JPH06153955A - フコシルssea−1を認識する抗体の遺伝子断片等 - Google Patents

フコシルssea−1を認識する抗体の遺伝子断片等

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JPH06153955A
JPH06153955A JP31030392A JP31030392A JPH06153955A JP H06153955 A JPH06153955 A JP H06153955A JP 31030392 A JP31030392 A JP 31030392A JP 31030392 A JP31030392 A JP 31030392A JP H06153955 A JPH06153955 A JP H06153955A
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chain
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ssea
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Takashi Kaneko
貴史 金子
Yoshitaka Iba
善孝 伊庭
Kiyoshi Yasukawa
清 保川
Katsumi Shigeta
勝美 繁田
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キメラ型抗フコシルSSEA−1抗体を作製
するために必要な、抗フコシルSSEA−1抗体のH鎖
及びL鎖をコ−ドする遺伝子断片等を提供する。 【構成】 抗フコシルSSEA−1抗体のH鎖又はL鎖
領域、これら領域をコ−ドする遺伝子断片、これら遺伝
子断片を含むベクタ−、これらベクタ−により形質転換
された宿主細胞及びこれら宿主細胞を培養することを特
徴とするキメラ型抗フコシルSSEA−1抗体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフコシルSSEA−1を
認識する抗体の遺伝子断片等に関するものであり、詳し
くはフコシルSSEA−1を認識するマウス抗体のH鎖
及びL鎖のV領域をコ−ドする遺伝子等に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】胎児組織に特異的に発現されるSSEA
−1抗原群は、ヒト癌組織にも見い出される癌関連抗原
である。SSEA−1抗原群は、Galβ1→4(Fu
cα1→3)GlcNAcβ1→3Galβ1→4Gl
cβ1→1Cerを基本構造とする糖脂質の2型に位置
付けられる。SSEA−1抗原群のうち、末端のガラク
ト−スにフコ−スがα1→2で結合したものはフコシル
SSEA−1と呼ばれ、シアリルSSEA−1等の他の
SSEA−1抗原群に比較して癌細胞表面に存在する頻
度が極めて高いことが知られており、これを特異的に認
識する抗体を使用した癌の診断薬や治療薬が期待されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フコシルSSEA−1
を認識するマウスモノクロ−ナル抗体やこれを産生する
ハイブリド−マはすでに樹立されている(Hirashima
ら、J.Immunol.145 巻、 p224 、1990年)。しかし、マ
ウス由来抗体治療薬としてヒトに投与した場合、免疫応
答によるアナフィラキシ−の危険性が高くなったり、投
与した抗体が急速に分解を受けしまい、その本来の活性
が失われる等の課題がある。これを解決するにはヒト抗
体を使用すれば良いが、しかしながらヒトB細胞の集団
から目的とする抗体を産生するB細胞を単離し、これに
不死化能を与えて培養することは極めて難しい。
【0004】最近、これらの問題を解決するためにキメ
ラ抗体が考案された。キメラ抗体とは、ヒト以外の動物
種由来の抗原結合領域すなわち可変領域(V領域)とヒ
ト由来の不変領域(C領域)から成る抗体(OiとMorris
on、Biotechnology 4巻、p214 、1986年)で、ヒト由
来のC領域は前記免疫応答を受けないため、前記課題を
解決し得るのである。このようなキメラ抗体を製造する
には、遺伝子工学的に抗体を製造することが必要にな
る。抗体のV領域を大腸菌で生産させる方法等が報告さ
れている(Wardら、Nature、341 巻、p544, 1989年)
が、キメラ型抗フコシルSSEA−1抗体を作製するに
は、抗フコシルSSEA−1抗体のH鎖及びL鎖をコ−
