JPH06155634A - 段ボールシート加工装置の位置決め制御方法および装置 - Google Patents

段ボールシート加工装置の位置決め制御方法および装置

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JPH06155634A
JPH06155634A JP4330898A JP33089892A JPH06155634A JP H06155634 A JPH06155634 A JP H06155634A JP 4330898 A JP4330898 A JP 4330898A JP 33089892 A JP33089892 A JP 33089892A JP H06155634 A JPH06155634 A JP H06155634A
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JP4330898A
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English (en)
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Takanaka Adachi
宇央 足立
Kazusane Kato
和実 加藤
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Isowa Corp
Original Assignee
Isowa Industry Co Ltd
Isowa Corp
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    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
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    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート加工手段を最適位置へ到来させる微調
整を一度行なえば、以後は常に最適位置に位置決めし得
る手段を提供する。 【構成】 シート加工手段10と、該加工手段を所要部
位に向け駆動する駆動手段14と、該駆動手段への指令
制御部16とを備え、この指令制御部に駆動手段に関す
る情報をフィードバックする段ボールシート加工装置に
おいて、加工手段の正確な位置決め値を目標値Aoとし
て位置決め制御すると共に、位置決めされた加工手段の
現在値Boを読取り記憶し、試加工を行なって許容値内
にある場合は位置修正することなく修正値Bnを現在値
とし、許容値外にある場合は加工手段を許容値内となる
位置まで到来させる修正を行ない、現在値と修正値との
差分Doを演算し、該差分を目標値に与えた値で目標値
Anに置き換え、次回以降はこの置換した目標値で指令
を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、段ボールシート加工
装置の位置決め制御方法および装置に関し、更に詳しく
は、段ボールシート加工装置におけるクリーザ刃やスロ
ッタ刃等の各種加工手段を位置決めするに際し、該加工
手段を目標値まで移動させても、その機械に特有のクセ
等に起因して常に若干の誤差を不可避的に生ずるような
場合に、前記加工手段を最適位置へ到来させるための微
調整(インチング操作)を一度行なえば、以後は該加工手
段を最適位置に位置決めさせ得る制御方法と、これを好
適に実施させ得る装置とに関するものである。
【0002】
【従来技術】長尺の段ボールシートを定尺に切断した
後、その定尺シートに印刷・クリーズ・スロット等の各
種加工を施してブランクを作り、そのフラップ部分を糊
付け・折曲げして折畳んだ段ボール箱を得る段ボールシ
ート加工装置(製函機)が紙工業界で好適に使用されてい
る。この製函機は、定尺シートに多色印刷を施す多色印
刷ユニット、該シートに縦罫および溝切りを施すクリー
ザ・スロッタユニット、該シートに手掛穴等を打抜く手
掛ユニット、該シートに折曲げ・糊付けを行なうフォル
