JPH0614408U - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

Info

Publication number
JPH0614408U
JPH0614408U JP5352992U JP5352992U JPH0614408U JP H0614408 U JPH0614408 U JP H0614408U JP 5352992 U JP5352992 U JP 5352992U JP 5352992 U JP5352992 U JP 5352992U JP H0614408 U JPH0614408 U JP H0614408U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
pressure receiving
timing control
control device
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5352992U
Other languages
English (en)
Inventor
博昭 今井
章 日高
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ユニシアジェックス filed Critical 株式会社ユニシアジェックス
Priority to JP5352992U priority Critical patent/JPH0614408U/ja
Publication of JPH0614408U publication Critical patent/JPH0614408U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内燃機関の吸気・排気バルブの開閉時期を運
転状態に応じて可変制御するバルブタイミング制御装置
において、装置全体の小型化を図りつつ各油圧回路の速
やかな切り換えによる位相変換手段の移動切換応答性を
向上させる。 【構成】 従動スプロケット21とカムシャフト22と
の間に介装された筒状歯車27を、可動部材30を介し
て軸方向へ移動させることにより両者21,22の相対
回動位相を3段階に変換するバルブタイミング制御装置
である。前記可動部材30で隔成された圧力室29の第
1受圧室29aと第2受圧室29bに油圧を給排する第
1,第2油圧回路31,32の途中に、1つの3ポジシ
ョン型のロータリーバルブ機構38を設けると共に、該
ロータリーバルブ機構38の弁体45に、一対の連通孔
56a,56b、57a,57bを直径方向に形成する
と共に、排出用円弧溝58a,58b、59a,59b
を対称位置に形成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、内燃機関の吸気・排気バルブの開閉時期を運転状態に応じて可変制 御するバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバルブタイミング制御装置としては、種々提供されており、その一例と しては本出願人が先に出願した実開平3−110106号に記載されたものがあ る。
【0003】 このバルブタイミング制御装置は、図8に示すように、機関のクランク軸から 駆動力が伝達される円筒状の従動スプロケット1と、該従動スプロケット1の回 転力によって例えば吸気バルブを開閉作動させる駆動カムを一体に有するカムシ ャフト2と、該カムシャフト2の一端部2aに固定ボルト3を介して固定された スリーブ4と、前記従動スプロケット1とスリーブ4との間に噛合して、左右軸 方向の移動に伴い該従動スプロケット1とカムシャフト2との相対回動位相を変 換する筒状歯車5と、該筒状歯車5を左右軸方向に移動させる駆動機構とを備え ている。
【0004】 この駆動機構は、筒状歯車5の前端側に形成された圧力室6と、該圧力室6内 に軸方向へ摺動自在に設けられた可動部材7と、該可動部材7で隔成された圧力 室6の第1,第2受圧室6a,6bに相対的に油圧を導入する油圧回路8と、筒 状歯車5の後端部に弾装された圧縮スプリング9とを備えている。また、前記油 圧回路8は、シリンダヘッドのカム軸受10,カムシャフト2及び固定ボルト3 の内部や後述するスプール弁16内等に形成されて、第1受圧室6aに連通する 油供給通路11と、該油供給通路11の途中から分岐形成されて第2受圧室6b に連通する分岐通路12と、該第1受圧室6aと外部とを連通するドレン孔13 とを備えている。また、油供給通路11の上流側に三方型の電磁弁14が設けら れていると共に、下流側に油圧切替機構15が設けられており、この油圧切替機 構15は、固定ボルト3内の弁孔3a内を摺動するスプール弁16と該スプール 弁16を一方軸方向に移動させる電磁アクチュエータ17とから構成されている 。
