JPH06146899A - 2サイクル内燃機関 - Google Patents
2サイクル内燃機関Info
- Publication number
- JPH06146899A JPH06146899A JP30118192A JP30118192A JPH06146899A JP H06146899 A JPH06146899 A JP H06146899A JP 30118192 A JP30118192 A JP 30118192A JP 30118192 A JP30118192 A JP 30118192A JP H06146899 A JPH06146899 A JP H06146899A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air supply
- air
- valve
- cylinder head
- supply valve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
Landscapes
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 掃気効率を向上する。
【構成】 シリンダヘッド内壁面3a一側に給気弁6を
配置すると共にシリンダヘッド内壁面3a他側に排気弁
7を配置し、排気弁7側に位置する給気弁6開口をマス
ク壁により覆う。少なくとも一対の気筒に対して共通な
サージタンク12aを経て給気ポート12に流入した空
気をマスク壁と反対側に位置する給気弁6開口を介して
燃焼室に流入せしめる。給気ポート12の断面形状を長
径が機関本体17の長手方向に延びたほぼ楕円状とし、
またこの給気ポート12の楕円状断面を給気弁からサー
ジタンク12aに向けて短径がほぼ一定に維持されつつ
長径が次第に長くなるように形成する。このときサージ
タンク12aから給気ポート12に流入する空気の初期
速度は低くマスク壁および給気弁6のマスク壁周辺部に
衝突した空気がマスク壁と給気弁6間の隙間から漏れて
排気ポート13に吹き抜けることが阻止できるために、
その結果掃気効率を向上することができる。
配置すると共にシリンダヘッド内壁面3a他側に排気弁
7を配置し、排気弁7側に位置する給気弁6開口をマス
ク壁により覆う。少なくとも一対の気筒に対して共通な
サージタンク12aを経て給気ポート12に流入した空
気をマスク壁と反対側に位置する給気弁6開口を介して
燃焼室に流入せしめる。給気ポート12の断面形状を長
径が機関本体17の長手方向に延びたほぼ楕円状とし、
またこの給気ポート12の楕円状断面を給気弁からサー
ジタンク12aに向けて短径がほぼ一定に維持されつつ
長径が次第に長くなるように形成する。このときサージ
タンク12aから給気ポート12に流入する空気の初期
速度は低くマスク壁および給気弁6のマスク壁周辺部に
衝突した空気がマスク壁と給気弁6間の隙間から漏れて
排気ポート13に吹き抜けることが阻止できるために、
その結果掃気効率を向上することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2サイクル内燃機関に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】シリンダヘッド内壁面の一側に給気弁を
配置すると共にシリンダヘッド内壁面の他側に排気弁を
配置し、給気弁の排気弁側開口をマスク壁により覆い、
少なくとも一対の気筒に対して共通な圧力脈動低減用容
積部を経て該容積部から分岐された給気ポート内に空気
が送り込まれ、次いでこの空気をマスク壁と反対側に位
置する給気弁の開口から燃焼室内に流出せしめるように
した2サイクル内燃機関が公知である(特開平2−49
921号公報参照)。この2サイクル内燃機関ではマス
ク壁が設けられているために給気弁から流入した空気が
ただちに排気弁を介して吹き抜けるのが阻止され、その
結果給気弁から流入した空気を既燃ガスの掃気作用に有
効に利用することができるので掃気効率を向上せしめる
ことができる。このようにした場合には給気ポート内の
排気弁側領域を流れる空気はまずマスク壁および給気弁
のマスク壁周辺部に衝突し、次いで給気弁表面に沿って
流れマスク壁と反対側に位置する給気弁開口に向かう。
配置すると共にシリンダヘッド内壁面の他側に排気弁を
配置し、給気弁の排気弁側開口をマスク壁により覆い、
少なくとも一対の気筒に対して共通な圧力脈動低減用容
積部を経て該容積部から分岐された給気ポート内に空気
が送り込まれ、次いでこの空気をマスク壁と反対側に位
置する給気弁の開口から燃焼室内に流出せしめるように
した2サイクル内燃機関が公知である(特開平2−49
921号公報参照)。この2サイクル内燃機関ではマス
ク壁が設けられているために給気弁から流入した空気が
ただちに排気弁を介して吹き抜けるのが阻止され、その
結果給気弁から流入した空気を既燃ガスの掃気作用に有
効に利用することができるので掃気効率を向上せしめる
ことができる。このようにした場合には給気ポート内の
排気弁側領域を流れる空気はまずマスク壁および給気弁
のマスク壁周辺部に衝突し、次いで給気弁表面に沿って
流れマスク壁と反対側に位置する給気弁開口に向かう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで通常2サイク
ル内燃機関ではサージタンクを具備して空気の圧力脈動
