JPH0614798A - 光学活性なピペリジン誘導体の製造法 - Google Patents
光学活性なピペリジン誘導体の製造法Info
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- JPH0614798A JPH0614798A JP17542492A JP17542492A JPH0614798A JP H0614798 A JPH0614798 A JP H0614798A JP 17542492 A JP17542492 A JP 17542492A JP 17542492 A JP17542492 A JP 17542492A JP H0614798 A JPH0614798 A JP H0614798A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 医薬品の合成中間体として有用な光学活性な
ピペリジン誘導体の製造法を提供する。 【構成】 式(Ib) で表わされるラセミ化合物を酵素により立体選択的に加
水分解して式(I) で表わされるピペリジン誘導体の光学活性体を製造す
る。
ピペリジン誘導体の製造法を提供する。 【構成】 式(Ib) で表わされるラセミ化合物を酵素により立体選択的に加
水分解して式(I) で表わされるピペリジン誘導体の光学活性体を製造す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性なピペリジン誘
導体の製造法に関する。光学活性なピペリジン誘導体は
アデノシンA1 拮抗性利尿薬として有用なピラゾロピリ
ジン誘導体の中間体として有用である。
導体の製造法に関する。光学活性なピペリジン誘導体は
アデノシンA1 拮抗性利尿薬として有用なピラゾロピリ
ジン誘導体の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】光学活性な2-ハイドロキシエチルピペリ
ジン誘導体の製造法については、2-(β- ハイドロキシ
エチル) ピペリジンを光学活性なd-10- カンファースル
ホン酸を用いて化学的に光学分割する方法が知られてい
る〔ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
エティー(J. Am. Chem. Soc.),82 , 2613(1960) 〕。
ジン誘導体の製造法については、2-(β- ハイドロキシ
エチル) ピペリジンを光学活性なd-10- カンファースル
ホン酸を用いて化学的に光学分割する方法が知られてい
る〔ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
エティー(J. Am. Chem. Soc.),82 , 2613(1960) 〕。
【0003】またN-アセチル-2- アセトキシエチルピペ
リジン誘導体のラセミ体をエステラーゼを用いて酵素的
に不斉加水分解する方法が知られている〔カナディアン
・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can. J. Chem.) 6
5, 2722(1987)〕。しかしこれらの方法は原料が高価で
あったり、または光学純度が低いなど必ずしも実用的な
ものとはいえない。
リジン誘導体のラセミ体をエステラーゼを用いて酵素的
に不斉加水分解する方法が知られている〔カナディアン
・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can. J. Chem.) 6
5, 2722(1987)〕。しかしこれらの方法は原料が高価で
あったり、または光学純度が低いなど必ずしも実用的な
ものとはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアデノ
シンA1 拮抗性利尿薬として有用なピラゾロピリジン誘
導体の合成中間体である光学活性なピペリジン誘導体の
製造法を提供することにある。
シンA1 拮抗性利尿薬として有用なピラゾロピリジン誘
導体の合成中間体である光学活性なピペリジン誘導体の
製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は式(Ib)
【0006】
【化6】
【0007】(式中、R1 はベンジルオキシカルボニ
ル、t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキ
シカルボニル、ベンジルまたはトリチルを表し、R2 は
置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の
アラルキルまたは低級アルキルを表わす)で表わされる
2-アシルオキシエチルピペリジン誘導体〔以下、化合物
(Ib)という〕を、化合物(Ib)を不斉加水分解する能力を
有する酵素源の存在下、立体選択的に加水分解すること
を特徴とする式(I)
ル、t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキ
シカルボニル、ベンジルまたはトリチルを表し、R2 は
置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の
アラルキルまたは低級アルキルを表わす)で表わされる
2-アシルオキシエチルピペリジン誘導体〔以下、化合物
(Ib)という〕を、化合物(Ib)を不斉加水分解する能力を
有する酵素源の存在下、立体選択的に加水分解すること
を特徴とする式(I)
【0008】
【化7】
【0009】(式中、R1 は前記と同義であり、Rは水
素または−COR2 を表わし、R2 は前記と同義であ
る)で表わされるピペリジン誘導体〔以下、化合物
(I)という〕の光学活性体の製造法に関する。また本
発明は式(Ia)
素または−COR2 を表わし、R2 は前記と同義であ
る)で表わされるピペリジン誘導体〔以下、化合物
(I)という〕の光学活性体の製造法に関する。また本
発明は式(Ia)
【0010】
【化8】
【0011】(式中、R1 は前記と同義である)で表わ
される2-ハイドロキシエチルピペリジン誘導体〔以下、
化合物(Ia)という〕と式(II)
される2-ハイドロキシエチルピペリジン誘導体〔以下、
化合物(Ia)という〕と式(II)
【0012】
【化9】
【0013】(式中、R2 は前記と同義である)で表わ
されるカルボン酸無水物〔以下、化合物(II) という〕
もしくは式(III)
されるカルボン酸無水物〔以下、化合物(II) という〕