【0005】 そして、機関低負荷時には、コントローラ18から電磁弁14,電磁アクチュ エータ17bに夫々OFF信号(非通電)が出力されて、油供給通路11を閉成 する。したがって、オイルポンプ19から圧送された圧油は、ドレン通路20か ら排出されて第1,第2受圧室6a,6bに供給されず、筒状歯車5が圧縮スプ リング9のばね力により左方向へ最大に移動し、従動スプロケット1とカムシャ フト2との相対回動位相を一方側に変換する。
【0006】 一方、低負荷域から中負荷域に移行すると、電磁弁14にON信号(通電)が 出力されて、オイルポンプ19からの圧油が油供給通路11を通って第1受圧室 6aに導入される。依って、可動部材7がストッパ部1aに突き当たるまで図中 右方向に移動し、筒状歯車5を圧縮スプリング9のばね力に抗して所定量だけ右 方向に移動させるため、従動スプロケット1とカムシャフト2とは、他方側へ所 定量だけ相対回動する。
【0007】 さらに、高負荷域に移行した場合は、電磁アクチュエータ17にもON信号が 出力されて、駆動ロッド17aがスプール弁16をコイルスプリング17bのば ね圧に抗して押圧して該スプール弁16により油供給通路11の途中と分岐通路 12とを連通させる一方、第1受圧室6aとドレン孔13と外部を連通させる。 このため、第1受圧室6a内の油圧が外部に排出されると共に、第2受圧室6b 内に圧油が導入されて、可動部材7を左方向へ最大に移動させると同時に、筒状 歯車5を圧縮スプリング9のばね力に抗してさらに右方向へ移動させる。これに よって、従動スプロケット1とカムシャフト2が、他方側へ最大に相対回動する 。
【0008】 したがって、従動スプロケット1とカムシャフト2とを、単に正逆2段階の相 対回動変換ではなく、任意の中間相対回動位置でも保持することができる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
然し乍ら、前記従来のバルブタイミング制御装置にあっては、筒状歯車5を一 方側軸方向の中間移動位置と最大移動位置に夫々保持するために、電磁弁14と 電磁アクチュエータ17の2つの高価なソレノイド機構を用いており、電磁弁1 4は、図外のシリンダブロックの側部に取り付けられ、電磁アクチュエータ17 はカムシャフトの軸方向の延長線上に設けられている。このため、装置全体が大 型になり、該装置を備えた内燃機関のエンジンルーム内のレイアウトの自由度が 制約され、車両への搭載性が悪化するばかりかコストの増加も余儀なくされてい る。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案は、前記従来の装置の問題点に鑑みて案出されたもので、とりわけ3ポ ジション型ロータリーバルブ機構の弁体の周壁に、内部の軸方向孔を介してオイ ルメインギャラリと各油圧回路とを適宜連通させる夫々一対の連通孔を直径方向 に沿って貫通形成すると共に、弁体の外周面に、前記各油圧回路とドレン通路と を適宜連通させる排出用円弧溝を前記各連通孔を挟んだ対称位置に一対づつ形成 したことを特徴としている。
【0011】
【作用】
例えば機関低負荷域では、弁体が電磁アクチュエータによって1ステップの回 転位置に保持されるため、軸方向孔と各油圧回路との連通が遮断される一方、各 油圧回路とドレン通路が各排出用円弧溝によって連通する。したがって、位相変 換手段は、各受圧室内の低圧化に伴って圧縮スプリング等のばね力で各受圧室側 の一方側の最大移動位置に保持される。
【0012】 機関が低負荷域から中負荷域に移行した場合は、弁体が2ステップの回転位置 に保持されて、軸方向孔と第2受圧室側の第2油圧回路との連通が遮断されたま まになっていると共に、軸方向孔と第1油圧回路が第1連通孔を介して連通する 。したがって、第1受圧室にのみ作動油が供給されて、位相変換手段が可動部材 を介して他方側軸方向の中間移動位置に保持される。
【0013】 更に、機関が中負荷域から高負荷域に移行した場合は、弁体が3ステップの回 転位置に保持されて、今度は軸方向孔と両油圧回路が各連通孔を介して連通する 。したがって、両受圧室に作動油が供給されて、第2受圧室の内圧も上昇して位 相変換手段が他方側の最大移動位置に保持される。
【0014】 また、機関が低負荷域から高負荷域あるいは、高負荷域から低負荷域に直ちに 移行した場合は、弁体が2ステップ回転せずとも正逆1ステップ回転すれば、軸 方向孔と両油圧回路の連通あるいは両油圧回路とドレン通路との連通状態が即座 に得られる。即ち、各連通孔が軸方向孔を中心に略直径方向に貫通形成されてい ると共に、各排出用円弧溝も対称位置に夫々一対設けられているため、弁体が1 ステップだけ回転すれば前述のような流路切り換えが可能になる。この結果、1 つのロータリーバルブ機構による装置の小型化が得られることは勿論のこと、流 路の切り換え応答性が向上する。