を低減すると共にこのサージタンクを給気ポートに接続
し空気の流路面積を急激に減少せしめることにより給気
ポート内を流れる空気を加速せしめ、給気弁が開口して
いるわずかな時間内に多量の空気が燃焼室内に流入でき
るようにしている。しかしながら、前記記載の2サイク
ル内燃機関におけるように給気弁の排気弁側開口をマス
ク壁により覆いマスク壁と反対側に位置する給気弁開口
から空気を燃焼室内に流出せしめるようにした場合に空
気の流路面積を急激に減少せしめて空気を加速せしめる
ようにするとこの空気流の一部は大きな慣性力を有して
マスク壁および給気弁のマスク壁周辺部に衝突するため
にこのときこの空気は給気弁とマスク壁間の隙間から漏
れ排気弁から吹き抜けるようになり、その結果良好な掃
気作用を得ることができないという問題がある。また、
このように空気が排気通路内に吹き抜けると排気ガス中
に多量の酸素を含むようになるために排気通路内に設け
られた三元触媒における排気ガスの浄化作用が充分に行
えないという問題がある。
ル内燃機関ではサージタンクを具備して空気の圧力脈動
を低減すると共にこのサージタンクを給気ポートに接続
し空気の流路面積を急激に減少せしめることにより給気
ポート内を流れる空気を加速せしめ、給気弁が開口して
いるわずかな時間内に多量の空気が燃焼室内に流入でき
るようにしている。しかしながら、前記記載の2サイク
ル内燃機関におけるように給気弁の排気弁側開口をマス
ク壁により覆いマスク壁と反対側に位置する給気弁開口
から空気を燃焼室内に流出せしめるようにした場合に空
気の流路面積を急激に減少せしめて空気を加速せしめる
ようにするとこの空気流の一部は大きな慣性力を有して
マスク壁および給気弁のマスク壁周辺部に衝突するため
にこのときこの空気は給気弁とマスク壁間の隙間から漏
れ排気弁から吹き抜けるようになり、その結果良好な掃
気作用を得ることができないという問題がある。また、
このように空気が排気通路内に吹き抜けると排気ガス中
に多量の酸素を含むようになるために排気通路内に設け
られた三元触媒における排気ガスの浄化作用が充分に行
えないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点を解決する
ために本発明によれば、シリンダヘッド内壁面の一側に
給気弁を配置すると共にシリンダヘッド内壁面の他側に
排気弁を配置し、給気弁の排気弁側開口をマスク壁によ
り覆い、少なくとも一対の気筒に対して共通な圧力脈動
低減用容積部を経て該容積部から分岐された給気ポート
内に空気が送り込まれ、次いでこの空気をマスク壁と反
対側に位置する給気弁の開口から燃焼室内に流出せしめ
るようにした2サイクル内燃機関において、給気ポート
の断面形状を長径が機関本体の長手方向に延びているほ
ぼ楕円状に形成すると共に該給気ポートの楕円状断面を
給気弁から容積部に向けて短径がほぼ一定に維持されつ
つ長径が次第に長くなるように形成している。
ために本発明によれば、シリンダヘッド内壁面の一側に
給気弁を配置すると共にシリンダヘッド内壁面の他側に
排気弁を配置し、給気弁の排気弁側開口をマスク壁によ
り覆い、少なくとも一対の気筒に対して共通な圧力脈動
低減用容積部を経て該容積部から分岐された給気ポート
内に空気が送り込まれ、次いでこの空気をマスク壁と反
対側に位置する給気弁の開口から燃焼室内に流出せしめ
るようにした2サイクル内燃機関において、給気ポート
の断面形状を長径が機関本体の長手方向に延びているほ
ぼ楕円状に形成すると共に該給気ポートの楕円状断面を
給気弁から容積部に向けて短径がほぼ一定に維持されつ
つ長径が次第に長くなるように形成している。
【0005】
【作用】給気弁に向かって給気ポート内を流れる空気の
速度が低下せしめられる。
速度が低下せしめられる。
【0006】
【実施例】図1に示された機関全体17は3個の気筒1
7a,17bおよび17cを具備する。各気筒はそれぞ
れ対応する給気ポート12を介して共通のサージタンク
12aに連結され、次いで図示しないインタークーラお
よび過給機に連結される。サージタンク12a内には給
気ポート12に向かって流れる空気の抵抗とならないよ
うにリブ18が配置されサージタンク12aが変形する
のを阻止している。なお、このリブ18の代わりにサー
ジタンク12a内にインタークーラを配置して過給機に
より加熱された空気を冷却すると共にサージタンク12
aを補強するようにしてもよい。
7a,17bおよび17cを具備する。各気筒はそれぞ
れ対応する給気ポート12を介して共通のサージタンク
12aに連結され、次いで図示しないインタークーラお
よび過給機に連結される。サージタンク12a内には給
気ポート12に向かって流れる空気の抵抗とならないよ
うにリブ18が配置されサージタンク12aが変形する
のを阻止している。なお、このリブ18の代わりにサー
ジタンク12a内にインタークーラを配置して過給機に
より加熱された空気を冷却すると共にサージタンク12
aを補強するようにしてもよい。
【0007】1個の気筒について示された図2および図
3を参照すると、1はシリンダブロック、2はシリンダ
ブロック1内で往復動するピストン、3はシリンダブロ
ック1上に固定されたシリンダヘッド、4はシリンダヘ
ッド3の内壁面3aとピストン2の頂面間に形成された
燃焼室をそれぞれ示す。シリンダヘッド内壁面3a上に
は凹溝5が形成され、この凹溝5の底壁面をなすシリン
ダヘッド内壁面部分3b上に一対の給気弁6が配置され
