JPH06154907A - タレットパンチプレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マルチツールを用いる場合であっても、その
中の同じ単位ツールでワークに対して多様な加工ができ
るようにする。 【構成】 マルチツール用パンチ工具１ａは、構造体
３、単位パンチ工具４、６、ギア付筒体８、１０、これ
らのギアと噛合するリングギア２１、このギアと噛み合
うインデックス用ウォーム２４等を有する。マルチツー
ル用のダイ工具１ｂも同様に、構造体２６、単位ダイ工
具２７、２９、ダイホルダのそれぞれのギアと噛合する
リングギア３５、これと噛合するインデックス用ウォー
ム３６等を有する。又、単位パンチ工具４のパンチホル
ダ４ｂの頭部の係合部には、矢印方向に昇降及び回転す
るロータリラム４０が係合している。 【効果】 同じ単位工具を回転させて使用することによ
り、板材に多様な加工をすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、タレットの１ステーシ
ョン内に複数の単位ツールを備えたマルチツールと昇降
するラムとを有し前記単位ツールでパンチ加工すること
ができるマルチツールを備えたタレットパンチプレスに
関する。

【０００２】

【従来の技術】タレットパンチプレスとしては、パンチ
工具としてタレットの１ステーション内に複数のパンチ
を備えたマルチツールを用い、タレット全体に装着可能
なパンチ工具の種類を増加させたものが従来から知られ
ている。このような従来のタレットパンチプレスでは、
タレットを位置決めした後、マルチツール全体を回転さ
せることにより、その中で使用する単位ツールをラムの
昇降位置に割り出すようにしていた。

【０００３】しかしながら、このようなタレットパンチ
プレスでは、マルチツール内の個々の単位ツールは常に
一定の位置（向き）で使用されるため、同一ツールによ
り多様な加工を行うことができなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、マルチツールを用いる場合であ
っても、その中の同じ単位ツールで多様な加工を行うこ
とができるタレットパンチプレスを提供することを課題
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、タレットの１ステーション内に複数の単位
ツールを備えたマルチツールと昇降するラムとを有し前
記単位ツールでパンチ加工することができるマルチツー
ルを備えたタレットパンチプレスにおいて、前記ラムは
その中心から偏心した位置に前記単位ツールと対向する
単位ツール打ち部を備え、前記単位ツールは回転自在に
支持され、前記中心を中心として前記ラムを回転させる
ラム回転手段と前記単位ツールを回転させる単位ツール
回転手段とを有することを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明によれば、ラム回転手段によりラムを回
転させ、ラムのツール打ち部を使用しようとするマルチ
ツール内の何れかの単位ツールに対向させることができ
るので、マルチツール全体を回転させなくてもその中の
目的とする単位ツールを選択することができる。そし
て、回転自在に支持されたそれぞれの単位ツールを単位
ツール回転手段により回転させることができるので、選
択した同一の単位ツールの方向を変えることができる。
その結果、単位ツールのそれぞれの向きに対応した穴明
けが可能になり、ワークに対して各種の多様な加工をす
ることができる。

【０００７】

【実施例】図１は、本発明のタレットパンチプレスに用
いられるマルチツールの一例を示し、図２はその単位ツ
ールを回転させる回転機構の概略を示す。タレットの１
ステーション内に複数の単位ツールを備えたマルチツー
ル１は、マルチツール用パンチ工具１ａとして、上タレ
ット１１０のステーション１１０ａにキー２を介して嵌
入されている構造体３と、単位ツールとしての４つの単
位パンチ工具４、５、６、７と、これらを嵌入して摺動
自在に支持すると共にこれらに回転を伝達するギア付筒
体８、９、１０、１１と、構造体３に固定されギア付筒
体８、９、１０、１１を回転自在に支持する軸受１２、
１３、１４、１５と（１３、１４は図示せず）、ツール
を打ち込んだ後に復帰させる復帰用スプリング１６、１
７、１８、１９と（１７、１９は図示せず）、各ツール
を押さえ込むカバー部材２０と、ギア付筒体８、９、１
０、１１のそれぞれのギアと噛合するリングギア２１と
を備えている。符号２２、２３は、ギア付筒体８、１０
の回転を単位ツール４、６に伝達する係合ピンである。
又、単位ツールを回転させる単位ツール回転手段として
は、図示しない駆動手段により回転駆動されリングギア
２１と噛合するインデックス用ウォーム２４が設けられ
ている。