【0015】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。尚、本実施例も吸気バルブ 側に適用したものを示している。
【0016】 図1は本考案に係るバルブタイミング制御装置の一実施例を示し、21は図外 のクランク軸からタイミングチェーンにより駆動力が伝達される回転体たる従動 スプロケット、22は一端部22aがシリンダヘッド23のカム軸受23aに回 転自在に支持されて従動スプロケット21から伝達された回転力により図外の吸 気バルブを開閉作動させるカムシャフトであって、このカムシャフト22の一端 部22aには、従動スプロケット21の内部軸方向に挿通されたスリーブ24が 固定ボルト25によって軸方向から固定されている。
【0017】 このスリーブ24は、後端側の環状部24aがカムシャフト一端部22aのフ ランジ部に嵌合していると共に、外周面の略中央位置にアウタ歯24bが形成さ れている。
【0018】 前記従動スプロケット21は、後端部が円環部24aに回転自在に支持された 筒状本体21aと、該筒状本体21aの後端部外周に一体に設けられた歯車部2 1bと、スリーブ24の前端縁に固定ボルト25により共締め固定されて、筒状 本体21aの前端開口を閉塞する円板状のフロントカバー26とから構成されて いる。また、筒状本体21aの内周面略中央には、インナ歯21cが形成されて いる。更に、筒状本体21aの前端部は、フロントカバー26の外周フランジ2 6a内に摺動自在に支持されている。
【0019】 また、スリーブ24と筒状本体21aとの間には、後述する駆動機構を介して 軸方向に移動する位相変換手段たる筒状歯車27が配置されている。この筒状歯 車27は、長尺な歯車を軸直角方向に分割形成された2個の歯車構成部27a, 27bからなり、両歯車構成部27a,27bは、夫々縦断面略コ字形を呈し、 後側の歯車構成部27b内に装着されたスプリング28aと連結ピン28bとに より互いに接近する方向へ弾性的に連結されている。また、各歯車構成部27a ,27bの内外周には、両方がはす歯の内歯と外歯が夫々形成されており、この 両内外歯に前記筒状本体21aのインナ歯21cとスリーブ24のアウタ歯24 bがスパイラル噛合している。また、この筒状歯車27は、前側歯車構成部27 aの前端縁が後述する可動部材30を介してフロントカバー27の内面に突き当 たった位置で最大前方向の(図1の位置)への移動が規制され、一方、後側歯車 構成部27bの後端縁が円環部24aの内側面に突き当たった位置で最大後方向 (図中右方向)への移動が規制されるようになっている。
【0020】 前記駆動機構は、前側歯車構成部27aとフロントカバー26との間に形成さ れた圧力室29と、該圧力室29内に軸方向へ摺動自在に設けられた略円環状の 前記可動部材30と、該可動部材30で隔成された圧力室29の前端側つまり可 動部材30とフロントカバー26の間の第1受圧室29a及び後側つまり可動部 材30と前側歯車構成部27a間の第2受圧室29bと、該両受圧室29a,2 9bに油圧を給排する2経路の第1,第2油圧回路31,32と、後側歯車構成 部27bと円環部材24aとの間に弾装されて筒状歯車27を前方向に付勢する 圧縮スプリング33とを備えている。
【0021】 前記可動部材30は、内周面に圧縮スプリング33のばね圧で前側歯車構成部 27aの前端面が当接していると共に、右方向の最大移動位置が筒状本体21a の内周面及びスリーブ24の外周面に対向して設けられた段差部34,35によ って規制されるようになっている。この段差部34,35は、形成位置が筒状歯 車27の最大左右移動位置の略中間位置となるように設定されている。
【0022】 前記第1油圧回路31は、シリンダヘッド23やカムシャフト22内に形成さ れて一端部がオイルメインギャラリ36を介してオイルポンプ37と連通する第 1油通路31aと、固定ボルト25の軸部内に形成されて、スリーブ24の連通 路31cを介して第1油通路31aと第1受圧室29aを連通する通路部31b とを備えている。
【0023】 一方、第2油圧回路32は、第1油通路31aと略並行に設けられて、一端部 がオイルメインギャラリ36に連通する第2油通路32aと、固定ボルト25の 軸部外周面とカムシャフト22のボルト孔及びスリーブ24のボルト挿通孔内周 面との間に形成されて、第2油通路32aと第2受圧室29bとをスリーブ24 の直径方向孔32cを介して連通する環状通路32bとを備えている。
