JPH06141880A - Cmp−kdnの合成方法 - Google Patents

Cmp−kdnの合成方法

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JPH06141880A
JPH06141880A JP4321161A JP32116192A JPH06141880A JP H06141880 A JPH06141880 A JP H06141880A JP 4321161 A JP4321161 A JP 4321161A JP 32116192 A JP32116192 A JP 32116192A JP H06141880 A JPH06141880 A JP H06141880A
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kdn
cmp
synthase
submandibular gland
porcine
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JP4321161A
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Fumio Ito
文雄 伊藤
Taisuke Iwasaki
泰介 岩崎
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シチジントリホスフェイトと2−ケト−3−
デオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノノン酸と
を、ウシ顎下腺またはブタ肝臓の抽出液の存在下に反応
させてシチジンモノホスフェイト−2−ケト−3−デオ
キシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノノン酸を生成せ
しめこれを採取することよりなるシチジンモノホスフェ
イト−2−ケト−3−デオキシ−D−グリセロ−D−ガ
ラクト−ノノン酸(CMP−KDN)の製造法。酵素と
してウシ顎下腺またブタ肝臓の抽出上澄液の35〜60
%飽和硫安分画画分を用いることができる。 【効果】 利用価値のないウシ顎下腺あるいは大量に生
産されるブタ肝臓を酵素源として用い、高い収率でCM
P−KDNを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウシ顎下腺またはブタ
肝臓の酵素抽出液を用いてシチジンモノホスフェイト−
2−ケト−3−デオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト
−ノノン酸を合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シチジントリホスフェイト(CTPと略
記する)と2−ケト−3−デオキシ−D−グリセロ−D
−ガラクト−ノノン酸(KDNと略記する)を出発物質
とし、シチジンモノホスフェイト(CMPと略記する)
−KDNの合成反応を触媒する酵素としてCTP:CM
P−KDNシチジルトランスフェラーゼ(CMP−KD
N合成酵素)が知られている。CMP−KDN合成酵素
に関しては、ウシ脳中に存在することが最初に報告され
ている(Tetrahedron Letters,
,789−790,1988)。そして、ニジマス未
受精卵中にも存在することが報告されている(Glyc
oconjugate J.,,153,1991、
第11回国際複合糖質シンポジウム講演要旨集)。その
後、ニジマス未受精卵中に存在するCMP−KDN合成
酵素の諸性質について詳しく検討されており(生化学,
,800,1991:第64回日本生化学大会講演要
旨集)、この報告によると、CMP−KDNの合成能
は、ウシ脳由来のCMP−KDN合成酵素よりもニジマ
ス未受精卵由来のCMP−KDN合成酵素のほうが高い
ということである。
【0003】したがって、ウシ脳由来のCMP−KDN
合成酵素を用いてCMP−KDNを合成する場合、ウシ
脳中に含まれるCMP−KDN合成酵素の量が少ないた
め、必要な酵素量を確保するには多量のウシ脳を確保す
る必要がある。さらに、CMP−KDNの合成能が必ず
しも高くないので、反応時間を長くしなければならな
い。一方、ニジマス未受精卵由来のCMP−KDN合成
酵素を用いてCMP−KDNを合成する場合、ニジマス
未受精卵に含まれるCMP−KDN合成酵素の量は十分
であるが、ニジマス未受精卵の入手に際しては時期的な
制約を受ける。このように、CMP−KDNを合成する
に当たっては、CMP−KDN合成能の高いCMP−K
DN合成酵素を利用すると共に、そのCMP−KDN合
成酵素の原料となる物質を安定的に確保しなければなら
ないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述の
問題に鑑み、CMP−KDN合成能の高いCMP−KD
N合成酵素を求め、動物臓器を対象に探索を行ったとこ
ろ、ウシ顎下腺またブタ肝臓の抽出液が高いCMP−K
DN合成能を有することを見出し、本発明を完成するに
至った。したがって、本発明は、ウシ顎下腺またはブタ
肝臓の酵素抽出液の存在下にCTPとKDNとを反応さ
せてCMP−KDNを合成する方法を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、CTPとKD
Nとをウシ顎下腺またはブタ肝臓の酵素抽出液の存在下
