JP2009226782A - 段ボール紙の罫入れ方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】段ボールシート製造ラインの罫入加工において、雄型罫線ロールと雌型罫線ロールの相互の紙幅方向の位置ずれを低コストで解消できる手段を実現する。
【解決手段】外周面に雄型21a又は雌型22aが形成された一対の罫線ロール21,22間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ方法において、該罫線ロールをサーボモータ32,33の駆動力により段ボール紙Wの紙幅方向aに配置された移動軸25,26上を移動させて紙幅方向aの位置決めを行ない、該一対の罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれに起因して発生する移動軸方向の力Fを該サーボモータの駆動力伝達機構を介してトルクに変換して該サーボモータに負荷し、該サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力Rを検知し、反力Rを低減するように該サーボモータを作動させて、該罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれを解消させる。
【選択図】図1
【解決手段】外周面に雄型21a又は雌型22aが形成された一対の罫線ロール21,22間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ方法において、該罫線ロールをサーボモータ32,33の駆動力により段ボール紙Wの紙幅方向aに配置された移動軸25,26上を移動させて紙幅方向aの位置決めを行ない、該一対の罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれに起因して発生する移動軸方向の力Fを該サーボモータの駆動力伝達機構を介してトルクに変換して該サーボモータに負荷し、該サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力Rを検知し、反力Rを低減するように該サーボモータを作動させて、該罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれを解消させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、段ボールシートを製造するコルゲートマシンのスリッタスコアラ、又は製函ラインのスロッタ・クリーザ部で罫入加工を行なう場合の罫入れ方法及び装置に関する。
コルゲートラインで連続的に製造される段ボールウェブは、コルゲートラインの最終工程付近で、スリッタにより、段ボールウェブの走行方向に沿って断裁(スリッティング)されて複数の丁取りがなされ、必要があれば、スコアラにより該走行方向に沿って罫入加工(スコアリング)が行なわれる。そして、丁取りされた各段ボールウェブは、ロータリカッタによりその幅方向(段ボールウェブ走行方向に対して直角方向)に沿って断裁されて、所定寸法の段ボールシートとなり、下流側のスタッカに積載される。
図4は、一般的な段ボール箱01の展開図であり、側板02から05に夫々天フラップ06〜09と底フラップ010〜013が連設されている。また、図面右端の側板05には接着片014が一体成形されており、側板05と図面左端の側板02とを内側に折り曲げて、接着片014を側板02に重合して接着することで、四角筒状の胴体が形成される。そして、底フラップ及び天フラップを折り曲げることにより、段ボール箱01の底蓋及び天蓋が形成される。
コルゲートマシンのスリッタスコアラで、帯状の段ボールウェブの長手方向両側縁部を仕上げ寸法とするトリミングが行なわれると共に、長手方向の罫線k1を付与する罫入加工が行なわれる。また、コルゲートマシンで製造された段ボールシートに対して、製函ラインのスロッタ・クリーザ部で、段ボールシートの幅方向に罫線k2を付与する罫入加工と、天フラップ又は底フラップ間に溝dを穿設する溝加工が行なわれる。罫線k1及びk2に沿って段ボールシートを折り曲げることにより、段ボール箱を形成できる。
