JP3252962B2 - 洗濯に有用なリパーゼおよびクチナーゼ界面活性剤系と方法 - Google Patents

洗濯に有用なリパーゼおよびクチナーゼ界面活性剤系と方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は洗浄に有用な酵素的洗剤系を最適にする方
法,望ましい洗濯および洗浄用途を確認する予測法およ
びこれらに基づく成分に関連するものである。
(従来技術) リパーゼは微生物から高等真核生物に至る広汎な種類
の生物が天然に産生する酵素である。高等動物の組織に
おいて酸化を起こす脂肪酸は活性化され,酸化される以
前に遊離型(すなわち,非エステル型)でなければなら
ない。そのため,細胞内のリパーゼはトリアシルグリセ
ロールを加水分解し,遊離型の脂肪酸とグリセロールを
生成する機能を持つ。
細菌リパーゼはエステル結合を切断する作用を持つポ
リペプチドであるので,慣行的にグリセロールエステル
ヒドロラーゼ(EC 3.1.1.3)と定義されている。リパー
ゼは界面に対する親和性が高く,これはプロテアーゼお
よびエステラーゼと異なる特性である。リパーゼが容易
に吸着する界面は油/水のそれである。
クチナーゼはクチンの加水分解を触媒するエステラー
ゼである。例えば,クチナーゼにより,菌類は感染の初
期段階でクチン障壁をえて宿主植物内に侵入する。数種
類のクチナーゼの一次構造が比較されており,その保存
性は強いことが示されている。Ettinger,Biochemistry,
26,pp7883−7892(1987)およびSebastianら,Arch.Bioc
hem.Biophys.,263(1),pp.77−85,1988)は螢光性P.p
utida(プティダ)株ではクチナーゼの産生はクチンに
よって誘導されることを最近,見出している。このクチ
ナーゼは炭素原子数が4個から16個の脂肪酸のp−ニト
ロフェニルエステルの加水分解を触媒する。
リパーゼは洗剤の成分として可能性があると長年,考
えられてきた。パンクレアチンの状態を取る初期のリパ
ーゼ標品を洗剤処方に添加することがRohm,Chem.Abs.,I
nt.,P2048(1916)により示された。より最近では,あ
る種のシュードモナスまたはクロモバクター菌から得ら
れるリパーゼが洗剤成分として有用であることが開示さ
れている(1987年11月17日にThomらに与えられた米国特
許第4,707,291号および1988年1月20日に発行された欧
州共同体特許出願第253,487号)。
リパーゼはアニオン性界面活性剤および非イオン性界
面活性剤により阻害されることが長年,一般的に知られ
ている。リパーゼ活性は乳化剤などにより上昇すること
がWills,Bioch.,60,pp.529−534(1955)およびAndreら
J.App.Biochem.,2,pp.218−229(1980)により報告され
ている。このような記載にもかかわらず,アニオン性ま
たは非イオン性界面活性剤を含む洗濯溶液にリパーゼを
使用する試みは大半が不成功に終わっており,油汚れを
洗濯するためにリパーゼが有効に使用されるのは前浸漬
(presoak)用途に限られてきた。
1976年4月13日に発明者Stewartらに与えられた米国
特許第3,950,277号には酵素リパーゼおよびナフタレン
スルホン酸,エチレンジアミンのある種のポリオキシア
ルキレン誘導体およびある種のアシルアミノ酸塩から選
択したリパーゼ活性化剤を使用するプレソーク成分が記
載されている。
リパーゼは完全処方の洗剤による従来の洗浄の前の長
時間の前洗い,言いかえるとプレソーク用途として,界
面活性剤を添加しない水溶液中で有効であることが見出
されている。このような条件下でのリパーゼは天然の油
(トリグリセリド)汚れを除去するのに有効であった。
しかし,洗濯溶液の洗剤処方にリパーゼを使用する試み
が多数行なわれたにもかかわらず,洗浄の点での利点は
見出されなかった。
最近,洗浄溶液中の洗剤による影響が少ない特別のリ
パーゼを発見する試みがなされている。1988年3月2日
に発行された欧州共同体特別出願第258,068号にはアニ
オン性界面活性剤と共存でき洗剤添加剤として有効とさ
れるThermomyces属のリパーゼが報告されている。1988
年2月20日に発行された日本特許出願第63039579号には
シュードモナス属から得られた斬新なリパーゼではアニ
オン性界面活性剤による阻害はわずかにすぎず,また非
イオン性界面活性剤によって活性化されると述べられて
いる。
要約すると,特定の界面活性剤(洗剤処方中に有効
量,含まれる場合)は一部のリパーゼのリパーゼ活性を
阻害することは一般に認識されてきたが,洗濯および洗
浄処方中におけるリパーゼの共存性または非共存性に付
いての明白な知見は得られていない。その結果,リパー
ゼを含む洗濯溶液では浸漬を時間的に延長することが必
要になる傾向がある。
(発明が解決しようとする課題およびその手段) 織物に付いたトリグリセリドを加水分解できる酵素お
よび酵素的加水分解の洗濯溶液中の界面活性剤による阻
害を阻止する添加剤を含み,それによって織物に付いた
トリグリセリドのしみまたは汚れの加水分解を起こさせ
る界面活性剤洗濯溶液の中で有用な酵素成分を得ること
が本発明の目的である。
洗濯溶液中におけるリパーゼの共存性または非共存性
を決定し,それによって,トリグリセリドの加水分解の
ために浸漬を延長したり,高温にすることを必要としな
いで洗濯溶液に使用できるリパーゼおよび/またはクチ
ナーゼを含む界面活性剤系を処方できる方法を得ること
が発明のもう一つの目的である。
本発明の一面では,洗濯用途のための酵素成分は洗濯
溶液中の織物の天然の油汚れを加水分解できる酵素およ
び洗濯溶液中の界面活性剤による加水分解阻害を回避す
る加水分解活性化手段からなる。したがって,酵素によ
る加水分解の発現は臨界比を越えるか否かに依存してい
る。このような酵素は洗濯溶液における界面活性剤に対
する油のモル比がこの出願明細書で『臨界比』と呼ぶあ
る値を越える場合にのみ作用を発揮し,油汚れを加水分
解することが見出されている。各酵素の臨界比の値は使
用する界面活性剤によって変化する。
加水分解活性化手段は成分が臨界比を越えるように使
用され,それによって酵素が作用を発揮し,油汚れを加
水分解する洗濯溶液中における界面活性剤に対する油の
比率を変化させる。
別法として本発明の別の実施例では洗濯溶液中におけ
る界面活性剤の臨界比を変化させる加水分解活性化手段
が得られる。
本発明による成分に含まれる酵素(界面活性剤に対す
る油の比率または界面活性剤の臨界比のいずれかを変化
させるための加水分解活性化手段と配合する)はトリグ
リセリドのような油汚れ全体の少くとも約5重量%を約
25℃の洗濯溶液中で約14分から15分以内で加水分解する
に充分な加水分解活性を界面活性剤洗濯溶液中で示す。
本発明に使用するに特に望ましい酵素はPseudomonas
putida(シュードモナス・プティダ)(以後,“P.puti
daとする)ATCC 53552から単離することが可能である。
本発明の別の面では,リパーゼまたはクチナーゼの阻
害を低下させる界面活性剤系を選択する方法がリパーゼ
