JP2975543B2 - 熱陰極構造体 - Google Patents

熱陰極構造体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種イオン源、三極ス
パッタリング装置等の熱電子源や、X線発生装置用の熱
電子源等に用いられる熱陰極構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】イオンビーム応用技術は半導体製造工程
や材料の表面改質の研究等に使用されており、熱陰極を
有する電子衝撃型イオン源が広く用いられている。これ
らの用途では、イオンビーム応用技術の多様化の要求に
沿い、所望の電流値が安定して得られるように、いろい
ろな形状・サイズの熱陰極構造体が開発されている。
【0003】例えば、端子部を絶縁材料で被覆した螺旋
構造を有する導電性セラミックスをフィラメントとする
熱陰極構造体が特開昭63-216232号公報に開示されてい
るし、X線発生用の熱電子源として、平面型フィラメン
トを有する熱陰極構造体が特開平4-192242号公報に開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子衝撃型イオン源装
置に熱陰極構造体を用いる場合、従来は、特開昭63-216
232号公報に例示されるような螺旋形状のフィラメント
を有する熱陰極構造体が適用されていた。しかし、アー
ク電流量が約10A以下の比較的小型の電子衝撃型イオ
ン源装置に用いようとすると、アーク電流を安定して得
ることができないという問題があり、本発明者らは、他
形状のフィラメントを有する熱陰極構造体を適用するこ
とを検討してきた。その結果、特開平4-192242号公報例
示の熱陰極構造体を用いるとき、安定してアーク電流を
発生することができるが、電子衝撃型イオン源装置の稼
働時の加熱昇温、冷却降温時に、又、時として、温度的
にはほぼ一定な使用条件下であっても短時間に破壊する
という問題があることが明かとなった。
【0005】本発明者らは、これらの問題について鋭意
検討し、本発明に至ったものである。本発明の目的は、
比較的小型の電子衝撃型イオン源装置に用いた時に、ア
ーク電流を長期に渡って安定して得ることができる熱陰
極構造体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィラメント
の端部の断面積が、該フィラメントの端部及び屈曲部を
除いた部分での断面積よりも大きいことを特徴とする熱
陰極構造体である。に詳しくは、フィラメントの端部
の断面積が、該フィラメントの端部及び屈曲部を除いた
部分での断面積の1倍を越えて3倍以下、屈曲部の断面
積が、該フィラメントの端部及び屈曲部を除いた部分で
の断面積の1倍を越えて3倍以下であることを特徴とす
る熱陰極構造体である。
【0007】以下、本発明について、図を例示しながら
説明する。
【0008】図1は、本発明に係わる熱陰極構造体であ
る。図2、図4、図5及び図6に例示する導電性セラミ
ックスからなるフィラメント1がその端部8で、ボルト
3により、導電端子6に固定される。この導電端子6
は、電気絶縁性セラミックスからなる端子台4に固定さ
れる。又、ボルト3とフィラメント1の間には、ワッシ
ャー2が挟持される。尚、図3は参考例である。
【0009】本発明において、フィラメントを構成する
導電性セラミックスとは、アルカリ土類金属及び原子番
号57〜71までのランタン系元素の中から選ばれた少なく
とも1種以上の元素の六ホウ化物の焼結体である。
【0010】熱陰極構造体は、その使用に際しては、導
電端子6よりフィラメント1に電流を流し、それにより
発生する熱でフィラメント1自身を1000〜1600
℃に加熱することで熱電子を放射させるので、フィラメ
ント1からの輻射熱や伝導熱により、ボルト3、端子台
4、導電端子6及びワッシャー2をはじめとする各部材
の温度が上昇する。
【0011】従って、使用条件下で、フィラメント1
は、各部材がそれを構成する材料それぞれに固有の物性
