JP3062231B2 - ブラシレス単相誘導同期電動機 - Google Patents

ブラシレス単相誘導同期電動機

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JP3062231B2
JP3062231B2 JP2280268A JP28026890A JP3062231B2 JP 3062231 B2 JP3062231 B2 JP 3062231B2 JP 2280268 A JP2280268 A JP 2280268A JP 28026890 A JP28026890 A JP 28026890A JP 3062231 B2 JP3062231 B2 JP 3062231B2
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利彦 佐竹
幸男 大野木
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株式会社佐竹製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は同期電動機に関し、特にブラシレス単相誘導
同期電動機に関する。
【従来の技術】
一般に同期電動機は、その回転子を固定子巻線の作る
回転磁界の回転速度すなわち同期速度近くまで加速する
起動機と、回転子巻線の直流励磁が必要である。 この起動機を省略して同期電動機自体に大きな起動ト
ルクを持たせるように考案されたのが誘導同期電動機
で、これは起動時には回転子巻線を短絡して誘導電動機
として起動するために起動機は必要としないが、同期運
転に必要な回転子巻線の直流励磁のために、ブラシを必
要とする。すなわち、回転子の回転速度が同期速度に近
づくと回転子巻線の短絡を開放して外部の直流電源から
ブラシを介して回転子巻線に直流電流を流して回転子に
磁極を作り、この磁極が固定子巻線の作る回転磁界に引
張られて回転子は同期速度で回転する。このブラシは保
守点検を必要とすることから保守費が嵩み、ブラシレス
構造の同期電動機の開発が望まれている。 このブラシレス構造の同期電動機としては、従来から
永久磁石形やリラクタンス形があるが、トルクが小さ
く、減磁の問題や、低力率等の欠点があるため小容量の
ものに限られている。またランデル形やインダクタ形の
同期電動機は磁路の構成が複雑で大型となる欠点があっ
た。また交流励磁器と回転整流器を用いる方法も同様で
ある。また回転子巻線にダイオードを接続してインバー
ターの方形波電圧による高調波磁界を利用するブラシレ
ス自励形三相同期電動機は回転子の界磁起磁力が不足で
十分な出力が得られない欠点がある。更には三相の固定
子巻線の一相にダイオードを挿入して固定子の作る正相
分回転磁界に静止磁界を重畳して、同期速度で回転する
回転子巻線に静止磁界による交流電圧を誘起させて、こ
れをダイオードで整流することによって回転子巻線を直
流励磁して、正相分回転磁界を作用させて同期トルクを
発生するブラシレス自励形三相同期電動機があるが、こ
れは誘導機始動が不可能なために、回転子鉄心の渦電流
による起動となり起動トルクが小さい欠点がある。 ところで、前記従来技術における同期電動機の欠点は
多相交流同期電動機を中心に記述したが、単相交流同期
電動機においては、自己起動できるブラシレス同期電動
機は開示されていない。
【発明が解決しようとする課題】
したがって、単相交流同期電動機において、起動トル
クが大きく、さらに同期トルクも大きく、しかもブラシ
を必要とせず、保守点検が容易で構造が簡単で専用の起
動機も必要としないブラシレス単相誘導同期電動機の提
供を技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、同一回転軸上に任意の間
隔をおいて設けた2個の突極形回転子コアを有し、該2
個の回転子コアのそれぞれに回転子巻線を設けてそれぞ
