JPH06146173A - リパーゼ−表面複合体および製造方法および使用法 - Google Patents

リパーゼ−表面複合体および製造方法および使用法

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JPH06146173A JP3263088A JP26308891A JPH06146173A JP H06146173 A JPH06146173 A JP H06146173A JP 3263088 A JP3263088 A JP 3263088A JP 26308891 A JP26308891 A JP 26308891A JP H06146173 A JPH06146173 A JP H06146173A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酵素−表面複合体を形成させ、処理を施した
表面の油汚れ洗浄性を高めるために、リパ−ゼで表面を
処理する方法。 【機能】 このように処理した表面の一例は、表面にリ
パ−ゼを吸着した繊維である。適当な吸着リパ−ゼは、
Pseudomonas 属の細菌またはそのクロ−ンから分離され
る。処理繊維は油汚れに対する高い加水分解活性、およ
び油汚れに対する過加水分解活性を有し、表面のぬれや
すさが変化しており、水溶液中において油および加水分
解生成物の再汚染を防止する。吸着したリパ−ゼは繊維
の洗濯中に取れにくく、高温乾燥を施された場合にも、
加水分解活性をほぼ維持する。リパ−ゼ−繊維複合体の
加水分解活性は保管中および着用中にも維持される。加
水分解生成物は、塩基性のpHで、または界面活性剤の存
在下で、洗濯中に落とすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リパ−ゼを洗濯に利用
する方法に関するものである。より広義には、本発明は
油の除去等を目的とした表面の改良、ぬれやすさの向
上、および再汚染防止に関係するものである。より狭義
には、本発明は、洗濯、乾燥および使用の間、安定で加
水分解活性を維持し、油汚れ洗浄性、ぬれやすさ、およ
び再汚染防止という特性の向上を達成する、加水分解酵
素−繊維複合体の形成に関するものである。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】リパ−ゼ
は、微生物から高等な真核生物にわたる広範囲の生物が
生産する天然酵素である。高等動物の細胞内で酸化を受
ける脂肪酸は、遊離形(すなわち、エステル化されてい
ない形)とならなければ、活性化または酸化されない。
したがって、リパ−ゼは細胞内において、トリアシルグ
リセロ−ルを加水分解し、遊離脂肪酸とグリセロ−ルを
生成する機能を持つ。本発明において有用な酵素を「リ
パ−ゼ」と称するが、これには「リパ−ゼ」以外に「加
水分解酵素」または「クチン分解酵素」に分類される複
数の酵素が含まれる。これらの有用な酵素は、油基質か
ら加水分解生成物を作るためである。本発明において
「リパ−ゼ」という用語を使用する場合には上記の 3種
類の用語の意味が含まれ、「リパ−ゼ」には上記の 3種
類の酵素が含まれる。
【0003】細菌が生産するリパ−ゼは、エステル結合
分解能を有するポリペプチドであるところから、従来、
グリセロ−ルエステル加水分解酵素(EC 3.1.1.3) に分
類されている。これらの酵素は界面に対する親和性が高
い。この特性により、これらの酵素は蛋白質分解酵素お
よびエステル分解酵素などの他の酵素と区別される。
【0004】クチン分解酵素は、クチンの加水分解を触
媒するエステル分解酵素である。たとえば、クチン分解
酵素の働きによって、真菌類は真菌感染症の初期にクチ
ンの障壁を貫通して宿主植物の中に入ることができる。
数種のクチン分解酵素の一次構造が比較され、その結
果、変化がほとんどないことがわかった(Ettinger、Bi
ochemistry,26,pp.7883-7829 (1987) )。Sebastian ら
Arch.Biochem.Biophys.,263(1),pp.77-85(1988))は、
最近、P.putida 蛍光株内のクチンによって誘発されて
クチン分解酵素が生産されることを発明した。このクチ
ン分解酵素は、C4−C16脂肪酸のp-ニトロフェニルエ
ステルの加水分解を触媒した。
【0005】この触媒機能を有するため、リパ−ゼは以
前から洗剤組成の潜在的な成分として考えられてきた。
また、Pseudomonas 属またはChromobacter属のある種の
微生物から得られるリパ−ゼは洗剤組成として有用であ
ることが明らかにされ、Thomらによる米国特許No.4,70
7,291が1987年11月17日に、Wiersemaらによる欧州特許
出願253,487 が1988年 1月20日に発行された。しかし、
リパ−ゼは洗濯物洗浄組成模擬溶液中の油を加水分解す
るが、繊維から油汚れを落とす高い効果を有することは
証明されていない。
【0006】PCT 出願 WO 88/09367に、本発明において
洗濯用に利用したリパ−ゼのひとつに関する使用法が示
唆されている。しかし、そこで示唆されている使用法
は、従来の方法で洗濯液なたは洗剤組成に使用するもの
にすぎない。このリパ−ゼは、このように従来の方法で
使用する限り、繊維から油汚れを落とす効果は他のリパ
−ゼと変わりない。したがって、リパ−ゼを洗濯に利用
して油汚れを落とすために、リパ−ゼの潜在能力を効果
的に利用する必要性は解決されていない。
【0007】繊維を非酵素化合物で処理すると、繊維の
表面特性が変化することが知られている。たとえば、繊
維のパ−マネントプレス加工およびウオッシュアンドウ
エア加工の開発と平行して、繊維に撥油性および撥水性
を与える研究が行われてきた。広く用いられている処理
法は、蛍光化学物質(Minnesota Mining and Manufactu
ring社がScotchgardの商標で販売している)を利用する
方法である。また、他の繊維処理用組成を、E.I.du Pon
t de Nemours社がZepel の商標で販売している。しか
し、撥油処理および撥水処理を施した繊維は、洗濯で汚
れを落とすことが難しいという問題を提示した。これ
は、このような撥油、撥水剤処理によって繊維が疎水性
となるためであり、また、このような繊維上に付着した
油は(特に衣服のえりやそで口に付着した油は)、落と
しにくいためである。この問題に対する解決法のひとつ
は、繊維を防汚ポリマ−で処理することであった。しか
し、表面の油汚れ洗浄特性を改善する必要性がまだ残さ
れている。これは、テ−ブルクロス、エプロン、えりや
そで口などの体に接する衣服部分など、多くの油汚れを
受ける繊維に関して、特に必要とされる。
【0008】保管中または使用中の油加水分解活性を与
えるために、リパ−ゼまたはクチン分解酵素を使用する
方法は、以前は認められていなかった。
【0009】洗濯中に汚れが繊維から遊離した場合、洗
浄された繊維が遊離した油で再び汚染されるという問題
が生じる。この問題はよく知られている。Clark の発明
である米国特許No.4,909,962(1990 年 3月20日発行)に
よれば、油汚れの再汚染の原因のひとつは、(少なくと
も、以前についていた汚れの組成が洗濯槽中の水で薄め
られた場合には)層分離であるとされる。Vogtらの発明
である米国特許No.4,919,854(1990 年 4月24日発行)で
は、再汚染防止剤を含有する洗剤および洗浄剤が、水溶
性で、通常は有機物質である、コロイド状物質(たとえ
ば、カルボン酸重合体とゼラチン)として説明されてい
る。
【0010】本発明は、リパ−ゼを衣服の洗濯洗浄用に
利用しようとする従来の試行技術より効果的に繊維から
油汚れを落とすとこを目的とした、リパ−ゼの油加水分
解能の新しい使用法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のひとつとして、
表面を改良する方法を提供し、その表面の油汚れ洗浄性
を促進する。この方法は、改良する表面の選択、および
表面−リパ−ゼ複合体を形成することのより、その表面
上に(化学的または物理的な方法で)リパ−ゼを固定す
ることを含む。固定されたリパ−ゼは、Pseudomonas 属
の細菌から分離できるものである。適当な酵素とは、P.
