JPH0614424B2 - 記録担体装填装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この出願の発明は、回転磁気シートなどの円板状回転記
録担体を用いる記録又は再生装置における記録担体の装
填装置に関し、特に記録担体をその回転駆動部に装填す
る装置に関するものである。

従来技術 円板状回転記録担体、例えば回転磁気シートを用いる記
録又は再生装置では、磁気シートがセンタコアに取りつ
けられ、このセンタコアをシート回転モータなどの回転
駆動部に結合するスピンドルに嵌合させて記録担体の装
填を行なっている。この種の装置では、センタコアとス
ピンドルとの嵌合いがゆるいと、記録又は再生動作中に
磁気シートが正常な回転運動をしなくなり、逆に嵌合い
をきつくすると両者が円滑に嵌合しないという問題が起
る。そこで、シート回転モータのスピンドルに永久磁石
を、センタコアに軟磁性板を設け、軟磁性板に対し永久
磁石の磁気的吸引を及ぼし、これにより軟磁性板を吸着
させて両者の結合を行なう装置が提案されている。しか
し、この種の磁気的結合を行う装置においても、センタ
コアをその基準面（例えば、後述の第３図のスピンドル
８のフランジ面８ａ）に正確に位置決めさせることは保
証しにくいので、磁気シートを、記録又は再生ヘッドに
対し所定の対接状態で保持させ、所定の取りつけ面に位
置させることが困難である。また、取りつけ精度をきび
しく要求される静止画記録又は再生装置では、センタコ
アをスピンドルに取りつけるのに２５０グラム程度の力
を必要とするため、磁石の寸法が大となり装置の小型軽
量化を阻害することになる。

さらに、フロッピーディスク装置におけるように、セン
タコアの上面に、このセンタコアをスピンドルに押しつ
ける機構を設けた装置が提案されているが、この装置で
は、記録又は再生時にシートの回転駆動部は、前記の機
構がスピンドルに押しつけられたままの状態で回転する
構成であるので、その負荷が大きくなり、かつ回転ムラ
を発生させる原因となるという欠点がある。

目 的 この出願の発明は、従来装置の前述の欠点に解消し、記
録担体のセンタコアを回転駆動部に正確に取りつけるこ
とができ、回転記録担体と記録又は再生ヘッドとの対接
状態を所定の状態に維持させることを保証することがで
きると共に、記録担体の回転駆動部に大き負荷をかける
ことがなく、これにより回転駆動部の小型化をはかるこ
とができる記録担体装填装置を提供することを目的とす
る。

なお、この明細書において使用する記録担体とは、磁気
的，光学的又は静電容量型の記録又は再生方式における
円板状の可回転記録担体をいい、記録担体回転駆動部と
はモータなどの駆動源又はこれに結合されたスピンドル
などの伝動部材をいう。

実施例による説明 以下、図示の実施例により前記目を達成するために、こ
の出願の発明において構じた手段を例示し、説明する。

ここでは記録担体が回転磁気シートである例について説
明するが、第１図において公知の磁気シートカセットに
ついて、第２図において従来の記録担体装填装置につい
て説明をする。

第１図において、１は磁気シート、２は磁気シート１が
収納されているカセットで、箱形の枠体で形成されてい
る。３磁気シート１が固着されるセンタコア、４後述の
スピンドルが挿入される開口部、５は後述の磁気ヘッド
が挿入される開口部を示す。磁気シート１は、カセット
２に収納された状態で、例えば後述の手段により記録又
は再生装置に装填されて記録又は再生が行われる。

