JPH06147266A - トルク変動緩衝装置 - Google Patents

トルク変動緩衝装置

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JPH06147266A
JPH06147266A JP32369792A JP32369792A JPH06147266A JP H06147266 A JPH06147266 A JP H06147266A JP 32369792 A JP32369792 A JP 32369792A JP 32369792 A JP32369792 A JP 32369792A JP H06147266 A JPH06147266 A JP H06147266A
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JP
Japan
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ball
torque
ball screw
torque fluctuation
input
Prior art date
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Application number
JP32369792A
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English (en)
Inventor
Hironori Toshima
裕基 戸嶋
Hiroaki Maeda
宏昭 前田
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】装置の外径寸法を大きくせずに高いトルク変動
による捩り振動を吸収でき、広範囲の回転数の捩り振動
に対して減衰効果を有し且つ滑らかな作動を実現したボ
ールねじを用いたトルク変動緩衝装置の提供。 【構成】入力フランジに加えられる回転トルクの変動を
軸方向の変動に変換することにより外筒への回転トルク
変動の伝達を緩衝させるトルク変動緩衝装置において、
入力フランジにボールを介して軸方向に摺動自在に係合
されたボールねじと、該ボールねじに向けて付勢する弾
性部材とが備えられたことを特徴とするトルク変動緩衝
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロペラシャフトの捩
り振動緩衝装置に係り、特にボールねじを用いて捩り振
動の回転変動を軸方向変動に変換し、回転変動による振
動を吸収する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、プロペラシャフトのダン
パーとしてゴムを用いたダイナミックダンパーが知られ
ているが、振動を吸収する効果が得られるのは、一定の
振動数に対してだけであった。また、粘性流体を用いた
ビスカスダンパーでは、構造上外径寸法が大きくなって
しまい常に滑りがあり効率が悪くプロペラシャフト部へ
の装着ができなかった。
【0003】そして、特開昭61−171935に記載
されているトルク変動緩衝装置は、カム機構を介して回
転トルクの変動をカム部材の軸方向の変動に変換するこ
とにより外筒への回転トルク変動の伝達を緩衝させるも
のであるが、これは2輪車用のものであり、高トルクの
回転変動に対応するのは困難であった。即ち、四輪車両
などの高トルクの回転変動に対応するには外径寸法を大
きくしなければならず、四輪車両の現行のプロペラシャ
フトに装着できる回転トルクの変動吸収装置はなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、捩り振動の対策として、装置の外径寸法を大きくせ
ずに高トルクの捩り振動を吸収でき、且つ、広い範囲の
振動数に対して捩り振動の減衰効果のあるトルク変動緩
衝装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、入力フランジに加えられる回転トルクの変動
を軸方向の変動に変換することにより外筒への回転トル
ク変動の伝達を緩衝させるトルク変動緩衝装置におい
て、入力フランジにボールを介して軸方向に摺動自在に
係合されたボールねじと、該ボールねじに向けて付勢す
る弾性部材とが備えられたことを特徴とするトルク変動
緩衝装置を提供する。
【0006】前記弾性部材に重ねて作用する油圧減衰機
構を弾性部材の伸縮に応動して容量が可変する弾性部材
