JPH06153474A - 同期電動機 - Google Patents

同期電動機

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JPH06153474A
JPH06153474A JP32131192A JP32131192A JPH06153474A JP H06153474 A JPH06153474 A JP H06153474A JP 32131192 A JP32131192 A JP 32131192A JP 32131192 A JP32131192 A JP 32131192A JP H06153474 A JPH06153474 A JP H06153474A
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Toshihiko Satake
利彦 佐竹
Satoru Satake
覚 佐竹
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幸男 大野木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直流励磁のためのブラシ構成を必要とせず、
誘導電動機と同様の起動トルクの大きい自己起動可能な
同期電動機を得る。 【構成】 第1主巻線3と第2主巻線4を並列に三相交
流電源5に接続した固定子と、主巻線3,4のR相にそ
れぞれ励磁巻線6,7とダイオ−ドD,Dとをそれ
ぞれ設けて交差接続して前記R相と同様の線間電圧Vr
sを得るように開閉スイッチSを介して電源5に接続
した励磁器10と、回転子巻線8,9を設けて直列に接
続すると共に、該回転子巻線8,9の接続点間に並列に
ダイオ−ドD,Dを接続した回転子と、また第2主
巻線4には、主巻線4の各相の巻線4R,4S,4Tの
両端に巻線の極性を切り換えるようにスイッチ13,1
4を設けて構成した移相装置からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導電動機として自己
起動し、同期運転に切り換える同期電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の同期電動機は、その回転子を固定
子巻線の作る回転磁界の回転速度すなわち同期速度近く
まで加速する起動機と、回転子巻線を直流励磁するため
のブラシおよび直流電源が必要である。
【0003】この起動機を省略して同期電動機自体に起
動トルクを持たせるようにしたのが誘導同期電動機であ
る。これは起動時に回転子巻線を短絡して誘導電動機と
して起動するために起動機を必要としないが、同期運転
に必要な回転子巻線の直流励磁のためにブラシを必要と
する。すなわち、回転子の回転速度が同期速度に近づく
と、回転子巻線の短絡を開放して外部の直流電源からブ
ラシを介して回転子巻線に直流電流を流して回転子に磁
極を作り、この磁極が固定子巻線の作る回転磁界に引っ
張られて回転子は同期速度で回転する。しかしながら、
このブラシ付き電動機は保守点検を必要とすることから
保守費が嵩み、ブラシレス構造で自己起動の可能な同期
電動機が望まれている。
【0004】回転子巻線を有する構造のブラシレス同期
電動機としては、交流励磁機と回転整流器を用いる交流
励磁機付きブレシレス同期電動機があるが、これは回路
構成が複雑で信頼性に欠けるという欠点がある。また回
転子巻線にダイオ−ドを接続してインバ−タの方形波電
圧による高調波磁界を利用するブラシレス自励形三相同
期電動機があるが、これは誘導機始動が不可能で、回転
子の界磁起磁力が不足で十分な出力が得られない欠点が
ある。
【0005】更に前記のインバ−タ駆動のブラシレス同
期電動機において、三相の固定子巻線の一相にダイオ−
ドを挿入して固定子の作る正相分回転磁界に静止磁界を