ダ・グルア等の各種ユニットを直列に配列した複合装置
として構成されている。なお、長尺ウェブを貼合わせて
段ボールシートを製造するコルゲートマシンでは、該シ
ートを定尺に切断するロータリーカッタに、段ボールシ
ートを縦方向に裁断するスリッタおよび横罫を施すスコ
アラが付設されることが多く、前記製函機にはこのよう
なスリッタ・スコアラユニットも一般に含まれる。
【0003】前述した製函機を構成する個々のユニット
は、到来する定尺の段ボールシートに印刷・罫入れ・溝切
り等の加工を直接的に施す種々の加工手段(例えば印刷
ロールやクリーザ刃等)を備えており、これら加工手段
の駆動は、総合管理用のコンピュータシステムにより系
統的に制御されるようになっている。前記加工手段に
は、その加工目的に応じて、回転方向に定位置決めす
る必要のあるものと、軸方向に移動させて定位置決め
する必要のあるものとが存在する。例えば印刷ユニット
では、版胴は回転方向での定位置決めが必要であり、ま
たクリーザ刃は、被加工物である定尺シートの幅寸法に
応じて、回転軸の軸方向での位置決めが必要である。ま
たスロッタ刃は、定尺シートの幅寸法に応じて軸方向に
位置決めされると共に、溝長さを決定するために回転方
向の位置決めも併せてなされる。
【0004】このように製函機では、段ボールシートの
加工に先立って、クリーザ刃やスロッタ刃等の各種加工
手段を、任意に回転方向・軸方向へ位置決めすることが
必要である。この場合に、位置決め精度を極力向上させ
ることが、良質の製品を得る上で重要であるが、実際に
は以下の3つのファクターによって、達成される位置決
め精度に差を生じているのが現状である。すなわち、
製函機の制御系に採用される位置決め方法の種類、製
函機における各ユニットの機械的精度の良否、製造し
ようとする段ボール箱の仕様を算出する展開式の良否
が、前記加工手段を位置決めする際の精度に大きな影響
を与えている。例えば、如何に加工ユニットの機械的精
度が優れ、また段ボール箱の展開式が正確であっても、
その制御系に採用される位置決め方法が劣っていては、
良好な位置決め精度は確保されない。また展開式が正確
であり、制御系の位置決め方法が優れていても、ユニッ
ト自体の機械的精度が劣っていては、良好な位置決め精
度は期待されない。更に段ボール箱の展開式が不正確で
あっては、如何に他の2つのファクターが優れていて
も、同じく良好な位置決め精度は得られないことにな
る。従って製函機における各ユニットでは、これら3つ
のファクターを全体として良好に平衡させることが極め
て重要である。
【0005】我国で製造される現今の製函機における各
ユニットは、優れた製造技術に裏付けされて、極めて高
い機械的精度を備えるに至っている。しかし、温度差に
伴なう膨張伸縮や、歯車系のバックラッシュ等に起因す
る誤差、すなわち機械の「クセ」とでも云うべき誤差は不
可避的に存在し、これを完全に払拭するには限界があ
る。そこで従来より、制御系の位置決め方法に関して幾
つかの提案がなされている。例えば、リニアスケールの
如き位置検出器を、可動体としての制御対象である加工
手段に取付け、この検出器からリアルタイムで得られる
位置情報をサーボ制御回路にフィードバックするクロー
ズドループ方式を採用すれば、制御指令に基づく目標値
と位置決め後の現在値とが常に一致し、従って極めて高
い位置決め精度が得られる。しかし該クローズドループ
方式は、加工手段等の機械系自体がサーボループに取込
まれているため、製函機のユニットにおける機械剛性が
サーボ系の安定性に大きな影響を与える難点がある。こ
のために、充分な機械剛性が要求されると共に、製造コ
ストも嵩むことになる。しかも、現状的に段ボールシー
ト製函機では、高価なクローズドループ方式を採用しな
ければならない程の高精度は一般に必要としていない。
【0006】そこで製函機を構成する各ユニットの位置
決めに関して、例えば特開昭60−40238号公報に
開示される制御方法が提案されている。これは、所謂
「位置のフィードバック方式」とでも云うべきものであっ
て、前回の位置決め操作に際し修正により得られた現在
値を、次回の位置決め操作の目標値とするものである。