る。一方、凹溝5を除くシリンダヘッド内壁面部分3c
は傾斜したほぼ平坦をなし、このシリンダヘッド内壁面
部分3c上に3個の排気弁7が配置される。シリンダヘ
ッド内壁面部分3bとシリンダヘッド内壁面部分3cは
凹溝5の周壁8を介して互いに接続されている。
3を参照すると、1はシリンダブロック、2はシリンダ
ブロック1内で往復動するピストン、3はシリンダブロ
ック1上に固定されたシリンダヘッド、4はシリンダヘ
ッド3の内壁面3aとピストン2の頂面間に形成された
燃焼室をそれぞれ示す。シリンダヘッド内壁面3a上に
は凹溝5が形成され、この凹溝5の底壁面をなすシリン
ダヘッド内壁面部分3b上に一対の給気弁6が配置され
る。一方、凹溝5を除くシリンダヘッド内壁面部分3c
は傾斜したほぼ平坦をなし、このシリンダヘッド内壁面
部分3c上に3個の排気弁7が配置される。シリンダヘ
ッド内壁面部分3bとシリンダヘッド内壁面部分3cは
凹溝5の周壁8を介して互いに接続されている。
【0008】この凹溝周壁8は給気弁6の周縁部に極め
て近接配置されかつ給気弁6の周縁部に沿って円弧状に
延びる一対のマスク壁8aと、給気弁6間に位置する新
気ガイド壁8bと、シリンダヘッド内壁面3aの周壁と
給気弁6間に位置する一対の新気ガイド壁8cとにより
構成される。各マスク壁8aは最大リフト位置にある給
気弁6よりも下方まで燃焼室4に向けて延びており、従
って排気弁7側に位置する給気弁6周縁部と弁座9間の
開口は給気弁6の開弁期間全体にわたってマスク壁8a
により閉鎖されることになる。また、各新気ガイド壁8
b,8cはほぼ同一平面内に位置しており、更にこれら
の新気ガイド壁8b,8cは両給気弁6の中心を結ぶ線
に対してほぼ平行に延びている。点火栓10はシリンダ
ヘッド内壁面3aの中心に位置するようにシリンダヘッ
ド内壁面部分3c上に配置されている。一方、排気弁7
に対しては排気弁7と弁座11間の開口を覆うマスク壁
が設けられておらず、したがって排気弁7が開弁すると
排気弁7と弁座11間に形成される開口はその全体が燃
焼室4内に開口することになる。
て近接配置されかつ給気弁6の周縁部に沿って円弧状に
延びる一対のマスク壁8aと、給気弁6間に位置する新
気ガイド壁8bと、シリンダヘッド内壁面3aの周壁と
給気弁6間に位置する一対の新気ガイド壁8cとにより
構成される。各マスク壁8aは最大リフト位置にある給
気弁6よりも下方まで燃焼室4に向けて延びており、従
って排気弁7側に位置する給気弁6周縁部と弁座9間の
開口は給気弁6の開弁期間全体にわたってマスク壁8a
により閉鎖されることになる。また、各新気ガイド壁8
b,8cはほぼ同一平面内に位置しており、更にこれら
の新気ガイド壁8b,8cは両給気弁6の中心を結ぶ線
に対してほぼ平行に延びている。点火栓10はシリンダ
ヘッド内壁面3aの中心に位置するようにシリンダヘッ
ド内壁面部分3c上に配置されている。一方、排気弁7
に対しては排気弁7と弁座11間の開口を覆うマスク壁
が設けられておらず、したがって排気弁7が開弁すると
排気弁7と弁座11間に形成される開口はその全体が燃
焼室4内に開口することになる。
【0009】図1,図2および図4に示されるようにシ
リンダヘッド3内には各給気弁6に対して給気ポート1
2が形成され、各給気ポート12はその一部がシリンダ
ヘッド3内に形成されたサージタンク12aに連結され
る。図4および図5を参照するとこの給気ポート12は
断面形状が機関本体17の長手方向に延びるほぼ楕円状
に形成される。また給気ポート12の断面は弁座9付近
では図5(A)に示されるようにほぼ円状であるが、サ
ージタンク12aに向かうにつれて図5(B)に示され
るように楕円断面の短径が維持されつつ長径が次第に長
くなり、サージタンク12aとの連結部においては図5
(C)に示されるように1個の気筒に対して1個の給気
ポート12を形成している。このようにサージタンク1
2aから給気弁6に向けて空気の流路面積を徐々に変化
させることによって給気ポート12内に流入する空気が
急激に加速されるのが阻止できると共にこのときの空気
の初期速度を低くすることができる。このため給気ポー
ト12内に流入した空気が給気弁6とマスク壁8a間の
隙間から漏れて排気ポート13に吹き抜けるのが阻止で
きる。さらに本実施例ではサージタンク12aの一部を
シリンダヘッド3内に形成することによって給気ポート
12の全長を短くし給気ポート12における流路抵抗を
少なくするようにしている。このため給気弁6が開口し
ているわずかな時間内に多量の空気が燃焼室4内に流入
できる。一方各排気弁7に対して排気ポート13が形成
され、各排気ポート13は図示しない排気マニホルドを
介して図示しない三元触媒コンバータに接続される。
リンダヘッド3内には各給気弁6に対して給気ポート1
2が形成され、各給気ポート12はその一部がシリンダ
ヘッド3内に形成されたサージタンク12aに連結され
る。図4および図5を参照するとこの給気ポート12は
断面形状が機関本体17の長手方向に延びるほぼ楕円状
に形成される。また給気ポート12の断面は弁座9付近
では図5(A)に示されるようにほぼ円状であるが、サ
ージタンク12aに向かうにつれて図5(B)に示され
るように楕円断面の短径が維持されつつ長径が次第に長
くなり、サージタンク12aとの連結部においては図5
(C)に示されるように1個の気筒に対して1個の給気
ポート12を形成している。このようにサージタンク1