putida ACTT 53552またはP.sp. (putida種がより望ま
しい)にみられる、またはこれらの細菌からクロ−ン化
した暗号領域を発現する細菌から分離されるリパ−ゼで
ある。特に望ましいリパ−ゼは、およそ30,000ドルトン
の分子量で分離され、SDS ゲル電気泳動により単一の帯
として分離できるものである。酵素が固定される表面
は、固形物(ガラスなど)でも繊維(天然繊維、合成繊
維または金属繊維の織製品または不織製品)でもよい。
【0012】本発明の他の点として、油汚れ洗浄性を改
善するために処理を施した繊維を提供する。処理した繊
維は、その表面にリパ−ゼが固定され、繊維−リパ−ゼ
複合体が形成される。この繊維−リパ−ゼ複合体は、複
合体形成後の使用中および洗濯中において油汚れを加水
分解する活性が高く、またこの複合体は、複合体形成後
には、洗濯で除去されにくい。したがって、好適なリパ
−ゼであっても、最初の使用においては油汚れの洗浄は
効果的ではないが、繊維−リパ−ゼ複合体は油汚れを落
とすのに効果的である。繊維−加水分解酵素複合体を形
成させるために使用される好適なリパ−ゼは、Pseudomo
nas putida ACTT 53552およびその突然変異株またはク
ロ−ン株などの一時変異株から分離される。
【0013】本発明のさらに他の点として、繊維の油汚
れ洗浄性を改善するのに有用な繊維処理組成には、固体
またはゲル状の担体および上記のリパ−ゼが含まれる。
このリパ−ゼは担体中に分散させており、繊維に塗り付
けることができ、これを一旦使用すると、このリパ−ゼ
は吸着し繊維−リパ−ゼ複合体を形成する。
【0014】本研究にしたがって油汚れ洗浄性が改善さ
れた繊維は、このような処理の効果を失うことなく繰り
返し洗濯できる。これは、使用したリパ−ゼが繊維に固
定され、洗濯中に除去されにくく、空気中および洗濯液
中において繊維上の油汚れに対する加水分解活性が高い
ためである。本発明の処理法は、繊維が油汚れを受ける
前でも、汚れた後でも、繊維処理に使用できる。繊維−
リパ−ゼ複合体は、大気中にある乾燥した繊維上にある
場合にも加水分解活性を有するため、本発明の方法で処
理した繊維は直ちに洗濯する必要はない。
【0015】固定したリパ−ゼが表面を改良する能力を
利用する他の方法として、リパ−ゼが吸着した表面のぬ
れやすさを変化させることを目的とする使用法がある。
したがって、たとえば、プラスチックまたはガラスの固
体表面を本発明に従って改良すると、配管中の詰まりの
除去や窓の洗浄などが容易になる。
【0016】本発明の他の目的および利点は、以下の説
明を読んでこの技術に習熟されれば明らかになるであろ
う。
【0017】
【実施例】広義には、本発明は、表面とリパ−ゼの複合
体を形成させることにより、表面を改良する方法であ
る。主な目的の適用例は、改良した繊維表面からの、ま
たは繊維表面を改良することにより、油汚れ洗浄を促進
することである。「油洗浄性」とは、このような表面改
良を行う前または後にその表面に付着した油を除去する
ことを意味し、同時に、洗濯中などに油が繊維を再汚染
することを妨げる、すなわち防止する性質を意味する。
本発明にしたがって改良できる表面としては、繊維のほ
かにガラス、プラスチック、金属などの固体が含まれ
る。本発明が特に適する実施例は、繊維に関するもので
ある。
【0018】したがって、本発明の繊維処理組成は、広
範囲の天然繊維、合成繊維、金属繊維について、それら
が織物、織布または不織布のいずれの形であっても、そ
の処理に有用である。たとえば、油汚れを受ける可能性
のある表面に吸着酵素を有するように本発明に従って処
理を施されたさまざまな種類の素材として、ナイロン、
ポリコットン、ポリエステル、織ポリエステル、二重編
ポリエステル、絹、ビニル、綿フランネル、レ−ヨンベ
ルベット、アクリルフェルト、混紡ウ−ル(ポリエステ
ル/ウ−ル)、混紡合成繊維(ポリエステル/ポリウレ
タン)などがあり、その他、セルロ−ススポンジ、ナイ
ロンたわし、ステンレスたわし、銅布などのたわし用素
材にも処理が施されている。
【0019】本発明に従って処理された表面は、酵素−
繊維複合体が形成される前にすでに油で汚れている(ま
たは油を含んでいる)場合もあり、一方、油で汚染され
る前に複合体を形成することもできる。汚染後の使用法
に有用な実施例としては、油で汚れた特定の部分にスプ
レ−するか直接塗り付けられる、予洗い用の溶液または
ゲル状の組成を使用する方法がある。その後、たとえ
ば、衣服またはリネン類を洗濯籠に入れてためておき、
通常の家事作業の流れの中で洗濯を行える。これは、保
管中に、油汚れを加水分解生成物にする分解が起こって
いるためである。または、油汚れ除去性を改善するため
に、使用前に繊維を前処理できる。
【0020】リパ−ゼを表面に吸着させることによっ
て、表面は本発明に従って改良される。吸着したリパ−
ゼは、Pseudomonas 属の細菌から分離できるものであ
る。
【0021】好適なリパ−ゼは、グリセロ−ルエステル
加水分解酵素とみなすことができ、ある種のPseudomona
s 株またはその突然変異またはクロ−ンなどの遺伝的変
異株から分離できるものである。重要なPseudomonas 株
は、P.sp. およびP.putidaATCC 53552である。重要な個
々のリパ−ゼを発現する遺伝子は、発現レベルを高める
ために、E.coli、B.subtilisなどの他の微生物内にクロ
−ン化できることを理解されたい。
【0022】前述した、Wiersemaらによる欧州特許出願
253,487 には、P.putida 株から分離できる特定の望ま
しい酵素のアミノ酸配列に関する詳しい記述があり、ま
たこの酵素の遺伝子暗号のクロ−ンニングおよび発現に
関するより多くの説明がある。この参考書類の図1は、
PSNE4 というプラスミドの4.3 kb E.coli 断片のマッ
プであり、図中の点刻部分は、約30,000ドルトンの分子
量を有し、SDS ゲル電気泳動により単一の帯として分離
される、Lipase 1という大きいポリペプチドの暗号領域
(コドン+1 から+256)を示す。この欧州特許出願253,
487 は参考書類に組み入れてあるが、参照しやすいよう
に、P.putida から分離された特定の酵素(「Lipase
1」)のアミノ酸配列を図4に記す。適当な酵素を上記
アミノ酸の一次構造に関して改良できる。
【0023】酵素の改良は、改良した酵素のアミノ酸配
列が、P.putida ATCC 53552 から分離される前段で述べ
