JPH06147264A - トルクカムダンパ - Google Patents

トルクカムダンパ

Info

Publication number
JPH06147264A
JPH06147264A JP32369492A JP32369492A JPH06147264A JP H06147264 A JPH06147264 A JP H06147264A JP 32369492 A JP32369492 A JP 32369492A JP 32369492 A JP32369492 A JP 32369492A JP H06147264 A JPH06147264 A JP H06147264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
torque
resilient member
axial direction
outer cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP32369492A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Toshima
裕基 戸嶋
Hiroaki Maeda
宏昭 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP32369492A priority Critical patent/JPH06147264A/ja
Publication of JPH06147264A publication Critical patent/JPH06147264A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Power Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】プロペラシャフトの捩り振動対策として、装置
の外径寸法を大きくせずに高トルクの捩り振動を吸収
し、広帯域の捩り振動数に対して減衰効果のあるトルク
カムダンパの提供。 【構成】センターシャフトに加えられる回転トルクの変
動をカム手段により軸方向の変動に変換することにより
外筒への回転トルク変動の伝達を緩衝させるトルクカム
ダンパにおいて、円周方向に関し互いに係合して軸方向
に配列されたカム手段と、該カム手段を軸方向に付勢す
る弾性部材とを有し、該弾性部材の軸方向両側に該カム
手段が配列されることを特徴とするトルクカムダンパ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロペラシャフトの捩
り振動緩衝装置に係り、特にカムを用いて捩り振動の回
転変動を軸方向変動に変換し、回転変動による振動を吸
収する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、プロペラシャフトのダン
パーとしてゴムを用いたダイナミックダンパーが知られ
ているが、振動を吸収する効果が得られるのは、一定の
振動数に対してだけであった。また、粘性流体を用いた
ビスカスダンパーでは、構造上外径寸法が大きくなって
しまい常に滑りがあり効率が悪くプロペラシャフト部へ
の装着ができなかった。
【0003】そして、特開昭61−171935に記載
されているトルク変動緩衝装置は、カム機構を介して回
転トルクの変動をカム部材の軸方向の変動に変換するこ
とにより外筒への回転トルク変動の伝達を緩衝させるも
のであるが、これは2輪車用のものであり、高トルクの
回転変動に対応するのは困難であった。即ち、四輪車両
などの高トルクの回転変動に対応するには外径寸法を大
きくしなければならず、四輪車両の現行のプロペラシャ
フトに装着できる回転トルクの変動吸収装置はなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、捩り振動の対策として、装置の外径寸法を大きくせ
ずに高トルクの捩り振動を吸収でき、且つ、広い範囲の
振動数に対して捩り振動の減衰効果のあるトルクカムダ
ンパを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、センターシャフトに加えられる回転トルクの
変動をカム手段により軸方向の変動に変換することによ
り外筒への回転トルク変動の伝達を緩衝させるトルクカ
ムダンパにおいて、円周方向に関し互いに直接又は間接
的に係合して軸方向に配列されたカム手段と、該カム手
段を軸方向に付勢する弾性部材とを有するトルク伝達機
構が備えられ、該弾性部材の軸方向両側に該カム手段が
配列されることを特徴とするトルクカムダンパを提供す
る。
【0006】また、前記トルク伝達機構において、前記
カム手段は回転体を介して円周方向に関し互いに係合さ
れていることを特徴とするトルクカムダンパを提供す
る。
【0007】そして、前記カム手段が、駆動カム、回転
体及び被駆動カムから成り、該駆動カムの軸方向両側に
それぞれ該回転体を介した該被駆動カムが円周方向に関
し係合して配列されたことを特徴とするトルクカムダン
