JPH06148614A - 基板の製造方法と切断装置 - Google Patents

基板の製造方法と切断装置

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JPH06148614A
JPH06148614A JP29742992A JP29742992A JPH06148614A JP H06148614 A JPH06148614 A JP H06148614A JP 29742992 A JP29742992 A JP 29742992A JP 29742992 A JP29742992 A JP 29742992A JP H06148614 A JPH06148614 A JP H06148614A
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substrate
cutting
pair
manufacturing
crack
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JP29742992A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Hebiguchi
広行 蛇口
Shozo Takamura
章三 高村
Hiroya Watabe
弘也 渡部
Koji Oguma
浩司 小熊
Akihiro Obara
昭博 小原
Mutsumi Yoshida
睦 吉田
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の製造を歩留まり良く行ない、製造効率
の向上を図る。 【構成】 第一基板と第二基板とが主表面を対向させて
一体化してなる基板対を用い、第一基板の第二基板と非
対向関係にある表面にクラック部を形成し、クラック部
が形成された面を、基台と補助台とからなる切断台上面
に対向載置した後、切断台上面に導通する吸引孔及び吸
引手段からなるエアー抜き機構を作動させて、クラック
部を有する基板面を切断台上面に密着吸引して、第一基
板に応力をかけることにより、クラック部に沿って第一
基板を切断することを特徴とする。 【効果】 液晶表示素子等に用いられる対状の硬質な基
板の生産効率の向上。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子(LC
D)等に使用されるガラス基板に代表される対になった
硬質の基板の製造方法及び切断装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ビジュアル機器等において、近年特にフ
ラットディスプレイの開発が注目されているが、中でも
液晶表示装置は多くの利点を有し、将来の主流表示方式
としてさらなる開発が急務とされている。中でも、a−
SiTFT(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)
を使用したアクティブマトリックス方式の液晶表示素子
はその表示品質の高さから主流になると予想され、現在
も比較的小型なものから実用化が進んでいる。
【0003】ところで、アクティブマトリックス方式の
液晶表示素子は、絶縁体である基板上に、画素電極と、
マトリックス状に配されたゲート配線とソース配線と、
スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)と
を有した回路配線とからなるマトリックス配線基板を製
造した後、これを組み立て、液晶を注入し、その後に駆
動回路の接続を行なうといった一連の工程によって製造
されている。
【0004】この際、マトリックス配線基板を製造する
にあたって、図7(d)に示すような、所望形状の基板
10を製造するには、まず、図7(a)に示すように、
第一基板1と第二基板2の間にスペーサ8を介した基板
対3を製造する。次に、この基板対3の第一基板1表面
1aにスクライブライン等のクラック部1Aを形成し、
前記クラック部1Aが形成された表面1aを下にして、
断差のついた切断台4に載せ、図7(b)のように前記
クラック部1Aの上方から第二基板2を圧子5により押
圧または叩くことにより、図7(c)に示すように、第
一基板1を前記クラック部1Aに沿って切断し、図7
(d)に示すような所望形状の基板対10を製造してい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