重畳して、同期速度付近で回転する回転子巻線に静止磁
界による交流電圧を誘起させて、これをダイオ−ドで整
流することによって回転子巻線を直流励磁し、正相分回
転磁界を作用させて同期トルクを発生するブラシレス自
励形三相同期電動機があるが、これも誘導機始動が不可
能なために、回転子鉄心の渦電流による起動となり起動
トルクが小さく、同期トルクも小さいという欠点があ
る。
【0006】本出願人は特開平3年212143号公報
によってこれら従来技術の欠点を解消すべく、複数固定
子構成の誘導同期電動機を開示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この同期電動機は、同
一回転軸上に設けた複数個の回転子コアに巻装した回転
子巻線をそれぞれ並列に結線し該回転子巻線の端子間に
ダイオ−ドを接続した回転子と、固定子巻線および該固
定子巻線の一相に直流励磁巻線からなる直流励磁回路を
設けた複数固定子より構成したものである。
【0008】この同期電動機の直流励磁回路には一般的
に固定子巻線の回転磁界によって基本波の交流電圧を誘
導するようになる。これは固定子の基本波により誘導さ
れた励磁巻線の交流電圧は励磁巻線に重畳して交流電流
を流し、さらにこの励磁巻線の交流電流は固定子巻線の
励磁電流に加わるように作用するので、固定子巻線の交
流電流は大きくなり、主巻線の容量が大きくなる欠点を
有する。この欠点を解消するため励磁回路に大きな直列
インダクタンスLが必要となる。このため、大きな直列
リアクトルを挿入したり、あるいは別の方法として固定
子巻線の影響を受けないように固定子とは極数の異なる
励磁巻線とこの励磁巻線の極数に対応した別の回転子を
構成することがあった。
【0009】このような技術は同期電動機の構造を複雑
にするだけでなく大型となるため、特に複数固定子構成
にした誘導機起動可能な同期電動機においては採用する
ことはできないものである。
【0010】以上のことから、一般の誘導電動機と同様
の起動トルクを発生し、誘導機運転から同期運転への移
行が簡単にでき、しかも同期トルクが大きく、ブラシレ
スで保守の容易な同期電動機の提供と共に、固定子の励
磁回路を固定子の一相に設けるこれまでのような簡単な
構成としても、固定子巻線やその他の構成に影響の少な
い同期電動機の提供を技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本出願人は前記課題を解
決するために、同一回転軸上に任意の間隔をおいて設け
た2個の回転子コアを有し、該2個の回転子コアのそれ
ぞれに三相の回転子巻線を設けてそれぞれ直列に接続す
ると共に該回転子巻線の接続点に並列にダイオ−ドを接
続した回転子と、前記2個の回転子コアに対向して周設
した2個の固定子コアを有し、該2個の固定子コアのそ
れぞれに三相デルタ結線にした主巻線を巻装して三相電
源に並列に接続した固定子と、前記2個の固定子コアの
主巻線の同一相にそれぞれ励磁巻線を設け該励磁巻線に
直列にダイオ−ドを接続して、前記励磁巻線を互いに交
差接続すると共に前記主巻線の同一相に印加される線間
電圧を開閉スイッチを介して前記励磁巻線の交差接続点
に並列接続した励磁器と、該2個の固定子主巻線のうち
一方の固定子主巻線がこれに対峙する回転子コアの周囲
に生じる回転磁界と他の固定子主巻線がこれに対峙する
回転子コアの周囲に生じる回転磁界との間に位相差を生
じさせる移相装置とにより構成した同期電動機により前
記課題を解決するための手段とした。
【0012】
【作用】複数固定子構成の誘導電動機に設けられる移相
装置の作用について本出願人は特開昭61年第1283
14号公報においてその詳細を説明している。
【0013】本発明による同期電動機の作用について説
明する。同期電動機を同一回転軸上に任意の間隔をおい
て設けた2個の回転子コアを有し、該2個の回転子コア
