JPH06146136A - 粘着テープ用基布およびその製造方法ならびに粘着テープ - Google Patents

粘着テープ用基布およびその製造方法ならびに粘着テープ

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JPH06146136A
JPH06146136A JP4292627A JP29262792A JPH06146136A JP H06146136 A JPH06146136 A JP H06146136A JP 4292627 A JP4292627 A JP 4292627A JP 29262792 A JP29262792 A JP 29262792A JP H06146136 A JPH06146136 A JP H06146136A
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woven fabric
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昌夫 関
Masanori Nanba
正紀 難波
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】簡単容易に均一な基布特性が得られる上に、優
れた手切れ性を発揮する粘着テープ用基布ならびにかか
る基布からなる粘着テープを、短時間でかつ安定して提
供する。 【構成】粘着テープ用基布は、合成繊維で構成された織
物の少なくとも経糸が、伸度35%以下であり、かつそ
の表面に繊維形成ポリマ分子鎖に結合した酸素含有官能
基を有する。製造方法は、合成繊維をオゾン暴露処理
法、紫外線照射処理法、プラズマ照射処理法の少なくと
も1種の物理的処理法により処理した後、該繊維を少な
くとも経糸に用いて製織するか、または、合成繊維から
なる織物を上記方法の少なくとも1種の物理的処理法に
より処理する。また、粘着テープは、上述織物を基布と
して、その少なくとも表面に合成樹脂フィルムがラミネ
ートされ、裏面に接着剤が積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐カール性ならびに手
切れ性に優れた粘着テープ用基布およびその製造方法な
らびに粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着テープは、たとえば実公昭6
1−20055号公報などにみられるように、第3成分
を共重合したりブレンドして製造されたポリエステル系
繊維を経糸に配した織物を使用して製造されていた。す
なわち、故意に特定なポリマを使用したり、ポリマ組成
を変更して、熱に対して弱い糸特性のものを使用するこ
とが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる特定ポ
リマやポリマ組成からなる繊維では、熱的条件によって
基布特性の変動が激しくて、テープ特性の一定のものを
提供しにくい欠点がある上に、テープ作成時に基布がカ
ールし易いという欠点があった。
【0004】本発明は、かかる従来技術に鑑み、簡単容
易に均一な基布特性が得られる上に、優れた手切れ性を
発揮する粘着テープ用基布を提供せんとするものであ
る。
【0005】また、本発明は、かかる粘着テープ用基布
を、短時間でかつ安定して提供せんとするものであり、
さらにかかる基布からなる粘着テープを提供せんとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために、次のような構成を有する。
【0007】すなわち、本発明の粘着テープ用基布は、
合成繊維で構成された織物の少なくとも経糸が、伸度3
5%以下であり、かつその表面に繊維形成ポリマ分子鎖
に結合した酸素含有官能基を有することを特徴とするも
のであり、また、本発明の粘着テープ用基布の製造方法
は、合成繊維を下記(A) 〜(C) の少なくとも1種の物理
的処理法により処理した後、該繊維を少なくとも経糸に
用いて製織するか、または、合成繊維からなる織物を下
記(A) 〜(C) の少なくとも1種の物理的処理法により処
理することを特徴とするものである。
【0008】(A) 法:オゾン暴露処理法 (B) 法:紫外線照射処理法 (C) 法:プラズマ照射処理法 また、本発明の粘着テープは、上述織物を基布として、
