JPH06151602A - 配向性強誘電体薄膜の作製方法 - Google Patents

配向性強誘電体薄膜の作製方法

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JPH06151602A
JPH06151602A JP31923092A JP31923092A JPH06151602A JP H06151602 A JPH06151602 A JP H06151602A JP 31923092 A JP31923092 A JP 31923092A JP 31923092 A JP31923092 A JP 31923092A JP H06151602 A JPH06151602 A JP H06151602A
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ferroelectric thin
epitaxial
mgo
buffer layer
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Keiichi Nashimoto
恵一 梨本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶半導体基板上にエピタキシャルMgO
をバッファ層として形成し、その上にエピタキシャルま
たは配向性の強誘電体薄膜を形成した配向性強誘電体薄
膜を、容易にかつ安価に製造する方法を提供する。ま
た、不揮発性メモリーややキャパシター、または薄膜光
導波路を用いた素子を半導体上に作製する場合に有用で
ある。 【構成】 単結晶半導体基板上に気相成長法によりエピ
タキシャルMgOバッファ層を形成し、さらにその上に
有機金属化合物を塗布し、焼成することによってエピタ
キシャルまたは配向性の強誘電体薄膜を形成する。前記
強誘電体薄膜は、金属アルコキシド、金属塩より選ばれ
る有機金属化合物を用い、スピンコート法、ディッピン
グ法、スプレー法、スクリーン印刷法、インクジェット
法より選ばれる方法によりエピタキシャルMgOバッフ
ァ層が形成された基板上に塗布し、その後焼成すること
によって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エピタキシャルMg
Oをバッファ層として用い、単結晶半導体基板上に有機
金属化合物を利用して、エピタキシャルまたは配向性の
強誘電体薄膜を形成する方法に関し、具体的には、不揮
発性メモリーやキャパシター、または光変調素子などを
半導体上に作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物強誘電体薄膜は強誘電体の
もつ強誘電性、圧電性、焦電性、電気光学効果などの多
くの性質により不揮発性メモリーを始めとして表面弾性
波素子、赤外線焦電素子、音響光学素子、電気光学素子
など多くの応用が期待されている。これらの応用のう
ち、薄膜光導波路構造での低光損失化と単結晶なみの分
極特性や電気光学効果を得るために単結晶薄膜の作製が
不可欠である。そのため、BaTiO3 、PbTi
3 、Pb1-x Lax (Zry Ti1-y 1-x/4
3 (PLZT)、LiNbO3 、KNbO3 などのエピ
タキシャル強誘電体薄膜がRf−マグネトロン・スパッ
タリング、レーザー・アブレーション、有機金属化学蒸
着(MOCVD)などの方法によって比較的高価な酸化
物単結晶基板に形成することが種々試みられている。
【0003】しかしながら、半導体素子との集積化のた
めには半導体基板上に強誘電体薄膜を作製することが必
要である。半導体基板上における強誘電体薄膜のエピタ
キシャル成長は高成長温度、半導体と強誘電体との間の
相互拡散、半導体の酸化などの為に難しい。さらに、G
aAs基板上における強誘電体薄膜のエピタキシャル成
長は次の理由により難しい。すなわち、GaAsは40
0℃以上では表面のAsが減少し、690℃以上ではA
s4雰囲気なしではAsとGaの一層ずつの昇華が始ま
ることが知られている。また、GaAs基板上への強誘
電体薄膜作製の報告は極めて数少なく、PLZTがGa
As成長した際には、PbのGaAsへの拡散が検出さ
れている。
【0004】これらの理由のため、低温で半導体基板上
でエピタキシャル成長し、強誘電体薄膜のエピタキシャ
ル成長を助け、かつ拡散バリアとしても働くキャッピン
グ層をバッファ層として半導体基板上に形成することが
必要である。さらに、強誘電体と半導体との間に絶縁体
を形成したFET素子においては、このようなバッファ
層が存在すれば、強誘電体の分極時の半導体からの電荷
の注入を防ぐことができ、強誘電体の分極状態を維持す
ることが容易となる。また、強誘電体の屈折率は一般に
GaAsよりも小さいが、強誘電体よりも小さい屈折率
をもつバッファ層が得られれば、半導体レーザー光を強
誘電体薄膜光導波路中に閉じ込めることが可能になり、
光変調素子を半導体レーザー上に作製することが可能に
なる。
【0005】一方、その格子定数と熱安定性とにより強
誘電体や高温超電導体の基板として良く用いられるMg
OはSi上へエピタキシャル成長することが知られてい
る(D.K.Fork、F.A.Ponce、J.C.