パを提供する。
【0008】さらに、前記駆動カムは前記センターシャ
フトと一体回転し前記外筒に対し所定角度内において相
対回動可能に配され、該駆動カムと該外筒の間の相対回
動を阻止するストッパを、駆動カムと外筒の間の該所定
角度の遊び角をもって構成することを特徴とするトルク
カムダンパを提供する。
【0009】そしてまた、前記センターシャフト及び外
筒との間に前記カム手段と並列して作用する摩擦機構を
介在させることを特徴とするトルクカムダンパを提供す
る。
【0010】
【作用】本発明のトルクカムダンパにおいては、弾性部
材の軸方向両側にカム手段が備えられるのでカム手段に
より伝達可能なトルクの量が本発明の外径寸法を大きく
することなくカム手段1基の場合に比に少くとも2倍に
なる。また両側のカム手段からの対向する圧縮力を一つ
の弾性部材に作用させるが、軸方向の長さは十分確保で
き、かくて弾性部材の長さの縮む量は十分多くとれるた
め、高トルクの捩り振動に対して振動吸収作用が働く。
【0011】また、前記カム手段において、円周方向に
関し回転体を介して関接的に駆動カムと被駆動カムを係
合することにより、カムの動作が滑らかになる。(請求
項2)
【0012】そして、請求項3に記載のカム手段には、
駆動カムの両側にそれぞれ回転体及び被駆動カムが備え
られており回転体が2個所にあるため、単なる駆動カ
ム、回転体及び被駆動カムから成るカム手段と比較して
高トルクの捩り振動に対応可能となる。
【0013】さらに、請求項4の記載においては、駆動
カムが遊び角の範囲内のみ円周方向に回動可能であるた
め、専用のストッパ手段を設ける必要がなくなる。
【0014】そしてまた、前記センターシャフトと前記
外筒の間に前記回転トルク伝達用カム手段と並列して作
用する摩擦機構を介在させることにより、カム手段の許
容伝達トルクをそのままに維持してトルク伝達機構全体
の許容吸収トルクを増大できる。(請求項5)
【0015】
【実施例】本発明のトルクカムダンパの一実施例を図1
ないし図5に示し、詳細に説明する。なお、トルク伝達
用カム手段の回転体としては、ボール又はコロガリ軸受
けコロ(好ましくはたる型又はテーパー型)等を用いる
ことができるが、ボールを用いたものを実施例とする。
【0016】本発明のトルクカムダンパ1は、図4に示
される駆動系の斜視図において、例えばプロペラシャフ
トの下流に固着される。
【0017】図1の本発明の断面図において、入力フラ
ンジ2にプロペラシャフト(図示せず)が接続され、入
力フランジ2はセンターシャフト3とスプライン嵌合さ
れており、センターシャフト3には、スプライン嵌合さ
れているドライブ(駆動)カム4、5が設けられてい
る。ドライブカム4、5は中央部がくり貫かれた略円形
部材であり軸方向に摺動可能な構造となっている。
【0018】ドライブカム4、5の軸方向における両側
面の一部には複数の凹面が円周方向に等間隔で形成さ
れ、該凹面には略円球のボール6、7、8、9がそれぞ
れ接触しており、ドライブカム4、5のボール6〜9を
介した反対側には、ボール6〜9と接触する面が凹面と
なっているドリブン(被駆動)カム10、11、12、
13が備えられ、ドリブンカム10〜13は中央部がく
り貫かれた略円形部材であり4つの該ドリブンカムの中
で2つのドリブンカム10、12は軸方向へ摺動可能と
なっている。
【0019】ドライブカム4の両側には、ドライブカム
4の軸との直交中心面を中心線として、ボール6及びド
リブンカム10と、ボール7及びドリブンカム11と
は、対称に配置され、同様に、ボール8及びドリブンカ
ム12と、ボール9及びドリブンカム13とは、ドライ
ブカム5を中心線として対称に配置されている。そし
て、該ボール6〜9は、円周方向へ帯状を成すリング状
ボール保持部材4c、4dによって半径方向に関し保持
されている。
【0020】摺動可能な前記ドリブンカム10は、内部
にコイルスプリングなどの弾性部材14a、14bを備
えた中空で環状の略円筒部材からなる弾性部材ケース1
5の軸方向端面と接しており、弾性部材ケース15は、
開口部が互いに向きあった環状の二つの略円筒部15
a、15bから成り、一方の円筒部15bの外周は他方
の円筒部15aの内周に摺接して弾性部材の圧縮運動に
応動して伸縮可能となっている。
【0021】弾性部材ケース15内に設けられている弾
性部材14によって、ボール6、7及びドリブンカム1
0、11はドライブカム4に圧接されており、同様に回
転軸上において弾性部材ケース15の反対側に同じよう
に配設されているボール8、9及びドリブンカム12、
13もドライブカム5に圧接されている。
【0022】ドリブンカム10〜13の外周はセレーシ
ョンにより外筒16に係合し、略円筒の形状を成す外筒
16はベアリング2aによって入力フランジ2に対し円
周方向へ回動可能に保持されている。外筒16内には左
方から、回転トルク伝達用のカム手段41、弾性部材1
4、カム手段42がセンターシャフト3と外筒16の間
のリング状空間内に配設されており、これらの部材は大