その少なくとも表面に合成樹脂フィルムがラミネートさ
れ、裏面に接着剤が積層されていることを特徴とするも
のである。
【0009】
【作用】本発明は、通常の合成繊維、たとえばホモポリ
エステル繊維(レギュラーポリエステル)でありなが
ら、特定な処理を施すと、好都合に伸度低下も手切れ性
の改善も達成することを究明して完成されたものであ
る。
【0010】すなわち、経糸を構成する合成繊維を、
(A) 法:オゾン暴露処理法、(B) 法:紫外線照射処理
法、(C) 法:プラズマ照射処理法などの処理にかける
と、短時間の処理で低伸度化ならびに手切れ性改善を達
成できることを究明したものである。 本発明でいう合
成繊維としては、たとえば、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポ
リオレフィンなど繊維形成性合成樹脂からなる繊維、さ
らには絹、麻、木綿、羊毛などの天然繊維との混用繊維
などを包含するものである。かかる合成繊維は、短繊
維、長繊維のいずれでも使用することができるが、好ま
しくは長繊維が基布特性を調整し易くてよい。かかる繊
維からなる織物としては、別に制限はないが、好ましく
は平織組織のものがよい。
【0011】本発明の特徴は、従来技術のように特定な
ポリマやポリマ組成を選択的に使用する必要がなく、通
常の合成繊維をそのまま、すなわち、たとえばポリエチ
レンテレフタレートやポリブツチレンテレフタレートな
どのホモポリマを溶融紡糸して得られる繊維をそのまま
使用することができるところにある。
【0012】かかるホモポリエステル繊維を含めた合成
繊維は、一般に伸度が高く、手切れ性が著しく悪く、第
3成分をブレンドしても手切れ性を改善することはでき
なかったものであり、また、第3成分を共重合したもの
は、熱に対して著しく弱く、加工しにくく繊維特性の悪
い製品しか提供できず、このような糸を経糸に使用して
も、カールし易いという致命的欠点を有し、特に他の繊
維との混用系ではその傾向が著しく高く、結局、テープ
特性の劣悪なものしか与えられないという欠点を有する
ものであった。本発明は、かかる従来欠点を、驚くべき
ことに、通常の合成繊維使いで一挙に改善したものであ
る。
【0013】本発明で使用する合成繊維としては、たと
えば、単糸繊度が好ましくは1〜5d、総繊度が好まし
くは30〜125D、さらに好ましくは50〜80D、
単糸強度が好ましくは2.5 g/d 以上、さらに好まし
くは3.0〜5.5 g/d であるものが粘着テープ用基
布としての機械的特性に優れていてよい。
【0014】本発明によれば、該テープをホモポリエス
テル繊維のみで構成することもでき、繊維特性がほぼ同
じもので構成されているので、耐カール性は抜群によ
く、もちろん手切れ性は美麗であるという優れたテープ
特性を発揮せしめ得るものである。 本発明の織物を構
成する経糸は、後述する特定な処理を施されたものであ
るために、その繊維表面は、該繊維形成ポリマ分子鎖に
結合した酸素含有官能基を有するものであるという特徴
を有する。
【0015】該繊維表面におけるかかる酸素含有官能基
の濃度は、ESCAで測定して求めたO1s/C1sの原子
数比(炭素原子1モルに対する酸素原子のモル比)で、
好ましくは0.42以上、さらに好ましくは0.55〜
0.75、特に好ましくは6.0〜7.0の範囲にある
のがよい。この原子数比は、処理の程度を示すものであ
り、伸度低下の度合に関連するものである。すなわち、
かかる酸素含有官能基を有する繊維からなる糸は、略伸
度に比例しており、該官能基が多い程低伸度を示すとい
う特徴を有する。
【0016】粘着テープにおいて、織糸、特に経糸は、
伸度が低ければ低い程手切れ性が優れるという特徴を発
揮するものである。本発明の基布を構成する織糸は、3
5%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは2
0%以下という低伸度のものであるという特徴を有す
る。
【0017】なお、合成繊維糸条からなる織物は、粘着
テープ製造時での合成樹脂の溶融ラミネートによって、
繊維素材や溶融温度にもよるが約7〜15%程度の伸度
低下が惹起されるものである。かかる伸度低下は、粘着