TramontanaおよびT.H.Geballe;
Appl.Phys.Lett.58、2294(19
91))。
【0006】これに対し、本発明者らは気相成長法によ
りMgOがGaAs(100)上へエピタキシャル成長
し、また、MgOをバッファ層として用いると強誘電体
薄膜が半導体上でエピタキシャル成長できることを発見
した。この際の結晶学的関係は、例えばBaTiO3
ついてはBaTiO3 (001)//MgO(100)//
GaAs(100)、面内方位BaTiO3 [010]
//MgO[001]//GaAs[001]であり、正方
晶系の強誘電体の分極方向が基板面に対して垂直な構造
を作ることができた。これについて、本発明者等は先に
提案し、その後、論文としても発表を行った(K.Na
shimoto、D.K.ForkおよびT.H.Ge
balle;Appl.Phys.Lett.60、1
199(1992))。
【0007】上記したように、強誘電体薄膜のエピタキ
シャルまたは配向性薄膜は気相成長法によって作製され
てきたが、これらの方法は強誘電体薄膜の組成制御の問
題や表面性の問題、さらに設備コストなどの問題があ
る。これに対し、有機金属化合物を用いて強誘電体薄膜
を得るゾルゲル法は、精密な化学組成制御、分子レベル
の均一性、プロセスの低温化、大面積化、低設備コスト
などの面での利点があることが知られており、本発明者
等は、論文(K.NashimotoおよびM.J.C
ima;Mater.Lett.10、348(199
1))に示したように、このゾルゲル法において、加水
分解を行わない有機金属化合物を用いると、単結晶基板
上に単結晶の強誘電体薄膜がエピタキシャル成長できる
ことを発見した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、単結
晶半導体基板上にエピタキシャルMgOバッファ層を設
け、さらにその上にエピタキシャルまたは配向性の強誘
電体薄膜を設けた配向性強誘電体薄膜を、容易かつ安価
に製造する方法が求められていた。本発明は、このよう
な要請に基づいてなされたものであって、その目的は、
単結晶半導体基板上にエピタキシャルMgOをバッファ
層として形成し、その上にエピタキシャルまたは配向性
の強誘電体薄膜を形成した配向性強誘電体薄膜を、容易
にかつ安価に製造する方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、不揮発性メモリーやキャパシター、ま
たは薄膜光導波路を用いた素子を半導体上に容易に作製
する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の配向性強誘電体
薄膜の製作方法は、単結晶半導体基板上に気相成長法に
よりエピタキシャルMgOバッファ層を形成し、さらに
その上に有機金属化合物を塗布し、焼成することによっ
てエピタキシャルまたは配向性の強誘電体薄膜を形成す
ることを特徴とする。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、単結晶半導体基板としては、単体半導体
であるSi、Ge、ダイアモンド、III −V系の化合物
半導体であるAlAs、AlSb、AlP、GaAs、
GaSb、InP、InAs、InSb、AlGaP、
AlLnP、AlGaAs、AlInAs、AlAsS
b、GaInAs、GaInSb、GaAsSb、In
AsSb、II−VI系の化合物半導体であるZnS、Zn
Se、ZnTe、CaSe、CdTe、HgSe、Hg
Te、CdSより選ばれるものが使用できる。
【0011】これら単結晶半導体基板上にエピタキシャ
ルMgOバッファ層を形成するが、気相成長法により形
成するのが好ましい。気相成長法としては、電子ビーム
蒸着、フラッシュ蒸着、イオン・プレーティング、Rf
−マグネトロン・スパッタリング、イオン・ビーム・ス
