JPH06148122A - 湿度検知素子 - Google Patents

湿度検知素子

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JPH06148122A
JPH06148122A JP31594192A JP31594192A JPH06148122A JP H06148122 A JPH06148122 A JP H06148122A JP 31594192 A JP31594192 A JP 31594192A JP 31594192 A JP31594192 A JP 31594192A JP H06148122 A JPH06148122 A JP H06148122A
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正史 兼堀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電体材料の誘電率が水分子の吸着によって
変化することを利用して雰囲気の相対湿度を検知する静
電容量湿度検知素子に優れた透湿性を有する保護層を設
ける。 【構成】 本発明による湿度検知素子は、シリコン単結
晶基板2と、前記基板2の裏面に形成されたオーム接触
の金属電極層1と、前記基板2の表面に形成されたビフ
ェニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分から
重合およびイミド化することにより得られる有機極性溶
媒に可溶なポリイミド膜からなる感湿層3と、前記感湿
層3の表面に前記感湿層を部分的に露出させて形成され
た金属電極薄膜4と、前記金属電極薄膜4と、前記感湿
層3の上に塗布され、露光,現像,焼成および硬化の過
程を経て形成された感光性ポリイミド樹脂5からなる表
面保護層を備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体材料の誘電率が
水分子の吸着によって変化することを利用して雰囲気の
相対湿度を検知する静電容量湿度検知素子に関する。
【0002】
【従来の技術】静電容量形の湿度検知素子は、吸着され
た水分子の関数として誘電率が変化する誘電体を感湿膜
として用い、それを挟むように対向する2つの電極を配
置して容量の変化を検出するように構成されている。こ
のうち少なくとも一方の電極は、水分子が透過可能な1
00〜200Åの非常に薄い膜によって構成され、雰囲
気の水分子は、この膜を介して感湿誘電体に吸着され
る。前記素子の静電容量は相対湿度に対応する前記吸着
された水分に応じて変わる。この種の湿度検知素子は、
湿度の変化に対する応答速度が速く、低湿度域における
測定精度が高いところから一般の空調用から産業用,計
測用まで幅広い分野で利用されている。
【0003】この湿度検知素子の感湿材には、有機高分
子膜や金属酸化物膜が用いられている。このうち有機高
分子膜は、温度依存性,ヒステリシスが小さく常温付近
で信頼性が高いという特徴があり、多く用いられてい
る。有機高分子の中ではポリイミド樹脂が誘電率約3,
吸水率1〜3%,体積抵抗率1016〜1017Ωcmと、容
量形の感湿材として、優れた物性値を持つとともに、耐
熱性,耐薬品性などの耐環境性が非常に優れているため
信頼性の高い素子を得ることができる。特開昭63−5
8249号、特開昭64−25052号、特開平2−1
40653号およびアイ・イ−・イ−・イ−・トランス
アクション(機器と計測)第37巻2号1988年6月
〔IEEE, TRANSACTIONS ON INSTRUMENTATION ANDMEASURE
MENT VOL.37, NO.2, JUNE 1988〕等に記載されている
湿度検出素子はいずれも前記ポリイミド樹脂を使用した
ものである。
【0004】前記特開昭63−58246号、特開平2
−140653号および前記論文に記載された湿度検知
素子は、シリコン単結晶基板の上にポリイミド感湿膜,
透湿性の金薄膜電極,保護用ポリイミド膜を順次積層し
て構成されるものである。これらは相対湿度に対する容
量値変化の直線性が良好で温度依存性が小さく、耐環境
性が優れているなどの特徴を有している。また、特開昭
64−25052号に記載された湿度検知素子は、耐蝕
性金属基板上にポリイミド感湿膜,透湿性の金薄膜電極
を積層して構成されるもので、接着材を使用しないで、
