Ebであれば、ステップS242で
総合評価値の小さい方のb号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をb号機のかご制御装置8に出
力する。また、Ea≦Ebであれば、ステップS243
で総合評価値の小さい方のa号機を割当かごとして選択
し、乗場呼cの割当指令をa号機のかご制御装置7に出
力する。
【0102】こうして、ステップS140の優先度設定
プログラムによる「自動設定」時用の優先度Ba
(c)、或いは、端末装置11による「手動設定」時用
の優先度DQ(c)に応じて、展望かご(a号機)に対
する優先割当動作の優先度が制御されることになる。
【0103】このように、本実施例のエレベータの群管
理装置は、a号機及びb号機の2機のエレベータを一群
として1階から6階の階床に就役させると共に、各階の
エレベータ乗場に設けた乗場釦が操作されると各エレベ
ータに共通の乗場呼を登録する乗場呼登録手段9Aと、
前記乗場呼に対する評価値をa号機及びb号機の各エレ
ベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベータを
乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手段9B
と、前記乗場呼を割当てるとき、展望かご(特定エレベ
ータ)の評価値を一般かご(特定エレベータ以外のエレ
ベータ)に比べて予め設定された優先度に対応した分だ
け相対的に小さくなるように補正する特定かご優先手段
9Cと、前記乗場呼に前記一般かご(特定エレベータ以
外のエレベータ)が応答したとき、このエレベータに乗
客が乗車しなかったことを検出する検出手段9Dと、検
出手段9Dによる検出結果を計数して、これに基づき展
望かご(特定エレベータ)への乗車希望度を演算して記
憶するデータ収集手段9Eと、前記乗車希望度が大きい
ときは、前記展望かご(特定エレベータ)の優先度を大
きい値に設定し、前記乗車希望度が小さいときは、上記
展望かご(特定エレベータ)の優先度を小さい値に設定
する優先度設定手段9Hとを具備するものである。
【0104】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、乗場呼を割当てるとき、展望かごの評価値を一般か
ごに比べて所定の優先度に対応した分だけ相対的に小さ
くなるように補正して、上記展望かごを優先的に割当て
るようにしたものにおいて、上記優先度を乗場呼(上り
呼、下り呼)に対応して階床単位に設定するものとし、
過去に乗場呼に応答した一般かごへ乗客が乗車しなかっ
たことを階床別・方向別検出して、これを基に展望かご
への乗車希望度を演算して記憶しておき、自動設定が指
定されている場合は、上記乗車希望度に応じて上記優先
度をそれぞれ自動的に設定する、つまり、上記乗車希望
度が大きい階床・方向の乗場呼に対してはそれに応じて
上記展望かごの優先度を大きい値に設定し、上記乗車希
望度が小さい階床・方向の乗場呼に対してはそれに応じ
て上記展望かごの優先度を小さい値に設定するものであ
る。
【0105】したがって、上記優先割当動作の優先度を
管理者自身で設定する必要がなくなり、管理者の負担を
軽減することができる。また、階床・方向別に優先度を
自動設定するようにしたので、各階床の用途や利用する
人の特性によって展望かごへの乗車希望に関して階床間
に偏りがある場合でも、展望かごへの乗車希望度の高い
階床に対しては、展望かごへの優先割当による効果を十
分発揮できると同時に、展望かごへの乗車希望度の低い
階床に対しては、乗客のサービス(待時間)悪化を防止
することができる。なお、展望かごへの乗車希望度に関
して階床間に偏りがない建物や時間帯の場合には、乗場
呼全体に共通の優先度を自動設定するように構成すれば
よく、この場合にも十分に本実施例の効果を奏する。
【0106】また、本実施例のエレベータの群管理装置
は、外部操作により特定かご優先手段9Cで使用する優
先度を設定する入力装置11A(入力手段)と、特定か
ご優先手段9Cの動作の優先度の設定に関する操作指示
を表示する表示装置11B(表示手段)と、データ収集
手段9Eで収集した乗車希望度が大きいときは、前記展
望かご(特定エレベータ)の優先度の推奨値を大きい値
に設定し、前記乗車希望度が小さいときは、前記展望か
ご(特定エレベータ)の優先度の推奨値を小さい値に設
定する優先度設定手段9Hと、優先度設定手段9Hによ
る優先度の推奨値を表示装置11B(表示手段)に表示
させる表示指令を出力する表示指令手段9Jとを備えて
いる。
【0107】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、さらに上記優先割当動作の優先度を管理者の判断で
手動設定できるようにするために、上記優先度を階床・
方向別に設定できるようにした入力装置11Aと、上記
優先度の設定に関する操作指示を階床・方向別に表示す
る表示装置11Bを備えておき、手動設定が指定されて
いる場合は、上記乗車希望度に応じて上記優先度の推奨
値を階床・方向別にそれぞれ演算し、その推奨値を上記
表示装置11Bにそれぞれ表示する。即ち、上記乗車希
望度が大きい階床・方向の乗場呼に対しては、それに応
じて上記展望かごの優先度の推奨値を大きい値に設定し
て表示し、上記乗車希望度が小さい階床・方向の乗場呼
に対しては、それに応じて上記展望かごの優先度の推奨
値を小さい値に設定して表示するものである。
【0108】したがって、管理者により上記優先度を手
動設定するようになっている場合でも、上記優先割当動
作の優先度の設定値の判断が容易になり、管理者の負担
を軽減することができる。また、優先度の推奨値を階床
・方向別に表示するとともに、上記展望かごへの乗車希
望度もそれぞれ階床・方向別に表示するようにしたの
で、展望かごへの乗車希望度に関して階床間に偏りがあ
る場合でも、管理者はこの情報に基づいてより柔軟に階
床・方向別の優先度の設定の判断を行なうことができ
る。なお、特定かごへの乗車希望度に関して階床間に偏
りがない建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対する
優先度の推奨値を表示するように構成すればよく、この
場合にも十分に本実施例の効果を奏する。
【0109】なお、上記第一実施例及び第二実施例で
は、乗場呼に応答した一般かごへ乗客が乗車しなかった
ときは、この乗客は展望かごへの乗車を強く希望してい