たリパ−ゼと一定範囲で異なっていても、おおむね一致
するように行うことが望ましいであろう。このような望
ましい改良となるのは、少なくとも 1個のアミノ酸の変
化が次の範囲内において起こる場合である。(i) 改良し
た酵素が結晶である場合には、セリン126 、アスパラギ
ン酸176 、またはヒスチジン206 のおよそ15オングスト
ロ−ムの範囲内、または(ii)一次構造のおよそ6個のア
ミノ酸から成る範囲でセリン126 側か、アスパラギン酸
176 側、またはヒスチジン206 側。このような適当な改
良については、1988年12月19日に提出された、「改良さ
れた酵素を有する酵素過酸漂白系」と題された、Poulos
e とAndersonを発明者とする、出願番号No.286,313の米
国特許出願で述べられている。この発明は参考書類に組
み入れてあり、本発明と共通の課題に関するものであ
る。
【0024】リパ−ゼ(本発明の望ましいリパ−ゼを含
む)を用いて従来の方法で洗浄する場合、その初回にお
いてはリパ−ゼを用いない洗浄よりも実質的に有利な点
はないことがわかっている。しかしながら、本発明は、
リパ−ゼを利用して油汚れを繊維から効果的に落とす方
法を提供する。これは、初回の洗浄を繊維−リパ−ゼ複
合体の形成に利用することによって達成される。この複
合体は、形成後に乾燥させても活性を保ち、その後に行
う洗濯で効果的な油汚れ除去性を発揮できる。この一例
を表1に示す。表1は、初回の洗浄では汚れは落ちない
が、それ以降の洗浄では汚れが落ちることを示す。ポリ
コットン繊維の標本(65/35)をトリオレイン( 5重量
%)で汚れを付け、本発明の 2種のリパ−ゼを用いて 3
回洗浄した。表1にこの研究のデ−タを要約する。
【0025】 表1 油汚れ洗浄性(%) 1回目 2回目 3回目 P.putida のクロ−ンから 分離したリパ−ゼ 0ppm 21 27 32 0.5ppm 21 37 46 2.0ppm 20 44 56 P.sp. から分離した リパ−ゼ 0ppm 21 27 32 0.5ppm 21 37 46 2.0ppm 20 44 56
【0026】表1に要約したデ−タからわかるように、
初回では油汚れ洗浄性はみられないが、 2回目および 3
回目の洗浄ではかなり大きな油汚れ洗浄性がみられた。
【0027】洗浄液中の酵素の濃度を10倍に上げて20pp
m にしても、予想されるように、初回の洗浄で始めて使
用する間には、油汚れは除去されなかった。しかし驚い
たことに、本発明により、初回以降の洗浄においてはリ
パ−ゼを使用しなかったにもかかわらず、初回以降の洗
浄標本については油汚れが大幅に除去された。これにつ
いては表2に示す。
【0028】4つの同じポリコットン繊維標本( 2×2
インチ)を、0.1mM Neodol 25-9/0.2mM C12LAS および
表2に示す各濃度のリパ−ゼを含む10mMの炭酸ナトリウ
ム200ml 中で洗った。洗浄溶液のpHは10.5とし、室温で
15分洗浄した。標本は風乾してから再び洗浄した。 2回
目および 3回目の再洗浄の際には、リパ−ゼを添加しな
かった。
【0029】 表2 汚れ洗浄性% 1回目 2回目 3回目 対照 15 23 27 酵素処理 (2ppm) 15 57 76 (5ppm) 17 69 91 (10ppm) 16 78 101 (20ppm) 17 89 105
【0030】表2のデ−タからわかるように、洗濯の初
回において各濃度のリパ−ゼで処理したポリコットン繊
維は、 2回目の洗濯で顕著な油汚れ洗浄性を示し、 3回
目の洗濯でさらに高い洗浄性を示した( 2回目および 3
回目の洗濯には、界面活性剤のみを使用した)。さら
に、表2のデ−タから、洗濯初回の酵素の濃度が高いほ
ど、 2回目および 3回目の洗濯における油汚れ除去性が
高くなることがわかる。このことから、 2回目および 3
回目に観察された油汚れ除去性は、初回に使用したリパ
−ゼによるものであることが証明される。さらに、これ
らのデ−タから、リパ−ゼが初回の洗濯中に繊維に吸着
し、すすぎ、乾燥、保管および 2回目、3回目の洗濯を
おこなう間、活性を保ち、吸着を維持したことがわか
る。
【0031】
【発明の効果】例1 油で汚れる前に繊維を前処理するためにリパ−ゼ組成を
使用する方法を説明する実験を行った。Lipase 1を用い
て、 3段階の酵素濃度で 3組のポレステル/綿(65/35)
繊維標本を処理した。処理は、 4つの同じ標本を、表3
に示した各種のリパ−ゼを含む、表2で述べた洗浄溶液
中で洗って行う。風乾後、各標本にトリオレイン(繊維
の重さの 5%)で汚れを付ける。対照(未処理)標本に
ついても、同様に汚れを付ける。汚れを付けた標本を、
洗剤および上記濃度のリパ−ゼを含む模擬洗濯条件で 1
回洗浄する。表3にデ−タを要約する。
【0032】 表3 汚れ洗浄性% 0.5ppm 1.0ppm 2.0ppm 対照(リパ−ゼなし) 6 8 12 P.putida のクロ−ンから 20 26 33 分離したリパ−ゼ P.sp. リパ−ゼ 20 20 26 Novo Lipolase 9 7 11
【0033】表3に要約したデ−タからわかるように、
Pseudomonas putidaをクロ−ンニングして得たリパ−
ゼ、およびPseudomonas sp. から分離したリパ−ゼを用
いて(油汚れの付く前に)前処理した繊維を、対照繊維
と共に洗剤とリパ−ゼを含むを模擬洗濯条件で洗浄した
ところ、処理繊維の油汚れ洗浄性が対照に比べ約2.5 倍
から 3倍近く高かった。
【0034】リパ−ゼ−表面複合体は強靭な結合を示
し、さまざまな種類の表面上で活性結合を保つことがわ
かっている。これについて、表4で説明する。表4は、
広範囲の繊維、数種の非繊維編表面、および数種の固体
表面をpH8 のリパ−ゼ緩衝溶液に15分間に浸した結果で
ある。溶液から失われた活性を計算して、表面に吸着し
たリパ−ゼの量を求めた。その後、これらの繊維および
表面をpH8 の5 mMリン酸塩で15分間洗浄し、脱着した酵
素の量を同様の方法で求めた。表4に、このような吸着
と脱着の結果を要約する。