切断方法によって、所望形状の基板10を形成する場合
には、前記所望形状の基板10を形成する際に、図7
(b)に示すように、前記第二基板2の上方より押圧又
は叩いて第一基板1を切断するものであるので、第二基
板2にも過剰な応力が加わり、第二基板2までもが欠け
たり切断されてしまうといった問題を有していた。
【0006】そこで、本発明は上記課題を解決するため
になされたもので、基板の切断を正確に歩留まり良く行
ない、基板の切断効率の向上を図った基板の製造方法及
び切断装置の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の基板の
製造方法は、上記課題を解決するために、第一基板と第
二基板とが主表面を対向させて一体化してなる基板対を
用い、前記第一基板の第二基板と非対向関係にある表面
に、クラック部を形成し、前記クラック部が形成された
面を、基台と補助台とからなる切断台上面に対向載置し
た後、前記切断台上面に導通する吸引孔及び吸引手段か
らなるエアー抜き機構を作動させて、前記クラック部を
有する基板面を切断台上面に密着吸引して、第一基板に
応力をかけることにより、前記クラック部に沿って第一
基板を切断することを特徴とするものである。
【0008】請求項2に記載の基板の製造方法は、上記
課題を解決するために、第一基板と第二基板とが主表面
を対向させて一体化してなる基板対を用い、前記第一基
板の第二基板と非対向関係にある表面に、クラック部を
形成し、前記クラック部近傍を冷却することにより、第
一基板に応力を発生させて、前記クラック部に沿って第
一基板を切断することを特徴とするものである。
【0009】請求項3に記載の基板のせ製造方法は、上
記課題を解決するために、第一基板と第二基板とが主表
面を対向させて一体化してなる基板対を用い、前記第一
基板の第二基板と非対向関係にある表面にクラック部を
形成し、前記クラック部の形成された基板面を冷却孔及
びエアー抜き機構が設けられた基台からなる切断装置上
に、前記クラック部が冷却孔上に位置するように対向載
置した後、前記冷却孔より冷却気体や液体窒素等の冷却
剤を注入し、クラック部近傍を冷却して、切断装置上面
に導通した吸引孔及び吸引手段からなるそれぞれのエア
ー抜き機構を作動させて、クラック部近傍に応力をかけ
ることにより、前記クラック部に沿って第一基板を切断
することを特徴とするものである。
【0010】請求項4に記載の基板の切断装置は、上記
課題を解決するために、基台と前記基台に連設した補助
台とからなり第一基板と第二基板とが主表面を対向させ
て一体化してなる基板対が設置される切断台と、前記切
断台上面に導通した吸引孔からなり、前記基板対を吸着
して基板対に応力を付加するエアー抜き機構を有するこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項5に記載の基板の切断装置は、上記
課題を解決するために、請求項4に記載の基板の切断装
置における上記基台と補助台とが別体であることを特徴
とするものである。
【0012】請求項6に記載の基板の切断装置は、上記
課題を解決するために、基台と、この基台に連設した補
助台とからなり、第一基板と第二基板とが主表面を対向
させて一体化してなる基板対が設置される切断台と、前
記切断台上面に導通した冷却孔と、切断台上面に導通し
た吸引孔からなり、前記基板対を吸引して基板対に応力
を付加するエアー抜き機構とからなることを特徴とする
ものである。
【0013】請求項7に記載の基板の切断装置は、上記
課題を解決するために、請求項1から請求項3のいずれ
かに記載の基板の製造方法における少なくとも第一基板
が、ガラス基板であることを特徴とするものである。
【0014】請求項8に記載の基板の切断装置は、上記
課題を解決するために、請求項4から請求項6のいずれ
かに記載の基板の切断装置における少なくとも第一基板
が、ガラス基板であることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】請求項1に記載の基板の製造方法においては、
第一基板の第二基板と非対向関係にある表面にクラック
部を形成し、前記クラック部が形成された面を基台及び
補助台からなる切断台上面と対向載置させた後、前記切
断台上面に導通する吸引孔と吸引手段とからなるエアー
抜き機構を作動させて、前記切断台上と対向載置された
基板面を密着吸引して、第一基板に応力をかけることに