ると判断して、これを一般かごへの乗車拒否回数(即
ち、展望かごへの乗車希望回数)として計数するように
した。さらに、一般かごが乗場呼に応答した回数と展望
かごが乗場呼に応答した回数とから、一般かごと展望か
ごのそれぞれの配車率を求めた。そして、上記乗車拒否
回数を一般かごの配車率で除してその商を展望かごへの
乗車希望度として演算するようにした。これは、上記乗
車拒否回数をそのまま展望かごへの乗車希望度として演
算すると、たまたま一般かごの配車率が低かった階床に
対しては、どうしても優先割当動作を行なわない側、つ
まり、優先度を小さい値に設定する側に偏ってしまうと
いう問題が生じるためである。
【0110】そこで、乗場呼に応答したエレベータを展
望かご(特定エレベータ)と一般かご(特定エレベータ
以外のエレベータ)とに区別して検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
前記特定エレベータ及び一般かごの配車率を演算して記
憶するデータ収集手段を設け、上記一般かごの配車率を
考慮することによって、展望かごへの乗車希望度をより
正確に推定できるようになるので、上記の問題を解決す
ることができる
【0111】なお、一般かごの配車率に関係した上記問
題を解決する方法はこれに限るものではない。例えば、
上記乗車拒否回数をそのまま特定かごへの乗車希望度と
して演算し、一般かごの配車率が小さいときは判定基準
値も小さめの値に設定し、逆に一般かごの配車率が大き
いときは判定基準値も大きめの値に設定するように構成
すれば、上記第一実施例や第二実施例と同様の効果を得
ることができる。また、一般かごの配車率がほぼ一定に
なるような交通状態や時間帯であれば、上記乗車拒否回
数をそのまま特定かごへの乗車希望度として演算しても
十分に本実施例と同様の効果を奏することができること
は言うまでもない。
【0112】さらにまた、上記第一実施例及び第二実施
例では、交通量にかかわらず一般かごへの乗車拒否回数
から展望かごへの乗車希望度を求めるようにしたが、こ
れは、乗場呼に応答したときに乗場で待っている乗客は
1人と仮定したためである。しかしながら、実際には、
乗場呼に応答したときに2人以上の乗客がエレベータホ
ールで待っていることもあり、これが上記乗車希望度の
推定値に誤差を生じるさせることになる。そこで、この
問題点を解決する方法として、例えば、下記の(イ)〜
(ニ)のようなものが考えられるが、いずれも容易に実
現することができる。
【0113】(イ)一般かごへの乗車拒否回数に対し
て、交通量(例えば、乗車客数や乗場呼数等)に応じた
補正を加える。即ち、乗車客数が多い階床では、その乗
車客数に応じて一般かごへの乗車拒否回数を大きめの値
に修正する。
【0114】(ロ)特定かごへの乗車希望度に対する判
定基準値に、交通量に応じた補正を加える。即ち、乗車
客数が多い階床では、その乗車客数に応じて判定基準値
を小さめの値に修正する。
【0115】(ハ)エレベータホールに待客数検出装置
を設け、一般かごが乗場呼に応答したときに、何人の待
客が乗車せずに残ったかを検出して、これを一般かごへ
の乗車拒否人数として計数し、これを用いて特定かごへ
の乗車希望度を求める。
【0116】(ニ)エレベータホールに、希望するエレ
ベータの種類(一般かご、特殊かご)を指定する装置を
設け、この入力状況から一般かごに乗車しなかった乗客
数を推定する。
【0117】〈第三実施例〉上記第一実施例及び第二実
施例では、乗客の行動、即ち、希望するかご以外のエレ
ベータかごには乗車しないという乗客の強い意志を検出
して、これを基に優先割当動作の有効/無効の判定や優
先度の設定値の判定を行った。つまり、これは、利用者
の立場で考えて優先割当動作の制御を行なうものであ
る。
【0118】一方、エレベータ管理者側の管理目標を全
面に押し出した優先割当動作の制御方法も考えられる。
即ち、特定かごを配車する割合(配車率)の目標値を予
め決めておき、実際の配車率をこの目標値に近付けるよ
うに優先割当動作を制御するものである。以下、図12
〜図16に示す第三実施例によって、これを説明する。
なお、この第三実施例においても、上記第一実施例及び
第二実施例と同様に、1階から6階までをサービスする
a号機(展望エレベータ)とb号機(一般エレベータ)
の2台のエレベータが設置されているものとする。
【0119】図12は本発明の第三実施例であるエレベ
ータの群管理装置を示す全体構成図であり、上記第一実
施例の図1及び第二実施例の図7に相当するものであ
る。図中、第一実施例と同一符号及び記号は第一実施例
の構成部分と同一または相当する構成部分を示す。
【0120】図において、9Kは群管理装置9に設けら
れ、データ収集手段9Eによる展望かごの配車率の実績
値に基づいて特定かご優先手段9Cで使用する優先度を
修正する優先度修正手段、9Lは同じく、優先度を変更
してから経過した時間に応じて上記優先度の修正を阻止
する修正阻止手段である。なお、表示指令手段9Jにお
いては、「手動設定」と指定されているときに、上記修
正した優先度を推奨値として端末装置11の表示装置1
1Bに表示するようにした点、及び「自動設定」と指定
されているときに、上記展望かごの配車率の実績値を表
示装置11Bに表示するようにした点が第二実施例の表
示指令手段9Jと異なる。また、入力装置11Aにおい
ては、配車率の目標値を入力できるようにした点が第二
実施例の入力装置11Aと異なる。
【0121】また、図13は本発明の第三実施例である
エレベータの群管理装置による制御プログラムを示すフ
ローチャートであり、第一実施例の図2及び第二実施例
の88に相当する制御プログラムの全体の手順を示すフ
ローチャートである。図14は本発明の第三実施例であ
るエレベータの群管理装置による優先度修正プログラム
を示すフローチャート、図15は本発明の第三実施例で
あるエレベータの群管理装置による優先度設定指示の表
示例を示す説明図、図16は本発明の第三実施例である
エレベータの群管理装置による優先度設定指示の他の表
示例を示す説明図であり、図15及び図16は表示装置
11Bに表示する内容の例を示す。なお、この第三実施
例におけるステップS50の検出プログラム、ステップ
S70のデータ収集プログラム、及び割当処理プログラ
ムの手順を示すフローチャートは、第一実施例の図3、
図4、及び第二実施例の図9をそのまま使用するものと
する。
【0122】次に、この第三実施例のエレベータの群管
理装置の動作を説明する。まず、図13に示すフローチ