と配置位置に原因して異なる膨張を示すこと、又、フィ
ラメント1自身がその端部で急激な温度分布を有するこ
と、更に、フィラメント1は、使用条件下での蒸発やイ
オンによるスパッター等により消耗してゆくし、他の電
極部材からの蒸着物がフィラメント上に堆積し反応する
こともあり、複雑な応力を受けて、時として、破壊に至
ることがある。
【0012】本発明者らの検討によれば、フィラメント
1の破壊は、二箇所で生じることが多い。即ち、一箇所
はフィラメント1の端部8に位置する導電端子との接合
部11及びその近傍であり、他は、フィラメント1の屈
曲部9及びその近傍である。
【0013】前者で破壊が生じる原因については、熱陰
極構造体の使用条件下での温度変化に伴って発生する熱
応力により、或いは、電極部材からの蒸着物との反応に
よりフィラメントが消耗して破壊するものであり、後者
の原因については、使用条件下でのフィラメント自体の
蒸発、或いは、イオンによるスパッターにより屈曲部9
でフィラメントが消耗し次第に熱応力に抗することがで
きなくなるものと推察される。
【0014】図2は、本発明に係わる熱陰極構造体に用
いられるフィラメントを例示した平面図であり、上記の
推察に基づき、フィラメント1の電極との接合部11と
なる端部8で、その断面積を大きくした特徴がある。こ
こで、本発明のフィラメント1の端部8の断面積は、ボ
ルトを貫通できる穴を有する接合部11に於ける断面積
を示すものでなく、フィラメントに属し接合部11に相
対する部分の断面積を示し、より具体的には、フィラメ
ントの接合部11より1mm離れた部分での断面積を示
す。尚、図3は参考例を示した平面図であり、フィラメ
ント1の屈曲部9で、その断面積を大きくした特徴があ
る。
【0015】図4は、本発明に係わる熱陰極構造体に用
いられるフィラメントの別の一例を示した平面図であ
る。接合部11に近接する端部8とともに、屈曲部9に
おいても、断面積を大きくした特徴がある。図5、図6
はフィラメント1の厚みが、端部8及び屈曲部9で、厚
く加工することで、これらの部分の断面積を大きくした
一例を示す。
【0016】端部における断面積と端部及び屈曲部を除
いた部分での断面積との割合、及び、屈曲部の断面積と
端部及び屈曲部を除いた部分での断面積との割合につい
ては、いずれも、1倍を越えて3倍以下であれば良い。
【0017】強度的に補強するという目的より、これら
の比が1倍を越えていることは必須である。一方、端部
における断面積と端部及び屈曲部を除いた部分の断面積
との割合、或いは、屈曲部の断面積と端部及び屈曲部を
除いた部分の断面積との割合が3倍を越える場合には、
従来の断面積が一定の形状のものに較べる時に、同じア
ーク電流を得ようとしても、加熱に要する電流が極度に
大きくなり、実用的でないことを実験的に見いだしたも
のである。
【0018】本発明において用いられるフィラメントの
形状については、図5や図6に例示するように、端部の
厚みが変更されたものや、逆に、端部以外の部分でその
一部の厚みが変化しているもの等が含まれる。
【0019】本発明に用いる端子台4の材質としては、
BN、アルミナ、シリカ等の電気絶縁性のセラミックス
が用いられる。導電端子6には、モリブデン、タングス
テン、タンタル等の高融点金属或いはカーボン等の導電
性セラミックスが用いられるが、使用する温度が低い場
合には、ステンレス、銅、アルミニウム等の汎用金属も
用いることができる。又、ボルト3、5及びワッシャー
2、7についても、同様である。
【0020】以下、実施例にて、本発明を更に詳しく説
明する。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕気孔率10%のLaB6焼結体から、ワイヤ
ーカット放電加工法にて、厚さ1.0mm(大きさ20mm×
20mm)の平板を切り出した後、図2の平面状のフィラ
メントを切り出した。電極接合部となる両端部において
は、その幅を2.3mmとし、それ以外の部分の幅を1.0m
mとした。上記のフィラメントを用い、熱陰極構造体を
組み立てた後、4×10-6Torrの真空中において、1350℃