のそれぞれに三相の回転子巻線を設けてそれぞれ直列に
接続すると共に該回転子巻線の接続点に並列にダイオ−
ドを接続した回転子と、前記2個の回転子コアに対向し
て周設した2個の固定子コアを有し、該2個の固定子コ
アのそれぞれに三相デルタ結線にした主巻線を巻装して
三相電源に並列に接続した固定子と、前記2個の主巻線
の同一相にそれぞれ励磁巻線を設け該励磁巻線に直列に
ダイオ−ドを接続して、前記励磁巻線を互いに交差接続
すると共に前記主巻線の同一相に印加される線間電圧を
開閉スイッチを介して前記励磁巻線の交差接続点に並列
接続した励磁器と、該2個の固定子主巻線のうち一方の
固定子主巻線がこれに対峙する回転子コアの周囲に生じ
る回転磁界と他の固定子主巻線がこれに対峙する回転子
コアの周囲に生じる回転磁界との間に位相差を生じさせ
る移相装置とにより構成した。
【0014】この構成によると、起動時には2個の固定
子コアのそれぞれに設けた主巻線の回転磁界によって、
2個の回転子コアの回転子巻線に誘起される電圧が同相
になるようにすなわち2個の回転子コアの回転子巻線を
環流する電流が流れて回転子巻線の接続点に並列に設け
たダイオ−ドには電流が流れないように移相装置を作動
させて一般の誘導電動機として起動する。
【0015】なおこのとき励磁器の開閉スイッチは開放
してあり、また固定子の回転磁界によって2個の固定子
コアの励磁巻線にそれぞれ電圧が誘起して、励磁巻線を
環流するように電流が流れようとするが、それらの電流
は、励磁巻線を交差接続したことによりダイオ−ドが逆
方向に接続した状態になっているので励磁巻線には電流
が流れない。したがって起動時には静止磁界も発生しな
い。
【0016】起動後、回転子の回転速度は上昇して回転
磁界の回転速度がすなわち同期速度に近づく。ここまで
は誘導電動機としての作用である。次にすべりがS=
0.05に近づいたときに移相装置を作動させると同時
に励磁器の開閉スイッチを閉じると電動機は同期運転に
入る。これはつぎのように作用する。
【0017】2個の固定子主巻線のうち一方の固定子主
巻線がこれに対峙する回転子コアの周囲に生じる回転磁
界と他の固定子主巻線がこれに対峙する回転子コアの周
囲に生じる回転磁界との間にθ=180゜の位相差を生
じさせるように移相装置を作動させる。
【0018】これらの回転磁界によって2個の回転子巻
線に誘起した電圧は180゜の位相差角をもつので、こ
れまで流れていた環流電流は流れなくなり回転子巻線の
接続点に並列に設けたダイオ−ドを通じて電流が流れる
ようになる。
【0019】このとき、励磁器の開閉スイッチは閉じて
あるので、励磁巻線を設けた固定子巻線の一相と同じ線
間電圧が励磁巻線に印加されている。この印加された線
間電圧は励磁巻線のダイオ−ドにより整流され、励磁巻
線には整流電流が流れて静止磁界を生じることになる。
この励磁巻線には線間電圧が印加されているので、同じ
線間電圧を印加した固定子の主巻線と並列回路となって
おり、励磁巻線による整流電流はその一部が同一相の主
巻線にも流れるようになる。したがって、最終的には、
この整流電流による励磁巻線の磁束と主巻線の磁束との
差によって静止磁界が作られるようになっている。
【0020】このようにして励磁巻線には静止磁界を生
じ、その生じる静止磁界はそれぞれの励磁巻線を交差接
続しているので互いに逆方向となり位相差角でθ=18
0゜となっている。この静止磁界によって2個の回転子
巻線には電圧が誘起し、この電圧による環流電流は流れ
ず、2個の回転子巻線の接続点に並列に設けたダイオ−
ドを通じて整流された電流が流れる。
【0021】したがって、回転子巻線を流れる整流電流
による直流分によって、回転子は直流励磁されて磁極を
形成し、固定子の主巻線の回転磁界との間に同期トルク
を生じて電動機は同期運転する。
【0022】さて従来、固定子巻線の回転磁界によって