のケーシングによって構成することを特徴とするトルク
変動緩衝装置を提供する。
【0007】前記弾性部材のバネセット荷重を回転数に
応じ制御する捩り特性可変手段をさらに備え、該捩り特
性可変手段は、ボールと、該ボールの少くとも一面に当
接するカム面を有し軸方向に可動に配されたボール支持
部材と、該ボールを径方向に可動に保持するボール保持
部材とから成り、該ボールに印加される遠心力に応じた
ボール支持部材の軸方向移動を介して該弾性部材のバネ
セット荷重が制御されることを特徴とするトルク変動緩
衝装置を提供する。
【0008】前記捩り特性可変手段が軸方向に並置して
複数個配設されたことを特徴とするトルク変動緩衝装置
を提供する。
【0009】前記ボールねじ及び弾性部材による回転ト
ルク変動の緩衝手段と並列して作用する摩擦機構を、セ
ンターシャフト及び前記外筒との間に介在させることを
特徴とするトルク変動緩衝装置を提供する。
【0010】第1入力部材と、第1入力部材に相対回動
可能に配された第2入力部材と、両入力部材に相対回動
可能に配された筒状出力部材とを備え、第1、第2入力
部材間に回転トルクを増速下に伝達する遊星ギヤセット
を備えることを特徴とするトルク変動緩衝装置を提供す
る。
【0011】前記遊星ギヤセットはサンギヤ、キャリヤ
に支持されるピニオンギヤ及びリングギヤから成り、キ
ャリヤは第1入力部材と一体回転し出力部材に対し所定
角度内において相対回動可能に配され、サンギヤは第2
入力部材と一体回転可能に配され、リングギヤは出力部
材と一体回転可能に配されることを特徴とするトルク変
動緩衝装置を提供する。
【0012】
【作用】本発明のトルク変動緩衝装置においては、入力
フランジに伝達された回転トルクの変動による捩り振動
は、該フランジとボールを介して係合されたボールねじ
の軸方向の変動に変換され、弾性部材を付勢することに
より高トルクの捩り振動エネルギーを吸収し、滑らかに
作動する振動緩衝装置として働く。
【0013】なお、ボールねじは外筒内周とセレーショ
ン結合され外筒と一体に回動自在であると共に軸方向に
摺動自在とされる。
【0014】また、本発明のトルク変動緩衝装置におい
ては、本体にオイルが充填され弾性部材に重ねて作用す
る油圧減衰機構を備え、弾性部材が備えられているケー
シングの伸縮により油圧制動されるため、入力された捩
り振動はボールねじを介して油圧により減衰させられ
る。そして、捩り振動が無くなると弾性部材の付勢力に
よって初期位置へ戻ることができる。
【0015】そして、請求項3の記載において、回転時
において捩り特性可変手段のボールに径方向に遠心力が
作用しボール支持部材を軸方向に移動させる力が作用
し、弾性部材を押圧することによって回転数の増大に対
応してバネセット荷重を上昇させ捩り特性を可変とする
ことにより、高回転領域においては低い回転トルク変動
に対して、緩衝の作動を抑止するように働く。
【0016】さらに、センターシャフトと前記外筒の間
に回転トルク伝達用ボールねじと並列して作用する摩擦
機構を介在させることにより、ボールねじの許容伝達ト
ルクをそのままに維持してトルク伝達機構全体の許容吸
収トルクを増大できる。(請求項5)
【0017】そして、請求項6に記載においては、回転
トルクの大きな変動をボールねじにより軸方向運動に変
換して吸収するトルク変動緩衝装置において、入力部材
を第1(上流側)、第2(下流側)入力部材に分割し、
第1第2両入力部材間に遊星ギヤセットによる増速機構
を設け、増速された第2入力部材と出力部材との間に、
回転トルク変動をボールねじの軸方向運動に吸収する所
定の回転トルク伝達用ボールねじを有するトルク伝達機
構を備える。この基本的構造によって、入力トルクは遊
星ギヤセットにより増速して(即ち、トルクを縮小し
て)伝達され、この縮小トルクが所定ボールねじを有す
るトルク伝達機構によって、回転トルクの変動が吸収さ
れる。従って、トルク伝達機構としては、小さな許容ト
ルク伝達容量のもので、大きなトルクを伝達できる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付した図面を参
照して詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明のトルク変動緩衝装置の一
実施例を示した縦断面図である。
【0020】本発明のトルク変動緩衝装置1は、図2に
示される駆動系の斜視図において、例えばプロペラシャ
フトの下流に固着される。
【0021】図1の本発明の縦断面図において、入力フ