第２図は従来の記録担体装填装置の分解断面図であり、
２点鎖線でカセット２が装填された状態を示す。図中第
１図と同じ符号で示す部材は、第１図の部材と同じ構成
及び機能を有するものであるから、その説明は省略す
る。その他の部材について、６は記録又は再生装置の内
部シャーシ、７はシャーシ６に取りつけられたシート回
転モータ、８はシート回転モータ７のスピンドルであ
る。センタコア３は磁気シート１をスピンドル８に精度
よく取りつけるためのもので、合成樹脂などから構成さ
れている。９ａは記録又再生ヘッドである磁気ヘッドの
ヘッドチップ、９ｂはその取りつけ部である。１０はセ
ンタコア３の下面に固着された軟磁性板、１１はスピン
ドル８の肩部に取りつけられた永久磁石で、これらによ
りセンタコア３とスピンドル８とを磁気的に結合固着し
ていた。しかしこの装置でも、磁気シート１を所定の取
りつけ面に位置させることは保証し難いという欠点があ
る。

また、センタコア３をスピンドル８に強制的に押しつけ
る機構をセンタコア３の上面に配設した他の従来例によ
る前述のようにシート回転モータ７がこれらの機構から
負荷された状態で回転するため、その負荷が増大し、回
転ムラを発生する原因となっていた。

前記した従来技術の欠点を除去することの出願の発明の
実施例を、第３図(a)〜(c)と第４図に示す。

第３図記録担体装填装置の側断面図であり、同図(a)は
カセットホルダが上昇させられた状態を、同図(b)はカ
セットホルダが下降させられた状態を、同図(c)は下降
したカセットホルダに押圧手段が作動を加えている状態
を示し、第４図はその制御回路を示す。

第３図(a)から(c)において、第１図と第２図中の部材と
基本的に同じ構成及び機能を有する部材は、第１図と第
２図に同一符号で示してあるので、その説明は省略す
る。２１はカセットホルダで第３図(a)に示すように矢
印Ａ，Ｂ方向に変位可能であり、カセット２はホルダ２
１に挿入されて回転駆動部に装填されたり、またはホル
ダ２１から記録又は再生装置外に取り出される。なお、
カセットホルダ２１は、不図示の手段によりシャーシ６
に対し、第３図(a)の上昇位置と、同図(b)と(c)の下降
位置との間において変位可能であり、そしてこれらの位
置において不図示の手段により位置決めされる。２２カ
セット２の支持部であってシャーシ６上に複数個設けら
れるが、これらはシャーシ６と一体に構成してもよく、
あるいは別体に構成してもよい。２３はこの発明におけ
る押圧手段の一例であるアームであって、軸２４を中心
に回動可能に構成されている。軸２４は、カセットホル
ダ２１の上面に設けられた立上り部２１ａに取りつけら
れている。２３ａはアーム２３の押圧端部で、第３図
(c)に示すようにアーム２３の時計方向の回動により、
カセットホルダ２１の開口２１ｄを介してその端部２３
ａでセンタコア３をスピンドル８に押し込む。このため
に、例えばナイフエッジ状の端部２３ａを２個設け、そ
れぞれ第３図(a)の紙面表側と裏側においてセンタコア
３の中心部の上面を押圧する構成にしてもよく、あるい
はセンタコア３の上面に天板を設け、天板の中心位置に
おいて端部２３ａにより押圧する構成としてもよい。

なお、センタコア３をスピンドル８に押込む際に、スピ
ンドル８のフランジ面８ａがセンタコア３の上下方向位
置決め基準面となる。また、アーム２３の端部２３ａに
連なる部分２３ｂを、第３図に示すように、例えばプラ
スチック材などにより構成し、細頚部に弾性を持たせる
ことにより、センタコア３を押込む際の過剰押込み分を
第３図(c)に示すように細頚部のたわみの発生により吸
収することができる。

２５はアーム２３を反時計方向に付勢するばねで、アー
ム２３上のばね掛けピン２３ｃとカセットホルダ２１の
立上り部２１ｂのばね掛けピン２１ｃとの間に張架され
ている。なお、立上り部２１ｂの先端部とアーム２３の
下端面とが衝合することにより、アーム２３は反時計方
向の回動を規制されると共に、前記した両者の衝合状態
においては、アーム２３の押圧端部２３ａが第３図
(a)，(b)に示すようにカセットホルダ２１の内部空間に
進入しない状態に維持される。