安定性の良い湿度検知素子を得ることができるという特
徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た湿度検知素子には以下に示す問題点がある。感湿材の
誘電率が水分の吸着により変化する容量形の湿度検知素
子は、感湿膜表面に非常に薄い金属層を形成して電極と
して使用する。この金属薄膜電極層は、透湿性を有する
必要があり、同時に周囲の環境の雰囲気に直接曝される
ことから、化学的に安定でなければならない。そこで、
この金属薄膜電極層は、透湿性を得るために金等の膜を
100〜200Åの厚さとし島状構造に形成されてい
る。しかし、金の薄膜は感湿高分子膜との接着性が非常
に弱いので、このことが問題となっている。この金薄膜
に損傷が生じて金電極の面積が変わると素子の容量値が
変化してしまう。前述した特開昭64−25052号に
記載された湿度検知素子は、金薄膜電極が露出されてい
るため上記理由により、機械的強度が弱いという問題
や、ゴミ,ほこりの影響を受け、素子の容量値が変動し
やすいという問題がある。金薄膜電極の損傷を防止し、
ゴミやほこりの影響を少なくする方法として、特開昭6
3−58249号や特開平2−140653号にも述べ
られているように、金薄膜電極の上に保護膜を積層する
ことが考えられる。しかし、この保護膜は金薄膜と同様
に優れた透湿性を持つ必要があり、もし透湿性が確保で
きない場合は、湿度変化に対する応答性およびヒステリ
シス特性において性能低下を招く。
【0006】前述した特開昭63−58249号,特開
平2−140653号および前述の文献(IEEE)では、
保護膜としてポリイミド樹脂,シリコン樹脂, セルロー
ス系樹脂など水分の透過が容易な膜が有用であることが
述べられている。このうちポリイミド樹脂は感湿膜と同
素材のため、感湿膜との接着性も優れ、最も適している
と考えられる。ただし、前記公報,文献で述べられてい
るポリイミド樹脂はポリアミック酸として有機溶媒に可
溶としたポリイミド樹脂であるため、膜厚が比較的薄く
形成されているにもかかわらず、透湿性の小さい膜質を
形成するので良好な水分透過性を維持し難い問題点があ
る。
【0007】この他、製造工程にも問題がある。電極と
リード線の電気的接続を得るため、保護膜の一部に窓穴
を形成する必要がある。前記ポリアミック酸として有機
溶剤に可溶としたポリイミド樹脂では、初めにフォトレ
ジストを電極の全面に塗布し半硬化させた後、窓穴の部
分のみを紫外線により硬化させ、その後,紫外線の照射
されない部分を溶剤により除去し、窓穴部分のみフォト
レジスト層を残す。この後ポリイミド樹脂をディッピン
グ等の手段により全面に塗布し、通常の乾燥・硬化をす
ると、窓穴部分に形成されたフォトレジスト層は硬化時
の高温のため、熱分解し剥離し、窓穴が電極部分に形成
される。前記のフォトレジストを用いて窓穴部分を形成
する手段は、いわゆるリフトオフ法と呼ばれる手段であ
るが、工程が頻雑である。
【0008】また容量形の湿度検知素子は、高温高湿雰
囲気中に長時間放置すると、感湿膜中に水分子が強固に
吸着し、脱離し難くなるため、容量値が次第に増加し、
低湿雰囲気に移しても初期値に復さないという問題があ
る。この問題の主な原因は、感湿材の分子構造に問題が
あり、分子構造が緻密な構造の場合、水分子は吸着し難
く、また一旦吸着した水分子が脱離し難くなる。また分
子構造中に導入された極性基の極性の強さや量にも関係
があり、強い極性を有する極性基が数多く導入された高
分子を感湿材として用いると、湿度に対する容量値変化
は大きいが、高温高湿雰囲気中に放置したときに生じる
容量値の増加も大きくなる。逆に極性基が少ない場合
は、湿度に対する容量値変化が小さくなるため実用的で
なくなる。
【0009】前述した特開平2−140653号に記載
された湿度検知素子は、一般的なポリアミック酸の形と
して有機極性溶媒に溶解されたポリイミドを感湿材とし
て用いているため、分子構造が緻密な構造となりやす
く、高温高湿中で生じる素子の容量値の増加が、約+1
0%RHと大きく実用上満足できるものではない。本発明
の目的は前述した問題点を解決するもので、優れた透湿
性を有する保護膜を積層することにより良好な応答性,
ヒステリシス特性を確保しながら薄膜電極を機械的衝撃
やゴミ,ほこりから保護することができ、さらに高温高
湿雰囲気中に長時間放置しても容量値の増加が小さい信