もしくは式(III)
【0014】
【化10】
【0015】(式中、R2 は前記と同義であり、R3 は
置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の
アラルキル、低級アルキルまたは低級アルケニルを表わ
す)で表わされるカルボン酸エステル〔以下、化合物(I
II) という〕とを、化合物(Ia)を不斉アシル化する能
力を有する酵素源の存在下反応させて、化合物(Ia)を
立体選択的にアシル化することを特徴とする化合物
(I)の光学活性体の製造法に関する。
置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の
アラルキル、低級アルキルまたは低級アルケニルを表わ
す)で表わされるカルボン酸エステル〔以下、化合物(I
II) という〕とを、化合物(Ia)を不斉アシル化する能
力を有する酵素源の存在下反応させて、化合物(Ia)を
立体選択的にアシル化することを特徴とする化合物
(I)の光学活性体の製造法に関する。
【0016】さらに本発明は化合物(Ib) の光学活性体
を加水分解することを特徴とする化合物(Ia)の光学活
性体の製造法に関する。ここでR1 は、ベンジルオキシ
カルボニル、t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニ
ルメトキシカルボニルなどのウレタン型アミノ基の保護
基あるいはベンジル、トリチルなどのアラルキル型アミ
ノ基の保護基などがあげられる。
を加水分解することを特徴とする化合物(Ia)の光学活
性体の製造法に関する。ここでR1 は、ベンジルオキシ
カルボニル、t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニ
ルメトキシカルボニルなどのウレタン型アミノ基の保護
基あるいはベンジル、トリチルなどのアラルキル型アミ
ノ基の保護基などがあげられる。
【0017】R2 およびR3 の定義におけるアリールと
しては、フェニルおよびナフチルなどが、アラルキルと
しては、炭素数7〜20のベンジル、フェネチルおよびト
リチルなどがあげられる。アリールおよびアラルキルの
アリール部分の置換基は、同一または異なって置換数1
〜3の、例えばニトロ、低級アルコキシ、ハロゲンなど
があげられ、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
各原子を表わし、低級アルコキシのアルキル部分は後述
する低級アルキルの定義と同じである。
しては、フェニルおよびナフチルなどが、アラルキルと
しては、炭素数7〜20のベンジル、フェネチルおよびト
リチルなどがあげられる。アリールおよびアラルキルの
アリール部分の置換基は、同一または異なって置換数1
〜3の、例えばニトロ、低級アルコキシ、ハロゲンなど
があげられ、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
各原子を表わし、低級アルコキシのアルキル部分は後述
する低級アルキルの定義と同じである。
【0018】R2 およびR3 の定義における低級アルキ
ルとしては、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアル
キル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチ
ル、 n- ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘ
キシルなどがあげられる。
ルとしては、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアル
キル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチ
ル、 n- ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘ
キシルなどがあげられる。
【0019】R3 の定義における低級アルケニルとして
は、炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐状のアルケニル、
例えばビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、
ブテニル、ヘキセニルなどがあげられる。
は、炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐状のアルケニル、
例えばビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、
ブテニル、ヘキセニルなどがあげられる。
【0020】次に、光学活性な化合物(I)の製造法に
ついて説明する。後述する参考例に記載の方法で得られ
るラセミ体の化合物(Ia)をアシル化して得られるラセミ
体の化合物(Ib)を、水性媒体中、不斉加水分解する能力
を有する酵素源の存在下、立体選択的に加水分解し、反
応液より分離することにより化合物(Ia)の光学活性体お
よび未反応の化合物(Ib)の光学活性体を得ることができ
る。
ついて説明する。後述する参考例に記載の方法で得られ
るラセミ体の化合物(Ia)をアシル化して得られるラセミ
体の化合物(Ib)を、水性媒体中、不斉加水分解する能力
を有する酵素源の存在下、立体選択的に加水分解し、反
応液より分離することにより化合物(Ia)の光学活性体お
よび未反応の化合物(Ib)の光学活性体を得ることができ
る。
【0021】不斉加水分解する能力を有する酵素源とし
ては、化合物(Ib)を立体選択的に加水分解する能力を有
する酵素もしくはその含有物であればいずれでも用いる
ことができる。
ては、化合物(Ib)を立体選択的に加水分解する能力を有
する酵素もしくはその含有物であればいずれでも用いる
ことができる。
【0022】酵素としては、カルボキシエステラーゼ
(EC3.1.1.1)、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC3.
1.1.3)、コレステロールエステラーゼ(EC3.1.1.13) 、
リポプロテインリパーゼ(EC3.1.1.34)などが用いられ
る。これらの酵素は微生物、動物組織または植物組織に
よって生産されるが市販されていて、容易に入手するこ
とができる。
(EC3.1.1.1)、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC3.
