JPH06154530A - フィルタおよびその製法 - Google Patents

フィルタおよびその製法

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JPH06154530A
JPH06154530A JP31233192A JP31233192A JPH06154530A JP H06154530 A JPH06154530 A JP H06154530A JP 31233192 A JP31233192 A JP 31233192A JP 31233192 A JP31233192 A JP 31233192A JP H06154530 A JPH06154530 A JP H06154530A
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JP
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fibers
filter
resistant
inorganic
continuous
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JP31233192A
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English (en)
Inventor
Takashi Tanioka
隆 谷岡
Katsunori Shimazaki
勝乗 嶋崎
Akiyoshi Yamane
朗義 山根
Kan Hosokawa
完 細川
Koshirou Kitada
湖志郎 北田
Koji Mamiya
孝司 真宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NISHIKAWA ROOZU KK
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
NISHIKAWA ROOZU KK
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊維が任意
の曲線を描いて集積されることにより、任意の曲率半径
を有する円弧によって囲まれた3次元的に連通した空隙
が形成されると共に、該空隙を形成する繊維同士の交点
が、無機質バインダーによって接合された集積構造体か
らなるフィルタおよびその製法を開示する。 【効果】 油煙や煤塵等を効率よく除去することができ
ると共に、加熱燃焼処理やアルカリ洗浄等により油分等
を容易に洗浄できて再使用することができ、しかも耐熱
性や取扱い性に優れたフィルタが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油煙や煤塵等を効率よ
く除去することのできるフィルタに関し、特に除去性能
が高く且つ加熱燃焼処理あるいはアルカリ洗浄等により
油分等を容易に洗浄できて再使用することのできるフィ
ルタおよびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば厨房用ガスレンジ等から発生する
油煙や微細な浮遊物を含む排ガスは、通常図2に示す様
な排気ダクト2を通して油分や煤塵等を除去した後、屋
外へ放出される。
【0003】即ち、排気ダクト2の出口部には換気用フ
ァン4が設けられると共に、入口部にはグリスフィルタ
3が配置される。該グリスフィルタ3としては、アルミ
ニウム等の金属製バッフル構造体が使用されており、ガ
スレンジ1等から発生した油煙を油滴として該フィルタ
3に付着させることにより、油煙等が屋外へそのまま放
出されたり、或は排気ダクト2や換気用ファン4などに
油滴が付着するのを防止している。この様なフィルタの
素材としては、上記アルミニウム製のものの他、ガラス
繊維や有機繊維等を素材とする不織布等を使用すること
もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記フィルタへの油分
付着量は比較的短期間のうちに飽和に達し、その後は付
着油分が下方に落下してガスレンジ等を汚染する。その
ためフィルタはその都度洗浄しなければならないが、媒
塵等と共に付着した油分の除去は非常に煩雑で手数がか
かるので、大抵の場合は洗浄・再使用することなく新品
と取り替えているのが実情である。しかしながらフィル
タの使い捨てには、コスト高および資源浪費という問題
があるので、繰り返し利用を実現させるため、浄化再生