またはクチナーゼ,界面活性剤および油を含む水溶液を
得,水溶液中における界面活性剤に対する油のモル比を
計算し,さらに計算したモル比をあらかじめ定められて
いるモル比と比較することによってリパーゼまたはクチ
ナーゼが界面活性剤の存在下で加水分解活性を示すか否
かを判定する諸段階からなる。
本発明の他の面および利点は次の説明を読むことによ
ってこの分野の技術の当業者には明らかとなる。
(実施例および発明の効果) 選択溶液で洗浄する織物には身体の油(皮脂)で汚れ
た衣服および食品および調理用油で汚れたリンネル製品
がある。皮脂による汚れおよび調理用油にはモノ,ジお
よびトリグリセリドが含まれているので、潜在的にリパ
ーゼによって加水分解することが可能である。
リパーゼ活性を持ち,P.putida ATCC 53552から単離す
ることが可能であると報告され,最近,発見された酵素
のアミノ酸配列の分析によって,この酵素に対するヌク
レオチド配列とC.capsiciについて最近,決定されたク
チナーゼ遺伝子のヌクレオチド配列間にはかなりの相同
性があることが示唆される。1988年5月25日に発行され
た発明者Wiersemaらの欧州共同体特許出願第268,456号
とEttingerらのBiochemistry,26,pp.7883−7892(198
7)を比較)。クチナーゼとリパーゼ間には関連性があ
るため,本発明において関心の対象となる酵素には水溶
液中で織物のトリグリセリドを加水分解することがで
き,以後,時にグリセロールエステルヒドロラーゼと記
載することもあるクチナーゼおよびリパーゼ双方が含ま
れる。本発明において有用な酵素は通常,ある種のシュ
ードモナス,クロモバクター,フザリウムまたはアスペ
ルギルス株から得られる。例えば,本発明で示す酵素に
はP.putida ATCC 53552,P.sp(Amano 68S),P.fluoresc
ens(Amano P)およびAspergillus oryzae(リポラー
ゼ)に含まれる(または得られる)遺伝子が表現する酵
素がある。日本の東洋醸造,米国の米国バイオケミカル
社,オランダのDiosynth社はChromobacter viscosumか
ら得られたリパーゼを販売している。1987年3月3日に
発行され出願者がノボインダストリーの欧州共同体特許
出願第0,214,761号にはFusarium oxysporumから得られ
たリパーゼが記載されている。上記以外の菌株もリパー
ゼを産生することが知られているか,または報告されて
いる。例えば,1987年2月12日に発行された出願者がGis
t−Brocades N.V.のPCT/WL86/00023にはある種のアシネ
トバクターを含む菌株が記載されている。上記酵素を表
現する遺伝子は表現性を高度化するためにE.coliのよう
な別の微生物でクローン化できることを理解する必要が
ある。
臨界比 本出願で述べる臨界比を用いることによって,界面活
性剤洗濯溶液では,界面活性剤存在下における,エステ
ル結合を持つ油の特異的グリセローエステルヒドラーゼ
による加水分解は関心の対象となる溶液中の界面活性剤
に対する油の比率に依存することを発見した。関心の対
象となる溶液中における界面活性剤に対する油の比率を
以後,『系における比率』と呼ぶこともある。便宜上,
系における比率および加水分解を開始させるに必要な比
率(『臨界比』と呼ぶ)の双方を水溶液全体における界
面活性剤に対する油のモル関係に基づいて計算し,表現
する。系における比率は特定の界面活性剤に関連する基
質(油)の関係を絶対的なモル比に基づき定義する。特
定の界面活性剤に関連する臨界比において,また基質の
モル関係以上では,酵素が活性化し,言いかえると作用
を発揮し,その結果,加水分解が開始される。すなわ
ち,洗浄用水溶液のような水系溶媒におけるいずれの成
分の濃度も重要ではない。これは水系溶媒において希釈
されても,二成分間のモル関係は一定だからである。
いずれの理論にも制約されることなく,基質が界面活
性剤によって促進されるある様式で変化しない限り,酵
素が基質に結合するのは困難であると推定される。すな
わち,基質が酵素によって加水分解可能となるためには
基質と界面活性剤間にある複合体が形成されることが必
要であろう。
次に述べる実施例ではリパーゼおよびクチナーゼの種
類が異なると,その臨界比は関連はしているが,異なる
ことが示され,この臨界比を出願者は上記のモデルによ
って実験的に決定した。臨界比モデルの一つの重要な点
は酵素または界面活性剤の量よりはむしろ,界面活性剤
に関連して存在する基質量が強調されていることであ
る。対照的に,先行技術では,大量の酵素または界面活
性剤を使用するか,または上記物質のいずれか,または
双方で反復試験を行えば洗浄性能が向上すると仮定され
ている。このような先行技術の知見または仮定にしたが
うと大量の酵素,界面活性剤,または双方を浪費するこ
とになる。
以後,考察する各種界面活性剤の分子量(および典型
的構造)および油を下記に記す。
一般的な界面活性剤の典型的な構造は次の通りであ
る。
SDS C12LAS C12H25−φ−SO3 -NA+ Neodol 25−9 (C12−C15)(H25−H31)− (OCH2CH2−H Neodol 23−6.5 (C12−C13)(H25−H27)− (OCH2CH26.5−H スルホン化JL80X Triton X−100 C8H17−φ−(COH2CH210−H C16DAPS Neodol 25−3S グリセロールエステルヒドロラーゼによる基質の加水
分解の開始は系における比率に対する依存性が強いが,
基質(トリグリセリド)または界面活性剤のいずれの濃
度にも依存しない。
グリセロールエステルヒドロラーゼによる基質の加水
分解に対する系における比率の影響の実例を表I Aに示
した。このデータでは,2種の異なる界面活性剤濃度にお
ける酵素活性を多数の異なる濃度のトリオクタノインに
ついて測定した。表I Aのデータに使用した界面活性剤
は時にC 16DAPS(Calbiochem社市販の“Zwittergent 3
−16")と略する双性イオン性塩である。
表I Aのデータから分るように,系における比率に依
存し,また界面活性剤の濃度には依存しないで酵素活性
がなくなるか(すなわち,酵素の作用が消失する)加水
分解活性が観察されなくなる。このデータはトリグリセ
リドの絶対濃度および界面活性剤の絶対濃度のいずれも
が酵素が活性であるか否かを決定しないことを示してい
る。酵素活性の速度論的プロフィールを最も良く表現し
ているのは実際には界面活性剤に対する油の比率であ
る。表I Aで検討した酵素については,この特定の双性
イオン性界面活性剤に関連する臨界比(すなわち,酵素
活性が発揮される系における比率)の値は10から20の範
囲である。系における比率が10以下では酵素は不活性で
ある。系における比率が20以上では酵素は活性である。
P.putida ATCC 53552の酵素が異なる臨界比を示す別
の界面活性剤,オレイン酸ナトリウムを用いた,上記現
象の別の実施例を表I Bに示した。
表I Bのデータに使用した基質はトリオレインであ
