JPH06149078A - トナー画像転写装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】感光体上のトナーにより転写装置が汚染される
のを防止し、感光体上のトナー画像を転写紙のしかるべ
き位置に転写し、小型、低コストで、平滑性の低い転写
紙にも良好な転写を行うことができる高品質の転写装置
を提供する。 【構成】転写紙１２を感光体１に転写ガイド７により押
し付けて感光体１上のトナー画像を転写紙１２に転写す
る画像形成装置において、転写ガイド７が転写紙１２を
介し感光体１と接する転写ガイド面に転写電極１３が設
けられ、感光体１上のトナー１１の極性と逆極性の電圧
が印加される。転写ガイド７は、転写動作に応じて感光
体１に対し、転写ガイド接離動手段８，１６，１７，１
８，１９により接離される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はトナー画像転写装置に関
する。本発明のトナー画像転写手段は、電子写真装置や
光プリンター等の転写装置に利用可能である。

【０００２】

【従来の技術】像担持体上に形成されたトナーを転写紙
上に転写する方法としては、コロナチャージを利用する
コロナ方式、転写ローラーや転写ベルトによる転写方
式、導電性ブラシを用いるブラシ方式等が知られてい
る。

【０００３】コロナ方式には、転写の際のコロナ放電に
伴い、オゾン等の有毒ガスが発生するという問題があ
り、転写ローラーや転写ベルトを用いる方式はローラー
やベルト専用の複雑な駆動機構を必要とし、コストも高
くつくという問題がある。またブラシ方式は、ブラシの
毛抜けや、毛折れなど故障の原因が発生しやすく、また
ブラシを像担持体から退避する際には大きな退避距離を
必要とし、機器の大型化になるという問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決し、小型で、低コストに実現でき、転写性能の
よい新規なトナー画像転写装置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のトナー画像転写
装置は、像担持体上に形成されたトナー画像を転写紙上
に転写する装置であって、転写ガイドと、転写ガイド接
離手段と、転写電極と、電圧印加手段とを有する。

【０００６】転写ガイドは、転写部において、転写紙を
像担持体に弾性的に押し付ける。転写ガイド接離手段
は、転写ガイドを像担持体に対して接離させる。転写電
極は、転写ガイドの、転写紙を介して像担持体と接する
転写ガイド面に設けられる。電圧印加手段は、転写電極
にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する。

【０００７】転写ガイドを像担持体に弾性的に押し付け
るには、転写ガイドを可撓性ある材質で形成し、転写ガ
イドが転写紙を介して像担持体に押圧されたとき、自身
が撓むことにより弾性的な押圧を実現するようにしても
よいし、転写ガイド接離手段により転写ガイドに弾性的
な押圧力を作用させてもよい。

【０００８】請求項２記載のトナー画像転写装置は、上
記請求項１記載のトナー画像転写装置の構成において、
転写時における上記像担持体と上記転写電極との最近接
点より上流側（転写紙が搬送されてくる側）において、
上記転写電極と上記像担持体との間の距離が、使用され
る転写紙の厚さ：ｔに対し、ｔ＋０．５ｍｍ以下である
ことを特徴とする。

【０００９】請求項３記載のトナー画像転写装置は、上
記請求項１記載のトナー画像転写装置の構成において、
転写時における像担持体と転写電極との間の距離が、使
用される転写紙の厚さ：ｔに対し、転写電極幅全域に渡
ってｔ＋０．５ｍｍ以下であり、電圧印加手段が転写電
極に、トナーと逆極性に直流偏寄した交流電圧を印加す
ることを特徴とする。

【００１０】転写電極幅とは、トナー画像転写時に、転
写紙が搬送され方向における転写電極の長さである。

【００１１】上記請求項１〜３記載のトナー画像転写装
置において、転写電極の表面に、電気絶縁性の薄層を設
けることができる（請求項４）。

【００１２】

【作用】転写ガイドは、転写ガイド接離動手段により転
写紙を像担持体に押し付け、転写ガイドに設けられた転
写電極に印加される、トナー帯電極性と逆極性の電圧が
像担持体と転写電極との間に発生する電界の作用によ
り、像担持体上のトナー画像が転写紙に転写される。