処理の容易なフィルタを開発することが望まれる。
【0005】ところで油分の洗浄には、通常水酸化ナト
リウム等のアルカリ系洗浄剤が多用されているが、アル
ミニウム製のフィルタはアルカリ洗浄で腐食し易く、ま
たガラス繊維製の不織布よりなるフィルタも耐アルカリ
性に欠けるため、いずれも浄化・再利用に適したものと
はいえない。しかもガラス繊維不織布には、アスベスト
繊維等と同様に単繊維が脱落・飛散し易いという難点が
あるので、一般家庭用としては実用性を欠く。また有機
繊維不織布は耐熱性が乏しく発火の恐れもあるため、厨
房用としては使用できない。
【0006】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、油煙や煤塵等を効率よく
除去することができると共に、加熱燃焼あるいはアルカ
リ性洗剤等により油分等を容易に洗浄できて再使用する
ことができ、しかも耐熱性や取扱い性に優れたフィルタ
およびその製法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るフィルタの構成は、耐熱・耐アル
カリ性の無機質連続繊維が任意の曲線を描いて集積され
ることにより、任意の曲率半径を有する円弧によって囲
まれた3次元的に連通した空隙が形成されると共に、該
空隙を形成する繊維同士の交点が、無機質バインダーに
よって接合された集積構造体からなるものであるところ
に要旨を有するものであり、この集積構造体は、厚さ方
向に空隙率の異なるものとしたり、あるいは有機質もし
くは無機質の繊維からなる不織布マットと重ね合わせて
複合フィルタとすることもできる。
【0008】またこの様なフィルタは、耐熱・耐アルカ
リ性の無機質連続繊維を、任意の曲線を描いて集積する
ことにより、任意の曲率半径を有する円弧によって囲ま
れた3次元的に連通した空隙を形成すると共に、該集積
および空隙形成の前後任意の時期に前記連続繊維表面に
撥水処理を施し、次いでバインダーを用いて、前記空隙
を形成する繊維同士の交点を接合することによって容易
に得ることができる。
【0009】また、耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊
維と焼失性連続繊維を使用し、これらを任意の曲線を描
いて集積することにより、任意の曲率半径を有する円弧
によって囲まれた3次元的に連通した空隙を形成すると
共に、該空隙を形成する繊維同士の交点をバインダーに
よって接合した後で、焼失性連続繊維を焼失除去する方
法を採用すれば、用途・目的に応じた任意の空隙率のフ
ィルタを一層簡単に得ることができる。
【0010】更に、耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊
維とガラス繊維とを、任意の曲線を描いて集積すること
により、任意の曲率半径を有する円弧によって囲まれた
3次元的に連通した空隙を形成した後、該集積体を、前
記無機質連続繊維の軟化温度未満で且つ前記ガラス繊維
の軟化温度以上に加熱処理することによりガラス繊維を
溶融せしめ、該溶融ガラスを無機質連続繊維の交点部に
付着させてから冷却すると、無機質連続繊維の交点部に
ガラスがほぼ球状に固まって付着接合したものが得られ
る。
【0011】
【作用】上記の様に本発明のフィルタは、耐熱・耐アル
カリ性に優れた連続繊維を基本構成材とし、たとえば図
1(集積状態を例示する平面拡大図)に示す如く連続繊
維を任意の曲線を描いて集積することにより、3次元的
に連通した無数の空隙が形成されると共に、連続繊維同
士の交点を後述する様な方法でバインダーにより接合し
てなるものであり、従来のフィルタに比べて単位重量当
たりの油分吸着の有効面積および細孔面積が著しく大き
く優れた除塵効果を有しており、しかも空隙率が大きい
ので通気抵抗が少なく、且つ加熱燃焼やアルカリ洗浄等
による油分等の除去清掃も容易に行なうことができる。
【0012】本発明において耐熱・耐アルカリ性の無機
質連続繊維としては、シリカ繊維、アルミナ繊維、アル
ミノシリケート繊維、ジルコニア繊維、炭化珪素繊維等
のセラミックス質の連続繊維および炭素繊維よりなる連
続繊維が使用される。
【0013】ここでフィルタ素材として不織布の様な短
繊維の集合体を使用すると、前述の如くカット繊維の
脱落・飛散等が起こり易い、繊維相互の隙間が非常に
小さいため目詰りを起こし易く且つ圧損が大きい、油
分吸着量が飽和した後の浄化が困難である、といった様
々の問題があるが、連続繊維を使用した場合はこの様な