2aから給気弁6に向けて空気の流路面積を徐々に変化
させることによって給気ポート12内に流入する空気が
急激に加速されるのが阻止できると共にこのときの空気
の初期速度を低くすることができる。このため給気ポー
ト12内に流入した空気が給気弁6とマスク壁8a間の
隙間から漏れて排気ポート13に吹き抜けるのが阻止で
きる。さらに本実施例ではサージタンク12aの一部を
シリンダヘッド3内に形成することによって給気ポート
12の全長を短くし給気ポート12における流路抵抗を
少なくするようにしている。このため給気弁6が開口し
ているわずかな時間内に多量の空気が燃焼室4内に流入
できる。一方各排気弁7に対して排気ポート13が形成
され、各排気ポート13は図示しない排気マニホルドを
介して図示しない三元触媒コンバータに接続される。
【0010】各給気弁6近傍のシリンダヘッド内壁面3
aの周縁部に一対の燃料噴射弁、即ち第1燃料噴射弁1
4aと第2燃料噴射弁14bとが配置され、図6からわ
かるようにこれら燃料噴射弁14a,14bからはシリ
ンダ軸線方向に向けて燃料が噴射される。一方、図2お
よび図6に示されるようにピストン2の頂面上には点火
栓10の下方から第1燃料噴射弁14aの先端部の下方
まで延びる凹溝15が形成される。この凹溝15は点火
栓10下方の凹溝端部15aから第1燃料噴射弁14a
側に向けて次第に拡開しつつほぼまっすぐに延びる一対
の側壁面15b,15cと、ほぼ平坦をなす底壁面15
dとにより画定され、図2に示されるように凹溝端部1
5aは第1燃料噴射弁14aと反対側に向けて凹んだ凹
状断面形状を有する。また、図6からわかるように凹溝
端部15aは点火栓10と第1燃料噴射弁14aの先端
部とを含む垂直平面K−K上に形成されており、各側壁
面15b,15cはこの垂直平面K−Kに関して対称的
な形状を有する。したがって凹溝15は垂直平面K−K
に関して対称的な形状を有することになる。また、図2
に示されるようにピストン2が上死点に達すると点火栓
10に関し凹溝15と反対側に位置するピストン2の頂
面部分とシリンダヘッド内壁面部分3cとの間にはスキ
ッシュエリア16が形成される。
aの周縁部に一対の燃料噴射弁、即ち第1燃料噴射弁1
4aと第2燃料噴射弁14bとが配置され、図6からわ
かるようにこれら燃料噴射弁14a,14bからはシリ
ンダ軸線方向に向けて燃料が噴射される。一方、図2お
よび図6に示されるようにピストン2の頂面上には点火
栓10の下方から第1燃料噴射弁14aの先端部の下方
まで延びる凹溝15が形成される。この凹溝15は点火
栓10下方の凹溝端部15aから第1燃料噴射弁14a
側に向けて次第に拡開しつつほぼまっすぐに延びる一対
の側壁面15b,15cと、ほぼ平坦をなす底壁面15
dとにより画定され、図2に示されるように凹溝端部1
5aは第1燃料噴射弁14aと反対側に向けて凹んだ凹
状断面形状を有する。また、図6からわかるように凹溝
端部15aは点火栓10と第1燃料噴射弁14aの先端
部とを含む垂直平面K−K上に形成されており、各側壁
面15b,15cはこの垂直平面K−Kに関して対称的
な形状を有する。したがって凹溝15は垂直平面K−K
に関して対称的な形状を有することになる。また、図2
に示されるようにピストン2が上死点に達すると点火栓
10に関し凹溝15と反対側に位置するピストン2の頂
面部分とシリンダヘッド内壁面部分3cとの間にはスキ
ッシュエリア16が形成される。
【0011】図7に示されるように本実施例では排気弁
7が給気弁6よりも先に開弁し、排気弁7が給気弁6よ
りも先に閉弁する。また、図7においてILは機関低負
荷運転時における燃料噴射時期を示しており、IM1お
よびIM2は機関中負荷運転時における燃料噴射時期を
示しており、IH1およびIH2は機関高負荷運転時に
おける燃料噴射時期を示している。図7を参照すると機
関高負荷運転時における燃料噴射IH1およびIH2は
排気弁7が閉弁する頃に行われ、機関低負荷運転時にお
ける燃料噴射ILは高負荷運転時に比べてかなり遅い時
期に行われることがわかる。また、機関中負荷運転時に
は2回に分けて燃料噴射IM1およびIM2が行われ、
このとき第1回目の燃料噴射IM1は機関高負荷運転時
とほぼ同じ時期に行われ、第2回目の燃料噴射IM2は
機関低負荷運転時とほぼ同じ時期に行われることがわか
る。また本実施例では機関低負荷運転時における燃料噴
射ILおよび機関中負荷運転時における第2回目の燃料
噴射IM2は第1燃料噴射弁14aにより行われ、機関
中負荷運転時における第1回目の燃料噴射IM1は第2
燃料噴射弁14bにより行われ、機関高負荷運転時にお
ける燃料噴射IH1およびIH2は第1燃料噴射弁14
aおよび第2燃料噴射弁14bの双方により行われる。
7が給気弁6よりも先に開弁し、排気弁7が給気弁6よ
りも先に閉弁する。また、図7においてILは機関低負
荷運転時における燃料噴射時期を示しており、IM1お
よびIM2は機関中負荷運転時における燃料噴射時期を
示しており、IH1およびIH2は機関高負荷運転時に
おける燃料噴射時期を示している。図7を参照すると機
関高負荷運転時における燃料噴射IH1およびIH2は
排気弁7が閉弁する頃に行われ、機関低負荷運転時にお
ける燃料噴射ILは高負荷運転時に比べてかなり遅い時
期に行われることがわかる。また、機関中負荷運転時に
は2回に分けて燃料噴射IM1およびIM2が行われ、