ランジ2にプロペラシャフト(図示せず)が接続され、
入力フランジ2はセンターシャフト3とスプライン嵌合
されている。
【0022】入力フランジ2にはボール58を介してボ
ールねじ59が連結されている。
【0023】ボールねじ59は外筒16の内周側とセレ
ーション結合され軸方向に摺動自在に係合されている。
【0024】弾性部材ケース15内に設けられている弾
性部材14によってボールねじ59は軸方向両端が押圧
されている。
【0025】略円筒の形状を成す外筒16は軸受け2a
を介して回動自在に支持されている。
【0026】外筒16には、例えば溶接によって固着さ
れている出力フランジ17bが備えられ、出力フランジ
17bは、円筒の形状を成す本装置の一端を閉ざす構造
となる略円形の部材である。出力フランジ17bには、
シャフトを介してディファレンシャル装置(図示せず)
が接続され、後輪が駆動される。
【0027】前記した構成において、本発明のトルク変
動緩衝装置は、以下のように作用する。
【0028】すなわち、トランスミッションからプロペ
ラシャフトへと伝達された回転トルクは、本装置の入力
フランジ2に入力され、入力フランジ2に入力された回
転トルクはボール58を介してボールねじ59へと伝達
される。
【0029】これは、ボールねじ59が、弾性部材ケー
ス15内に設けられている弾性部材14の付勢力によっ
て図示の如くその両端が圧接されているため、ボールね
じ59はボール58を介して入力フランジ2に嵌合され
ることによる。
【0030】ボール58を介してボールねじ59に伝達
加えられた回転力はセレーション結合されている外筒1
6に伝達され、入力フランジ2と外筒16とは一体に回
転して、出力フランジ17bを通して後輪を駆動するデ
ィファレンシャル装置に出力される。
【0031】プロペラシャフトが一定の回転力で回転し
ている時は、弾性部材14の付勢力によって、ボール5
8はボールねじ59と入力フランジ2の各凹面の中央に
て係合されている。
【0032】しかし、急加速などでプロペラシャフトに
高トルクの変動が加わり、弾性部材14の付勢力に抗す
る程の回転力の変動があると、入力フランジ2は回転方
向に一瞬ずれるために入力フランジ2に嵌合されたボー
ル58はボールねじ59に対して捩れる方向に付勢され
る。
【0033】ボールねじ59はその外周が外筒16に対
してセレーション結合により周方向に固定されているた
め、入力フランジ2に伝達された回転変動によるボール
58の捩り振動は、所謂ボールスクリュー機構によって
ボールねじ59の軸方向の直線運動に変換され、ボール
ねじ59は軸方向に摺動する。
【0034】ボールねじ59の軸方向の摺動により弾性
部材14が圧縮され、回転トルクの一瞬の大きな変動に
よるエネルギーは弾性部材14に吸収され、外筒16へ
は瞬時に伝達されず回転力の変動は滑らかに外筒16へ
と伝わり、急激な捩り振動が起こらないため車両に伝わ
る振動や騒音を小さくすることができる。
【0035】本発明のトルク変動緩衝装置はボールねじ
59を用いたことにより滑らかな作動が実現される。
【0036】なお、図1に示す実施例ではボールねじ5
9が1個配設された構成が示されているが、ボールねじ
59は複数個配設することにより、径方向の建構長さを
増すことなく回転トルクの伝達効率及び回転トルク変動
の吸収効率をより高める構成としてもよい。
【0037】図3においては、弾性部材ケース15の円
筒部15a、15bの一端面にはオリフィス15cが適
当数配設され、充填されたオイルにより油圧減衰機構を
構成する。円筒部15bの底壁には、逆止弁15dが配
され弾性部材ケース15内へのオイルの急速復帰のみを
許容する。逆止弁15dはリターン孔15fの径内部に
装入されたチェックボール15eから成る。この油圧減
衰機構は、弾性部材に重畳して作用し、所望の減衰特性
を得るのに役立つ。
【0038】すなわち、図3に示すように、弾性部材ケ
ース15の室外からのみオイルを流す逆止弁の作用を成
すチェックボール15eが、円筒部15bの底壁に設け
られているリターン孔15fに備えられ、そのリターン
孔15fは弾性部材ケース15の室内外を連通してい
る。したがって、捩り振動を減衰させるときには、オリ
フィス15cのみを通してオイルが流れ円筒部15bは
ゆっくり摺動し、初期位置へ復帰するときには、オリフ
ィス15cとチェックボール15eの備えられている通
路の両方を通してオイルが流れるため、弾性部材14の
付勢力によって円筒部15bはすばやく摺動し、復帰時