ャートにより制御プログラムの動作を説明する。
【0123】図13の制御プログラムにおいて、まず、
ステップS50の検出プログラムでは、展望かごと一般
かごが乗場呼に応答したことをそれぞれ階床別・方向別
に検出するとともに、一般かごが乗場呼に応答したとき
に、このエレベータかごに乗客が乗車しなかったことを
階床別・方向別に検出する。この手順は第一実施例の図
3で説明したものと同一であるので、ここでは説明を省
略する。
【0124】次のステップS70のデータ収集プログラ
ムでは、上記検出結果に基づいて時間帯毎(1時間単位
で、1日を24個の時間帯に分割する)に配車回数と乗
車拒否回数を計数し、更に、過去の同一時間帯における
配車回数と乗車拒否回数の平均値との重み付け平均を行
い、その結果を新しい配車回数と乗車拒否回数の平均値
としてそれぞれ記憶する。そして、さらに、配車回数と
乗車拒否回数の平均値とから、展望かごと一般かごの配
車率、及び展望かごへの乗車希望度を演算する。この手
順は第一実施例の図4で説明したものと同一であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0125】次のステップS170の優先度修正プログ
ラムでは、展望かごへの優先割当動作の優先度設定が
「自動設定」と指定されている場合に対応して、展望か
ごの配車率の目標値Xt(k,n)と実績値HX(k,
n)(k=1、…、24。n=1、…、10)に基づい
て、この優先割当動作の優先度を“乗場”別に修正す
る。この手順を図14を参照しながら説明する。まず、
ステップS171で乗場番号nを「1」に初期設定した
後、ステップS172〜181で各“乗場”に対応する
処理を行い、ステップS182で乗場番号nを更新し、
ステップS183で全“乗場”(n=1〜10)につい
て処理したか否かを判定する。
【0126】例えば、n番目の“乗場”に対する処理
は、まず、ステップS172で、図4のステップS70
のデータ収集プログラムのステップS71と同様にし
て、時間帯の境界になったか否かを判定する。時間帯の
境界でなければステップS181へ進み、ここで入力装
置11Aのキーボードから入力した優先度の値を「手動
設定」用の優先度DQ(n)として設定し、乗場番号n
の“乗場”に対する処理を終了する。なお、ステップS
173、ステップS174、及びステップS180によ
り優先度の修正を一定期間禁止するための修正阻止プロ
グラムを構成している。
【0127】もし、ステップS172で時間帯の境界を
検出したときは、ステップS173へ進み、ここで、新
しい時間帯番号k(ステップS70のデータ収集プログ
ラムで設定)において、乗場番号nの“乗場”の優先度
が更新されてから経過した日数を表す経過期間PER
(k,n)を「1(日)」だけカウントアップする。そ
して、ステップS174で、上記経過期間PER(k,
n)が優先度の更新を禁止するために設けた更新阻止期
間Tx(=5日)を超えたか否かを判定する。もし、P
ER(k,n)≦Txであれば、ステップS181へ進
み、入力装置11Aのキーボードから入力した優先度の
値を「手動設定」用の優先度DQ(n)として設定し、
乗場番号nの“乗場”に対する処理を終了する。また、
ステップS174で経過期間PER(k,n)が更新阻
止期間Txを超えたことを検出すると、ステップS17
5で現時間帯kの“乗場”nにおける展望かごの目標配
車率Xt(k,n)を端末装置11から読取り、第1基
準値Xuと第2基準値XdをそれぞれXu=Xt(k,
n)+0.05、及びXd=Xt(k,n)−0.05
で演算する。そして、ステップS176で、現時間帯k
の“乗場”nにおける展望かごの実績配車率HX(k,
n)が第1基準値Xuを超えているか否かをチェック
し、もし、実績配車率HX(k,n)が第1基準値Xu
を超えているときはステップS177へ進み、ここで
“乗場”nの優先度Ba(n)を現在の設定値より一定
値L(=50)だけ小さくなるように修正し、ステップ
S181の処理を行って乗場番号nの“乗場”に対する
処理を終了する。なお、目標配車率Xt(k,n)の設
定値によっては修正した優先度Ba(n)が負の値にな
ることがあるが、その場合は逆に一般かごを優先割当す
ることになる。また、ステップS178では、実績配車
率HX(k,n)が第2基準値Xd未満であるかを否か
をチェックし、もし、配車率HX(k,n)が第2基準
値Xd未満であるときはステップS179へ進み、ここ
で“乗場”nの優先度Ba(n)を現在の設定値より一
定値Lだけ大きくなるように修正し、ステップS181
の処理を行って乗場番号nの“乗場”に対する処理を終
了する。なお、Xd≦HX(k,n)≦Xuの場合に
は、優先度Ba(n)の値は現在設定されている値のま
まとし、ステップS181の処理を行って乗場番号nの
“乗場”に対する処理を終了する。
【0128】上記のようにして、展望かごへの優先割当
動作の優先度を“乗場”別に修正すると、次のステップ
S190の表示指令プログラムでは、展望かごへの優先
割当動作の優先度設定が「手動設定」と指定されている
場合に、上記ステップS170の優先度修正プログラム
の「自動設定」時用の修正結果を管理者への推奨値とし
て表示装置11Bに表示するよう指令する。
【0129】まず、ステップS191で乗場番号nを
「1」に初期設定した後、ステップS192〜194で
各“乗場”に対応する処理を行い、ステップS195で
乗場番号nを更新し、ステップS196で全“乗場”
(n=1〜10)について処理したか否かを判定する。
n番目の“乗場”に対する処理は、まず、ステップS1
92で、端末装置11によって上記優先度設定が「手動
設定」と指定されているか否かをチェックし、もし、
「手動設定」と指定(選択信号ASW=「0」)されて
いるときはステップS193へ進み、ここで上記“乗
場”nの優先度の推奨値を設定するように指示する信
号、即ち、推奨値信号PR(n)にステップS170の
優先度修正プログラムで設定された「自動設定」用の優
先度Ba(n)の値を設定し、更に、管理者の判断の参
考データとするための表示用データHN(n)に展望か
ごの実績配車率HX(k,n)の値を設定し、端末装置
11の表示装置11Bへ出力する。
【0130】例えば、上記優先度設定が「手動設定」と
指定されている場合において、1階〜5階の上り方向乗
場(n=1〜5)における現時間帯k(例えば、k=1
1[10:00〜11:00])の展望かごの実績配車
率HX(k,n)がそれぞれ0.70、0.76、0.