より、最も脆弱な部位であるクラック部に沿って、前記
基板を切断するものである。よって、上記のような方法
によれば、所望の切断部位以外には、特に第二基板には
不要な応力がかかることが少なく、確実に歩留まり良く
基板を切断することが可能で、所望形状の基板の切断効
率の向上を図ることができる。
【0016】請求項2に記載の基板の製造方法において
は、基板を構成する第一基板の第二基板と非対向関係に
ある表面にクラック部を形成し、前記クラック部近傍を
冷却して、クラック部近傍の冷却部における体積を収縮
させることにより、前記クラック部に沿って応力を発生
させる。よって、結果的に、前記基板が前記クラック部
を境に、冷却方向(下方向)に撓む現象が起こる。前記
クラック部は脆弱なためクラック部にて切断される結果
となる。
【0017】よって、上述した請求項2に記載の基板の
製造方法は、第一基板表面に設けられたクラック部に過
剰の応力を発生させるための温度差を与える手段さえあ
れば、容易に基板の切断が可能であって、所望形状の基
板の作製を歩留まり良く行なうことができるものであ
る。よって、上記方法による基板の製造方法によれば、
基板の生産コストの低減に寄与することができる。
【0018】請求項3に記載の基板の製造方法によれ
ば、冷却されたクラック部近傍の体積を収縮させつつ基
板面を前記切断台上面に密着吸引することにより、前記
切断台上に対向載置させた基板の前記クラック部にて引
張応力が発生する。その結果、前記引張応力が発生した
基板における最も脆弱なクラック部にて、前記基板は切
断される。よって、上記のような基板の製造方法によれ
ば、所望の切断部位以外には影響を与えることがなく基
板を切断することが可能で、所望形状の基板の製造効率
を向上させることができるとともに、極めて安全に基板
を切断でき、所望形状の基板を自在に製造することがで
きる。
【0019】請求項4に記載の基板の切断装置によれ
ば、上述した請求項1と同様の効果を奏することができ
る。
【0020】請求項5に記載の基板の切断装置によれ
ば、上記請求項4の基板の切断装置における基台と補助
台を別体としたもので、上記請求項4と同様の効果を奏
するとともに、前記基台をそのままで多種類の傾斜角度
を有する補助台を揃えることのみで、他用な所望形状の
基板の切断に対応することができ、効率的に多種分野に
適応した、設計構成の基板を製造することが可能であ
る。
【0021】請求項6に記載の基板の切断装置によれ
ば、上述した請求項3と同様の効果を奏することができ
るとともに、所望形状に基板を切断するにあたって、所
望のクラック部が形成された基板以外に、無駄な応力が
かかることが少なく、基板を切断し、任意な形状に基板
を成形することが可能である。そしてまた、基板対を構
成する第一基板及び第二基板間距離、または板厚等に左
右されることなく、基板を容易に、かつ安全に切断し、
多種用途に適した基板を製造することができる。
【0022】請求項7に記載の基板の製造方法によれ
ば、上述した請求項1から請求項3のいずれかに記載の
基板の製造方法における少なくとも第一基板をガラス基
板として、これにクラック部を形成することにより、請
求項1から請求項3により得られる効果をより顕著な形
で期待することができるとともに、確実に製造上におけ
る歩留まりの向上を図ることができる。
【0023】請求項8に記載の基板の切断装置によれ
ば、上述した請求項4から請求項6に記載の基板の切断
装置における少なくとも第一基板をガラス基板として、
これにクラック部を形成することにより、上記請求項4
から請求項6により得られる効果を顕著な形で期待する
ことができるとともに、上記構成からなる請求項4から
請求項6に記載の切断装置の性能を充分に発揮すること
が可能で、所望形状の基板を自在に作成することが容易
であり、製造効率の確実な向上を期待することができ
る。
【0024】さらに、従来においては、マトリックス配
線基板を製造する際に、各電極相互間に発生する静電気
対策として、基板における画素エリア外にガードリング
が設けられ、マトリックス配線基板の製造後に、前記画
素エリアの外周部に設けられたガードリングをダイヤモ
ンドカッター等の切削工具を用いて基板ごと切り落し、
この後配線基板の組み立て工程、駆動回路の接続等の後
工程に移るという工程がとられたが、上記のような従来
の方法では、前記ガードリングを切り落した後液晶注
入、偏光板貼りなどの工程を経て、駆動回路が接続され