間を短くすることができる。
【0039】図4に示されるように、捩り特性可変手段
22が弾性部材ケース15の右端面にセレーションを介
して外筒16に対し軸方向へ摺動可能にかつ円周方向に
は位置拘束されて保持されている。ボール19は外筒1
6に保持されたボール支持部材20にその両側が当接す
ると共にセンターシャフト3を外囲する保持部材21’
によって保持されている。ボール支持部材20のボール
当接面20aは半径方向外方へ互いに間隔が狭くなるテ
ーパ状カム面を成す。
【0040】そして回転時において、ボール19に対し
て径方向に作用する遠心力は回転数の増大に比例して増
大し、このため高回転数領域においてはボール19によ
ってボール支持部材20を軸に平行する方向に押し広げ
る力が作用する。
【0041】この時、図4に示すように、ボール支持部
材20は押し広げられ、図示左側に配設された弾性部材
ケース15を軸方向に押圧することになる。
【0042】このため、回転の上昇に応じて弾性部材1
4(14a、14b)のバネセット荷重が上昇されるこ
とになり、低回転数においては低い回転トルク変動でも
作動する緩衝機構が、高回転数領域においては、小さな
回転トルク変動では緩衝作用の作動が抑止される。
【0043】図5には、捩れ角対捩れトルクの特性図に
ついて本発明の捩り特性可変手段22を備えた特性曲線
が破線で概念的にプロットされている。なお同図におい
て実線は捩り特性可変手段22を備えない本発明の捩れ
角対捩れトルクの特性曲線のプロットである。
【0044】図5において、前記した本発明の捩り特性
可変手段22により回転数の増大に対応してバネセット
荷重が増大された捩れ特性が、一例として回転数200
0rpmの場合について破線で示されている。この場
合、図示の如く、高回転数領域においては、弾性部材1
4のバネセット荷重が増大するため低い回転トルク変動
に対応する小さな捩れ角の領域(即ち、図5の破線の下
部領域)では緩衝装置は作動されない。
【0045】なお、ボール19の半径方向保持はその中
心側について筒状の保持部材21’により、その外周側
についてボールの半径方向移動を許容する保持空間を備
えたボール保持部材21によって行われる。部材21は
外筒16に対しセレーション係合される。
【0046】なお、図4にはボール19とボール支持部
材20とから成る遠心力を利用した弾性部材の可変手段
が軸方向に一つ設けられた構成が示されているが、これ
を軸方向に並置して複数個設けることにより並列的に作
用させ、径方向の寸法が同一のままバネセット荷重を増
大させることができる。(図示は省略する)ボール1
9、19は、両面にテーパー状カム面20aを有する中
央のボール支持部材20の両側に配され、その両側から
左右のボール支持部材20によって挟持される。
【0047】図4では、中央がくり貫かれた複数の略環
状部材から成る摩擦機構18が、弾性部材ケース15の
右方に設けられている。摩擦機構18は、センターシャ
フト3にスプライン係合が成されている第1の複数の略
環状部材18bと外筒16にセレーション係合が成され
ている第2の複数の略環状部材18aとから成り、第1
と第2の環状部材は交互に摩擦摺接されている。
【0048】弾性部材14(14a、14b)の軸方向
押圧力により常時摩擦係合することにより、伝達トルク
を摩擦機構18から外筒16へと伝達するバイパス的伝
達作用を行うと共に、摩擦力による回転トルク変動の吸
収の補助的作用も行う。なおこの摩擦機構18は、必要
に応じて増設でき、外径を増大させることなく許容伝達
トルク(及び吸収可能トルク域)を拡大させる。
【0049】摩擦機構18に第1と第2の環状部材18
a、18bの摩擦力を越える高トルクの回転変動が加わ
ると、環状部材18a、18bは互いに滑り、摩擦機構
18を通して伝達されていたセンターシャフトからの回
転力は外筒16へは伝達されなくなる。したがって、高
トルクの回転変動の中の一部のトルクは摩擦機構18に
よって吸収されたことになり、装置全体としてより一層
高トルクの回転変動入力に対応可能となる。
【0050】つぎに、遊星ギヤの構成を図6に示す。入
力フランジ2は、ボールベアリング2aを介して入力側
フランジ部材17aに回転自在に軸受けされ、入力側フ
ランジ17aは外筒16にセレーション17eを介して
回転方向に関して固定されると共にシール部材(Oリン
グ)を介して、外筒16及び入力フランジにシールさ
れ、外筒16に対し軸方向にスナップピンにより係止さ
れている。ボールベアリング2aは、入力フランジ2及
