JPH06145649A - 乾式摩擦材 - Google Patents
乾式摩擦材Info
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- JPH06145649A JPH06145649A JP30376292A JP30376292A JPH06145649A JP H06145649 A JPH06145649 A JP H06145649A JP 30376292 A JP30376292 A JP 30376292A JP 30376292 A JP30376292 A JP 30376292A JP H06145649 A JPH06145649 A JP H06145649A
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Abstract
の全ての領域における耐摩耗性を向上する。 【構成】 繊維基材であるガラス繊維及び黄銅線、樹脂
結合剤であるフェノール樹脂、SBRに各種充填剤を配
合したゴムに、錫と銅の合金と、ポリイミド樹脂をそれ
ぞれ摩擦材総量に対して2〜20重量%、0.5〜5重
量%含有させた。
Description
クラッチフェーシング、ブレーキライニングなどとして
使用される乾式摩擦材に関するものである。
グなどの乾式摩擦材には、耐熱性、耐摩耗性、安定した
摩擦特性などが要求される。そこで、これらの各種の特
性を満足させるため、乾式摩擦材は複合材料によって構
成している。即ち、乾式摩擦材は、ガラス繊維などの繊
維基材、硫酸バリウム、カーボンブラック等の充填剤を
配合したゴム、フェノール樹脂等の樹脂結合剤、各種添
加剤などにより構成している。
車の高性能化、長期保証化に伴い、クラッチフェーシン
グなどの乾式摩擦材にも、低回転・軽負荷から高回転・
高負荷に至るまでの幅広い使用条件で適合でき、長寿命
化を図れることが強く望まれている。
公報には、高回転域においても高い摩擦係数を付与し、
また、クラックの発生を防止するため、樹脂結合剤をフ
ェノール系樹脂とポリイミド樹脂とで構成する技術が開
示されている。
は、軽負荷、中負荷域での耐摩耗性を向上させるため、
錫と高融点・低硬度の金属との合金を配合する技術が提
案されている。
軽負荷域での耐磨耗性向上は見られるが高回転・高負荷
域での向上は見られない。一方、錫合金では低中回転・
軽中負荷域での耐磨耗性向上は見られるが高回転域での
向上は見られない。
回転・高負荷までの全ての領域において耐摩耗性を向上
できる乾式摩擦材の提供を課題とするものである。
材は、少なくとも繊維基材、樹脂結合剤及びゴムからな
る乾式摩擦材において、錫を含み、融点が500℃以
上、モース硬度が4以下の合金を摩擦材総量に対して2
〜20重量%含有し、かつ、ポリイミド樹脂を同じく
0.5〜5重量%含有するものである。
硬度の金属との合金、例えば、錫と銅との合金、或い
は、この合金に更にニッケル、アンチモン、亜鉛などの
金属を加えた合金を挙げることができる。錫合金は粉末
状にして添加するのが好ましい。なお、錫単独では融点
が232℃と低く、添加するには適しない。
ール、シリケート繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、カーボン繊維等の無機繊維、芳香族ポリアミド
繊維、ノボロイド繊維等の有機繊維、黄銅線、銅線、ス
チール繊維、ステンレススチール繊維等の金属繊維など
を使用できる。
シ樹脂、メラミン樹脂などを使用できる。
ム)、NBR(ニトリルゴム)等のゴム材に、硫酸バリ
ウム、活性亜鉛華、カーボンブラック、カシューダス
ト、硫黄、加硫促進剤などの充填剤を配合して得られ
る。
以上、モース硬度が4以下の合金を摩擦材総量に対して
2〜20重量%含有するので、低中回転・軽中負荷域の
耐摩耗性が高くなる。そして、ポリイミド樹脂を同じく
0.5〜5重量%含有するので、耐熱性が向上し、前記
錫合金との相乗効果、つまり、ポリイミド樹脂により高
回転・高負荷での材料間結合力が増し、錫合金の保持力
が増したことにより、高回転・高負荷域においても耐磨
耗性向上効果が維持される。
ているので、高負荷域において摩擦熱により合金が溶融
して性状が変化するのを防止できる。また、モース硬度
を4以下としているので、相手材攻撃性が悪化するのを
防止できる。錫合金の含有量は、2重量%より少ないと
添加した効果が得られず、20重量%を越えると強度の
低下、比重の増大、コストアップとなる。
いと耐熱効果が得られず、5重量%を越えるとバースト
強度が低下する。また、錫合金の耐磨耗性向上効果を全
域で活かすため合金の保持力を増すと良い。そのため、
合金の粒度は細かい方が良く、できれば50μm以下が
望ましい。
チフェーシングに適用した場合について説明する。
ーシングの組成を図1に示す。
チフェーシングの組成及び性能を示す表図である。
は、かさ高加工された6μmのガラス繊維31重量%
に、ポリイミド樹脂粉末(ローヌ・プーラン製)1.3
重量%とフェノール樹脂9.7重量%の懸濁液を含浸さ
せ、次いで、黄銅線3重量%を合わせた。そして、SB
R30重量%、硫酸バリウム30重量%、活性亜鉛華7
重量%、カーボンブラック13重量%、カシューダスト
9重量%、硫黄10重量%、加硫促進剤1重量%からな
る配合ゴム48重量%に、錫合金粉末7重量%を添加し
たものを付着させた。錫合金は錫成分を30重量%含有
する銅との合金であり、融点は750℃、モース硬度は
2.5である。