る。基質濃度(表には示していない)を変化させ,表に
示した系における比率を得た。オレイン酸は加水分解反
応の生成物であるので,表I Bに要約した実験で使用し
た界面活性剤,オレイン酸ナトリウムは興味深い。
表I AおよびI Bに述べた酵素活性の測定実験は次のよ
うにして行った。
(i)試料の調製: 必要量のトリグリセリドをMettler天秤(型式番号 A
E163)上で適当な大きさのビーカ中で秤量した。あらか
じめ調製してあった界面活性剤保存水溶液から対応する
量の界面活性剤をトリグリセリドに加えた後,トリグリ
セリドと界面活性剤を手動で混合した。次にこの試料の
重量を二回蒸溜水を用いて必要量に調製した。酵素活性
を測定する前に試料の乳化を超音波装置(Braun−Sonic
型式2000)を用い,氷中で約2分間,行った。
(ii)酵素活性測定: 酵素活性の測定はエマルジョン中のトリグリセリドの
酵素的加水分解による酸の遊離速度を測定することによ
って行った。測定は調製したエマルジョン10mlにリパー
ゼ約2ppmを加えることによって開始した。遊離した酸は
Radiometer pH−スタット(型式番号ABU80)を用い,終
点をpH10として自動滴定によって測定した。反応の最初
の5分間に初期速度を測定し,反応速度を滴定したH+
μmol数/分・mgEとして報告した。酵素活性は時に油全
量に対する14分間に加水分解された量の百分率で報告し
てある。これらの実験においては反応を14分間,行なわ
せ,滴定した酸の量を記録した。次に油(トリグリセリ
ド)全量に対する加水分解された量の百分率をトリグリ
セリドの各当量について3当量のオレイン酸が生成する
と仮定して論理的に計算した値で測定値を割ることによ
って計算した。全ての測定は周囲温度で行った。
水溶液における界面活性剤に対する油の臨界比に対す
る加水分解の発現の依存性は表I Aおよび表I Bのデータ
に使用した特定のグリセロールエステルヒドロラーゼに
特異的ではない。むしろ,原則は他のグリセロールエス
テルヒドラーゼについても一般的であることが見い出さ
れた。このことは表II−Vに示した。表II−Vには各種
の非イオン性およびアニオン性界面活性剤および数種類
の異なる酵素についての臨界比を示した(基質はトリオ
クタノイン)。表II−Vに示した各種の酵素は高濃度の
界面活性剤でも検討した結果,系における比率に対する
依存性が確認された。
表I−Vから分るように,特定の酵素についての臨界
比は界面活性剤の独自性に依存する。
次の表VI−IXは加水分解が基質の種類にも依存するこ
とを示している。表VI−IXのデータは油として(表I−
Vにおけるトリオクタノインではなく)トリオレインを
使用して収集した。
上記のデータは『表の要約』によって要約されよう。
ここでは“++”は臨界比が0.01−0.1,“+”は臨界比
が0.1−1.0,“0"は臨界比が1.0−10,また“−”は臨界
比が10−100であることを意味する。
使用比率 検討した4種の酵素(表I−IX)全てについて,各界
面活性剤の臨界比が明らかにされた。これらの界面活性
剤は市販の洗剤成分中で最も一般的に使用されている界
面活性剤の一部である。上記滑面活性剤成分は洗濯溶液
に溶解する場合に(72リットルの洗浄用溶液に対する平
均負荷量が2−3kgと仮定して)界面活性剤濃度の範囲
が約0.2mMから約1.5mMとなる量で使用される米国におけ
る洗濯用途に通常,推奨されているものである。
家庭における洗濯の対象となる織物の油汚れの平均量
は織物100g当たり油300mgと推定されている(Andreeら,
J.App.Biochem.,2,pp.218−229(1980))。このことは
上記に示した比率依存性に基づけば,(洗濯溶液中の界
面活性剤の実際のモル数に対する実際の油濃度の)使用
比率は酵素活性が発揮される臨界比より低いので大半の
市販洗剤に含まれるリパーゼでは洗浄上の利点がほとん
ど,あるいは全く得られないことを示している。このよ
うな状況はヨーロッパおよび日本についても同様であ
る。なぜならば,織物の負荷量,洗浄用溶液および洗剤
推奨使用法は米国と異なるが,使用比率は通常,日本に
ついては約0.6未満であり,ヨーロッパについては約0.4
未満だからである。
すなわち,洗剤推奨使用量に基づけば,また各種の洗
剤成分および界面活性剤の分子量を考慮すると,最も一
般的な洗剤についての系における比率は通常,1未満であ
り,より通常的には約0.2−0.6である(使用比率の計算
においては,溶液全体の濃度を仮定し,また界面におけ
る影響の可能性を無視した。)しかし,表II−IXのデー
タから分るように,(油をトリオクタノインとして)本
発明で検討した一般的な界面活性剤の臨界比は一般に約
1より大きい。使用比率が臨界比より低い場合の性能で
は,洗濯溶液にリパーゼを含める試みは一般に無効であ
った。
洗濯のための通常の洗剤成分はビルダー塩のような種
々の添加剤を含んでいる。洗剤に一般に使用されている
添加剤は使用濃度において臨界比にそれほど影響しない
ことが見い出された(データは示していない)。
臨界比が異なる界面活性剤を配合した場合の臨界比は
配合剤中の個々の界面活性剤のそれとは異なる。本発明
を実施することにより,界面活性剤を混合して配合界面
活性剤の臨界比を個々の臨界比の中でより低い値以下に
することができる。このことについては,以下において
さらに説明する。
従来の洗剤成分の一つはNeodol 25−3SとC12LASの混
合物である(モル比 1:0.4)。この従来の洗剤成分は
洗剤溶液にリパーゼを含めようとする以前の試みが困難
であることを実際に示している。表VIの洗剤成分中の界
面活性剤成分についての適切なデータを検討することに
よって,臨界比は使用比率よりはるかに高いと結論でき
よう。この結論は表Xのデータが示すように織物試料に
ついての試験および洗濯機を使用する試験を実施した場
合に事実であることが分る。表Xでの溶液には従来の洗
剤または従来の洗剤にATCC 53552酵素を添加したものを
含めた。
表Xのデータが示すように,酵素を添加した洗剤成分
の汚れ除去値は酵素を添加しない洗剤成分での汚れ除去
値と統計的に変わらない。使用比率を計算することによ
って,使用比率が臨界比測定値である10−20より低かっ
たことが示され,したがって酵素が不活性であったので
ある。
既に記載されているように,汚れ除去率は“%SR
(E)”と呼ぶ汚れ除去尺度で測定した。この尺度は汚
れの付いた,処理済み試験試料の外見の変化と最大限の
変化との比率を表現する尺度である。
%SR(E)の値は次のように計算する: ここで,ESおよびEOWはCIE L色彩空間(col
or space)における距離であり,([Hunter,The Measu
rement of Appearance(New York:John Wiley & Sons,
1975)pp.302−303を参照],次の式によって得られ
る: ここで,下付き文字o,sおよびwはそれぞれ最初の汚れ
の付いていない未処理試験試料,汚れの付いた未処理試
料および汚れの付いた処理試料を意味する。
“LSD"と呼ぶ統計的検定は分散分析において分散を全