２６はソレノイドで、シャーシ６上に固設されている。
２６ａはソレノイド２６のアーマチャロッドで、ソレノ
イド２６が通電されると、磁気的反撥力を受けて所定量
突出させられる。第３図(b)に示すように、ソレノイド
２６は、アーム２３がカセットホルダ２１と共に下降さ
せられた時に、アーマチャロッド２６ａがアーム２３の
尾端の折曲部２３ｄと近接対向するように、配設され
る。２７は常開型スイッチで、第３図(b)，(c)に示すよ
うにカセットホルダ２１が下降した時に、カセットホル
ダ２１の端部によって閉じられるように、シャーシ６の
凹部６ａに配設される。

第４図はソレノイド２６の制御回路を示す。コンデンサ
Ｃ_１と抵抗Ｒ_１とでＣＲ時定数回路を構成し、抵抗Ｒ_２
とＲ_３とで分圧回路を構成し、両者でブリッジ回路を構
成する。ＣＰは比較器で、分圧回路の接続点ｂの電位は
はその非反転入力側に、ＣＲ時定数回路の接続点ａの電
位はその反転入力側に与えられ、そして分圧抵抗の接続
点ｂの電位を基準電位とし、ＣＲ時定数回路の接続点ａ
の電位との比較をする。ＴＲは比較器ＣＰの出力をその
ベースに与えられるnpn型のスイッチングトランジスタ
であり、そのコレクタ側にはソレノイド２６が接続され
ている。カセットホルダ２１の下降により閉じられる常
開閉型スイッチ２７は、ブリッジ回路とソレノイド２６
との接続点と、不図示の直流電源との間に接続されてい
る。

この出願の発明に係る記録担体装填装置の実施例の作用
を、以下に説明する。

前述の構成において、第３図(a)に示すカセットホルダ
２１の上昇状態において、磁気シートカセット２をカセ
ットホルダ２１に挿入し、ホルダ２１を矢印Ａ方向に下
降させる。このためには、例えば第３図の紙面裏側に設
けたヒンジによりホルダ２１を装置本体又はその蓋部に
連結し、手動操作又は何らかの駆動手段により、カセッ
トホルダ２１を下降させればよい。

第３図(b)に示すように、カセットホルダ２１が下降位
置に達すると、不図示の手段によりその下降位置におい
てロックされる。このときに、アーム２３の尾端の折曲
部２３ｄがソレノイド２６のアーマチャロッド２６ａに
近接対向し、又、カセットホルダ２１の端部により常開
型スイッチ２７が閉じられる。常開型スイッチ２７が閉
じられると、直流電圧がブリッジ回路、比較器ＣＰとソ
レノイド２６とに加えられる。スイッチ２７が閉じた初
期状態においては、第４図に示すＣＲ時定数回路の接続
点ａの電位が分圧回路の接続点ｂの電位よりも低いた
め、比較器ＣＰの出力がハイレベルとなり、トランジス
タＴＲが導通し、ソレノイド２６が通電する。ソレノイ
ド２６が通電すると、第３図(c)に示すように、アーマ
チャロッド２６ａが突出し、これによりアーム２３の尾
端の折曲部２３ｄが押上げられ、アーム２３はばね２５
に抗して時計方向に回動し、この時第３図(c)に示すよ
うに押圧端部２３ａにより磁気シート１のセンタコア３
をスピンドル８に抗して押込み、スピンドル８のフラン
ジ部の基準面８ａに当接させる。

なお、その際の過剰押込み分は第３図(c)に示すよう
に、アーム２３の細頚部２３ｂがたわむことにより吸収
されるため、記録担体の回転駆動部に大きな負荷を加え
ることがない。