テープの手切れ性をさらに向上する好都合な要因ではあ
るが、本発明の粘着テープは、上述伸度範囲にある基布
であれば、充分な手切れ性を達成するものである。
【0018】本発明でいう(A) 法のオゾン暴露処理法
は、コロナ放電や低圧水銀ランプなどを使用したオゾン
生成装置からオゾンを所定の処理装置に供給するか、ま
たはオゾン生成部分にポリエステル系繊維を導入して暴
露する方法が採用される。かかる処理でのオゾン濃度
は、好ましくは50〜10万ppm 、さらに好ましくは3
00〜10万ppm である。かかるオゾン暴露処理では、
オゾン雰囲気の温度を、好ましくは80〜180℃の範
囲にして、被処理織物を暴露するのが処理効果の点でよ
いが、かかる雰囲気加熱の手段としては、ヒーター等の
通常の加熱手段を用いて作ればよく、とくに限定される
ものではない。
【0019】本発明でいう(B) 法の紫外線照射処理法
は、公知の紫外線照射装置を使用することができる。か
かる紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀
ランプ、メタルハライドランプ、クセノンランプなどが
使用することができるが、処理速度を早めるためにはオ
ゾンに吸収され酸化力の強い原子状酸素を生成する24
0〜270nmの波長を持つものが好ましく、低圧水銀ラ
ンプ、メタルハライドランプなどが好ましく使用され
る。特に、低圧水銀ランプは、酸素と反応しオゾンを生
成する185nmの波長を持つので好ましい。
【0020】かかる処理によって、ホモポリエステル繊
維の強伸度を自在に低下せしめることができる。概して
伸度の低下と、強度の劣化は比例的に進行する。
【0021】粘着テープの手切れ性の上からは、基布の
経糸の伸度は35%以下、好ましくは30%以下、さら
に好ましくは20%以下であるのがよい。
【0022】本発明の上述処理は、ホモポリエステル繊
維または該繊維からなる経糸で構成された織物の状態の
いずれの段階でもよく、たとえば織物の場合、経糸のみ
を処理するには、紫外線照射をビーム法で行なうことで
達成することができる。別に繊維全体は、もちろん、織
物全体を処理しても本発明の効果を達成することはでき
る。
【0023】また、処理に際して、繊維または織物に後
述する無機微粒子を付着させる方法を採用することもで
きる。この方法によれば、繊維表面上に無機微粒子の付
着している部分と付着していない部分ができるが、オゾ
ンは、該無機微粒子の付着していない繊維部分を集中的
に攻撃することとなり、この繊維部分と反応し短時間で
該繊維表面の表層部の一部のポリマー鎖が分解、切断さ
れて脆化部が形成される。
【0024】かかる無機微粒子とは、酸化ケイ素、酸化
アルミニュウム、カオリナイト、タルク、炭酸カルシュ
ウム、ケイ酸カルシュウム、酸化マグネシュウム、酸化
チタン、塩化ナトリュウム、硫酸ナトリュウム、硫酸ア
ンモニュウム、炭酸ナトリュウムなどでありこれらを単
独あるいは二種以上を混合して用いることができる。か
かる無機粒子のなかでも酸化ケイ素は、繊維製品への付
着性がよく、均一被覆し易い利点があり、したがって、
繊維に均一な微細間隙を設けることができるので好まし
い。該無機微粒子の粒子径は、好ましくは1〜100 m
μ、さらに好ましくは6〜50 mμで繊維表面に均一に
付着させることが好ましい。
【0025】該無機微粒子の付着量は、目的に応じて決
定できるが、繊維重量に対し好ましくは0.01〜5
%、さらに好ましくは0.2〜3%である。
【0026】該無機微粒子を繊維表面に付着させる方法
は、とくに限定されるものではなく、例えば、予め無機
微粒子を水に均一に分散させたもの、あるいは水溶液に
浸漬した後マングルなどで絞り、次いで乾燥する方法
や、スプレイで水分散液を付与した後、乾燥する方法な
どが採用できる。
【0027】本発明でいう(C) 法のプラズマ照射処理法
は、好ましくは50Torr以下、さらに好ましくは20To
rr以下、特に好ましくは0.01〜5Torrの真空下で発
生するグロー放電を被処理繊維、織物に照射するもので
ある。なお、かかるプラズマ照射処理法での雰囲気は、
不活性ガス雰囲気、活性ガス雰囲気のいずれでもよい
が、簡便さ、汚染性などの上からアルゴン、リチウム、
空気、酸素、窒素、一酸化炭素、炭酸ガスなどやこれら