パッタリング、レーザー・アブレーション(レーザー・
デポジション)、モレキュラー・ビーム・エピタキシー
(MBE)、化学蒸着(CVD)、プラズマCVD、お
よび有機金属化学蒸着(MOCVD)より選ばれるもの
が採用できる。これらの中で、電子ビーム蒸着法は、蒸
着操作が容易であるという利点があり、また、MBE法
は、基板がGaAsの場合に有利に適用でき、また、M
OCVD法の場合は、大面積化が容易に行えるという利
点がある。
【0012】次いで、その上に、例えば、KNbO3
BaTiO3 、PbTiO3 、Pb1-x Lax (Zry
Ti1-y 1-x/4 3 (PZT、PLT、PLZT)、
Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 などに代表されるABO
3 型強誘電体、およびこれらの置換誘導体より選ばれる
前記強誘電体薄膜を形成するが、具体的には、Li、
K、Nb、Ta、Bi、Ba、Sr、Pb、La、T
i、Zr、Mgなどの金属アルコキシド、金属塩より選
ばれる有機金属化合物を用いて形成される。これらの中
でも金属アルコキシドは、加水分解しやすく、また、焼
成温度が低く、高密度の薄膜を得ることができるので好
ましい。本発明に使用できる加水分解可能な有機金属化
合物としては、例えば、次のものを例示することができ
る。Ti(O−i−C3 7 4 、Zr(O−i−C3
7 4 、Pb(CH3 COO)2 、La(O−i−C
3 7 4 、LiOC2 5 、Nb(OC2 5 5
Bi(OCH3 3 、KOC2 5 、Ba(OC
2 5 2 、Sr(OC2 5 2 、Ta(OC
2 5 5 、Mg(OC2 5 2
【0013】これらの原料を所定の組成に配合してアル
コール類、ジケトン類、ケトン酸類、アルキルエステル
類、オキシ酸類、オキシケトン類などより選ばれた溶媒
中に溶解した後、得られた溶液をエピタキシャルMgO
バッファ層が形成された基板上に塗布する。その際、基
板への塗布前の加水分解、または原料を塗布した基板の
焼成中の加水分解、あるいはこれらの両方の処理による
加水分解が行われる。この溶液の基板上への塗布は、ス
ピンコート法、ディッピング法、スプレー法、スクリー
ン印刷法、インクジェット法より選ばれた方法が使用で
きる。塗布後、一定の温度範囲で焼成して、強誘電体薄
膜をエピタキシャルまたは配向性成長させる。
【0014】
【実施例】
実施例1 GaAs基板へのエピタキシャルMgOバッファ層の形
成を、ターゲット表面をUVレーザー・パルスにより瞬
間的に加熱し蒸着を行うエキシマ・レーザー・デポジシ
ョン法によって行った。レーザーはXeClエキシマ・
レーザー(波長308nm)を用い、パルス周期4H
z、パルス長17ns、エネルギー130mJ(ターゲ
ット表面でのエネルギー密度1.3J/cm2 )の条件
とした。ターゲットと基板の距離は50mmである。タ
ーゲットはMgOが波長308nmに吸収を持たないた
めに金属Mgを用いた。MgOは10eV以上の高い結
合エネルギーを持っているため、O2 を成膜中に導入す
ることによってMgは容易に酸化された。基板はハロゲ
ン・ランプによって加熱した。GaAs基板はn型、
(100)±0.2°、6×6mmのウエハーを用い
た。これらの基板は溶剤洗浄の後、H2 SO4 系の溶液
にてエッチングを行った。さらにこの基板を脱イオン水
とエタノールでリンスし、最後に窒素流下でエタノール
によるスピン乾燥を行った。エッチング後に脱イオン水
リンスで形成されたGaAs基板表面の単層酸化膜はパ
ッシベーション層として働き、また582℃で解離です
るという報告がある。従って、スピン乾燥後に基板をた
だちにデポジション・チャンバーに導入し、一定温度、
バックグラウンド圧力3×10-7Torrにて加熱を行
ってGaAs表面の不動体層の脱離(昇華)を図り、続