れ直列に接続すると共に、該回転子巻線のそれぞれに並
列にダイオードを接続し、更に前記2個の突極形回転子
コアに連通してその外周上に複数個の導体を装着し該導
体のそれぞれをその両端部において短絡する短絡環とを
設けた回転子と、前記各突極形回転子コアにそれぞれ対
向して周設した2個の固定子コアを有し、該2個の固定
子コアのそれぞれに主巻線と補助巻線とを有する2個の
固定子及び前記2個の固定子のうち一方の固定子がこれ
に対峙する突極形回転子コアの周囲に生じる回転磁界と
他の固定子がこれに対峙する突極形回転子コアの周囲に
生じる回転磁界との間に位相差角0゜と位相差角180゜
を生じさせる電圧移相装置とを備え 該電圧移相装置によって、起動時に位相差角0゜とし、
両方の回転子巻線に電流を環流させて、更に複数の導体
に短絡環を介して電流を環流させて単相の誘導電動機と
して起動し、同期引き入れ時には位相差角180゜とし
て、逆相分回転磁界と鎖交して生じる各回転子巻線の電
流を前記ダイオードを介して流し、ダイオードを通じて
整流された電流で各突極形回転子コアに磁極を形成し
て、正相分回転磁界と突極型回転子コアの磁極とによっ
て同期に引き入れるブラシレス単相誘導同期電動機によ
って前記課題を解決するための手段とした。 また本発明によると、同一回転軸上に任意の間隔をお
いて設けた2個の回転子コアを有し、該2個の回転子コ
アに連通する導体を複数個設け、その両端を短絡環で短
絡してかご形導体とした回転子と、前記各回転子コアに
それぞれ対向して周設した2個の固定子コアを有し、該
2個の固定子コアのそれぞれに主巻線と補助巻線とを有
する2個の固定子と、前記連通する導体の前記固定子に
対向しない部分で、お互いに電気角で180゜に位置する
導体間を連結するダイオード及び前記2個の固定子のう
ち一方の固定子がこれに対峙する回転子コアの周囲に生
じる回転磁界と他の固定子がこれに対峙する回転子コア
の周囲に生じる回転磁界との間に位相差角0゜と位相差
角180゜を生じさせる電圧移相装置とを備え、 該電圧移相装置によって、起動時に位相差角0゜とし、
連通する導体に短絡環を介して電流を環流させて単相の
誘導電動機として起動し、同期引き入れ時には位相差角
180゜として、逆相分回転磁界と鎖交して生じる連通す
る導体の電流を前記ダイオードを介して流し、ダイオー
ドを通じて整流された電流で各回転子コアに磁極を形成
して正相分回転磁界と回転子コアの磁極とによって同期
に引き入れるブラシレス単相誘導同期電動機により前記
課題を解決するための手段とした。 また、前記電圧移相装置は、固定子巻線の端子をスイ
ッチで切換えて電源に接続するようにしたことにより前
記課題を解決するための手段とした。
【作 用】
請求項1による第1の発明の作用について説明する。
つまり、回転子の同一回転軸上に設けた2つの突極形回
転子コアに巻装した回転子巻線のそれぞれを直列に接続
すると共に、並列にダイオードを接続し、前記突極形回
転子コアの外周上に装着した複数個の導体のそれぞれを
連通状に連絡してその両端部において該導体を短絡環で
短絡するカゴ形導体を設けて構成したブラシレス単相誘
導同期電動機の作用について説明する。作用の説明は起
動から同期運転に至る順序でおこなう。 先ず起動時には2個の固定子の主巻線を直接電源に同
極性に並列に接続し、補助巻線はインピーダンスを通じ
て電源に接続する。したがって主巻線に流れる電流と補
助巻線に流れる電流との間に位相差を生じ、2個の回転
子コアの周囲にそれぞれ楕円磁界を作る。この2個の固
定子による2つの楕円磁界によって2個の回転子コアの
それぞれの巻線に電圧E,Eε Jθが誘起される。この場
合、2個の固定子の主巻線が同極性に並列に電源に接続
されているので、2個の固定子の楕円磁界は同相とな
る。つまり、起動時には2個の固定子による2つの楕円
磁界によって2個の回転子コアのそれぞれの巻線に誘起