の混合ガスなどの不活性ガスを使用するのが好ましい。
また、不活性ガスを雰囲気に使用した方が、手切れ性改
善効果が高く、処理効果の均一性に優れる特徴がある。
放電条件としては、好ましくは1Khz 〜10GHz 、さら
に好ましくは1KHz 〜20MHz の範囲の周波数が放電の
持続性、均一性に優れており、また、放電電力(電力を
放電電極面積で序した商)は、好ましくは0.1〜10
W/cm2 、さらに好ましくは0.5〜8 W/cm2 範囲
が、短時間で、安定した処理効果を達成することができ
る。
【0028】かかるプラズマ照射処理によれば、強伸度
を余り低下されることなく、引裂強力の大幅な低下を惹
起させることができるという特徴を有する。しかし、強
伸度を低下させるには、電力消費コストが高く、処理時
間も長くする必要があり、経済的であるとはいえない。
したがって、強伸度低下を所望する場合は、好ましくは
(A) 法、(B) 法のすくなくとも一方の処理の、前後、特
に好ましくは後に、プラズマ照射処理法を施すのが、効
果的にも経済的にもよい。
【0029】通常、使用される基布は、染色加工した後
に精練、洗浄などの化学的仕上加工工程によって、付着
した油剤や糊を除去するのが必須であるが、本発明の上
述物理的処理法によれば、油剤や糊は分解されてしまう
ので、従来のような化学仕上加工工程を省略することが
でき、極めて省エネルギープロセスであるという利点が
ある。
【0030】また、本発明の方法によれば、繊維、糸
条、織物のいずれの段階でも処理することができ、特
に、織物の状態で処理することができるということは、
処理後(伸度や強度低下の後)での製織性の心配をする
必要がないという利点があり、また、経糸のみに本発明
の処理糸条を用いることもできるので、織物設計を自由
に選択することができる利点がある。
【0031】本発明では、織糸として、従来の交絡処理
をした糸条を使用すれば、該糸条の有する利点はそのま
ま生かすことができるし、無撚、無糊の織物を使用し
て、その利点も享受することができるものである。た
だ、本発明の基布として、無糊のものを意識して使用す
る必要がないことは上述した通りである。すなわち、た
とえ織物に油剤や糊が付着していても、これらは本発明
の物理的処理法により分解されて除去されるか、または
分解物として繊維上に残留するものの、実質的に無糊の
状態となるものである。
【0032】本発明の基布(織物)としては、経糸を4
0〜70本/inchにすることが引裂強力の上から好まし
い。なお、緯糸は、該経糸よりも強力の高い糸であるこ
とが粘着テープ特性の上から好ましい。
【0033】かくして得られる粘着テープ用基布は、そ
の片面に熱可塑性樹脂、たとえばポリエチレンなどの比
較的低融点の樹脂を溶融ラミネートし、その反対面の基
布面に接着剤(粘着剤)を塗布して、粘着テープとされ
るものである。かかる工程において、テープ状にカット
する段階は、粘着剤を塗布する前または後のいずれでも
よい。また、さらに、上述の粘着テープの製造方法にお
いて、熱可塑性樹脂をラミネートしないで、接着剤を基
布全体に含浸、浸透させて、両面に接着剤層を存在させ
ると、両面接着テープとして使用することもできる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によりさらに詳しく説明するが
これらに限定されるものではない。 なお、実施例によ
る評価項目は、次ぎの方法を用いて測定したものであ
る。 (強伸度)JIS-L-1017で評価した。 (経糸に直角方向の引裂強力)JIS-L-1096で評価した。 (手切れ性)試料の粘着テープを台状に貼り付けて、該
テープの切断部上に親指を添え、他方の手で引裂いたと
きの切れ味を観察して、下記基準で評価した。
【0035】◎:定規を当てて切ったように極めて美麗
な切れ味を示す ○:多少のバリは残るが、切れ味は優れている △:切り口が汚く、切れ味も劣る ×:手では切れない (酸素含有官能基の濃度) 装置:ESCA750 (株式会社島津製作所製) 励起X線:Mg Kα1 、Kα2 線 (hν=125
3.6eV) エネルギー補正:C1sメインピークの結合エネルギー値
を284.6eVに合せる。 光電子脱出角度(θ):90度(検出限界深さ〜100
