JPH06143881A - カードとその使用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カード上に画像情報の変化の履歴を表示する
とともに、カードの使用期間を延長してカードの有効利
用を図る。 【構成】 カード２０は、共通情報表示領域２１（図中
斜線部）と、属性情報表示領域２３と、画像情報表示予
定領域２４〜２６とを有している。カード２０の発行時
には、共通情報表示領域２１に所定の情報が印刷され、
属性情報表示領域２３にカード２０の保有者の属性情報
が印刷され、さらにこの保有者のカード２０の発行時の
画像情報が画像情報表示予定領域２４に印刷される。カ
ード２０の発行時から所定期間経過後、必要に応じて画
像情報表示予定領域２５，２６に、所定期間経過後のカ
ード２０の保有者の画像情報が印刷される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、カードの保有者の顔
写真等のような画像による個別情報（以下、単に画像情
報と称する）を複数形成したカードとその使用方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２は、従来のカードの構成の一例を示
す図である。（ａ）は平面図を示し、（ｂ）は、その側
面図を示す。図２に示すように、カード１は、塩化ビニ
ル等の乳白色のカード基材２から構成されている。カー
ド基材２の表面の一部には、カード１の保有者のＩＤ番
号や氏名等のようなカード１０の保有者の属性情報を表
示した属性情報表示領域４と、カード１の保有者の顔写
真等のような画像情報を表示した画像情報表示領域５と
が形成されている。

【０００３】カード１のカード基材２の表面に属性情報
表示領域４や画像情報表示領域５を形成する場合は、カ
ード基材２の一部に凹部を形成し、この凹部に属性情報
が表示されたラベル紙等や画像情報である顔写真等が表
示された印画紙等を埋設している。

【０００４】上述のようにして属性情報表示領域４や画
像情報表示領域５が形成されると、次に、両側からオー
バシート層６ａ，６ｂが積層される。オーバシート層６
ａのさらに上層には、カード１の保有者の所定のデータ
を記録するストライプ状の磁性領域３が形成される。こ
のようにオーバシート層６ａ，６ｂが積層されると、熱
プレス機（図示せず）により熱プレスされる。さらに、
熱プレス後に、磁性領域３にカード１の暗証番号等のデ
ータが記録される。これにより、カード１が形成され
る。

【０００５】図３は、特開平３−１７４６９３号に記載
されているような従来のカードの他の構成の一例を示す
図である。（ａ）は、平面図を示し、（ｂ）は、その側
面図を示す。図３に示すカード１０は、図２のカード１
と同様に、カード基材２から構成されている。また、カ
ード１０には、カード１０の保有者の属性情報を表示し
た属性情報表示領域１１と、カードの保有者の画像情報
を表示した画像情報表示領域１２とが形成されている。

【０００６】カード１０においては、カード基材２の両
側からオーバシート層６ａ，６ｂが積層され、さらにこ
の上に磁性領域３，属性情報表示領域１１，画像情報表
示領域１２が形成されている。属性情報表示領域１１や
画像情報表示領域１２は、昇華転写方式によりオーバシ
ート層６ａ上に印刷されている。ここで、昇華転写方式
とは、昇華性の染料を用いて熱により染料を蒸発させ、
被転写体（ここではオーバシート層６ａ）に蒸発した染
料を付着または染色させる方法をいう。図３においては
図示しないが、上述の場合、染料を用いているので他の
合成樹脂（例えばカードケース）への移行性があるた
め、昇華転写により印刷された領域上に転写やコーティ
ング等で保護層を設けることが好ましい。

【０００７】上述した従来のカード１，１０の発行後
に、カード１，１０に情報を追加するときには、サイン
パネル欄への文字の追加や、シールをカード１，１０に
貼付することが行われている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のカードでは、以下の課題があった。図２のカード１に
おいては、カード１の形成後に他の画像を追加するため
にカード基材２にさらに凹部を設けると、カード１の強
度が弱くなり、カード１が損傷するという問題があっ
た。同様に、すでに埋設されている印画紙等を新たな情
報等が表示された印画紙等と交換しようとすると、カー
ド１に負荷が加わり、カード１が損傷するという問題が
あった。従って、カード１の形成後は、さらに他の画像
を追加することができなかった。

【０００９】また、図３のカード１０においては、カー
ド１０の発行時にカード１０上に予め後に印刷する画像
情報を表示する領域を確保していなかったので、他の画
像を形成することができなかった。

【００１０】従って、従来のカードにおいては、カード
の発行後に、画像情報を追加したい場合や、画像情報を
更新したい場合等は、その都度新たなカードを発行して
いたので、カードの使用期間が短いという問題があっ
た。

【００１１】本発明は、上述のような課題を解消するた
めになされたものであって、カードの発行時に表示した
画像情報の他に、カードの発行後所定期間経過後にカー
ド上に新たな画像情報を追加して画像情報の変化の履歴
を表示することができるようにし、カードの使用期間を
延長してカードの有効利用を図ることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によるカードの第１の解決手段は、その保有
者の画像情報であって所定期間の前後の画像情報を表示
する複数の画像情報表示予定領域（２４〜２６）を備え
ることを特徴とする。