【0035】 表4 繊維/表面 処理溶液からの 1 回の洗浄後の 吸着量% 残留吸着量% ナイロン 22 98 ポリコットン 32 92 グレ−ポリコットン 13 85 ポリエステル 29 96 織ポリエステル 27 93 二重編ポリエステル 53 97 絹(クレ−プデシン) 8 87 ビニル 16 94 綿フランネル 19 93 レ−ヨンベルベット 51 84 アクリルフェルト 38 100 ポリエステル/ウ−ル 37 96 ポリエステル/ポリウレタン 8 84 テリ− 17 97 (85%綿/15%ポリエステル) フリ−ス 39 97 (50%綿/50%ポリエステル) ナイロンたわし 38 71 銅布たわし 42 93 セルロ−ススポンジ 24 100 ステンレスたわし 68 99 ろう紙 17 99 食刻のないガラス 39 99 食刻ガラス 33 100 ABS製パイプ 22 100
【0036】このデ−タからわかるように、リパ−ゼが
処理溶液から吸着し、その量は各種の繊維および表面ご
とに、吸着する表面に応じて異なる。さらに、一旦吸着
すると、結合した酵素の大部分は、上記のようにリン酸
塩緩衝液で15分間洗浄を行った後にも残った。模擬洗濯
の 4日後、表面に結合した複合体の酵素活性を試験し
た。表4のデ−タで要約した例のいずれにおいても、加
水分解活性が示された。これは、リパ−ゼで処理した表
面を、リパ−ゼの基質であり、加水分解されて黄色のp-
ニトロフェノ−ルとなるP-ニトロフェニルブチレ−トに
接触させて確認した。
【0037】油汚れ洗浄性を改善するために本発明に従
って繊維を処理する場合、通常、まず対象の繊維をリパ
−ゼを含む組成と接触させて、リパ−ゼを繊維に吸着さ
せ、繊維−リパ−ゼ複合体を形成させる。リパ−ゼの繊
維吸着に影響する因子としては、表面特性および溶液の
構成要素がある。溶液の構成要素としては、界面活性剤
組成、イオン強度、pH、リパ−ゼ濃度などがある。ま
た、表面をリパ−ゼ含有溶液に曝す時間が長いと、リパ
−ゼの吸着量が増加する。ポリコットン繊維の場合、界
面活性剤がなく、イオン強度が低く、pHがアルカリ性の
場合に吸着量がいちばん多くなることがわかった。この
ような好適な条件下では、溶液中のリパ−ゼ濃度を上げ
ると、より多くのリパ−ゼを繊維に吸着させることがで
きるであろう。界面活性剤が存在する場合には、陰イオ
ン剤と非イオン剤を混合して使用すると、単一界面活性
剤系より効率的な吸着が促進される。
【0038】表面へリパ−ゼが配合されて表面−リパ−
ゼ複合物が形成されるが、これを実施する方法は数多く
ある。前述したように、それらの方法のひとつは、リパ
−ゼ溶液で表面を洗浄するか、表面にスプレ−して、表
面をリパ−ゼ溶液に接触させる方法である。繊維への使
用に適した、望ましい水溶液の一例は、pHが塩基性で
(至適pHは10.5) 、適量のリパ−ゼを含み(約20ppm)、
5 mMリン酸塩または10 mM 炭酸塩で緩衝した溶液であ
る。油汚れ洗浄性を改善したい繊維表面をこのような組
成の溶液に漬けるか表面にスプレ−するだけで、すでに
述べたように、洗濯によって除去されにくく、加水分解
活性の高いという望ましい特性を有する繊維−リパ−ゼ
複合体が形成されるであろう。
【0039】このような配合は、たとえば繊維製造の仕
上げ段階、または繊維の使用前に行う前処理として、汚
れが付く前に行うことができる。または、繊維に汚れが
付いた後でも行える。リパ−ゼと直接接触させてリパ−
ゼを繊維に移行させたい場合には、溶液をスプレ−する
か、固形またはゲル状のリパ−ゼ担体を使用して、洗浄
前に部分的に油汚れを処理できる。たとえば、消費者は
ゲル状のスティックを使って、シャツのえりなどの部分
にリパ−ゼを直接塗ることができる。各種の適当な固体
の、スティック様の担体組成に関する説明が、1986年12
月30日発行の欧州特許出願No.86107435.9 に記されてい
る。たとえば、好適な組成のひとつにはプロピレングリ
コ−ル、ノニルフェノ−ルエトキシレ−ト、直鎖アルコ
−ルエトキシレ−ト、ドデシルベンゼンスルホン酸、お
よびステアリン酸が含まれる。固体またはゲル状の担体
組成の特に好適な実例を以下に示す。成分 重量% プロピレングリコ−ル 42 ノニフェノ−ルエトキシレ−ト 17 直鎖アルコ−ルエトキシレ−ト 17 ポリエチレングリコ−ル 2 ドデシルベンゼンスルホン酸 6 ステアリン酸 10 リパ−ゼ 6
【0040】本発明のリパ−ゼは、従来の洗濯洗浄溶液
に添加するだけでは効果的でないが、本研究の表面−リ
パ−ゼ複合体が形成されると効果的になる。その理由は
十分に解明されていないが、その理論がいかなるもので
あるにせよ、これらのリパ−ゼは表面と複合体を形成す
ると、その構造は活性状態に変化すると考えられてい
る。したがって本研究は、活性リパ−ゼを従来の洗濯溶
液に使用する方法についても提供する。この方法は、表
面−リパ−ゼ複合体を含む成分を、従来の洗浄溶液に配
合する方法である。このような成分としては、リパ−ゼ
と繊維の複合体、または非繊維との複合体がある。洗濯
物全体にうまく分散するように、非繊維の微粉状の素材
を用いることが望ましい。このような微粒状素材は、リ
パ−ゼが吸着する表面が疎水性のものでなければならな
い。その例としては、ステアリン酸塩、メタクリル酸コ
ポリマ−、ヒドロキシブチルメチルセルロ−ス、および
ポリアクリルアミド樹脂がある。
【0041】本発明の表面−リパ−ゼ複合体には、次の
ような特性を有することが望ましい。すなわち、保管中
の加水分解活性が高く、溶液中のリパ−ゼに比べ安定性
が高く、リパ−ゼが固定する表面の特性が改良される。
以下に述べるのは、これらの特性を説明する例である。
【0042】例2 この例は、保管中の活性を説明するものである。ポリエ
ステル/綿の標本をリパ−ゼ含有溶液で処理し、繊維−
リパ−ゼ複合体を形成させた。乾燥した処理標本にトリ
オレイン(繊維の重量に対して 5%)で汚れを付け、 2
日間室温で保管した。次に、油を標本から抽出し、抽出
された油の成分を薄層クロマトグラフィ−で調べた。こ
の分析から、オレイン酸、モノオレインおよびジオレイ
ンが標本上に存在することがわかった。これらの油分加
水分解生成物は、汚れを付ける前に酵素処理を行わなか
った「対照標本」ではみられなかった。オレイン酸、モ
ノオレインおよびジオレインが存在することから、本発
明に従う繊維−リパ−ゼ複合体は、乾燥した繊維上の油
汚れを加水分解する活性も有することが証明される。
【0043】例3 次に述べる実験は、本発明の繊維−リパ−ゼ複合体が、
以下の因子に対して高い安定性を示すことを実証するも
のである。
【0044】A.高温 結合したリパ−ゼ−繊維複合体
は、洗濯した繊維を華氏180 度(摂氏82度)の高温乾燥
機で乾燥しても活性を保つ。これを説明するデ−タを表
6に示す。
【0045】 表6 乾燥条件 油汚れ洗浄性% 3回後 本発明の処理を施した繊維を風乾 82 本発明の処理を施した繊維を高温乾燥 65 対照繊維を風乾 20