1.1.3)、コレステロールエステラーゼ(EC3.1.1.13) 、
リポプロテインリパーゼ(EC3.1.1.34)などが用いられ
る。これらの酵素は微生物、動物組織または植物組織に
よって生産されるが市販されていて、容易に入手するこ
とができる。
【0023】市販の酵素の具体例としては、ポルシンパ
ンクレアスリパーゼ(PPL)(豚膵臓由来 ;シグマ社製) 、
リポザイム(ムコール属微生物由来;ノボ社製)、リパ
ーゼPアマノ(アマノP)(シュードモナス属微生物由
来;天野製薬社製)、リポプロテインリパーゼ(LP
L)(シュードモナス属微生物由来;協和メデックス社
製)などが、また市販の固定化酵素としては、SP382(キ
ャンジダ属微生物由来;ノボ社製)などがあげられる。
ンクレアスリパーゼ(PPL)(豚膵臓由来 ;シグマ社製) 、
リポザイム(ムコール属微生物由来;ノボ社製)、リパ
ーゼPアマノ(アマノP)(シュードモナス属微生物由
来;天野製薬社製)、リポプロテインリパーゼ(LP
L)(シュードモナス属微生物由来;協和メデックス社
製)などが、また市販の固定化酵素としては、SP382(キ
ャンジダ属微生物由来;ノボ社製)などがあげられる。
【0024】酵素の含有物としては、これら酵素を生産
する能力を有する微生物の菌体、培養液もしくはそれら
の処理物があげられる。これら酵素を生産する能力を有
する微生物としては、例えば以下に示す微生物があげら
れる。
する能力を有する微生物の菌体、培養液もしくはそれら
の処理物があげられる。これら酵素を生産する能力を有
する微生物としては、例えば以下に示す微生物があげら
れる。
【0025】シュードモナス属(Pseudomonas) 、リゾプ
ス属(Rhizopus)、アスペルギルス属(Aspergillus) 、ム
コール属(Mucor) 、キャンジダ属(Candida) 、アルスロ
バクター属(Arthrobacter)。
ス属(Rhizopus)、アスペルギルス属(Aspergillus) 、ム
コール属(Mucor) 、キャンジダ属(Candida) 、アルスロ
バクター属(Arthrobacter)。
【0026】培養液の処理物としては、培養液の濃縮
物、乾燥物、界面活性剤および/または有機溶剤添加
物、溶菌酵素処理物などがあげられる。また、菌体処理
物としては、菌体の乾燥物、界面活性剤および/または
有機溶剤処理物、溶菌酵素処理物、固定化菌体あるいは
菌体からの抽出酵素標品などがあげられる。化合物(Ib)
の不斉加水分解反応は、水性媒体中、前記酵素源と化合
物(Ib)とを混合し、攪拌または振盪することにより行な
われる。
物、乾燥物、界面活性剤および/または有機溶剤添加
物、溶菌酵素処理物などがあげられる。また、菌体処理
物としては、菌体の乾燥物、界面活性剤および/または
有機溶剤処理物、溶菌酵素処理物、固定化菌体あるいは
菌体からの抽出酵素標品などがあげられる。化合物(Ib)
の不斉加水分解反応は、水性媒体中、前記酵素源と化合
物(Ib)とを混合し、攪拌または振盪することにより行な
われる。
【0027】水性媒体としては、水または水とメタノー
ル、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミドなど
との混合溶媒が用いられる。
ル、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミドなど
との混合溶媒が用いられる。
【0028】基質である化合物(Ib)は、反応液に対して
0.1 〜50重量% 用いられ、酵素源は基質に対して 1〜30
0 重量% 用いられる。このとき、基質である化合物(Ib)
の分散性を向上させるために、トリトンX-100(ナカライ
テスク社製) 、ノニオン (日本油脂社製) 、スパン (関
東化学社製) などの界面活性剤を添加することもでき
る。また、反応液のpHを一定に保つために緩衝液の使用
が好ましく、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどの
無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ
ムなどの有機酸塩の緩衝液を使用することができる。ま
た必要に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの塩基を添加することもできる。
0.1 〜50重量% 用いられ、酵素源は基質に対して 1〜30
0 重量% 用いられる。このとき、基質である化合物(Ib)
の分散性を向上させるために、トリトンX-100(ナカライ
テスク社製) 、ノニオン (日本油脂社製) 、スパン (関
東化学社製) などの界面活性剤を添加することもでき
る。また、反応液のpHを一定に保つために緩衝液の使用
が好ましく、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどの
無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ
ムなどの有機酸塩の緩衝液を使用することができる。ま
た必要に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの塩基を添加することもできる。