この制御方法を、例えば前記高精度に位置決めされるク
ローズドループ方式に適用した場合は、次回の位置決め
に際し加工手段が、常に目標値通りに(補正された値に
正確に)位置決めされるので、その点で極めて優れた制
御方式として評価し得るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】加工手段の駆動手段
(モータ)から位置や速度等を検出し、これを制御系にフ
ィードバックするセミクローズドループ方式には、その
制御精度が極めて高いものがあり、このような場合は高
級なクローズドループ方式に比して殆ど遜色がない。そ
の反面として、制御精度を若干犠牲にして部品点数を減
らし、低価格化を図った簡易型のセミクローズドループ
方式が知られている。この簡易型の方式であっても、目
標値に対して実際の現在値が許容値内に収まり、またバ
ラツキが余り大きくない制御が達成されるので、段ボー
ルシート加工装置における製函ユニットの制御にも好適
に採用されている。しかし製函ユニットの基本制御方式
として、前述した簡易型セミクローズドループ方式を採
用している場合は、前記公開公報に記載される位置決め
制御方法によっても、必ずしも目標値通り位置決めされ
ないという欠点を有している。例えば、位置決め時のオ
ーバーラン値が1.0mm程度に落ち着く簡易型のセミク
ローズドループ方式を用い、一例として100.0mmを
目標値として位置決めする場合について説明する。この
100.0mmの目標値に対し、加工手段が該目標値より
1.0mmだけオーバーランして101.0mmの位置で停止
した場合に、取敢えず段ボールシートの試加工を行な
い、該シートの加工寸法が許容値限界を越えているとき
は、手動のインチング(寸動)操作により前記加工手段を
最適な値(100.0mm)にまで移動停止させることがあ
る。
【0008】しかしこの場合に、前記公報記載の如く修
正で得られた現在値(100.0mm)を、次回の位置決め
操作の目標値(100.0mm)に設定しても、該ユニット
が、目標値に対し略1.0mmだけプラスの位置に該加工
手段を位置決めさせるクセを有している限り、前記加工
手段は次回も前回と同じく不適切な位置(101.0mm)
付近で位置決めされてしまう。また、仮に前記101.
0mmがシート加工寸法の許容値範囲内であるとして、こ
の101.0mmの現在値を次回の補正された目標値(10
1.0mm)に採用すると、該ユニットはプラス方向へ約
1.0mmずれる傾向を有していることから、今度は10
2mm(101.0mm+1.0mm)の位置に位置決めされる。
つまり誤差が次第に累積し、むしろ更に不適切な値に位
置決めされる不都合を生ずることになる。
【0009】
【発明の目的】この発明は、前述した従来技術に係る位
置決め制御方法に内在している各種の欠点に鑑み、これ
を好適に解決するべく提案されたものであって、段ボー
ルシート加工装置におけるクリーザ刃やスロッタ刃等の
各種加工手段を位置決めするに際し、該加工手段を目標
値まで移動させても若干の誤差がある場合は、最適位置
へ到来させる微調整を一度行なえば、以後は該加工手段
を常に最適位置に位置決めし得る位置決め制御方法およ
びその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した問題点を解決
し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る段
ボールシート加工装置の位置決め制御方法は、段ボール
シートの所要部位に所要の加工を施す加工手段と、この
加工手段を該段ボールシートの所要部位に向け移動並び
に停止させる駆動手段と、この駆動手段に移動方向およ
び速度等に関する指令を与える指令制御部とを備え、こ
の指令制御部に前記駆動手段に関する位置等の情報をフ
ィードバックする制御方式を採用してなる段ボールシー
ト加工装置において、前記加工手段を該段ボールシート
の所要部位に位置決めするに際し、先ず該加工手段が正
確に位置決めされるべき値を目標値として最初の位置決
め制御を行なうと共に、現実に位置決めされた該加工手
段の現在値を読取ってこれを記憶し、この状態で段ボー