に配置して圧力160kg/cm2 、温度160℃の条件で
加熱加圧成形し、熱処理した後、所定の厚さに研磨して
クラッチフェーシングを得た。
乃至実施例6及び比較例のクラッチフェーシングを作製
した。
量を少なくしたものであり、実施例3はその配合量を多
くしたものである。また、比較例1はポリイミド樹脂、
銅−錫合金いずれも含有しないもの、比較例2はポリイ
ミド樹脂を、比較例3は錫合金を加えないものである。
グについて摩耗率、フェード時最小摩擦係数、バースト
強度を測定し、評価を行なった。
サイズダイナモ試験機に装着し、 低回転・軽負荷: 1500 rpm,1.6 Kg・m2 ,100
℃×10000 サイクル 中回転・中負荷: 1800 rpm,2.7 Kg・m2 ,200
℃× 4000 サイクル 高回転・高負荷: 2500 rpm,2.3 Kg・m2 ,200
℃× 2500 サイクル バースト強度は200℃の温度で測定した。
のいずれにおいても、銅−錫合金を配合していない比較
例2及び比較例3では摩耗量が大きく、高回転・高負荷
域においては、比較例は全例大きな摩耗を示した。これ
に対して、実施例はいずれも各温度において比較例に比
し、摩耗量は顕著に小さい。比較例2と比較することに
より、ポリイミド樹脂を加えたことによって、高回転・
高負荷域における摩耗率が低下しているのが分る。
例は比較例に比べて同等以上の値を示し、特に、比較例
では高回転・高負荷域になるに従って小さくなっている
のに対し、実施例では100〜300℃の全ての温度範
囲でほぼ一定の値を示している。
てほぼ同一である。
び銅−錫合金を加えたことによって、特に、高回転・高
負荷域での摩耗率及びフェード時最小摩擦係数が向上し
ていると言える。
に対して2〜20重量%、また、ポリイミド樹脂の配合
量は摩擦材総量に対して0.5〜5重量%が実用上使用
可能な範囲であると考えられる。
繊維基材であるガラス繊維及び黄銅線、樹脂結合剤であ
るフェノール樹脂、SBRに各種充填剤を配合したゴム
に、銅と錫の合金と、ポリイミド樹脂をそれぞれ摩擦材
総量に対して2〜20重量%、0.5〜5重量%含有さ
せたものである。
合金により軽負荷、中負荷域の耐摩耗性が高くなり、ま
た、ポリイミド樹脂により耐熱性が向上し、これらの銅
−錫合金とポリイミド樹脂との相乗効果によって、低回
転・軽負荷域から高回転・高負荷域に至り耐摩耗性が向
上する。
少なくとも繊維基材、樹脂結合剤及びゴムからなる乾式
摩擦材において、錫を含み、融点が500℃以上、モー
ス硬度が4以下の合金を摩擦材総量に対して2〜20重
量%含有し、かつ、ポリイミド樹脂を同じく0.5〜5
重量%含有するものである。したがって、錫合金により
軽負荷、中負荷域の耐摩耗性が高くなり、また、ポリイ
ミド樹脂により耐熱性が向上し、これらの錫合金とポリ
イミド樹脂との相乗効果によって、低回転・低負荷域か
ら高回転・高負荷域に至り耐摩耗性が向上する。この結
果、乾式摩擦材の寿命が長くなり、安定した摩擦特性を
得ることができる。
ェーシングの組成及び性能を示す表図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも繊維基材、樹脂結合剤及びゴ
ムからなる乾式摩擦材において、 錫を含み、融点が500℃以上、モース硬度が4以下の
合金を摩擦材総量に対して2〜20重量%含有し、か
つ、ポリイミド樹脂を同じく0.5〜5重量%含有する
ことを特徴とする乾式摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30376292A JP3468537B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 乾式摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30376292A JP3468537B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 乾式摩擦材 |
Publications (2)
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JPH06145649A true JPH06145649A (ja) | 1994-05-27 |
JP3468537B2 JP3468537B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=17924972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30376292A Expired - Fee Related JP3468537B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 乾式摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3468537B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-11-13 JP JP30376292A patent/JP3468537B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP3468537B2 (ja) | 2003-11-17 |
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