JP3538191B2 - 乾式摩擦材 - Google Patents
乾式摩擦材Info
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Description
械、鉄道車両などのクラッチフェーシングとして利用さ
れる乾式摩擦材に関する。
性に優れていること、摩擦係数が高いこと、摩擦係数が
安定していること、などが挙げられる。これらの性能を
満足させるためには単一素材では困難であり、摩擦材は
多くの素材が混合された複合材料から構成されている。
に分類できる。 (1)コルク、セルロース:単体もあるが、多くは樹脂
を含浸して熱成形したもの (2)ウーブン:ガラス繊維、黄銅線を芯にしてアスベ
スト、有機繊維などで作った紐に樹脂を含浸させ、紐を
巻いた後熱成形したもの (3)セミモールド:紐に樹脂を含浸させ、ゴム材料を
充填し熱成形したもの (4)レジンモールド:アスベスト、ガラス繊維などを
基材とし、フェノール樹脂と各種充填材を混合した後熱
成形したもの (5)ゴムモールド:レジンモールドの樹脂の代わりに
ゴムを用いたもの (6)セミメタリック:レジンモールドのうち、基材が
金属繊維のもの (7)シンタードメタリック:金属粉末を焼結したもの (8)サーメット:セラミック粉末と金属粉末を焼結し
たもの 自動車用としては、このうちセミモールド、レジンモー
ルド系の摩擦材が多用されている。例えば自動車のクラ
ッチフェーシングは、ガラス繊維などを繊維基材とし、
フェノール樹脂、配合ゴムなどを含浸した後熱成形して
製造されている。
合剤及び配合ゴムからなる乾式摩擦材には、耐磨耗性の
向上のための潤滑剤として、カーボンブラック、黒鉛、
カシューダスト、硫化鉛・硫酸鉛等の鉛化合物、などが
配合ゴム中に用いられている。特に軽負荷あるいは中負
荷時における耐磨耗性を向上させるためには、カシュー
ダスト及び鉛化合物が有用である。しかしカシューダス
トは効果のある温度範囲が狭く、耐フェード性の悪化、
摩擦係数の低下などの弊害がある。一方、鉛化合物は効
果のある温度範囲が広く安定しており、耐磨耗性が著し
く向上する。しかし近年の環境汚染、公害などの問題か
ら使用規制が厳しくなり、他の原材料への代替が求めら
れている。
ものであり、鉛化合物を用いることなく、軽・中負荷領
域での耐磨耗性を改善することを目的とする。
の代替となる材料を見出すべく鋭意研究した。そして鉛
と性状が近い錫に着目した。しかし錫は単独では融点が
232℃と低く、摩擦材に添加するには適さない。また
錫酸化物は、融点は1000℃以上になるものの、モー
ス硬度が6.8と硬く耐磨耗性は逆に悪化する。そこで
錫合金を用いることを想起し、鋭意研究の結果本発明を
完成するに到った。
摩擦材は、繊維基材と結合剤と配合ゴムとを含む乾式摩
擦材であって、鉛成分を含まず、配合ゴムには融点が5
00℃以上モース硬度が4以下の錫合金を練り込まれた
状態で含み、錫合金は全体の2〜20重量%含有されて
いることを特徴とする。
ムには融点が500℃以上モース硬度が4以下の錫合金
を含み、錫合金は全体の2〜20重量%含有されている
ことにより、鉛化合物を用いずとも軽・中負荷時の耐磨
耗性を高く維持することができる。
負荷時の摩擦熱により合金が溶融して性状が変化する場
合がある。700℃以上とするのが特に好ましい。また
モース硬度が4より高くなると、金属特有の薄膜が形成
できず研磨材としての作用が強くなって、逆に耐磨耗性
を悪化させる。3以下とするのが特に好ましい。
〜20重量%とする。錫合金が2重量%より少ないと添
加した効果が得られず、20重量%を超えて添加しても
効果が飽和し、逆に比重の増大、強度の低下、コストの
上昇などの弊害が発生する。特に望ましい範囲は5〜1
0重量%である。
%中に10〜60重量%とするのが望ましい。錫成分が
10重量%より少ないと添加した効果が得られず、60
重量%を超えると融点が低下し期待する効果が得られな
い。
金属との合金が挙げられ、銅−錫合金、銅−ニッケル−
錫合金、銅−錫−アンチモン合金、銅−錫−亜鉛合金な
どを例示することができる。そして摩擦材中に粉末状あ
るいは繊維状として添加することができる。5〜100
μmの粉末状として添加するのが好ましい。
分として従来と同様に種々の材料を利用できる。セミモ
ールド系摩擦材で例示すれば、芳香族ポリアミド繊維、
チタン酸カリウム繊維、ガラス繊維などの繊維基材、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などの結合剤、グラファイ
ト、カシューダストなどの摩擦調整剤、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどの充填材などを
従来と同様に用いることができる。
の摩擦係数が低下する傾向にあるが、錫合金粉末の配合
量を増すことにより熱履歴後の摩擦係数の低下を防止で
きる。この場合において、錫合金粉末とカシューダスト
との配合比は、重量比で1:5〜2:1の範囲とするこ
とが望ましい。錫合金粉末が多すぎてもカシューダスト
が多すぎても熱履歴後の摩擦係数が低下する傾向にあ
り、最適な範囲がある。
施例はセミモールド系のクラッチフェーシングに本発明
を適用したものである。
加工された6μmのガラス繊維31重量部にフェノール
樹脂11重部を付着させ、次いで黄銅線3重量部を合わ
せた。そしてSBR30重量%、硫酸バリウム30重量
%、活性亜鉛華7重量%、カーボンブラック13重量
%、カシューダスト9重量%、硫黄10重量%、加硫促