ルシートの試加工を行なって、その加工寸法が所要の許
容値範囲内にある場合は、位置修正することなく修正値
を現在値とし、前記試加工による加工寸法が許容値範囲
外にある場合は、前記加工手段を許容値範囲内となる位
置まで到来させる位置修正を行ない、前記現在値と位置
修正後の修正値との差分を演算すると共に、この差分を
前記目標値に与えた値をもって、次回以降における位置
決め用の目標値に置き換え、次回以降はこの置き換えら
れた目標値をもって、前記指令制御部により前記駆動手
段に指令を与えるようにしたことを特徴とする。
【0011】同じく前述した問題点を解決し、所期の目
的を好適に達成するため、本願の別の発明に係る位置決
め制御装置は、段ボールシートの所要部位に所要の加工
を施す加工手段と、この加工手段を該段ボールシートの
所要部位に向け移動並びに停止させる駆動手段と、この
駆動手段に移動方向および速度等に関する指令を与える
指令制御部とを備え、この指令制御部に前記駆動手段に
関する位置等の情報をフィードバックする制御方式を採
用してなる段ボールシート加工装置において、前記加工
手段を該段ボールシートの所要部位に位置決めするに際
し、先ず該加工手段が正確に位置決めされるべき値を目
標値として最初の位置決め制御を行なうと共に、現実に
位置決めされた該加工手段の現在値を読取ってこれを記
憶するための手段と、この状態で段ボールシートの試加
工を行なって、その加工寸法が所要の許容値範囲内にあ
る場合は、位置修正することなく修正値を現在値とし、
また前記試加工による加工寸法が許容値範囲外にある場
合は、前記加工手段を許容値範囲内となる位置まで到来
させる位置修正を行なう判断手段と、前記現在値と位置
修正後の修正値との差分を演算すると共に、この差分を
前記目標値に与えた値をもって、次回以降における位置
決め用の目標値に置き換える演算手段と、次回以降はこ
の置き換えられた目標値をもって、前記指令制御部によ
り前記駆動手段に指令を与える指令手段とから構成した
ことを特徴とする。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る段ボールシート加工装置
の位置決め制御方法および装置につき、好適な実施例を
挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。図2
は、この位置決め制御方法が実施される製函機の制御回
路を示している。図中で、例えばクリーザ刃(加工手段)
10を、スクリュー軸12により軸方向の任意の位置に
移動させるため、サーボモータ14がクリーザ本体(図
示せず)に配設されている。また位置決め制御装置16
は、サーボドライバ18に移動方向および速度に関する
指令を与えて、前記サーボモータ14の回転を制御する
ようになっている。また演算記憶位置決め装置20は、
最終製品としての段ボール箱22の各種寸法、溝の切込
み深さ、手掛け穴の打設位置等の仕様に関する展開式に
より得られた数値が入力・記憶され、各軸に対するクリ
ーザ刃10の位置決め目標値に関する指令を、位置決め
制御装置16に与えるようになっている。そして位置決
め制御装置16からは、次回の位置決め目標値が演算記
憶位置決め装置20に入力記憶される。なお前記サーボ
モータ14は、その回転軸にパルスエンコーダ24を備
え、該エンコーダ24からのパルス信号が、位置情報と
して位置決め制御装置16にフィードバックされる。な
お図2に示すサーボ制御系は、基本的に前述した簡易型
のセミクローズドループ方式を採用しているものとす
る。
【0013】このような製函機の制御回路を使用して位
置決めを行なった場合に、前回の位置決め時の目標値A
oが100.0mmであったのに、加工手段としてのクリ
ーザ刃10は目標値より1.0mmだけオーバーランし
て、101.0mm(100.0mm+1.0mm)の現在値Bo
で停止したとする。その後に段ボールシートの試加工を
行ない、得られた加工寸法を測定したところ、許容値限
界を越えていたと仮定する。そこでインチング操作によ
りクリーザ刃10を移動させ、最適な加工寸法が得られ
た時の修正値Bnを読み取ったところ、これが100.