【0029】不斉加水分解反応は、 0〜70℃、好ましく
は20〜50℃の温度で、pH4〜9で行なわれる。反応は、
反応温度、基質濃度、酵素量などによって異なるが、通
常1〜48時間で終了する。
は20〜50℃の温度で、pH4〜9で行なわれる。反応は、
反応温度、基質濃度、酵素量などによって異なるが、通
常1〜48時間で終了する。
【0030】また、ラセミ体の化合物(Ia)を化合物(I
I) もしくは化合物(III) と不斉アシル化する能力を有
する酵素源の存在下、有機溶媒中、立体選択的にアシル
化し、反応液より分離することにより化合物(Ib)の光学
活性体および未反応の化合物(Ia)の光学活性体を得るこ
とができる。
I) もしくは化合物(III) と不斉アシル化する能力を有
する酵素源の存在下、有機溶媒中、立体選択的にアシル
化し、反応液より分離することにより化合物(Ib)の光学
活性体および未反応の化合物(Ia)の光学活性体を得るこ
とができる。
【0031】不斉アシル化する能力を有する酵素源とし
ては、化合物(Ia)を立体選択的にアシル化する能力を有
する酵素もしくはその含有物であればいずれでも用いる
ことができる。
ては、化合物(Ia)を立体選択的にアシル化する能力を有
する酵素もしくはその含有物であればいずれでも用いる
ことができる。
【0032】具体的酵素源としては前記と同様のものが
あげられる。化合物(Ia)の不斉アシル化反応は、化合物
(Ia)を有機溶媒に溶解させ、化合物(II)もしくは化合物
(III) と前記酵素源とを混合し、攪拌または振盪するこ
とにより行なわれる。
あげられる。化合物(Ia)の不斉アシル化反応は、化合物
(Ia)を有機溶媒に溶解させ、化合物(II)もしくは化合物
(III) と前記酵素源とを混合し、攪拌または振盪するこ
とにより行なわれる。
【0033】有機溶媒としては、エチルエーテル、イソ
プロピルエーテルなどのエーテル系溶媒、トルエン、ベ
ンゼンなどの芳香族系溶媒、ヘキサンなどの溶媒が単独
もしくは組み合わせて用いられる。
プロピルエーテルなどのエーテル系溶媒、トルエン、ベ
ンゼンなどの芳香族系溶媒、ヘキサンなどの溶媒が単独
もしくは組み合わせて用いられる。
【0034】基質である化合物(Ia)は、反応液に対して
0.1〜50重量%用いられ、化合物(II)もしくは化合物(I
II) は基質に対して0.5 〜20モル当量用いられ、酵素源
は基質に対して1〜200 重量%用いられる。
0.1〜50重量%用いられ、化合物(II)もしくは化合物(I
II) は基質に対して0.5 〜20モル当量用いられ、酵素源
は基質に対して1〜200 重量%用いられる。
【0035】不斉アシル化反応は、0〜70℃、好ましく
は20〜50℃の温度で行なわれる。反応は、反応温度、基
質濃度、酵素量などによって異なるが、通常1〜72時間
で終了する。さらに、光学活性な化合物(Ia)は、光学活
性な化合物(Ib)を加水分解し、反応液より該加水分解さ
れた化合物を分離することにより得ることができる。
は20〜50℃の温度で行なわれる。反応は、反応温度、基
質濃度、酵素量などによって異なるが、通常1〜72時間
で終了する。さらに、光学活性な化合物(Ia)は、光学活
性な化合物(Ib)を加水分解し、反応液より該加水分解さ
れた化合物を分離することにより得ることができる。
【0036】加水分解反応は、前記水性媒体中あるいは
メタノール中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ処理をすることにより行なわれる。また、よ
り光学純度の高い光学活性な化合物(Ia)を所望の場合
は、前記の化合物(Ib)の不斉加水分解反応と同様に行な
う。
メタノール中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ処理をすることにより行なわれる。また、よ
り光学純度の高い光学活性な化合物(Ia)を所望の場合
は、前記の化合物(Ib)の不斉加水分解反応と同様に行な
う。
【0037】なお、光学活性な化合物(Ib)は、ラセミ体
の化合物(Ia)を化合物(II) もしくは化合物(III) と不
斉アシル化する能力を有する酵素源の存在下、有機溶媒
中、立体選択的にアシル化して得ることができる。
の化合物(Ia)を化合物(II) もしくは化合物(III) と不
斉アシル化する能力を有する酵素源の存在下、有機溶媒
中、立体選択的にアシル化して得ることができる。
【0038】不斉アシル化する能力を有する酵素源およ
び反応については、前記と同様である。上記の不斉加水
分解反応および不斉アシル化反応により生成した化合物
(I)の光学活性体あるいは光学活性なアシル体の加水
分解反応により生成した化合物(I)の光学活性体を単
離精製するには、酵素源をろ別後、溶媒抽出、洗浄、濃
縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどによって
行なうことができる。
び反応については、前記と同様である。上記の不斉加水
分解反応および不斉アシル化反応により生成した化合物
(I)の光学活性体あるいは光学活性なアシル体の加水