いてMgOを200〜600℃、1×10-6〜1×10
-3Torr O2 の条件にて40〜400オングストロ
ームのMgOの成膜を行った。
【0015】X線回折によって解析すると成膜したMg
Oは広い範囲の条件にて(100)面単一配向のエピタ
キシャル膜となったが、250〜450℃、5×10-6
〜1×10-4Torr O2 の条件にて良質な薄膜とな
った。MgOとGaAsの面内結晶方位の関係を同定す
るために、X線回折ファイ・スキャンを行った。立方晶
において(100)面に対して45°の角度をもってい
る(202)面についてのファイ・スキャンは、MgO
(100)/GaAs(100)のMgOに対して90
°の回転周期をもつシャープなピークを示し、この位置
はGaAsのピーク位置に一致した。これらのことか
ら、MgOとGaAsとの結晶学的関係は格子不整が2
5.5%となるにもかかわらず、MgOとGaAsの結
晶方位の関係はMgO(100)//GaAs(10
0)、面内方位MgO[001]//GaAs[001]
であることが分かった。
【0016】MgOと半導体の界面を高分解能透過型電
子顕微鏡にて観察すると、MgO−GaAs界面ではM
gO:GaAs=4:3の格子整合による二次元超格子
が形成されており、界面には二次層などの生成はなく急
峻な界面であった。4:3の格子整合を考えると、Mg
O:GaAs=4:3では0.7%となり、大きな格子
不整合を持つにもかかわらず膜内応力が緩和されてMg
O[001]//GaAs[001]のエピタキシャル成
長が実現されたと考えられる。
【0017】エピタキシャルMgOバッファー層をGa
As基板上に作製した後、直ちにPbTiO3 をMgO
上に作製した。PbTiO3 の作製は、まず、Ti(O
−i−C3 7 4 を2−メトキシエタノール:CH3
OCH2 CH2 OH(ROH)に溶解し、続いて100
℃にて真空乾燥したPb(CH3 COO)2 (Pb(O
AC)2 )を、Pb:Ti=1.0:1.0のモル組成
比にて溶解した。その後120℃にて一定時間蒸留する
ことにより、金属錯体PbTiO2 (OR)2を形成す
るとともに、副生成物CH3 COOCH2 CH2 OCH
3 (AcOR)の除去を行った。次に、この溶液に、P
b:H2 O:HNO3 =1:1:0.1となるようにH
2 O:HNO3 のROH溶液を加え、50℃にて数時間
還流することにより金属アルコキシドを部分的に加水分
解した。この後、溶液を減圧濃縮して最終的にPb濃度
で0.6Mの安定な前駆体溶液を得た。以上の操作はす
べてN2 雰囲気中にて行った。この前駆体溶液をMgO
(100)/GaAs(100)基板に、室温N2 雰囲
気中にて2000rpmでスピンコーティングを行っ
た。スピンコーティングされた基板は、O2 雰囲気中で
350℃にて5分間加熱の後、600℃にて30分間加
熱して結晶化させた。これにより、膜厚1000オング
ストロームの薄膜が得られ、X線回折パターンを解析す
ると、PbTiO3 はa軸配向のペロブスカイト単一層
であり、PbTiO3 とMgO/GaAsの結晶方位の
関係はPbTiO3 (100)//MgO(100)//G
aAs(100)であった。また、スピンコーティング
と焼成をさらに二回繰り返すことにより膜厚3000オ
ングストロームの薄膜も得られた。
【0018】PbTiO3 層の組成をX線マイクロ・ア
ナライザーにて分析すると、Pb:Ti比は0.99:
1.00と前記Pb:Ti比からの偏差は誤差範囲内で
あり、極めて組成制御が良好であった。これに対し、P
b:Ti比1.0:1.0のPbTiO3 ターゲットを
用い、エキシマ・レーザー・デポジション法によってM
gO(100)/GaAs(100)基板上に、PbT
iO3 を600℃にて形成した際には、PbTiO3
の組成はPb:Ti=0.89:1.00と、組成制御
が気相成長法としては良好なレーザー・デポジション法
