JPH06154587A - シームレスカプセル製造装置 - Google Patents

シームレスカプセル製造装置

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JPH06154587A
JPH06154587A JP30846192A JP30846192A JPH06154587A JP H06154587 A JPH06154587 A JP H06154587A JP 30846192 A JP30846192 A JP 30846192A JP 30846192 A JP30846192 A JP 30846192A JP H06154587 A JPH06154587 A JP H06154587A
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成通 武井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型の加振装置で均一かつ微小な粒径のシー
ムレスカプセルの製造を可能にする。 【構成】 多重ノズル7から硬化用液10の中に多層液
流を噴出させてジェット液流7aを形成し、このジェッ
ト液流7aを振動で分断して多層液滴を形成し、前記多
層液滴を硬化用液10と接触させてシームレスカプセル
SCを製造する装置である。前記多重ノズル7にカプセ
ル形成用の液流を供給する管路6,9の一部を可撓性材
料で形成し、その可撓性部分6hを加振装置25で振動
させて多層液滴を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシームレスカプセルの製
造技術、特にノズルからジェット液流を噴出させ、これ
を分断することにより形成される液滴によって製造され
るシームレスカプセルの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被覆層に継ぎ目のないカプセル、即ちシ
ームレスカプセルを製造する技術において、特に通常の
軟カプセルより小さく、マイクロカプセルより大きなカ
プセルを製造するのに適した技術として、二重ノズル、
三重ノズルなどの多重ノズルから多層液流を気中または
液中に噴出させて多層液滴を形成させ、この多層液滴の
最外層液を硬化用液と反応させることにより、内層の液
を包封してシームレスカプセルを得る方法が広く知られ
ている。
【0003】このうち、液中に多層液流を噴出させる方
法は、ノズルの先端から連続した液柱状のジェット液流
が形成され、このジェット液流を牽引または振動によっ
て分断して多層液滴とするのが普通であり、特に振動を
付与する方法は均一な液滴が得られ、好ましいものであ
る。
【0004】たとえば、多重ノズル自体を振動させてシ
ームレスカプセルを形成する技術は特開昭57−190
32号および同59−112833号公報に開示されて
いる。
【0005】さらに、ノズルから噴出されたシームレス
カプセル形成用の液流をリングの中を通過させる際に、
該リングを振動させることによりシームレスカプセルを
製造する技術が、たとえば特公昭53−1067号公報
に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術のノズル振動方式およびリング振動方式にはそれ
ぞれ次のような欠点があることを本発明者らは見い出し
た。
【0007】まず、従来のノズル振動方式の欠点として
は、次の(1) 〜(3) が挙げられる。
【0008】(1).ノズルの質量が大きいため、加振源の
エネルギーが大となり、装置が大型化する。また、この
ため振動の遮断が困難で、余分の振動が他の部分に伝わ
り、液滴が乱れる。
【0009】(2).振幅を一定値以上にしないと加振の効
果がないが、振幅を保って振動数を大きくするのが困難
である。
【0010】(3).液中ノズル法においては、硬化用液系
も密封系とするのが普通であり、この場合ノズルと加振
装置の連結に困難を伴う。
【0011】次に、リング振動方式の欠点としては、次
の(a) ,(b) が挙げられる。
【0012】(a).硬化用液の流れが振動で乱れるので、
液滴の落下も乱れてリングに衝突するなどの事故を起こ
し易い。
【0013】(b).前記ノズル振動方式の欠点(2) と同様
に、リングと加振装置の連結に困難が伴う。
【0014】本発明の1つの目的は、均一な粒径のシー
ムレスカプセルを得ることのできるシームレスカプセル
製造技術を提供することにある。
【0015】本発明の他の1つの目的は、小型の加振装