励磁巻線に誘起する電圧は、励磁巻線のダイオ−ドを通
じて流れ、整流されて静止磁界を作るが、同時に交流分
の電流も存在し、この電流は逆に固定子巻線に補償電流
を流すことになる。補償電流は固定子に流れる電流に加
わって固定子側の容量アップを余儀なくされ、力率低下
を招く原因となっていた。
【0023】本発明によると、励磁巻線を設けた位置と
同じ相の固定子主巻線の線間電圧を励磁巻線に印加する
ようにしたので、励磁巻線には、固定子の回転磁界によ
り誘起した電圧と線間電圧との両方の交流分が加わり、
最終的には線間電圧と誘起電圧との差電圧による電流が
流れるようになる。その方向は線間電圧が高電位である
ことから固定子の回転磁界により誘起されて流れる励磁
電流とは逆方向となる。この差電圧による電流により固
定子側には補償電流が流れるが、この補償電流は固定子
を流れる電流に対して進み電流となり、従来技術とは逆
に固定子を流れる電流の低下と固定子(一次側)の力率
改善につながるものとなった。
【0024】ここで同期トルクを考察してみるに、2個
の固定子のうち一方の固定子が作る回転磁界の位相が他
の固定子が作る回転磁界の位相よりも180゜移相され
るが、前記励磁巻線の静止磁界によって、一方の固定子
と対峙する回転子の回転子巻線に流れるダイオ−ドで整
流された電流の方向も他の回転子巻線に流れるダイオ−
ドで整流された電流の方向とは逆方向になるので、同期
トルクはすべての回転子において同一の方向となり同期
トルクはすべて加算されたものとなって、本発明の同期
電動機は2個の固定子ではあるがその合計の容量は従来
のブラシを有する誘導同期電動機と同等である。
【0025】励磁巻線の静止磁界で回転子に誘起する電
圧によって回転子巻線に整流された直流電流が流れて、
回転子巻線が直流界磁巻線の作用をするので、同期トル
クが大きく、ブラシなどの保守を必要としない同期電動
機を提供することが可能となった。
【0026】このように誘導電動機から起動して同期電
動機への移行を移相装置による切り換えによって行う
が、この移相装置は2個の固定子のうち一方の固定子が
作る回転磁界の位相と他の固定子が作る回転磁界の位相
との間に電気角でθ=180゜の位相差角を設けるよう
にしたもので、本発明においては2個の固定子のいずれ
か一方の固定子巻線の極性を入れ換えるように、固定子
巻線の端子をスイッチで切り換えて電源に接続するよう
にしてある。このほか位相差を設ける方法としては、回
転軸を中心にいずれか一方の固定子を回動させることに
よって設けることも可能であるが、本発明のように切り
換えを瞬時に行う必要があるものにおいてはスイッチに
よる切り換えの方が迅速且つ正確に切り換え可能とな
る。
【0027】ところで前記固定子励磁巻線は単相、三相
を問わず何れでも可能である。
【0028】
【実施例】本発明は主として2個の固定子主巻線の結線
を電源に対して並列に接続した例について説明するが、
電源に対して直列でも良く本例に限定されることはな
い。また回転子巻線の場合、スタ−接続でもデルタ−接
続のいずれでも同様である。
【0029】すでに本出願人は特公平2−27920号
として本発明の構成の一部である複数固定子からなる誘
導電動機の構成、作用の詳細な説明を行っている。たと
えば、電圧移相装置によって複数個の固定子の内、特定
の固定子がこれに対峙する回転子の周囲に生じる回転磁
界と他の固定子がこれに対峙する回転子の周囲に生じる
回転磁界との間の位相差を、たとえば同相すなわち電気
角で0゜とした場合、回転子導体に流れる電流は回転子
導体を還流し、たとえば電気角で180゜とした場合、
回転子導体に流れる電流は回転子コア間で回転子導体間
を連結した連結材を通じて流れることなどを詳説してい
る。
【0030】さらに移相装置の構成については、固定子
を回動させるものや、固定子主巻線の結線の切り換えを