される電圧の位相差角θはθ=0゜であるから、Eε
Jθ=Eとなって短絡環を介してカゴ形導体に環流電流
が流れ、同じく位相差角θ=0゜のとき、両方の回転子
巻線には環流電流が流れるので、回転子は単相の誘導電
動機の原理で起動する。従って起動トルクは大きく、別
個の起動機を必要としない。起動後、回転子の回転速度
が上昇してすべりSがS=0.05に近づいた時に同期運転
に引入れる。これは次のようにしておこなう。 先ず電圧移相装置により補助巻線を開放し、2個の固
定子の主巻線をおたがいに逆極性に並列に電源に接続す
る。このようにすると補助巻線に電流が流れなくなって
主巻線にのみ電流が流れるようになるので、前記楕円磁
界は交番磁界となる。 この交番磁界は周知のとおり、回転子と同一方向に回
転する正相分回転磁界と、回転子の回転方向と逆方向に
回転する逆相分回転磁界の合成と考えられる。従って回
転子の回転速度が正相分回転磁界の回転速度に等しい同
期速度すなわちすべりSがS=0になったとき、逆相分
回転磁界は同期速度の2倍の速度で回転子巻線と鎖交す
るから、回転子の巻線にはすべりSがS=0になっても
電圧が誘起する。しかも電圧移相装置によって2個の固
定子の主巻線がおたがいに逆極性に並列に電源A,Bに接
続されるので、回転子巻線の誘起電圧の位相差角θはθ
=180゜となる。 電圧移相装置によって電圧の位相差角θをθ=180゜
にするとε Jθ=−1となるので、カゴ形導体の誘起電
圧は打消されて電流が流れなくなる。一方回転子巻線に
はダイオードを通じて整流された電流が流れる。この整
流電流は直流分を含むので回転子巻線は直流励磁され
る。従ってこの回転子巻線の直流励磁と固定子の主巻線
の作る正相分回転磁界によって同期トルクを生じ、回転
子は同期速度で回転する。 ここで同期トルクを考案してみるに、同期運転時には
一方の回転子巻線にダイオードを通じて流れる整流電流
によって形成される磁極の極性が、他方の回転子コアの
回転子巻線のそれとは逆極性になるが、回転子巻線と対
峙する一方の固定子の主巻線の極性が電圧位相装置によ
って他方の固定子の主巻線とは逆極性に励磁されるの
で、同期トルクは2つの回転子コアにおいて同一の方向
となり、同期トルクは加算されることになって、本発明
のブラシレス単相誘導同期電動機は2固定子ではある
が、その合計の容量は従来のブラシを有する誘導同期電
動機と同等である。 次に請求項2による第2の発明の作用を説明する。前
記第1の発明と異なる点は回転子の構成が異なることで
ある。 つまり、回転子の同一回転軸上に設けた2個の回転子
コアの外周上に、複数個の導体を2個の回転子コアに連
通させて装着してその両端部において該導体を短絡環で
短絡するカゴ形導体を設けてある。また2個の回転子コ
アの間の中央部において、電気角で180゜に位置する回
転子導体間をダイオードおよび連絡環を介して連結して
構成したブラシレス単相誘導同期電動機の作用について
説明する。 起動時には第1の発明の作用で述べたように、2個の
固定子による2つの楕円磁界によって2個の回転子コア
のそれぞれ巻線に誘起される電圧の位相差角θをθ=0
゜とするから、Eε Jθ=Eとなってカゴ形導体に短絡
環を介して環流電流が流れて、回転子は単相の誘導電動
機の原理で起動する。従って起動トルクは大きく、別個
の起動機を必要としない。 次に同期運転時においては、電圧移相装置によって電
圧の位相差角θをθ=180゜にする。従ってε Jθ=−
1となるので、カゴ形導体に流れていた環流電流は流れ
なくなり、カゴ形導体にはダイオードおよび連絡環を通
じて逆相分回転磁界による整流電流が流れる。この整流
電流は直流分を含むので、カゴ形導体は直流励磁されて
回転子コアに磁極を形成する。この回転子コアに形成さ
れた磁極と固定子の主巻線を作る正相分回転磁界とによ
って同期トルクを生じ、回転子は同期速度で回転する。 なお、電圧移相装置としては本出願人が特願昭61−12