【００１３】カードの第２の解決手段は、前記カードの
第１の解決手段の複数の画像情報表示予定領域のうち少
なくとも２つの領域が実質的に同一の手段により形成さ
れた画像を表示することを特徴とする。

【００１４】カードの第３の解決手段は、前記カードの
第２の解決手段の実質的に同一の手段が昇華転写方式を
用いた手段であり、移行される染料の組み合わせにより
画像が形成されることを特徴とする。

【００１５】カードの使用方法の解決手段は、上記第１
〜第３の解決手段のうちのいずれか１つのカードの使用
方法であって、前記画像情報表示予定領域は、前記カー
ド発行時の前記カードの保有者の画像情報を表示し、前
記カード発行時から所定期間経過後に、前記所定期間経
過後の前記カードの保有者の画像情報を表示することを
特徴とする。

【００１６】

【作用】カードの第１の解決手段においては、所定期間
の前後の画像情報を表示する複数の画像情報表示予定領
域がカード上に形成される。また、カードの使用方法の
解決手段においては、カードの発行時と所定期間経過後
の画像情報がこの画像表示予定領域に表示される。従っ
て、画像情報の表示の更新等を行うときに、１枚のカー
ドに画像情報を複数回追加して表示することができるの
で、カード発行時に表示されたカードの保有者の画像情
報の変化の履歴を表示することができるとともに、カー
ドの使用期間を延長してカードの有効利用を図ることが
できる。

【００１７】カードの第２の解決手段においては、複数
の画像情報表示予定領域のうち少なくとも２つが実質的
に同一の表面であり、この表面に実質的に同一の手段に
より画像が形成される。従って、同様の装置で画像情報
表示予定領域の指定を行うだけで、カード上に反復継続
して画像を形成することができる。

【００１８】カードの第３の解決手段においては、画像
情報表示予定領域に、昇華転写方式により画像が形成さ
れる。従って、小型の装置を用いて画像を形成すること
ができる。

【００１９】

【実施例】以下、図面等を参照して、本発明によるカー
ドとその使用方法の一実施例について説明する。図１
は、本発明によるカードの一実施例の構成を示す平面図
である。また、図１における（ａ）〜（ｄ）は、そのカ
ードの使用時期に伴う変化の様子を示したものである。

【００２０】図１（ａ）に示すように、カード２０は、
図３で示した従来のカード１０と同様に、塩化ビニル等
のカード基材（図示せず）の上層にオーバコート層（図
示せず）が両側から積層されて形成されている。さらに
オーバーコート層の上層には、データ記録領域としての
磁性領域３が形成されている。

【００２１】図１（ａ）の図中斜線部の領域２１は、カ
ードの保有者とは無関係にカードに共通の情報が印刷さ
れる領域（以下、共通情報表示領域２１と称する）であ
る。すなわち、この共通情報表示領域２１には、絵柄や
文字，図形等（以下、単に絵柄等と称する）が印刷され
る。また、共通情報表示領域２１以外の領域には、属性
情報表示領域２３、および画像情報表示予定領域２４〜
２６が設けられている。属性情報表示領域２３は、カー
ド２０の図中、左下部に配設されており、画像情報表示
予定領域２４〜２６は、カード２０の図中、中央部に並
設されている。

【００２２】次に、カード２０の使用方法の一実施例に
ついて説明する。先ず、図１（ａ）に示すように、カー
ド２０の共通情報表示領域２１に、所定の絵柄等が印刷
される。次に、図１（ｂ）に示すように、属性情報表示
領域２３に、カード２０の保有者の属性情報（例えばカ
ード２０の保有者の登録番号や氏名）が印刷される。さ
らに、画像情報表示予定領域２４に、このカード２０の
発行時の保有者の画像情報（実施例では顔写真）が印刷
される。これにより、カード２０の発行時の加工が完了
し、図１（ｂ）に示すカード２０が保有者に交付される
（すなわち、発行時のカード２０の画像情報表示予定領
域２５，２６には、画像情報が印刷されていない）。

【００２３】次に、図１（ｃ）に示すように、カード２
０の発行時から所定期間経過後に、必要に応じて画像情
報表示予定領域２５にカード２０の保有者の所定期間経
過後の画像情報が印刷される。例えば、カード２０が学
生証として用いられている場合には学年の進級時等に、
あるいは、カード２０が免許証として用いられる場合に
は免許の更新時等に、新たにカード２０の保有者の画像
情報が画像情報表示予定領域２５に印刷される。

【００２４】上述のように画像情報表示予定領域２５に
カード２０の保有者の画像情報が表示された後、必要に
応じて、さらにその時点から所定期間経過後に、画像情
報表示予定領域２６にカード２０の保有者の画像情報が
印刷される。なお、画像情報表示予定領域２４〜２６に
は、画像情報が形成された時点で、その上層に保護層を
設けることが好ましい。