進剤1重量%からなる配合ゴム48重量部中に、錫成分
を60重量%含有する銅ー錫合金の粉末7重量部が練り
込まれたものを付着させた。この合金粉末の融点は50
0℃、モース硬度は2.3である。
して圧力160kg/cm2、温度165℃にて加熱加圧成形
し、熱処理後研磨して本実施例の摩擦材を得た。
で、実施例1と同様にして実施例2〜実施例9、及び比
較例1〜比較例3の摩擦材を得た。表1に実施例1〜実
施例9及び比較例3に用いた合金の組成と性状を示す。
例2は銅粉末4.9重量部と錫粉末2.1重量部の混合
粉末を用いている。
て、回転数1800rpm、慣性量0.3kg・m ・se
c2、係合回数4000回の条件でフルサイズ摩擦試験を
行い、摩耗率と安定期の摩擦係数を測定した。結果を表
2に示す。なお、試験温度は200℃とし、実施例2の
摩擦材についてのみ試験温度を100℃、200℃、3
00℃の3水準とした。これは軽負荷(100℃)、中
負荷(200℃)、高負荷(300℃)に対応してい
る。
合金粉末の融点が低いと摩耗率が高くなっていることが
わかる。合金粉末の融点としては500℃が限界であ
る。
と、合金粉末のモース硬度が高くなるにつれて摩耗率が
増大し、比較例3では実用上用いられない摩耗率となっ
ている。したがって合金粉末のモース硬度は4以下、好
ましくは3以下とする必要がある。
合量が変更されている。これらの結果を比較すると、合
金粉末の配合量が2重量%および20重量%の摩耗率が
実用上の限度に近く、2重量%未満または20重量%を
超える量の添加は避けるべきである。実施例2の7重量
%程度の添加量が最適である。
℃)、中負荷(200℃)、高負荷(300℃)の結果
が示されているが、本発明の摩擦材は特に軽負荷及び中
負荷における摩擦性能に優れていることがわかる。また
高負荷での値は従来の摩擦材と同等のものであり、合金
粉末の添加による悪影響はみられなかった。
2のように金属粉末を添加すると一層摩耗率が高くなっ
ている。これは錫粉末の融点が低いことが考えられる。
したがって錫を含む金属粉末を混合して用いても摩擦性
能を改善することは困難であり、所定の特性値を有する
合金とすることで初めて効果が得られることが明らかで
ある。
境汚染や公害とは無縁となる。そして耐磨耗性に優れて
いるので寿命が長く安定した摩擦特性が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維基材と結合剤と配合ゴムとを含む乾
式摩擦材であって、鉛成分を含まず、該配合ゴムには融
点が500℃以上モース硬度が4以下の錫合金を練り込
まれた状態で含み、該錫合金は全体の2〜20重量%含
有されていることを特徴とする乾式摩擦材。 - 【請求項2】 前記配合ゴムは全体の35〜53重量%
含まれている請求項1に記載の乾式摩擦材。 - 【請求項3】 クラッチフェーシングである請求項1又
は請求項2に記載の乾式摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002254787A JP3538191B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 乾式摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002254787A JP3538191B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 乾式摩擦材 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3275393A Division JPH05117783A (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 乾式摩擦材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003113880A JP2003113880A (ja) | 2003-04-18 |
JP3538191B2 true JP3538191B2 (ja) | 2004-06-14 |
Family
ID=19196646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002254787A Expired - Lifetime JP3538191B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 乾式摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3538191B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010090334A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Toyota Motor Corp | 摩擦対 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002254787A patent/JP3538191B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003113880A (ja) | 2003-04-18 |
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