頼性の優れた湿度検知素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明における湿度検知素子は、誘電体材料の誘
電率が水分子の吸着によって変化することを利用して雰
囲気の相対湿度を検知する静電容量湿度検知素子であっ
て、シリコン単結晶基板と、前記基板の裏面に形成され
たオーム接触の金属電極層と、前記基板の表面に形成さ
れたビフェニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン
成分から重合およびイミド化することにより得られる有
機極性溶媒に可溶なポリイミド膜からなる感湿層と、前
記感湿層の表面に前記感湿層を部分的に露出させて形成
された金属電極薄膜と、前記金属電極薄膜と前記感湿層
の上に塗布され、露光,現像,焼成および硬化の過程を
経て形成された感光性ポリイミド樹脂からなる表面保護
層を有して構成されている。
【0011】感湿層として用いられるポリイミド樹脂の
ビフェニルテトラカルボン酸類としては、例えば、3・
3’、4・4’ビフェニルテトラカルボン酸またはその
酸二無水物、2・3、3’・4’ビフェニルテトラカル
ボン酸またはその酸二無水物等が挙げられる。芳香族ジ
アミン類としては、例えば、フェニレンジアミン, ジア
ミノトルエン, ジアミノジフェニルエーテル, ジアミノ
ジフェニルスルホン,ビス(アミノフェノキシーフェニ
ル)スルホンなどが挙げられる。また、有機極性溶媒と
して、例えば、N.N−ジメチルスルホキシド,N.N
−ジメチルホルムアミド,N.N−ジメチルアセトアミ
ド, N−メチル2ピロリドン, N−ビニル2ピロリド
ン, ヘキサメチレンスルホキシド, γ−ブチロラクトン
などが挙げられる。保護膜として用いられる感光性ポリ
イミド樹脂は分子構造中に感光基を持ち紫外線の照射に
より感光基が架橋し、現像液, 例えばジメチルアセトア
ミドなどの有機極性溶媒に不溶化するため、ネガ形のフ
ォトレジストとして利用されている。半導体製造で多く
用いられているフォトレジストは、紫外線の照射が十分
であれば、現像時に溶解することはほとんどないが、感
光性ポリイミド樹脂は十分な紫外線を照射しても、表面
のO2 に触れている層は架橋されにくいため、未照射部
分に比べて溶解速度は遅いが現像により溶解する。ま
た、感光性ポリイミド樹脂は、硬化熱処理時に溶剤に加
え、感光基の揮散も生じる。このため得られたポリイミ
ド膜は、膜減りによる凹凸の多い表面層を有する水分透
過性の大きな膜質となる。
【0012】本発明による湿度検知素子は、金薄膜電極
の上に感光性ポリイミド樹脂を塗布,露光, 現像, 焼
成, 硬化して保護膜を形成したものであり、感光性ポリ
イミド樹脂から成る保護膜が凹凸の多い表面層を有する
水分透過性の大きな膜質となっている。したがって、普
通に用いられているポリアミック酸として有機溶剤に溶
解しているポリイミド樹脂を保護膜として用いるよりも
膜厚を厚く形成しても水分の良好な透過性を維持でき
る。また厚くできるため、金薄膜電極を機械的衝撃やゴ
ミ, ほこり等から保護することができ、保護膜として優
れた特性を有する。この他、電極とリード線の電気的接
続を得るための窓穴を形成する工程も簡略化される。す
なわち、感光性ポリイミド樹脂を塗布した後、加熱して
半硬化させる。その後フォトマスクを通して、紫外線を
照射し窓穴部分以外を架橋させ、現像液たとえばジメチ
ルアセトアミドのような有機極性溶剤中に浸して、窓穴
部分を溶解した後、加熱硬化するだけで窓穴部分を形成
できる。以上の工程はポリアミック酸の形で有機溶剤に
溶解している通常のポリイミド樹脂の窓穴を形成するリ
フトオフ法よりはるかに短い。またビフェニルテトラカ
ルボン酸類と、芳香族ジアミン類から重合およびイミド
化することにより得られる、有機極性溶媒に可溶なポリ
イミド樹脂を感湿膜としているため感湿膜のポリイミド
樹脂の分子構造が比較的疎になる構造を形成し、水分の
吸脱着が容易な構造を実現できる。このため、一般的な
ポリアミック酸の形として、有機極性溶媒に溶解された
ポリイミドを感湿材とする特開平2−140653号に
示された湿度検知素子に比べて湿度に対する容量値変化
が比較的大きく、高温高湿雰囲気中に放置したときに生
じる容量値の増加を小さくする。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による湿度検知
素子の構造と製造過程をさらに詳しく説明する。図1は