このとき第1回目の燃料噴射IM1は機関高負荷運転時
とほぼ同じ時期に行われ、第2回目の燃料噴射IM2は
機関低負荷運転時とほぼ同じ時期に行われることがわか
る。また本実施例では機関低負荷運転時における燃料噴
射ILおよび機関中負荷運転時における第2回目の燃料
噴射IM2は第1燃料噴射弁14aにより行われ、機関
中負荷運転時における第1回目の燃料噴射IM1は第2
燃料噴射弁14bにより行われ、機関高負荷運転時にお
ける燃料噴射IH1およびIH2は第1燃料噴射弁14
aおよび第2燃料噴射弁14bの双方により行われる。
【0012】図8を参照すると給気弁6および排気弁7
が開弁すると矢印Wで示されるように各給気弁6を介し
て燃焼室4内に空気が流入する。このとき、排気弁7側
の各給気弁6の開口はマスク壁8aによって覆われてい
るので空気はマスク壁8aと反対側の各給気弁6の開口
から燃焼室4内に流入する。ところがこのとき給気ポー
ト12内で加速され高速度になっている空気がマスク壁
8aおよび給気弁6のマスク壁8a周辺部に衝突すると
矢印W′で示すようにこの空気の一部はマスク壁8aと
給気弁6間の隙間から漏れ排気ポート13に吹き抜けて
しまう。そこで本実施例では図4および図5に示される
ように給気弁6からサージタンク12aに向けて徐々に
拡開する給気ポート12を形成して給気ポート12内に
流入する空気が急激に加速されないようにし、空気の一
部がマスク壁8aと給気弁6間の隙間から漏れないよう
にしている。また、サージタンク12aの一部をシリン
ダヘッド3内に形成することによって給気ポート12の
流路抵抗を少なくし、その結果給気ポート12内を流れ
る空気の速度が低くなっても多量の空気が燃焼室4内に
流入できるようにしている。その結果既燃ガスの良好な
掃気が確保できる。さらに排気ポート13に空気が吹き
抜けないために排気ガス中に多量の空気が存在せず、そ
の結果三元触媒コンバータにおける排気ガスの良好な浄
化が確保できる。
が開弁すると矢印Wで示されるように各給気弁6を介し
て燃焼室4内に空気が流入する。このとき、排気弁7側
の各給気弁6の開口はマスク壁8aによって覆われてい
るので空気はマスク壁8aと反対側の各給気弁6の開口
から燃焼室4内に流入する。ところがこのとき給気ポー
ト12内で加速され高速度になっている空気がマスク壁
8aおよび給気弁6のマスク壁8a周辺部に衝突すると
矢印W′で示すようにこの空気の一部はマスク壁8aと
給気弁6間の隙間から漏れ排気ポート13に吹き抜けて
しまう。そこで本実施例では図4および図5に示される
ように給気弁6からサージタンク12aに向けて徐々に
拡開する給気ポート12を形成して給気ポート12内に
流入する空気が急激に加速されないようにし、空気の一
部がマスク壁8aと給気弁6間の隙間から漏れないよう
にしている。また、サージタンク12aの一部をシリン
ダヘッド3内に形成することによって給気ポート12の
流路抵抗を少なくし、その結果給気ポート12内を流れ
る空気の速度が低くなっても多量の空気が燃焼室4内に
流入できるようにしている。その結果既燃ガスの良好な
掃気が確保できる。さらに排気ポート13に空気が吹き
抜けないために排気ガス中に多量の空気が存在せず、そ
の結果三元触媒コンバータにおける排気ガスの良好な浄
化が確保できる。
【0013】さらに、本実施例では図9に示されるよう
に第1気筒17aの給気弁6が閉弁する直前に第2気筒
17bの給気弁6が開弁し、第2気筒17bの給気弁6
が閉弁する直前に第3気筒17cの給気弁6が開弁し、
第3気筒17cの給気弁6が閉弁する直前に第1気筒1
7aの給気弁6が開弁するようになっている。このた
め、例えば第1気筒17aの給気弁6が閉弁したために
サージタンク12a内の圧力が上昇したときにはこのと
きすでに第2気筒17bの給気弁6が開弁しているので
高圧の空気を第2気筒17bに送り込むことができる。
に第1気筒17aの給気弁6が閉弁する直前に第2気筒
17bの給気弁6が開弁し、第2気筒17bの給気弁6
が閉弁する直前に第3気筒17cの給気弁6が開弁し、
第3気筒17cの給気弁6が閉弁する直前に第1気筒1
7aの給気弁6が開弁するようになっている。このた
め、例えば第1気筒17aの給気弁6が閉弁したために
サージタンク12a内の圧力が上昇したときにはこのと
きすでに第2気筒17bの給気弁6が開弁しているので
高圧の空気を第2気筒17bに送り込むことができる。
【0014】マスク壁8aと反対側の各給気弁6の開口
から燃焼室4内に流入した空気は図10において矢印W
1およびW2で示すように互いに並列して流動する一対
の空気流の形で各給気弁6下方のシリンダボア内壁面に
沿いつつ下降し、次いで図10および図11に示すよう
に各空気流W1およびW2は互いに並列してピストン2
の頂面上を排気弁7下方のシリンダボア内壁面に向けて
流れる。
から燃焼室4内に流入した空気は図10において矢印W
1およびW2で示すように互いに並列して流動する一対
の空気流の形で各給気弁6下方のシリンダボア内壁面に
沿いつつ下降し、次いで図10および図11に示すよう
に各空気流W1およびW2は互いに並列してピストン2
の頂面上を排気弁7下方のシリンダボア内壁面に向けて
流れる。
【0015】このときに一方の空気流W1は凹溝15内
に流入し、次いで凹溝側壁面15bにより案内されて凹
溝端部15aに向かう。次いでこの空気流W1は凹溝端
部15aにおいて上方に向きを変え、燃焼室4の中央部