【0046】表6のデ−タからわかるように、高温乾燥
機で( 3回洗濯した後)繊維を 3回乾燥すると、本発明
の処理を施した繊維を風乾した場合に比べ酵素活性は幾
分失われる。しかし、高温で乾燥しても、本発明の処理
を施した繊維の油汚れ洗浄性は対照(未処理)繊維の 3
倍以上であった。
【0047】B.界面活性剤 リパ−ゼ−表面複合体
は、界面活性剤による変性に対して高い安定性を示すこ
とがわかっている。この特性は、たとえば液体製剤に保
管安定性を与える際に有用であろう。界面活性剤と緩衝
液の溶液中に加水分解酵素(Lipase 1) を加え、10分間
室温に置いた。界面活性剤溶液は、 1重量%SDS で、炭
酸ナトリウムでpH10.5に緩衝したものとした。加水分解
酵素は2 ppm の溶液とした。 2つ目のサンプルも同様に
調製した。ただし、加水分解酵素を添加する前に、界面
活性剤緩衝溶液に繊維を入れた。次に、 2分後、 5分
後、および10分後に、 2つのサンプルからそれぞれ酵素
活性定量用に少量採取し、酵素活性に関する定量を行っ
た。さらに、 2つ目のサンプルから繊維を取りだしてPN
B と接触させた後、繊維表面が黄色に着色しないか肉眼
で検査した。
【0048】最初のサンプルの酵素(酵素溶液を界面活
性剤緩衝溶液中に入れただけのもの)はいずれの採取時
においても不活性であることがわかった。同様に、 2つ
目のサンプルには溶液中に(繊維に吸着しなかった)酵
素が幾分残っていたが、この溶液中の加水分解酵素も不
活性であった。しかし対照的に、繊維表面に関する試験
では、繊維表面に吸着した加水分解酵素はいずれの試験
時においても活性を保ち、吸着していない加水分解酵素
ならば界面活性剤緩衝溶液による変性が生じる10分後に
おいても、活性を保った。
【0049】例4 本発明に従ってリパ−ゼで処理した表面は、表面のぬれ
特性にも変化を起こすことを発明した。これを、次の 3
種類の表面について示す。
【0050】A.ポリコットン ポリコットン繊維をリ
パ−ゼで処理すると、繊維のぬれ速度が未処理の繊維に
比べて大きくなる。図2は、本発明に従って処理したと
きのポリコットン繊維のぬれやすさの向上を示す。図2
の測定では、高速ビデオマイクログラフィ−を用いて水
滴が繊維表面に接するときの挙動を観察、測定した。接
触各を時間の関数(msec)として測定することにより、ぬ
れの速度を計算できる。また、同様の方法で市販のLipo
lase酵素で処理したポリコットンとの比較も図2に示
す。Lipolase酵素で処理した場合には、変化は実験誤差
の範囲内であり、繊維のぬれやすさへの影響はみられな
かった。蛋白質分解酵素(市販のSavinase) に関する実
験でも、同様の結果が得られた(ぬれやすさは影響され
ない)。
【0051】B.ABS配管 この実験では、固着水滴
形分析を行い、ABS プラスチックパイプの表面特性を評
価した。パイプ表面と接触させる加水分解酵素溶液は、
1 ppm の加水分解酵素を含む溶液とした。乾燥後、水滴
がパイプ表面に広がる時の水滴の接触角を測定し、表面
の親水性を示す値とした。表7にそのデ−タを要約す
る。
【0052】
【0053】パイプの 3箇所で検査を行い、吸着の均一
性を試験した。加水分解酵素で処理したパイプ表面上の
接触角の測定値がばらついていることから推測できるよ
うに、デ−タから、加水分解酵素の吸着はパイプ全表面
について均一ではないことが示唆される。このようなば
らつきは、未処理のパイプでは観察されなかった。しか
し、 3箇所の接触角はいずれも、加水分解酵素を吸着さ
せたパイプで小さかった。このように接触角が小さいこ
とから、加水分解酵素が吸着した表面は親水性が高くな
り、そのため水にぬれやすいことが示される。このよう
な表面改良により、排水パイプの予防保守が達成でき
る。
【0054】C.ガラス ガラススライドについても吸
着を調べた。 3種類の組成を調製した。まず、対照組成
は、 HPO4緩衝液50 mM を含む水溶液(pH8.0)とした。
2番目は本発明の表面改良組成であり、0.2 ppm のリパ
−ゼ(P.putida のクロ−ンから分離したもの)を緩衝
対照溶液に添加したものとした。 3番目の組成は 2番目
のものと同様だが、10 ppmのリパ−ゼを含むものとし
た。ガラススライドを各溶液に 1時間浸し、乾燥後に水
滴がガラススライド表面に広がる時の接触角を測定し、
表面の親水性とした。対照溶液に浸したスライドの接触
角は53度、0.2 ppm のリパ−ゼを含む組成に浸したスラ
イドの接触角は44度、10 ppmのリパ−ゼを含む組成に浸
したスライドの接触角は30度であった。このように、本
発明に従って処理した表面では接触角が小さくなるとこ
から、加水分解酵素が吸着したガラス表面は親水性が高
まり、したがって処理表面はより水にぬれやすいことが
示される。この特性により、床、壁、タイル、鏡、およ
び窓ガラスなどの表面の浄化を促進できる。
【0055】例5 繊維−リパ−ゼ複合体は、油汚れが処理繊維の表面を再
汚染することを防止するのに効果的であることも示され
ている。この効果を例5で説明する。
【0056】油汚れを一部の繊維から落としても、洗浄
中にその油が他の汚れていない繊維を再汚染するという
問題は、異種の繊維を洗濯する場合に特に大きな問題と
なる。次の例から、Lipase 1が再汚染防止剤として有用
であることが示された。 2×2 インチの綿100 %の標本
に95mgのトリオレインで汚れを付けた。このように汚れ
を付けた標本のうち 2つを、清浄なポリエステル標本
( 2×2 インチ) 2つと共に、pH10.5(10 mM のNa2CO3
で緩衝)の界面活性剤溶液中(0.3 mM C12 LASとNeodol
25-9をモル比2:1 で含む)で洗った。この洗浄は室温
(25 ℃)で15分間行った。次に、これらの標本を乾燥
し、標本上の油を重量分析法により測定した。すなわ
ち、溶媒を使用して油を繊維から取り出し、溶媒を蒸発
させ、残留した油を秤量した。この手順に従うと、綿標
本(初めに95 mg のトリオレインで汚染したもの)の上
には17 mg のトリオレインが残ったが、初めは油汚れの
なかったポリエステル標本には、汚れを付けた綿標本と
共に洗浄する間に35 mg のトリオレインが付着したこと
がわかった。
【0057】Lipase 1を用いた 2種の繊維処理法を実行
した。 1つ目の繊維処理手順では、清浄なポリエステル