〜1650℃の温度領域内で、昇降温速度が100℃/8分とな
るように加熱電力を制御しながら、加熱冷却を100回繰
り返したが、何等異常は認められなかった。次に、電子
衝撃型イオン源装置内にセットして、1×10-4Torrの真
空下、温度1550℃に加熱し、プラズマを発生した。500
時間の使用後においても、何等異常は認められなかっ
た。
【0022】〔参考例〕実施例1と同様な操作で、気孔
率が約10%のLaB6焼結体からなる図3の平面状の
フィラメントを作製した。加工にあたり、屈曲部の幅は
1.3mmとなるようにし、その他の部分の幅は1.0
mmとした。このフィラメントを用いて熱陰極構造体を
組立て、実施例1と同様に、加熱冷却を繰り返し、更
に、プラズマを発生させた。いずれの操作後において
も、何等異常が認められなかった。
【0023】〔実施例〕実施例1と同様な操作で、気
孔率が約10%のLaB6焼結体からなり、図4の形状
の平面状のフィラメントを作製した。加工にあたり、両
端部分の幅は2.3mmに、屈曲部の幅は1.3mmと
なるようにし、その他の部分の幅は1.0mmとした。
このフィラメントを用いて熱陰極構造体を組立て、実施
例1と同様に、加熱冷却を繰り返し、更に、プラズマを
発生させた。いずれの操作後においても、何等異常が認
められなかった。
【0024】〔比較例1〕実施例1と同様な操作で、気
孔率が約10%のLaB6焼結体からなるが、従来より知
られている図7の形状を有する平面状のフィラメントを
作製した。これを実施例1と同様に熱陰極構造体に組立
た後、実施例1と同じ加熱冷却を繰り返したところ18回
経過後に断線を生じた。断線は、電極接合部に近い部分
で生じていた。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、たとえば、比較的小型
の電子衝撃型イオン源装置に用いた時に、熱応力による
破壊などが起きにくく、アーク電流を長期に渡り、安定
して得ることができる熱陰極構造体が得られる。本発明
の熱陰極構造体は、上記の用途以外の各種イオン源装
置、三極スパッターリング装置、電子ビーム溶接装置、
電子ビーム溶解装置等に用いるに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱陰極構造体の立面図と側面図。
【図2】本発明の熱陰極構造体に用いられるフィラメン
トの一例の平面図。
【図3】陰極構造体に用いられるフィラメントの参考
の平面図。
【図4】本発明の熱陰極構造体に用いられるフィラメン
トの一例の平面図。
【図5】本発明の熱陰極構造体に用いられるフィラメン
トの一例の平面図と側面図。
【図6】本発明の熱陰極構造体に用いられるフィラメン
トの一例の平面図と側面図。
【図7】従来の熱陰極構造体に用いられたフィラメント
の平面図と側面図。
【符号の説明】
1 フィラメント 2 ワッシャー 3 ボルト 4 端子台 5 ボルト 6 導電端子 7 ワッシャー 8 フィラメントの端部 9 フィラメントの屈曲部 10 導電線取付用ネジ穴 11 フィラメントの導電端子との接合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 1/16 H01J 35/06 H01J 37/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィラメントの端部の断面積が、該フィラ
    メントの端部及び屈曲部を除いた部分での断面積よりも
    大きいことを特徴とする熱陰極構造体。
  2. 【請求項2】 フィラメントの端部の断面積が、該フィラ
    メントの端部及び屈曲部を除いた部分での断面積の1倍
    を越え3倍以下であり、屈曲部の断面積が、該フィラメ
    ントの端部及び屈曲部を除いた部分での断面積の1倍を
    越え3倍以下であることを特徴とする請求項1記載の
    陰極構造体。
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