【００２５】このようにして、カード２０の発行時およ
び所定期間経過後に順次カード２０の保有者の画像情報
を画像情報表示予定領域２４〜２６に印刷した様子を図
１（ｄ）に示す。図１（ｄ）に示すように、カード２０
の保有者の所定時期での画像情報を、１枚のカード上に
順次印刷していくことができるので、カード２０の保有
者の画像情報の変化の履歴を表示することができる。

【００２６】上述した学生証や免許証において新たな画
像情報を表示する場合には、従来は新たなカードを作成
していたが、本発明によるカードを使用することによ
り、必要時に新たな画像情報を追加して印刷することが
できるので、カード２０の保有者の属性や資格が変更し
たときや、カード２０の機能が変更したときに新たなカ
ードを発行することなく、１枚のカードを継続して使用
することができ、カードの有効利用を図ることができ
る。

【００２７】ＩＣ記録部が装着されているカードのよう
な高価なカードを使用する場合においては、１枚のカー
ドを継続して使用することにより、カードの発行コスト
の削減を図ることができる。

【００２８】以上、本発明によるカードとその使用方法
の一実施例について説明したが、本発明によるカードと
その使用方法は、上述した実施例に限定されることな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可
能である。例えば共通情報表示領域２１には、絵柄等を
印刷したが、エンボス加工等により所定の文字等を表示
するようにしても良い。

【００２９】また、共通情報表示領域２１や、属性情報
表示領域２３、画像情報表示予定領域２４〜２６の印刷
としては、階調性に優れた昇華転写方式による印刷が好
ましいが、シルクスクリーン方式やオフセット方式、グ
ラビア方式、熱溶融転写方式、インクジェット方式等に
よることもでき、所定の情報をカード２０上に表示する
ことができる方法であれば、どのような方法でも良い。

【００３０】カード２０には、データ記録領域として磁
性領域３を形成したが、これに限らずＩＣや光による記
録領域を形成しても良い。また、カード基材２１の材質
は、塩化ビニルに限らず、カードの用途に応じて例えば
ＰＥＴ等を使用しても良い。

【００３１】画像情報表示予定領域２４〜２６には、カ
ードの保有者の外観である顔写真の画像を表示したが、
顔写真に限らず例えば指紋や保有者の文字（サイン）等
を併せて表示することもできる。また、画像情報表示予
定領域２４〜２６は、実施例においては３つ形成した
が、３つに限らずいくつ形成しても良い。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載の
カード、および請求項４に記載のカードの使用方法によ
れば、所定期間の前後の画像情報を表示する複数の画像
情報表示予定領域がカード上に形成され、カードの発行
時と所定期間経過後の画像情報がこの画像表示予定領域
に表示される。従って、画像情報の表示の更新等を行う
ときに、１枚のカードに画像情報を複数回追加して表示
することができるので、カード発行時のカードの保有者
の画像情報の変化の履歴を表示することができるととも
に、カードの使用期間を延長してカードの有効利用を図
ることができる。

【００３３】請求項２に記載のカードによれば、複数の
画像情報表示予定領域のうち少なくとも２つが実質的に
同一の表面であり、この表面に実質的に同一の手段によ
り画像が形成される。従って、同様の装置で画像情報表
示予定領域の指定を行うだけで、カード上に反復継続し
て画像を形成することができる。

【００３４】請求項３に記載のカードによれば、画像情
報表示予定領域に、昇華転写方式により画像が形成され
る。従って、小型の装置を用いて画像を形成することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカードの一実施例の構成等を示す
平面図である。

【図２】従来のカードの一例の構成を示す平面図および
その側面図である。

【図３】従来のカードの他の一例の構成を示す平面図お
よびその側面図である。

【符号の説明】

３ 磁性領域 ２０ カード ２１ 共通情報表示領域 ２３ 属性情報表示領域 ２４〜２６ 画像情報表示予定領域

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 その保有者の画像情報であって所定期間
   の前後の画像情報を表示する複数の画像情報表示予定領
   域を備えることを特徴とするカード。
2. 【請求項２】 前記複数の画像情報表示予定領域のうち
   少なくとも２つの領域が実質的に同一の手段により形成
   された画像を表示することを特徴とする請求項１に記載
   のカード。
3. 【請求項３】 前記実質的に同一の手段が昇華転写方式
   を用いた手段であり、移行される染料の組み合わせによ
   り画像が形成されることを特徴とする請求項２に記載の
   カード。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれか１項に記載のカ
   ードの使用方法であって、 前記画像情報表示予定領域は、 前記カード発行時の前記カードの保有者の画像情報を表
   示し、 前記カード発行時から所定期間経過後に、前記所定期間
   経過後の前記カードの保有者の画像情報を表示すること
   を特徴とするカードの使用方法。