JPH0614490B2 - インダクタンス素子の形成方法 - Google Patents

インダクタンス素子の形成方法

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JPH0614490B2 JP59245450A JP24545084A JPH0614490B2 JP H0614490 B2 JPH0614490 B2 JP H0614490B2 JP 59245450 A JP59245450 A JP 59245450A JP 24545084 A JP24545084 A JP 24545084A JP H0614490 B2 JPH0614490 B2 JP H0614490B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はインダクタンス素子の形成方法特に超音波ボン
ディング装置を用いて絶縁巻線を巻回して形成するイン
ダクタンス素子の形成方法に関する。
(ロ) 従来の技術 最近チップ部品の進歩に伴い、電子回路の混成集積回路
化が著しく発展して来た。混成集積回路は半導体集積回
路の他にその外付部品であるコンデンサ、抵抗、コイル
等を1パッケージに収容することにより、電子機器の部
品点数を大巾に低減でき、且つ組立の簡素化や保守点検
の容易化が図れる利点を有する。
しかしインダクタンス素子に関しては小型チップ化が大
巾に遅れている状況にある。これは導体を巻回して形成
するコイルでは、チップ部品として基板に実装する場合
のハンダ・ディップにおいて導体を被覆する絶縁体の耐
熱性と導体と外部端子との接続に解決できない問題点が
残っているからである。
従来の小型インダクタンス素子としては第4図及び第5
図に示すものを挙げることができる(例えば特開昭57
−92807号公報参照)。第4図は磁性体、例えばド
ラム型コア(20)に巻線(21)を施し、巻線端末(22)(22)を
コア(20)の両端鍔部(23)(23)の端面に形成された銀電極
(24)(24)の表面に折り曲げた後、半田(25)(25)を介して
巻線端末、電極及びリード線(26)(26)を電気的に接続し
てなる小型インダクタンス素子である。第5図は、予じ
め鍔部(23)底面にリード線(26)(26)を突設したドラム型
コア(20)の巻回部に巻線(21)を施し、巻線端末(22)(22)
をそれぞれリード線(26)(26)に絡げて半田(25)(25)によ
り接続した小型インダクタンス素子である。いずれの小
型インダクタンス素子もリード線(26)(26)、半田(25)(2
5)を必要とし、チップ抵抗やチップコンデンサの様に小
型化できないのである。
そこで第6図に示すチップインダクタンス素子が特開昭
59−43513号公報にて提案されている。第6図で
はドラム型コア(20)に巻線(21)を施し、コア(20)の鍔部
(23)底面に離間した銀電極(24)(24)を設け、巻線端末を
銀電極(24)(24)表面まで折り曲げた後半田(25)(25)で銀
電極(24)(24)に接続されている。斯るチップインダクタ
ンス素子は銀電極(24)(24)上の半田(25)(25)を用いて所
望の電極に固着される。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上述した小型インダクタンス素子およびチ
ップインダクタンス素子では巻線(21)をドラム型コア(2
0)に所定のターン数だけ巻回した後、巻線端末を銀電極
(24)(24)に半田付けする必要があり、普通のインダクタ
ンス素子と何ら変らない形成方法を採用しなくてはなら
ない。このため小型インダクタンス素子およびチップイ
ンダクタンス素子を製造する場合に小型化するために却
ってコスト高になる欠点があった。
(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は斯点に鑑みてなされ、絶縁巻線を超音波ボンデ
ィング装置を用いて直接絶縁基板上にインダクタンス素
子を形成することにより、従来の欠点を完全に除去する
ものである。
(ホ) 作用 本発明に依れば、絶縁巻線が直接導電路上に超音波ボン
ディング行なえる点に着目し、超音波ボンディング装置
でボンディングワイヤーを直接巻回してインダクタンス
素子を形成している。
(ヘ) 実施例 本発明の一実施例を第1図(イ)乃至第1図(ニ)を参照して
詳述する。
本発明の第1の工程は絶縁基板(1)上に導電路(2)を形成
し且つ巻枠体(3)を配置することにある(第1図(イ)参
照)。絶縁基板(1)は支持基板として働き、セラミック