次に、スイッチ２７が閉じられてから極く短い所定時間
（例えば１秒程度）経過すると、第４図に示す回路にお
いて、ＣＲ時定数回路の接続点ａの電位は上昇して行
き、分圧回路の接続点ｂの電位よりも高くなると、比較
器ＣＰの出力電圧がハイレベルからローレベルに反転
し、これによりトランジスタＴＲは非導通となり、ソレ
ノイド２６への通電が断たれる。ソレノイド２６への通
電が断たれると、アーマチャロッド２６ａが下降し、ア
ーム２３はばね２５により反時計方向に回動され、第３
図(b)に示す状態となり、アーム２３の押圧部２３ａに
よるセンタコア３に対する押圧動作が解除される。

以上説明したように、この実施例においては、第４図に
示す回路により、押圧手段であるアーム２３が所定時間
作動させられ、スピンドル８に対するセンタコア３の押
圧が行われ、所定時間経過すると、その押圧動作が解除
される。

なお、本発明は、第２図において説明した従来例と同様
に、スピンドル８のフランジ部に永久磁石１１を、セン
タコア３の下面に軟磁性体１０を配設し、磁気的吸引力
による記録担体装填方式を併用することを妨げるもので
はない。

ところで、ビデオカメラを操作して早急に撮影したい場
合、例えば千載一遇のシャッターチャンスに恵まれた場
合には、カセット２をカセットホルダ２１に挿入し、カ
セットホルダ２１を記録装置の回転駆動部に装填し、シ
ート回転モータ７を回転駆動させる一連の操作を同時的
に素早く行なうことが必要であるが、その際の記録担体
装置操作を行なっている間に、シート回転モータ７を支
障なく速やかに所定回転数に至らせることが良質な画像
を記録する上で重要となる。

そこで、第３図に示される記録担体装填装置を構成する
アーム２３の押圧端部２３ａを、センタコア３に対して
回転自在に構成した別の実施例を第５図に示す。

第５図(a)はアームの端部に取りつけられた押圧部材の
側断面図を、第５図(b)は磁気シートを担持するセンタ
コアに当接された押圧部材の側面図を示す。

第５図(a)において、３０は第３図に示すソレノイド２
６の付勢により時計方向回動されるアームである。な
お、このアーム３０は、第３図に示すようにアーム３０
の一部に弾性を持つ細頚部23ｂを備えるものであっても
よいし、また細頚部23ｂを備えていないものであっても
よい。３１はアーム３０の先端部に貫通された孔で、こ
の孔３１には連結軸３２が回転自在で、かつ矢印Ｂ，Ｃ
方向に摺動自在に挿通されている。連結軸３２の上端に
は抜け止めピン３３が、直径方向に挿通されている。３
７連結軸３２の最下端に固設された円板上部材であり、
この円板状部材３７と付勢アーム３０との間にはばね３
４が張架されている。円板状部材３７には、センタコア
３の上端面と当接する円環状平坦面を持つ逆円錐状部材
３６がねじピン３５により取りつけられている。そし
て、この逆円錐状部材３６は、ねじピン３５に対し回転
自在となっている。なお、逆円錐状部材３６に代えて、
円環状平坦面を持つ円筒状部材を用いることもできる。

第５図(b)において、第３図(b)に示すようにカセットホ
ルダ２１の装填と同時に常開型スイッチ２７が閉じら
れ、ソレノイド２６が付勢されると、アーム３０は時計
方向に回動される。これにより逆円錐状部材３６の円環
状平坦面がセンタコア３の上端面と当接する。アーム３
０の時計方向の一層の回動動作により、アーム３０はス
プリング３４と逆円錐状部材３６を介して、センタコア
３の上端面に押圧力を加える。逆円錐状部材３６は、ね
じピン３５に対し回転自在となっているから、回転を開
始したセンタコア３により回転されながらセンタコア３
に押圧力を加え、スピンドル８に装着を行なう。そし
て、第４図に示した回路の作動により、ソレノイド２６
の通電が停止され、アーム３０は反時計方向に回動復帰
し、逆円錐状部材３６はセンタコア３から離れていく。