罫入加工は、外周面に雄型又は雌型が形成された一対の罫線ロールが互いに対向して配置され、該雄型及び雌型間に段ボールウェブを通すことにより、実施される。罫線ロールは罫線ヘッドに回転可能に取り付けられ、罫線ヘッドは、紙幅方向に配置された移動軸に移動可能に取り付けられる。罫線ヘッドは、段ボールウェブ又は段ボールシート(以下「段ボールウェブ等」と称する。)のオーダ(仕上げ寸法)変更に応じて紙幅方向位置を調整可能である。一対の罫線ロールは駆動装置により夫々別方向に回転して、罫線ロール間に段ボールウェブ等を通すように構成されている。
図5は、罫入加工を行なう一対の罫線ロールの外周面を示す断面図であり、図6は、罫入加工後の段ボールシートW又は段ボールシートSの断面図である。図5において、外周面に凸型21aが形成された雄型罫線ロール21と、外周面に凹型22aが形成された雌型罫線ロール22が対向して配置されている。雄型罫線ロール21及び雌型罫線ロール22は、夫々図示しない別々の罫線ヘッドに回転可能に取り付けられている。該罫線ヘッドは、段ボールシートSの幅方向aに配置された図示しない移動軸上を移動可能に取り付けられ、紙幅方向aの位置を調整可能になっている。
なお、雄型罫線ロール21の外周面に形成される雄型又は雌型罫線ロール22の外周面に形成される雌型の形状は、今まで種々の形状が提案され、図5に示すような、一方が凸型、他方が凹型のような形状のみではない。
図5に示すように、雄型罫線ロール21と雌型罫線ロール22とが、中心線cに対して紙幅方向aに位置ずれがない場合は、図6に示すように、段ボールウェブ等W又はSに中心線cに沿った罫線kが形成される。そのため、製函ラインで段ボールシートSを折り曲げる場合に、中心線cに沿った折り曲げ線が形成でき、天フラップ06〜09又は底フラップ010〜013の継ぎ目がきちんと一致する。
ところが、図7に示すように、雄型罫線ロール21の中心線c1と雌型罫線ロール22の中心線c2とが一致しておらず、紙幅方向aにずれていると、点xにおいて凸型21aと凹型22a間の隙間が最も狭くなる。この状態で、点xで段ボールウェブ等W又はSに最も大きな荷重がかかる。この状態で罫入加工された段ボールウェブ等W又はSは、図8に示すように、中心線cではなく、罫圧が最も強く付加された点yを基準に折れ曲がるため、片折れが発生する。
図9に片折れが発生した段ボール箱01を示す。図9において、片折れbが発生すると、フラップ寸法fが変化するため、段ボールシートSを箱にする際、図9中の破線に示すように、継ぎ目が他方のフラップと一致しないという不具合が発生する。
特許文献1(特開2002−67191号公報)には、段ボールシートを罫線からの折り曲げを正確かつ能率良くできるようにした罫線の横断面形状が開示されている。この罫線の形状は、直線状の罫線の溝幅を深さよりも大きい断面横長矩形状にした罫線形状としたものである。これによって、溝底の一方の内隅角部から一方の段ボールシート部分を、他方の内隅角部から他方の段ボールシート部分を互いに重なり合うまで大きく折り曲げても、折曲点が変位することなく、正確に折り曲げられるようにしたものである。
特許文献2(特開2003−48259号公報)には、段ボールシートに形成された罫線に沿って高精度に折り曲げ可能とする罫線の構成が開示されている。この罫線は、左右対称に設けられた波状連続線により形成し、罫線部分の平均的強度を他の部分に比較して低下させることにより、罫線に沿って段ボールシートを折り曲げやすくしたものである。
特許文献1又は特許文献2に開示された手段は、罫線の横断面形状等、罫線の構造を種々工夫することによって、罫線からの正確な折り曲げを可能とするものである。従って、前述のように、雄型罫線ロールと雌型罫線ロール間の紙幅方向の相互の位置ずれが生じた場合に、それを解消するものではない。
雄型罫線ロールと雌型罫線ロールの紙幅方向の位置ずれの主たる原因は、これらロールとロールを駆動する駆動装置間を連結する機械部品の累積誤差から発生する。従って、この位置ずれをなくすためには、該機械部品の加工精度を向上させる必要がある。しかし、機械部品の加工精度を高めるためには、加工機械を高精度なものにする必要があるため、高コストになるという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、段ボールシートを製造するコルゲートマシンや、段ボールシートから段ボール箱を製造する製函ラインの罫入加工において、雄型罫線ロールと雌型罫線ロール間の相互の紙幅方向の位置ずれを低コストで解消できる手段を実現することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の段ボール紙の罫入れ方法は、