置で済み、不要振動の影響を防止できるシームレスカプ
セル製造技術を提供することにある。
【0016】本発明の他の1つの目的は、加振源と振動
部分との連結が簡単で、かつ近接して設置できるシーム
レスカプセル製造技術を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の1つの目的は、振動部
分の振動数を大きくすることができ、微小な粒径のシー
ムレスカプセルを製造できる技術を提供することにあ
る。
【0018】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0020】すなわち、本発明の1つのシームレスカプ
セル製造装置においては、多重ノズルにカプセル形成用
の液流を供給する管路の少なくとも一部を可撓性の材料
で形成し、その可撓性部分に振動を与えるようにしたも
のである。
【0021】
【作用】上記した本発明のシームレスカプセル製造装置
によれば、管路の可撓性部分を振動させることにより、
多重ノズルから噴出される多層液流は均一な多層液滴と
して生成され、良好なシームレスカプセルを製造するこ
とができる上に、管路の可撓性部分を振動させる振動装
置は、その管路の可撓性部分の質量がノズルの質量に比
して小さいので、小型化でき、また振動数を大きくして
微小な粒径のシームレスカプセルを製造することもでき
る。
【0022】また、多重ノズルから噴出された多層液流
は、ジェット液流をノズル先端部に形成する。このジェ
ット液流を振動により分断して均一な粒径のシームレス
カプセルを形成させることができる。
【0023】
【実施例1】図1は本発明のシームレスカプセル製造装
置の一実施例を示す概略説明図であり、図2(a) 〜(c)
は図1の要部をなす管路加振構造の一実施例の拡大部分
断面図である。
【0024】図1のシームレスカプセル製造装置におい
て、シームレスカプセルを形成するための芯液(内層
液)1は芯液用タンク2の中に貯留され、またこの芯液
1を被覆する皮膜液(外層液)3は皮膜液用タンク4の
中に貯留されている。
【0025】芯液1はポンプ5により芯液用タンク2か
ら管路6を経て多重ノズル7に圧送される一方、皮膜液
3はポンプ8により皮膜液用タンク4から管路9を経て
前記多重ノズル7に圧送される。
【0026】図1の実施例におけるシームレスカプセル
製造装置は液中ノズル式の構造であるので、多重ノズル
7は、硬化用液10を供給するための主流路を形成する
上部開放型の主流路管26の入口部に挿入され、該硬化
用液10の中に芯液1と皮膜液3とを噴出し、後者が前
者の全周囲を被覆するように構成されている。
【0027】そして、本実施例では、図2に拡大部分断
面図で示す如く、管路6,9の一部としてのダイヤフラ
ム状の可撓性部分6hが多重ノズル7に直結されかつ加
振装置25で加振される構造が採用されている。
【0028】したがって、本実施例では、多重ノズル7
から噴出された芯液1と皮膜液3とは硬化用液10内で
ジェット液流7aを形成し、加振装置25で管路6,9
のダイヤフラム状の可撓性部分6hに与えられる軸方向
の振動が管路6から供給される芯液1を介して多重ノズ
ル7の噴出口に伝達されることにより、主流路管26内
の硬化用液10の中において該ジェット液流7aは分断
されて多層液滴として形成され、主流路管26の中を流
れるにつれて硬化用液10の働きで硬化され、シームレ
スカプセルSCとして形成される。
【0029】前記のようにして加振装置25でダイヤフ
ラム状の可撓性部分6hに加振する場合、たとえば金属
製の剛体である多重ノズル7の全体を振動させる従来技
術に比較して、単に質量の小さいダイヤフラム状の可撓
性部分6hを振動させるだけでよいので、加振装置25
は小型でよく、また多重ノズル7の全体を振動させるよ
うな不要な振動による悪影響を防止できる。
【0030】そして、このようにして形成されたシーム
レスカプセルSCは、主流路管26の出口端から分離タ
ンク16の傾斜多孔体17の上に硬化用液10と共に流
下し、該傾斜多孔体17で硬化用液10から分離され、
かつ該傾斜多孔体17の傾斜面上を転がって製品回収容
器18の中に回収される。
【0031】分離タンク16内の硬化用液10はポンプ
19により管路20を経て冷却タンク21に圧送され
る。冷却タンク21内での硬化用液10は冷却器22で
所定の温度に冷却された後、ポンプ23により管路24
を経て主流路管26の中に戻される。
【0032】
【実施例2】図3(a) 〜(c) は本発明における管路加振