基板、ガラスエポキシ樹脂等より成るプリント基板、表
面をアルマイト処理したアルミニウム基板等を用いる。
斯る絶縁基板(1)上にはその一主面に全面に銅箔を貼り
付けた後、選択的に銀箔をエッチングして所望のパター
ンの導電路(2)を形成する。導電路(2)はインダクタンク
素子の巻線を接続するパッドのみならず、混成集積回路
の形成に必要な導電路を同時に形成するのが望ましい。
巻枠体(3)はインダクタンス素子を形成する巻線を巻回
させる役目を有し、形成するインダクタンス素子のリア
クタンスの値によりフェライト等の磁性体やプラスチッ
ク等の絶縁物を用いても良い。なお巻枠体(3)の形状は
図示した筒状でも良いが、その他に棒状あるいはI型形
状でも良い。巻枠体(3)は接着剤(4)により導電路(2)に
近接した絶縁基板(1)上に固定配置されている。
本発明の第2の工程は超音波ボンディング装置を用いて
一の導電路(2)上にリール(12)に内蔵する巻線(5)の一端
を超音波ボンディングすることにある(第1図(ロ)参
照)。
本発明に用いる絶縁巻線は第2図に示す如く、50〜8
00μφの銅細線(6)とその表面を被覆するウレタンあ
るいは弗化エチレンより成る絶縁被膜(7)で形成されて
いる。絶縁被膜(7)は銅細線(6)をウレタンあるいは弗化
エチレン溶液中を通して10〜50μ厚(平均的には20
μ厚)に付着され、インダクタンス素子を形成する各巻
線の絶縁をしている。
本発明に用いる超音波ボンディング装置は第3図に示す
如く、テーブル(8)、キャピラリチップ(9)、超音波振動
源(10)、クランプ(11)、リール(12)および絶縁巻線(5)
より構成されている。斯る超音波ボンディング装置は既
知のものであり、半導体装置の組立に広く利用されてい
る。簡単に動作を説明すると、テーブル(8)上に載置し
たトランジスタ等の電極にキャピラリチップ(9)の中央
の孔より導出される銅細線の一端を20K〜60KHzの
超音波振動を与えて固着し、然る後キャピラリチップ
(9)を移動して他のリードに銅細線の他端を超音波振動
を与えて固着する様に作業する。本発明に用いる超音波
ボンディング装置は斯る半導体装置の組立に用いるもの
にいくつかの改良を加えている。第1にリール(12)はイ
ンタクタンク素子の形成のため絶縁巻線(5)が貯蔵され
ている。第2に超音波振動源は半導体装置の組立用より
は若干パワーアップしている。第3にテーブル(8)には
XY軸移動装置(13)とZ軸移動装置(14)が設けられ、テ
ーブル(8)をX・Y・Z方向に自在に可動できる構造と
なっている。第4にテーブル(8)は回転装置(15)が設け
られ、テーブル(8)をXYの任意の座標を中心に回転で
きる。
本工程では斯上の超音波ボンディング装置のテーブル
(8)上に絶縁基板(1)を真空の吸引力を利用して固定し、
一の導電路(2)がキャピラリチップ(9)の真下に来る様に
テーブル(8)をXY軸移動装置(13)で移動させる。続い
てキャピラリチップ(9)を下降して一の導電路(2)に絶縁
巻線(5)の一端を超音波振動により固着する。絶縁巻線
(5)は断面円形の銅細線を用いているので、導電路(2)と
の接点に超音波振動のエネルギーが集中して絶縁被膜
(7)が破れて銅細線が露出される。そして銅細線と銅の
導電路(2)との同一材料の結合により超音波ボンディン
グが実現できる。
本発明の第3の工程はリール(12)により給送される絶縁
巻線(5)を巻枠体(3)に基板(1)を垂直方向に振巾させて
均一に巻回させることにある(第1図(ハ)参照)。
本工程では巻枠体(3)に所定のターン数だけ絶縁巻線(5)
を巻回し、所望の値のインダクタンス素子を形成でき
る。前工程で絶縁巻線(5)の一端は一の導電路(2)に固着
されているので、XY軸移動装置(13)により絶縁基板
(1)を移動して巻枠体(3)に絶縁巻線(5)がからむ様にす
る。続いてXY軸移動装置(13)を用いて巻枠体(3)の中
心あるいは中心近傍に回転の中心が設定される様に移動
する。然る後超音波ボンディング装置の回転装置(15)を
作動させて巻枠体(3)を回転させてリール(12)より給送
される絶縁巻線(5)を巻枠体(3)に均一に所定のターン数
だけ巻回する。
本工程の特徴はZ軸移動装置(14)を用いてテーブル(8)
を上下方向に一定周期で振動させて、巻枠体(3)全体に
均一な厚みに絶縁巻線(5)を巻回している。この結果タ
ーン数が多いインダクタンス素子に於いても小型の巻枠
体(3)に形成することができるのである。更に本発明で
は巻枠体(3)を回転させることより絶縁巻線(5)を一定の
張力で巻回できるので、極めて小型でターン数の多いイ
ンダクタンスを容易に得られる。