【0024】 また、第1,第2油通路31a,32aとオイルメインギャラリ36との間に は、1つの3ポジション型のロータリーバルブ機構38が設けられている。この ロータリーバルブ機構38は、シリンダブロック39に形成された円柱状のバル ブ孔40内に収納されたロータリーバルブ41と、該ロータリーバルブ41を3 つのポジションに回転制御する電磁アクチュエータ42とから構成されている。
【0025】 前記バルブ収納孔40は、上部両側に第1,第2油通路31a,32aの一端 部が接続されていると共に、前端部にオイルメインギャラリ36の下流端部36 aが接続されている。また、中央下端部にドレン通路43が接続されている。
【0026】 前記ロータリーバルブ41は、バルブ収納孔40の内周面に圧入固定された有 底円筒状のバルブボディ44と、該バルブボディ44の内部弁孔44aに回転自 在に収納された有底円筒状の弁体45とを備えている。
【0027】 前記バルブボディ44は、前端側底壁にバルブ収納孔40を介してオイルメイ ンギャラリ36と連通する供給孔46が軸方向に沿って貫通形成されていると共 に、中央下部にドレン通路43と環状溝47を介して連通する排出孔48が半径 方向に沿って貫通形成されている。また、図2及び図3に示すように第1,第2 油通路31a,32aの一端部と対応する位置に、第1,第2円環溝49,50 が形成されており、第1円環溝49の第1油通路31aの一端部の延長線から略 60°の角度位置に第1通孔51が貫通形成されていると共に、第2円環溝50 の第2油通路32a一端部の延長線上に第2通孔52が貫通形成されている。
【0028】 前記弁体45は、図1に示すように後端壁45aに電磁アクチュエータ42の 後述する出力軸70と連結する入力軸53が一体に設けられていると共に、内部 軸方向に前記供給孔46と連通する軸方向孔54が形成されている。また、外周 面の略中央に前記排出孔48に連通する円環状の排出溝55が形成されていると 共に、周壁の前記第1通孔51及び第2通孔52に夫々対応する位置に軸方向孔 54と連通する第1,第2連通孔56a,56b、57a,57bが直径方向に 沿って貫通形成されている。また、外周面の第1,第2連通孔56a,56b、 57a,57bを避けた位置には、弁体45の第1ステップの回転ポジションで 第1,第2通孔51,52と排出溝55とを連通する夫々一対の排出用第1,第 2円弧溝58a,58b、59a,59bが形成されている。この第1円弧溝5 8a,58b並びに第2円弧溝59a,59bは、夫々が各連通孔56a,56 b、57a,57bを挟んだ外周面の対称位置に形成されており、各第2円弧溝 59a,59bは、各第1円弧溝58a,58bよりも周方向へ長く形成されて いる。また、弁体45の外周面には、図4及び図6に示すように該弁体45の正 逆の第2ステップ及び第3ステップの回転ポジションで第1連通孔56a,56 bと第1油通路31aとを連通させる供給用円弧溝60a,60bが形成されて いる。
【0029】 また、前記入力軸53は、図1に示すようにバルブボディ44の内周に固定さ れたブッシュ63の軸受孔63aに回転自在に支持されていると共に、板状に形 成された先端部53aが出力軸70の保持孔内に挿通連結している。更に、弁体 45は、後端壁45aの外端面45bがブッシュ63の前端面63bに摺接しつ つ軸方向の位置決めがなされている。
【0030】 一方、前記電磁アクチュエータ42は、図1に示すようにシリンダブロック3 9の外側面に固定された略円形状のハウジング64内の外周側に収納されて、外 周に電磁コイル65が巻装されたコア66と、該コア66を挟んだ前後端に配置 されたステータ67,68と、一方側のステータ67とコア66との間に配置さ れた円環状のマグネット69と、該マグネット69の内周部に固定されて前記出 力軸70にピン71を介して連結されたロータ72とから主として構成されてい る。前記ステータ67,68は、周方向へ間欠的に配置されて、電磁コイル65 への通電時間(パルス長さ)に応じてマグネット69を介して出力軸70を3ス テップの回転ポジジョンに制御するようになっている。また、電磁コイル65に は、コネクター73を介して図外のコントローラから出力されたパルス電流が入 力されるようになっている。このコントローラは、機関回転数を検出するクラン ク角センサや吸入空気量を検出するエアーフローメータ等からの各センサ類から の情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出している。