ドする遺伝子が必要である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に鑑みてマウス由来抗フコシルSSEA−1抗体のH鎖
又はL鎖の遺伝子について鋭意研究した結果、そのV領
域の遺伝子を見出し、前記課題を解決するに至った。即
ち本発明は、フコシルSSEA−1を認識する抗体のH
鎖のV領域をコ−ドする遺伝子断片又はフコシルSSE
A−1を認識する抗体のL鎖のV領域をコ−ドする遺伝
子断片である。また本発明は、前記遺伝子断片でコ−ド
されるフコシルSSEA−1を認識する抗体のH鎖のV
領域であり、更には前記遺伝子断片でコ−ドされるフコ
シルSSEA−1を認識する抗体のL鎖のV領域であ
る。
【0006】また本発明は前記遺伝子断片の全部又は一
部を含み宿主細胞中でフコシルSSEA−1を認識する
抗体のH鎖のV領域を発現させることができるベクタ−
であり、更には前記遺伝子断片の全部又は一部を含み宿
主細胞中でフコシルSSEA−1を認識する抗体のL鎖
のV領域を発現させることができるベクタ−である。ま
た本発明は、前記遺伝子断片の全部又は一部、ヒト抗体
のH鎖のC領域をコ−ドする遺伝子断片及びヒト抗体の
L鎖のC領域をコ−ドする遺伝子断片を含み宿主細胞中
で該遺伝子断片を発現させることができるベクタ−であ
る。
【0007】また本発明は、前記ベクタ−で形質転換さ
れた宿主細胞である。そして本発明は、この宿主細胞を
培養することを特徴とする、フコシルSSEA−1を認
識する抗体のH鎖のV領域蛋白、フコシルSSEA−1
を認識する抗体のL鎖のV領域蛋白、フコシルSSEA
−1を認識する抗体のH鎖のV領域とヒト抗体のH鎖の
C領域のキメラ蛋白、フコシルSSEA−1を認識する
抗体のL鎖のV領域とヒト抗体のL鎖のC領域のキメラ
蛋白又はフコシルSSEA−1を認識する抗体のV領域
とヒト抗体のC領域のキメラ抗体の製造方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の抗フコシルSSEA−1抗体の遺
伝子断片は、H鎖のV領域をコ−ドする遺伝子又はL鎖
のV領域をコ−ドする遺伝子であり、ぞれぞれ図1又は
図2で示されるものである。その一例として、配列番
号:1又は配列番号:2で示される塩基配列を有するも
のがある。本発明の遺伝子断片は、抗フコシルSSEA
−1抗体を産生するハイブリド−マを出発材料にして例
えば実施例1に示す方法で単離することができる。また
配列番号:1又は配列番号:2の遺伝子断片について
は、例えばDNA合成機を使用することによって調製で
きる。なお、本発明の遺伝子断片は、1個又は複数個の
塩基が付加され、1個又は複数個の塩基が欠失し、ある
いは1個又は複数個の塩基が置換されていても良い。
【0009】本発明のフコシルSSEA−1を認識する
抗体(V領域)は、前記した遺伝子断片でコ−ドされる
ものであり、例えばそれぞれ配列番号:1又は配列番
号:2の遺伝子断片でコ−ドされるものが例示できる。
なお、当該抗体(V領域)は、1個又は複数個のアミノ
酸残基が付加され、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠
失し、あるいは1個又は複数個のアミノ酸残基が置換さ
れていても良い。
【0010】抗フコシルSSEA−1抗体を遺伝子工学
的に製造するには、これをコ−ドする遺伝子を含むベク
タ−が必要である。本発明のベクタ−は、前記遺伝子断
片、例えば配列番号:1又は配列番号:2の遺伝子断片
の全部又は一部を含み、宿主細胞中で該遺伝子断片を発
現させることができるものである。該ベクタ−は、本発
明の遺伝子断片以外に遺伝子断片を発現(転写)させる
ためのプロモ−タ−/オペレ−タ−、遺伝子断片の発現
(転写)を終了させるためのタ−ミネ−タ−、宿主細胞
中での複製のための遺伝子等、公知の遺伝子配列を含ん
でいて良い。
【0011】前記本発明のベクタ−に、ヒト抗体のC領
域をコ−ドする遺伝子断片を更に付加することにより、
マウス−ヒトキメラ抗体のH鎖又はL鎖を製造するため
のベクタ−とすることができる。この場合、ヒト抗体の
遺伝子断片については、そのH鎖C領域は本発明のH鎖
V領域にフレ−ムが一致した状態となるように、L鎖C
領域は本発明のL鎖V領域にフレ−ムが一致した状態と
なるように調製する。なお、ヒト抗体のH鎖又はL鎖の
C領域をコ−ドする遺伝子断片は広く知られている(例
えばKameyamaら、FEBS Lett.、244 巻、p301、 1989
年)。
