JPH0614852B2 - カリウム含有食品又は調味料 - Google Patents

カリウム含有食品又は調味料

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JPH0614852B2
JPH0614852B2 JP17279385A JP17279385A JPH0614852B2 JP H0614852 B2 JPH0614852 B2 JP H0614852B2 JP 17279385 A JP17279385 A JP 17279385A JP 17279385 A JP17279385 A JP 17279385A JP H0614852 B2 JPH0614852 B2 JP H0614852B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カリウムを含有する食品又は調味料に関し、
特に、低ナトリウムで、かつ、呈味性に優れた食品又は
調味料に関する。
〔従来の技術〕
ナトリウムは、食品に本来含有されるものの他、呈味バ
ランス等を考慮して別途添加される場合が多い。特に、
近年ナトリウムの過剰摂取が問題となり、主要なナトリ
ウム源である食塩の摂取量を減少しようとする傾向が強
い。特に、高血圧、腎臓病、鬱血性心不全、肝硬変の治
療、或いは妊娠期間中などにおいては、ナトリウムの摂
取を積極的に制限するために、鹹味剤に用いる塩化ナト
リウムの量を減少したり、全く排除する場合がある。治
療を目的としない場合でも、上記の如き成人病等の予防
のために、近年、塩化ナトリウムの摂取を減らそうとす
る傾向が高い。
塩化ナトリウムの減少又は排除に伴う鹹味の不足を補う
目的で使用される、いわゆる代用食塩として典型的なも
のに、塩化カリウムがあるが、鹹味と共に若干の苦みも
有する。従って、この塩化カリウムに由来する苦みを酸
味成分、甘味成分等により緩和し、塩化ナトリウムの呈
味に近似させようとするのが、従来の低ナトリウム化対
策における取り組みであった。塩化カリウム或いは塩化
アンモニウム、カルボン酸類等を成分とする食塩代替の
組成物に関する文献としては、特公昭47-13698、同54-1
2543、同56-17892、特開昭49-126854、同52-14270、同5
2-14721、同52-83979、同56-55177、同57-22666、57-79
860、同57-186460、特開昭58-60971、同58-89160、同58
-94368、同58-198269、同58-209953、同58-209957、同5
8-212764、同58-216667、同59-55165、同59-66858、同5
8-209935、同58-209956、同59-118038、同59-146564、
同59-154958、同59-187761、同59-198953、同59-21086
6、同60-27361、同60-27362、特公昭59-7428、米国特許
2,601,112、同2,742,366、同2,806,793、同2,824,008、
同2,829,056、同2,910,369、同2,966,416、同2,968,56
6、同3,505,082、同3,782,974、同3,782,975、同3,860,
732、同4,181,743、同4,216,244、同4,220,667、同4,21
6,244、同4,243,691、英国特許1,469,089、独公開3,10
7,800、ソ連特許648,196、ダーウェント社リサーチデス
クロージャーNo.207,079等がある。
甘味成分による苦味のマクキングは、例えば、コーヒー
への砂糖の添加にみられるように、古くから知られてお
り、上記の中でも、英国特許第1,469,089号が糖類、サ
ッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム等の甘
味成分により、特開昭57-186460がグリチルリチン、ス
テビオサイドにより、特公昭59-7428がグリチルリチン
により、それぞれ塩化カリウムの苦味が低減されるとし
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の一般的な方法、即ち、甘味料、酸味料、旨味調味
料等によるカリウムの苦味の緩和は、しかしながら、若
干の呈味の改善はもたらすものの、塩化ナトリウム使用
品と比較して、呈味上の満足度は低い。従って、従来こ
れらのいわゆる減塩食品、減塩調味料は、主として呈味
質において通常の食塩含有品よりも明らかに劣る場合が
大部分であり、ナトリウムの摂取を減らそうとの試みへ
の大きな隘路となり、また、ナトリウム摂取量を減らさ
ざるを得ない患者等にとっては治療上の理由からやむを
得ず、味そのものに対しては我慢を強いられてきた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記現状に鑑み、塩化カリウム含有食品
の呈味質の改善につき鋭意研究を重ねた結果、甘味料一
般によるカリウムの苦味改善効果は少ないが、還元麦芽
糖水飴を塩化カリウムに配合すると、特異的に呈味質全
体が改善され、減塩食品又は調味料として、通常の食塩
含有食品に匹敵するか、又は、むしろより高い嗜好性を
有する製品が得られるとの知見に至り、本発明を完成し
たものである。
実施例 第1表の配合に従い、塩化カリウムと、甘味成分又はア
ミノ酸塩との混合物を、塩化カリウム濃度が1g/dlと
なるように水に溶解したものをサンプルとし、コントロ