るまでに、各電極相互間に静電気が発生し易く、静電気
が発生すると、その放電によって例えばTFTの絶縁体
や半導体が破壊され、または、その発熱によって回路配
線が破損し、配線基板としての歩留まりを大幅に悪化さ
せてしまうといった問題を有していた。
【0025】しかし、上述したガードリングが設けられ
た基板を切り落とす際に、前記請求項6に記載の基板の
製造装置を用いれば、前記ガードリングを切り落とす前
に、前記画素エリア外の基板上にIC(集積回路)を取
付けて、前記ICを取付けたままで、前記基板の画素エ
リア外周部に設けられたガードリングを切り落すことが
可能であり、従来問題となっていたガードリングを切り
落してからICを取り付けるまでの間の工程での静電気
によるTFT等の破壊を回避することが可能で、ガード
リングが残っていることにより駆動回路の接続完成時ま
で、パネル内部の回路を静電気による障害から守ること
が可能である。これにより製造歩留まりが著しく向上す
る。
【0026】
【実施例】以下に、本発明における実施例1の基板の製
造方法について、図1を参照しつつ説明する。 (実施例1)まず、図1(a)に示すように、ガラス製
の第一基板11と第二基板12の間に、スペーサ18が
設けられた基板対13を用意する。この第一基板11
は、その表面に液晶駆動用の回路を形成したものであ
る。次に、第一基板11上面に超硬合金のホイールチッ
プによって、スクライブライン(クラック部)11Aを
形成する。
【0027】次に、図1(b)に示すように、スクライ
ブライン11Aが設けられた基板面11aを、水平台1
4aと上り傾斜状の補助台14bとからなる切断台上面
に対向載置した後、前記切断台上面に導通する吸引孔1
5a及び吸引手段からなるエアー抜き機構15を作動さ
せて、前記スクライブライン11Aを有する基板面を切
断台上面に密着吸引し、前記スクライブライン11Aを
有する基板面に引張応力をかけることにより、前記スク
ライブライン11Aにて、第一基板11を切断する。な
お、前記補助台14bの傾斜角度及びエアー抜き機構1
5の吸引パワーは、上記第一基板11と第二基板12間
距離及び、スクライブライン11Aが形成された第一基
板11の板厚などにより決定され、また前記補助台14
bの傾斜角度そしてエアー抜き機構15の吸引パワー
は、両者相互間に密接な関係を以て各種設計されるもの
である。
【0028】従って、以上のような実施例1の基板の製
造方法によれば、切断部近傍以外には無駄な応力がかか
ることが少なく、前記第一基板11を容易に切断し所望
形状の基板を形成することが容易であって、基板の生産
効率の著しい向上を図ることができる。
【0029】また、上記のように、水平台14aと前記
水平台14aに連設した上り傾斜状の補助台14bとか
らなる切断台と、前記切断台上面に導通した吸引孔15
a及び吸引手段からなるエアー抜き機構15を有して基
板の切断装置が構成される。前記基板の切断装置によれ
ば、補助台14bの傾斜角度を、第一基板11及び基板
12間距離と、上記スクライブライン11Aが設けられ
た基板の厚さ、または切断装置上面に導通する吸引孔1
5aを有するエアー抜き機構15の吸引パワー等によっ
て微調整しつつ設定することにより、自在に所望形状の
基板を切断できるとともに、基板を容易に歩留まり良く
切断することが可能である。
【0030】なお、上記水平台14aと補助台14bと
は、一体化したものでも別体のものでも、その効果に影
響はないが、前記水平台14aと補助台14bが別体の
ものであれば、前記水平台14aをそのままで、多種類
の傾斜角度を有する補助台14bを揃えることのみで、
多種類の基板の切断に対応することが容易である。
【0031】さらに、実施例2の基板の製造方法につい
て、図2を参照しつつ説明する。 (実施例2)まず、図2(a)に示すように、ガラス製
の第一基板21と第二基板22の間に、スペーサ28が
設けられた基板対23を用意する。この第一基板12
は、この表面に液晶駆動用の回路を形成したものであ
る。次に、第一基板21上面に超硬合金のホイールチッ
プによって、スクライブライン(クラック部)21Aを
形成する。
【0032】次に、図2(b)に示すように、スクライ
ブライン21Aが設けられた基板面を、水平台24aと
凹曲面状の補助台24bとからなる切断台上面に対向載
置した後、前記切断台上面に導通する吸引孔25a及び
吸引手段からなるエアー抜き機構25を作動させて、前