び入力側フランジ部材17aに対し軸方向にスナップ係
止されている。外筒16はその内周面にセレーション1
6aを備え、出力フランジ17b(図1)に溶接され
て、密閉空間を形成する。
【0051】入力フランジ2の中央孔にはセンターシャ
フト3がスプライン嵌合し、センターシャフト3には中
間シャフト28がベアリング29、29aを介して相互
回転自在に嵌装され、中間シャフト28はスラストベア
リング29aにより軸方向に関し保持されている。中間
シャフト28にはサンギヤ24が形成され、その残余部
分の外周にはスプラインを備える。
【0052】遊星ギヤセット27は、サンギヤ24、ピ
ニオンギヤ23及びそのキャリヤ25、リングギヤ26
から成る。キャリヤ25の内周部25aはセンターシャ
フト3のスプライン3aに嵌合し、その外周部25b
は、外筒16のセレーション16aの溝に遊び角(スト
ッパ間隔角)αをもって係合し、外筒に対し所定角度内
で(ストッパに当接するまで)回動自在である。キャリ
ヤ25はピン25dを介してピニオンギヤ23を軸受保
持する。リングギヤ26は、その外周部で外筒16にセ
レーション係合している。
【0053】この遊星ギヤセット27のセンターシャフ
ト3(第1入力部材を成す)と中間シャフト28(第2
入力部材)との間への介在により、入力トルクは増速し
て中間シャフトに伝達される。中間シャフト28と外筒
16の間には所定の回転トルク伝達機構(ボールねじ5
9)が配設される。
【0054】入力フランジ2は、センターシャフト3
(第1入力部材)とスプライン3aを介して嵌合されて
おり、中間シャフト28には、ボール58を介してボー
ルねじ59が設けられている。
【0055】上記に示す構成から成る遊星ギヤは、以下
のような作用を成す。トランスミッションからプロペラ
シャフトへと伝達された回転トルクは、本装置の入力フ
ランジ2に入力され、入力フランジ2に入力された回転
トルクは、スプライン嵌合されている遊星ギヤセット2
7のキャリヤ25からピニオンギヤ23、サンギヤ24
を介して中間シャフト28及びボールねじ59へと増速
して伝達される。
【0056】増速されるとトルクは縮小するため、この
縮小トルクがボールねじ59を有するトルク伝達機構を
介して、回転トルクの変動として伝達される。従って、
トルク伝達機構としては、小さな許容トルク伝達容量の
もので、大きなトルクを伝達できる。
【0057】図7には、本発明のトルク変動緩衝装置に
おける捩り振動の減衰特性が示されている。図示するよ
うに広帯域の周波数に対して減衰効果があり、本発明は
高トルクの捩り振動の吸収装置として有用である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトルク変
動緩衝装置によれば、入力フランジに伝達された回転ト
ルクの変動による捩り振動は、入力フランジとボールを
介して係合されたボールねじの軸方向の変動に変換さ
れ、弾性部材を付勢することにより高トルクの捩り振動
エネルギーを吸収し、滑らかに作動する緩衝装置が実現
できるという利点を有する。
【0059】さらに本発明によれば、油圧減衰機構の作
用が弾性部材に付加され、スプリングなどのバネ定数の
影響を最小に抑えることができ理想的な減衰を行うこと
ができる。
【0060】捩り特性可変手段については、回転時にお
いてボールに径方向に遠心力が作用しボール支持部材に
対して軸に平行な方向に押し広げる力が作用し、弾性部
材を押圧することによってバネセット荷重を上昇させ捩
り特性を可変とする捩り特性可変手段が備えられ、高回
転領域においては低い回転トルク変動に対してトルク変
動緩衝装置の緩衝の作動を抑止することができるという
利点を有する。
【0061】また、本発明のトルク変動緩衝装置におい
ては、摩擦機構が備えられるため、外径寸法を大きくす
ることなく尚一層の高トルクの捩り振動を吸収すること
が出来る。
【0062】さらに、遊星ギヤセットにより入力トルク
を増速して(即ちトルクを縮小して)第2入力部材に伝
達し、第2入力部材(中間シャフト)と出力部材(外
筒)との間にトルク伝達機構を備え、トルク伝達機構と
して、ボールを介したボールねじと弾性部材によってト
ルク変動吸収を行うので、外筒の外径を大きくすること
なく、大きな回転トルクに対しその回転トルク変動を吸
収することができる。また、弾性部材の振動吸収特性に
より広い範囲の振動数に対し捩り振動の吸収ができると
