JPH0614391Y2 - 磁界フリ−型熱陰極構造体 - Google Patents

磁界フリ−型熱陰極構造体

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JPH0614391Y2
JPH0614391Y2 JP1987017800U JP1780087U JPH0614391Y2 JP H0614391 Y2 JPH0614391 Y2 JP H0614391Y2 JP 1987017800 U JP1987017800 U JP 1987017800U JP 1780087 U JP1780087 U JP 1780087U JP H0614391 Y2 JPH0614391 Y2 JP H0614391Y2
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JP
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hot cathode
cathode structure
magnetic field
insulator
type hot
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鈴弥 山田
光明 斉藤
健一 江原
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この考案は、各種イオン源、三極スパツタリング装置、
および各種電子銃に用いられる熱陰極構造体に関する。
<従来の技術とその問題点> イオンビームはLSIの製造工程や材料の表面改質の研究
に使用されている。イオンビームを発生させるイオン源
としては熱陰極を有する熱電子衝撃型イオン源が広く用
いられている。熱陰極の材料は通常W、Ta、Re等の金属
が用いられているが、イオンビームの大電流化および熱
陰極の長寿命化のため導電性のセラミツクスを用いるこ
とが検討されている。例えば、カスプ型Hイオン源の
熱陰極をWからLaB6に代替することによつて長寿命化に
成功している(参考文献:A.Takagiet al.,“Multicus
p H- ion source at KEK(II).”Proc.,9th symp. on
ISIAT’85,109 (1985))。
しかしながら、セラミツクスは脆性材料であり、イオン
源装置内部の支持電極への取付けの際や、急速な加熱・
冷却の際に壊れやすいという問題がある。
また、熱陰極に流れる電流により磁界が発生し、これが
イオン源内部のプラズマの安定性に悪影響を与えるとい
う問題があつた。
このような背景のもとに、支持電極への取り付けが簡単
で熱衝撃に強く、そして加熱電流による磁界の発生がな
いセラミツクス製熱陰極が望まれている。本考案は上記
要求に応える熱陰極構造体を提供することを目的として
いる。
<問題点を解決するための手段> 考案者らは上記目的を達成するために種々検討を行なつ
た結果、らせん状の溝を形成することにより、導電性セ
ラミックスを管状の並行らせん巻構造とし、1個の絶縁
体に固定した2個の金属片(電極)に導電性セラミツク
スの端部を固定し、金属片または金属片に接続した給電
端子によつてイオン源装置内部の支持電極へ取付ける方
法を見出して、この考案を完成させるに到つた。
すなわち、この考案は、2本の並行らせん巻導電性セラ
ミツクスの各一端を閉じ、他の各一端を金属片を介して
1個の絶縁体に固定した磁界フリー型熱陰極構造体であ
る。
以下この考案について詳細に説明する。この考案におい
て導電性セラミツクスとは第1にはアルカル土類金属お
よび原子番号57から71までのランタン系元素の中か
ら選ばれた少なくとも1種以上の元素の6ホウ化物の焼
結体、第2には、Ti、Zr、およびTaの中から選ばれた少
なくとも1種以上の2ホウ化物の焼結体、第3にはTi、
Zr、Hf、V、NbおよびTaの中から選ばれた少なくとも1
種以上の炭化物または窒化物、第4には炭素質材料であ
る。
第1図は2本の並行らせん巻導電性セラミツクスの各一
端を閉じたものであり、第2図は第1図のセラミツクス
のらせん部分を引伸した状態を描いたものである。2本
の並行らせん体1A,1Bは、一方の端部2A,2Bが
結合部3によつて電気的に接続され、他方の端部4A,
4Bはたがいに離れており、ここが通電口となる。
上記らせん構造の製作方法の一例を示す。まず、セラミ
ツクス焼結体をワイヤーカツト放電加工法によつてセラ
ミツクスの管状体を製作する。そして管状体をその中心
軸を中心に回転させながら、ワイヤーカツト放電加工機