構造の他の実施例を示す拡大部分図である。
【0033】本実施例においては、図1および図2の実
施例のように可撓性部分6hを振動させるのに代えて、
管路6および(または)9の他の一部を振動させる構造
となっている。これについて管路6を代表例として詳細
に説明する。
【0034】すなわち、本実施例の管路6の一部、たと
えば多重ノズル7に近接した部分は、たとえばゴム、プ
ラスチック、あるいは薄膜状金属材料の如き可撓性の材
料により可撓性部分6a(あるいは9a)として形成さ
れている。
【0035】そして、この可撓性部分6aには加振装置
25が連結され、その加振装置25により該可撓性部分
6aを所望の振動数と振幅で振動させるよう構成されて
いる。
【0036】したがって、本実施例においては、芯液用
タンク2および皮膜液用タンク4の各々からポンプ5,
8で管路6,9を経て多重ノズル7に供給される芯液1
と皮膜液3とは、管路6,9の可撓性部分6a,9aに
おいて加振装置25による振動を与えられ、多重ノズル
7から噴出される際に所望の大きさの液滴として生成さ
れる。
【0037】特に、本実施例の場合、管路6,9の可撓
性部分6a,9aは多重ノズル7に比べて質量が小さい
ので、加振装置25は小型で足りる上に、加振装置25
と可撓性部分6a,9aとの連結部分が簡単かつ近接状
態で配設できる。
【0038】また、可撓性部分6a,9aは多重ノズル
7に比べて振動数を大きくできる自由度があり、より微
小なシームレスカプセルを製造できる。
【0039】なお、図3の(a) 〜(c) は本発明による管
路6の可撓性部分6aに対して加振装置25で振動を付
与する場合の加振方向の例をも示している。
【0040】すなわち、図3(a) は、矢印で示す如く、
可撓性部分6aに対して管路6の交差方向(直角方向ま
たは斜め方向)に加振する場合、(b) は管路6と同一方
向ないし伸縮方向に加振する場合、(c) は管路6の両側
から交差方向に同期的に圧縮・解放を繰り返して加振す
る場合をそれぞれ示している。
【0041】
【実施例3】図4は本発明における管路加振構造の他の
実施例を示す拡大部分図である。
【0042】この実施例では、管路6の可撓性部分6a
に卵形の膨張部分6b(異形部分)を設け、この膨張部
分6bに対して交差方向から加振装置25による振動を
与える構造であり、その膨張部分6bの存在により、大
振幅の効率的な振動が可能である。
【0043】
【実施例4】図5は本発明における管路加振構造の他の
実施例を示す拡大部分図である。
【0044】本実施例においては、管路6の可撓性部分
6aに対して、同じく可撓性材料で作られた中空の球形
部分6c(異形部分)を連結し、この球形部分6cを相
対向する2つの加振装置25,25で対向方向から同期
的に加振するよう構成されている。
【0045】本実施例の場合にも、球形部分6cに圧縮
・解放の繰り返しによる振動を付与することにより、小
型の加振装置25で所望通りの振動が発生され、良好な
液滴生成が可能である。
【0046】
【実施例5】図6は本発明における管路加振構造のさら
に他の実施例を示す拡大部分図である。
【0047】図6の実施例では、管路6の一部に、可撓
性材料で作られた略中空ドラム状の可撓性部分6d(異
形部分)が形成され、この可撓性部分6dをたとえば矢
印の如く対向方向から圧縮・解放を繰り返すことによ
り、加振して振動させるよう構成されている。
【0048】この実施例においても、中空ドラム状の可
撓性部分6dの存在により、所望通りの加振を行うこと
ができる。
【0049】
【実施例6】図7は本発明における管路加振構造の他の
実施例の拡大部分図である。
【0050】本実施例においては、管路6の一部に、略
蛇腹状の可撓性部分6e(異形部分)が形成されてい
る。
【0051】この可撓性部分6eの蛇腹構造により、こ
の可撓性部分6eに軸方向の対向方向から圧縮・解放の
繰り返しによる振動を付与すると、該可撓性部分6eは
容易に振動し、良好な加振が行われる。
【0052】
【実施例7】図8は本発明における管路加振構造のさら
に他の実施例の拡大部分図である。
【0053】この実施例においては、管路6の一部に非
可撓性材料のカップ状の拡大部分6fと、この拡大部分
6fに対向して設けた可撓性材料の弯曲形ダイヤフラム
状の可撓性部分6g(異形部分)とを有している。
【0054】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0055】たとえば、多重ノズルは二重ノズルの他に