77、0.68、及び0.72で、現在の優先度の設定
値DQ(n)がそれぞれ100、200、200、15
0、及び150となっており、また、6階〜2階の下り
方向乗場(n=6〜10)における現時間帯kの展望か
ごの実績配車率HX(k,n)がそれぞれ0.76、
0.67、0.65、0.78、及び0.63で、現在
の優先度の設定値DQ(n)がそれぞれ250、15
0、100、250、及び100となっているとする
と、表示装置11BのCRT画面には、図15の表示例
123のような表示がされる。
【0131】図15の表示例123において、上り方向
乗場に対しては、「4階及び5階に対する優先度はそれ
ぞれ「150」に設定されているが、これは目標とする
配車率(=0.7)と実績の配車率から判断して妥当な
設定値である」旨の表示を、また、「2階と3階に対す
る優先度はそれぞれ「200」に設定されているが、こ
れは目標とする配車率(=0.7)と実績の配車率から
判断するといずれも「150」に一度修正し、その後の
様子を見た方がよい」旨の表示を、さらに、「1階に対
する優先度は「100」に設定されているが、これは目
標とする配車率(=0.8)と実績の配車率から判断す
ると「150」に一度修正し、その後の様子を見た方が
よい」旨の表示が行なわれることになる。なお、下り方
向乗場における優先割当動作についても同様な表示が行
なわれる。
【0132】また、図13のステップS192で「自動
設定」と指定(選択信号ASW=「1」)されていると
きはステップS194へ進み、ここで管理者の判断の参
考データとするための表示用データHN(n)として展
望かごの実績配車率HX(k,n)の値を設定し、端末
装置11の表示装置11Bへ出力する。このとき、例え
ば、図16の表示例124に示すように、表示装置11
BのCRT画面には、目標配車率と実績配車率とが階床
・方向別に表示される。
【0133】上記のようにして、図13の制御プログラ
ムにおいては、展望かごと一般かごの配車率の実績値を
検出し、「自動設定」と指定されている場合は実績配車
率に基づいて展望かごへの優先割当動作の優先度を自動
修正する一方、「手動設定」と指定されている場合は上
記優先割当動作の優先度の設定に関する推奨案を管理者
に提示する。また、上記優先度設定が「自動設定」と指
定されている場合も、自動設定した結果の実績配車率を
表示装置に11Bに送出して、階床毎に上記優先割当動
作の動作状況を表示する。なお、上記のようにして設定
された優先度を用いて乗場呼の割当動作が行なわれる
が、これは、第二実施例の図5の割当処理プログラムの
手順と同一であるので説明は省略する。
【0134】このように、本実施例のエレベータの群管
理装置は、a号機及びb号機の2機のエレベータを一群
として複数の階床に就役させると共に、1階から6階の
各階のエレベータ乗場に設けた乗場釦が操作されると各
エレベータに共通の乗場呼を登録する乗場呼登録手段9
Aと、前記乗場呼に対する評価値をa号機及びb号機の
各エレベータ毎に演算して、その評価値が小さいエレベ
ータを乗場呼に応答する割当かごとして選択する割当手
段9Bと、前記乗場呼を割当てるとき、展望かご(特定
エレベータ)の評価値を一般かご(特定エレベータ以外
のエレベータ)に比べて予め設定された優先度に対応し
た分だけ相対的に小さくなるように補正する特定かご優
先手段9Cと、前記乗場呼に応答したエレベータを上記
展望かご(特定エレベータ)と一般かご(特定エレベー
タ以外のエレベータ)とに区別して検出する検出手段9
Dと、検出手段9Dによる検出結果を計数して、これに
基づき前記展望かご(特定エレベータ)の配車率を演算
して記憶するデータ収集手段9Eと、外部操作により前
記特定エレベータの配車率の目標値を設定する入力装置
11A(入力手段)と、特定かご優先手段9Cの動作状
況に関する情報を表示する表示装置11B(表示手段)
と、データ収集手段9Eで収集した配車率が目標値より
大きいときは、前記展望かご(特定エレベータ)の優先
度を現在の設定値より小さい値に修正し、前記配車率が
目標値より小さいときは、前記展望かご(特定エレベー
タ)の優先度を現在の設定値より大きい値に修正する優
先度修正手段9Kと、データ収集手段9Eで収集した配
車率を表示装置11B(表示手段)に表示させる表示指
令を出力する表示指令手段9Jとを備えている。
【0135】即ち、本実施例のエレベータの群管理装置
は、乗場呼を割当てるとき、展望かごの評価値を一般か
ごに比べて所定の優先度に対応した分だけ相対的に小さ
くなるように補正して、上記展望かごを優先的に割当て
るようにしたものにおいて、上記優先度を乗場呼(上り
呼、下り呼)に対応して階床単位に設定するものとし、
過去に乗場呼に応答した一般かごと展望かごの配車回数
を階床別・方向別検出して、これを基に展望かごの配車
率(実績値)を演算して記憶しておき、自動設定が指定
されている場合は、上記展望かごの配車率に応じて上記
優先度をそれぞれ自動的に設定する、即ち、上記展望か
ごの実績配車率が第1基準値よりも高い階床・方向の乗
場呼に対しては上記展望かごの優先度を現在の設定値よ
り小さい値に修正し、上記実績配車率が第2基準値(≦
第1基準値)より低い階床・方向の乗場呼に対しては上
記優先度を現在の設定値より大きい値に修正し、上記実
績配車率が第1基準値と第2基準値の間にある階床・方
向の乗場呼に対しては上記優先度の値をそのままにして
おくものである。
【0136】したがって、目標とする配車率とその実績
値に応じて、上記優先割当動作の優先度を管理者自身が
設定する必要がなくなり、管理者の負担を軽減すること
ができる。また、階床・方向別に優先度を自動修正する
ようにしたので、各階床の用途や利用する人の特性によ
って展望かごの目標配車率や実績配車率が階床間で異な
る場合でも、展望かごの目標配車率を高く設定した階床
に対しては、展望かごへの優先割当による効果を十分発
揮できると同時に、展望かごの目標配車率を全かごの平
均配車率(=0.5)に十分近くなるように設定した階
床に対しては、乗客のサービス(待時間)悪化を防止す
ることができる。なお、展望かごの配車率に関して階床
間に差がない建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対
する展望かごの実績配車率を求め、これに応じて乗場呼
全体に共通の優先度を自動設定するように構成すればよ
く、この場合も十分に本実施例の効果を奏する。
【0137】しかも、優先度の設定が自動設定の場合で
も目標配車率と実績配車率を階床・方向別に表示装置に
表示するようにしたことにより、管理者は思い通りに展
望かごの優先割当動作が行なわれているか否かを容易に
判断することができる。
【0138】また、本実施例のエレベータの群管理装置
は、配車率が基準値より大きいときは、前記展望かご
(特定エレベータ)の優先度を現在の設定値より小さい
値に修正し、前記配車率が基準値より小さいときは、前
記展望かご(特定エレベータ)の優先度を現在の設定値
より大きい値に修正する優先度修正手段9Eと、前記優
先度の設定値を変更してから経過した時間を計数すると
ともに、この経過時間が所定期間以内のときは、前記優
先度の修正を阻止する修正阻止手段9Lとを備えてお
り、優先度の設定値を一度自動変更すると、変更してか
ら所定期間Tx(=5日間)を経過するまでは、新しい
優先度に変更することを禁止するものである。
【0139】したがって、一度設定した優先度の下で配
車率の実績がどのように変化するかを慎重に見極めてか
ら次の修正を行なうことができるようになったので、優
先度の変更の速さに配車率の実績が追従できずに優先割
当動作が思うように制御できないという問題点を解決す
ることができる。なお、上記変更阻止期間Txの値は実
施例のものに限るものではない。上記変更阻止期間Tx