のワイヤーを管状体の一方の端末から他方の端末に向つ
て進行させながら加工し、らせん状の溝を形成すること
によつて2本のらせん体1A,1Bとする。
上記ワイヤーによる放電切断の開始位置を管状体の端末
からではなく、端末近辺からにすると、らせん体ん各一
端2A,2Bは自然に結合部材3により閉じた状態のも
のになり、改めて閉じる処理をする必要がなくなる。
また、上記ワイヤーによる放電切断の終末において、管
状体の回転を止めてワイヤーを進行させて切断をおこな
うと、その切断線が管状体の軸に平行な端部4A,4B
になる。さらに、後記の金属片5A,5Bへの接続の際
に都合のよい形状とするため、第3図〜第5図のように
各端部4A,4Bをワイヤーカツト放電加工によりたが
いに平行な平面に加工し、ネジ挿入用の穴10を細穴放
電加工機を用いてあけてもよい。
導電性セラミツクスへの通電と導電性セラミツクスの支
持のため、導電性セラミツクスの端部4A,4Bに金属
片5A,5Bを取付ける。金属片は前記目的を達するも
のである限り、その形状は問わない。金属片5A,5B
は1個の絶縁体6に固定される。金属片5A,5Bの絶
縁体6への固定は、とくに正確でなければならない。も
しも、金属片5Aと金属片5Bの間隔または並行性に狂
いが生ずると、導電性セラミツクスが歪んで、らせん体
1A,1Bが短絡したり、折損するおそれがある。
金属片の材質は、W、Ta、Mo等の高融点金属が用いられ
るが、熱陰極の使用温度が低く、かつ金属片の冷却が効
率よくおこなわれるならばCuを使用してもよい。金属片
5A,5Bと端部4A,4B間に接触状態をより良好に
するためにTa、Moなどの箔を挟んでもよい。またセラミ
ツクスとしてLaB6等を使用したときで、使用中に金属片
の温度が比較的高くなる場合は、金属片とセラミツクス
が反応して接触部分での電器伝導性が低下することのな
いように、レニウム箔、グラフアイトシート、カーボン
シートなどの反応防止材を挟んでもよい。
絶縁体6は熱衝撃に強い材料と構造であることが望まし
く、アルミナ、窒化ほう素、シリカ、マイカなどのセラ
ミツクスが使用できる。その形状は円板、四角板など単
純な形が好ましい。金属片5A,5Bへの通電は第6図
に示すように絶縁体6に貫通させて給電端子7A,7B
を取付け、これら給電端子と金属片を接続すればよい。
絶縁体に貫通させる穴の径は給電端子のネジ部の直径よ
りもやや大きくしておくと金属片の取り付け面間の距離
を調整することができて好都合である。金属片の取付け
面間の距離および並行出しの調整は金属片間内に位置あ
わせ用の治具を装入すれば簡単に行なうことができる。
調整終了後、導電性セラミツクスをネジ8A,8Bおよ
びナツト9A,9Bによつて取り付ける。
給電端子7A,7Bは必ずしも絶縁体6を貫通させて取
付ける必要はなく、第8図〜第10図に示すように金属
片ト給電端子とを重ねて絶縁体に固定してもよい。ある
いは金属片と給電端子を1個の金属片で兼ねさせること
もできる。
<作用> 本考案の熱陰極構造体は導電性セラミツクスの端部4
A,4Bが1個の絶縁体6に固定されているので、絶縁
体をつかんで取扱う限り、導電性セラミツクスの端部に
無理な力がかかることがなく、導電性セラミツクスを破
損させるおそれがない。
また、この考案の熱陰極構造体はセラミツクスからなる
2本の導体が互いに並行して同じ方向にらせん状に巻か
れており、それぞれの導体に流れる電流の向きが互いに
逆向きになるので導体の回りに発生する磁界の方向も互
に逆方向になり、そのため磁界の打消し合いになり、全
体として磁界が消える。
<実施例> 平均粒径が8μmのLaB6粉を圧力150Kgf/cm2、温度
2000℃の条件でホツトプレス法による焼結をおこな
い、気孔率約15%の焼結体とした。この焼結体をワイ
ヤーカツト放電加工法により、まず外径10mm、内径7
mm、高さ、27.5mmの管状体とし、ついでらせん状の溝
を形成して2本の並行らせん巻き構造にした。このよう
にして得られたらせん状のピツチは3.6mmであり、らせ
んとらせんの切り代は0.3mmであつた。そして金属片5
A,5Bと接続するために、第3図〜第5図に示したと
おり導電性セラミツクスの閉じられていない端部4A,
4Bをワイヤーカツト放電加工法によつて面出しをおこ
なつた。第8図〜第10図に示すとおり、窒化ほう素製
の絶縁体6にタンタル製金属片5A,5Bおよびタンタ
ル製給電端子7A,7Bをステンレス製ネジ11A,1
1Bによつて固定した。ついで、端部4A,4Bにタン
タル箔12A,12Bとタンタル製金属片5A,5Bを
モリブデン製ネジ8A,8Bとタンタル製ナツト9A,