ての試験群から推定する二標本t検定法を用いて95%信
頼度で統計的に有意とする群内平均間の最小差に関連す
る。
以上を簡潔に要約すると,洗剤溶液中で織物の天然の
油汚れを加水分解できる酵素では加水分解能の発現につ
いて洗剤溶液中の界面活性剤に対する油の使用モル比が
臨界値に対する依存性を持つことが示された。この臨界
比は洗剤溶液中の界面活性剤の種類(および洗剤溶液中
の油の種類)によって変化する。しかし,最も一般的な
洗剤の使用比率は通常は1未満であり,また検討された
一般的な界面活性剤の臨界比は一般に約1より大きいの
で,リパーゼは概して不活性である。
しかし,本発明では,界面活性剤に対する油の比率を
変化させたり,界面活性剤の臨界比を変化させたりする
加水分解活性化手段によって酵素による加水分解を開始
させる方法を発見した。次に臨界比を変化させる方法の
実施例をさらに完全に述べる。また,本発明の成分は1
種類以上のリパーゼまたはクチナーゼで処方すると利点
が得られる。
油その他の有機化合物を添加する場合の系における比率
の増加 油を添加し,酵素が油汚れを加水分解するように洗剤
溶液中の界面活性剤に対する油の比率を増加させること
によって,界面活性剤存在下においてヒドロラーゼの作
用を発揮させることができる。この添加油(洗浄される
汚れた織物にみとめられるトリグリセリド以外の油であ
り,油汚れと共に臨界比の計算において分子となる油成
分を構成する)は酵素の基質である必要はない。酵素の
作用を発揮させる手段として添加油を用いれば添加しな
い場合に考えられる濃度より低濃度の油汚れを洗濯中に
除去することもできる。
望ましい添加油(基質ではない)はヘキサデカンおよ
びオクタデカンである。基質ではない油の添加について
は表XIのデータによって示した。
表XIのデータから分るように,トリオレイン濃度を0.
3mM,系における比率を1とする場合にはヒドロラーゼ活
性は認められない。トリオレイン濃度を1.5mMとすると
系における比率は5となるが,この場合にはヒドロラー
ゼ活性がみとめられる。0.3mMのトリオレインに1.2mMの
ヘキサデカンを添加すると,基質濃度は0.3mMと変らな
くとも0.3mMのスルホン化JL−80Xの存在下でヒドロラー
ゼは活性であることが見い出された。
基質である油の混合物は臨界比をも調節するために使
用できる。表XIIは添加する油を基質とし,酵素を活性
化するために系における比率を臨界比より高くするため
に使用した実施例である。
表XIIのデータから分るように,0.5mMスルホン化JL−8
0Lに乳化した0.25mMトリオレインは酵素によって加水分
解されない。同様に,0.5mMスルホン化JL−80Lに乳化し
た2.25mMトリオクタノインも加水分解されない。しか
し,双方の油(0.25mMトリオレインおよび2.25mMトリオ
クタノイン)を一緒にして0.5mMスルホン化JL−80Lに乳
化すると,油全量の56%が加水分解される。
(すでに考察したヘキサデカンのような添加油の他
に)加水分解反応に関与しない他の有機化合物を臨界比
を得るために使用することができる。適切な有機化合物
は比較的不溶性であり,また極性基は酵素活性を妨害す
ることがあるので極性基をほとんどあるいは全く含まな
いことが望ましい。しかし,有機化合物の極性基が適切
な分枝または長鎖アルキル基で遮蔽されている場合は,
多少,極性があっても支障はない。荷電置換基(例えば
−COO-Na+)は望ましくない。(酵素の基質とはならな
い)比較的不溶性の有機化合物はエステル(例えば,酢
酸ブチル,酪酸ブチル,ステアリン酸ブチル,プロピオ
ン酸ブチル,カプリル酸エチル),グリコール(ジオー
ル)誘導体(例えば,ジエチレングリコールモノラウリ
ン酸,エチレングリコールジメチルエーテル),アルコ
ール(例えばラウリルアルコール),アルデヒド,ケト
ン(メチルブチルケトン,メチルノニルケトン)および
アミド(例えば,N,N−ジエチルドデカンアミド)から選
択することができるが,これらの物質に限られることは
ない。次の式によるこれらの物質の溶解度,δは約7−
9.5であることが望ましい。
ここで,ΣGは分子中の全ての原子および官能基の総
計,dは密度,Mは分子量である。ここで引用するJ.Brandr
upおよびE.H.Immergut著,Polymer Handbook,(第2版,J
ohn Wiley & Sons,1975),pp.IV−337からIV−353が示
し,報告しているような溶解度,δが約8.0−9.0の物質
が特に望ましい。好適には極性基をほとんど,あるいは
全く含まない比較的不溶性の化合物は『有効』な油全濃
度を増加させるに充分な油(基質または非基質)の化学
的アナログである。したがって,このような比較的不溶
性の有機化合物は界面活性剤に対する油の比率を変化さ
せるための手段のもう一つの実施例である。
表XIIIにトリオクタノインを基質とする場合の臨界比
を望ましい値にするために適切な比較的不溶性の有機化
合物,N,N−ジエチルドデカンアミドの使用法を示した。
表XIから表XIIIまでのデータはP.putida ATCC 53552
の酵素を使用して収集した。しかし,他の酵素も酵素の
臨界比が高い界面活性剤の存在下でも,洗剤成分に酵素
の基質ではない油を加えることによって同様に活性化す
ることができる。このことを酵素をAmano Pとする表XIV
のデータによって示した。
本発明の酵素成分における界面活性剤に対する油加水
分解活性化剤(基質,非基質にかかわらず)のモル比は
約0.5より大きいことが望ましい。このモル比は洗濯す
る織物の油汚れを平均0.34mM,界面活性剤濃度を平均0.7
5mMと仮定する場合,望ましい臨界比を約1より大きく
ないとすることによって計算できる。
界面活性剤添加による臨界比の低下 各種界面活性剤についての特定のリパーゼまたはクチ
ナーゼの臨界比を決定するために,ヒドロラーゼについ
て界面活性剤および加水分解可能な基質を加えた水溶液
中で加水分解活性を測定した。加水分解活性を測定する
に当たっては界面活性剤と基質の比率を変化させた。例
えば,表I Aは比率を変化させることによって通常得ら
れるタイプのデータを示す。
望ましい臨界比は通常,1より大きくないので,臨界比
が約1または1未満であることが見出されるまで1種類
以上(および/または別のヒドロラーゼ)について試験
を行う必要がある。例えば,表I Aで試験を行った酵素
は界面活性剤をNeodol25−3S,基質をトリオクタノイン
とする場合,臨界比の範囲は0.5−1であった。次に,
臨界比を約1または1未満となるように選択したリパー
ゼまたはクチナーゼおよび界面活性剤を加えることによ
って洗濯成分を処方することができる。
特定の酵素についての臨界比が高い界面活性剤をその
酵素についての臨界比が低い界面活性剤と混合すれば混
合界面活性剤についての酵素の臨界比が低下することが
発見された。このことは(本発明の酵素成分の)酵素の
作用を発揮させ,加水分解を起こさせるように界面活性
剤の臨界比を変化させる手段の実例である。この実施例
をトリオクタノインを油,言いかえると基質として用
い,また表IIの場合と同一のヒドロラーゼ(2μg/ml)