互いに対向して配置され外周面に雄型又は雌型が形成された一対の罫線ロール間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ方法において、
前記一対の罫線ロールをサーボモータの駆動力により段ボール紙の紙幅方向に配置された移動軸上を移動させて紙幅方向の位置決めを行ない、
該一対の罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれに起因して発生する移動軸方向の力をサーボモータの駆動力伝達機構を介してトルクに変換してサーボモータに負荷し、
サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力を検知し、該反力を低減するようにサーボモータを作動させることにより、罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれを解消させるようにしたものである。
互いに対向して配置され外周面に雄型又は雌型が形成された一対の罫線ロール間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ方法において、
前記一対の罫線ロールをサーボモータの駆動力により段ボール紙の紙幅方向に配置された移動軸上を移動させて紙幅方向の位置決めを行ない、
該一対の罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれに起因して発生する移動軸方向の力をサーボモータの駆動力伝達機構を介してトルクに変換してサーボモータに負荷し、
サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力を検知し、該反力を低減するようにサーボモータを作動させることにより、罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれを解消させるようにしたものである。
本発明方法では、罫線ロールを移動軸上を移動させる駆動装置としてサーボモータを用いる。サーボモータの回転力をサーボモータの駆動力伝達機構を介して罫線ヘッドに伝達する。罫線ヘッドには罫線ロールが回転可能に取り付けられている。これによって、一対の罫線ロールを移動軸上を移動させて紙幅方向の位置決めを行なう。
このとき、雄型罫線ロールの中心線と雌型罫線ロールの中心線とが紙幅方向に完全に一致していれば、段ボール紙を挟んで雄型罫線ロールと雌型罫線ロールとが互いに及ぼし合う紙幅方向の力は、中心線の両側で左右対称となり、互いに打消し合う。従って、雄型罫線ロール又は雌型罫線ロールから外部に負荷する紙幅方向の力は発生しない。
一方、雄型罫線ロールと雌型罫線ロール間で紙幅方向に位置ずれがあるときは、前述のように、図8のy点で段ボール紙に最も大きな罫圧がかかる。そのため、y点において、雄型罫線ロール及び雌型罫線ロール間には、互いに最も大きな力が作用し合う。そのため、雄型罫線ロール又は雌型罫線ロールに負荷される紙幅方向の力は左右対称とはならない。
従って、雄型罫線ロール又は雌型罫線ロールに負荷される紙幅方向の力は打ち消されずに、サーボモータの駆動力伝達機構を介して、サーボモータに伝達される。この場合、サーボモータに負荷される力は、サーボモータの駆動力伝達機構を伝わる過程でトルクに変換されてサーボモータに負荷される。サーボモータに該トルクが負荷されると、サーボモータは罫線ヘッドの現状の紙幅方向位置を保持しようとして、該トルクの絶対値と同等の反力を発生する。
この反力を検知し、該反力を低減させるようにサーボモータを作動すれば、雄型罫線ロールと雌型罫線ロール間の紙幅方向の位置ずれをなくす方向に雄型罫線ロール又は雌型罫線ロールを移動できるので、該位置ずれを解消することができる。
このように、本発明方法によれば、特別な装置又は制御手段を設けることなく、略既存の装置のみで前記位置ずれを解消できるので、コストアップとならない。
このように、本発明方法によれば、特別な装置又は制御手段を設けることなく、略既存の装置のみで前記位置ずれを解消できるので、コストアップとならない。
本発明方法において、サーボモータに負荷されるトルクに対してサーボモータが発生する反力が、段ボール箱成形時に片折れを生じない閾値以下となるようにサーボモータを作動させるようにするとよい。該トルク及び該反力は、位置ずれ量に比例して絶対値が大きくなる。従って、片折れを防止可能な位置ずれ量の限界に対応した反力値を閾値として定め、該反力を該閾値以下とするように、サーボモータを作動させることにより、確実に片折れを防止できる。