【0031】 以下、本実施例の作用について説明する。まず、機関低負荷時には、コントロ ーラから電磁アクチュエータ42に第1ステップのパルス電流が出力され、出力 軸70を介して入力軸53が一方に回転する。したがって、弁体45は、図2及 び図3に示すように第1,第2連通孔56a,56b、57a,57bを閉止す る一方、第1,第2油通路31a,32aを、夫々第1,第2円環溝49,50 ,第1,第2通孔51,52及び第1,第2円弧溝58a,59a,排出溝55 ,排出孔48を介してドレン通路43に連通させる。このため、オイルポンプ3 7からオイルメインギャラリ36に圧送された作動油は、各受圧室29a,29 b方向への流入が遮断される一方、第1,第2受圧室29a,29b内の作動油 は、ドレン通路43から外部に排出されて、該各受圧室29a,29bの内圧が 低下する。したがって、筒状歯車27は、圧縮スプリング33のばね力で前方向 に移動し、前側歯車構成部27aが可動部材30を介してフロントカバー26に 突き当たって、その最大移動位置に保持される。依って、従動スプロケット21 とカムシャフト22は、一方側へ最大に相対回動し、吸気バルブの閉時期を遅く するように制御する。
【0032】 また、機関運転状態が低負荷域から例えば中負荷域に移行すると、コントロー ラから第1ステップのパルス電流が出力され、したがって、弁体45は、図4及 び図5に示すように入力軸53を介して図中時計方向(他方向)の中間位置まで 回転し、第2油通路32aを第2円弧溝59a等を介してドレン通路43との連 通状態を維持させる一方、第1連通孔56aを供給用円弧溝60aを介して第1 通孔51と連通させる。このため、オイルメインギャラリ36に圧送された作動 油は、第2受圧室29bには供給されないが、第1油通路31a等を経て第1受 圧室29aに供給される。したがって、第1受圧室29aの内圧の上昇に伴い可 動部材30及び筒状歯車27が、圧縮スプリング32のばね力に抗して後方向へ 移動し、各段差部34,35に可動部材30が突き当たった時点でその移動が規 制されて、筒状歯車27は斯かる中間位置に保持される。依って、従動スプロケ ット21とカムシャフト22は、筒状歯車27の該中間移動位置で決定される相 対回動位相に応じて吸気バルブの開閉時期を最適に制御することができる。
【0033】 さらに、機関が高負荷域に移行した場合は、コントローラから第2ステップの パルス電流が出力され、したがって、弁体45は、図6及び図7に示すように入 力軸53を介してさらに時計方向へ最大に回転する。すると、今度は、第1連通 孔56a及び供給用溝60aを介して軸方向孔54と第1通孔51が連通状態を 維持していると共に、第2連通孔57aと第2通孔52が連通する。このため、 オイルメインギャラリ36の作動油は、軸方向孔54から分岐して一方は第1受 圧室29aに、他方は第2連通孔57a,第2通孔52,第2油通路32a等を 介して第2受圧室29bにも供給される。したがって、第2受圧室29bの内圧 が即座に上昇して筒状歯車27は、圧縮スプリング33のばね力に抗して後側歯 車構成部27bが円環部材24aに突き当たるまでさらに後方向へ速やかに最大 移動する。依って、従動スプロケット21とカムシャフト22は、さらに他方側 へ相対回動して吸気バルブの閉時期を早めるように制御する。
【0034】 また、機関高負荷域から中負荷域及び低負荷域に順次移行した場合は、前述と は逆の作用によって弁体45が反時計方向へ1ステップ━2ステップと段階的に 回転して、第1,第2受圧室29a,29bとドレン通路43を適宜連通させる ため、該各受圧室29a,29bの圧力低下に伴い筒状歯車27が圧縮スプリン グ33のばね力で前方の中間移動位置あるいは最大移動位置に速やかに保持され る。
【0035】 そして、機関の低負荷域から直ちに高負荷域に移行した場合は、コントローラ から逆方向へ1ステップのパルス電流が出力される。したがって、弁体45は、 前記図2及び図3に示す位置から入力軸53を介して反時計方向へ1ステップ回 転して図6及び図7に示す位置に保持される。即ち、第1,第2連通孔56a, 56b、57a,57bが直径方向へ貫通形成され、かつ排出用第1,第2円弧 溝58a,58b、59a,59bも対称位置に夫々形成されているため、弁体 45が反時計方向へ1ステップ回転して図2から図6に、図3から図7に夫々示 す回転位置になり、供給用溝60bを介して第1連通孔56bが第1通孔51と 連通する一方、第2連通孔57bが第2通孔52と直接連通する。したがって、 夫々の連通作用が速やかに行われ、各受圧室29a,29bに対する作動油の供 給速度も速くなる。