オングストローム) 上記方法により求めた、O1s/C1sの原子数比(炭素原
子1モルに対する酸素原子のモル比)で示した。
【0036】実施例1〜3、比較例1 ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(7
5D/24fil :強度4.0 g/d、伸度35%)からな
る平織物を常法により精練(あり、なし)、ヒートセッ
トした後、染色仕上げセットした。
【0037】この染色物を次の条件で、オゾン暴露/紫
外線照射処理して、粘着テープ用基布を製造した。
【0038】(オゾン暴露処理+紫外線照射処理:(A)+
(B) ) 低圧水銀ランプ(照射強度254nmで30mW /cm2 )の
照射ゾーンに放電式オゾナイザーからオゾンを送り込
み、オゾン濃度を2800ppm に調整し、処理時間を変
更して処理した。
【0039】この処理織物について、経糸の強力、伸度
(分解単糸)、織物の経糸方向の引裂強力、酸素含有官
能基濃度を、それぞれ測定して表1に示した。
【0040】この処理織物について、粘着テープ用基布
としての評価をし、さらに、これらの織物を基布として
用い、その片面にポリエチレンを溶融ラミネートし、さ
らに、その裏面に粘着剤をナイフコートして粘着テープ
を作成した。この粘着テープの手切れ性の評価をして表
1に示した。
【0041】なお、比較例1として、本発明の物理的処
理を施さない、すなわち実施例における精練上りの織物
をそのまま使用したものについて評価した。
【0042】
【表1】 表1から明らかなように、実施例のものは切れ味に優
れ、切り口も美麗であった。しかし、比較例のものは、
手では切れなかった。なお、精練のあり、なしについて
は、いずれも同程度の手切れ性を示し、差異がないこと
が確認された。
【0043】実施例4 実施例1の染色上りの織物を常法により精練、ヒートセ
ットし、次いで低圧水銀ランプ(照射強度254nmで2
0mW /cm2 )を10分照射して処理した。
【0044】この処理織物を用いて実施例1と同様にし
て粘着テープを作って、手切れ性を評価して表1に示し
た。
【0045】実施例5〜7 実施例1の染色上りの織物を常法により精練、ヒートセ
ットし、次いでオゾン暴露処理法により10分間処理し
た。ただし、オゾン濃度7000ppm の雰囲気で、処理
温度を変更して処理した。
【0046】この処理織物を用いて実施例1と同様にし
て粘着テープを作って、手切れ性を評価して表2に示し
た。
【0047】
【表2】 表2から明らかなように、実施例5〜7のものは、処理
温度が高くなる程伸度は低下し、酸素含有官能基量も増
大することが確認された。手切れ性は、処理温度が高い
もの程優れていることがわかった。
【0048】実施例8〜9 実施例1の染色上りの織物を常法により精練、ヒートセ
ットし、次いで下記条件で、処理時間を変更してプラズ
マ照射処理した。
【0049】(プラズマ照射処理条件) 装置:内部電極方式 放電電極:ステンレスチューブのガラス被覆物 アース電極:ステンレス製ドラム 放電周波数:350KHz 放電電力:8 W/cm2 雰囲気ガス、真空度:窒素、0.2Torr 処理時間:30秒、60秒 この処理織物を用いて実施例1と同様にして粘着テープ
を作って、手切れ性を評価して表3に示した。
【0050】
【表3】 実施例10〜12 実施例1の染色上りの織物を、下記無機微粒子処理をし
た後、実施例1の条件で、処理時間を3分間にして、オ
ゾン暴露/紫外線照射処理を施した。
【0051】(無機微粒子処理)酸化ケイ素水分散液
(粒子径10〜15 mμ、濃度20%)を5〜50g/
lに調整し、実施例1の染色織物を浸漬した後、織物重
量に対し80%の量になるようにマングルで絞った後1
30℃の温度で乾燥した。
【0052】この処理織物を用いて実施例1と同様にし
て粘着テープを作って、手切れ性を評価して表4に示し
た。
【0053】
【表4】 実施例13〜15 実施例1において、オゾン暴露/紫外線照射処理の処理
時間を、1分、3分の比較的短時間処理を追加して、そ
れぞれ処理を施したものを、実施例1(処理時間:5
分)に加え、これらをさらに下記ブラズマ照射処理にか
けた。
【0054】プラズマ照射処理の後の酸素含有官能基濃
度は、0.52〜0.68と高い値を示した。