記スクライブライン21Aを有する基板面を切断台上面
に密着吸引し、前記スクライブライン21Aを有する基
板面に引張応力をかけることにより、前記スクライブラ
イン21Aにて、第一基板21を切断する。
【0033】従って、以上のような実施例2の基板の製
造方法によれば、切断部近傍以外には無駄な応力がかか
ることが少なく、前記第一基板21を容易に切断し所望
形状の基板を形成することが容易であって、基板の生産
効率の著しい向上を図ることができる。
【0034】なお、上記実施例1及び2の基板の製造方
法及び切断装置における補助台14b、24bの形状と
しては、前記上がり傾斜状、凹曲面状の他に、凸段差
状、凸曲面状であっても同様の効果を得ることができ
る。
【0035】さらに、実施例3の基板の製造方法につい
て、図3を参照しつつ説明する。 (実施例3)まず、図3(a)に示すように、ガラス製
の第一基板31と第二基板32の間に、スペーサ38が
設けられた基板対33を用意する。この第一基板31は
この表面に液晶駆動用の回路を形成したものである。次
に、第一基板上面31aに超硬合金のホイールチップに
よって、スクライブライン(クラック部)31Aを形成
する。そして、図3(a)に示すように、第一基板表面
31aのスクライブライン31Aの部分に冷却空気や液
体窒素等の冷却剤を吹付けることによって冷却し、前記
第一基板31の前記スクライブライン31Aの周囲部分
を収縮させ、図3(b)に示すように前記第一基板31
を下側に撓んだ状態にすると、基板31に応力を作用さ
せてスクライブライン31Aの位置にて切断することが
できる。
【0036】従って、上述した基板の製造方法であれ
ば、第一基板31に設けられたスクライブライン31A
(クラック部)に過剰の応力を発生させるための温度差
を与える手段を行なえば、容易に前記第一基板31の切
断が可能であって、スクライブライン31Aの近傍以外
への影響を極力小さくして、基板の切断が可能である。
【0037】次に、実施例4の基板の製造方法につい
て、図4を参照しながら説明する。 (実施例4)まず、図4(a)に示すように、ガラス製
の第一基板41と第二基板42の間に、スペーサ48が
設けられた基板対43を用意する。次に、第一基板41
上面に超硬合金のホイールチップによって、スクライブ
ライン(クラック部)41Aを形成する。次に、図4
(a)に示すように、スクライブライン41Aが設けら
れた第一基板表面41aを、冷却孔47及び前記冷却孔
47の両側にエアー抜き機構45A、45Bが設けられ
た水平台45a、45bからなる切断装置上に、前記ス
クライブライン41Aが冷却孔47上に位置するように
対向載置する。その後、図4(b)に示すように、前記
冷却孔47より冷却空気、液体窒素等の冷却剤47aを
注入し、前記スクライブライン41A近傍を冷却して、
スクライブライン41A近傍の体積を収縮させつつ、切
断装置上面に導通した吸引孔45α、45β及び吸引手
段からなるそれぞれのエアー抜き機構45A、45Bを
作動させて、スクライブライン41A近傍に左右逆方向
の引張応力X、Yをかけることにより、前記スクライブ
ライン41Aにて、上記第一基板41を切断し所望形状
の基板を完成する。
【0038】従って、上記のような方法による基板の製
造方法は、切断位置近傍以外の部分に影響を与えること
なく基板を切断することができ、また、極めて安全に基
板の切断が可能であって、多用途に対応する基板を歩留
まり良く製造することができる。
【0039】そしてさらに、上述した実施例4の基板の
製造方法及び切断装置を用いた応用例を図5を参照しつ
つ説明する。 (応用例)図5(a)、図5(b)は、マトリックス配
線基板50を製造する際に、各電極相互間に発生する静
電気対策として、ガラス製の第一基板52の画素エリア
54外にガードリング53が設けられたマトリックス配
線基板50を示すものである。マトリックス配線基板5
0の製造終了後は、従来、前記画素エリア54の外周部
に設けられたガードリング53をダイヤモンドカッター
等の切削工具を用いて、第一基板52ごと切り落し、こ
の後、液晶注入、偏光板貼り等の工程を経て、駆動回路
の接続等の後工程に移るという工程がとられていた。し
かし、上記のような従来の方法では、前記ガードリング
53を切り落した後から駆動回路が接続されるまでの間
に、各電極相互間に静電気が発生する恐れがあり、静電
気が発生すると、その放電によって例えばTFTの絶縁
体や半導体が破壊され、またはその発熱によって回路配