8314号において固定子の位置を回転軸のまわりに機械的
に回動させることによって変える方法と、固定子巻線の
接続をスイッチによって切換えて行う方法の2つを説明
している。 以上のような構成によって、起動トルクが大きく、さ
らに同期トルクも大きく、しかもブラシを必要とせず、
保守点検が容易で構成が簡単で専用の起動機を必要とし
ないブラシレス単相誘導同期電動機を提供することが可
能となった。 ところで、前記固定子巻線を励磁する電源は、商用周
波数の交流電源かまたはインバ−タを利用した可変周波
数電源を利用できる。上記可変周波数電源を利用する
と、同期速度の変更が容易に可能となり、その場合でも
通常の誘導電動機の始動トルクで起動可能であり、利用
分野は大きく拡大し、安価な同期電動機の提供が可能と
なった。
【実施例】
第1図及び第2図により本発明の実施例を説明する。
まず符号20はブラシレス単相誘導同期電動機の固定子側
を示す。また符号60は同じく回転子側を示す。 固定子側20は2個の固定子コアのそれぞれに主巻線2
1,22と補助巻線23,24を有する固定子と電圧移相装置27
とから構成され、一方の固定子コアの主巻線21は直接に
単相交流電源A,Bに接続し、補助巻線23はインピーダン
ス25とスイッチS3を通じて主巻線21に並列に接続されて
いる。また他方の固定子コアの主巻線22は電圧移相装置
27を介して単相電源A,Bに接続し、補助巻線24はインピ
ーダンス26とスイッチS4を通じて主巻線22に並列に接続
されている。ここで電圧移相装置27は2つのスイッチ
S1,S2から構成され、スイッチS1のみを投入すると主巻
線21,22が電源A、Bに同極性で並列に接続され、S2
みを投入すると主巻線21,22が電源A,Bに互いに逆極性で
並列に接続されるように結線してある。 また回転子側60は、同一回転軸10上に2つの突極形回
転子コア61,62を設け、該突極形回転子コア61,62に回転
子巻線63,64をそれぞれ巻装し、巻装した巻線63,64を直
列に接続すると共に、並列にダイオード68を接続し、さ
らに第2図の回転子の断面図に示すように、前記突極形
回転子コア61,62の外周上に複数個の導体を装着し、該
装着した複数個の導体66のそれぞれを連通状に連絡して
その両端部において該導体を短絡する短絡環67を設けた
カゴ形導体を設けてある。ここで突極形回転子コアは2
極として図示されているが、勿論2極に限定されるもの
ではない。 ここで固定子の主巻線21に対峙するカゴ形導体66に誘
起する電圧を図示の方向にE1とし、同じく回転子巻線63
に誘起する電圧を図示の方向にE2とする。また固定子の
主巻線22に対峙するカゴ形導体66に誘起する電圧を図示
の方向にE1 ε Jθとし、同じく回転子巻線64に誘起する
電圧を図示の方向にE2 ε Jθとする。ここでθは電圧の
位相差角である。 以上の構成による作用を説明する。説明は起動から同
期運転に至る順序で行う。先ず起動時にはスイッチS1,S
3,S4を閉じて、スイッチS2を開放した状態で単相交流電
源A,Bに主巻線21,22と補助巻線23,24を接続する。ここ
で固定子の主巻線21,22は直接電源に接続され、補助巻
線23,24はそれぞれインピーダンス25,26を通じて電源に
接続されるので、主巻線21,22に流れる電流と補助巻線2
3,24に流れる電流との間にインピーダンス25,26による
位相差を生じ、2個の回転子コアの周囲にそれぞれ楕円
磁界を作る。この場合、スイッチS1の投入によって固定
子の主巻線21,22が同極性に並列に電源に接続されてい
るので、2個の固定子の楕円磁界は同相となり、つまり
回転子巻線の誘導電圧の位相差角θはθ=0゜となる。 このように、起動時には電圧の位相差角θはθ=0゜
であるから、カゴ形導体に誘起する電圧は、E1 ε Jθ
E1となってカゴ形導体66に環流電流が流れ、同じくθ=