略軸方向に摺動可能に構成される。外筒16の右端には
溶接によって固着されている出力フランジ17bが備え
られ、出力フランジ17bは、円筒の形状を成す本装置
の一端を閉ざす構造となる略円形の部材である。出力フ
ランジ17bには、シャフトを介してディファレンシャ
ル装置(図示せず)が接続され、後輪が駆動される。
【0023】なお、ボール6〜9及び弾性部材14は、
円周方向へ等間隔で複数の部材がそれぞれ配設されてい
る。ボール6〜9は、図2のボール配置図に示すように
配設され、弾性部材ケース15の中の弾性部材14は、
図3に示すように配設されている。
【0024】上記に示す構成から成る本発明のトルクカ
ムダンパは、以下のような作用を成す。すなわち、トラ
ンスミッションからプロペラシャフトへと伝達された回
転トルクは、本装置の入力フランジ2に入力され、入力
フランジ2に入力された回転トルクは、セレーション嵌
合されているセンターシャフト3及びドライブカム4、
5へと伝達される。
【0025】弾性部材ケース15内に設けられている弾
性部材14の軸方向付勢力によって、ドライブカム4、
5、ボール6〜9及びドリブンカム10〜13は圧接さ
れているため、ドライブカム4、5に加えられた回転力
はボール6〜9を介してドリブンカム10〜13に伝達
されスプライン結合されている外筒16に伝わり、出力
フランジ17bを通して後輪を駆動するディファレンシ
ャル装置に出力される。
【0026】図5(A)の断面図に示すように、プロペ
ラシャフトが一定の回転力で回転している時は、弾性部
材14の付勢力によって、ボール6、7は、ドライブカ
ム4及びドリブンカム10、11の各凹面たるカム面4
a、10a、11aの中央に係合されている。
【0027】しかし、急加速などでプロペラシャフトに
高トルクが加わり、弾性部材14の付勢力に抗する程の
回転力の変動があると、図5(B)に示すとうり、ドラ
イブカム4は回転方向に一瞬ずれ、ボール6、7のころ
がり作用によりドライブカム4とドリブンカム10、1
1との隙間が大きくなるよう軸方向に摺動される。この
時、ドリブンカム11は一端の面が外筒に係止した固定
部材26aに当接しているため軸方向に摺動されず、ド
ライブカム4とドリブンカム10が弾性部材14を圧縮
する方向へ摺動する。同様に、弾性部材14の反対側に
備えられているドライブカム5、ボール8、9、及びド
リブンカム12、13も同じように作用する。
【0028】したがって、回転力の一瞬の大きな変動
は、外筒16へは伝達されずに弾性部材14によってそ
の圧縮エネルギとして吸収されたことになり、回転力の
変動は緩衝されて、回転トルクは滑らかに外筒16へと
伝わり、急激な捩り振動が起こらないため車両に伝わる
振動や騒音を小さくすることができる。逆に出力フラン
ジ側から急ブレーキ等による回転振動が生じたときも同
様(但し逆向きになるが)にして出力側からの回転振動
は吸収されて、入力側には平滑化されたトルクの変化が
伝達される。その関係を、概念的に図10に示す。
【0029】本発明のトルクカムダンパには、回転変動
を軸方向変動に変換するカム手段が弾性部材14の両端
に備えられているため、カム手段が片側一つの場合と比
較して、2倍のトルク変動に対応できる。つまり、例え
ば回転変動によるドライブカム4の回転角度偏移が同じ
場合には、カム手段を両側に備えている方が、弾性部材
14の縮む量は2倍になり、2倍の付勢力がドライブカ
ム4にかかっていることになる。この付勢力に抗するに
は、2倍のトルク変動が必要であり、同一の回転角度偏
移で2倍のトルクが必要ということは、捩り振動を吸収
するための回転角度範囲が同一に制限されていると仮定
した場合、2倍のトルク変動を吸収できるということに
なる。
【0030】本発明では、ボールが4個所に設けられて
いるため、ボールが1個所のものに対して4倍のトルク
変動に対応でき、高トルク変動が生じる四輪車両に特に
有効なトルクカムダンパである。
【0031】図6には、ストッパ手段を備えるドライブ
カム4、5が示されており、ドライブカム4、5と外筒
16の係合状態を示す断面図(図1のD−D’部分断
面)である。外筒16のセレーション溝の側壁面16a
と所定遊び角α、αをもって係合するドライブカム4、
5の外周のセレーション突起との間にストッパが形成さ
れる。ストッパが当接作動すると全体が一体回転する。
これにより許容吸収トルク域を超えた回転トルクに対し
て装置が保護される。
【0032】同図において、ドライブカム4、5の外セ
レーション突起と外筒16のセレーション溝の互いの歯
面には遊び角αが設けられており、プロペラシャフトが
一定の低い回転力で回転しているときは同図に示すよう
に歯面の両側の隙間は同一であるため、プロペラシャフ
トからの回転力はドライブカム4、5から外筒16へ双
方向の捩れを生ずることなく伝わり、ドライブカム4、
5からボール6〜9を介してドリブンカム10〜13へ
伝わり外筒16へと伝達される。
【0033】ドライブカム4、5に高トルクが加わる
と、ドライブカム4、5は円周方向へずれるがその際回