また、本発明方法において、該反力が低減するようにサーボモータを作動させる場合に、どちらか一方の罫線ロールの紙幅方向位置を固定し、他方の罫線ロールのサーボモータのみを作動させるようにするとよい。これによって、雄型罫線ロール又は雌型罫線ロールのうちどちらか一方のみのサーボモータを制御すればよいので、制御機構を簡素化できる。
また、前記本発明方法を実施するための本発明の段ボール紙の罫入れ装置は、
互いに対向して配置され外周面に雄型又は雌型が形成された一対の罫線ロールを備え、該一対の罫線ロール間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ装置において、
前記一対の罫線ロールが夫々回転可能に支持された一対の罫線ヘッドと、
段ボール紙の幅方向に配置され前記一対の罫線ヘッドが夫々移動可能に装着された一対の移動軸と、
罫線ヘッドに取り付けられ罫線ヘッドを移動軸上を移動させる駆動力を発生させるサーボモータと、
サーボモータの駆動力を罫線ヘッドに伝達すると共に、罫線ロールの紙幅方向位置ずれに起因して罫線ロールに発生する移動軸方向の力をトルクに変換してサーボモータに負荷する駆動力伝達機構と、
サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力を検知し、該反力が低減するようにサーボモータを作動させる制御装置と、を備えたものである。
互いに対向して配置され外周面に雄型又は雌型が形成された一対の罫線ロールを備え、該一対の罫線ロール間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ装置において、
前記一対の罫線ロールが夫々回転可能に支持された一対の罫線ヘッドと、
段ボール紙の幅方向に配置され前記一対の罫線ヘッドが夫々移動可能に装着された一対の移動軸と、
罫線ヘッドに取り付けられ罫線ヘッドを移動軸上を移動させる駆動力を発生させるサーボモータと、
サーボモータの駆動力を罫線ヘッドに伝達すると共に、罫線ロールの紙幅方向位置ずれに起因して罫線ロールに発生する移動軸方向の力をトルクに変換してサーボモータに負荷する駆動力伝達機構と、
サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力を検知し、該反力が低減するようにサーボモータを作動させる制御装置と、を備えたものである。
本発明装置において、サーボモータの駆動力を駆動力伝達機構を介して罫線ヘッドに伝達して罫線ロールを移動軸上を移動させる。前述のように、一対の罫線ロール間で紙幅方向位置ずれが生じた場合に、該位置ずれに起因して罫線ロールに負荷される移動軸方向の力がトルクに変換されて該サーボモータに負荷される。このとき、サーボモータでは、サーボモータは罫線ヘッドの現状の紙幅方向位置を保持しようとして、該トルクの絶対値と同等の反力を発生する。
前記制御装置により、該反力を検知し、該制御装置により該反力を低減するようにサーボモータを作動させればよい。
これによって、雄型罫線ロール又は雌型罫線ロールを紙幅方向の位置ずれをなくす方向に移動させることができるので、片折れを防止できる。本発明装置によれば、位置ずれ防止のための特別な装置又は制御回路を必要せず、低コストで片折れをなくすことができる。
これによって、雄型罫線ロール又は雌型罫線ロールを紙幅方向の位置ずれをなくす方向に移動させることができるので、片折れを防止できる。本発明装置によれば、位置ずれ防止のための特別な装置又は制御回路を必要せず、低コストで片折れをなくすことができる。
本発明装置において、サーボモータの駆動力伝達機構が、移動軸の外表面に形成された雄ネジ部と、罫線ヘッドに一体に取り付けられ該雄ネジ部と螺合する雌ネジを有すると共に、サーボモータの駆動軸と噛合って回転し移動軸上を移動する歯車機構と、から構成するとよい。かかる構成により、簡素化された構成で、罫線ロールの紙幅方向位置ずれに起因して罫線ロールに発生する移動軸方向の力をトルクに変換して、精度良くサーボモータに負荷させることができる。