【００１３】請求項３記載のトナー画像転写装置では、
転写電極に印加される交流電圧成分により発生する交番
電界が、トナー画像を構成するトナー粒子の像担持体へ
の付着力を弱める。

【００１４】

【実施例】以下、図面を参照して実施例を説明する。

【００１５】図１において、像担持体としての光導電性
の感光体１はドラム状に形成され、図示されない回転駆
動手段により矢印方向Ａへ定速回転する。感光体１は、
導電性支持体の表面に光導電層を形成してなるものであ
り、帯電器２により表面を均一に帯電させられ、露光位
置において露光されて静電潜像が形成される。感光体１
の露光は、原稿画像の照射や、光書込みにより行われ
る。

【００１６】感光体１の回転により現像位置へ移動した
静電潜像に、現像装置４により供給されたトナーが静電
的に付着して、トナー画像が感光体表面に形成される。
感光体１から所定間隔を置いてレジストローラ５が配置
されている。レジストローラ５は、図示しない給紙ロー
ラにより搬送されてくる転写紙を一時的に待機させた後
に、感光体１のトナー画像の移動と同期して一対の入口
ガイド板６を介して転写位置へ送る。

【００１７】トナー画像は感光体１の回転により転写位
置へ移動し、転写装置７０により転写紙に転写される。
転写装置７０の下流側には転写紙をガイドする出口ガイ
ド板９が配置されている。トナー画像を転写された転写
紙は感光体１表面から分離されて出口ガイド板９により
ガイドされ、定着位置へ搬送される。

【００１８】出口ガイド板９から所定間隔を置いて配備
された定着装置１０は、内部に図示しないヒーター等の
加熱手段を有する加熱ローラ１０１と、このローラ１０
１に圧接する加圧ローラ１０２により構成されている。
加熱ローラ１０１の加熱手段により、転写紙上のトナー
画像を加熱し、トナー画像を転写紙に融着させることに
より定着が行われる。

【００１９】以下、転写装置７０について更に詳しく説
明する。転写装置７０は、支持手段１９により揺動自在
に支持された板状の転写ガイド７と、転写ガイド７の上
部に転写ガイド７にスプリング１６を介して設けられた
ソレノイド８と、転写ガイド７の転写紙進入側の下部に
設けられたスプリング１７およびストッパー１８とを有
する。

【００２０】図２は転写装置の要部拡大図である。転写
ガイド７は絶縁性プラスチックまたは板金にポリイミド
等の絶縁シートを貼付したものにより形成されている。
感光体１に転写紙１２を介して接する転写ガイド７の表
面には転写電極１３が設けられ、電圧印加手段としての
直流電源２０からトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印
加される。この実施例においては、直流電源２０は帯電
器２の放電電圧電源と共用されている。

【００２１】転写電極１３は銅等の金属板を転写ガイド
に埋込み形成される。金属板を埋め込む代わりに、転写
ガイド表面に導電性塗料を塗布した構成としてもよい。

【００２２】転写ガイド７は支持手段１９を中心として
揺動自在であり、転写紙１２が転写ガイド７の転写電極
１３上にない場合には、転写ガイドの下部に設けられた
スプリング１７によりストッパー１８に当接するまで引
き下げられ、図１の破線で示す位置に待機させられる。
一方、転写紙１２が転写電極１３上にある場合には、転
写紙１２が転写ガイド７の転写電極１３上を通過する時
間を検出する図示しないセンサーにより転写紙１２の通
過を検出し、このセンサーからの信号を入力されたソレ
ノイド８がスプリング１６を上方に引き上げ、転写ガイ
ド７を感光体１表面に転写紙１２を介し当接させる。

【００２３】従って、ソレノイド８、スプリング１６，
１７、ストッパー１８、および支持手段１９は転写ガイ
ド接離手段を構成する。

【００２４】転写紙が転写位置を通過するとき、転写電
極に印加された電圧により感光体1と転写紙との間に電
界が作用し、トナー画像を構成するトナーに転写紙側へ
向かう力を作用させる。この力によりトナーは、転写紙
表面へ移着して転写紙上に転写される。