9Bを用いて固定した。この熱陰極構造体を1×10
−5Torrの真空中において直流電流を通電することによ
つて加熱をおこなつた。
37Aの熱陰極加熱電流でLaB6の熱陰極の通常の使用温
度である1500℃に加熱することができた。このとき
の熱陰極印加電圧は6.1Vであつた。次に熱陰極印加電
圧を6.1Vに固定し熱陰極加熱電流のオン・オフを繰り
返しおこなつた。5回のオン・オフテスト中LaB6導体は
破損することなく、テスト終了後も抵抗の変化はほとん
どなかつた。
ガウスメーターにより導電性セラミツクスから5cm離れ
た空間の磁界を測定したところその値は0.1ガウス以下
であつた。
<考案の効果> この考案の熱陰極構造体は使用装置への取付け作業が簡
単で破損する恐れがない。また、使用時の導電性セラミ
ツクスの熱膨張による応力が緩和され、熱衝撃に耐え
る。さらに、この考案の熱陰極構造体は使用時に磁界の
発生がなく、これをイオン源装置に組込んだとき、磁界
によつてプラズマの安定性が乱れることがない。
この考案の熱陰極構造体は、カウフマン(Kaufman)型、
カルトロン型(Calutron)型、多極磁界型(バケツト型)
等の熱電子衝撃型イオン源のほかニールセン(Nielsen)
型、スカンジナビアン(Scandinavian)型等の電子振動型
イオン型、ビームプラズマ型イオン源、ヒル・アンド・
ネルソン(Hill and Nelson)型等のスパツタイオン源、P
IG型イオン源、モノプラズマトロン、デユオプラズマト
ロン、デユオピガトロン等の各種イオン源、三極スパツ
タリング装置、電子ビーム溶接装置、電子ビーム溶解装
置、電子ビーム露光装置、電子顕微鏡、陰極線管に用い
る熱陰極として適している。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の熱陰極構造体のセラミツクス部分を
示す正面図であり、第2図はセラミツクス部分を引伸し
た斜視図である。第3図〜第5図はこの考案の熱陰極構
造体のセラミツクス部分の具体例であり、第3図は側面
図、第4図は正面図、第5図は第3図のA矢印から見た
底面図である。第6図および第7図はこの考案の熱陰極
構造体であり、第6図は正面図、第7図は第6図のB矢
印から見た平面図である。第8図〜第10図はこの考案
の熱陰極構造体の別の実施例である。第8図は平面図、
第9図は正面図、第10図は第9図のC−C横断面図で
ある。 符号 1A,1B……らせん体、2A,2B……端部、3……
結合部材、4A,4B……端部、5A,5B……金属
片、6……絶縁体、7A,7B……給電端子、8A,8
B……ネジ、9A,9B……ナツト、10……穴、11
A,11B……ネジ、12A,12B……タンタル箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−19958(JP,A) 特公 昭29−7060(JP,B1) 特公 昭54−31783(JP,B2) 特公 平4−56415(JP,B2) 特公9352(大正15)(JP,B1 T)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】らせん状の溝によって形成される2本の並
    行する管状のらせん巻導電性セラミックスであって、前
    記導電性セラミックスの一端が連続し、二分された他端
    を金属片を介して1個の絶縁体に固定した磁界フリー型
    熱陰極構造体。
JP1987017800U 1986-07-14 1987-02-12 磁界フリ−型熱陰極構造体 Expired - Lifetime JPH0614391Y2 (ja)

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JP1987017800U JPH0614391Y2 (ja) 1987-02-12 1987-02-12 磁界フリ−型熱陰極構造体
GB8712116A GB2192751B (en) 1986-07-14 1987-05-22 Method of making a thermionic cathode structure.
DE19873717974 DE3717974A1 (de) 1986-07-14 1987-05-27 Gluehkathode
US07/222,300 US4878866A (en) 1986-07-14 1988-07-22 Thermionic cathode structure

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