本発明方法及び本発明装置によれば、特別な装置又は制御装置を必要とせず、略既存の装置で、簡素且つ低コストに、段ボール箱の片折れを防止できる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1は、コルゲートマシンのスリッタスコアラに設けられた本実施形態に係るスコアラ装置の正面図であり、図2は、該スコアラ装置の罫線ロール外周面付近の横断面図、図3は、前記スコアラ装置の制御手順を示すフローチャートである。
図1において、スコアラ装置20は、段ボールウェブWの走行ラインを挟んで、該走行ラインの上方に移動軸25が配置され、該走行ラインの下方に移動軸26が配置されている。移動軸25及び26は、段ボールウェブWの幅方向a(機械幅方向)に平行に配置され、図示しないフレーム間に架設されている。移動軸25には罫線ヘッド23が移動軸25の軸方向に移動可能に取り付けられている。移動軸25の表面は雄ネジ25aが形成されている。罫線ヘッド23に一体にナット27が取り付けられ、ナット27の中心部に軸方向に穿設された孔に雌ネジが形成され、該雌ネジが雄ネジ25aと螺合している。
ナット27には歯車29が一体に固設されている。ナット27と歯車29は、罫線ヘッド23に回転可能に取り付けられている。罫線ヘッド23にはサーボモータ32が取り付けられ、サーボモータ32の駆動軸32aには、歯車29と噛合う歯車34が一体に取り付けられている。かかる構成により、サーボモータ32が作動すると、サーボモータ32の回転出力は、駆動軸32a、歯車34及び29を介してナット27に伝達され、ナット27が回転することで、罫線ヘッド23が移動軸25上を軸方向に移動可能になっている。
段ボールウェブWの走行ラインの下方に配置された移動軸26及び罫線ヘッド24も、移動軸25及び罫線ヘッド23の構成と同一である。即ち、移動軸26の表面には、雄ネジ26aが形成され、雄ネジ26aはナット28に穿設された孔に形成された雌ネジと螺合している。罫線ヘッド24に取り付けられたサーボモータ33が作動することにより、サーボモータ33の回転出力は、駆動軸33aから歯車35及び31を介して、ナット28に伝達される。これによって、ナット28が回転し、罫線ヘッド24が移動軸26上を軸方向に移動可能となる。
サーボモータ32及び33は、互いに同期して作動するため、罫線ヘッド23及び24は、移動軸25又は26上を互いに同期して移動し、そのため、罫線ヘッド23及び24は、常に紙幅方向aで同じ位置を保持する。スコアラ装置20には、かかる罫線ヘッド23及び24からなる罫線ヘッドユニットが複数組配置され、それらの罫線ヘッドユニットは、紙幅方向aの適宜位置に置かれて、段ボールウェブWに対して、同時に複数の罫入加工を可能としている。
図2に示すように、雄型罫線ロール21の外周面には凸型21aが形成され、雌型罫線ロール22の外周面には凹型22aが形成されている。凸型21aと凹型22a間に段ボールウェブWを通すことによって、罫入加工を行ない、図6に示すような罫線kが付与される。この場合、雄型罫線ロール21と雌型罫線ロール22の中心線cが、図5に示すように、紙幅方向aに完全に一致しているときは、段ボール箱成形時に、中心線cに沿って折り曲げできるために、片折れは発生しない。
図2に示すように、サーボモータ32と移動軸25間の機械部品の微小な誤差の累積が主たる原因で、中心線cに対して雄型罫線ロール21が紙幅方向aにずれる場合がある。この場合、凸型21aと凹型22a間の隙間が点xで最も狭くなる。この状態で罫入加工すると、点xで罫圧が最も大きくなり、段ボールウェブWが点xで幅狭となる。そのため、段ボール箱成形時に、点xに沿って段ボールウェブWが折れ曲がるため、片折れが発生する。
このとき、雌型罫線ロール22には、紙幅方向aに力F1と力F2が負荷される。点xで罫圧が最も大きくなるために、F1>F2となる。従って、差し引きF(=F1−F2)の力が雌型罫線ロール22に負荷されることになる。力Fは、雌型罫線ロール22から罫線ヘッド24に伝達され、罫線ヘッド24からナット28に伝達される。
ナット28に移動軸方向(紙幅方向a)の力Fが伝達されると、移動軸26の表面に形成された雄ネジ26aから螺旋方向の反力を受けるため、ナット28に回転力が発生する。その回転力が歯車31及び35を介して、トルクとしてサーボモータ33に負荷される。サーボモータ33に該トルクが負荷されると、サーボモータ33では、罫線ヘッド24の現状の紙幅方向位置を保持しようとして、該トルクの絶対値と同等の反力Rを発生する。この反力Rを制御装置40で検知し、制御装置40で反力Rを低減するように、サーボモータ33を作動させる。制御装置40には、反力Rを検知するためのサーボアンプが内蔵されている。