分解反応により生成した化合物(I)の光学活性体を単
離精製するには、酵素源をろ別後、溶媒抽出、洗浄、濃
縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどによって
行なうことができる。
【0039】また、中間体においては、特に精製するこ
となく次の反応に供することもできる。このようにして
得られる化合物(I)の光学活性体は、アデノシンA1
拮抗性利尿薬として有用なピラゾロピリジン誘導体の合
成中間体として有用である。なお、化合物(I)の光学
活性体から医薬品として有用なピラゾロピリジン誘導体
への変換については、特開昭64-45385号公報に記載され
ている。
となく次の反応に供することもできる。このようにして
得られる化合物(I)の光学活性体は、アデノシンA1
拮抗性利尿薬として有用なピラゾロピリジン誘導体の合
成中間体として有用である。なお、化合物(I)の光学
活性体から医薬品として有用なピラゾロピリジン誘導体
への変換については、特開昭64-45385号公報に記載され
ている。
【0040】以下の実施例および参考例により本発明の
態様を説明する。
態様を説明する。
【0041】
実施例1 N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−2−
(2’−ヒドロキシエチル)ピペリジン(以下、化合物
1という)のラセミ体10.2gを、イソプロピルエーテル
1リットルに溶解し、これに酢酸ビニル13.1mlおよびポ
ルシンパンクレアスリパーゼ (以下、PPLと略記す
る)(シグマ社製)10gを加え、室温で52時間攪拌し
た。反応液をろ過し、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー[ 溶出液;ヘキサン:酢酸
エチル=2:1(v/v) ](ワコーゲルC-200, 和光純薬社
製) で精製を行ない、N−(9−フルオレニルメトキシ
カルボニル)−2−(2’−アセトキシエチル)ピペリ
ジン(以下、化合物2という)の光学活性体を溶出し
た。さらに溶出液の酢酸エチル濃度を上げ、精製を継続
して行ない、光学活性な化合物1を溶出した。溶出液よ
り目的物を含むフラクションを集め、減圧濃縮すること
により、淡黄色油状物質としてそれぞれ化合物2の光学
活性体( 以下、化合物Aという)を8.82g(収率74%)
および化合物1の光学活性体(以下、化合物Bという)
を2.77g(収率27%)得た。化合物Aの光学純度を高速
液体クロマトグラフィー〔HPLC :カラム ; カイラルセ
ルOD (ダイセル化学工業社製) 、移動層;ヘキサン:エ
タノール:ジエチルアミン=200 : 100: 0.2 (v/v) 、
流速;1ml/min 、検出;UV 254nm〕で測定すると、光
学純度は46.1%eeであった。
(2’−ヒドロキシエチル)ピペリジン(以下、化合物
1という)のラセミ体10.2gを、イソプロピルエーテル
1リットルに溶解し、これに酢酸ビニル13.1mlおよびポ
ルシンパンクレアスリパーゼ (以下、PPLと略記す
る)(シグマ社製)10gを加え、室温で52時間攪拌し
た。反応液をろ過し、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー[ 溶出液;ヘキサン:酢酸
エチル=2:1(v/v) ](ワコーゲルC-200, 和光純薬社
製) で精製を行ない、N−(9−フルオレニルメトキシ
カルボニル)−2−(2’−アセトキシエチル)ピペリ
ジン(以下、化合物2という)の光学活性体を溶出し
た。さらに溶出液の酢酸エチル濃度を上げ、精製を継続
して行ない、光学活性な化合物1を溶出した。溶出液よ
り目的物を含むフラクションを集め、減圧濃縮すること
により、淡黄色油状物質としてそれぞれ化合物2の光学
活性体( 以下、化合物Aという)を8.82g(収率74%)
および化合物1の光学活性体(以下、化合物Bという)
を2.77g(収率27%)得た。化合物Aの光学純度を高速
液体クロマトグラフィー〔HPLC :カラム ; カイラルセ
ルOD (ダイセル化学工業社製) 、移動層;ヘキサン:エ
タノール:ジエチルアミン=200 : 100: 0.2 (v/v) 、
流速;1ml/min 、検出;UV 254nm〕で測定すると、光
学純度は46.1%eeであった。
【0042】尚、得られた化合物Aの理化学的性質は以
下の通りである。 IR(KBr) cm-1 : 2950, 1750, 1700, 1460, 1430, 1370,
1260, 1180, 1160, 1100,1060,760,750. NMR(CDCl3 ) δ(ppm) : 7.2 〜7.9(8H,m), 4.0〜4.5(6
H,m), 2.84(1H,t), 1.98(3H,s), 1.55(8H,m).
下の通りである。 IR(KBr) cm-1 : 2950, 1750, 1700, 1460, 1430, 1370,
1260, 1180, 1160, 1100,1060,760,750. NMR(CDCl3 ) δ(ppm) : 7.2 〜7.9(8H,m), 4.0〜4.5(6
H,m), 2.84(1H,t), 1.98(3H,s), 1.55(8H,m).