【０００８】単位パンチ工具４、５、６、７は、例えば
パンチツール４で説明すると、パンチ４ａと、頭部が係
合部になっていてパンチ４ａを支持しているパンチホル
ダ４ｂと、パンチする時にダイとの間で穴明けされる板
材を押さえ込む樹脂ストリッパ４ｃとを備えている。

【０００９】マルチツール１用のダイ工具１ｂもパンチ
工具１ａと同様な回転機構を有し、下タレット１１４の
ステーション１１４ａにキー２５を介して嵌入されてい
る構造体２６と、ギアを備えたダイホルダ２７ａ、２８
ａ、２９ａ、３０ａ内にダイ２７ｂ、２８ｂ、２９ｂ、
３０ｂを嵌入して構成された単位ツールとしての４個の
単位ダイ工具２７、２８、２９、３０（２８、３０は図
示せず）と、構造体２６に固定されダイホルダを回転自
在に支持する軸受３１、３２、３３、３４と（３２、３
４は図示せず）、ダイホルダのそれぞれのギアと噛合す
るリングギア３５とを備えている。又、単位ツール回転
手段として、図示しない駆動手段により回転駆動されリ
ングギア３５と噛合するインデックス用ウォーム３６が
設けられている。

【００１０】単位パンチ工具４のパンチホルダ４ｂの頭
部の係合部には、図３に詳細構造を示すように、矢印方
向に昇降及び回転するロータリラム４０が係合してい
る。

【００１１】図３は、実施例のタレットパンチプレスの
ラムの構造を示す。ラム３７は、上下に順次連結された
上部ラム３８と、中間ラム３９と、ロータリラム４０と
により構成されている。

【００１２】上部ラム３８は、図示しないクランク式の
ラム駆動機構を構成しているピットマンアーム４１にピ
ン４２で結合されている。中間ラム３９は、上部ラム３
８に嵌合により結合されていると共に、タレットパンチ
プレスの上フレーム１０２（図５に示す）内のガイド筒
４３に昇降自在に嵌合している。ロータリラム４０は、
その上端のＴ形頭部４０ａが中間ラム３９の鍵形連結部
３９ａに回転自在に連結されていると共に、その中心か
ら偏心した位置に単位ツール打ち部としての加圧突出部
４０ｂを備えていて、更に、マルチツールでない通常の
ツールを打ち込むための加圧面４０ｃを有する。符号４
０ｄ及び４０ｅは、それぞれマルチツール及び通常ツー
ルの引上げ用突出部である。又、ロータリラム４０の外
周には、その昇降をガイドするスリーブ４４を介してウ
ォームホイール４５ａが取り付けられたギア付リング４
５が嵌合している。このギア付リング４５は、上フレー
ム１０２に取り付けられたラム支持部材４６に固定スリ
ーブ４７を介して回転自在に抜け止め状態に取り付けら
れている。ロータリラム４０とギア付リング４５との間
には、回転が伝達されるようにキー４８が嵌合してい
る。又ギア付リング４５のウォームホイール４５ａに
は、ウォーム４９が噛み合っている。

【００１３】図４は、ラム回転手段としてのロータリラ
ム割出回転機構５０の一例を示す。ロータリラム割回転
機構５０は、割出用サーボモータ５１と、プーリ５２、
５３と、タイミングベルト５４と、ウォーム４９が固定
された駆動軸５５と、ラム支持部材４６（図３）に取り
付けられ駆動軸５５を回転自在に支持する軸受５５、５
６等により構成されている。

