JP2529136B2 - 感湿素子およびその製造方法 - Google Patents

感湿素子およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機高分子樹脂材料を
感湿膜とする容量式の感湿素子およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の感湿素子としては、
セルロースアセテートブチレート,セルロースアセテー
トプロピオネート,ポリイミドイミドもしくは線状の高
分子量のポリアミド酸を重合した線状ポリアミドなどの
有機高分子を感湿材料として用い、この感湿材料により
形成される感湿膜の電気容量値変化を湿度検出に利用し
た感湿容量素子が提案されている(特開昭62−889
51号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された感湿素子は、親水性(水を引き付ける性
質)が高く、吸水率が大きいため、その化学吸着によっ
て高分子と強固に結合した水が多分に残留する。このた
め、例えば40℃,90%程度の高温・高湿度雰囲気中
で長時間にわたって使用すると、その出力値がドリフト
するなど長期の安定性に欠けるという問題があった。ま
た、吸湿過程と脱湿過程とでの感湿特性の差(ヒステリ
シス)が低温度側で小さく、高温度側で大きくなり、セ
ンサレスポンスが遅くなるという問題があった。さらに
低湿度雰囲気中で長期間にわたって使用すると、ヒステ
リシスが大きくなるという問題があった。また、結露の
発生,水浸漬によりその出力値がドリフトするという問
題があった。また、有機溶剤雰囲気に晒すと、その出力
値がドリフトするという問題があった。また、感湿素子
が温度特性を持つ場合は感温素子(温度センサ)で温度
補正する必要があるという問題があった。
【0004】したがって本発明は、低温度から高温度ま
で、また、低湿度から高湿度までの使用範囲においてヒ
ステリシスが小さく、センサレスポンスの速い感湿素子
を提供することを目的としている。また、高湿度,高温
度高湿度,低湿度放置,有機溶剤雰囲気,結露もしくは
水浸漬などの条件に長期的にわたって晒されても安定し
た出力値が得られる感湿素子を提供することを目的とし
ている。また、温度特性が小さく、温度補正が不要な感
湿素子を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明による感湿素子は、フッ素化ポリイミド
を用いて感湿膜を構成するものである。また、本発明に
よる感湿素子の製造方法は、フッ素含有ポリイミドオリ
ゴマーを出発材料として薄膜形成後、窒素雰囲気中で2
00℃以上の温度で熱処理することにより、感湿膜を形
成するものである。
【0006】
【作用】本発明における感湿素子において、感湿膜を
ッ素化ポリイミドを用いて形成することにより、吸水率
(吸着水分量)が小さくなり、ヒステリシスが小さくな
る。また、本発明による感湿素子の製造方法において
は、吸水率が低く抑えられ、疎水性が向上する。
【0007】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は本発明による感湿素子の一実施例によ
る構成を示す図であり、図(a)は斜視図、図(b)は
その平面図である。これらの図において、1は例えばア
ルミナ基板,ガラス基板,熱酸化シリコン基板などから
なる絶縁性基板、2は絶縁性基板1の上面部に形成され
た例えば白金などからなる下部電極、3はこの下部電極
2に交差するように積層塗着された感湿膜であり、この
感湿膜3はフッ素含有ポリイミドオリゴマーを重合させ
た感湿材料により形成されている。4はこの感湿膜3上
に形成された例えば金などからなる上部電極である。す
なわち感湿膜3は下部電極2と上部電極4とでサンドイ
ッチ状に挟み込み、この感湿膜3の相対湿度に対する電
気容量値の変化を検出すべく下部電極2および上部電極
4にそれぞれリード線2aおよび4aが接続されてい
る。
【0008】次にこの感湿素子の製造方法について説明
する。まず、フッ素含有ポリイミドオリゴマーの粉末を
例えば5〜10gr用意し、例えばジエチレングリコー
ルジメチルエーテル10〜50mlに溶解してフッ素含
有ポリイミドオリゴマー溶液を得る。次にこのフッ素含
有ポリイミドオリゴマー溶液を絶縁性基板1上に形成さ
れた下部電極2上にスピンコート法により塗布した後、
大気中もしくは窒素雰囲気中で130〜150℃,0.