【００２５】転写電極１３に印加される電圧をＶ_T、感
光体上に形成された静電潜像の電位コントラストをΔＶ
とすると、電圧Ｖ_Tの適正名範囲は、転写紙の種類によ
り異なるが、実験した範囲内では｜ΔＶ｜＜｜Ｖ_T｜＜
５｜ΔＶ｜の範囲が好ましかった。

【００２６】転写装置７０自体には転写紙を搬送する機
能がなく、転写時に、転写紙には転写ガイドにより搬送
方向と逆向きの摩擦力が作用する。従って、給紙装置と
してのレジストローラ５と定着装置１０との間の距離
が、最小転写紙の長さよりも短くなるように設定してい
る。必要に応じて、レジストローラ５と定着装置の間に
転写紙の搬送手段を設置してもよい。

【００２７】次に、請求項２記載のトナー画像転写装置
の実施例を図３により説明する。図３に示すように、転
写時における、感光体１と転写電極１３との最近接点Ｐ
より上流側における転写電極１３と感光体１との最大距
離は、転写電極１３の端部１３ａから感光体１表面まで
の距離ｄ１となり、転写紙の厚さｔに転写紙１２の転写
面から感光体１までの距離ｄ２を加えたものである。感
光体１上のトナー１１は転写電極１３に印加されている
電圧の作用により距離ｄ２を飛翔して転写紙１２上に付
着する。この時、飛翔するトナー間には電気的な斥力が
作用しあう。このため、距離ｄ２が０．５ｍｍより長い
と、トナー１１は、転写紙１２の所定位置に付着せず、
転写されたトナー画像が不鮮明な画像となるという不具
合が生じる。よって、距離ｄ２の長さは０．５ｍｍ以
下、好ましくは０．１ｍｍ以下に設定される。

【００２８】次に請求項３，４記載のトナー画像転写装
置の実施例を図４により説明する。図４に示すように転
写紙１２の表面は必ずしも平滑ではなく、１００μｍを
超える凹凸のある転写紙に転写する場合もある。このよ
うな転写紙に良好な転写を行うためには、表面が滑らか
な転写紙の場合に比べて強い電界を転写電極１３に印加
し、感光体１上のトナー１１を転写紙１２の凹部へ飛翔
させる必要がある。転写紙は良好な絶縁体ではなく、強
い電界を印加すると、転写紙を通してトナーに電荷が注
入され転写が阻害される虞れがある。一方向の電界で
は、上記トナー１１への電荷注入がおき易いので、請求
項３記載のトナー画像転写装置では、転写電極１３に、
直流偏寄した交流電圧を電圧印加手段２１により印加
し、直流成分を小さくしてトナー１１への電荷注入がお
きにくいようにしている。

【００２９】つまり、交番電圧により転写部に発生する
交番電界によって、トナー１１と感光体１との間に働く
鏡像力やファンデアワールス力からトナー１１を開放し
てトナーが感光体表面から分離しやすくし、最小限の直
流電界により転写を実現することによりトナーへの電荷
注入を有効に軽減して、良好な転写を行う。

【００３０】転写電極１３に印加するＤＣ成分は勿論、
トナー１１の帯電極性と逆極性に設定されている。転写
電極１３に印加する直流のＤＣ成分をＶ_DC、感光体１上
の静電潜像の電位コントラストをΔＶとすれば、転写電
極１３に印加するＤＣ成分は｜ΔＶ｜＜｜Ｖ_DC｜＜３・
｜ΔＶ｜とし、転写電極１３に印加するＡＣ成分Ｖ_AC・
P-Pは、２・｜ΔＶ｜＜｜Ｖ_AC・P-P｜＜５・｜ΔＶ｜と
するのが好ましい。

【００３１】この転写方式の場合、トナー１１は感光体
１と転写紙１２との間で振動的に運動するので、感光体
１と転写電極１３との距離が、転写電極幅全域にわた
り、０．５ｍｍ以下、好ましくは０．１ｍｍ以下に設定
される。