を上方に向けて流れる。これに対して他方の空気流W2
はほとんど凹溝15内に流入することなくピストン2の
頂面上をまっすぐに流れ、排気弁7下方のシリンダボア
内壁面に達する。図11からわかるようにこの空気流W
2は燃焼室4の周辺方向に沿って流れており、したがっ
てこの空気流W2は排気弁7下方のシリンダボア内壁面
に達するとシリンダボア内壁面に沿って旋回しつつ上昇
する。
に流入し、次いで凹溝側壁面15bにより案内されて凹
溝端部15aに向かう。次いでこの空気流W1は凹溝端
部15aにおいて上方に向きを変え、燃焼室4の中央部
を上方に向けて流れる。これに対して他方の空気流W2
はほとんど凹溝15内に流入することなくピストン2の
頂面上をまっすぐに流れ、排気弁7下方のシリンダボア
内壁面に達する。図11からわかるようにこの空気流W
2は燃焼室4の周辺方向に沿って流れており、したがっ
てこの空気流W2は排気弁7下方のシリンダボア内壁面
に達するとシリンダボア内壁面に沿って旋回しつつ上昇
する。
【0016】すなわち、空気流W1も空気流W2と同様
にピストン2の頂面上をまっすぐに流れたとすると空気
流W2が旋回しようとしても空気流W1に阻まれて旋回
することができず、したがってこの場合には空気流W1
およびW2は旋回することなく互いに並列をなして排気
弁7下方のシリンダボア内壁面に沿って上昇する。しか
しながら一方の空気流W1の流動を側壁面15bによっ
て阻止すると他方の空気流W2がシリンダボア内壁面に
達したときにはこの空気流W2の旋回運動はもはや空気
流W1によって阻止されず、その結果この空気流W2は
シリンダボア内壁面に沿って旋回することになる。
にピストン2の頂面上をまっすぐに流れたとすると空気
流W2が旋回しようとしても空気流W1に阻まれて旋回
することができず、したがってこの場合には空気流W1
およびW2は旋回することなく互いに並列をなして排気
弁7下方のシリンダボア内壁面に沿って上昇する。しか
しながら一方の空気流W1の流動を側壁面15bによっ
て阻止すると他方の空気流W2がシリンダボア内壁面に
達したときにはこの空気流W2の旋回運動はもはや空気
流W1によって阻止されず、その結果この空気流W2は
シリンダボア内壁面に沿って旋回することになる。
【0017】このように旋回する空気流W2が発生する
と給気弁6から空気が流入するにつれてピストン2の頂
面上に形成される空気層が徐々に増大していき、このた
め燃焼室4の上部領域に存在する既燃ガスから順次排出
されていく。その結果、良好な掃気作用が確保されるこ
とになる。なお、ピストン2が下死点BDCを過ぎて上
昇を開始するとその後各燃料噴射弁14a,14bから
の燃料噴射作用が開始されるが空気流W2の旋回運動は
排気弁7が閉弁した後、圧縮行程未期まで持続する。
と給気弁6から空気が流入するにつれてピストン2の頂
面上に形成される空気層が徐々に増大していき、このた
め燃焼室4の上部領域に存在する既燃ガスから順次排出
されていく。その結果、良好な掃気作用が確保されるこ
とになる。なお、ピストン2が下死点BDCを過ぎて上
昇を開始するとその後各燃料噴射弁14a,14bから
の燃料噴射作用が開始されるが空気流W2の旋回運動は
排気弁7が閉弁した後、圧縮行程未期まで持続する。
【0018】次に図12から図16を参照して機関低負
荷運転時、機関中負荷運転時および機関高負荷運転時に
おける燃料噴射方法について説明する。なお、図12は
機関低負荷運転時における燃料噴射ILを示しており、
図13は機関中負荷運転時における第1回目の燃料噴射
IM1を示しており、図14は機関中負荷運転時におけ
る第2回目の燃料噴射IM2を示しており、図15およ
び図16は機関高負荷運転時における燃料噴射IH1お
よびIH2を示している。
荷運転時、機関中負荷運転時および機関高負荷運転時に
おける燃料噴射方法について説明する。なお、図12は
機関低負荷運転時における燃料噴射ILを示しており、
図13は機関中負荷運転時における第1回目の燃料噴射
IM1を示しており、図14は機関中負荷運転時におけ
る第2回目の燃料噴射IM2を示しており、図15およ
び図16は機関高負荷運転時における燃料噴射IH1お
よびIH2を示している。
【0019】図6および図12に示されるように機関低
負荷運転時には燃料が第1燃料噴射弁14aから垂直平
面K−Kに沿い凹溝底壁面15dに向けて斜めに噴射さ
れる。この噴射燃料は凹溝底壁面15d上に衝突した後
凹溝側壁面15b,15cに沿いつつ凹溝端部15aに
向けて進行する。次にこのときの噴射燃料の挙動につい
て図17を参照しつつ説明する。
負荷運転時には燃料が第1燃料噴射弁14aから垂直平
面K−Kに沿い凹溝底壁面15dに向けて斜めに噴射さ
れる。この噴射燃料は凹溝底壁面15d上に衝突した後
凹溝側壁面15b,15cに沿いつつ凹溝端部15aに
向けて進行する。次にこのときの噴射燃料の挙動につい
て図17を参照しつつ説明する。
【0020】図17において鎖線Rは凹溝底壁面15d
上における噴射燃料の衝突領域を示しており、矢印F
1,F2は噴射燃料の代表的な2つの流れを示してい
る。図17に示されるように噴射燃料F1,F2は凹溝
底壁面15d上に衝突後も慣性力によって噴射方向に進
行し、次いで凹溝側壁面15b,15cまで進んだ後に
凹溝側壁面15b,15cに沿いつつ凹溝端部15aに
向けて進行する。ところで、各凹溝側壁面15b,15
cは凹溝端部15aから第1燃料噴射弁14a側に向け