5〜1.0時間乾燥させて厚さ0.5〜5μmの感湿膜
3を得る。このとき、スピンナーの回転数は500〜5
000rpmとする。大気中もしくは窒素雰囲気で乾燥
後、今度は窒素雰囲気で180℃で0.5〜1時間,2
30℃で1〜2時間,最終的に400℃で0.25〜1
時間の熱処理を行なって重合反応を完結させる。なお、
出発材料であるフッ素含有ポリイミドオリゴマーは、化
1に示すような構造式であり、この式中の[]内の繰り
返し数nにより平均重合度が規定される。この平均重合
度nは1から30まで製造可能であり、出発材料として
は、いずれを用いても良く、また、これらの平均重合度
nが異なるものの2種類以上の混合でも良い。
【0009】
【化1】
【0010】この化1に示す構造式において、フッ素を
導入したのは、疎水性を向上させるためであり、このフ
ッ素導入により吸水率を低く抑えることが可能となる。
次にこの感湿膜3を積層塗着した絶縁性基板1上に例え
ば金を蒸着法もしくはスパッタリング法により付着させ
て膜厚50〜1000Å程度の上部電極4を形成する。
なお、付着金属は金以外にもパラジウム,白金,クロム
などの耐蝕性金属であればいずれの金属を用いても良
い。また、絶縁性基板1上の下部電極2は白金を蒸着法
もしくはスパッタリング法などにより、1000〜10
000Åの厚さで薄膜状に形成することにより得る。ま
た、前述したジエチレングリコールジメチルエーテルの
代わりにテトラヒドロフラン,エチレングリコールジメ
チルエーテル,N−メチルピロリドンなどの溶媒および
それらの混合溶媒でも同様の効果が得られる。
【0011】このように構成された感湿素子は、相対湿
度−電気容量特性を測定した結果、図2に示すようなデ
ータが得られた。なお、この測定にはLCZメータを使
用し、周波数100KHzでそれぞれ温度10℃,25
℃,40℃について行った。同図から明らかなように温
度依存性が小さく、良好な感湿特性が得られた。したが
って温度による検出値の変化(温度特性)が小さくなる
ので、回路による温度補正が不要となる。また、同図か
ら明らかなように恒湿槽で安定化させた後、約2分後の
測定ではヒステリシスが1%RH以下であり、極めて良
好であった。
【0012】図3は前述した実施例で製作した感湿素子
を約40℃,90%RHの高温・高湿度雰囲気中に放置
した後の25℃における各10%RH,30%RH,5
0%RH,70%RH,90%RHにおける各出力のド
リフトを示したものである。また、図4は比較例として
従来の線状の高分子量のポリアミド酸を重合したポリイ
ミド感湿材料を感湿膜とした感湿素子の25℃における
20%RH,40%RH,60%RH,80%RHの各
ドリフトを示したものである。これらの図から明らかな
ように本実施例による感湿素子の出力ドリフトは、従来
(図4)と比較して測定の湿度範囲が広いにもかかわら
ず安定した、すなわちドリフトの小さい感湿特性が得ら
れ、良好であった。また、ヒステリシスも恒湿槽安定
後、約2分後の測定で1%RH以下となり、従来と比べ
て再現性が良好であるとともに高温・高湿雰囲気中にお
いてさらに長期間にわたって同一雰囲気中に放置しても
殆ど容量比が変化せず、安定している。ここで容量比と
は、25℃における90%RHの出力(C90)と10%
RHの出力(C10)の比C90/C10を指している。ま
た、高温・高湿雰囲気中に放置した後、室内雰囲気中に
戻すと、可逆的に初期特性に回復することができた。
【0013】なお、前述した実施例においては、サンド
イッチ構造の感湿素子を例にとって説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、絶縁性基板面上に対
向して一対の櫛形状薄膜電極を形成し、この櫛形状薄膜
電極を覆うように感湿膜を積層形成して得られる櫛形構
造の感湿素子に適用しても同様の効果が得られることは
言うまでもない。
【0014】さらに前述した実施例においては、感湿膜
の相対湿度に対する電気容量値の変化に注目して湿度検
出を行うものとしたが、その相対湿度の対するインピー
ダンンスの変化に注目して湿度検出を行うような方法を
採用しても良い。
【0015】また、前述した実施例における感湿膜は、
水晶振動子上に形成し、その感湿膜の吸着に伴う共振周
波数のずれから湿度を検出する構成をとる感湿素子の感
湿膜としても好適であり、また、表面弾性波素子上に感
湿膜を形成し、その表面弾性波素子を通過する速度の変
化により、湿度を検出する構成をとる感湿素子の感湿膜
としても好適である。
【0016】
【発明の効果】以上、説明したように本発明による感湿
素子によれば、フッ素化ポリイミドを用いて感湿膜を構
したことにより、吸水率が小さくなり、ヒステリシス
が小さくなる。また、温度特性が小さくなり、温度補正
が不要となる。さらに高温・高湿度,有機溶剤雰囲気,
結露などの条件に長時間にわたり晒されも安定した出力
値が得られるなどの極めて優れた効果が得られる。ま
た、本発明による感湿素子の製造方法によれば、フッ素
含有ポリイミドオリゴマーを出発材料として窒素雰囲気
中で200℃以上の温度で熱処理することにより、吸水
率が低くなり、ドリフトが少なく、かつ温度依存性のな
い安定した感湿特性をヒステリシスが少なく、さらにレ
スポンス良く得ることができる。また、吸着水分量が小
さく、親水性が低いので、その製造後において定温・定
湿雰囲気中でのコンディショニングおよび温湿度サイク
ルのようなコンディショニングが不要もしくは容易とな
るなどの極めて優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による感湿素子の一実施例によ
る構成を説明する斜視図、(b)は(a)の平面図であ
る。
【図2】本発明による感湿素子の相対湿度−電気容量特
性を示す図である。
【図3】本発明による感湿素子の高温・高湿度雰囲気中
に放置した後の25℃における各10%RH,30%R
H,50%RH,70%RH,90%RHにおける各出
力のドリフトを示す図である。
【図4】従来の感湿素子の高温・高湿度雰囲気中に放置
した後の25℃における各20%RH,40%RH,6
0%RH,80%RHにおける各出力のドリフトを示す
図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 下部電極 3 感湿膜 4 上部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 亨 神奈川県藤沢市川名1丁目12番2号 山 武ハネウエル株式会社 藤沢工場内 (56)参考文献 特開 昭63−58112(JP,A) 特開 昭62−88951(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素化ポリイミドを感湿膜とすること
    を特徴とする感湿素子。
  2. 【請求項2】 フッ素含有ポリイミドオリゴマーを出発
    材料として薄膜形成後、窒素雰囲気中で200℃以上の
    温度で熱処理することを特徴とする感湿素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、フッ素含有ポリイミ
    ドオリゴマーの平均重合度nがn=1からn=30まで
    の値をとる単体もしくは複数種の混合体よりなるオリゴ
    マーを出発材料とすることを特徴とする感湿素子の製造
    方法。
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