の値は、優先度を変更したとき、配車率の実績値がどの
程度の速さで収束するかに依存するものであって、第三
実施例のように、過去何日間かの実績値の重み付け平均
をとる方式であれば、重み係数の値にもよるが最低数日
間は変更を阻止する必要がある。また、過去の古いデー
タは使わずに比較的新しいデータ、例えば、現時点から
過去30分とか10分のデータを使う場合であれば、上
記変更阻止期間Txの値は、数十分〜数分程度に設定す
ればよい。
【0140】また、この第三実施例では、さらに上記優
先割当動作の優先度を管理者の判断で手動設定できるよ
うにするために、上記優先度を階床・方向別に設定でき
るようにした入力装置11Aと、上記優先度の設定に関
する操作指示を階床・方向別に表示する表示装置11B
を備えておき、手動設定が指定されている場合は、上記
実績配車率に応じて上記優先度の推奨値を階床・方向別
にそれぞれ演算し、その推奨値を上記表示装置にそれぞ
れ表示する。即ち、上記展望かごの実績配車率が第1基
準値よりも高い階床・方向の乗場呼に対しては、上記展
望かごの優先度の推奨値を現在の設定値より小さい値に
設定して表示し、上記実績配車率が第2基準値(≦第1
基準値)より低い階床・方向の乗場呼に対しては、上記
優先度の推奨値を現在の設定値より大きい値に設定して
表示し、上記配車率が第1基準値と第2基準値の間にあ
る階床・方向の乗場呼に対しては、上記優先度の推奨値
をそのままにして表示する。
【0141】これにより、管理者自身が上記優先度を手
動設定するようになっている場合でも、上記優先割当動
作の優先度の設定値の判断が容易になり、管理者の負担
を軽減することができる。また、優先度の推奨値を階床
・方向別に表示するとともに、上記展望かごの実績配車
率もそれぞれ階床・方向別に表示するようにしたので、
展望かごの目標配車率や実績配車率が階床間で異なる場
合でも、管理者はこれら情報に基づいて、より柔軟に階
床・方向別の優先度の設定の判断を行なうことができ
る。なお、展望かごの配車率に関して階床間に差がない
建物や時間帯の場合には、乗場呼全体に対する展望かご
の実績配車率を求め、これに応じて乗場呼全体に共通の
優先度の推奨値を表示するように構成すればよく、この
場合も十分に本実施例の効果を奏する。
【0142】ところで、上記第三実施例では、展望かご
の配車率の目標値Xt(k,n)に対して、優先度を現
在の設定値より小さい値に自動修正する場合の第1判定
基準値Xuの値を[Xt(k,n)+0.05]、優先
度を現在の設定値より大きい値に自動修正する場合の第
2判定基準値Xdの値を[Xt(k,n)−0.05]
というように、0.1の幅を持たせることによって、目
標値Xt(k,n)付近でのハンチング現象を阻止し、
優先度の修正を安定させるようにした。しかし、この幅
は0.1に限るものではなく、エレベータの設置台数、
交通状態、サービス状態等により適宜決めればよい。ま
た、優先度を修正する場合の一定値Lの値を「50」と
したが、この一定値Lの値もこれに限るものではなく、
同様にエレベータの設置台数、交通状態、サービス状態
等により適宜決めるようにすればよい。
【0143】また、上記第三実施例では、展望かごの配
車率の目標値Xt(k,n)を2階〜5階で一律に同じ
値「0.7」を使用したが、階床の用途(玄関、事務
所、レストラン、会議室等)や時間帯(出勤時、平常
時、昼食時、退勤時、夜間等)に応じて異ならせてもよ
い。また、この展望かごの配車率の目標値Xt(k,
n)をどの程度にするかは管理者が決めるべきものであ
る。この第三実施例では、上記端末装置11を用いて上
記目標値Xt(k,n)を管理者自身が修正できるよう
にしたので、その管理者の希望を直ちに反映することが
できる。
【0144】なお、上記第一実施例乃至第三実施例で
は、待時間評価値Wa,Wbを演算するための評価関数
を「予測待時間の2乗値の総和」とした。そのため、展
望かごへの優先割当動作を行なうための待時間評価値W
aの補正値は、待時間の2乗値に相当する値となる。そ
こで、上記第一実施例乃至第三実施例では、優先度も待
時間の2乗値に相当する値として入力・設定し、これを
そのまま補正値として使用するようにしたが、補正値や
優先度の設定の仕方はこれに限定されるものではない。
【0145】まず、優先度を管理者にもわかりやすい尺
度で表すことが、優先度を設定するときの管理者の判断
を容易にするという観点から重要である。例えば、乗場
呼を登録したときに、その階のすぐ近くに一般かごがい
て、展望かごは離れた位置にいる場合を想定して、展望
かごに乗れるなら20秒余分に待ってもよいとか、15
秒以上余分に待つなら一般かごに乗るのもやむを得ない
というように、展望かごに乗るためにどのくらい我慢で
きるかという程度(即ち、展望かごに乗るためにどのく
らい余分に長く待つことができるかという時間)を優先
度として設定する方法がある。また、感覚的な表現を用
いて、例えば、展望かごに乗れるのなら少し余分に長く
待ってもよいが、乗場釦を押してからの時間が非常に長
くなるのなら一般かごに乗る、というような表現で優先
度を表してもよい。
【0146】次に、優先度から補正値に変換する場合、
その変換の仕方は優先度の持つ意味と評価関数の構成に
全く依存することになる。例えば、展望かごに乗るため
に待つことのできる限界の時間を優先度として入力・設
定する場合、上記優先度を2乗した値が補正値となるよ
うに変換されることになる。また、上述の感覚的な表現
による優先度の場合には、ファジー理論を応用して主観
的な表現を数値(時間)に変換した後に、それを2乗し
た値を補正値とすればよい。なお、優先度の推奨値を端
末装置に表示する場合は、評価値の補正値から優先度へ
逆変換すればよい。例えば、評価関数が2次関数の場
合、補正値の平方根を求めこれを設定すべき推奨値(待
時間相当)として表示すればよい。即ち、補正値や優先
度の設定については、評価関数の構成や入力のしやすさ
に応じて適宜選択すればよい。
【0147】また、上記第一実施例乃至第三実施例で
は、展望かごと一般かごが併設された建物において、展
望かごを特定かごとして扱ったが、特定かごとして優先
割当動作を行なわせるエレベータはこれに限るものでは
ない。エレベータ利用客が特に乗ってみたい、是非利用
したいと強く希望するような上記特定のエレベータかご
としては、従来の技術の項で説明したように、特殊な構
造、機能、或いは意匠を持つような、特殊用途エレベー
タ、高機能エレベータ、高級意匠エレベータがある。ま
た、乗客の乗りやすさを考慮して、例えば、操作された
乗場釦の近くのエレベータかごを特定かごとするよう
に、状況に応じて優先的に割当てる号機を選択し、その
エレベータかごを特定かごとして優先的に割当てる場合
にも適用することができる。さらにまた、図17のよう
に、上部特定階や下部特定階が設けられている建物にお
いて、上記特定階に向かう方向の共通階の乗場呼を特定
階行きかごに優先的に割当てる場合にも適用することが
できる。
【0148】要するに、乗場呼にエレベータかごを割当
てるとき、所定条件を満たす特定のエレベータかごを他
のエレベータかごより優先的に割当てる機能を持つ動作
であれば、どのような優先割当動作にもこの発明を適用
することができる。
【0149】さらにまた、上記第一実施例乃至第三実施
例では、1時間毎に求めた特定かごへの乗車希望度や配
車率と、過去何日間かの同一時間帯に得た乗車希望度や
配車率とを重み付け平均して、これらを判定に使用する
乗車希望度や配車率として求めたが、判定に使用する乗
車希望度や配車率の演算方法はこれに限るものではな
い。例えば、総合的に判定するために1日単位で乗車希
望度や配車率を演算する方法や、時間帯を30分や15
分というように、更に細かく分けて演算する方法や、過