【0036】 一方、機関高負荷域から直ちに低負荷域に移行した場合は、コントローラから 正方向へ1ステップのパルス電流が出力される。したがって、弁体45は、前記 図6及び図7に示す位置から時計方向へ1ステップ回転して図2及び図3に示す 位置に保持される。即ち、第1連通孔56a,56bが閉止されると共に、第1 円弧溝58bが第1通孔51と連通する一方、第2連通孔57a,57bが閉止 されると共に、第2円弧溝59bが第2通孔52と連通する。したがって、各受 圧室29a,29b内の作動油の排出速度も速くなる。
【0037】 この結果、筒状歯車27は、前後方向の移動応答性が良好となり、バルブタイ ミング制御精度が向上する。
【0038】 尚、中負荷域から高負荷域あるいは低負荷域に移行した場合も、前述のように 弁体45が時計,反時計方向へ1ステップ回転するだけでよい。
【0039】 しかも、弁体45の最大正逆回転位置規制を、所定のストッパ機構ではなく、 電磁アクチュエータ42の回転ステップ制御によって行うようにしたため、前記 ストッパ機構を加工する必要がなくコストの低廉化が図れる。また、電磁アクチ ュエータ42が誤作動して弁体45を180°回転させたとしても、前述のよう に連通孔や円弧溝が夫々対称位置に形成されているため、流路の適正な切り換え が可能になる。
【0040】 更に、2経路の油圧回路31,32の切り換えを1つのロータリーバルブ機構 38によって行うようにしたため、装置全体の小型化とコストの低廉化が図れる 。
【0041】
【考案の効果】
以上の説明で明らかなように、本考案によれば、2経路の油圧回路の相対的な 切り換えを、1つの3ポジション型のロータリーバルブ機構によって行うように したため、位相変換手段によるバルブタイミングの高精度な3段階制御が可能に なることは勿論のこと、装置全体の小型化が図れる。この結果、該装置を備えた 内燃機関のエンジンルーム内へのレイアウトの自由度が向上する。また、コスト の低廉化が図れる。
【0042】 しかも、弁体に夫々一対の連通孔を略直径方向に沿って貫通形成すると共に、 排出用円弧溝を前記各連通孔を挟んだ対称位置に一対づつ形成したため、機関の 例えば低負荷域から高負荷域あるいは高負荷域から低負荷域への移行に対して弁 体を1ステップだけ回転させるだけで、各油圧回路の適正かつ速やかな切り換え が可能になる。したがって、位相変換手段の移動応答性が向上し、バルブタイミ ング制御精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す全体構成図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】本実施例の作用を示す図1のA−A線断面図。
【図5】本実施例の作用を示す図1のB−B線断面図。
【図6】本実施例の異なる作用を示す図1のA−A線断
面図。
【図7】本実施例の異なる作用を示す図1のB−B線断
面図。
【図8】従来のバルブタイミング制御装置を示す全体構
成図。
【符号の説明】
21…従動スプロケット(回転体) 22…カムシャフト 27…筒状歯車(位相変換手段) 29…圧力室 29a,29b…第1,第2受圧室 30…可動部材 31,32…第1,第2油圧回路 36…オイルメインギャラリ 38…ロータリーバルブ機構 42…電磁アクチュエータ 43…ドレン通路 45…弁体 54…軸方向孔 56a,56b…第1連通孔 57a,57b…第2連通孔 58a,58b…第1円弧溝 59a,59b…第2円弧溝

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関に駆動される回転体とカムシャフト
    との間に介装されて、軸方向の移動に伴い前記回転体と
    カムシャフトとの相対回動位相を変換する位相変換手段
    と、前記回転体の内端部に有する圧力室を第1,第2受
    圧室に隔成しつつ軸方向へ摺動して前記位相変換手段を
    中間移動位置に保持する可動部材と、前記第1,第2受
    圧室に油圧を給排して前記可動部材及び位相変換手段を
    一方側軸方向に移動させる2経路の油圧回路と、有底円
    筒状の弁体を電磁アクチュエータにより3段階に回転位
    置制御して前記各油圧回路を切り換える3ポジション型
    のロータリーバルブ機構とを備えたバルブタイミング制
    御装置であって、前記弁体の周壁に、内部の軸方向孔を
    介してオイルメインギャラリと前記各油圧回路とを適宜
    連通させる夫々一対の連通孔を略直径方向に沿って貫通
    形成すると共に、弁体の外周面に、前記各油圧回路とド
    レン通路とを適宜連通させる排出用円弧溝を前記各連通
    孔を挟んだ対称位置に一対づつ形成したことを特徴とす
    る内燃機関のバルブタイミング制御装置。