おこなうものなどを示しているが、本発明においては、
特に固定子主巻線の極性の切り換えをおこなう移相装置
で構成すると、前記電気角の0゜から180゜への切り
換えは瞬時におこなえるため同期速度への引き込みは容
易となる。また回転速度を検出するセンサ−と移相装置
の制御装置とを設けて連絡すると、同期速度への引き込
みが自動化できると共に、万一脱調した場合でも、回転
速度を検出するセンサ−の信号により即座に同期運転か
ら誘導電動機の運転に切り換えることが可能であり、一
般の同期電動機のように脱調から急激に停止することが
なく事故防止が簡単にできるものとなる。
【0031】図1により本発明の実施例を説明する。図
1に示すものは本発明の同期電動機の固定子と回転子の
巻線だけを抜きだしたものである。まず符号1は同期電
動機の固定子側を示し、符号2は同じく回転子側を示し
ている。
【0032】まず固定子側1は、2個の固定子コア(省
略)のそれぞれに設けた、スタ−結線の第1主巻線3と
第2主巻線4が並列に三相交流電源5に接続されてい
る。前記固定子側1の2個の主巻線3,4の同一相にそ
れぞれ励磁巻線6,7を設け励磁巻線6,7に直列にダ
イオ−ドD,Dを接続して、前記励磁巻線6,7を
互いに交差接続してある。更に前記主巻線3,4の一相
と同じ線間電圧Vrsを開閉スイッチSを介して前記
励磁巻線6,7の交差接続点に並列接続して励磁器10
としてある。
【0033】一方回転子側2は、2個の回転子コア(省
略)のそれぞれに回転子巻線8,9を設け、この回転子
巻線8,9を直列に接続すると共に、該回転子巻線8,
9の接続点間に並列にダイオ−ドD,Dが接続して
ある。
【0034】さて固定子側1の第2主巻線4には、主巻
線4の各相の巻線4R,4S,4Tの両端に巻線の極性
を切り換えるようにスイッチ13,14を設けて移相装
置15を構成してある。
【0035】ここで第1主巻線3に対峙する励磁巻線6
に誘起する電圧をEとし、第2主巻線4に対峙する励
磁巻線7に誘起する電圧をEεjθとする。また、第
1主巻線3に対峙する回転子巻線8に誘起する電圧をE
とし、第2主巻線4に対峙する回転子巻線9に誘起す
る電圧をEεjθとする。ここでのθは電圧の位相差
角である。
【0036】以上のように各巻線を構成した本発明の同
期電動機の始動について説明する。第2主巻線4の移相
装置15のスイッチ13,14をA側に投入し、また開
閉スイッチSを開放して、第1主巻線3、第2主巻線
4を並列に電源5に投入する。この場合、移相装置15
は作用していないのでθ=0である。
【0037】なおこのとき励磁器10の開閉スイッチS
は開放してあり、また固定子の回転磁界によって2個
の固定子コアの励磁巻線6,7にそれぞれ電圧E,E
εjθが誘起して、励磁巻線6,7を環流するように
電流が流れようとするが、それらの電流は、励磁巻線
6,7を交差接続したことによりダイオ−ドD,D
が逆方向に接続した状態になっているので導通せず、励
磁巻線6,7にはダイオ−ドD,Dを通じての環流
電流は流れない。したがって起動時には静止磁界も発生
しない。
【0038】一方、回転子巻線8,9には主巻線3,4
の回転磁界による電圧E,Eεjθが誘起している
が移相装置が作用していないのでθ=0であるから環流
電流が流れ一般の誘導電動機として始動する。この場
合、ダイオ−ドD,Dの端子電圧は零であるからダ
イオ−ドD,Dを通じて電流は流れない。
【0039】次に同期への引き入れについて説明する。
第2主巻線4の移相装置15のスイッチ13,14をB
側に投入し、第2主巻線4の極性を逆にして接続する。
また開閉スイッチSを投入し励磁巻線6,7を線間電
圧Vrsに接続する。
【0040】こうすると固定子主巻線の回転磁界の位相
差角θはθ=180゜になる。つまり励磁巻線6,7に
誘起する電圧はE,Eεj180゜となりEε