問題が起こらず、取扱い性、油分等の除去効率、浄化容
易性等のすべてにおいて優れた効果が得られる。
【0014】尚本発明において連続繊維とは、連続した
単繊維であってもよいが、適度の可撓性を確保すると共
に、より大きな細孔面積を確保して油分等の吸着性能を
高めるうえでは、7〜25μm程度の長尺細線を100
〜1000本程度集束してなる連続繊維を使用するのが
良い。またこの様な集束した連続繊維を使用した場合
は、該繊維の解繊度を高めることによって媒塵等の捕集
効率を高めることも可能になるので好ましい。
【0015】また集積体の空隙率は、油分および媒塵等
の除去効率や圧損、アルカリ洗浄等の容易性を総合的に
考慮して決めれば良く、一般的なのは70〜95%、よ
り好ましくは75〜85%程度である。
【0016】前記図1に示した様な集積構造体(フィル
タ)は、任意の形状の成形型の開口部上方から、複数条
の連続繊維を任意の曲線を描きながら集積した後、たと
えばアルカリ金属珪酸塩系無機接着剤、りん酸塩系接着
剤、コロイダルシリカ系無機接着剤、その他の無機質高
分子接着剤等の無機質バインダーを含む溶液もしくは分
散液をスプレー法等によって供給してから乾燥し、連続
繊維の交点をこれらのバインダーで接合することによっ
て得ることができ、該集積体の空隙率や繊維間隙間の大
きさ等は、使用する連続繊維の太さや上方から供給され
る連続繊維の数、あるいは曲線を描いて集積していくと
きの曲率の大小等によって自由に調整することができ、
更には、集積後該集積体をわずかに加圧してから連続繊
維の交点をバインダーで接合することにより形決めをす
る際に、該加圧の程度をコントロールすることによって
調整することができる。
【0017】このとき、細繊維を集束してなる連続繊維
を使用するときは、上記バインダーが集束した繊維間に
浸透し、連続繊維が硬質化して可撓性が低下するばかり
でなく、該繊維間隙間が充満されることによって油分等
の吸着容量が低下する恐れがある。従ってこの様な場合
は、バインダーによる交点接合の前に連続繊維表面をテ
フロンや流動パラフィン等によって撥水処理しておけ
ば、バインダーは連続繊維内に浸透することなくその表
面ではじかれて交点部に集中的に付着することになり、
繊維の硬質化や吸着容量の低下を生じることなく交点部
の接合をより確実に行なうことができるので好ましい。
【0018】また連続繊維の集積密度をその厚さ方向に
変化させ、集積構造体の空隙率を厚さ方向で異なるもの
とすることも可能である。例えば、下層側は連続繊維の
集積密度を高め、上層側に行くにつれて集積密度を荒く
していけば、上方へ行くほど空隙率の荒い集積構造体を
得ることができる。また下層側と上層側に堆積させる連
続繊維の繊維径や細線の集束本数を変えてやれば、厚さ
方向で空隙率の異なる集積構造体を得ることができる。
【0019】また連続繊維の集積密度を下げて空隙率を
高めるための他の方法として、耐熱性の連続繊維と焼失
性の有機質繊維を混合して集積し、交点接合の後で加熱
処理して有機質繊維を焼失させる方法がある。この方法
であれば混合して集積された有機質繊維は最終的に焼失
してしまうので、その分だけ空隙率が高められることに
なり、該有機質繊維の混合比率を変えることによりフィ
ルタとしての集積密度(空隙率)を変えることができ
る。
【0020】更に、耐熱性無機質連続繊維とガラス繊維
とを、任意の曲線を描いて集積することにより、任意の
曲率半径を有する円弧によって囲まれた3次元的に連通
した空隙を形成した後、該集積体を、前記無機質連続繊
維の軟化温度未満で且つ前記ガラス繊維の軟化温度以上
に加熱処理してガラス繊維を溶融させると、該溶融ガラ
スは無機質連続繊維の交点部に集中的に付着して無機質
バインダーとして作用し、これを冷却すると無機質連続
繊維の交点部にガラスがほぼ球状に付着して固化した多
孔質の集積構造体を得ることができる。また、耐熱性無
機質連続繊維とガラス繊維を交互に層状に堆積してから
同様に加熱処理してガラス繊維のみを溶融させた場合で
も、同様にガラス繊維が溶融して無機質繊維の交点部に
集中的に付着し、同様の多孔質集積構造体を得ることが
できる。
【0021】本発明に係るフィルタの形状は、適用され
る部位の形状に応じて任意の形状に成形することがで
き、またその厚さも用途目的に応じて任意に変えること
ができるが、その厚さは2〜10mmの範囲が一般的で
ある。ちなみに2mm未満の薄肉のものでは油分等の吸
着除去効果が不十分であるばかりでなく、油分等の付着
容量が不足するため頻繁に洗浄しなければならず、また