本発明による湿度検知素子の実施例を示す平面図であ
る。図2は、図1のA−Aに示す線に沿って切断して示
した断面図、図3は図1のB−Bに示す線に沿って切断
して示した断面図である。
【0014】シリコンウエハ2の底面にオーミック接触
電極1が設けられ、表面にはポリイミド感湿膜3が形成
され、その表面に金の上部電極4が形成されている。保
護層5は前記電極4の表面を保護するが優れた透過性を
もつものである。保護層5には保護層窓穴6が設けられ
ている。上部電極取出し用リード線7は前記保護層窓穴
6で前記上部電極4に接続され、下部電極取出し用リー
ド線8はオーミック接触電極1に接続されている。雰囲
気の湿度によるポリイミド感湿膜3の特性の変化が前記
電極1,4間の容量の変化としてリード線7,8から取
り出される。
【0015】次に前記実施例の製造工程を説明する。ま
ず表面が研磨された抵抗率0.1Ωcm以下のN形シリコ
ンウエハ2の裏面に金,約5000Åを全面に真空蒸着
する。その後に熱処理を施しオーミック接触電極1を形
成する。次にシリコンウエハ2を充分脱脂,洗浄した
後、表面側の酸化シリコン膜をエッチング処理により取
り除く。続いて、ポリイミド樹脂を適当な粘度に調整
し、スピンナを用いて、上記シリコンウエハ表面に塗布
し、乾燥および加熱硬化処理を行ってポリイミド感湿膜
を形成する。加熱硬化の条件は、300〜350°Cで
30分以上とする。なお、ポリイミド感湿膜の膜厚は、
厚すぎると素子の容量値が小さくなり、また湿度の変化
に対する応答性も悪くなる。逆に膜厚が薄すぎると、ピ
ンホールが発生しやすくなり、また膜自体の抵抗が低下
してしまう。一般に感湿膜の膜厚は、1.0〜1.5μ
mが適当である。次に上部電極4は、櫛形のメタルマス
クを用いて金を真空蒸着して形成する。適当な膜厚は、
100〜200Åである。金の膜厚は膜が厚すぎると透
過性が悪化し、逆に薄すぎると抵抗値が高くなる。続い
て、感光性ポリイミド樹脂をスピンナを用いて上部電極
4の上に塗布し、80°Cでプリベークを行った後にフ
ォトマスクを用いて露光を行う。なお、フォトマスクに
は上部電極とリード線を接続するために設ける窓穴を形
成するためにクロムパターンが形成されている。次に、
メーカ指定の現像液ジメチルアセトアミドを主成分とす
る現像液(東レDV505)により現像を行い、窓穴部
分の感光性ポリイミドを溶解除去し、加熱硬化を行って
ポリイミド保護膜5が形成される。ポリイミド保護膜の
膜厚制御はスピンナ塗布条件、およびプリベーク条件を
一定とし、露光時間, 現像時間を制御して行った。最後
に、シリコン単結晶基板をスクライバによりチップサイ
ズ4.5mm×5.5mmに切断し、上部電極取出し用リー
ド線7、および下部電極取出し用リード線8を取り付
け、素子を完成させる。
【0016】前記素子と比較のために、リフトオフ法に
より保護膜を形成した素子(他の構造は前記実施例と同
一)を準備した。リフトオフ法による保護膜の形成方法
を簡単に説明する。上部金電極を真空蒸着法により形成
した後、まずフォトレジストをスピンナによって塗布す
る。続いて、プリベークを行いフォトレジストを半硬化
させた後、フォトマスクを用いて露光,現像を行って保
護膜に形成する窓穴のレジストパターンを形成する。次
にポリイミドの前駆体として有機極性溶媒に溶解された
ポリアミック酸溶液にシリコン基板をディッピングし、
最後に乾燥熱硬化を行ってポリイミド保護膜が形成され
る。またこの時、窓穴部分のレジストが熱処理により除
去されるため、同時にリード線接続用の窓穴が形成され
る。なお、ポリイミド保護膜の厚さの制御はポリアミッ
ク酸溶液の濃度や基板の引き上げ速度を調節して行い、
またディッピングによって基板裏面に形成されたポリイ
ミド膜は、乾燥後に有機極性溶媒を使用して除去した。
【表1】
【0017】応答速度を次のように定義する。25°C
で90%RHの槽内に素子を10分間放置し、安定させた
後、25°Cで30%RHの槽内に素子を移したときの容
量値の変化をC−V変換器、レコーダを用いて測定し、
変化量の90%の変化をするのに要した時間を応答時間
とした。表1および図4に示されるように、金薄膜電極
の上に感光性ポリイミド樹脂を塗布,露光,現像,焼
成,硬化する方法で保護膜を形成した本発明の湿度検知
素子は、リフトオフ法によって保護膜を形成した湿度検
知素子と比べて応答性が非常に優れている。また、80