去の古いデータは使用せずに比較的新しいデータ(例え
ば、現時点から過去30分間とか10分間など)のみを
使用して乗車希望度や配車率を求める方法も考えられ
る。なお、これらはいずれも容易に実現することができ
る。
【0150】また、上記第二実施例及び第三実施例で
は、優先度を現在の設定値から変化させた場合でも過去
の配車回数や乗車拒否回数の平均値を初期値とし、それ
らを修正しながら新しい優先度における配車回数や乗車
拒否回数を求めるものについて説明したが、上述のよう
に、新しい実測データほど大きく重み付けしながら平均
値を求めるようにしているので、古いデータが新しい優
先度の下でのデータに悪影響を与えることは少ない。し
かしながら、新しい優先度の下での効果をより早く確認
したい場合には、新しい優先度の下で得た最初のデータ
を初期値として再学習するようにもできる。この場合、
図4のステップS70のデータ収集プログラムのステッ
プS82において、優先度が変化した最初の重み付け平
均を行なうときに限り、平均値NH(k,n)の代わり
に検出回数CH(n)を、NA(k,n)の代わりにC
A(n)を、NB(k,n)の代わりにCB(n)を使
用して演算するように構成すればよい。
【0151】さらにまた、上記各第一実施例乃至第三実
施例では、端末装置11を管理者のいる管理人室に設け
たものについて説明したが、端末装置の設置場所は管理
人室に限るものではない。例えば、エレベータ機械室に
設置するようにしてもよいし、電話回線を利用すれば、
建物内や建物外(保守センター等)の任意の場所に設置
して、群管理装置9と通信することが可能となる。ま
た、端末装置11もパーソナルコンピュータを使用した
高価な装置である必要はなく、複数のスイッチからなる
入力装置とランプやLED等の簡単な表示素子を使用し
た表示装置であってもよい。
【0152】さらにまた、上記各第一実施例乃至第三実
施例では、a号機及びb号機の2機のエレベータが配置
された場合を示したが、3台以上の群管理エレベータで
あっても適用できることは明かである。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
エレベータの群管理装置は、乗場呼登録手段と、割当手
段と、特定かご優先手段と、検出手段と、データ収集手
段と、判定手段とを備え、乗場呼に対して特定かごを他
のエレベータかごより優先的に割当てるものにおいて、
乗客が一般かごへの乗車を拒否したことを検出して、こ
れを基に特定かごへの乗車希望度を演算して記憶してお
き、前記乗車希望度が基準値を超えているときは、前記
優先割当動作を有効にし、前記乗車希望度が基準値以下
のときは、前記優先割当動作を無効にすることにより、
自動的に乗客の乗車希望度が検出でき、この乗車希望度
に応じて特定のエレベータの優先割当動作ができるの
で、上記優先割当動作を管理者自身で有効にしたり無効
にしたりする必要がなくなり、管理者の負担を軽減でき
る。
【0154】請求項2の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、操作推奨手段とを備え、乗場呼に対して特定か
ごを他のエレベータかごより優先的に割当てるととも
に、外部操作により前記優先割当動作の有効/無効を設
定するようにしたものにおいて、乗客が一般かごへの乗
車を拒否したことを検出して、これを基に特定かごへの
乗車希望度を演算して記憶しておき、前記乗車希望度が
基準値以下のときに、前記優先割当動作を無効にするよ
うに指示する表示か、或いは、前記乗車希望度が基準値
を超えるときに、前記優先割当動作を有効にするように
指示する表示のうち、少なくともいずれか一方の表示を
管理者に対して行なうことにより、エレベータ管理者は
この表示に従って外部操作により優先割当動作の有効/
無効を設定できるので、上記優先割当動作を有効にした
り無効にしたりする時期の判定が容易になり、管理者の
負担を軽減できる。
【0155】請求項3の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、優先度設定手段と
を備え、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に
演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割当か
ごとして選択するとともに、前記乗場呼を割当てると
き、一般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度
に対応した分だけ相対的に小さくなるように補正るよう
にしたものにおいて、乗客が一般かごへの乗車を拒否し
たことを検出して、これを基に特定かごへの乗車希望度
を演算して記憶しておき、前記乗車希望度が大きいとき
は、前記特定かごの優先度を大きい値に設定し、前記乗
車希望度が小さいときは、前記特定かごの優先度を小さ
い値に設定することにより、自動的に乗客の乗車希望度
が検出でき、この乗車希望度に応じた優先度で特定のエ
レベータの優先割当動作ができるので、管理者自身で交
通状態に応じた優先度に変更する必要がなくなり、管理
者の負担を軽減できる。
【0156】請求項4の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、優先度設定手段と、表示指令手段とを備え、乗
場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、
その評価値が小さいエレベータかごを割当かごとして選
択するとともに、前記乗場呼を割当てるとき、一般かご
に比べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応した分
だけ相対的に小さくなるように補正し、さらに外部操作
により前記優先度を設定するようにしたものにおいて、
乗客が一般かごへの乗車を拒否したことを検出して、こ
れを基に特定かごへの乗車希望度を演算して記憶してお
き、前記乗車希望度が大きいときは、前記特定かごの優
先度の推奨値を大きい値に設定し、前記乗車希望度が小
さいときは、前記特定かごの優先度を小さい値に設定
し、この推奨値を優先度として設定するように指示する
表示を管理者に対して行なうことにより、エレベータ管
理者はこの表示に従って外部操作により優先割当動作の
優先度を設定できるので、交通状態に応じた優先度の設
定値の判断が容易になり、管理者の負担を軽減できる。
【0157】請求項5の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、優先度修正手段と
を備え、乗場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に
演算して、その評価値が小さいエレベータかごを割当か
ごとして選択するとともに、乗場呼を割当てるとき、一
般かごに比べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応
した分だけ相対的に小さくなるように補正するようにし
たものにおいて、乗場呼に対する特定かごの配車率を検
出して記憶しておき、前記配車率が基準値より大きいと
きは、前記特定かごの優先度を現在の設定値より小さい
値に修正し、前記配車率が基準値より小さいときは、前
記特定かごの優先度を現在の設定値より大きい値に修正
することにより、自動的に特定かごの配車率を検出で
き、この配車率に応じた優先度で特定のエレベータの優
先割当動作ができるので、管理者自身で交通状態に応じ
た優先度に修正する必要がなくなり、管理者の負担を軽
減できる。
【0158】請求項6の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、優先度修正手段と、表示指令手段とを備え、乗