0゜のとき回転子巻線63,64に誘起する電圧は、E2 ε
Jθ=E2であるから回転子巻線63,64に環流電流が流
れ、回転子は単相の誘導電動機の原理で起動する。従っ
て起動トルクは誘導電動機と同様に大きく、別個の起動
機を必要としない。 起動後、回転子の回転速度が上昇してすべりSがS=
0.05に近づいた時に同期運転に引入れる。これは次のよ
うにして行う。 先ず電圧移相装置27のスイッチS1を開放してスイッチ
S2を投入すると共にスイッチS3,S4を開放する。このよ
うにすると補助巻線23,24に電流が流れなくなって主巻
線21,22にのみ電流が流れるようになるので、前記楕円
磁界は交番磁界となる。この交番磁界は周知のとおり、
回転子と同一方向に回転する正相分回転磁界と、回転子
の回転方向と逆方向に回転する逆相分回転磁界との合成
と考えられる。従って回転子の回転速度が正相分回転磁
界の回転速度に等しい同期速度すなわちすべりSがS=
0になったときは、固定子主巻線21,22による逆相分回
転磁界は同期速度の2倍の速度で回転子巻線63,64及び
回転子導体66と鎖交するから、回転子巻線63,64及び回
転導体66にはすべりSがS=0になっても電圧が誘起す
る。しかもスイッチS2の投入によって固定子主巻線21と
22が逆極性に並列に電源A,Bに接続されるので、回転子
巻線の誘起電圧の位相差角θはθ=180゜となる。従っ
ε Jθ=−1となるので、カゴ形導体66の誘起電圧は
打消されて電流が流れなくなる。一方回転子巻線63,64
にはダイオード68を通じて整流された電流が流れる。こ
の整流電流は直流分を含むので回転子巻線63,64は直流
励磁される。従ってこの回転子巻線の直流励磁と固定子
の主巻線21,22の作る正相分回転磁界によって同期トル
クを生じ、回転子は同期速度で回転する。 ここで同期トルクを考案してみるに、同期運転時には
位相差角θがθ=180゜となっているので、一方の回転
子巻線63にダイオード68を通じて流れる整流電流によっ
て形成される磁極の極性と、他方の回転子巻線64のそれ
とは互いに逆極性になるが、電圧移相装置27のスイッチ
S2の投入によって、回転子巻線64と対峙する固定子の主
巻線22の極性と、回転子巻線63と対峙する固定子の主巻
線21とは互いに逆極性に励磁されるので、主巻線21と主
巻線22による同期トルクは2つの回転子コアにおいて同
一の回転方向となり、同期トルクは加算されることにな
って、本発明のブラシレス単相誘導同期電動機は2固定
子ではあるが、その合計の容量は従来のブラシを有する
誘導同期電動機と同等である。 以上のように、本発明のブラシレス単相誘導同期電動
機は、起動時には従来の誘導電動機の原理で起動するか
ら起動トルクが大きく、従って他の特別の起動機を必要
としない。また同期運転においては、逆相分回転磁界を
利用して回転子巻線を直流励磁して正相分回転磁界との
間に同期トルクを発生するので同期トルクが大きく、ブ
ラシなどの保守を必要としない同期電動機を提供するこ
とが可能となった。 さて、本実施例では、回転子巻線の誘導電圧に位相差
を設ける電圧移相装置として、固定子巻線の端子をスイ
ッチによって入換えて接続することによって電気的に位
相差角θをθ=0゜からθ=180゜に切替えているが、
これに限定されるものではなく、一方の固定子の位置を
機械的に回動させるようにしてもよい。 また、本実施例では、同期運転時に固定子の補助巻線
をスイッチによって開放したが、同期運転時の固定子の
楕円磁界中の逆相分回転磁界が回転子巻線の直流励磁に
十分であれば、補助巻線をスイッチで開放する必要はな
い。 また本実施例では、電源として商用電源を用いる方法
を記載したが、インバータのような可変周波数電源を用
いることによって任意の同期速度で運転することも可能
である。 また、本実施例では、固定子の主巻線と補助巻線を設
けたが、3相巻線の2相を主巻線に、残り1相を補助巻