【0012】本発明のベクタ−のうち、抗フコシルSS
EA−1マウス−ヒトキメラ抗体を製造するためのベク
タ−は、前記遺伝子断片の全部又は一部、例えば配列番
号:1の遺伝子断片の全部又は一部及び配列番号:2の
遺伝子断片の全部又は一部とヒト抗体のH鎖のC領域を
コ−ドする遺伝子断片更にヒト抗体のL鎖のC領域をコ
−ドする遺伝子断片を含み、宿主細胞中で該遺伝子断片
を発現させることができるベクタ−である。ここで、ヒ
ト抗体の遺伝子断片については、そのH鎖C領域はH鎖
V領域にフレ−ムが一致した状態になるように、L鎖C
領域はH鎖V領域にフレ−ムが一致した状態になるよう
にベクタ−を構築する。
【0013】本発明のベクタ−の他の一例として、本発
明のH鎖V領域をコ−ドする遺伝子断片と本発明のL鎖
V領域をコ−ドする遺伝子断片を含むものも例示でき
る。このベクタ−によれば、C領域を含まない、V領域
のみからなる抗フコシルSSEA−1抗体(Fv抗体)
が製造できる。
【0014】本発明は、以上に説明したベクタ−で形質
転換した宿主細胞である。前記ベクタ−による宿主細胞
の形質転換は通常の方法に従えば良く、特に制限はな
い。例えばベクタ−が大腸菌を対象とするものであれば
大腸菌を宿主として使用すれば良いし、酵母を対象とす
るのであればそれを宿主として使用すれば良い。
【0015】このようにして形質転換した宿主細胞を適
当な条件下で培養することで、種々の蛋白を製造するこ
とができる。本発明では、使用したベクタ−に応じて種
々の蛋白を製造できるが、前記した本発明のベクタ−を
選択して使用すれば、フコシルSSEA−1を認識する
抗体のH鎖のV領域蛋白、フコシルSSEA−1を認識
する抗体のL鎖のV領域蛋白、フコシルSSEA−1を
認識する抗体のH鎖のV領域とヒト抗体のH鎖のC領域
のキメラ蛋白、フコシルSSEA−1を認識する抗体の
L鎖のV領域とヒト抗体のL鎖のC領域のキメラ蛋白又
はフコシルSSEA−1を認識する抗体のV領域とヒト
抗体のC領域のキメラ抗体等を製造することができる。
この他にも、フコシルSSEA−1を認識する抗体のH
鎖及びL鎖のV領域からなる抗体蛋白も製造できる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を更に詳細に説明するために実
施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0017】実施例 1.HA18抗体遺伝子の単離 まず、以下の方法で抗フコシルSSEA−1マウス抗体
を産生するハイブリド−マ(HA18A)のDNAを調
製した。RPMI1640で培養した1×108個のH1
8A(Hirashima ら、J. Immunol. 、145 巻、p224、19
90年)をPBSで洗浄後、グアニジンイソチオシアネ−
ト溶液に懸濁し、塩化セシウムの上に重層して、超遠心
にかけ、DNA(上清)とRNA(沈殿)を分離した。
上清は透析後、プロテイナ−ゼ処理、RNase処理
後、通常の方法で除蛋白及び精製を行い、10mgのDN
Aを精製した。沈殿からは、通常の方法で除蛋白及び精
製を行い、1mg のRNAを精製した。
【0018】次に、以下の方法でゲノミックライブラリ
−を作製した。制限酵素EcoRIで完全消化したH1
8AのDNA2μgと、同じくEcoRIで完全消化し
たλDASH II(東洋紡製)1μgを1昼夜4℃で
ライゲ−ションしたのち、インビトロパッケ−ジングキ
ット(東洋紡)のファ−ジイクストラスト1チュ−ブと
混合し、20℃で2時間保温した後、SMバッファ−を4
00μl加え、ゲノミックライブラリ−を作製した。
【0019】抗体遺伝子の単離は以下のように行った。
1昼夜培養した大腸菌P2392を1000mlの0.2
%マルト−ス及び10mM MgSO4 を含むTB培地
に接種し、ODが0.5まで培養してから菌を集め、2
0 ml の10 mM MgSO4に懸濁した。次に1×10
6 個に相当するのライブラリ−を含むSMバッファ−と
P2392を等量混合し、37℃で30分間保温し、8
mM MgSO4 を含むTBアガロ−スプレ−ト(直径1
5 cm )10枚にプレ−ティングし、1昼夜37℃で保
温した。翌日各プレ−トにナイロンフィルタ−をのせて
2分間静地し、フィルタ−をはがした。次にフィルタ−
を0.5N NaOH、1.5M NaClに浸してアルカ
リ処理し、0.5M Tris−HCl(pH8.0)、
1.5MNaClに浸して中和し、0.2×SSCに浸
した後、風乾した。それからJHプロ−ブ(Maki R.