10mmを超えても除去効率はそれ以上にはあまり上が
らず使用時の圧損のみが大きくなるからである。また上
記の集積構造体は、それ単独でフィルタとして使用し得
る他、油煙や煤塵などの含有量によっては該集積構造体
を2枚以上を組み合わせて一体のフィルタとすることも
可能である。この場合、空隙率の異なる集積構造体や、
耐熱性の異なる集積構造体の2種以上を組み合わせて複
層構造とすることも可能である。このとき、特に厨房用
レンジフィルターの様に高温条件に曝される部位へ適用
する場合は、吸引される気流の上流側により耐熱性の高
い集積構造体を配置することが望まれる。
【0022】さらに上記集積構造体と耐熱繊維よりなる
不織布などを重ね合わせて複合フィルタとすることも可
能である。特に、上記集積構造体の間に耐熱繊維からな
る不織布を挟み込んで複層構造とすれば、油煙などは集
積構造体の部分で除去され、微細な煤塵などは不織布の
部分で効率的に除去されるので、清浄化効果の高い複合
フィルタとして非常に優れたものとなる。
【0023】以下、実施例を挙げて本発明の構成および
作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより
下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後
記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施す
ることも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的
範囲に含まれるものである。
【0024】
【実施例】
実施例1 アルミナ繊維(組成:Al2O3/SiO2=70/30、単繊維径:1
0μm、集束数:320本)を5本使用し、夫々の連続
繊維を5本のノズルから下方の成形型内へ曲線を描きな
がら垂下させて堆積せしめ、連続繊維が曲線状に積層さ
れた目付量450g/m2の堆積物とし、これに有機質バイ
ンダー(アクリル系樹脂)と無機質バインダー(コロイ
ダルシリカ)の混合物の水分散液をスプレー塗布した
後、140℃で乾燥させて繊維の交点部を接合した後、
更に600℃に加熱処理して有機質バインダーを焼失せ
しめ、厚さ8mmの集積構造体を得た。この集積構造体
は、連続繊維が不規則なループ状を形成しつつ互いに交
差してその間に3次元的に連通した空隙が形成されてお
り、空隙率が約85%のマット状繊維集合体であった。
【0025】実施例2 アルミナ繊維(組成:Al2O3/SiO2=60/40、単繊維径:7
μm、集束数:640本)を5本使用し、上記実施例1
と同様にして連続繊維が曲線状に積層された目付量45
0g/m2の堆積物とした後、これに低融点ガラス(組成:
PbO−B2 3 −ZnO系)粉末の水分散液をスプレ
ー塗布し、600℃で熱処理して繊維同士の交点部を接
合し、厚さ8mmの集積構造体を得た。この集積構造体
は、連続繊維が不規則なループ状を形成しつつ互いに交
差してその間に3次元的に連通した空隙が形成されてお
り、空隙率が約85%のマット状繊維集合体であった。
【0026】実施例3 表面に流動パラフィンを付着させたアルミナ繊維(組
成:Al2O3/SiO2=60/40、単繊維径:7μm、集束数:6
40本)を5本使用して、上記実施例1と同様にして連
続繊維が曲線状に積層された目付量450g/m2の堆積物
とし、これに有機質バインダー(アクリル系樹脂)と無
機質バインダー(カリウム系水ガラス)の混合物の水分
散液をスプレー塗布した後、140℃で乾燥させて繊維
の交点部を接合した後、更に600℃に加熱処理して有
機質バインダーを焼失せしめ、厚さ5mmの集積構造体
を得た。この集積構造体は、連続繊維が不規則なループ
状を形成しつつ互いに交差してその間に3次元的に連通
した空隙が形成されており、空隙率が約75%のマット
状繊維集合体であった。
【0027】実施例4 前記実施例1と同様の方法で積層して得た、集束数32
0本のアルミナ繊維よりなる目付300g/m2の堆積物の
上に、組成および単繊維径が同一で集束数が640本の
アルミナ繊維を用いてト−タル目付量が450g/m2にな
るまで同様の方法で積層した後、実施例1と同様にして
交点接合を行ない、厚さ7mmの集積構造体を得た。こ
の構造体は上面側と下面側で連続繊維の集積密度が異な
るものであり、全体としての空隙率は約85%であっ
た。
【0028】実施例5 前記実施例1と同様の方法で積層して得た、集束数32