j180゜=−Eとなるが励磁巻線6,7は交差接続
してあるので互いに逆方向の電流となって打ち消し合い
電流はながれることはない。
【0041】このとき、励磁器10の開閉スイッチS
は閉じてあるので、励磁巻線6,7を設けた固定子巻線
の一相(3R,4R)と同じ線間電圧Vrsが励磁巻線
6,7それぞれに印加されている。この印加された線間
電圧Vrsは励磁巻線6,7のダイオ−ドD,D
より整流され、励磁巻線6,7には整流電流が流れて静
止磁界を生じることになる。ここで図2に示すように、
この励磁巻線6,7には線間電圧Vrsが印加されてい
るので、同じ線間電圧を印加した固定子の主巻線3R,
4Rと並列回路となっており、励磁巻線のダイオ−ドD
,Dによる整流電流はその一部が同一相の主巻線3
R,4Rにも流れるようになる。したがって、最終的に
は、この整流電流による励磁巻線6,7の磁束と主巻線
3R,4Rの磁束との差によって静止磁界が作られるよ
うになっている。
【0042】このようにして励磁巻線には静止磁界を生
じ、その生じる静止磁界はそれぞれの励磁巻線を交差接
続しているので互いに逆方向となり位相差角でθ=18
0゜となっている。
【0043】さて同期速度になると主巻線3,4の回転
磁界による回転子巻線8,9の誘起電圧E,Eε
jθは共に零になるが、前述の静止磁界によって回転子
巻線8,9に電圧E,Eεjθを誘起し、この場合
θ=180゜であるからE2εj180゜=−Eとな
って回転子巻線8,9には環流電流は流れず、ダイオ−
ドD,Dを通じて整流された電流が回転子巻線8,
9に流れ、回転子巻線8,9は直流分で励磁されて磁極
を形成し、主巻線3,4の回転磁界との間にトルクを生
じて同期運転に至る。
【0044】以上の構成から本発明による同期電動機
は、起動時には位相差角をθ=0゜として従来の誘導電
動機と同様のトルク特性で起動を行い、すべりSがたと
えばS=0.05になったとき移相装置のスイッチを切
り換えて位相差角をθ=180゜とし、同期速度に移行
して同期電動機のトルク特性で運転するものである。こ
のような構成から、本発明の同期電動機は起動機や直流
電源、またブラシを必要としないから、その構造や構成
が簡単となるだけでなく、従来の誘導電動機と同様のト
ルク特性で起動できるので重負荷がかかったままでも移
相装置のスイッチを切り換えるだけで起動から同期への
移行が可能となる。
【0045】さて従来、固定子巻線3,4の回転磁界に
よって励磁巻線6,7に誘起する電圧は、前述のように
励磁巻線6,7のダイオ−ドD,Dを通じて流れ、
整流されて静止磁界を作るが、同時に交流分の電流も存
在し、この電流は逆に固定子巻線3,4に補償電流を流
すことになる。補償電流は固定子に流れる電流に加わっ
て固定子側の容量アップを余儀なくされ、力率低下を招
く原因となっていた。
【0046】本発明によると、励磁巻線6,7を設けた
位置と同じ相の固定子主巻線3R,4Rの線間電圧Vr
sを励磁巻線6,7に印加するようにしたので、励磁巻
線6,7には、固定子の回転磁界により誘起した電圧E
と線間電圧Vrsとの両方の交流分が加わり、最終的
には線間電圧Vrsから誘起電圧Eを差し引いた差電
圧による交流分電流が流れるようになる。この差電圧に
よる交流分電流により固定子側には補償電流が流れる
が、この補償電流は固定子を流れる電流に対して進み電
流となり、従来技術とは逆に固定子を流れる電流の低下
と固定子(一次側)の力率改善につながるものとなっ
た。
【0047】ところで前述のダイオ−ドD,Dをサ
イリスタで構成することにより励磁巻線の励磁電流を制
御することが可能となり、この場合、励磁電流を制御す
ることにより固定子主巻線に流れる整流電流の制御と共
に静止磁界を制御することができる。以上の構成から本
発明による同期電動機は、起動時には移相差角をθ=0
゜として従来の誘導電動機と同様のトルク特性で起動を