JP5352992U 1992-07-30 1992-07-30 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JPH0614408U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5352992U JPH0614408U (ja) 1992-07-30 1992-07-30 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5352992U JPH0614408U (ja) 1992-07-30 1992-07-30 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0614408U true JPH0614408U (ja) 1994-02-25

Family

ID=12945342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5352992U Pending JPH0614408U (ja) 1992-07-30 1992-07-30 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0614408U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2570766Y2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2891013B2 (ja) V型内燃機関における可変バルブタイミングコントロール装置
US5088456A (en) Valve timing control system to adjust phase relationship between maximum, intermediate, and minimum advance position
US6230675B1 (en) Intake valve lift control system
JPH09280023A (ja) 可変動弁機構用駆動装置及び油圧アクチュエータ
US6550436B2 (en) Intake valve control device of internal combustion engine
KR19980071049A (ko) 가변운동 밸브기구 및 가변운동 밸브기구 장착 내연기관
JP2571417Y2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH0533614A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH11343820A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH04171205A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH0614408U (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2008157074A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4123589B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置及びv型内燃機関
JP2573344Y2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4507417B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JPH0650112A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH09222004A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2551823Y2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH0614405U (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH07139318A (ja) バルブタイミング調整装置
JPH0714105U (ja) 内燃機関の動弁装置
JPH0614403U (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH10280919A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH0719012A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置