でも、組成のずれは大きかった。
【0019】実施例2 本発明の他の実施例として、PZT(Pb(Zr0.52
0.48)O3 )/MgO/Si構造の作製を示す。Si
へのエピタキシャルMgOバッファ層の形成は上記実施
例1と同様にエキシマ・レーザー・デポジション法によ
って行った。単結晶Si基板は、n型またはp型、(1
00)面、6×6mmのウエハーを用いた。これらの基
板は溶剤洗浄の後、HF系溶液にてエッチングを行っ
た。さらにこの基板を脱イオン水とエタノールでリンス
し、最後に窒素流下でエタノールによるスピン乾燥を行
った。スピン乾燥後に基板を直ちにデポジション・チャ
ンバーに導入し、一定温度、バックグラウンド圧力3×
10-7Torr、500℃以上にて加熱を行ってSi表
面のH不動体層の脱離を図り、続いてMgOを400〜
600℃、2×10-6〜1×10-5Torr O2 の条
件にて約300オングストロームのMgOの成膜を行っ
た。
【0020】X線回折によって解析すると、Si基板上
へ成膜したMgOは(100)面単一配向のエピタキシ
ャル膜となり、MgOとSiの面内結晶方位の関係を同
定するために、X線回折ファイ・スキャンを行うと、M
gOとSiとの結晶学的関係は格子不整が22.5%と
なるにもかかわらず、MgOとSiの結晶方位の関係
は、MgO(100)//Si(100)、面内方位Mg
O[001]//Si[001]であることがわかった。
【0021】エピタキシャルMgOバッファー層をSi
基板上に作製した後、直ちにPZTをMgO上に作製し
た。PZTの作製は、実施例1とほぼ同様にして、P
b:Zr:Ti=1:0.52:0.48のモル組成比
のPb(CH3 COO)2 、Zr(O−i−C3 7
4 およびTi(O−i−C3 7 4 よりなる混合物を
用いてPZTの0.6Mの前駆体溶液を得、この前駆体
溶液をMgO(100)/Si(100)基板に室温N
2 雰囲気中にて2000rpmでスピンコーティングを
行った。スピンコーティングされた基板は、先の実施例
と同様にして焼成した。
【0022】これにより膜厚1000オングストローム
の薄膜が得られ、X線回折パターンを解析するとPZT
は主にc軸配向を示すエピタキシャル薄膜に近いペロブ
スカイト単一層薄膜であり、PZTとMgO/GaAs
の結晶方位の関係は主にPZT(001)//MgO(1
00)//GaAs(100)、面内方位PZT[01
0]//MgO[001]//Si[001]であった。ま
た、スピンコーティングと焼成をさらに四回繰り返すこ
とにより膜厚約4000オングストロームの薄膜も得ら
れた。また、Cr/2000オングストローム−PZT
/300オングストローム−MgO/Siのキャパシタ
ー構造においてPZTの分極特性を測定すると、この構
造によるP−E特性はヒステリシス・ループを示し、P
ZTは構造解析によって推定したように分極軸が単結晶
Si基板に垂直に配向した強誘電相であることが分かっ
た。
【0023】同様にしてPb1-x Lax (Zry Ti
1-y 1-x/4 3 (PLZT)もエピタキシャルMgO
バッファ層を用いることにより半導体基板へエピタキシ
ャル成長させることができる。さらに、実施例ではエキ
シマ・レーザー・デポジション法を用いてMgOバッフ
ァ層を作製したが、成膜プロセスはこれに限定されるも
のではなく、Rf−マグネトロン・スパッタリング、イ
オン・ビーム・スパッタリング、電子ビーム蒸着、フラ
ッシュ蒸着、イオン・プレーティング、モレキュラー・
ビーム・エピタキシ(MBE)、イオン化クラスター・
ビーム・エピタキシ、化学気相成長法(CVD)、有機
金属化学気相成長法(MOCVD)、プラズマCVDな
どの気相成長法が同様に本発明において有効である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を有するから、単