【0043】また、化合物Bは、以下の方法により化合
物2の光学活性体とし、HPLCで測定した。即ち、化合物
Bの10mgに対し、ピリジン 0.5mlおよび無水酢酸0.02ml
を添加し、室温で3時間攪拌し、これに酢酸エチル2ml
を添加した。反応液を飽和重曹水、希塩酸、飽和硫酸銅
水溶液、水、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄後、HP
LCで光学純度を測定した。これより化合物Bの光学純度
は95.3%ee であった。
物2の光学活性体とし、HPLCで測定した。即ち、化合物
Bの10mgに対し、ピリジン 0.5mlおよび無水酢酸0.02ml
を添加し、室温で3時間攪拌し、これに酢酸エチル2ml
を添加した。反応液を飽和重曹水、希塩酸、飽和硫酸銅
水溶液、水、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄後、HP
LCで光学純度を測定した。これより化合物Bの光学純度
は95.3%ee であった。
【0044】実施例2 実施例1で得られた化合物Aの8.82g (46.1%ee)を2リ
ットルの10mMリン酸ナトリウムの緩衝液〔pH7.0, 0.2%
トリトンX-100(ナカライテスク社製) を含む〕に懸濁
し、PPL を20g加え、室温で31時間攪拌した。反応液を
ろ過後、酢酸エチル1リットルおよび飽和食塩水 200ml
を加えて有機層を分離した。また水層に酢酸エチルを 5
00ml加え、再度抽出を行なった。有機層を合わせ、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー[ 溶出液;ヘキサン:酢
酸エチル=2:1(v/v)]で精製を行ない、化合物1の光
学活性体(以下、化合物Cという)を溶出した。さらに
溶出液の酢酸エチル濃度を上げ、精製を継続して行な
い、化合物2の光学活性体(以下、化合物Dという)を
溶出した。溶出液より目的物を含むフラクションを集
め、減圧濃縮することにより、淡黄色油状物質としてそ
れぞれ化合物Cを3.12g (収率41%)および化合物Dを4.
79g (収率54%)得た。
ットルの10mMリン酸ナトリウムの緩衝液〔pH7.0, 0.2%
トリトンX-100(ナカライテスク社製) を含む〕に懸濁
し、PPL を20g加え、室温で31時間攪拌した。反応液を
ろ過後、酢酸エチル1リットルおよび飽和食塩水 200ml
を加えて有機層を分離した。また水層に酢酸エチルを 5
00ml加え、再度抽出を行なった。有機層を合わせ、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー[ 溶出液;ヘキサン:酢
酸エチル=2:1(v/v)]で精製を行ない、化合物1の光
学活性体(以下、化合物Cという)を溶出した。さらに
溶出液の酢酸エチル濃度を上げ、精製を継続して行な
い、化合物2の光学活性体(以下、化合物Dという)を
溶出した。溶出液より目的物を含むフラクションを集
め、減圧濃縮することにより、淡黄色油状物質としてそ
れぞれ化合物Cを3.12g (収率41%)および化合物Dを4.
79g (収率54%)得た。
【0045】尚、得られた化合物Cの理化学的性質は以
下の通りである。 IR(KBr) cm-1 : 3460, 3080, 3050, 2950, 2880, 1680,
1590, 1500, 1480, 1440, 1360, 1270, 1180, 1150, 1
070,770,750. NMR(CDCl3 ) δ(ppm) : 7.2 〜7.9(8H,m), 3.8〜4.6(6
H,m), 3.4(1H,m), 2.7(1H,m), 1.62(8H,m).
下の通りである。 IR(KBr) cm-1 : 3460, 3080, 3050, 2950, 2880, 1680,
1590, 1500, 1480, 1440, 1360, 1270, 1180, 1150, 1
070,770,750. NMR(CDCl3 ) δ(ppm) : 7.2 〜7.9(8H,m), 3.8〜4.6(6
H,m), 3.4(1H,m), 2.7(1H,m), 1.62(8H,m).
【0046】これらの化合物の光学純度を実施例1と同
様に測定すると、化合物Cの光学純度は93.4%ee 、化合
物Dの光学純度は2.8%eeであった。
様に測定すると、化合物Cの光学純度は93.4%ee 、化合
物Dの光学純度は2.8%eeであった。
【0047】実施例3 化合物1のラセミ体4mgをイソプロピルエーテル1mlに
溶解した。これに第1表に示すアシル基供与体3当量お
よび酵素2mgを加え、30℃で攪拌した。反応液を遠心分
離(6400rpm ,1分間) し、上澄み液をHPLCに付し、実施
例1と同様に反応生成物の光学純度を測定した。
溶解した。これに第1表に示すアシル基供与体3当量お
よび酵素2mgを加え、30℃で攪拌した。反応液を遠心分
離(6400rpm ,1分間) し、上澄み液をHPLCに付し、実施
例1と同様に反応生成物の光学純度を測定した。
【0048】結果を第1表に示す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例4 化合物2のラセミ体10mgを1mlの0.1Mリン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.0, 0.2%トリトンX-100 を含む) に懸濁し、
アマノPを3mg加え、30℃で43時間攪拌した。反応液を
ろ過後、酢酸エチル1mlを加えて有機層を分離した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、以
下実施例2と同様に精製を行ない、光学活性な化合物1
および光学活性な化合物2を得た。
緩衝液(pH7.0, 0.2%トリトンX-100 を含む) に懸濁し、
アマノPを3mg加え、30℃で43時間攪拌した。反応液を
ろ過後、酢酸エチル1mlを加えて有機層を分離した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、以