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77、2138-2142 、1980)
あるいはJκプロ−ブ(Sakano H. ら、Nature、280 、
288-294 、1979)を用いてプラ−クハイブリダイゼ−シ
ョンを行いJH プロ−ブにハイブリダイズするクロ−
ン、HE7、Jκプロ−ブにハイブリダイズするクロ−
ン、HHγ3をそれぞれ単離した。これらのインサ−ト
DNAを単離し、サザンブロット解析により同定した結
果、JH プロ−ブにハイブリダイズする断片は3 kbp、
κプロ−ブにハイブリダイズする断片は2.8 kbpで
あることがわかった。これをそれぞれpBLUEscr
iptに挿入し、pBLUE/HE7とpBLUE/H
Hγ3を作製した。さらにインサ−トDNAの制限酵素
地図を作製し、単離した遺伝子断片が再配列した抗体遺
伝子であることを確認した。pBLUE/HE7とpB
LUE/HHγ3の制限酵素地図を図1及び図2に示
す。
【0020】実施例2.H18A抗体遺伝子の塩基配列
の決定 実施例1に示す方法で単離したH18A抗体のH鎖のV
領域及びL鎖のV領域の塩基配列を以下の方法で決定し
た。
【0021】pBLUE/HE7とpBLUE/HHγ
3をそれぞれ大腸菌MV1184株に導入したのち、該
大腸菌を培養し、常法により一本鎖DNAを調製し、シ
−クエンス用テンプレ−トとして用いた。シ−クエンス
はSequenase Version2.0 DNA
Sequencing Kit(TOYOBO製)を
用いて、H18A抗体のH鎖あるいはL鎖のV領域遺伝
子の塩基配列を決定した。
【0022】pBLUE/HE7に関する結果(H鎖の
V領域)を図3に、pBLUE/HHγ3に関する結果
(L鎖のV領域)を図4に示す。
【0023】実施例3.H18Aマウス・ヒトキメラ抗
体の作製 pBLUE/HE7とpBLUE/HHγ3のインサ−
トDNAをマウス・ヒトキメラ型H鎖発現ベクタ−pS
V2−HG1gpt及びマウス・ヒトキメラ型L鎖発現
ベクタ−pSV2−HCκneo(Kameyamaら、FEBS L
ett.、244 巻、p301、1989年)にそれぞれ導入し、pS
V2−HG1gpt/HE7及びpSV2−HCκne
o/HHγ3を作製した。
【0024】細胞への発現プラスミドの導入は以下のよ
うに行った。RPMI1640培地を用いた通常の方法
で培養したSP2/0細胞1×107 個をPBSで洗
い、あらかじめ4℃に冷却しておいたPBSの0.4 m
l でサスペンドした。これに、pSV2−HG1gpt
/HE7及びpSV2−HCκneo/HHγ3のそれ
ぞれ50μlをPBSに溶解し、氷上で冷却した溶液を
混合し、10分間氷上に置いた。それから、Gene
Pulser(バイオラッド社製)を用いて300V、
960マイクロファラッドの条件でパルスをかけた。さ
らに10分間氷上に置いた後、培地で洗い、通常の培地
で培養した。3日後、培地を選択培地(通常の培地にさ
らに、0.25 mg/mlのキサンチンと0.025mg/ml
のミコフェノ−ル酸を含む)に換えて96穴プレ−トに
まいた。7日後、14日後に培地を交換し、21日後に
上清のキメラ抗体価を測定し、ポジティブなクロ−ンを
12クロ−ン選んだ。最終的に最も発現量の多いクロ−
ンH18A−7を選んだ。
【0025】キメラ抗体価のアッセイは以下のように行
った。抗ヒトIgG1をコ−トしたプレ−トを1%BS
A,PBSでブロッキングし、これに培養上清を加え、
2時間以上室温で放置した。プレ−トを洗浄後、HRP
結合抗ヒトIgκを加え、2時間以上室温で放置した。
最後にプレ−トを洗浄後、発色試薬(大日本製薬製)を
加え、発色の程度をイムノリ−ダ−で測定した。その結
果、H18A−7は培養上清中に約20μg/mlのキメラ
抗体を産生していることがわかった。
【0026】作製したキメラ抗体の、フコシルSSEA
−1への結合性は以下のように行った。まず、ルイスY
糖脂質を5μg/mlのホスファチジルコリンと2.5μg/
mlのコレステロ−ルを含むエタノ−ルで1μg/mlに調製
し、各ウエルに20μl ずつ分注して、37℃のホット
プレ−ト上で乾燥させた。このようにして作製されたフ
コシルSSEA−1プレ−トに検体を加え、2時間以上
室温で放置した。プレ−トを洗浄後、HRP結合抗Ig
κを加え、2時間以上室温で放置した。最後にプレ−ト
を洗浄後、発色試薬(大日本製薬製)を加え、発色の程
度をイムノリ−ダ−で測定した。
【0027】結果を図5に示す。第5図から明らかなよ
うに、H18A−7の培養上清中に含まれるキメラ抗体
は、フコシルSSEA−1との結合性を保持している。
【0028】
【発明の効果】本発明で提供される抗フコシルSSEA
−1抗体H鎖及びL鎖のV領域をコ−ドする遺伝子、さ