場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、
その評価値が小さいエレベータかごを割当かごとして選
択するとともに、乗場呼を割当てるとき、一般かごに比
べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応した分だけ
相対的に小さくなるように補正し、さらに外部操作によ
り前記優先度を設定するようにしたものにおいて、乗場
呼に対する特定かごの配車率を検出して記憶しておき、
前記配車率が基準値より大きいときは、前記特定かごの
優先度の推奨値を現在の設定値より小さい値に修正し、
前記配車率が基準値より小さいときは、前記特定かごの
優先度を現在の設定値より大きい値に修正し、この推奨
値を優先度として設定するように指示する表示を管理者
に対して行なうことにより、エレベータ管理者はこの表
示に従って外部操作により推奨値を参考にして優先割当
動作の優先度を設定できるので、交通状態に応じた優先
度の設定値の判断が容易になり、管理者の負担を軽減で
きる。
【0159】請求項7の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、入力手段と、表示
手段と、優先度修正手段と、表示指令手段とを備え、乗
場呼に対する評価値を各エレベータかご毎に演算して、
その評価値が小さいエレベータかごを割当かごとして選
択するとともに、乗場呼を割当てるとき、一般かごに比
べて特定かごの評価値を所定の優先度に対応した分だけ
相対的に小さくなるように補正するものにおいて、外部
操作により乗場呼に対する特定かごの配車率の目標値を
設定する一方、乗場呼に対する特定かごの配車率の実績
を検出して記憶しておき、前記配車率の実績値が前記目
標値より大きいときは、前記特定かごの優先度を現在の
設定値より小さい値に修正し、前記配車率が基準値より
小さいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値よ
り大きい値に修正するとともに、前記配車率の実績値を
管理者に案内する表示を行なうことにより、エレベータ
管理者はこの表示に従って外部操作により推奨値を参考
にして特定かご配車率の目標値を設定できるので、優先
割当動作の目標値を設定しさえすれば、管理者自身で交
通状態に応じた優先度に修正する必要がなく、しかも思
い通りに優先割当動作が行なわれているか否かの判断が
容易になり、管理者の負担を軽減できる。
【0160】請求項8の発明のエレベータの群管理装置
は、乗場呼登録手段と、割当手段と、特定かご優先手段
と、検出手段と、データ収集手段と、優先度修正手段
と、修正阻止手段とを備え、乗場呼に対する評価値を各
エレベータかご毎に演算して、その評価値が小さいエレ
ベータかごを割当かごとして選択するとともに、乗場呼
を割当てるとき、一般かごに比べて特定かごの評価値を
所定の優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるよう
に補正するようにしたものにおいて、乗場呼に対する特
定かごの配車率を検出して記憶しておき、前記配車率が
基準値より大きいときは、前記特定かごの優先度を現在
の設定値より小さい値に修正し、前記配車率が基準値よ
り小さいときは、前記特定かごの優先度を現在の設定値
より大きい値に修正するが、前記特定かごの優先度を修
正してから経過時間が所定期間以内のときは、前記優先
度の修正を禁止することにより、自動的に特定かごの配
車率を検出でき、この配車率に応じた優先度の設定がで
き、しかも、この優先度は所定時間維持されるので、管
理者自身で交通状態に応じた優先度に修正する必要がな
くなり、管理者の負担を軽減することができるととも
に、とりわけ優先度の自動修正の判定が的確となり優先
割当動作をうまく制御できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータを他のエレ
    ベータより優先的に割当かごとして選択させる特定かご
    優先手段と、 前記乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベータが応
    答したとき、このエレベータに乗客が乗車しなかったこ
    とを検出する検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータへの乗車希望度を演算して記憶する
    データ収集手段と、 前記乗車希望度が基準値を超えているときは、前記特定
    かご優先手段の動作を許可する指令を出力し、前記乗車
    希望度が基準値以下のときは、前記特定かご優先手段の
    動作を禁止する指令を出力する判定手段とを具備するこ
    とを特徴とするエレベータの群管理装置。
  2. 【請求項2】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータを他のエレ
    ベータより優先的に割当かごとして選択させる特定かご
    優先手段と、 前記乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベータが応
    答したとき、このエレベータに乗客が乗車しなかったこ
    とを検出する検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータへの乗車希望度を演算して記憶する
    データ収集手段と、 外部操作により前記特定かご優先手段の動作の有効/無
    効を設定する入力手段と、 前記特定かご優先手段の動作の有効/無効の設定に関す
    る操作指示を表示する表示手段と、 前記データ収集手段で収集した乗車希望度が基準値以下
    のときに、前記特定かご優先手段の動作を無効にした方
    がよい旨の表示を行なわせる表示指令、あるいは、前記
    乗車希望度が基準値を超えるときに、前記特定かご優先
    手段の動作を有効にした方がよい旨の表示を行なわせる
    表示指令のうちの、少なくともいずれか一方を前記表示
    手段に対して出力する操作推奨手段とを具備することを
    特徴とするエレベータの群管理装置。
  3. 【請求項3】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値を
    特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定され
    た優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
    正する特定かご優先手段と、 前記乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベータが応
    答したとき、このエレベータに乗客が乗車しなかったこ
    とを検出する検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータへの乗車希望度を演算して記憶する
    データ収集手段と、 前記乗車希望度が大きいときは、前記特定エレベータの
    優先度を大きい値に設定し、前記乗車希望度が小さいと
    きは、前記特定エレベータの優先度を小さい値に設定す
    る優先度設定手段とを具備することを特徴とするエレベ
    ータの群管理装置。
  4. 【請求項4】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値を
    特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定され