下実施例2と同様に精製を行ない、光学活性な化合物1
および光学活性な化合物2を得た。
【0051】これらの化合物の光学純度を実施例1と同
様に測定すると、転換率は19% で、化合物1の光学純度
は78%ee 、化合物2の光学純度は18%ee であった。
様に測定すると、転換率は19% で、化合物1の光学純度
は78%ee 、化合物2の光学純度は18%ee であった。
【0052】実施例5 化合物2のラセミ体10mgを用い、以下実施例4と同様
にPPL による不斉加水分解反応を行なった。
にPPL による不斉加水分解反応を行なった。
【0053】その結果、転換率は57% であった。また生
成した光学活性な化合物1および光学活性な化合物2の
光学純度を実施例1と同様に測定すると、それぞれ42%e
e および56%ee であった。
成した光学活性な化合物1および光学活性な化合物2の
光学純度を実施例1と同様に測定すると、それぞれ42%e
e および56%ee であった。
【0054】実施例6 N−ベンジルオキシカルボニル−2−(2’−ヒドロキ
シエチル)ピペリジン(以下、化合物3という)のラセ
ミ体10mgをイソプロピルエーテル1mlに溶解し、これに
無水酢酸0.01mlおよびPPL 10gを加え、30℃で6時間攪
拌した。反応液を遠心分離(6400rpm ,1分間) し、上澄
み液をHPLC〔HPLC :カラム;カイラルセルOD (ダイセル
化学工業社製) 、移動層;ヘキサン:イソプロパノール
=19 : 1(v/v)、流速;0.8 ml/min 、検出;UV254nm
〕に付し、反応生成物であるN-ベンジルオキシカルボ
ニル-2-(2'- アセトキシエチル) ピペリジン(以下、化
合物4という)の光学純度を測定すると16%ee で、転換
率は31% であった。また未反応の化合物3の光学活性体
の光学純度は40%ee であった。
シエチル)ピペリジン(以下、化合物3という)のラセ
ミ体10mgをイソプロピルエーテル1mlに溶解し、これに
無水酢酸0.01mlおよびPPL 10gを加え、30℃で6時間攪
拌した。反応液を遠心分離(6400rpm ,1分間) し、上澄
み液をHPLC〔HPLC :カラム;カイラルセルOD (ダイセル
化学工業社製) 、移動層;ヘキサン:イソプロパノール
=19 : 1(v/v)、流速;0.8 ml/min 、検出;UV254nm
〕に付し、反応生成物であるN-ベンジルオキシカルボ
ニル-2-(2'- アセトキシエチル) ピペリジン(以下、化
合物4という)の光学純度を測定すると16%ee で、転換
率は31% であった。また未反応の化合物3の光学活性体
の光学純度は40%ee であった。
【0055】実施例7 化合物3のラセミ体10mgをイソプロピルエーテル1mlに
溶解し、これに第2表に示すアシル基供与体および酵素
3mgを加え、反応を行なった。反応液を、実施例6と同
様に遠心分離して上澄み液をHPLCに付し、反応生成物の
化合物4の光学活性体および未反応の化合物3の光学活
性体の光学純度をそれぞれ測定した。
溶解し、これに第2表に示すアシル基供与体および酵素
3mgを加え、反応を行なった。反応液を、実施例6と同
様に遠心分離して上澄み液をHPLCに付し、反応生成物の
化合物4の光学活性体および未反応の化合物3の光学活
性体の光学純度をそれぞれ測定した。
【0056】結果を第2表に示す。
【0057】
【表2】
【0058】実施例8 化合物4のラセミ体10mgを 1mlの0.1Mリン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.0、0.2%トリトンX-100 を含む) に懸濁し、
アマノPを3mg加え、30℃で3時間攪拌した。反応液を
ろ過後、酢酸エチル 1mlを加えて有機層を分離した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、残
渣を実施例6と同様に測定すると、転換率は22% で、化
合物3の光学純度は43%ee 、化合物4の光学純度は12%e
e であった。
緩衝液(pH7.0、0.2%トリトンX-100 を含む) に懸濁し、
アマノPを3mg加え、30℃で3時間攪拌した。反応液を
ろ過後、酢酸エチル 1mlを加えて有機層を分離した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、残
渣を実施例6と同様に測定すると、転換率は22% で、化
合物3の光学純度は43%ee 、化合物4の光学純度は12%e
e であった。
【0059】実施例9 化合物4のラセミ体10mgを用い、実施例8で用いたア
マノPの代わりにリパーゼSP382(ノボ社製) を用いる以
外は実施例8と同様に不斉加水分解反応を行なった。
マノPの代わりにリパーゼSP382(ノボ社製) を用いる以
外は実施例8と同様に不斉加水分解反応を行なった。
【0060】これらの化合物の光学純度を実施例6と同
様に測定すると、転換率は53%で、化合物3の光学純度
は53%ee 、化合物4の光学純度は48%ee であった。
様に測定すると、転換率は53%で、化合物3の光学純度
は53%ee 、化合物4の光学純度は48%ee であった。
【0061】参考例1 N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−2−
(2’−ヒドロキシエチル)ピペリジン(化合物1)の
製造
(2’−ヒドロキシエチル)ピペリジン(化合物1)の
製造
【0062】水10mlにテトラヒドロフラン100ml を溶解
し、氷冷下2−ヒドロキシエチルピペリジン1.5gを加え
た。次いでクロロギ酸9−フルオレニルメチル 2.485g
を少量づつ滴下した。この間、反応液のpHを2規定水酸
化ナトリウムにより7に保った。pHの変化が止まった時
点で反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を希塩酸、重