【００１４】図５は、以上のようなマルチツール及びこ
れに対応したラムを装着することができるタレットパン
チプレスの概略構成を示す。パンチプレス機は、下部フ
レーム１０１と、下部フレーム１０１の上方に配置され
た上部フレーム１０２と、上部フレーム１０２を後方で
支持するスロート部１０３とによりその主要部分が構成
されている。

【００１５】下部フレーム１０１の上面両側部には、一
対のガイドレール１０４、１０５が配置されていて、そ
の上には、キャリッジ１０６が奥行き方向（Ｙ方向）に
移動可能に配置されている。キャリッジ１０６には、移
動テーブル１０７、１０８が固定されていて、これらの
間に固定テーブル１０９が配置されている。またキャリ
ッジ１０６には、図示していないが、パンチ加工される
板材Ｗを挟持するためのワークホルダ及びこれを左右方
向（Ｘ方向）に移動させるクロススライドが設けられて
いる。

【００１６】上部フレーム１０２には、複数のステーシ
ョンを備えその中に通常のパンチ工具及びマルチツール
のパンチ工具が装着される図１にも示した上タレット１
１０が配置されている。又、スロート部１０３の側部に
は、機械の制御及び操作をするためのコントロール部１
１１が配置されている。

【００１７】図６は、上記タレットパンチプレスのタレ
ット部分の構造を示す。上タレット１１０は、複数のス
テーション１１０ａを有し、上部フレーム１０２に固定
されたフレーム１１２から支軸部１１３で回転自在に支
持されている。フレーム１１２の上方には、図示しない
クランク機構によって昇降するピットマン４１が設けら
れ、その下部には、ラム３７が昇降自在に支持されてい
る。下タレット１１４は上タレット１１０に対向して配
設され、下部フレーム１０１に固定されたフレーム１１
５から上方に突出した支軸部１１６に回転自在に支持さ
れている。上下タレットは、相互に同期して回転駆動さ
れ、使用するステーションがパンチ位置に割り出される
ようになっている。上下タレットの各ステーションに
は、それぞれパンチ工具１１７及びダイ工具１１８が取
り付けられている。本図では、パンチ工具及びダイ工具
は、マルチツール用のものではなく、通常のツール用と
して示されている。

【００１８】以上のような構成により、本タレットパン
チプレスでは、次の如くパンチ加工が行われる。まず上
下タレットの各ステーションに予め所定のパンチ工具及
びダイ工具を装着する。この場合、本発明のタレットパ
ンチプレスではマルチツールを使用できるので、通常の
ツールに加えてマルチツールも装着する。次にパンチ加
工する板材Ｗを機械の側方からテーブル上に供給し、ワ
ークホルダに挟持させて初期状態に設定する。更にコン
トロール部１０３で所定のパンチ加工を行うために必要
な入力をする。

【００１９】このような初期設定を行った後、図示しな
いメインスイッチをオンすることにより、加工プログラ
ムに従って自動的に一連のパンチ加工が行われる。即
ち、板材Ｗは、穴を明けようとする位置がパンチ位置に
なるようにＸ及びＹ方向に移動され、続いて上下タレッ
トが回転して選択されたパンチ工具及びダイ工具がパン
チ位置に移動され、この状態で両タレットが固定され
る。

【００２０】マルチツールでない通常のツールで加工す
る場合には、上記において上下タレットはそのツールの
位置で固定され、クランク機構の回転により、ラム３７
が昇降し、そのロータリラム４０の中心部の加圧面４０
ｃが図６に示す通常のパンチ工具１１７のパンチを打ち
込むと共に、ロータリラム４０の突出部４０ｅが同工具
を引上げ、パンチ工具を往復動させて板材Ｗを孔明け
し、再び板材Ｗが移動されて次の所定位置に設定され、
同様に穴明けが行われ、このような工程が順次繰り返さ
れることにより所定のパンチ加工が施工される。