4mm(101.0mm−0.6mm)であったと仮定する。この
場合は、最初の位置決め時における現在値Boと修正値
Bnとの差分Doが0.6mm(101.0mm−100.4m
m)であるから、その差分Doである0.6mmを次回の位
置決めのため、これを前記演算記憶位置決め装置20に
記憶させる。そして、前記差分Doである0.6mmを前
回の目標値Aoである100.0mmから控除した99.4
mm(100.0mm−0.6mm)を、次回の位置決め時の目標
値Anに置き換えて採用する。そして図2において、こ
の新たな目標値Anである99.4mmを、演算記憶位置
決め装置20から位置決め制御装置16に制御指令とし
て与えれば、前記サーボドライバ18は指令された目標
位置および速度でもって前記サーボモータ14を制御
し、クリーザ刃10は約100.4mm(99.4mm+1.0
mm)付近の最適位置で位置決めされることになる。すな
わち次回以降は、この置き換えられた新たな目標値An
(99.4mm)によって、前記位置決め制御装置16が前
記サーボドライバ18に指令を与えるものである。
【0014】図3は、本発明に係る位置決め制御方法の
基本的概念を概略的に示したものである。いま前回の目
標値をAoとし、これにより位置決めを実行した際の現
在値がBoであったとする。また加工手段10をインチ
ングにより修正した後の最適な修正値がBnであったと
する。この場合に今回の目標値Anは、目標値Ao+
(最適値Bn−現在値Bo)で表わされる。そして、この
今回の目標値Anにより位置決めを実行すると、今回に
期待される現在値は最適値Bnに合致することになる。
すなわち、目標値Anである(Ao+Bn−Bo)から、
予想される位置決め誤差である(Ao−Bo)を差し引く
ことにより、今回の現在値Bnが得られることになる。
【0015】前述の位置決め制御方法を、図1に示すフ
ローチャートに従って経時的に説明すれば以下の通りで
ある。例えば、前述したクリーザにおいて、クリーザ刃
10(加工手段)を仕様に応じ軸方向に所要距離だけ移動
・停止させる位置決めを行なうものとする。このときは
図1のステップS1で、位置決め目標値をAoに設定す
ると共に、この目標値Aoを演算記憶位置決め装置20
に記憶させる。次いでステップS2で自動位置決めを実
行し、加工手段10を所要距離だけ移動させた後に停止
させる。ステップS3で位置決め完了後の現在値Boを
読み取り、これを記憶させると同時に修正値Bnとして
Boをセットする。
【0016】次にステップS4で段ボールシートに対し
試加工を行なった後、ステップS5で該シートの加工寸
法が許容値範囲内に入っているか否かを確認する。該ス
テップS5での結果が否定(NO)であれば、次のステッ
プS6で、図2に示すインチング指令装置25によりイ
ンチング操作を行なって、加工手段10の位置を微調節
し、ステップS7で修正値Bnを補正後の現在値に置き
換える。そしてステップS4に戻って、前記段ボールシ
ートにおける試加工の再実行を行なう。また前記ステッ
プS5での結果が肯定(YES)であれば、ステップS8
で、次回の目標値を(Ao+Bn−Bo)として演算記憶
位置決め装置20に記憶させる。
【0017】次に実際の位置決め制御モードを、幾つか
の具体例に従って説明する。 (具体例1)段ボール箱の展開式から算出された目標値
(例:100.0mm)に、多少の修正を必要とする場合。
但し、製函機のユニットにおける機械的精度が高く、ま
た基本となる制御方式も高精度で、位置決め時の誤差は
ないものと仮定する。この場合に従来の方式では、次の
ようにして展開式における目標値の修正がなされる。
【0018】
【表1】
【0019】これに対し本実施例に係る位置決め制御方
法では、次のようにして展開式における目標値の修正が
なされる。
【0020】
【表2】
【0021】(具体例2)段ボール箱の展開式から算出さ
れた目標値(例:100.0mm)は正確であるが、製函機
の制御系・機械系において、現在値が目標値より略一定
して0.2mmだけオーバーランする場合。なお、大きい
方の許容値限界を100.7mmとする。この場合に従来
の方式では、次のようにして位置決めがなされる。
【0022】