標本を、上記の界面活性剤/炭酸塩溶液に1 ppm のLipa
se 1を添加した液で洗って、加水分解酵素による前処理
を施した。清浄なポリエステル標本を乾燥した後、油汚
れを付けた綿標本と共に、上記の方法で再度洗った。
【0058】もうひとつの処理手順では、油汚れを付け
た綿標本を、初めは清浄であったポリエステル標本と共
に洗う間に、1 ppm のLipase 1を界面活性剤/炭酸塩洗
浄液に単純に(「その場で」)添加した。
【0059】表8に、対照標本(加水分解酵素処理しな
いもの)、および上記の手順に従って前処理した標本と
現場処理した標本のデ−タを示す。
【0060】 表8 ポリエステル 洗濯前の 洗濯再汚染 洗濯前の 洗濯再汚染 標本の加水分 綿標本の 後の綿標本 ポリエステル 後のポリエ 分解酵素処理 油汚れ の油汚れ 標本の油汚れ ステル標本の 油汚れ なし(対照) 95mg 17mg 0mg 34mg 前処理(1 ppm) 95mg 17mg 0mg 2mg 現場 (1 ppm) 95mg 18mg 0mg 11mg
【0061】表8のデ−タからわかるように、再汚染を
起こす可能性のある油(油汚れを付けた綿標本から遊離
した油)に曝す前に、加水分解酵素が表面に吸着するよ
うにポリエステル標本を処理すると、ポリエステル標本
をすでに処理していた場合には再汚染の大部分を防止す
る効果があり、その現で処理した場合にも、油による再
汚染の量が大幅に減少した。この実験から、再汚染防止
剤としてのLipase 1の効能が証明された。
【0062】本発見の効果的な表面改良組成は、酵素濃
度0.1 μg/ml(0.1 ppm) ないし20μg/mlの範囲で酵素を
有することが望ましい。もちろん、さらに高い濃度も使
用できるであろう。リパ−ゼ濃度がわずか0.1 ppm であ
る組成を繊維処理に用いる場合でさえ、リパ−ゼは表9
のデ−タに示す効能を有する。
【0063】 表9 油汚れ洗浄性% 2回 5回 0.1 μg/mlのリパ−ゼで 処理した繊維(本発見の方法) 30 44 対照 24 29
【0064】表9に要約したデ−タからわかるように、
非常に少量のリパ−ゼ(P.putidaのクロ−ンから分離し
たもの)を使用して、本発明に従う処理を行った場合で
も、洗濯を 2回行った後、未処理の対照に比べて統計的
に有意に高い繊維の油汚れ洗浄性が達成された。実際、
この利点は洗濯回数が増えると大きくなり、洗濯を 5回
行った後では、対照(未処理繊維)に比べ50%近い向上
がみられた。
【0065】本発明の他の面として、漂白剤を発生させ
るのに有用な濃縮配合系がある。この系を構成するの
は、容器、その容器内に配置された表面構造物、その表
面構造物付近にある、または表面構造物に含まれるリパ
−ゼ、および過酸を発生させる方法、すなわち選定量の
油および選定量の過酸化物を前述の容器に入れ、前述の
表面構造物に接触させて、酵素の触媒作用により容器内
で過酸を発生させる方法である。たとえば、家庭での洗
濯用に本発明の装置を実施すると、小さい容器内で漂白
剤が発生し、同時にこの発生した漂白剤を洗濯溶液に配
合することができる。多孔性の容器を使用すると、容器
の内側にリパ−ゼを固定できる。リパ−ゼは、共有結合
および非共有結合により、容器内側、たとえば少なくと
も容器の内側の一部を形成する壁面か、容器内の表面を
定める部材の上に固定するのが望ましい。共有結合を形
成する方法としては、よく知られている各種の従来の方
法がある。たとえば、膜に抗体を結合させる目的で使用
される、N-末端アミンを使用する方法がある。
【0066】図3を参照すると、通常球形の容器10
は、ふた12および本体14で構成される。ふた12は
回転式の取り付け法か、「回してはずす」方式、または
その他のよく知られている、迅速にはずせる取り付け法
を用い、着脱できる方法で本体14に固定する。ふた1
2には、複数の通気孔15a、bを設けることが望まし
い。本体14の内部には表面構造物16があり、これは
リパ−ゼを固定した容器内側(図示されず)に曝されて
いる。この表面構造16はさまざまな形を取ることがで
きる。使用に際してふた12を取り、容器10内部で過
酸を発生させるために、表面上に固定酵素を有する表面
構造物16と接するに十分な量となるように量を選定し
た油および過酸化物を本体14に入れる。前述したよう
に、固定酵素を表面構造物16に共有結合および非共有
結合で結合させることが望ましい。
【0067】前述したように、非共有結合は酵素の吸着
を経て生じる酵素−表面複合体の形成に関係すると考え
られている。消費者が選定量の油と選定量の過酸化物を
容器内部に入れ固定リパ−ゼと接触させると、洗濯用組
成のような基質可溶化水溶液が存在する場合、リパ−
ゼ、リパ−ゼの基質、および過酸化物が反応し、小さい
容器の中で過酸が生成される。これは、Lipase 1などの
リパ−ゼが、グリセライド、エチレングリコ−ル誘導
体、プロピレングリコ−ル誘導体などの基質を過加水分
解するためである。過酸化水素源が存在すると、これら
の基質から過酸が生成される。これらの基本 3成分を利
用するこのような過酸漂白系は、「酵素過酸漂白系」と
題する1986年11月19日に提出された特許出願No.932,717
でさらに詳しく説明されている。この特許出願は、本発
明と共通の課題に関するものであり、本発明の参考文書
に組み入れてある。例6は、本発明の漂白剤発生装置を
説明するものである。
【0068】例6 洗濯物を漂白したい場合に添加できる過酸(ペルオクタ
ン酸など)を、リパ−ゼを使用して、小さい装置内で適
度に高い濃度で生成できるかどうかを調べるプロトコル
を作成した。
【0069】6.6 g/l のリパ−ゼ溶液(P.putida のク
ロ−ンから分離したもの) 0.8mlを秤量ボ−トに移し、
繊維標本を加えて、標本を溶液に一晩漬け、酵素を固定
させた表面構造物を調製した。次に、結合しなかった酵
素を落とすために、この標本をpH 11 の炭酸ナトリウム
緩衝液中で15分間すすぎ、水で 2回すすいだ。この標
本、すなわち表面にリパ−ゼを含む表面構造物を、小さ
い容器(ビ−カ−)の中で、選定量のリパ−ゼの基質お
よび選定量の過酸化物に接触させた。基質は0.1重量%
のトリオクタノイン(トリオクタノイン0.2gを含む200m
l の溶液)とした。過酸化物は過酸化水素(有効酸素50
00 ppm A.Oとして計算して6.5 ml/200 ml)とした。基
質(油)および過酸化物は、炭酸ナトリウム(25 mM)で
緩衝してpH10.8 とした、0.2 ml/200ml(50 μM)のEDTA