らには該抗体を遺伝子工学的手法を用いて生産するため
の手段及び方法により、種々の付加機能を有した該抗体
を大量に生産することが可能である。これらは、フコシ
ルSSEA−1の生理的役割の解析に重要であり、癌に
対する治療薬診断薬開発に大きな意義をもつものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はH18A、H鎖のV領域の制限酵素地図
を示すもので、E、H、X又はEnはそれぞれEcoRIサ
イト、HindIIIサイト、Xba Iサイト又はエンハンサ
−を示している。
【図2】図2はH18A、L鎖のV領域の制限酵素地図
を示すもので、H又はXはそれぞれHindIIIサイト又
はXba Iサイトを示している。
【図3】図3はH18A、H鎖のV領域の塩基配列と、
当該配列から推定されるH鎖V領域のアミノ酸配列を示
す。
【図4】図4はH18A、L鎖のV領域の塩基配列と、
当該配列から推定されるL鎖V領域のアミノ酸配列を示
す。
【図5】図5は、実施例3に示す方法でキメラ型H18
A(○)、マウス型H18A(●)の、フコシルSSE
A−1との結合を調べた時のプレ−トの発色の状況を示
すものであり、縦軸は500nmにおける吸光度を示し、
横軸はフコシルSSEA−1の希釈度を示している。
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:357 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 H鎖のV領域をコ−ドするDN
A 配列 GAA GTG AAA CTG GTG GAG TCT GGG GGA GGC TTA GTG CAG CCT GGA GGG 48 Glu Val Lys Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly Gly 1 5 10 15 TCC CTG AAA CTC TCC TGT GCA ACC TCT GGA TTC ACT TTC AGT GAC TAT 96 Ser Leu Lys Leu Ser Cys Ala Thr Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asp Tyr 20 25 30 TAT ATG TAT TGG GTT CGC CAG ACT CCA GAG AAG AGG CCG GAG TGG GTC 144 Tyr Met Tyr Trp Val Arg Gln Thr Pro Glu Lys Arg Pro Glu Trp Val 35 40 45 GCA TAC ATT AGT AAT GGT GGT GAT ATC CCC TAT TAT CTA GAC ACT GTA 192 Ala Tyr Ile Ser Asn Gly Gly Asp Ile Pro Tyr Tyr Leu Asp Thr Val 50 55 60 AAG GGC CGA TTC ACC ATC TCC AGA GAC AAT GCC AAG AAC ACC CTG TAC 240 Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ala Lys Asn Thr Leu Tyr 60 65 70 75 CTG CAA ATG AGC CGT CTG AAG TCT GAG GAC ACA GCC ATG TAT TAC TGT 288 Leu Gln Met Ser Arg Leu Lys Ser Glu Asp Thr Ala Met Tyr Tyr Cys 80 85 90 GCA AGA GGG AAG TAC GAC GGG GCC TGG TTT GCT TAC TGG GGC CAA GGG 336 Ala Arg Gly Lys Tyr Asp Gly Ala Trp Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly 95 100 105 ACT CTG GTC ACT GTC TCT GCA 357 Thr Leu Val Thr Val Ser Ala 110 配列番号:2 配列の長さ:339 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 L鎖のV領域をコ−ドするDN