00Åの膜厚でも、保護膜を形成しない素子とほぼ同等
の応答性が得られることが理解できる。したがって、金
薄膜電極を機械的衝撃やゴミ,ほこりから保護するため
のポリイミド膜を応答性を低下させることなく、厚く形
成することが可能となる。
【0018】次に、表2に5種類のポリイミド樹脂を感
湿膜として用いて作成した湿度検知素子の感湿特性、お
よび40°Cで90%RH雰囲気中に放置したときの経時
特性を示す。
【表2】
【0019】表2中のポリイミドA, Bは、芳香族テト
ラカルボン酸類がピロメリット酸であるイミド化処理が
必要なポリアミック酸型のポリイミド樹脂である。ポリ
イミドCは、芳香族テトラカルボン酸類が、ビフェニル
テトラカルボン酸であるイミド化処理が必要なポリアミ
ック酸型のポリイミド樹脂である。ポリイミドD, Eは
芳香族テトラカルボン酸類がビフェニルテトラカルボン
酸である有機極性溶媒に可溶なポリイミド樹脂である。
なお、A, B間およびD, E間はそれぞれ芳香族ジアミ
ン類が異なる。感湿特性は、温度25°Cにおける相対
湿度20%RH、および80%RHのときの素子の容量値を
LCRメータを用い、測定電圧1V、測定周波数1kHz
の条件により測定した。また、経時特性は、25°Cで
60%RHの雰囲気中で素子の容量値をLCRメータで測
定した後、40°Cで90%RHの雰囲気中に200時間
放置し、再び25°Cで60%RHの雰囲気中で素子の容
量値を測定し、その変化量を相対湿度換算した。
【0020】表2に示されるように比較例2, 比較例3
は, 相対湿度に対する容量値の変化率は大きいが40°
Cで90%RHの雰囲気中に放置したときの変化も大き
く、経時特性に問題のあることが理解できる。比較例4
は40°Cで90%RHの雰囲気中に放置した時の経時変
化が比較例2,比較例3に比べて小さいが、相対湿度に
対する容量値の変化率が小さく使用し難い。これに対
し、実施例2, 実施例3は、相対湿度に対する容量値の
変化率が大きく、さらに40°Cで90%RHの雰囲気中
に放置したときの経時変化も小さく安定していることが
わかる。
【0021】
【発明の効果】以上詳しく説明したように本発明による
湿度検知素子は、感光性ポリイミド樹脂が露光, 現像,
焼成, 硬化されて成る保護膜を金属薄膜電極上に積層し
た構造を有しているため、良好な応答性を確保しながら
金属薄膜電極を機械的衝撃やゴミ, ほこりから保護する
ことができた。また本発明は、感湿材としてビフェニル
テトラカルボン酸類と、芳香族ジアミン類から重合およ
びイミド化することにより得られる有機極性溶媒に可溶
なポリイミド樹脂を用いているため、湿度に対する容量
値の変化が比較的大きく, かつ高温高湿雰囲気中に放置
したときの経時変化が小さい湿度検知素子を実現するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による湿度検知素子の実施例を示す平面
図である。
【図2】図1のA−Aに示す線に沿って切断して示した
断面図である。
【図3】図1のB−Bに示す線に沿って切断して示した
断面図である。
【図4】リフトオフ法により保護膜を形成したものとの
応答速度を比較して示したグラフである。
【符号の説明】
1 オーミック接触電極 2 シリコンウエハ 3 ポリイミド感湿膜 4 上部電極 5 保護膜 6 保護膜窓穴 7 上部電極取出し用リード線 8 下部電極取出し用リード線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体材料の誘電率が水分子の吸着によ
    って変化することを利用して雰囲気の相対湿度を検知す
    る静電容量湿度検知素子であって、 シリコン単結晶基板と、 前記基板の裏面に形成されたオーム接触の金属電極層
    と、 前記基板の表面に形成されたビフェニルテトラカルボン
    酸成分と芳香族ジアミン成分から重合およびイミド化す
    ることにより得られる有機極性溶媒に可溶なポリイミド
    膜からなる感湿層と、 前記感湿層の表面に前記感湿層を部分的に露出させて形
    成された金属電極薄膜と、 前記金属電極薄膜と前記感湿層の上に塗布され、露光,
    現像,焼成および硬化の過程を経て形成された感光性ポ
    リイミド樹脂からなる表面保護層を有する湿度検知素
    子。
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