を含む水溶液とした。表10に示した各時間に発生した
過酸の量を測定するために、液体クロマトグラフィ−
(Brinkman社製自動分析器)を使用した。
【0070】
【0071】対照(酵素が存在しない)では、発生量は
12分間で有効酸素として0.05 ppmであった。このよう
に、化学的に生じた過加水分解(基質と過酸化物の間で
生じる)の量はごく小さかったが、基質および過酸化物
を固定酵素と接触させることによって、酵素の触媒作用
により小さい容器の中で過酸が発生した。
【0072】基質油の量を52 g/200mlに増やした、別の
組成を調製した。これは0.6ml/600mlのEDTA、および2
%のPVA を含む水溶液であり、水350 mlを用いて調製し
た。過酸化水素量も増やし(150ml のエマルジョンサン
プルに対し10ml)、このエマルジョンの初期pHを(50%
NaOHを用いて)10.8に上げた。酵素量は 1標本当り6.8
mgとした。この量は、70リットルの洗濯物に対し、約0.
1 ppm の量に相当する。この系で発生した有効酸素量に
ついても計算した。その結果を表11に示す。
【0073】
【0074】固定酵素のない対照では、14分後にも過酸
は検出されなかった。このような実験から、本発明に従
ってリパ−ゼを固定し、その固定酵素を、過酸化水素
(2 %)と基質油であるトリオクタノイン(8,7 % g/1
00ml) を含む反応系の触媒として利用することにより、
高濃度(30 mM) のペルオクタン酸が生成できることがわ
かる。
【0075】本発明について、望ましい特定の実施例と
ともに上に述べたが、その説明と例は本発明を説明する
意図で記されたものであり、本明細書の特許請求の範囲
で定義した本発明の範囲を限定しないことを理解された
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において有用なリパ−ゼに関する、プラ
スミドPSNE4 の4.3 kb E.coli断片のマップである。
【図2】ポリコットン繊維を本発明に従って処理した場
合、繊維のぬれやすさが向上したことを説明し、このぬ
れやすさの向上を、市販のリパ−ゼを用いて従来の方法
で洗浄した繊維の場合と比較するグラフである。
【図3】本発明に従って漂白剤を発生させるのに有用な
容器の断面図を示す。
【図4】P.putidaから分離された特定の酵素のアミノ酸
配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12S 11/00 7732−4B D06L 1/12 7199−3B //(C12N 9/20 C12R 1:40) (72)発明者 マハ・ワイ・エルセルド アメリカ合衆国カルフォルニア州フレモン ト、キャニオン・ハイツ・ドライブ 40633 (72)発明者 ダニエル・アール・レイスク アメリカ合衆国カリフォルニア州リバモ ア、アルバトロス・アベニュー 144 (72)発明者 リチャード・ジェイ・ウィールセマ アメリカ合衆国カリフォルニア州トレーシ ー、バーバードール・アベニュー 200 (72)発明者 チハエ・ヤング アメリカ合衆国カリフォルニア州プレザン トン、アンドリューズ・ドライブ 3470

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油汚れ洗浄性を促進するための表面の改
    良法であって、改良する表面の選択、およびリパ−ゼを
    前記表面へ固定することを含み、前記リパ−ゼがPseudo
    monas属の細菌から分離される表面の改良法。
  2. 【請求項2】 表面の選択、および前記表面とPseudomo
    nas 属の細菌から分離されるリパ−ゼとの接触を含む、
    表面のぬれやすさを向上させる方法。
  3. 【請求項3】 Pseudomonas 属の細菌から分離されるリ
    パ−ゼによる繊維処理を含む、洗濯中における油および
    油の加水分解生成物による繊維の再汚染を防止する方
    法。
  4. 【請求項4】 前記処理が、リパ−ゼ−表面複合体を形
    成させるために前記リパ−ゼを含有する溶液で繊維を処
    理することを含む請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 前記リパ−ゼが、Pseudomonas putida A
    TCC 53552 中にある、またはPseudomonas putida ATCC
    53552 からクロ−ン化した暗号領域を発現する細菌から
    分離され、前記リパ−ゼがおよそ30kdないし35 kd の分
    子量を有し、SDS ゲル電気泳動により単一の帯として分
    離できる請求項1、2または3の方法。
  6. 【請求項6】 前記の固定リパ−ゼが、油汚れに対する
    加水分解活性が高い表面−リパ−ゼ複合体を前記表面上
    で形成する請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 前記の固定リパ−ゼが、界面活性剤によ
    る変性および熱による不活性化に対する安定性の高い表
    面−リパ−ゼ複合体を前記表面上で形成する請求項6の
    方法。
  8. 【請求項8】 油汚れ洗浄性を改善するために繊維を処
    理する方法であって、改良する繊維の選択、およびリパ
    −ゼの前記繊維への吸着を含み、前記リパ−ゼがPseudo
    monas 属の細菌から分離される繊維処理法。
  9. 【請求項9】 前記の吸着リパ−ゼが、空気の存在下
    で、油汚れに対する加水分解活性が高い繊維−リパ−ゼ
    複合体を繊維上に形成する請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 前記リパ−ゼがPseudomonas putida A
    TCC 53552 中にある、またはPseudomonas putida ATCC
    53552 からクロ−ン化した暗号領域を発現する細菌から
    分離され、前記リパ−ゼがおよそ30kdないし35 kd の分
    子量を有し、SDS ゲル電気泳動により単一の帯として分
    離できる請求項8または9の方法。
  11. 【請求項11】 前記の吸着リパ−ゼが、繊維の洗濯中
    における油および油の加水分解生成物による再汚染を防
    止する請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 繊維を高温で乾燥するとき、前記の吸