【００２１】マルチツールで加工する場合には、上下タ
レットは使用しようとするマルチツールの位置で固定さ
れる。そして、ロータリラム割回転機構５０の割出用サ
ーボモータ５１を回転させ、駆動軸５５に固定されたウ
ォーム４９を回転させることによりロータリラム４０を
回転させ、単位パンチ工具４、５、６、７中の使用しよ
うとする工具例えば単位パンチ工具４の位置に加圧突出
部４０ｂが対向するようにロータリラム４０の位置を割
り出す。又、単位パンチ工具４及びこれに対応するダイ
が板材Ｗを加工しようとする形状に適しない角度になっ
ている場合には、それらのインデックス用ウォーム２４
及び３６を回転させてこれと噛合しているリングギア２
１及び３５並びにギア付筒体８及びダイホルダ２７ａを
回転させ、単位パンチ工具４及び及びこれに対向してい
る単位ダイ工具２７をそれらの中心軸Ｃを中心として回
転させることによりその向きを変え、これらを使用しよ
うとする角度に割り出す。そして上記と同様にラム３７
を昇降させ、ロータリラム４０の加圧突出部４０ｂによ
り、パンチホルダ４ｂを介してパンチ４ａを打ち込んで
板材Ｗに穴明けする。その後パンチ４ａ及びパンチホル
ダ４ｂは、復帰用スプリング１６によりラム３７の上昇
と共に引き上げられる。以下板材Ｗの移動により同様に
して順次パンチ加工が行われる。そして次に、同じ単位
パンチ工具４を用いて板材Ｗに別の加工をするときに
は、単位パンチ工具４を回転させる。このような加工方
法でパンチ加工すると、例えば図７（ａ）に示す形状の
横長のパンチ４ａを最初の位置から順次９０°回転させ
て使用することにより、板材Ｗに同図（ｂ）に示すよう
な長方形の部分ｗを打ち抜くことができる。即ち、本発
明の如きマルチツールを装備するタレットパンチプレス
では、工具を変更することなく板材Ｗに多様な加工がで
きることになる。

【００２２】

【発明の効果】以上の如く本発明によれば、同一の単位
マルチツールを用いて多様な加工をすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のタレットパンチプレスのマルチツール
の断面図である。

【図２】上記マルチツールの回転駆動部を示す概略平面
図である。

【図３】上記タレットパンチプレスのラムの構造を示す
断面図である。

【図４】上記ラムの回転駆動部を示す概略平面図であ
る。

【図５】実施例のタレットパンチプレスの概略構造を示
す斜視図である。

【図６】上記タレットパンチプレスのタレット部分の断
面図である。

【図７】（ａ）及び（ｂ）は、上記タレットパンチプレ
スで同じ単位ツールを用いて板材を加工する場合の加工
例を示す説明図である。

【符号の説明】

１ａ マルチツール用パンチ工具（マルチツール） １ｂ マルチツール用ダイ工具（マルチツール） ４、５、６、７ 単位パンチ工具（単位ツール） ８、９、１０、１１ ギア付筒体（単位ツール回転手
段） ２１ リングギア（単位ツール回転手段） ２４ インデックス用ウォーム（単位ツール回転手
段） ２７、２８、２９、３０ 単位ダイ工具（単位ツー
ル） ３５ リングギア（単位ツール回転手段） ３６ インデックス用ウォーム（単位ツール回転手
段） ３７ ラム ４０ｂ 加圧突出部（単位ツール打ち部） ４５ ギア付リング（ラム回転手段） ４９ ウォーム（ラム回転手段） ５０ ロータリラム割出回転機構（ラム回転手段） １１０ 上タレット（タレット） １１０ａ ステーション １１４ 下タレット（タレット）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タレットの１ステーション内に複数の単
   位ツールを備えたマルチツールと昇降するラムとを有し
   前記単位ツールでパンチ加工することができるマルチツ
   ールを備えたタレットパンチプレスにおいて、 前記ラムはその中心から偏心した位置に前記単位ツール
   と対向する単位ツール打ち部を備え、前記単位ツールは
   回転自在に支持され、前記中心を中心として前記ラムを
   回転させるラム回転手段と前記単位ツールを回転させる
   単位ツール回転手段とを有することを特徴とするタレッ
   トパンチプレス。