A 配列 GAT GTT TTG ATG ACC CAA ACT CCA CTC TCC CTG CCT GTC AGT CTT GGA 48 Asp Val Leu Met Thr Gln Thr Pro Leu Ser Leu Pro Val Ser Leu Gly 1 5 10 15 GAT CAA GCC TCC ATC TCT TGC GGA TCT AGT CAG AGC ATT ATA CAT ACT 96 Asp Gln Ala Ser Ile Ser Cys Gly Ser Ser Gln Ser Ile Ile His Thr 20 25 30 AAT GGA AAC ACC TAT TTA GAA TGG TAC CTG CAG AAA CCA GGC CAG TCT 144 Asn Gly Asn Thr Tyr Leu Glu Trp Tyr Leu Gln Lys Pro Gly Gln Ser 35 40 45 CCA AAG CTC CTG ATC TAC AAA GTT TCC AAC CGA TTT TCT GGG GTC CCA 192 Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Lys Val Ser Asn Arg Phe Ser Gly Val Pro 50 55 60 GAC AGG TTC AGT GGC AGT GGA TCA GGG ACA GAT TTC ACA CTC AAG ATC 240 Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Lys Ile 65 70 75 80 AGC AGA GTG GAG GCT GAG GAT CTG GGA GTT TAT TAC TGC TTT CAA GGT 288 Ser Arg Val Glu Ala Glu Asp Leu Gly Val Tyr Tyr Cys Phe Gln Gly 85 90 95 TCA CAT GTT CCA TTC ACG TTC GGC TCG GGG ACA AAG TTG GAA ATA AAA 336 Ser His Val Pro Phe Thr Phe Gly Ser Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys 100 105 110 CGT 339 Arg

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フコシルSSEA−1を認識する抗体の
    H鎖のV領域をコ−ドする遺伝子断片。
  2. 【請求項2】 配列番号:1で表される、請求項1に記
    載の遺伝子断片。
  3. 【請求項3】 フコシルSSEA−1を認識する抗体の
    L鎖のV領域をコ−ドする遺伝子断片。
  4. 【請求項4】 配列番号:2で表される、請求項3に記
    載の遺伝子断片。
  5. 【請求項5】 請求項1の遺伝子断片でコ−ドされるフ
    コシルSSEA−1を認識する抗体のH鎖のV領域。
  6. 【請求項6】 配列番号:1で表される、請求項5のフ
    コシルSSEA−1を認識する抗体のH鎖のV領域。
  7. 【請求項7】 請求項3の遺伝子断片でコ−ドされるフ
    コシルSSEA−1を認識する抗体のL鎖のV領域。
  8. 【請求項8】 配列番号:2で表される、請求項7のフ
    コシルSSEA−1を認識する抗体のL鎖のV領域。
  9. 【請求項9】 請求項1の遺伝子断片の全部又は一部を
    含み、宿主細胞中で該遺伝子断片を発現させることがで
    きるベクタ−。
  10. 【請求項10】 請求項3の遺伝子断片の全部又は一部
    を含み、宿主細胞中で該遺伝子断片を発現させることが
    できるベクタ−。
  11. 【請求項11】 更に、ヒト抗体のH鎖のC領域をコ−
    ドする遺伝子断片を含む請求項9に記載のベクタ−。
  12. 【請求項12】 更に、ヒト抗体のL鎖のC領域をコ−
    ドする遺伝子断片を含む請求項10に記載のベクタ−。
  13. 【請求項13】 請求項1の遺伝子断片の全部又は一
    部、請求項3の遺伝子断片の全部又は一部、ヒト抗体の
    H鎖のC領域をコ−ドする遺伝子断片及びヒト抗体のL
    鎖のC領域をコ−ドする遺伝子断片を含み、宿主細胞中
    で該遺伝子断片を発現させることができるベクタ−。
  14. 【請求項14】 請求項9〜13いずれかに記載のベク
    タ−で形質転換された宿主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の宿主細胞を培養す
    ることを特徴とする、フコシルSSEA−1を認識する
    抗体のH鎖のV領域蛋白、フコシルSSEA−1を認識
    する抗体のL鎖のV領域蛋白、フコシルSSEA−1を
    認識する抗体のH鎖のV領域とヒト抗体のH鎖のC領域
    のキメラ蛋白、フコシルSSEA−1を認識する抗体の
    L鎖のV領域とヒト抗体のL鎖のC領域のキメラ蛋白又
    はフコシルSSEA−1を認識する抗体のV領域とヒト
    抗体のC領域のキメラ抗体の製造方法。
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