    着リパ−ゼが、少なくともある程度の加水分解活性を保
    持する請求項10の方法。
  13. 【請求項13】 前記の吸着リパ−ゼが、繊維の洗濯中
    に除去されにくい請求項10の方法。
  14. 【請求項14】 前記の吸着リパ−ゼが、繊維のぬれや
    すさを変える請求項10の方法。
  15. 【請求項15】 塩基性のpHで、または界面活性剤の存
    在下で前記繊維を洗濯する間、少なくとも加水分解生成
    物の一部を除去できる請求項9の方法。
  16. 【請求項16】 前記繊維に油汚れがある場合、 3回洗
    濯した後、少なくとも油汚れの大部分を加水分解生成物
    として除去できる請求項9の方法。
  17. 【請求項17】 約0.1 ppm ないし約2,000ppmの前記リ
    パ−ゼを有する組成を含むリパ−ゼに繊維を接触させる
    ことにより、前記リパ−ゼを吸着させる請求項10の方
    法。
  18. 【請求項18】 油汚れ洗浄性が改善された処理繊維で
    あって、繊維、およびその繊維の表面に吸着したリパ−
    ゼを含み、前記リパ−ゼはPseudomonas 属の細菌から分
    離される処理繊維。
  19. 【請求項19】 前記の吸着リパ−ゼが、油汚れに対す
    る高い加水分解活性を有する繊維−リパ−ゼ複合体を形
    成する請求項18の処理繊維。
  20. 【請求項20】 前記の吸着リパ−ゼが、繊維表面のぬ
    れやすさを変える請求項18または19の処理繊維。
  21. 【請求項21】 前記リパ−ゼがPseudomonas putida A
    TCC 53552 中にある、またはPseudomonas putida ATCC
    53552 からクロ−ン化した暗号領域を発現する細菌から
    分離され、前記リパ−ゼがおよそ30kdないし35 kd の分
    子量を有し、SDS ゲル電気泳動により単一の帯として分
    離できる請求項18、19または20の処理繊維。
  22. 【請求項22】 水溶液の存在下で表面からの油の洗浄
    が起きる間、前記の吸着リパ−ゼが油および加水分解生
    成物による再汚染を防止する請求項21の処理繊維。
  23. 【請求項23】 繊維を高温で乾燥するとき、前記の吸
    着リパ−ゼが、少なくともある程度の加水分解活性を保
    持する請求項19の方法。
  24. 【請求項24】 前記の吸着リパ−ゼが、繊維の洗濯中
    に除去されにくい請求項21の方法。
  25. 【請求項25】 前記の吸着リパ−ゼが、繊維のぬれや
    すさを変える請求項21の方法。
  26. 【請求項26】 油汚れ洗浄性の改善に有用な繊維処理
    組成であって、融点が室温付近の温度よりも高い固体ま
    たはゲル状の担体、および前記担体中に分散させたリパ
    −ゼを含み、前記リパ−ゼがPseudomonas putida ATCC
    53552 中にある、またはPseudomonas putida ATCC 5355
    2 からクロ−ン化した暗号領域を発現する細菌から分離
    され、およそ30kdないし35 kd の分子量を有し、SDS ゲ
    ル電気泳動により単一の帯として分離できる繊維処理組
    成。
  27. 【請求項27】 漂白剤を発生させるのに有用な装置で
    あって、容器、前記容器内部の表面構造物、前記容器内
    部の表面構造物に吸着させたリパ−ゼであって、Pseudo
    monas 属の細菌から分離されるリパ−ゼ、および前記容
    器中において酵素の触媒作用により過酸を発生させるた
    めに、選定量のリパ−ゼ用基質および選定量の過酸化物
    を前記容器に入れ、前記表面構造物と接触させる方法を
    含む装置。
  28. 【請求項28】 疎水基への前記リパ−ゼの吸着を含
    む、洗剤溶液中で効果的に使用できるようにリパ−ゼを
    調製する方法。
  29. 【請求項29】 表面−リパ−ゼ複合体を形成させるた
    めにリパ−ゼを疎水基に吸着させ、この疎水基を洗剤組
    成に加えることを含む、活性リパ−ゼを洗剤組成に配合
    する方法。
  30. 【請求項30】 前記疎水基が微粒子状物質である請求
    項28または29の方法。
  31. 【請求項31】 前記微粒子物質がステアリン酸塩、メ
    タクリル酸塩、ヒドロキシブチルメチルセルロ−ス、ま
    たはポリアクリルアミド樹脂から成る請求項30の方
    法。
  32. 【請求項32】 前記微粒子物質を他の洗剤成分と混合
    する請求項30の方法。
  33. 【請求項33】 前記リパ−ゼがPseudomonas putida A
    TCC 53552 中にある、またはPseudomonas putida ATCC
    53552 からクロ−ン化した暗号領域を発現する細菌から
    分離され、前記リパ−ゼがおよそ30kdないし35 kd の分
    子量を有し、SDS ゲル電気泳動により単一の帯として分
    離できる請求項28または29の方法。
  34. 【請求項34】 疎水基およびそれに吸着したリパ−ゼ
    を含む製品であって、前記疎水基および前記リパ−ゼが
    加水分解活性の高い表面−リパ−ゼ複合体を形成する製
    品。
  35. 【請求項35】 前記疎水基が微粒子である請求項35
    の製品。
  36. 【請求項36】 表面をPseudomonas 属の細菌から分離
    されるリパ−ゼと接触させることを含む、表面のぬれや
    すさを向上させる方法。
  37. 【請求項37】 前記リパ−ゼがPseudomonas putida A
    TCC 53552 中にある、またはPseudomonas putida ATCC
    53552 からクロ−ン化した暗号領域を発現する細菌から
    分離され、前記リパ−ゼがおよそ30kdないし35 kd の分
    子量を有し、SDS ゲル電気泳動により単一の帯として分
    離できる請求項36の方法
  38. 【請求項38】 前記表面がABS 製パイプ表面に指定さ
    れる請求項36の方法。
  39. 【請求項39】 前記表面がガラスである請求項36の
    方法。
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