転変動が生ずると、ボールはさらにある程度ずれたとこ
ろまで移動し、その間に弾性部材の圧縮力とつり合った
所で停止し、そこで係止させられる。ドライブカム4、
5が回転しすぎたときはストッパの当接によりボール6
〜9がカム側面の凹面内から外れるということを防止す
ることができ、また、ドライブカム4、5にストッパ手
段を備えたことにより、専用のストッパ手段を設ける必
要がなくコストの低減に役立つ。
【0034】図7では、中央がくり貫かれた複数の略環
状部材から成る摩擦部材18が、弾性部材ケース15と
カム手段41、42の間に設けられている。摩擦部材1
8は、センターシャフト3にスプライン係合が成されて
いる第1の複数の略環状部材18bと外筒16にセレー
ション係合が成されている第2の複数の略環状部材18
aとから成り、第1と第2の環状部材は交互に摩擦摺接
されている。
【0035】弾性部材14の軸方向押圧力により常時摩
擦係合することにより、カム手段41、42の伝達トル
クに対しバイパス的伝達作用を行うと共に、摩擦力によ
る回転トルク変動の吸収の補助的作用も行う。なおこの
摩擦機構は、必要に応じて増設でき、外径を増大させる
ことなく許容伝達トルク(及び吸収可能トルク域)を拡
大させる。
【0036】摩擦機構18に第1と第2の環状部材18
a、18bの摩擦力を越える高トルクの回転変動が加わ
ると、環状部材18a、18bは互いに滑り、摩擦機構
18を通して伝達されていたセンターシャフト3からの
回転力は外筒16へは伝達されなくなる。したがって、
高トルクの回転変動の中の一部のトルクは摩擦機構18
によって吸収されたことになり、装置全体としてより一
層高トルクの回転変動入力に対応可能となる。
【0037】図3においては、弾性部材ケース15の円
筒部15a、15bの一端面にはオリフィス15cが適
当数配設され、充填されたオイルにより油圧減衰機構を
構成する。円筒部15bの底壁には、逆止弁15dが配
され弾性部材ケース15内へのオイルの急速復帰のみを
許容する。逆止弁15dはリターン孔15fの径内部に
装入されたチェックボール15eから成る。この油圧減
衰機構は、弾性部材に重畳して作用し、所望の減衰特性
を得るのに役立つ。
【0038】すなわち、図3に示すように、弾性部材ケ
ース15の室外からのみオイルを流す逆止弁の作用を成
すチェックボール15eが、円筒部15bの底壁に設け
られているリターン孔15fに備えられ、そのリターン
孔15fは弾性部材ケース15の室内外を連通してい
る。したがって、捩り振動を減衰させるときには、オリ
フィス15cのみを通してオイルが流れ円筒部15bは
ゆっくり摺動し、初期位置へ復帰するときには、オリフ
ィス15cとチェックボール15eの備えられている通
路の両方を通してオイルが流れるため、弾性部材14の
付勢力によって円筒部15bはすばやく摺動し、復帰時
間を短くすることができる。
【0039】図7に示されるように、捩り特性可変手段
22が弾性部材ケース15の右端面とドリブンカム12
の間にセレーションを介して外筒16に対し軸方向へ摺
動可能にかつ円周方向には位置拘束されて保持されてい
る。ボール19は外筒16に保持されたボール支持部材
20にその両側が当接すると共にセンターシャフト3を
外囲する保持部材21’によって保持されている。ボー
ル支持部材20のボール当接面20aは半径方向外方へ
互いに間隔が狭くなるテーパ状カム面を成す。
【0040】そして回転時において、ボール19に対し
て径方向に作用する遠心力は回転数の増大に比例して増
大し、このため高回転数領域においてはボール19によ
ってボール支持部材20を軸に平行する方向に押し広げ
る力が作用する。
【0041】この時、図7に示すように、ボール支持部
材20は押し広げられ、図示左側に配設された弾性部材
ケース15を軸方向に押圧することになる。
【0042】このため、回転の上昇に応じて弾性部材1
4(14a、14b)のバネセット荷重が上昇されるこ
とになり、低回転数においては低い回転トルク変動でも
作動する緩衝機構が、高回転数領域においては、小さな
回転トルク変動では緩衝作用の作動が抑止される。
【0043】図9には、捩れ角対捩れトルクの特性図に
ついて本発明の捩れ特性可変手段を備えた特性曲線が破
線で概念的にプロットされている。なお同図において実
線は捩れ特性可変手段を備えない本発明の捩れ角対捩れ
トルクの特性曲線のプロットである。
【0044】トルク伝達機構のカム手段に関し、図8に
は、ボール6〜9に接するカム面(4a、5a等)の角
度を徐々に増大させたときの実施例の断面図が示されて
いる。
【0045】図8のようになるカム面(4a、5a)に
おいては、捩れ角対捩れトルクの特性は図9に示すよう
になり、カム面の角度の変わる変化点ごとに捩れ角に対
する捩れトルクの比が増大していく。
【0046】低トルクの回転変動では、軸方向における
カムの摺動量は小さいため弾性部材14による捩り振動
の吸収は小さいが、高トルクの回転変動による捩り振動
の吸収は大きくなり、高トルク領域における捩り振動の
吸収における応答性を向上させることができる。