てほぼまっすぐに延びているので凹溝側壁面15b,1
5cに対する各噴射燃料F1,F2の入射角θ1,θ2
は噴射中心に近い噴射燃料ほど小さくなり、したがって
凹溝側壁面15b,15cに沿って進行を開始しはじめ
たときの各噴射燃料F1,F2の流動速度υ1,υ2は
噴射中心に近い噴射燃料ほど速くなる。
上における噴射燃料の衝突領域を示しており、矢印F
1,F2は噴射燃料の代表的な2つの流れを示してい
る。図17に示されるように噴射燃料F1,F2は凹溝
底壁面15d上に衝突後も慣性力によって噴射方向に進
行し、次いで凹溝側壁面15b,15cまで進んだ後に
凹溝側壁面15b,15cに沿いつつ凹溝端部15aに
向けて進行する。ところで、各凹溝側壁面15b,15
cは凹溝端部15aから第1燃料噴射弁14a側に向け
てほぼまっすぐに延びているので凹溝側壁面15b,1
5cに対する各噴射燃料F1,F2の入射角θ1,θ2
は噴射中心に近い噴射燃料ほど小さくなり、したがって
凹溝側壁面15b,15cに沿って進行を開始しはじめ
たときの各噴射燃料F1,F2の流動速度υ1,υ2は
噴射中心に近い噴射燃料ほど速くなる。
【0021】このようにυ1<υ2なる関係があると噴
射燃料F2が凹溝端部15aに到達しても噴射燃料F1
は依然として凹溝端部15aに向けて進行中であり、し
たがって各噴射燃料F1,F2が凹溝端部15aに到達
するのに時間差を生ずることになる。このように各噴射
燃料F1,F2が凹溝端部15aに到達するのに時間差
を生ずると点火栓10周りに形成される混合気は時間を
経過するにつれて次第に濃くなることになり、したがっ
てこの場合には燃料噴射量が一定であっても燃料噴射か
ら点火が行われるまでの時間を制御することによって点
火が行われるときに点火栓10周りに形成される混合気
の濃度を制御できることになる。云い換えると点火が行
われるときに点火栓10周りに最適な濃度の混合気が形
成されるように点火時期又は噴射時期を制御することに
よって点火が行われるときに点火栓10周りに常に最適
な混合気を形成できることになる。したがって図17に
示すような形状の凹溝15を用いると燃料噴射量によら
ずに点火栓10による良好な着火を確保できることにな
る。
射燃料F2が凹溝端部15aに到達しても噴射燃料F1
は依然として凹溝端部15aに向けて進行中であり、し
たがって各噴射燃料F1,F2が凹溝端部15aに到達
するのに時間差を生ずることになる。このように各噴射
燃料F1,F2が凹溝端部15aに到達するのに時間差
を生ずると点火栓10周りに形成される混合気は時間を
経過するにつれて次第に濃くなることになり、したがっ
てこの場合には燃料噴射量が一定であっても燃料噴射か
ら点火が行われるまでの時間を制御することによって点
火が行われるときに点火栓10周りに形成される混合気
の濃度を制御できることになる。云い換えると点火が行
われるときに点火栓10周りに最適な濃度の混合気が形
成されるように点火時期又は噴射時期を制御することに
よって点火が行われるときに点火栓10周りに常に最適
な混合気を形成できることになる。したがって図17に
示すような形状の凹溝15を用いると燃料噴射量によら
ずに点火栓10による良好な着火を確保できることにな
る。
【0022】上述したように噴射燃料は慣性力によって
凹溝底壁面15d上を点火栓10の下方に向けて流れ
る。ところでピストン2が上死点に近づくと図12にお
いて矢印Sで示すようにスキッシュエリア16からスキ
ッシュ流が噴出し、このスキッシュ流Sも凹溝底壁面1
5dに沿って進む。したがって噴射燃料はこのスキッシ
ュ流Sによっても点火栓10の下方に向かう力が与えら
れる。また、凹溝底壁面15dに沿い点火栓10の下方
に向かう燃料はスキッシュ流Sによって気化せしめら
れ、このため点火栓10の周りに集まる混合気は十分に
気化せしめられることになる。
凹溝底壁面15d上を点火栓10の下方に向けて流れ
る。ところでピストン2が上死点に近づくと図12にお
いて矢印Sで示すようにスキッシュエリア16からスキ
ッシュ流が噴出し、このスキッシュ流Sも凹溝底壁面1
5dに沿って進む。したがって噴射燃料はこのスキッシ
ュ流Sによっても点火栓10の下方に向かう力が与えら
れる。また、凹溝底壁面15dに沿い点火栓10の下方
に向かう燃料はスキッシュ流Sによって気化せしめら
れ、このため点火栓10の周りに集まる混合気は十分に
気化せしめられることになる。
【0023】一方、機関中負荷運転時の第1回目の燃料
噴射時には図13に示されるようにピストン2が低い位
置にあるときに燃料噴射が開始される。したがってこの
ときには噴射燃料がピストン2の頂面の広い領域にわた
って衝突するために燃料は燃焼室4内に分散せしめられ
る。機関中負荷運転時にはこの第1回目の燃料噴射IM
1によって燃焼室4内に稀薄な混合気が形成され、この
稀薄混合気は図14に示す第2回目の燃料噴射IM2に
より点火栓10周りに形成された混合気が着火源となっ
て燃焼せしめられる。
噴射時には図13に示されるようにピストン2が低い位
置にあるときに燃料噴射が開始される。したがってこの
ときには噴射燃料がピストン2の頂面の広い領域にわた
って衝突するために燃料は燃焼室4内に分散せしめられ
る。機関中負荷運転時にはこの第1回目の燃料噴射IM
1によって燃焼室4内に稀薄な混合気が形成され、この
稀薄混合気は図14に示す第2回目の燃料噴射IM2に
より点火栓10周りに形成された混合気が着火源となっ