線が破損し、配線基板としての歩留まりを大幅に悪化さ
せてしまうといった問題を有していた。
【0040】そこで、本応用例では、前記ガードリング
53を残したままで、液晶注入、偏光板貼り等の工程を
経て、図6(a)に示すように、前記画素エリア54外
の第一基板52上にIC(集積回路)60を取付けて、
前記IC60を取付けたままで、上記実施例4の基板の
製造方法を用いて、前記第一基板52の画素エリア54
外周部に設けられたガードリング53を切り落とす。こ
れによりIC60を取り付けるまでの間に、万が一静電
気が生じてもガードリングによって保護されているた
め、静電気によるTFT等の破壊等の不良が大幅に減少
し歩留まりが著しく向上する。
【0041】
【発明の効果】従って、請求項1に記載の基板の製造方
法においては、第一基板の第二基板と非対向関係にある
表面にクラック部を形成し、前記クラック部が形成され
た面を基台及び補助台からなる切断台上面と対向載置さ
せた後、前記切断台上面に導通する吸引孔と吸引手段と
からなるエアー抜き機構を作動させて、前記切断台上と
対向載置された基板面を密着吸引して、第一基板に応力
をかけることにより、最も脆弱な部位であるクラック部
に沿って、前記基板を切断するものである。よって、上
記のような方法によれば、所望の切断部位以外には、特
に第二基板には不要な応力がかかることが少なく、確実
に歩留まり良く基板を切断することが可能で、所望形状
の基板の切断効率の向上を図ることができる。
【0042】請求項2に記載の基板の製造方法において
は、基板を構成する第一基板の第二基板と非対向関係に
ある表面にクラック部を形成し、前記クラック部近傍を
冷却して、クラック部近傍の冷却部における体積を収縮
させることにより、前記クラック部に沿って応力を発生
させる。よって、結果的に、前記基板が前記クラック部
を境に、冷却方向(下方向)に撓む現象が起こる。前記
クラック部は脆弱なためクラック部にて切断される結果
となる。
【0043】よって、上述した請求項2に記載の基板の
製造方法は、第一基板表面に設けられたクラック部に過
剰の応力を発生させるための温度差を与える手段さえあ
れば、容易に基板の切断が可能であって、所望形状の基
板の作製を歩留まり良く行なうことができるものであ
る。よって、上記方法による基板の製造方法によれば、
基板の生産コストの低減に寄与することができる。
【0044】請求項3に記載の基板の製造方法によれ
ば、冷却されたクラック部近傍の体積を収縮させつつ基
板面を前記切断台上面に密着吸引することにより、前記
切断台上に対向載置させた基板の前記クラック部にて引
張応力が発生する。その結果、前記引張応力が発生した
基板における最も脆弱なクラック部にて、前記基板は切
断される。よって、上記のような基板の製造方法によれ
ば、所望の切断部位以外には影響を与えることがなく基
板を切断することが可能で、所望形状の基板の製造効率
を向上させることができるとともに、極めて安全に基板
を切断でき、所望形状の基板を自在に製造することがで
きる。
【0045】請求項4に記載の基板の切断装置によれ
ば、上述した請求項1と同様の効果を奏することができ
る。
【0046】請求項5に記載のガラス基板の切断装置に
よれば、上記請求項4の基板の切断装置における基台と
補助台を別体としたもので、上記請求項4と同様の効果
を奏するとともに、前記基台をそのままで多種類の傾斜
角度を有する補助台を揃えることのみで、多用な所望形
状の基板の切断に対応することができ、効率的に多種分
野に適応した、設計構成の基板を製造することが可能で
ある。
【0047】請求項6に記載の基板の切断装置によれ
ば、上述した請求項3と同様の効果を奏することができ
るとともに、所望形状に基板を切断するにあたって、所
望のクラック部が形成された基板以外に、無駄な応力が
かかることが少なく、基板を切断し、任意な形状に基板
を成形することが可能である。そしてまた、基板対を構
成する第一基板及び第二基板間距離、または板厚等に左
右されることなく、基板を容易に、かつ安全に切断し、
多種用途に適した基板を製造することができる。
【0048】請求項7に記載の基板の製造方法によれ
ば、上述した請求項1から請求項3のいずれかに記載の
基板の製造方法における少なくとも第一基板をガラス基
板として、これにクラック部を形成することにより、請
求項1から請求項3により得られる効果をより顕著な形
で期待することができるとともに、確実に製造上におけ