【表3】
【0023】すなわち従来方法では、4回目の位置決め
を終了したところで、その現在値が許容値限界の10
0.7mmを越えてしまう。従って、5回目に移る前にイ
ンチング修正を行なって、現在値を100.0mmに直す
操作が必要とされる。すなわちフィードバック機能があ
るために、却って位置決め誤差が累積的に多くなる例で
ある。
【0024】これに対し本実施例に係る位置決め制御方
法では、次のようにして位置決めがなされる。
【0025】
【表4】
【0026】本実施例によれば、1度も位置決め時にお
ける許容値限界の100.7mmを越えることはない。従
って、目標値の修正を行なう必要がないものである。
【0027】(具体例3)段ボール箱の展開式から算出さ
れた目標値(例:100.0mm)は正確であるが、製函機
の制御系や機械系の不備を要因として、許容値限界の1
00.7mmを時々オーバーランする場合。しかもオペレ
ータは、許容値限界をオーバーランしても必ずしも修正
するとは限らず、また修正したとしても、目標値通りに
は正確に設定されないものと仮定する。この場合に従来
の方式では、次のようにして位置決めがなされる。
【0028】
【表5】
【0029】このように従来方法では、インチング修正
は必ずしも厳密に最適値まで持って行くものではなく、
許容値の範囲内の適当値に設定されるものである。従っ
て、随時インチングによる修正が要求されることにな
る。
【0030】これに対し本実施例に係る位置決め制御方
法では、次のようにして位置決めがなされる。
【0031】
【表6】
【0032】本実施例によれば、最初の1回目に目標値
を修正するだけでよく、2回目以降は許容誤差の範囲内
となっている。
【0033】以上の具体例において、殊に具体例2およ
び3の制御モードでは、本実施例に係る位置決め制御方
法が極めて効果的であることが判る。また図2に示す制
御回路は、セミクローズドループ方式の場合を例示した
が、クローズドループ方式は、高い位置決め精度が元々
得られるので、これに本実施例の位置決め制御方法を実
施してもよい。なお箱の形状が複雑で、該箱の展開式を
得るのが困難な場合において、本実施例に係る制御方法
を実施するときは、第1回の位置決めにおいて、別の適
当な仮の箱の展開式を用いて仮位置決めを行なうのがよ
い。そして、この仮位置決めを行なった後に、位置修正
を行なって最適な現在値を得れば、次回の目標値=仮の
箱の目標値+(最適現在値−仮の箱の現在値)により、当
該箱の正確に近い展開式が最初から存在する場合と同様
に、良好な位置決め補正効果が得られるものである。
【0034】
【発明の効果】このように、本発明に係る位置決め制御
方法およびその装置によれば、段ボールシート加工装置
におけるクリーザやスロッタ等の各種加工手段を位置決
めするに際し、該加工手段を目標値まで移動させても若
干の誤差がある場合に、これを最適位置へ到来させる微
調整を一度行なうだけで、以後は該加工手段を常に最適
位置に位置決めし得るものである。従って、段ボールシ
ート加工装置での位置決め回数を重ねる毎に、煩雑なイ
ンチング操作等により修正を行なう必要がなく、しかも
セミクローズドループ方式の如く、位置決め精度が比較
的高くない制御系を採用している場合に、低廉なコスト
で簡単に位置決め精度を向上させ得る有益な利点を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置決め制御方法を経時的に示す
フローチャートである。
【図2】本発明に係る位置決め制御方法が実施される製
函機の制御回路図である。
【図3】本発明に係る位置決め制御方法の基本的概念を
示す概略図である。
【符号の説明】
10 加工手段(クリーズィング刃) 14 サーボモータ 16 指令制御部(位置決め制御装置) 18 駆動手段(サーボドライバ) 20 演算記憶位置決め装置 24 パルスエンコーダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 段ボールシートの所要部位に所要の加工
    を施す加工手段(10)と、この加工手段(10)を該段ボール
    シートの所要部位に向け移動並びに停止させる駆動手段