【0055】(プラズマ照射処理条件) 装置:内部電極方式 放電電極:ステンレスチューブのガラス被覆物 アース電極:ステンレス製ドラム 放電周波数:500KHz 放電電力:6 W/cm2 雰囲気ガス、真空度:アルゴン、0.6Torr 処理時間:30秒 この処理織物を用いて実施例1と同様にして粘着テープ
を作って、手切れ性を評価して表5に示した。
【0056】
【表5】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、通常の合成繊維から手
切れ性、テープ特性に優れた粘着テープを短時間の処理
で簡単に安定して提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 10/00 10/02 // D06M 15/00 D06M 15/00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維で構成された織物の少なくとも
    経糸が、伸度35%以下であり、かつその表面に繊維形
    成ポリマ分子鎖に結合した酸素含有官能基を有すること
    を特徴とする粘着テープ用基布。
  2. 【請求項2】 酸素含有官能基の濃度が、ESCAで測
    定して求めたO1s/C1sの原子数比(炭素原子1モルに
    対する酸素原子のモル比)で0.42以上の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1記載の粘着テープ用基布。
  3. 【請求項3】 合成繊維が、無機微粒子をその表面に有
    するものである請求項1記載の粘着テープ用基布。
  4. 【請求項4】 該織物の少なくとも経糸が、ホモポリエ
    ステル繊維で構成されている請求項1記載の粘着テープ
    用基布。
  5. 【請求項5】 経糸が、ホモポリエステルからなるマル
    チフィラメントである請求項1記載の粘着テープ用基
    布。
  6. 【請求項6】 織物を構成する糸が、交絡処理されてい
    るものである請求項1記載の粘着テープ用基布。
  7. 【請求項7】 織物を構成する糸が、無撚または無糊で
    ある請求項1記載の粘着テープ用基布。
  8. 【請求項8】 合成繊維を下記(A) 〜(C) の少なくとも
    1種の物理的処理法により処理した後、該繊維を少なく
    とも経糸に用いて製織するか、または、合成繊維からな
    る織物を下記(A) 〜(C) の少なくとも1種の物理的処理
    法により処理することを特徴とする粘着テープ用基布の
    製造方法。 (A) 法:オゾン暴露処理法 (B) 法:紫外線照射処理法 (C) 法:プラズマ照射処理法
  9. 【請求項9】 処理法が、(A) 法と(B) 法の組み合わせ
    である請求項8記載の粘着テープ用基布の製造方法。
  10. 【請求項10】 処理法が、(A) 法と(B) 法の少なくと
    も一方の処理をした後、(C) 法により処理するものであ
    る請求項8記載の粘着テープ用基布の製造方法。
  11. 【請求項11】 (B) 法において、紫外線が300nm以
    下の波長を含むものである請求項8、9または10記載
    の粘着テープ用基布の製造方法。
  12. 【請求項12】 繊維表面に該繊維形成ポリマ分子鎖に
    結合した酸素含有官能基を有し、かつ、伸度が35%以
    下である合成繊維が、少なくとも経糸である織物で構成
    されており、かつ該織物の少なくとも表面に合成樹脂フ
    ィルムがラミネートされ、裏面に接着剤が積層されてい
    ることを特徴とする粘着テープ。
JP29262792A 1992-10-30 1992-10-30 粘着テープ用基布およびその製造方法ならびに粘着テープ Expired - Fee Related JP3284618B2 (ja)

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JP2008240166A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 天然繊維の光改質方法および装置
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