を用いた表XVに示した。酵素活性は初期速度で測定し,
また反応は終点をpH10.00として周囲温度で行った。
表に示した配合によって臨界比は1まで低下したが,
それでも酵素を活性にするほど低くはない。すなわち,
表XVのデータから分るように,モル分率が0.1−0.2のSD
Sを臨界比が高い界面活性剤と混合すると,界面活性剤
混合物の臨界比をSDS単独の場合のそれより低下させる
のに有効であったが,この値は市販の洗剤処方に充分な
程低くはない。表XVIに臨界比を低下させるのに有効な
界面活性剤の混合物を示した。この場合もトリオクタノ
イン(0.64mM)を油として用い,またヒドロラーゼは表
IIと同一とした。
表XVIのデータから分るように,0.3mMの界面活性剤を
0.64mMの油と共に用い,系における比率を2とする場
合,加水分解は起きない。しかし,系におけるモル比を
同一とし,界面活性剤Neodol 25−9とNeodol 35−3Sの
比率を1:1とする混合物では,全量に対して60%の加水
分解が起きる。この系は商業的に使用可能な界面活性剤
系である。
表XVIIに臨界比の高い界面活性剤と臨界比の低い界面
活性剤を混合し,混合物の臨界比を低下させた別の実施
例を示した。モル比を1:1に一定にしたNeodol 25−9と
Neodol 25−3Sの界面活性剤成分を調製した。基質(ト
リオタクノイン)濃度を通常の使用濃度(0.64mM)の約
3倍とし,7分後における基質全量に対する加水分解の百
分率を溶液中の界面活性剤全濃度を変化させて測定し
た。
表XVIIのデータから分るように,調製した界面活性剤
混合物では系における比率が0.5の場合に酵素活性がみ
とめられた。したがって,臨界比は少くとも0.5または
それより低かった。対照的に,界面活性剤Neodol 25−
9自体での系における比率は酵素活性を測定する前は約
20であった。したがって,Neodol 25−3Sを1:1のモル比
で加えることによって,Neodol 25−9の臨界比は約20か
ら約0.5に低下した。
表XVIIIには臨界比の高い界面活性剤と臨界比の低い
界面活性剤を混合すると,協同的な作用によって,混合
物の臨界比は双方の滑面活性剤成分より低い値まで低下
する別の実施例を示した。C12LASとNeodol 25−9の界
面活性剤成分混合物をモル比が2:1になるように調製
し,個々の界面活性剤に対して比較する試験を行った。
表XVIIIのデータによって示した試験における界面活
性剤混合物ではPseudomonas putidaの酵素の活性が0.05
−0.1の範囲の臨界比でみとめられた。油はトリオレイ
ンを使用した。対照的に,界面活性剤Neodol 25−9自
体の臨界比は0.5mMで10−20の範囲であり,界面活性剤C
12LAS自体の臨界比は0.5mMで5−10であった。このよう
に,上記の2種の界面活性剤を配合すると,配合剤の臨
界比はいずれの界面活性剤自体の臨界比より低い値まで
低下した。
本発明の成分 トリグリセリドが付いている織物を洗濯するための単
位量に有用な望ましい洗剤成分は全成分の単位量を選択
溶液に溶解する場合,界面活性剤濃度が約0.2mMから約
1.5mMとなる界面活性剤処方からなる。特に望ましい成
分はP.putida ATCC 53552から単離することが可能な酵
素を含み,また,その量は全成分の単位量を選択溶液に
溶解する場合に,織物のトリグリセリドの少くとも約5
重量%を加水分解するのに充分な量である。
例えば,本発明による成分(『発明成分』と呼ぶ)は
非イオン性界面活性剤Neodol23−6.5と非イオン性界面
活性剤スルホン化JL−80Xをモル比が1:0.2になるように
混合することによって調製した。この他の添加剤およ
び,その比率は次の通りである。成分 重量% 界面活性剤 (Neodol23−6.5/ 3.7 スルホン化JL−80X) 26.0 脱イオン水 0.6 トリポリリン酸ナトリウム 炭酸ナトリウム 10.5 ポリケイ酸ナトリウム 1.5 アルカリプロテアーゼ2,3 0.8/0.6 光沢剤 0.9 色素 0.1 香料 0.2 商標名Britesil PQ Corporationが市販 商標名Alcalaseノボインダストリー社が市販 商標名Savinaseノボインダストリー社が市販 商標名Trinopal5BM−XCチバガイギー社が市販 この洗剤成分に加えたヒドロラーゼは1988年5月25日
に発行されたWiermanらの欧州協同体特許出願第268,456
号に述べられている方法にしたがい,P.putida ATCC 535
52を増殖させ,単離したが,本出願書閲覧の便宜上,下
記でも述べる。
(A)接種および醗酵 接種培地は0.6%普通ブイヨン(Difco)および1%グ
ルコース(pH6.5)で調製した。この培地100mlを500ml
のフェルンバッハフラスコ中で滅菌した。各フラスコに
普通培地で一夜,増殖させたP.putida ATCC 53552の培
養試料を白金耳を用いて接種した後,New Brunswick振盪
装置に載せ,37℃,250rpmで12時間,振盪した。12時間,
インキュベートした培養試料の適当量(1−10%v/v)
を1リットルの醗酵装置(操作容量250ml),15リットル
Biolafitte発酵装置(操作容量12リットル)または温度
調節装置,RPM,空気流量および圧力の調節装置が付いて
いる100リットルBiolafitte醗酵装置に接種した。醗酵
培地には0.6%普通培地(Difco),0.3%リンゴクチンお
よび0.2%酵母エキス(Difco)を加え,初期pHを6.5と
した。この培地をpH6.8に調節し,接種前に40分間,滅
菌した。細菌の増殖および酵素産生は醗酵装置中で12−
15時間,継続させた。
(B)微量ロ過による酵素回収 粗製の醗酵試料を二枚のRomicon微孔膜(0.22μ)を
付けたAmicon装置で先ずロ過し,細胞を除去した。クチ
ン粒子に結合した膜上残留酵素は遠心によって集めた。
全回収量は約90%であった。
(C)全細胞ロ液の濃縮および透析 Amicon装置から回収したロ液を二個のRomicon Pm 10
モジュールを付けたAmicon限外ロ過装置で3リットルに
濃縮した。次に,濃縮材料を0.01Mリン酸バッファー(p
H7.5)20リットルを用いて透析し,塩類と色素を除去し
た。この段階における回収率は平均,約80%であった。
この粗製標品の全活性は8.68x106単位であった。リパー
ゼ1単位は0.1重量%のTriton X−100を含む0.1M Tris
−HClバッファー(pH8.0)中でmMのp−ニトロフェニル
酪酸と20℃でインキュベートする場合に,415nmにおける
吸光度を1分当たり1.0増加させる酵素量と定義する。
(D)ヒドロラーゼの完全単離 希望の酵素は同様にリパーゼ活性を持つ別酵素と疎水
性樹脂によるクロマトグラフィによって完全分離するこ
とができる。限外ロ過および透析後の実施例III(C)
の酵素溶液のNaCl濃度を0.5Mに調節した後,0.5M NaClを
含む10mM Tris(Cl)(pH8)と平衡化したオクチルセフ
ァロースカラム(0.8x7cm)に充填し,非結合タンパク