    た優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
    正する特定かご優先手段と、 前記乗場呼に前記特定エレベータ以外のエレベータが応
    答したとき、このエレベータに乗客が乗車しなかったこ
    とを検出する検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータへの乗車希望度を演算して記憶する
    データ収集手段と、 外部操作により前記特定かご優先手段で使用する優先度
    を設定する入力手段と、 前記特定かご優先手段の動作の優先度の設定に関する操
    作指示を表示する表示手段と、 前記データ収集手段で収集した乗車希望度が大きいとき
    は、前記特定エレベータの優先度の推奨値を大きい値に
    設定し、前記乗車希望度が小さいときは、前記特定エレ
    ベータの優先度の推奨値を小さい値に設定する優先度設
    定手段と、 前記優先度設定手段による優先度の推奨値を前記表示手
    段に表示させる表示指令を出力する表示指令手段とを具
    備することを特徴とするエレベータの群管理装置。
  5. 【請求項5】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値を
    特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定され
    た優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
    正する特定かご優先手段と、 前記乗場呼に応答したエレベータを前記特定エレベータ
    と特定エレベータ以外のエレベータとに区別して検出す
    る検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータの配車率を演算して記憶するデータ
    収集手段と、 前記配車率が基準値より大きいときは、前記特定エレベ
    ータの優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前
    記配車率が基準値より小さいときは、前記特定エレベー
    タの優先度を現在の設定値より大きい値に修正する優先
    度修正手段とを具備することを特徴とするエレベータの
    群管理装置。
  6. 【請求項6】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値を
    特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定され
    た優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
    正する特定かご優先手段と、 前記乗場呼に応答したエレベータを前記特定エレベータ
    と特定エレベータ以外のエレベータとに区別して検出す
    る検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータの配車率を演算して記憶するデータ
    収集手段と、 外部操作により前記特定かご優先手段で使用する優先度
    を設定する入力手段と、 前記特定かご優先手段の動作の優先度の設定に関する操
    作指示を表示する表示手段と、 前記データ収集手段で収集した配車率が基準値より大き
    いときは、前記特定エレベータの優先度の推奨値を現在
    の設定値より小さい値に修正し、前記配車率が基準値よ
    り小さいときは、前記特定エレベータの優先度の推奨値
    を現在の設定値より大きい値に修正する優先度修正手段
    と、 前記優先度修正手段による優先度の推奨値を前記表示手
    段に表示させる表示指令を出力する表示指令手段とを具
    備することを特徴とするエレベータの群管理装置。
  7. 【請求項7】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値を
    特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定され
    た優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
    正する特定かご優先手段と、 前記乗場呼に応答したエレベータを前記特定エレベータ
    と特定エレベータ以外のエレベータとに区別して検出す
    る検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータの配車率を演算して記憶するデータ
    収集手段と、 外部操作により前記特定エレベータの配車率の目標値を
    設定する入力手段と、 前記特定かご優先手段の動作状況に関する情報を表示す
    る表示手段と、 前記データ収集手段で収集した配車率が目標値より大き
    いときは、前記特定エレベータの優先度を現在の設定値
    より小さい値に修正し、前記配車率が目標値より小さい
    ときは、前記特定エレベータの優先度を現在の設定値よ
    り大きい値に修正する優先度修正手段と、 前記データ収集手段で収集した配車率を前記表示手段に
    表示させる表示指令を出力する表示指令手段とを具備す
    ることを特徴とするエレベータの群管理装置。
  8. 【請求項8】 複数のエレベータを一群として複数の階
    床に就役させると共に、各階のエレベータ乗場に設けた
    乗場釦が操作されると各エレベータに共通の乗場呼を登
    録する乗場呼登録手段と、 前記乗場呼に対する評価値を各エレベータ毎に演算し
    て、その評価値が小さいエレベータを乗場呼に応答する
    割当かごとして選択する割当手段と、 前記乗場呼を割当てるとき、特定エレベータの評価値を
    特定エレベータ以外のエレベータに比べて予め設定され
    た優先度に対応した分だけ相対的に小さくなるように補
    正する特定かご優先手段と、 前記乗場呼に応答したエレベータを前記特定エレベータ
    と特定エレベータ以外のエレベータとに区別して検出す
    る検出手段と、 前記検出手段による検出結果を計数して、これに基づき
    前記特定エレベータの配車率を演算して記憶するデータ
    収集手段と、 前記配車率が基準値より大きいときは、前記特定エレベ
    ータの優先度を現在の設定値より小さい値に修正し、前
    記配車率が基準値より小さいときは、前記特定エレベー
    タの優先度を現在の設定値より大きい値に修正する優先
    度修正手段と、 前記優先度の設定値を変更してから経過した時間を計数
    するとともに、この経過時間が所定期間以内のときは、
    前記優先度の修正を阻止する修正阻止手段とを具備する
    ことを特徴とするエレベータの群管理装置。
JP4310239A 1992-11-19 1992-11-19 エレベータの群管理装置 Pending JPH06156892A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114590660A (zh) * 2020-12-07 2022-06-07 株式会社日立大厦系统 呼叫登记调查系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114590660A (zh) * 2020-12-07 2022-06-07 株式会社日立大厦系统 呼叫登记调查系统
CN114590660B (zh) * 2020-12-07 2023-11-24 株式会社日立大厦系统 呼叫登记调查系统

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