【００３２】請求項４記載のトナー画像転写装置では、
前述のように、転写部における直流電界成分を小さくす
るので、トナーへの電荷注入はほとんど問題とならない
が、直流電界成分が十分な大きさを持たないと、トナー
画像の転写効率が不十分となる場合も考えられる。そこ
で、この実施例においては、転写電極１３の表面に、電
荷がトナー１１に注入されるのをおさえるためのコート
層１５を設けている。コート層１５はポリエステル、ポ
リイミド、ポリテトラフルオロエチレン等の絶縁体によ
り１００μｍ以下の厚さに形成されており、転写ガイド
７の表面の段差を緩和している。

【００３３】また、転写ガイド７の下面には、転写され
たトナー１１が感光体１に戻らないように、背面電極１
４が設けられている。背面電極１４にも前述の転写電極
１３と同様に、トナー１１と逆極性の電圧が印加され
る。背面電極１４に印加される電圧をＶ_B、感光体１の
電位コントラストをΔＶとすれば、背面電極１４に印加
される電圧Ｖ_Bは｜ΔＶ｜＜｜Ｖ_B｜＜５・｜ΔＶ｜とす
るのが好ましい。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば新規
なトナー画像転写装置を提供できる。この装置は、転写
紙の背面に転写電極に一体化された転写ガイド電極を接
触させて転写するので、ローラー転写方式やベルト転写
方式に比して小スペース化が可能であり、コロナ転写方
式のようにオゾン等の発生がないので低公害化になる。
転写ガイドをソレノイド等の転写ガイド接離手段により
感光体に対して接離させるので、感光体上のトナーによ
り転写装置が汚染されるのを防止できる。転写ガイドを
感光体に接離させるので、転写電極への電圧印加を専用
のスイッチによりオン、オフする必要がない。

【００３５】請求項２，３記載の装置では、転写時にお
けるトナーの飛翔距離が短く、トナー画像を転写紙のし
かるべき位置に転写することができるので鮮明な画像が
得られる。

【００３６】請求項３記載の装置では、転写電極と転写
紙の間に交番電界が発生するようにしたので、トナーへ
の電荷注入を有効に防止入て、平滑性の低い転写紙にも
良好な転写を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例を示す転写装置の側面図であ
る。

【図２】図１の要部断面図である。

【図３】請求項２記載のトナー画像転写装置の１実施例
の特徴部分を示す図である。

【図４】請求項３，４記載のトナー画像転写装置の１実
施例の要部を示す図である。

【符号の説明】

１ 感光体 ２ 帯電器 ４ 現像装置 ５ レジストローラ ７ 転写ガイド ８ ソレノイド １１ トナー １２ 転写紙 １３ 転写電極 １４ 背面電極 １５ コート層 １６，１７ スプリング １８ ストッパー ７０ 転写装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】像担持体上に形成されたトナー画像を転写
   紙上に転写する装置であって、 転写部において、転写紙を像担持体に弾性的に押し付け
   る転写ガイドと、 この転写ガイドを像担持体に対して接離させる転写ガイ
   ド接離手段と、 上記転写ガイドの、上記転写紙を介して上記像担持体と
   接する転写ガイド面に設けられた転写電極と、 この転写電極にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加
   する電圧印加手段とを有することを特徴とするトナー画
   像転写装置。
2. 【請求項２】転写時における、上記像担持体と上記転写
   電極との最近接点より上流側において、上記転写電極と
   上記像担持体との間の距離が、使用される転写紙の厚さ
   をｔとしたとき、ｔ＋０．５ｍｍ以下であることを特徴
   とする請求項１記載のトナー画像転写装置。
3. 【請求項３】転写時における上記像担持体と上記転写電
   極との間の距離が、使用される転写紙の厚さをｔとした
   とき、転写電極幅全域に渡ってｔ＋０．５ｍｍ以下であ
   り、電圧印加手段が転写電極に、トナーと逆極性に直流
   偏寄した交流電圧を印加することを特徴とする、請求項
   １記載のトナー画像転写装置。
4. 【請求項４】転写電極の表面に、電気絶縁性の薄層を設
   けたことを特徴とする、請求項１または２または３記載
   の、トナー画像転写装置。