0本のアルミナ繊維よりなる目付300g/m2の堆積物を
得た後、用いた5本のノズルのうち3本からは同じアル
ミナ繊維を供給し、2本のノズルからはポリエステル繊
維を供給して、上記堆積物の上にトータル目付量が45
0g/m2となるまで積層し、次いで実施例1と同様にして
交点接合を行なった。その後、600℃で1時間加熱処
理してポリエステル繊維を燃焼消失させた。得られた堆
積構造体における表面側は、ポリエステル繊維の消失に
よって堆積密度が粗となっており、全体としての空隙率
は約85%であった。
【0029】実施例6 アルミナ繊維(組成:Al2O3/SiO2=70/30、単繊維径:1
0μm、集束数:320本)とガラス繊維(Eガラス)
を使用し、5本のノズルのうち3本からはアルミナ繊維
を、また2本のノズルからはガラス繊維を同時に送り出
し、夫々の連続繊維を下方の成形型内へ曲線を描きなが
ら垂下させて堆積せしめ、連続繊維が曲線状に積層され
た目付量550g/m2の堆積物とした後、これにアクリル
系樹脂バインダーをスプレー塗布し、140℃で乾燥さ
せて繊維の交点部を接合して厚さ8mmの集積構造体を
得た。この集積構造体を1000℃で10分間加熱処理
してガラス繊維を溶融させてから冷却すると、アルミナ
繊維のみが不規則なループ状を形成しつつ互いに交差し
てその間に3次元的に連通した空隙が形成されており、
該繊維の交点にはガラスがおおよそ球状に固まって付着
しており、空隙率が約85%のマット状繊維集合体が得
られた。
【0030】実施例7 アルミナ繊維(組成:Al2O3/SiO2=70/30、単繊維径:1
0μm、集束数:320本)の集積体とガラス繊維(E
ガラス)の集積体を、層間にホットメルトバインダーを
塗布して交互に7層積層した後、該積層体を1000℃
で10分間加熱処理してガラス繊維を溶融させてから冷
却すると、ガラスがアルミナ繊維同士の交点部に集中的
に付着して固化し、アルミナ繊維が3次元的に絡まって
連通した空隙が形成され、該繊維の交点がガラスにより
接合された、空隙率が約80%のマット状繊維集合体が
得られた。
【0031】上記各実施例で得た集積構造体(フィル
タ)を、厨房用ダクトの吸引口に装着して油煙および煤
塵の除去を行なった後、汚染したフィルタを650℃で
20分間加熱処理したところ、堆積構造体の空隙率は殆
ど減少することなく付着物はほぼ完全に除去され、支障
なく再使用することができる状態に清浄化することがで
きた。またこのフィルタは、汚染後も繊維交点部が接合
されることにより多孔質の立体構造をそのまま維持して
おり、アルカリ洗浄も可能であった。
【0032】これに対し、公知のガラス繊維不織布を用
いたフィルタでは、本発明の様に繊維相互の交点部が接
合されておらないため、アルカリ性洗剤に浸漬すると洗
剤を含んで油に濡れた脱脂綿の様に固まって油分や煤塵
を除去することができず、しかも繊維そのものが非常に
細くその表面積が大きいためにアルカリ性洗剤に溶け出
し、清浄化は殆ど不可能であった。また、加熱して油分
等を燃焼除去しようとすると、全体が溶融してフィルタ
としての機能を完全に失った。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、油
煙や煤塵等を効率よく除去することができると共に、加
熱燃焼処理やアルカリ洗浄等により油分等を容易に洗浄
除去できて再使用することができ、しかも耐熱性や取扱
い性に優れたフィルタを提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルタを構成する集積構造体を
例示する平面説明図である。
【図2】本発明のフィルタが適用される厨房用排気ダク
トの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガスレンジ 2 排気ダクト 3 グリスフィルタ 4 換気扇用ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋崎 勝乗 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 山根 朗義 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 細川 完 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 北田 湖志郎 滋賀県甲賀郡甲南町大字葛木30−20 西川 ローズ株式会社甲南工場内 (72)発明者 真宮 孝司 京都府長岡京市馬場六の坪1−4 西川ロ ーズ株式会社神足事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊維が