【0047】そして図9には、前記した本発明の捩り特
性可変手段により回転数の増大に対応してバネセット荷
重が増大された捩れ特性が、一例として回転数2000
rpmの場合について破線で示されている。この場合、
図示の如く、高回転数領域においては、弾性部材14の
バネセット荷重が増大するため低い回転トルク変動に対
応する小さな捩れ角の領域(即ち、図9の破線の下部領
域)では緩衝装置は作動されない。
【0048】なお、図10に本発明のトルクカムダンパ
における捩り振動の減衰特性を概念的に示す。図示する
ように広帯域の周波数に対して減衰効果があり、本発明
は高トルクの捩り振動の吸収装置として有用である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトルクカ
ムダンパにおいては、弾性部材の両側にカム手段が備え
られるため、回転トルクをバランスよく伝達でき、また
本装置の外径寸法を大きくすることなく高トルクの捩り
振動を吸収することができる。
【0050】また、本発明のトルクカムダンパにおいて
は、カム手段として駆動カムの両側にボールを配設しボ
ールの数が多いため、外径寸法を大きくすることなくさ
らに高トルクの捩り振動を吸収できる。(請求項3)
【0051】そして、請求項4に記載のトルクカムダン
パにおいては、駆動カムの回転角を所定のところで係止
できるため、許容吸収トルク域を越えた回転トルクに対
して装置が保護されると共に、専用のストッパ手段を備
える必要がなくコストの低減に役立つ。
【0052】さらに、本発明のトルクダンパにおいて
は、摩擦機構が備えられるため、外径寸法を大きくする
ことなく尚一層の高トルクの捩り振動を吸収することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であり図2のA−A’断面図。
【図2】ボールの配置を示す径方向の概略構成図。
【図3】図1のC−C’線の横断面図であり、弾性部材
ケース内の弾性部材の配置を示す概略断面図。
【図4】車両の駆動系の斜視図。
【図5】本発明におけるカム手段の係合配列を示す図1
のB−B’断面図。
【図6】ストッパ手段が備えられたドライブカムの図1
におけるD−D’線の部分断面図。
【図7】摩擦機構が備えられたトルクカムダンパの実施
例。
【図8】本発明におけるトルクカム形状を示す説明図。
【図9】本発明における捩れ角対捩れトルクの特性図。
【図10】本発明におけるかみ合い1次周波数対ギヤの
捩り振動レベルを示す図。
【符号の説明】
1 本発明のトルクカムダンパ 2 入力フランジ 3 センターシャフト 4、5 ドライブ(駆動)カム 6、7、8、9 ボール(回転体) 10、11、12、13 ドリブン(被駆動)カム 14 弾性部材 15 弾性部材ケース 16 外筒 17b 出力フランジ 18 摩擦機構 19 ボール 20 ボール支持部材 22 捩り特性可変手段 41、42 カム手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】センターシャフトに加えられる回転トルク
    の変動をカム手段により軸方向の変動に変換することに
    より外筒への回転トルク変動の伝達を緩衝させるトルク
    カムダンパにおいて、 円周方向に関し互いに直接又は間接的に係合して軸方向
    に配列されたカム手段と、該カム手段を軸方向に付勢す
    る弾性部材とを有するトルク伝達機構が備えられ、該弾
    性部材の軸方向両側に該カム手段が配列されることを特
    徴とするトルクカムダンパ。
  2. 【請求項2】前記トルク伝達機構において、前記カム手
    段は回転体を介して円周方向に関し互いに係合されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のトルクカムダン
    パ。
  3. 【請求項3】前記カム手段が、駆動カム、回転体及び被
    駆動カムから成り、該駆動カムの軸方向両側にそれぞれ
    該回転体を介した該被駆動カムが円周方向に関し係合し
    て配列されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    トルクカムダンパ。
  4. 【請求項4】前記駆動カムは前記センターシャフトと一
    体回転し前記外筒に対し所定角度内において相対回動可
    能に配され、該駆動カムと該外筒の間の相対回動を阻止
    するストッパを、駆動カムと外筒の間の該所定角度の遊
    び角をもって構成することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のトルクカムダンパ。
  5. 【請求項5】前記センターシャフト及び外筒との間に前
    記カム手段と並列して作用する摩擦機構を介在させるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトルク
    カムダンパ。