結晶半導体基板上に強誘電体薄膜を容易にエピタキシャ
ルまたは配向性成長させることが可能になる。すなわ
ち、単結晶半導体基板上に気相成長法によりエピタキシ
ャルMgOバッファ層を形成することにより、強誘電体
薄膜のエピタキシャル成長を助け、かつエピタキシャル
MgOバッファ層が拡散バリアとしても働くようにな
り、そして、ゾルゲル法によりエピタキシャルまたは配
向性の強誘電体薄膜を作製するから、従来用いられてい
る単結晶酸化物基板よりも安価な単結晶半導体基板上に
エピタキシャルまたは配向性の強誘電体薄膜を作製する
ことが可能になる。また、ゾルゲル法を使用するため
に、強誘電体薄膜の精密な化学組成制御、分子レベルの
均一性、プロセスの低温化、大面積化、低設備コストな
どの面での有利である。さらに、強誘電体薄膜の配向が
制御できるために大きな残留分極値や大きな電気光学定
数などを得ることができ、強誘電体と半導体との間に絶
縁体を形成したFET素子においては、強誘電体の分極
時の半導体からの電荷の注入を防ぐことができ、強誘電
体の分極状態を維持することが容易となる。また、強誘
電体の屈折率は一般に半導体よりも小さいが、強誘電体
よりも小さい屈折率をもつバッファ層が得られればレー
ザー光を強誘電体薄膜光導波路中に閉じ込めることが可
能になり、光集積回路の半導体集積回路上への作製や光
変調素子の半導体レーザー上への作製が容易になる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶半導体基板上に気相成長法により
    エピタキシャルMgOバッファ層を形成し、さらにその
    上に有機金属化合物を塗布し、焼成することによってエ
    ピタキシャルまたは配向性の強誘電体薄膜を形成するこ
    とを特徴とする配向性強誘電体薄膜の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記MgOバッファ層を、電子ビーム蒸
    着、フラッシュ蒸着、イオン・プレーティング、Rf−
    マグネトロン・スパッタリング、イオン・ビーム・スパ
    ッタリング、レーザー・アブレーション(レーザー・デ
    ポジション)、モレキュラー・ビーム・エピタキシー
    (MBE)、化学蒸着(CVD)、プラズマCVD、お
    よび有機金属化学蒸着(MOCVD)より選ばれる気相
    成長法により作製する請求項1記載の配向性強誘電体薄
    膜の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記強誘電体薄膜を、金属アルコキシ
    ド、金属塩より選ばれる加水分解可能な有機金属化合物
    より形成する請求項1記載の配向性強誘電体薄膜の作製
    方法。
  4. 【請求項4】 前記強誘電体薄膜を、スピンコート法、
    ディッピング法、スプレー法、スクリーン印刷法、イン
    クジェット法より選ばれる方法により加水分解可能な有
    機金属化合物を塗布し、その後焼成するによって形成す
    る請求項1記載の配向性強誘電体薄膜の作製方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5576879A (en) * 1994-01-14 1996-11-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Composite optical modulator
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CN107578861A (zh) * 2017-09-01 2018-01-12 云南电网有限责任公司电力科学研究院 一种抑制瞬态电场下电荷注入方法及装置

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