線に流用するようにしてもよい。 また本実施例では2個の固定子の巻線を電源に並列に
接続したが、これを直列に接続するようにしてもよい。 次に第2の実施例を第3図及び第4図によって説明す
る。この実施例が前記第1の実施例と異なる点は回転子
側70の構成が異なることである。 すなわち第3図に示すように、回転子側70の同一回転
軸10上に2個の回転子コア83,84を配し、回転子コア83,
84の外周上に連通した複数個の導体66を設け、その両端
部において前記複数個の導体66を短絡環67で短絡したカ
ゴ形導体を設けてある。また2個の回転子コア83,84の
間の中央部において、第4図で示すように、互いに電気
角で180゜(2極の場合、機械角で180゜)に位置する導
体66相互間をダイオード90および連絡環91を介して、回
転子コアに2極の磁極が形成されるように連結してあ
る。第4図は2極の場合を示したが、これに限定されな
いことはいうまでもない。 ここで固定子の主巻線21に対峙するカゴ形導体66に誘
起する電圧を図示の方向にEとし、また固定子の主巻線
22に対峙するカゴ形導体66に誘起する電圧を図示の方向
にEε Jθとする。ただしθは電圧の位相差角である。 以上の構成による作用を説明する。起動時には第1の
実施例で述べたように、電圧の位相差角θをθ=0゜と
するから、Eε Jθ=Eとなってカゴ形導体66に環流電
流が流れて、回転子は単相の誘導電動機の原理で起動す
る。従って起動トルクは誘導電動機同様に大きく、別個
の起動機を必要としない。 次に同期運転時においては、第1の実施例で述べたよ
うに、電圧の位相差角θをθ=180゜にする。従ってε
Jθ=−1となるので、カゴ形導体66に流れていた環流
電流は流れなくなるが、カゴ形導体66には逆相分回転磁
界と鎖交して電圧が誘起される。従って、ダイオード90
及び連絡環91を通じて逆相分回転磁界による整流電流が
流れる。この整流電流は直流分を含むので、カゴ形導体
66は直流励磁されて回転コア83,84に磁極を形成する。
この回転子コア83,84に形成された磁極と固定子の主巻
線21,22の作る正相分回転磁界とにより同期トルクを生
じ、回転子は同期速度で回転する。
【効 果】
本発明の単相交流誘導同期電動機によると起動は誘導
電動機の特性で行い、すべりがたとえば0.05付近から同
期電動機に移行して同期速度で回転する。更に詳説する
と、本発明のブラシレス単相誘導同期電動機は、起動機
やブラシを必要としないから構造、構成が簡単でほとん
ど誘導電動機そのままでよい。誘導電動機そのままであ
るから、誘導電動機のトルク特性で起動できる。よって
負荷時においても本発明の同期電動機による起動が可能
である。 ところで、本発明のブラシレス単相誘導同期電動機
は、誘導電動機と同期電動機との両方のトルク特性を備
えるから、どちらの電動機のトルク特性でも使用可能で
ある。このことは、同期速度で運転中、何らかの原因で
脱調した場合でも、同期電動機のトルク特性から誘導電
動機のトルク特性に切換え可能であるから、一般の同期
電動機のように電動機が急激に停止することはなく、ま
た高負荷で使用した場合、一般の同期電動機は過電流が
流れて発熱し焼損に至るため電動機を停止させ回転は急
激に低下するが、本発明の同期電動機は、一度、誘導電
動機に切換えて停止させることができ、回転の急激な低
下を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の実施例の固定子側と回転子側との簡略な
構成図、第2図は第1の実施例の回転子の正断面図、第
3図は第2の実施例の固定子側と回転子側の簡略な構成
図、第4図は第2の実施例の回転子の正断面図である。 10……回転軸、20……固定子側、21……主巻線、22……
主巻線、23……補助巻線、24……補助巻線、25……イン
ピーダンス、26……インピーダンス、27……電圧移相装