ールとして食塩0.5g/dlの水溶液を用いて、二点比較
法による官能評価を実施した(N=20)。結果を第1
表に示す。
上記結果より明らかなように、同一の甘味強度を示す甘
味料をKClと併用した場合に、甘味料一般ではKClの苦味
改善効果は低い。即ち、乳糖、サッカリンNa、サイクラ
ミン酸Na、蔗糖等の甘味料ではKClの苦味改善乃至は呈
味質全般の改質効果は大ではなく、還元麦芽糖水飴のみ
の場合に、KClの苦味改善、呈味質全般の改善効果が特
異的に高まる。
カリウムに対する還元麦芽糖水飴の配合比(重量)は、
還元麦芽糖水飴(マルチトールとして換算)がカリウム
の0.01倍量より少ないと、併用する他の成分、食品の種
類等にもよるが、一般に苦味の改善効果は低い、一方、
還元麦芽糖水飴の量は多い程、カリウムの苦味は弱まる
が、還元麦芽糖水飴量が多すぎる場合、呈味のバランス
が失われるので、カリウムに対する還元麦芽糖水飴量が
100倍を越えることは好ましくない。従ってカリウム
に対する糖アルコール量は、カリウム重量の0.01〜10
0倍、好ましくは3〜50倍、より好ましくは3〜10
倍である。
本発明でいうカリウムイオンは、塩化カリウムの他、リ
ン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウ
ム、グルタミン酸カリウムその他の無機及び有機のカリ
ウム塩のいずれに由来するものでもよく、特に、その由
来する原料を特定されないが、塩化カリウムとして、食
塩の一部又は全部を代替する場合が、本発明の効果を奏
する上で特に有効である。同様に還元麦芽糖水飴につい
ても、粉末状、液状等のいずれも使用可能である。
尚、上記カリウム及び還元麦芽糖水飴以外の成分につい
ては、特に制限されることなく、配合可能なことはいう
までもない。
本発明の対象となる食品又は調味料については食塩代替
物、無塩味噌、低塩味噌、無塩正油、低塩正油、無塩漬
物、低塩漬物、低塩練製品、無塩スープ・タレ類、低塩
スープ・タレ類その他各種の食品、調味料が含まれる
が、その種類に特に限定はない。
〔発明の効果〕
本発明は、カリウムに対し、還元麦芽糖水飴を配合する
ことにより、カリウムの苦味が顕著に低減し、かつ、呈
味質全体も著しく改善されることから、特に、減塩乃至
は無塩の調味料又は食品において従来品に比べ嗜好性が
格段に高いものを提供可能である。
次に、実施例により本発明を更に説明する。
実施例1 調味料(A)の配合 塩化ナトリウム 50 重量部 塩化カリウム 50 重量部 「粉末マルチ」 100 重量部 調味料(B)の配合 塩化カリウム 50 重量部 「粉末マルチ」 150 重量部 上記配合に従い、原料を混合し、調味料(A)及び(B)を調
製した。
対照として、塩化ナトリウムを用い、各サンプルを直嘗
し、二点比較法による官能評価を実施した。結果を第2
表に示す。
実施例2 低塩味噌の配合 減塩味噌 (食塩4.5%) 100重量部 実施例1の調味料(B) 20重量部 上記配合に従い原料を混合し、低塩味噌を調製した。対
照として、食塩6%の味噌105重量部に、甘味度を統
一する目的で蔗糖を7重量部上乗せ添加したものを用
い、実施例1と同様にして二点比較法による官能評価を
行った。結果を第3表に示す。
実施例3 無塩正油の配合 脱塩正油 100重量部 実施例1の調味料(B) 80重量部 低塩正油の配合 脱塩正油 100重量部 実施例1の調味料(A) 40重量部 上記配合に従い原料を混合し、無塩正油及び低塩正油を
調製した。対照として市販正油(食塩18%)を用い、
二点比較法(サンプルを直嘗)による官能評価を行っ
た。結果を第4表に示す。
実施例4 低塩漬物の配合 上記原料配合に従い、原料を混合し、低塩漬物を調製し
た。対照として、上記と同一の原料配合で、実施例3の
低塩正油を市販正油に「粉末マルチを7:1の比率で混
合したもの5重量部に代えて調製した漬物を用い、二点
比較法による官能評価に供したところ、本発明品と対照
との間に、呈味性その他の官能上の有意差は生じなかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/238 106 2114−4B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カリウムイオン及び還元麦芽糖水あめを含
    有し、カリウムイオン:還元麦芽糖水飴(マルチトール
    換算)の重量比が1:0.01〜100であることを特徴と
    するカリウム含有食品又は調味料。
  2. 【請求項2】カリウムイオンとして塩化カリウムを使用
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のカリ
    ウム含有食品又は調味料。
  3. 【請求項3】食品が味噌、正油、漬物又は水畜産練製品
    であり、調味料が味噌用調味料、正油用調味料、漬物用
    調味料又は水畜産練製品用調味料であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のカリウム含有食品又は調
    味料。
  4. 【請求項4】粉末還元麦芽糖水あめを配合した固型状食
    品又は調味料であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のカリウム含有食品又は調味料。
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