JP32369492A 1992-11-09 1992-11-09 トルクカムダンパ Withdrawn JPH06147264A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32369492A JPH06147264A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 トルクカムダンパ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32369492A JPH06147264A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 トルクカムダンパ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06147264A true JPH06147264A (ja) 1994-05-27

Family

ID=18157559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32369492A Withdrawn JPH06147264A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 トルクカムダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06147264A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11268577B2 (en) 2018-09-28 2022-03-08 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle cam damper structure

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11268577B2 (en) 2018-09-28 2022-03-08 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle cam damper structure

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4002043A (en) Apparatus for absorbing torque fluctuations produced by an internal combustion engine
US4828533A (en) Damper-type flywheel suitable for torque transmission devices
US3514974A (en) Noise prevention device in torsional vibration
JP3558462B2 (ja) フライホイール組立体
US6296096B1 (en) Shaft coupling with a dampening device
US5146804A (en) Mechanism incorporating a vibration damper, in particular for an automative vehicle
JPH0236823B2 (ja)
US4499981A (en) Damper disc with concentric springs including hourglass-shaped springs to reduce the effect of centrifugal forces
JPH05106688A (ja) 自動車の緩衝式二重フライホイール
JPH06147264A (ja) トルクカムダンパ
JP2002337562A (ja) 車両用動力伝達装置
JPS5934895B2 (ja) 自動車用摩擦クラツチデイスク
US5862875A (en) Differential control unit for front and rear wheels of a 4-wheel drive vehicle
EP2626591B1 (en) Torsional vibration attenuation apparatus
JPH06147268A (ja) トルクカムダンパ
JPH0571588A (ja) フライホイール
JP3023034B2 (ja) 伝動装置の駆動軸用ねじり振動ダンパ
JPH06147271A (ja) トルクカムダンパ
JPH06147267A (ja) 回転トルク変動吸収用トルクカムダンパ
JPH06147266A (ja) トルク変動緩衝装置
JP2000186744A (ja) トルク変動吸収装置
JPH06147265A (ja) トルクカムダンパ
JPH0547734B2 (ja)
JP4120804B2 (ja) 緩衝装置
JP6453604B2 (ja) 長尺構造部材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000201