曹水、食塩水、水の順で洗浄後、減圧濃縮を行なった。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液;
ヘキサン:酢酸エチル=85:15 (v/v)] で精製を行な
い、化合物1を溶出した。溶出液より目的物を含むフラ
クションを集め、減圧濃縮することにより化合物1を
2.584g(収率70%)得た。
し、氷冷下2−ヒドロキシエチルピペリジン1.5gを加え
た。次いでクロロギ酸9−フルオレニルメチル 2.485g
を少量づつ滴下した。この間、反応液のpHを2規定水酸
化ナトリウムにより7に保った。pHの変化が止まった時
点で反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を希塩酸、重
曹水、食塩水、水の順で洗浄後、減圧濃縮を行なった。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液;
ヘキサン:酢酸エチル=85:15 (v/v)] で精製を行な
い、化合物1を溶出した。溶出液より目的物を含むフラ
クションを集め、減圧濃縮することにより化合物1を
2.584g(収率70%)得た。
【0063】参考例2 N−ベンジルオキシカルボニル−2−(2’−ヒドロキ
シエチル)ピペリジン(化合物3)の製造
シエチル)ピペリジン(化合物3)の製造
【0064】水50mlにテトラヒドロフラン50mlを溶解
し、氷冷下2−ヒドロキシエチルピペリジン6.46gを加
えた。次いで塩化ベンゾイル 7.2mlを少量づつ滴下し
た。反応液を以下参考例1の方法に準じて、化合物3を
5.30g(収率40%)得た。
し、氷冷下2−ヒドロキシエチルピペリジン6.46gを加
えた。次いで塩化ベンゾイル 7.2mlを少量づつ滴下し
た。反応液を以下参考例1の方法に準じて、化合物3を
5.30g(収率40%)得た。
【0065】
【発明の効果】本発明により光学活性なピペリジン誘導
体の製造法を効率よく提供することができる。
体の製造法を効率よく提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 式(Ib) 【化1】 (式中、R1 はベンジルオキシカルボニル、t−ブトキ
シカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、
ベンジルまたはトリチルを表わし、R2 は置換もしくは
非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキルま
たは低級アルキルを表わす)で表わされる2-アシルオキ
シエチルピペリジン誘導体〔以下、化合物(Ib) とい
う〕を、化合物 (Ib) を不斉加水分解する能力を有する
酵素源の存在下、立体選択的に加水分解することを特徴
とする式(I) 【化2】 (式中、R1 は前記と同義であり、Rは水素または−C
OR2 を表わし、R2 は前記と同義である)で表わされ
るピペリジン誘導体〔以下、化合物(I)という〕の光
学活性体の製造法。 - 【請求項2】 式(Ia) 【化3】 (式中、R1 は前記と同義である)で表わされる2-ハイ
ドロキシエチルピペリジン誘導体〔以下、化合物(Ia)と
いう〕と式(II) 【化4】 (式中、R2 は前記と同義である)で表わされるカルボ
ン酸無水物〔以下、化合物(II)という〕もしくは式(I
II) 【化5】 (式中、R2 は前記と同義であり、R3 は置換もしくは
非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、
低級アルキルまたは低級アルケニルを表わす)で表わさ
れるカルボン酸エステル〔以下、化合物 (III)という〕
とを、化合物(Ia)を不斉アシル化する能力を有する酵素
源の存在下反応させて、化合物(Ia)を立体選択的にアシ
ル化することを特徴とする請求項1記載の化合物(I)
の光学活性体の製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載の化合物(Ib) の光学活性
体を加水分解することを特徴とする請求項2記載の化合
物(Ia)の光学活性体の製造法。 - 【請求項4】 光学活性な化合物(Ib) が請求項2記載
の化合物(Ia)と化合物(II) もしくは化合物(III)と
を、化合物(Ia) を不斉アシル化する能力を有する酵素
源の存在下反応させて、化合物(Ia)を立体選択的にアシ
ル化して得られる請求項3記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17542492A JPH0614798A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 光学活性なピペリジン誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17542492A JPH0614798A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 光学活性なピペリジン誘導体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0614798A true JPH0614798A (ja) | 1994-01-25 |
Family
ID=15995859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17542492A Withdrawn JPH0614798A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 光学活性なピペリジン誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0614798A (ja) |
-
1992
- 1992-07-02 JP JP17542492A patent/JPH0614798A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991005 |