上記の説明から明らかなように、センタコア３に押圧力
を加える逆円錐状部材が回転自在に構成されているた
め、センタコア３が回転開始していても回転駆動部に制
動を与えることがなく、シート回転モータは大きな負荷
を加えられず速やかに所定回転速度に達することがで
き、従ってシート回転モータが所定の回転速度に達する
までの所要時間を長くすることがなく、かつそのサーボ
系に乱れを与えることがなく、また、押圧動作中におい
て、摩擦による摺動音を発生することもない。

なお、第５図(a)，(b)に示されるこの出願の発明の別の
実施例においても、スピンドル８のフランジ部に永久磁
石１１を、センタコア３の下面に軟磁性体１０を配設
し、磁気的吸引力による記録担体装填方式を併用するこ
とを妨げるものではない。

効 果 以上説明したように本発明によると、記録担体のセンタ
コアを記録担体取りつけ面方向に対し押圧するための押
圧手段を設け、この押圧手段を一定期間作動させて記録
担体のセンタコアを記録担体回転駆動部へ装填した後解
除するようにしたので、簡単な構成で記録担体を回転駆
動部に正確に取りつけることができ、記録担体と記録又
は再生ヘッドとの対接状態を所定の状態に保持すること
ができる。特に、センタコアは通常はプラスチック製で
あるため、回転駆動部とのはめ合いのためにはその内径
のバラツキが大きいが、上記の構成によると、その内径
を小さめに設計することにより、押圧手段の作用でセン
タコアの内径のバラツキの影響を受けることがなく、量
産にも適する。更に、前記した押圧手段を一定期間のみ
作動させて記録担体のセンタコアを記録担体回転駆動部
に装填した後解除するように制御するので、記録又は再
生動作中は回転駆動部に付勢部材などにより負荷される
ことがないため、回転駆動部の小型化をはかることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の磁気シートカセットの斜視図、第２図は
従来の記録担体装填装置の分解断面図、第３図(a)，(b)
と(c)はこの出願の発明に係る記録担体装填装置の実施
例の断面図で、同図(a)はカセットホルダが上昇させら
れた状態、(b)はカセットホルダが下降させられた状
態、(c)はカセットホルダの下降状態において押圧手段
が作動させられている状態の断面図をそれぞれ示し、第
４図はその制御回路を示す図、第５図(a)，(b)は別の実
施例を示し、同図(a)は押圧部材の側断面図、(b)はセン
タコアに当接された押圧部材の側面図を示す。 図中、１は磁気シート、２はカセット、２１はカセット
ホルダ、３はセンタコア、２３はアーム、２１ａと２１
ｂはカセットホルダの立上り部、２３ｂは弾性を持つ頚
部、２６はソレノイド、２６ａはアーマチャロッド、２
７は常開型スイッチ、２３ｄはアームの折曲部、Ｒ_１と
Ｃ_１は時定数回路、Ｒ_２とＲ_３は分圧回路、ＣＰは比較
器、３０はアーム、３４はばね、３５はねじピン、３６
は逆円錐状部材を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録担体を記録または再生可能な装着位置
   へと移送する記録担体移送手段と、 前記装着位置に装着された記録担体を回転する記録担体
   回転駆動部と、 前記装着位置に移送された記録担体を挾んで前記記録担
   体回転駆動部と対向する位置に設けられ前記記録担体の
   センタコアを前記記録担体回転駆動部に装着すべくこれ
   を押圧するための押圧手段と、 前記記録担体が前記記録担体移送手段によって前記装着
   位置へと持ちきたされたとき、その動作に応じて前記押
   圧手段を一定時間作動させて前記センタコアを前記回転
   駆動部へと押圧して装着した後、前記押圧手段の押圧動
   作を解除して前記押圧手段を前記センタコアより離間さ
   せる制御手段とを備える記録担体装填装置。