る歩留まりの向上を図ることができる。
【0049】請求項8に記載の基板の切断装置によれ
ば、上述した請求項4から請求項6に記載の基板の切断
装置における少なくとも第一基板をガラス基板として、
これにクラック部を形成することにより、上記請求項4
から請求項6により得られる効果を顕著な形で期待する
ことができるとともに、上記構成からなる請求項4から
請求項6に記載の切断装置の性能を充分に発揮すること
が可能で、所望形状の基板を自在に作成することが容易
であり、製造効率の確実な向上を期待することができ
る。
【0050】さらに、従来においては、マトリックス配
線基板を製造する際に、各電極相互間に発生する静電気
対策として、基板における画素エリア外にガードリング
が設けられ、マトリックス配線基板の製造後に、前記画
素エリアの外周部に設けられたガードリングをダイヤモ
ンドカッター等の切削工具を用いて基板ごと切り落し、
この後、液晶注入、偏光板貼り工程、駆動回路の接続等
の後工程に移るという工程がとられたが、上記のような
従来の方法では、前記ガードリングを切り落した後から
液晶注入、偏光板貼り工程を経て、駆動回路が接続され
るまでに、各電極相互間に静電気が発生し易く、静電気
が発生すると、その放電によって例えばTFTの絶縁体
や半導体が破壊され、または、その発熱によって回路配
線が破損し、配線基板としての歩留まりを大幅に悪化さ
せてしまうといった問題を有していた。
【0051】しかし、上述したガードリングが設けられ
た基板を切り落とす際に、前記請求項6に記載の基板の
製造装置を用いれば、前記ガードリングを切り落とす前
に、液晶注入、偏光板貼り工程を経て、前記画素エリア
外の基板上にIC(集積回路)を取付けて、前記ICを
取付けたままで、前記基板の画素エリア外周部に設けら
れたガードリングを切り落すことが可能であり、前記ガ
ードリングにより上記配線基板に生じる静電気を回避す
ることが可能で、マトリックス配線基板の製造工程にお
いてガードリングが設けられてから駆動回路の接続完成
時まで、パネル内部の回路を静電気による障害から守る
ことが可能である。
【0052】以上のように、本発明の基板の製造方法及
び切断装置によれば、液晶表示素子(LCD)等に代表
される対になった硬質の基板の歩留まりの著しい向上を
図ることができるとともに、各種精密機器における基板
の切断工程に本発明を応用することが可能で、本発明の
基板の切断方法及び切断装置は、幅広い分野に適用する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明における実施例1の基板の製造方
法を説明するための図である。
【図2】図2は本発明における実施例2の基板の製造方
法を説明するための図である。
【図3】図3は本発明における実施例3の基板の製造方
法を説明するための図である。
【図4】図4は本発明における実施例4の基板の製造方
法を説明するための図である。
【図5】図5はマトリックス配線基板の製造途中の状態
を説明するための図である。
【図6】図6は実施例4の基板の製造方法における基板
の切断手段を応用した応用例を説明するための図であ
る。
【図7】図7は従来の基板の製造方法及び切断装置を説
明するための図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、41、51、第一基板 1A、クラック部 2、12、22、32、42、52、第二基板 3、13、23、33、43、基板 4、切断台 10、基板 11A、21A、31A、41A、スクライブライン
(クラック部) 14a、24a、45a、45b、水平台 14b、上り傾斜状の補助台 15、25、45A、45B、エアー抜き機構 24b、凹曲面状の補助台 47、冷却孔 47a、冷却剤 50、マトリックス配線基板 53、ガードリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小熊 浩司 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 小原 昭博 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 吉田 睦 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一基板と第二基板とが主表面を対向さ
    せて一体化してなる基板対を用い、前記第一基板の第二