以下、コルゲートマシンの運転手順を含めた制御装置40による制御手順を図3により説明する。
図3において、コルゲートマシンの運転開始前では、サーボモータ32及び33を同期作動させて、罫線ヘッド23及び24を移動軸25又は26上を移動させ、罫線ヘッド23,24の紙幅方向aの位置決めを行なう(ステップ1)。次に、コルゲートマシンで、段ボールシートSを製造するための運転を開始する(ステップ2)。次に、帯状の段ボールウェブWに対し、スコアラ装置20で、罫線ロール21及び22による罫入加工を行なう(ステップ3)。
図3において、コルゲートマシンの運転開始前では、サーボモータ32及び33を同期作動させて、罫線ヘッド23及び24を移動軸25又は26上を移動させ、罫線ヘッド23,24の紙幅方向aの位置決めを行なう(ステップ1)。次に、コルゲートマシンで、段ボールシートSを製造するための運転を開始する(ステップ2)。次に、帯状の段ボールウェブWに対し、スコアラ装置20で、罫線ロール21及び22による罫入加工を行なう(ステップ3)。
次に、ステップ4で、雄型罫線ロール21と雌型罫線ロール22間の紙幅方向aの位置ずれが発生し、該位置ずれに起因したトルクがサーボモータ33に負荷され、該トルク値と同等の反力Rがサーボモータ33に発生したとする。そのときは、反力Rを制御装置40で検知すると共に、反力Rを閾値±ΔTと比較する(ステップ5)。反力Rが、−ΔT≦R≦ΔTの範囲内であれば、雌型罫線ロール22の紙幅方向位置ずれを修正しなくても、片折れのおそれがないと判定して、雌型罫線ロール22の紙幅方向位置を現状保持とする(ステップ7)。
反力Rが前記範囲外であれば、制御装置40から反力Rを減少させる方向に罫線ヘッド24を移動させるように、サーボモータ33に指令を出す。この指令に従って、サーボモータ33を作動させ、雌型罫線ロール22を反力Rを低減させる方向(図2中では右方向)に移動させる(ステップ6)。この結果、反力Rが低減して、前記範囲内になったら、罫線ヘッド24の移動を停止させる(ステップ7)。このようにして、罫入加工を行い、段ボールシートSを製造する。段ボールシートSの製造が終了したら、運転を終了する(ステップ8)。
このようにして、制御装置40により、罫線ヘッド24の紙幅方向位置を調整することにより、雄型罫線ロール21と雌型罫線ロール22間の位置ずれを矯正できるため、段ボール箱成形時の片折れを防止できる。
なお、雌型罫線ロール22が力Fを受けた場合、雄型罫線ロール21も力Fと逆方向で同等の力を受ける。そのため、サーボモータ32にも力Fに起因したトルクが負荷されるが、本実施形態では、制御装置40により、雄型罫線ロール21の紙幅方向位置調整を行なわず、雌型罫線ロール22の紙幅方向位置調整のみ行なうようにしている。これによって、制御装置40による制御を簡素化できるようにしている。なお、雌型罫線ロール22の紙幅方向位置調整を行なわずに、代わりに雄型罫線ロール21の紙幅方向位置調整を行なうようにしてもよい。
本実施形態によれば、雄型罫線ロール21と雌型罫線ロール22間の紙幅方向位置ずれに起因して発生した力Fを、雌型罫線ロール22を駆動するサーボモータ33にトルクに変換して負荷し、制御装置40により、該トルクに対応してサーボモータ33で発生した反力Rを閾値内に減少するように、サーボモータ33を作動させることで、該位置ずれに起因した片折れを防止できる。
このように、特別な装置や複雑な制御装置を必要とせず、略既存の装置のみで片折れを防止できる。そのため、サーボモータ32,33と移動軸25,26間に介在する駆動力伝達機構の高精度な加工を必要とせず、低コストで片折れを防止できる。
本実施形態では、本発明を段ボールシートを製造するコルゲートマシンのスコアラ装置に適用したが、本発明は、コルゲートマシンの下流側に設けられる製函ラインのスロッタ・クリーザ部での罫入加工にも適用できる。
本発明によれば、段ボール箱の製造中、罫入加工の不具合により段ボール箱を成形する際に発生する片折れを略既存の装置のみで低コストで防止でき、有益である。
01 段ボール箱
20 スコアラ装置
21 雄型罫線ロール
21a 凸型
22 雌型罫線ロール
22a 凹型
23、24 罫線ヘッド
25、26 移動軸
25a、26a 雄ネジ
29、31、34、35 歯車
32、33 サーボモータ
32a、33a サーボモータ駆動軸