置、60……回転子側、61……回転子コア、62……回転子
コア、63……回転子巻線、64……回転子巻線、66……導
体、67……短絡環、68……ダイオード、70……回転子
側、83……回転子コア、84……回転子コア、90……ダイ
オード、91……連絡環、S1……スイッチ、S2……スイッ
チ、S3……スイッチ、S4……スイッチ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一回転軸上に任意の間隔をおいて設けた
    2個の突極形回転子コアを有し、該2個の回転子コアの
    それぞれに回転子巻線を設けてそれぞれ直列に接続する
    と共に、該回転子巻線のそれぞれに並列にダイオードを
    接続し、更に前記2個の突極形回転子コアに連通してそ
    の外周上に複数個の導体を装着し該導体のそれぞれをそ
    の両端部において短絡する短絡環とを設けた回転子と、
    前記各突極形回転子コアにそれぞれ対向して周設した2
    個の固定子コアを有し、該2個の固定子コアのそれぞれ
    に主巻線と補助巻線とを有する2個の固定子及び前記2
    個の固定子のうち一方の固定子がこれに対峙する突極形
    回転子コアの周囲に生じる回転磁界と他の固定子がこれ
    に対峙する突極形回転子コアの周囲に生じる回転磁界と
    の間に位相差角0゜と位相差角180゜を生じさせる電圧
    移相装置とを備え 該電圧移相装置によって、起動時に位相差角0゜とし、
    両方の回転子巻線に電流を環流させて、更に複数の導体
    に短絡環を介して電流を環流させて単相の誘導電動機と
    して起動し、同期引き入れ時には位相差角180゜とし
    て、逆相分回転磁界と鎖交して生じる各回転子巻線の電
    流を前記ダイオードを介して流し、ダイオードを通じて
    整流された電流で各突極形回転子コアに磁極を形成し
    て、正相分回転磁界と突極型回転子コアの磁極とによっ
    て同期に引き入れることを特徴とするブラシレス単相誘
    導同期電動機。
  2. 【請求項2】同一回転軸上に任意の間隔をおいて設けた
    2個の回転子コアを有し、該2個の回転子コアに連通す
    る導体を複数個設け、その両端を短絡環で短絡してかご
    形導体とした回転子と、前記各回転子コアにそれぞれ対
    向して周設した2個の固定子コアを有し、該2個の固定
    子コアのそれぞれに主巻線と補助巻線とを有する2個の
    固定子と、前記連通する導体の前記固定子に対向しない
    部分で、お互いに電気角で180゜に位置する導体間を連
    結するダイオード及び前記2個の固定子のうち一方の固
    定子がこれに対峙する回転子コアの周囲に生じる回転磁
    界と他の固定子がこれに対峙する回転子コアの周囲に生
    じる回転磁界との間に位相差角0゜と位相差角180゜を
    生じさせる電圧移相装置とを備え、 該電圧移相装置によって、起動時に位相差角0゜とし、
    連通する導体に短絡環を介して電流を環流させて単相の
    誘導電動機として起動し、同期引き入れ時には位相差角
    180゜として、逆相分回転磁界と鎖交して生じる連通す
    る導体の電流を前記ダイオードを介して流し、ダイオー
    ドを通じて整流された電流で各回転子コアに磁極を形成
    して正相分回転磁界と回転子コアの磁極とによって同期
    に引き入れることを特徴とするブラシレス単相誘導同期
    電動機。
  3. 【請求項3】電圧移相装置は、一方の固定子巻線の電源
    に対する接続をスイッチで切換えるようにしたことを特
    徴とする請求項(1)または(2)に記載のブラシレス
    単相誘導同期電動機。
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