    基板と非対向関係にある表面に、クラック部を形成し、
    前記クラック部が形成された面を、基台と補助台とから
    なる切断台上面に対向載置した後、前記切断台上面に導
    通する吸引孔及び吸引手段からなるエアー抜き機構を作
    動させて、前記クラック部を有する基板面を切断台上面
    に密着吸引して、第一基板に応力をかけることにより、
    前記クラック部に沿って第一基板を切断することを特徴
    とする基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 第一基板と第二基板とが主表面を対向さ
    せて一体化してなる基板対を用い、前記第一基板の第二
    基板と非対向関係にある表面に、クラック部を形成し、
    前記クラック部近傍を冷却することにより、第一基板に
    応力を発生させて、前記クラック部に沿って第一基板を
    切断することを特徴とする基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 第一基板と第二基板とが主表面を対向さ
    せて一体化してなる基板対を用い、前記第一基板の第二
    基板と非対向関係にある表面にクラック部を形成し、前
    記クラック部の形成された基板面を冷却孔及びエアー抜
    き機構が設けられた基台からなる切断装置上に、前記ク
    ラック部が冷却孔上に位置するように対向載置した後、
    前記冷却孔より冷却気体や液体窒素等の冷却剤を注入
    し、クラック部近傍を冷却して、切断装置上面に導通し
    た吸引孔及び吸引手段からなるそれぞれのエアー抜き機
    構を作動させて、クラック部近傍に応力をかけることに
    より、前記クラック部に沿って第一基板を切断すること
    を特徴とする基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 基台と前記基台に連設した補助台とから
    なり第一基板と第二基板とが主表面を対向させて一体化
    してなる基板対が設置される切断台と、前記切断台上面
    に導通した吸引孔からなり、前記基板対を吸着して基板
    対に応力を付加するエアー抜き機構を有することを特徴
    とする基板の切断装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の基板の切断装置におけ
    る上記基台と補助台とが別体であることを特徴とする基
    板の切断装置。
  6. 【請求項6】 基台と、この基台に連設した補助台とか
    らなり、第一基板と第二基板とが主表面を対向させて一
    体化してなる基板対が設置される切断台と、前記切断台
    上面に導通した冷却孔と、切断台上面に導通した吸引孔
    からなり、前記基板対を吸引して基板対に応力を付加す
    るエアー抜き機構とからなることを特徴とする基板の切
    断装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の基板の製造方法における少なくとも第一基板が、ガラ
    ス基板であることを特徴とする基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4から請求項6のいずれかに記載
    の基板の切断装置における少なくとも第一基板が、ガラ
    ス基板であることを特徴とする基板の切断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011191514A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Shiraitekku:Kk Lcdパネルuv硬化前基板のエッジカット加工装置
WO2013001771A1 (ja) * 2011-06-28 2013-01-03 シャープ株式会社 表示装置の製造方法

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JP2011191514A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Shiraitekku:Kk Lcdパネルuv硬化前基板のエッジカット加工装置
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