    任意の曲線を描いて集積されることにより、任意の曲率
    半径を有する円弧によって囲まれた3次元的に連通した
    空隙が形成されると共に、該空隙を形成する繊維同士の
    交点が、無機質バインダーによって接合された集積構造
    体からなるものであることを特徴とするフィルタ。
  2. 【請求項2】 集積構造体の空隙率を、厚さ方向に変化
    させたものである請求項1記載のフィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載された集積構造
    体を、有機質もしくは無機質の繊維からなる不織布マッ
    トと重ね合わせたものであることを特徴とするフィル
    タ。
  4. 【請求項4】 耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊維
    を、任意の曲線を描いて集積することにより、任意の曲
    率半径を有する円弧によって囲まれた3次元的に連通し
    た空隙を形成すると共に、該集積および空隙形成の前後
    任意の時期に前記連続繊維表面に撥水処理を施し、次い
    で無機質バインダーを用いて、前記空隙を形成する繊維
    同士の交点を接合することを特徴とするフィルタの製
    法。
  5. 【請求項5】 耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊維と
    焼失性連続繊維を、任意の曲線を描いて集積することに
    より、任意の曲率半径を有する円弧によって囲まれた3
    次元的に連通した空隙を形成すると共に、該空隙を形成
    する繊維同士の交点を、無機質バインダーによって接合
    せしめ、次いで焼失性連続繊維を焼失除去することを特
    徴とするフィルタの製法。
  6. 【請求項6】 耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊維
    が、任意の曲線を描いて集積することにより、任意の曲
    率半径を有する円弧によって囲まれた3次元的に連通し
    た空隙を形成すると共に、該空隙を形成する繊維同士の
    交点が、ガラスによって接合された集積構造体からなる
    ものであることを特徴とするフィルタ。
  7. 【請求項7】 耐熱・耐アルカリ性の無機質連続繊維と
    ガラス繊維とを、任意の曲線を描いて集積することによ
    り、任意の曲率半径を有する円弧によって囲まれた3次
    元的に連通した空隙を形成した後、該集積体を、前記無
    機質連続繊維の軟化温度未満で且つ前記ガラス繊維の軟
    化温度以上に加熱処理することによりガラス繊維を溶融
    せしめ、該溶融ガラスを無機質連続繊維の交点部に付着
    させてから冷却することを特徴とするフィルタの製法。
JP31233192A 1992-11-20 1992-11-20 フィルタおよびその製法 Withdrawn JPH06154530A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000015024A (ja) * 1998-07-01 2000-01-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 室内浮遊粉塵除去フィルタおよびこれを用いた空気清浄装置
JP2005074262A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Nippon Muki Co Ltd 耐熱プレフィルタおよびその製造方法
JP2013215664A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Fuji Industrial Co Ltd フィルタおよびレンジフード
JP2013230460A (ja) * 2012-04-06 2013-11-14 Fuji Industrial Co Ltd フィルタおよびレンジフード
JP2016223770A (ja) * 2016-09-21 2016-12-28 富士工業株式会社 フィルタおよびレンジフード

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