質を除去するために洗浄した。洗浄後,カラムをn−プ
ロパノール濃度が50%になるまでの濃度勾配液で展開し
た。カラム画分についてリパーゼ活性の位置を決定する
ために,p−ニトロフェニル酪酸(PNB)およびp−ニト
ロフェニルカプリン酸(PNC)に対する活性を測定し
た。2種の酵素は明確に分離し,画分32のPNB/PNC比は
4.6(これは希望の酵素である),画分51のPNB/PNC比は
1.40であった。
油汚れ除去の改善 織物を用いる試験および洗濯機を用いる試験双方をこ
こで述べる本発明の成分を用いて実施した。
織物を用いる試験(1)では2ppmのヒドロラーゼをす
でに発明成分(a)として述べた洗剤成分と混合した。
洗濯機を用いる試験(1)では20ppmのヒドロラーゼを
上記成分と混合した。双方の試験では合成皮脂で汚れを
つけた織物を用いた。合成皮脂の汚れは次のように調製
した。すなわち,次の比率で油を混合した: %w/w ステアリン酸 5 スクアレン 5 コレステロール 5 リノール酸 5 オレイン酸 10 パラフィン油 10 パルミチン酸 10 ココナツ油 15 精液ろう(Sperm wax) 15 オリーブ油 20 上記の溶解油15gにオレイン酸0.6g,トリエタノールア
ミン1.2gおよび木炭0.225gを加えた。次に55℃の水60ml
を加え,混合液を1分間,撹拌した。
織物を用いる試験(1) 綿織物に合成皮脂による汚れを付けた後,14分,撹拌
し,ついで5分,すすぐことにより試験ビーカ中で洗浄
した。洗濯溶液は水250mlに発明成分(a)0.205gを溶
解したものであった。ヒドロラーゼを含まない対照成分
も調製し,同一の方式によって,よごれを付けた綿織物
を処理するのに使用した。表XIXに発明成分(a)と対
照成分の汚れ除去率を示した。
表XIXの綿織物を使用した試験データから分るよう
に,発明成分について汚れ除去率が統計的に向上するこ
とがみとめられた。
洗濯機を用いる試験(1) ポリエステル織物に皮脂,植物油またはオリーブ油で
汚れを付けた。次に,これらの織物を72リットルの洗濯
機中で温度を36℃として12分間,洗浄し,通常のすすぎ
サイクルですすいでから空気乾燥させた。一組の織物を
発明成分59gを溶解した洗濯溶液で処理し,別の一組の
織物をヒドロラーゼを除いた他の発明成分と同一の対照
成分で処理した。%SRで表わした汚れ除去データを表XX
に示した。
表XXのデータから分るように,ポリエステル織物で試
験を行った全ての汚れについて統計的に有意の汚れ除去
率が得られた。
織物および洗濯機を用いる試験(2) ポリコットン製織物を切断して10cmx10cmの大きさの
布切れとした。各布切れの重量は約0.39gであった。必
要量のトリオレインを2−メチルペンタンに溶解し,各
布切れにピペットを用いて塗布した(200μL/布切
れ)。トリオレインの汚れを室温で72時間,放置し,余
分の汚れを除去した。汚れの反射率をHunter分光光度計
を用いて評価し,洗浄前値(吸収物質種の濃度に比例)
を測定した。
汚れを付けた布切れを1群4枚に分け,250mlの瓶に入
れ,各瓶に必要な処理液200mlを加えた。次に,これら
の瓶を室温で12分間,振盪し,2回蒸溜水200mlで2回,
すすいだ。最後に,空気乾燥させ,洗浄後の値(吸収物
質種の濃度に比例)を測定した。
比較処理A:布切れを0.3mM C12LAS/Neodol25−9(モル
比,2:1)からなる界面活性剤成分で洗浄した。リパーゼ
は加えなかった。
発明処理B:界面活性剤成分に5ppmのリパーゼATCC 53552
を加えた以外はAと同様。
比較処理C:0.3mM C12LAS/Neodol 25−9(モル比,約1:
4)からなる界面活性剤成分を含む別の処方液中で洗浄
した。リパーゼは加えなかった。
発明処理D:界面活性剤成分に5ppmのリパーゼATCC 53552
を加えた以外は処理Bと同様。
各処理において除去された油汚れの量を表XXIに要約
した。
表XXIのデータから分るように,本発明による成分を
使用するとポリコットン織物の油の33%から60%が除去
され,この除去率はヒドロラーゼを含まない場合より
(ヒドロラーゼを含む)本発明成分の方が顕著に良好で
あった。LSD値はこの除去率が統計的に有意であること
を示している。
要約すると,本発明の酵素成分は洗濯溶液中で有用で
あり,洗濯溶液中において織物に付いている天然の油汚
れを加水分解できる酵素および界面活性剤に対する油の
比率を変化させるか,または界面活性剤の臨界比を変化
させる加水分解活性化手段からなる。洗濯溶液に使用
し,その結果,酵素が油汚れを加水分解する点で活性と
なる加水分解活性化剤のいくつかの実施例を示した。酵
素がトリグリセリドによる汚れ全量の少くとも約5重量
%を約25℃で約14分または15分以内に加水分解するに充
分な活性を示す場合に,通常,加水分解の発現を観察す
ることができる。本発明の加水分解活性化手段を用いな
いと,洗濯溶液に約0.1mMから5mMの界面活性剤が含まれ
る場合には,酵素は加水分解性の天然の油のしみまたは
汚れによって阻害されるのが通常である。本発明の加水
分解活性化手段の効果を別の方法で表現すると,本発明
にしたがい,本発明の加水分解活性化手段を界面活性剤
処方と混合する場合,リパーゼまたはクチナーゼは少く
とも約30mgのトリオレインを加水分解することが可能と
なり,単位量の洗濯成分をpH10,25℃で水溶液に溶解す
ると約14分間における脂肪酸の生成平均速度が約0.0072
mmoles/分であるということになる。このように,本発
明にしたがえば,洗浄時間を延長することや温度を高く
する必要のない条件で,洗濯溶液中に使用するためのリ
パーゼおよび/またはクチナーゼを含む界面活性剤系を
処方することができる。
本発明を特定の実施例を引用して述べたが,種々の改
良・変化は本発明の趣旨から逸脱せずにこの分野の技術
の当業者が容易に行えることを理解する必要がある。し
たがって,上記の開示内容は実例として解釈すべきであ
り,制約的な意味で解釈すべきではない。本発明はすで
に述べた特許請求の範囲のみによって制約される。
フロントページの続き (72)発明者 スーザン・エイ・アンダーソン アメリカ合衆国カリフォルニア州メン ロ・パーク、エディソン・パーク3499 (72)発明者 シェルドン・エヌ・ルイズ アメリア合衆国カルフォルニア州ラファ イエッテ、ローズ・コート3711 (72)発明者 リチャード・ジェイ・ウィーアスマ アメリカ合衆国カリフォルニア州トレー シー、バーベドー・アベニュー200 (56)参考文献 特開 昭63−148988(JP,A) 特開 昭63−32485(JP,A) 特開 昭63−68697(JP,A) 特開 昭62−283199(JP,A) 特開 平2−150498(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 3/386 C12N 9/20 D06L 1/00 C12R 1:40

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗濯用途のための酵素成分であって、 洗濯溶液中で織物の天然の油汚れを加水分解可能な酵素