三重ノズルなどでもよく、その多層液滴の生成のために
必要な振動方式も様々なものを利用できる。その場合、
多重ノズルの場合には、芯液、皮膜液、中間液の少なく
とも1つの管路もしくは多重管路のいずれかを加振すれ
ばよい。
【0056】また、シームレスカプセルの多層液滴の内
層および外層の成分などについても任意である。
【0057】さらには、管路6および(または)9の可
撓性部分の構造も他の構造であってもよい。
【0058】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0059】(1).多重ノズルから硬化用液の中に噴出さ
れた液流がジェット液流を形成し、このジェット液流を
管路の少なくとも一部への加振により分断して多層液滴
を形成するので、均一な粒径のシームレスカプセルを得
ることができる。
【0060】(2).振動を管路の一部の可撓性部分に付与
するので、多重ノズル全体に振動を付与する場合に比べ
て、質量が小さく、小型の加振装置で足り、またそのこ
とにより不要の振動による悪影響の発生を回避できる。
【0061】(3).加振装置と管路の振動部分との連結が
簡単で、かつ両者を近接して設置できる。
【0062】(4).多重ノズルを振動させる場合に比べ
て、管路の可撓性部分を振動させる方が、その可撓性構
造の故に、振動数を大きくすることができ、微小な粒径
のシームレスカプセルを製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシームレスカプセル製造装置の一実施
例を示す概略説明図である。
【図2】(a) 〜(c) は図1の要部をなす管路加振構造の
一実施例の拡大部分断面図である。
【図3】(a) 〜(c) は本発明における管路加振構造の他
の実施例を示す拡大部分図である。
【図4】本発明における管路加振構造の他の実施例を示
す拡大部分図である。
【図5】本発明における管路加振構造のさらに他の実施
例を示す拡大部分図である。
【図6】本発明における管路加振構造のさらに他の実施
例の拡大部分図である。
【図7】本発明における管路加振構造のさらに他の実施
例の拡大部分図である。
【図8】本発明における管路加振構造のさらに他の1つ
の実施例を示す拡大部分図である。
【符号の説明】
1 芯液(内層液) 2 芯液用タンク 3 皮膜液(外層液) 4 皮膜液用タンク 5 ポンプ 6 管路 6a 可撓性部分 6b 膨張部分(異形部分) 6c 球形部分(異形部分) 6d 可撓性部分(異形部分) 6e 可撓性部分(異形部分) 6f 拡大部分 6g 可撓性部分(異形部分) 6h 可撓性部分(異形部分) 7 多重ノズル 7a ジェット液流 8 ポンプ 9 管路 9a 可撓性部分 10 硬化用液 16 分離タンク 17 傾斜多孔体 18 製品回収容器 19 ポンプ 20 管路 21 冷却タンク 22 冷却器 23 ポンプ 24 管路 25 加振装置 26 主流路管 SC シームレスカプセル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重ノズルからカプセル形成用の液流を
    硬化用液内に噴出させてジェット液流を形成させ、この
    ジェット液流を振動によって分断して多層液滴を形成
    し、前記液滴を硬化用液と接触させてシームレスカプセ
    ルを製造する装置であって、前記多重ノズルに前記カプ
    セル形成用の液流を供給する管路の少なくとも一部を可
    撓性の材料で形成し、その可撓性部分に振動を与えるよ
    う構成したことを特徴とするシームレスカプセル製造装
    置。
  2. 【請求項2】 前記可撓性部分は、前記管路の他の部分
    と略同一径であることを特徴とする請求項1記載のシー
    ムレスカプセル製造装置。
  3. 【請求項3】 前記可撓性部分は、前記管路の一部に形
    成された異形部分であることを特徴とする請求項1記載
    のシームレスカプセル製造装置。
  4. 【請求項4】 前記可撓性部分は、前記多重ノズルに直
    結されていることを特徴とする請求項1、2または3記
    載のシームレスカプセル製造装置。
  5. 【請求項5】 前記可撓性部分は、前記多重ノズルに直
    結されかつ加振装置に連結されたダイヤフラム状の可撓
    性部分であることを特徴とする請求項1記載のシームレ
    スカプセル製造装置。
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