て燃焼せしめられる。
【0024】機関高負荷運転時には図15および図16
に示すようにピストン2が低い位置にあるときに第1燃
料噴射弁14aと第2燃料噴射弁14bの双方からピス
トン2の頂面に向けて燃料が噴射される。このときにも
空気流W2によって発生した旋回流によって噴射燃料が
空気および既燃ガスと良好に混合せしめられ、その結果
未燃HCおよびNOxの発生が抑制される。
に示すようにピストン2が低い位置にあるときに第1燃
料噴射弁14aと第2燃料噴射弁14bの双方からピス
トン2の頂面に向けて燃料が噴射される。このときにも
空気流W2によって発生した旋回流によって噴射燃料が
空気および既燃ガスと良好に混合せしめられ、その結果
未燃HCおよびNOxの発生が抑制される。
【0025】
【発明の効果】給気弁に向かって給気ポート内を流れる
空気の速度を低下せしめることができるのでマスク壁と
給気弁間の隙間から排気ポートへ空気が吹き抜けるのが
阻止でき、その結果既燃ガスの掃気効率を向上できる。
空気の速度を低下せしめることができるのでマスク壁と
給気弁間の隙間から排気ポートへ空気が吹き抜けるのが
阻止でき、その結果既燃ガスの掃気効率を向上できる。
【図1】2サイクル機関の断面図である。
【図2】2サイクル機関の側面断面図である。
【図3】シリンダヘッドの底面図である。
【図4】給気ポートを強調して示した2サイクル機関の
側面断面図である。
側面断面図である。
【図5】図4の線A−A,線B−Bおよび線C−Cに沿
ってみた給気ポートの断面図である。
ってみた給気ポートの断面図である。
【図6】ピストン頂面の平面図である。
【図7】給排気弁の開弁期間と燃料噴射時期を示す線図
である。
である。
【図8】掃気行程時を示す2サイクル機関の側面断面図
である。
である。
【図9】他の給気弁に対する各給気弁の開弁時期を示す
線図である。
線図である。
【図10】掃気行程時を示す2サイクル機関の側面断面
図である。
図である。
【図11】掃気行程を示すピストン頂面の平面図であ
る。
る。
【図12】低負荷運転時の燃料噴射を示す2サイクル機
関の側面断面図である。
関の側面断面図である。
【図13】中負荷運転時の第1回目の燃料噴射を示す2
サイクル機関の側面断面図である。
サイクル機関の側面断面図である。
【図14】中負荷運転時の第2回目の燃料噴射を示す2
サイクル機関の側面断面図である。
サイクル機関の側面断面図である。
【図15】高負荷運転時の燃料噴射を示す2サイクル機
関の側面断面図である。
関の側面断面図である。
【図16】高負荷運転時の燃料噴射を示す2サイクル機
関の側面断面図である。
関の側面断面図である。
【図17】図6と同様のピストン頂面の平面図である。
2…ピストン 3…シリンダヘッド 12…給気ポート 12a…サージタンク 17a,17b,17c…気筒
Claims (2)
- 【請求項1】 シリンダヘッド内壁面の一側に給気弁を
配置すると共にシリンダヘッド内壁面の他側に排気弁を
配置し、給気弁の排気弁側開口をマスク壁により覆い、
少なくとも一対の気筒に対して共通な圧力脈動低減用容
積部を経て該容積部から分岐された給気ポート内に空気
が送り込まれ、次いでこの空気をマスク壁と反対側に位
置する給気弁の開口から燃焼室内に流出せしめるように
した2サイクル内燃機関において、給気ポートの断面形
状を長径が機関本体の長手方向に延びているほぼ楕円状
に形成すると共に該給気ポートの楕円状断面を給気弁か
ら容積部に向けて短径がほぼ一定に維持されつつ長径が
次第に長くなるように形成した2サイクル内燃機関。 - 【請求項2】 容積部の少なくとも一部をシリンダヘッ
ド内に形成した請求項1に記載の2サイクル内燃機関。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30118192A JPH06146899A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 2サイクル内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30118192A JPH06146899A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 2サイクル内燃機関 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06146899A true JPH06146899A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=17893759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30118192A Pending JPH06146899A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 2サイクル内燃機関 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06146899A (ja) |
-
1992
- 1992-11-11 JP JP30118192A patent/JPH06146899A/ja active Pending
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