    であって、加水分解が臨界比を超える、洗濯溶液中にお
    ける油汚れ対界面活性剤のモル比に依存して始まり、前
    記臨界比は特定の界面活性剤に依存するところの酵素
    と、 酵素が油汚れを加水分解するように当該成分を用いる洗
    濯溶液中における界面活性剤の臨界比を変化させるため
    の加水分解活性化手段と、 から成り、 前記加水分解活性化手段は、炭化水素、酵素基質、比較
    的不溶性の有機化合物またはこれらの混合物から選択さ
    れる、 ところの酵素成分。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の酵素成分であって、 加水分解活性化手段は、ヘキサデカン、オクタデカン、
    トリオクタノイン、トリオレインまたはN,N−ジエチル
    ドデカンアミドである、 ところの酵素成分。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の酵素成分であって、 酵素は、リパーゼまたはクチナーゼである、 ところの酵素成分。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の酵素成分であって、 酵素は、シュードモナス属、クロモバクター属、アスペ
    ルギルス属、アシネトバクター属またはフザリウム属か
    ら得られる遺伝子を発現する微生物から単離可能であ
    る、 ところの酵素成分。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の酵素成分であって、 酵素は、シュードモナス・プティダATCC 53552、この変
    異株またはこのクローン株から単離可能である、 ところの酵素成分。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の酵素成分であって、 さらに少なくとも1種の界面活性剤を含み、該界面活性
    剤に対する加水分解活性化手段のモル比が約0.5より大
    きい、 ところの酵素成分。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の酵素成分であって、 界面活性剤は、 ドデシル硫酸ナトリウム、 C8H17−φ−(OCH2CH2−H、およびこれらの混合物
    からなる群より選択され、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3であり、R2
    は炭素原子数が約12個から15個のアルキル基またはこれ
    らの混合物であり、mは平均約9であり、またR3は炭素
    原子数が約9個から11個のアルキル基またはこれらの混
    合物であり、oは平均約4.5、pは平均約1.5、qは平均
    約4.5、またrは平均約10である、 ところの酵素成分。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の酵素成分であって、 酵素は、シュードモナス属、クロモバクター属、アスペ
    ルギルス属またはフザリウム属から得られる遺伝子を発
    現する微生物から単離可能である、 ところの酵素成分。
  9. 【請求項9】請求項6に記載の酵素成分であって、 酵素は、シュードモナス・プティダATCC 53552、この変
    異株またはこのクローン株から単離可能である、 ところの酵素成分。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の酵素成分であって、 界面活性剤は、 ドデシル硫酸ナトリウム、 またこれらの混合物から選択され、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3であり、R2
    は炭素原子数が約12個から15個のアルキル基またはこれ
    らの混合物であり、mは平均約9であり、またR3は炭素
    原子数が約9個から11個のアルキル基またはこれらの混
    合物であり、oは平均約4.5、pは平均約1.5、qは平均
    約4.5である、 ところの酵素成分。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の酵素成分であって、 界面活性剤は、 ドデシル硫酸ナトリウム、 またはこれらの混合物から選択され、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3であり、R2
    は炭素原子数が約12個から15個のアルキル基またはこれ
    らの混合物であり、mは平均約9であり、またR3は炭素
    原子数が約9個から11個のアルキル基またはこれらの混
    合物であり、oは平均約4.5、pは平均約1.5、qは平均
    約4.5である、 ところの酵素成分。
  12. 【請求項12】油汚れが付いた織物を、リパーゼまたは
    クチナーゼ、および少なくとも1種の界面活性剤を含む
    溶液中で洗濯する方法であって、 炭化水素、酵素基質、比較的不溶性の有機化合物および
    これらの混合物から成る群より選択される剤を含む加水
    分解活性化手段を上記溶液に添加する工程を含み、 ここで、加水分解が臨界比を超える、洗濯溶液中におけ
    る油汚れ対界面活性剤のモル比に依存して始まり、前記
    臨界比は特定の界面活性剤に依存し、 加水分解活性化手段は、リパーゼまたはクチナーゼが油
    汚れを加水分解するように当該成分を用いる洗濯溶液中
    における界面活性剤の臨界比を変化させる、 ところの方法。
  13. 【請求項13】油汚れが付いた織物を洗濯溶液中で洗濯
    する方法であって、 少なくとも1種の界面活性剤、リパーゼまたはクチナー
    ゼ、並びに炭化水素、酵素基質、比較的不溶性の有機化
    合物およびこれらの混合物から成る群より選択される加
    水分解活性化剤を添加する工程を含み、 ここで、加水分解が臨界比を超える、洗濯溶液中におけ
    る油汚れ対界面活性剤のモル比に依存して始まり、前記
    臨界比は特定の界面活性剤に依存し、 加水分解活性化手段は、リパーゼまたはクチナーゼが油
    汚れを加水分解するように当該成分を用いる洗濯溶液中
    における界面活性剤の臨界比を変化させ、 界面活性剤と加水分解活性化手段を溶液に添加し、加水
    分解活性化手段対界面活性剤のモル比を、界面活性剤に
    対するリパーゼまたはクチナーゼの臨界比より大きくな
    るようにする、 ところの方法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の方法であって、 界面活性剤に対する加水分解活性化剤のモル比が約0.5
    より大きくなるような相対量で界面活性剤と加水分解活
    性剤を添加する、 ところの方法。
  15. 【請求項15】請求項13に記載の方法であって、 酵素は、シュードモナス属、クロモバクター属、アスペ
    ルギルス属、アシネトバクター属またはフザリウム属か
    ら得られる遺伝子を発現する微生物から単離可能であ