行い、すべりSがたとえばS=0.05になったとき移
相装置のスイッチを切り換えて移相差角をθ=180゜
とし、同期速度に移行して同期電動機のトルク特性で運
転するものである。このような構成から、本発明の同期
電動機は起動機や直流電源、またブラシを必要としない
から、その構造や構成が簡単となるだけでなく、従来の
誘導電動機と同様のトルク特性で起動できるので重負荷
がかかったままでも移相装置のスイッチを切り換えるだ
けで起動から同期への移行が可能となる。
【0048】
【発明の効果】以上の構成から本発明の同期電動機は、
起動時を従来の誘導電動機と同様のトルク特性で行い、
回転子の速度がたとえばすべりS=0.05付近から同
期速度に移行して同期電動機のトルク特性で運転するも
のである。この同期電動機は起動機や直流電源、またブ
ラシを必要としないから、その構造や構成が簡単となる
だけでなく、従来の誘導電動機と同様のトルク特性で起
動できるので重負荷がかかったままでも起動から同期へ
の移行が可能となる。
【0049】また、本発明により励磁巻線に流れる電流
に誘起して流れる固定子主巻線の補償電流の影響をこれ
までとは逆に電動機主巻線に対し進みの補償電流とする
ことができたので、電動機力率改善に大きく貢献できる
ものである。
【0050】ところで、本発明の同期電動機は、誘導電
動機と同期電動機との両方のトルク特性を備えるから、
どちらの電動機のトルク特性でも使用可能である。この
ことは同期速度で運転中、何らかの原因で脱調した場合
でも同期電動機のトルク特性から誘導電動機のトルク特
性に切り換えて運転することが可能であるから、一般の
同期電動機のように電動機が急激に停止することはな
い。
【0051】以上のようにブラシがなく複雑な構成を必
要としないから、保守点検が容易で信頼性も高く、起動
トルクの大きい同期電動機の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同期電動機による実施例の固定子と回
転子の巻線部分だけを抜きだして示した図である。
【図2】本発明の実施例による励磁巻線の別の実施例図
である。
【符号の説明】
1 固定子側 2 回転子側 3 第1の主巻線 4 第2の主巻線 5 三相交流電源 6 励磁巻線 7 励磁巻線 8 回転子巻線 9 回転子巻線 10 励磁器 13 スイッチ 14 スイッチ 15 移相装置 D1 ダイオ−ド D2 ダイオ−ド D3 ダイオ−ド D4 ダイオ−ド S1 開閉スイッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一回転軸上に任意の間隔をおいて設け
    た2個の回転子コアを有し、該2個の回転子コアのそれ
    ぞれに三相の回転子巻線を設けてそれぞれ直列に接続す
    ると共に該回転子巻線の接続点に並列にダイオ−ドを接
    続した回転子と、前記2個の回転子コアに対向して周設
    した2個の固定子コアを有し、該2個の固定子コアのそ
    れぞれに三相デルタ結線にした主巻線を巻装して三相電
    源に並列に接続した固定子と、前記2個の主巻線の同一
    相にそれぞれ励磁巻線を設け該励磁巻線に直列にダイオ
    −ドを接続して、前記励磁巻線を互いに交差接続すると
    共に前記主巻線の同一相に印加される線間電圧を開閉ス
    イッチを介して前記励磁巻線の交差接続点に並列接続し
    た励磁器と、該2個の固定子主巻線のうち一方の固定子
    主巻線がこれに対峙する回転子コアの周囲に生じる回転
    磁界と他の固定子主巻線がこれに対峙する回転子コアの
    周囲に生じる回転磁界との間に位相差を生じさせる移相
    装置とにより構成したことを特徴とする同期電動機。
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