    (14)と、この駆動手段(14)に移動方向および速度等に関
    する指令を与える指令制御部(16)とを備え、この指令制
    御部(16)に前記駆動手段(14)に関する位置等の情報をフ
    ィードバックする制御方式を採用してなる段ボールシー
    ト加工装置において、 前記加工手段(10)を該段ボールシートの所要部位に位置
    決めするに際し、先ず該加工手段(10)が正確に位置決め
    されるべき値を目標値(Ao)として最初の位置決め制御を
    行なうと共に、現実に位置決めされた該加工手段(10)の
    現在値(Bo)を読取ってこれを記憶し、 この状態で段ボールシートの試加工を行なって、その加
    工寸法が所要の許容値範囲内にある場合は、位置修正す
    ることなく修正値(Bn)を現在値(Bo)とし、 前記試加工による加工寸法が許容値範囲外にある場合
    は、前記加工手段(10)を許容値範囲内となる位置まで到
    来させる位置修正を行ない、 前記現在値(Bo)と位置修正後の修正値(Bn)との差分(Do)
    を演算すると共に、この差分(Do)を前記目標値(Ao)に与
    えた値をもって、次回以降における位置決め用の目標値
    (An)に置き換え、 次回以降はこの置き換えられた目標値(An)をもって、前
    記指令制御部(16)により前記駆動手段(14)に指令を与え
    るようにしたことを特徴とする段ボールシート加工装置
    の位置決め制御方法。
  2. 【請求項2】 前記現在値(Bo)に対して、位置修正後の
    修正値(Bn)がプラス側にオーバー状態となるときは、前
    記差分(Do)を前回の目標値(Ao)に加えることにより、次
    回以降における位置決め用の目標値(An)を求めるように
    した請求項1記載の段ボールシート加工装置の位置決め
    制御方法。
  3. 【請求項3】 前記現在値(Bo)に対して、位置修正後の
    修正値(Bn)がマイナス側にアンダー状態となるときは、
    前記差分(Do)を前回の目標値(Ao)から減ずることによ
    り、次回以降における位置決め用の目標値(An)を求める
    ようにした請求項1記載の段ボールシート加工装置の位
    置決め制御方法。
  4. 【請求項4】 段ボールシートの所要部位に所要の加工
    を施す加工手段(10)と、この加工手段(10)を該段ボール
    シートの所要部位に向け移動並びに停止させる駆動手段
    (14)と、この駆動手段(14)に移動方向および速度等に関
    する指令を与える指令制御部(16)とを備え、この指令制
    御部(16)に前記駆動手段(14)に関する位置等の情報をフ
    ィードバックする制御方式を採用してなる段ボールシー
    ト加工装置において、 前記加工手段(10)を該段ボールシートの所要部位に位置
    決めするに際し、先ず該加工手段(10)が正確に位置決め
    されるべき値を目標値(Ao)として最初の位置決め制御を
    行なうと共に、現実に位置決めされた該加工手段(10)の
    現在値(Bo)を読取ってこれを記憶するための手段と、 この状態で段ボールシートの試加工を行なって、その加
    工寸法が所要の許容値範囲内にある場合は、位置修正す
    ることなく修正値(Bn)を現在値(Bo)とし、また前記試加
    工による加工寸法が許容値範囲外にある場合は、前記加
    工手段(10)を許容値範囲内となる位置まで到来させる位
    置修正を行なう判断手段と、 前記現在値(Bo)と位置修正後の修正値(Bn)との差分(Do)
    を演算すると共に、この差分(Do)を前記目標値(Ao)に与
    えた値をもって、次回以降における位置決め用の目標値
    (An)に置き換える演算手段と、 次回以降はこの置き換えられた目標値(An)をもって、前
    記指令制御部(16)により前記駆動手段(14)に指令を与え
    る指令手段とから構成したことを特徴とする段ボールシ
    ート加工装置の位置決め制御装置。
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