いう特大の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトルク変動緩衝装置の実施例を示す縦
断面図。
【図2】車両の駆動系の斜視図。
【図3】図1のC−C’線の横断面図であり、弾性部材
ケース内の弾性部材の配置を示す概略断面図。
【図4】捩り特性可変手段及び摩擦機構が備えられたト
ルク変動緩衝装置の1部縦断面図。
【図5】本発明における捩れ角対捩れトルクの特性図。
【図6】遊星ギヤが備えられたトルク変動緩衝装置の1
部縦断面図。
【図7】本発明におけるかみ合い1次周波数対ギヤの捩
り振動レベルを示す図。
【符号の説明】
1 本発明のトルク変動緩衝装置 2 入力フランジ 3 センターシャフト 14 弾性部材 15 弾性部材ケース 16 外筒 17b 出力フランジ 18 摩擦機構 19 ボール 20 ボール支持部材 21 ボール保持部材 22 捩り特性可変手段 27 遊星ギヤセット 58 ボール 59 ボールねじ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力フランジに加えられる回転トルクの変
    動を軸方向の変動に変換することにより外筒への回転ト
    ルク変動の伝達を緩衝させるトルク変動緩衝装置におい
    て、 入力フランジにボールを介して軸方向に摺動自在に係合
    されたボールねじと、該ボールねじに向けて付勢する弾
    性部材とが備えられたことを特徴とするトルク変動緩衝
    装置。
  2. 【請求項2】前記弾性部材に重ねて作用する油圧減衰機
    構を弾性部材の伸縮に応動して容量が可変する弾性部材
    のケーシングによって構成することを特徴とする請求項
    1に記載のトルク変動緩衝装置。
  3. 【請求項3】前記弾性部材のバネセット荷重を回転数に
    応じ制御する捩り特性可変手段をさらに備え、該捩り特
    性可変手段は、ボールと、該ボールの少くとも一面に当
    接するカム面を有し軸方向に可動に配されたボール支持
    部材と、該ボールを径方向に可動に保持するボール保持
    部材とから成り、 該ボールに印加される遠心力に応じたボール支持部材の
    軸方向移動を介して該弾性部材のバネセット荷重が制御
    されることを特徴とする請求項1又は2に記載のトルク
    変動緩衝装置。
  4. 【請求項4】前記捩り特性可変手段が軸方向に並置して
    複数個配設されたことを特徴とする請求項3記載のトル
    ク変動緩衝装置。
  5. 【請求項5】前記ボールねじ及び弾性部材による回転ト
    ルク変動の緩衝手段と並列して作用する摩擦機構を、セ
    ンターシャフト及び前記外筒との間に介在させることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載のトルク変
    動緩衝装置。
  6. 【請求項6】第1入力部材と、第1入力部材に相対回動
    可能に配された第2入力部材と、両入力部材に相対回動
    可能に配された筒状出力部材とを備え、第1、第2入力
    部材間に回転トルクを増速下に伝達する遊星ギヤセット
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に
    記載のトルク変動緩衝装置。
  7. 【請求項7】前記遊星ギヤセットはサンギヤ、キャリヤ
    に支持されるピニオンギヤ及びリングギヤから成り、キ
    ャリヤは第1入力部材と一体回転し出力部材に対し所定
    角度内において相対回動可能に配され、サンギヤは第2
    入力部材と一体回転可能に配され、リングギヤは出力部
    材と一体回転可能に配されることを特徴とする請求項6
    に記載のトルク変動緩衝装置。
JP32369792A 1992-11-09 1992-11-09 トルク変動緩衝装置 Withdrawn JPH06147266A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109253201A (zh) * 2017-07-14 2019-01-22 深圳市飞托克实业有限公司 一种凸轮缓冲器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109253201A (zh) * 2017-07-14 2019-01-22 深圳市飞托克实业有限公司 一种凸轮缓冲器

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