    る、 ところの方法。
  16. 【請求項16】請求項13に記載の方法であって、 酵素は、シュードモナス・プティダATCC 53552、この変
    異株またはこのクローン株から単離可能である、 ところの方法。
  17. 【請求項17】請求項13に記載の方法であって、 界面活性剤は、 ドデシル硫酸ナトリウム、 またはこれらの混合物から選択され、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3であり、R2
    は炭素原子数が約12個から15個のアルキル基またはこれ
    らの混合物であり、mは平均約9であり、またR3は炭素
    原子数が約9個から11個のアルキル基またはこれらの混
    合物であり、oは平均約4.5、pは平均約1.5、qは平均
    約4.5である、 ところの方法。
  18. 【請求項18】洗濯用途のための酵素成分であって、 洗濯溶液中で織物の天然の油汚れを加水分解可能な酵素
    であって、加水分解が臨界比を越える、洗濯溶液中にお
    ける油汚れ対界面活性剤のモル比に依存して始まり、前
    記臨界比は特定の界面活性剤に依存するところの酵素
    と、 酵素が油汚れを加水分解するように当該成分を用いる洗
    濯溶液中における界面活性剤の臨界比を変化させるため
    の加水分解活性化手段と、 から成り、 前記加水分解活性化手段は、界面活性剤を含み、該界面
    活性剤は洗濯溶液中で他の界面活性剤と配合する場合、
    配合の臨界比が約1より大きくならないように選択され
    る、 ところの酵素成分。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の酵素成分であって、 酵素に関連する第1の臨界比をもつ少なくとも1種の第
    1の界面活性剤を含み、また前記加水分解活性化手段
    は、酵素に関連する第2の臨界比をもつ第2の界面活性
    剤を含み、第1および第2の界面活性剤の配合臨界比が
    第2の臨界比以下となるように選択される、 ところの酵素成分。
  20. 【請求項20】請求項18に記載の酵素成分であって、 酵素は、シュードモナス・プティダATCC 53552、この変
    異株またはこのクローン株から単離可能である、 ところの酵素成分。
  21. 【請求項21】請求項18に記載の酵素成分であって、 界面活性剤は、 またはR2−(OCH2CH2−Hであり、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3であり、R2
    は炭素原子数が約12個から15個のアルキル基またはこれ
    らの混合物であり、mは平均約9である、 ところの酵素成分。
  22. 【請求項22】請求項19に記載の酵素成分であって、 酵素は、シュードモナス・プティダATCC 53552、この変
    異株またはこのクローン株から単離可能である、 ところの酵素成分。
  23. 【請求項23】請求項22に記載の酵素成分であって、 界面活性剤は、 またはR2−(OCH2CH2−Hであり、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3であり、R2
    は炭素原子数が約12個から15個のアルキル基またはこれ
    らの混合物であり、mは平均約9である、 ところの酵素成分。
  24. 【請求項24】洗濯溶液中の界面活性剤が、界面活性剤
    の推奨使用濃度に対する織物の油汚れのモル比が酵素と
    界面活性剤の臨界比より低い場合に、油汚れの加水分解
    を阻害するとき、織物の油汚れを加水分解するために界
    面活性剤洗濯溶液中でリパーゼまたはクチナーゼを有効
    に使用する方法であって、 界面活性剤洗濯溶液にリパーゼまたはクチナーゼおよび
    加水分解活性化界面活性剤を添加する工程を含み、加水
    分解界面化活性活性剤は界面活性剤の配合の臨界比が加
    水分解活性化界面活性剤のそれ以下となるように選択さ
    れる、 ところの方法。
  25. 【請求項25】請求項24に記載の方法であって、 酵素は、シュードモナス・プティダATCC 53552、この変
    異株またはこのクローン株から単離可能である、 ところの方法。
  26. 【請求項26】請求項25に記載の方法であって、 加水分解活性化界面活性剤は、 ドデシル硫酸ナトリウム、 C12H25−φ−SO- 3Na+、またはこれらの混合物であり、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3である、 ところの方法。
  27. 【請求項27】請求項24に記載の方法であって、 界面活性剤は、 C12H25−φ−SO- 3Na+、またはこれらの混合物であり、 ここでR1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基ま
    たはこれらの混合物であり、nは平均約3である、 ところの方法。
  28. 【請求項28】請求項24に記載の方法であって、 界面活性剤は、 またはC12H25−φ−SO- 3Na+であり、 ここでR1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基ま
    たはこれらの混合物であり、nは平均約3である、 ところの方法。
  29. 【請求項29】請求項24に記載の方法であって、 界面活性剤は、 ドデシル硫酸ナトリウム、または であり、 ここで、R1は炭素原子数が約10個から15個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、nは平均約3である、 ところの方法。
  30. 【請求項30】請求項24に記載の方法であって、 界面活性剤は、 またはR4−(OCH2CH2−Hであり、 ここで、R3は炭素原子数が約9個から11個のアルキル基
    またはこれらの混合物であり、oは平均約4.5であり、
    pは平均約1.5であり、またqは平均約4.5であり、また
    R4は炭素原子数が約12個から13個のアルキル基であり、
    sは平均約6.5である、 ところの方法。
  31. 【請求項31】リパーゼまたはクチナーゼが活性な洗濯
    溶液に有用な界面活性剤系を選択する方法であって、 (a)水溶液にリパーゼまたはクチナーゼ、第1の界面
    活性剤および第1の油を加える工程であって、この第1
    の界面活性剤と第1の油により界面活性剤に対する油の
    第1のモル比が定められ、第1の油がリパーゼまたはク
    チナーゼの加水分解可能な基質となる、ところの工程
    と、 (b)臨界比が得られ、前記第1の油が加水分解される
    ように、界面活性剤と油のモル比を調節する工程と、 (c)それによってリパーゼまたはクチナーゼおよび選
    択した界面活性剤または界面活性剤混合物を含む洗剤成
    分を決定する工程と、 から成る方法。
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