本発明で秀れた点は巻枠体(3)としてE型のものでもI
型のものでも絶縁巻線(5)を巻回できることにある。即
ちI型の巻枠体(3)においてはキャピラリチップ(9)の高
さをI型の巻枠体(3)に対応する様に配置すれば良いか
らである。またE型のコアではキャピラリチップ(9)を
E型のすき間に配置すれば良いからである。
本発明の第4の工程は絶縁巻線(5)の他端を他の導電路
(2)に超音波ボンディングすることにある(第1図(ニ)参
照)。
本工程では超音波ボンディング装置のテーブル(8)をX
Y軸移動装置(13)で移動させ、キャピラリチップ(9)を
他の導電路(2)上に持つて来る。続いてキャピラリチッ
プ(9)を下降させて他の導電路(2)と当接させて超音波振
動を加え、絶縁巻線(5)の他端を超音波ボンディングす
る。なお、絶縁巻線(5)はキャピラリチップ(9)の上昇時
にカッター等を用いて切断する。
以上に詳述した工程は1つのインダクタンス素子を形成
する工程であり、この工程を繰り返し行うことによって
複数のインダクタンス素子を形成することができる。即
ち第1の位置に第1のインダクタンス素子を形成した
後、テーブル(8)をXY軸移動装置(13)で移動して第2
の位置に同様に第2のインダクタンス素子を形成でき
る。また複数のインダクタンス素子はテーブル(8)の回
転数を制御することにより任意の値のインダクタンス素
子を形成でき、チューナー回路等では有用である。
(ト) 発明の効果 本発明の第1の効果はインダクタンス素子を回路基板
(1)上に直接形成できることにある。即ち本発明では巻
枠体(3)と絶縁巻線(5)と最少限の部品でインダクタンス
素子を形成できるので、従来のチップインダクタンスに
比べてきわめて小型で安価なものを得ることができる。
本発明の第2の効果はインダクタンス素子を超音波ボン
ディング装置のリール(12)より給送される絶縁巻線(5)
を巻回して形成する際に、テーブル(8)を上下方向に振
動させることにより巻枠体(3)に均一な厚みに絶縁巻線
(5)を巻回できる。この結果巻枠体(3)に絶縁巻線(5)を
多数のターン数巻回でき、小型で大きい値のインダクタ
ンス素子を形成できる。
本発明の第3の効果はインダクタンス素子を広い範囲で
任意の値に設定できることにある。即ち各インダクタン
ス素子の形成工程に於いて絶縁巻線(5)のターン数をプ
ログラムすれば良い。この結果多種のインダクタンスを
必要とするチューナー回路等ではきわめて利用価値が高
い。
本発明の第4の効果はインダクタンス素子の形成工程で
加熱工程を不要としたことにある。即ち本発明では絶縁
巻線(5)と導電路(2)との接続を超音波ボンディングで行
うので、加熱により絶縁被膜(7)が溶けてレアショート
を発生することが皆無となる。
本発明の第5の効果は超音波ボンディング装置にパター
ン認識およびプログラム可能なメモリを付加することに
より絶縁巻線(5)がリール(12)より給送される限りイン
ダクタンス素子を自動的に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)乃至第1図(ニ)は本発明に依るインダクタンス
素子の形成方法を説明する断面図、第2図は本発明に用
いる絶縁巻線を説明する断面図、第3図は本発明に用い
る超音波ボンディング装置を説明するブロック図、第4
図乃至第6図は従来の小型インダクタンス素子およびチ
ップインダクタンス素子を説明する断面図である。 主な図番の説明 (1)は絶縁基板、(2)は導電路、(3)は巻枠体、(5)は絶縁
巻線、(9)はキャピラリチップ、(15)は回転装置であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波ボンディング装置のリールに金属細
    線の表面を絶縁膜で被覆した絶縁巻線を内蔵し該絶縁巻
    線の一端を回路基板上に設けた一の導電路に超音波ボン
    ディングして前記絶縁膜を破り前記金属細線と前記一の
    導電路とを接続した後、前記リールより前記絶縁巻線を
    給送し、前記回路基板を載置した超音波ボンディング装
    置のテーブルを垂直方向に移動させながら回転させて均
    一な厚みに前記絶縁巻線を巻回してインダクタンス素子
    を形成した後、前記絶縁巻線の他端を前記回路基板上の
    他の導電路に超音波ボンディングし、前記絶縁膜を破り
    前記金属細線と前記他の導電路とを接続することを特徴
    とするインダクタンス素子の形成方法。
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