40 制御装置
a 段ボール紙幅方向
k、k1、k2 罫線
R 反力
S 段ボールシート
W 段ボールウェブ
20 スコアラ装置
21 雄型罫線ロール
21a 凸型
22 雌型罫線ロール
22a 凹型
23、24 罫線ヘッド
25、26 移動軸
25a、26a 雄ネジ
29、31、34、35 歯車
32、33 サーボモータ
32a、33a サーボモータ駆動軸
40 制御装置
a 段ボール紙幅方向
k、k1、k2 罫線
R 反力
S 段ボールシート
W 段ボールウェブ
Claims (5)
- 互いに対向して配置され外周面に雄型又は雌型が形成された一対の罫線ロール間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ方法において、
前記一対の罫線ロールをサーボモータの駆動力により段ボール紙の紙幅方向に配置された移動軸上を移動させて紙幅方向の位置決めを行ない、
該一対の罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれに起因して発生する移動軸方向の力をサーボモータの駆動力伝達機構を介してトルクに変換してサーボモータに負荷し、
サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力を検知し、該反力を低減するようにサーボモータを作動させることにより、罫線ロール間相互の紙幅方向位置ずれを解消させるようにしたことを特徴とする段ボール紙の罫入れ方法。 - 前記反力が段ボール箱成形時に片折れを生じない閾値以下となるようにサーボモータを作動させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の段ボール紙の罫入れ方法。
- 前記反力が低減するようにサーボモータを作動させる場合に、どちらか一方の罫線ロールの紙幅方向位置を固定し、他方の罫線ロールのサーボモータのみを作動させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の段ボール紙の罫入れ方法。
- 互いに対向して配置され外周面に雄型又は雌型が形成された一対の罫線ロールを備え、該一対の罫線ロール間に段ボール紙を通して罫入れ加工を行なう段ボール紙の罫入れ装置において、
前記一対の罫線ロールが夫々回転可能に支持された一対の罫線ヘッドと、
段ボール紙の幅方向に配置され前記一対の罫線ヘッドが夫々移動可能に装着された一対の移動軸と、
罫線ヘッドに取り付けられ罫線ヘッドを移動軸上を移動させる駆動力を発生させるサーボモータと、
サーボモータの駆動力を罫線ヘッドに伝達すると共に、罫線ロールの紙幅方向位置ずれに起因して罫線ロールに発生する移動軸方向の力をトルクに変換してサーボモータに負荷する駆動力伝達機構と、
サーボモータに負荷される該トルクに対応してサーボモータに発生する反力を検知し、該反力が低減するようにサーボモータを作動させる制御装置と、を備えたことを特徴とする段ボール紙の罫入れ装置。 - 前記駆動力伝達機構が、移動軸の外表面に形成された雄ネジ部と、罫線ヘッドに一体に取り付けられ該雄ネジ部と螺合する雌ネジを有すると共に、サーボモータの駆動軸と噛合って回転し移動軸上を移動する歯車機構と、からなることを特徴とする請求項4に記載の段ボール紙の罫入れ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008076035A JP2009226782A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | 段ボール紙の罫入れ方法及び装置 |
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JP (1) | JP2009226782A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019166742A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | Acs株式会社 | 罫線加工装置 |
-
2008
- 2008-03-24 JP JP2008076035A patent/JP2009226782A/ja not_active Withdrawn
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