に両者を反応させてCMP−KDNを製造する方法に関
する。本発明でウシ顎下腺は、食用としての需要がない
ので、安定的に供給され得る。このウシ顎下腺の酵素抽
出液中にはCMP−KDN合成酵素が含まれているもの
と思われる。この酵素抽出液は、以下のような処理を行
うことによって得ることができる。ウシを屠殺した後、
直ちに周辺の脂肪や肉を含んだ状態で頭部から顎下腺を
摘出し、−80℃で凍結保存する。凍結した顎下腺は、
酵素の抽出処理を行うに際して、4℃で一夜放置し、温
和な条件下で解凍する。解凍後、脂肪と結合組織を除去
し、冷脱イオン水で洗浄した顎下腺を用い、酵素の抽出
処理を行う。酵素の抽出処理は、pH9.0〜10.0
に緩衝能を有する適当な緩衝液、例えば、トリス−塩酸
緩衝液(pH7.0〜9.0)、ホウ酸緩衝液(pH
8.0〜10.0)、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝
液(pH8.5〜11.0)、炭酸ナトリウム−炭酸水
素ナトリウム緩衝液(pH9.0〜11.0)、ホウ酸
ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0〜1
1.0)などを用いて行う。いずれの緩衝液を用いる場
合でも、5〜50mM当量の緩衝液を用いることが好ま
しい。また、用いる緩衝液に、0.3〜0.5M当量の
塩化カリウムまたは0.1〜0.3M当量の塩化ナトリ
ウム、0.5〜2mM当量のジチオトレイトール(DT
T)またはメルカプトエタノールなどの還元剤(SH基
保護剤)を添加するとよい。このようにすると酵素抽出
液中の酵素に存在するSH基を保護し、酵素を安定に保
持することができる。まず、顎下腺の湿潤量に対して2
倍量の緩衝液を加え、ワーリングブレンダーなどを用い
て磨砕処理を行う。得られた磨砕物について、30分間
〜2時間の攪拌抽出処理を行った後、遠心分離処理を行
って脂肪層を除去し、上澄液を回収することにより、C
MP−KDN合成酵素の抽出液を得ることができる。
【0006】なお、このようにして得られたウシ顎下腺
酵素抽出液には、CMP−KDN合成酵素と共にヌクレ
オチドホスホハイドラーゼ(EC.3.1.3.31)
が存在しているので、この酵素抽出液を用いてCMP−
KDNの合成を行う場合、このヌクレオチドホスホハイ
ドラーゼの触媒作用により、出発原料のCTPがCDP
に加水分解されてしまう。そこで、このヌクレオチドホ
スホハイドラーゼを除去するために硫安分画処理を行う
とよい。酵素抽出液物の上澄みを0〜35%飽和硫安分
画処理した画分では、CMP−KDN合成酵素活性が殆
ど認められず、活性として大部分のヌクレオチドホスホ
ハイドラーゼが存在することが認められた。一方、上記
上澄みを35〜60%飽和硫安分画処理した画分では、
活性として大部分のCMP−KDN合成酵素が回収さ
れ、ヌクレオチドホスホハイドラーゼの活性は殆ど認め
られなかった。したがって、CMP−KDN合成酵素の
粗酵素液を35〜60%飽和硫安分画処理することによ
り、ヌクレオチドホスホハイドラーゼを効率的に除去す
ることができることが判った。このような硫安分画処理
を行って得られたCMP−KDN合成酵素画分には、ヌ
クレオチドホスホハイドラーゼ活性が殆ど認めらず、C
MP−KDNの合成に必要な十分量のCMP−KDN合
成酵素が含まれていることから、CMP−KDNの合成
を行うに際しては、このCMP−KDN合成酵素画分を
使用することで十分に目的を達成することができる。
【0007】一方、ブタ肝臓は、比較的安価であること
から、安定的かつ大量に提供できる。このブタ肝臓の酵
素抽出液にも同様にCMP−KDN合成酵素が含まれて
いると見られる。この酵素抽出液はウシ顎下腺の酵素抽
出液と同様に、以下のような処理を行うことによって得
ることができる。ブタを屠殺した後、直ちにブタ肝臓を
摘出し、−80℃にて凍結保存する。凍結した肝臓は、
酵素の抽出処理を行うに際して、4℃で一夜放置し、温
和な条件下で解凍する。解凍後、結合組織を除去し、冷
脱イオン水で洗浄した肝臓を用い、酵素の抽出処理を行
う。酵素の抽出処理は、pH9.0〜10.0に緩衝能
を有する適当な緩衝液、例えば、トリス−塩酸緩衝液
(pH7.0〜9.0)、ホウ酸緩衝液(pH8.0〜
10.0)、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH
8.5〜11.0)、炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリ
ウム緩衝液(pH9.0〜11.0)、ホウ酸ナトリウ
ム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0〜11.0)
などを用いて行う。いずれの緩衝液を用いる場合でも、
5〜50mM当量のものを用いることが好ましい。ま
た、用いる緩衝液に、0.3〜0.5M当量の塩化カリ
ウムまたは0.1〜0.3M当量の塩化ナトリウム、
0.5〜2mM当量のジチオトレイトール(DTT)ま
たはメルカプトエタノールなどの還元剤(SH基保護
剤)を添加するとよい。まず、肝臓の湿潤量に対して2
倍量の緩衝液を加え、ワーリングブレンダーなどを用い
て磨砕処理を行う。得られた磨砕物について、30分間
〜2時間攪拌抽出を行った後、遠心分離処理を行って脂
肪層を除去し、上澄液を回収することにより、CMP−
KDN合成酵素の粗酵素液を得ることができる。
【0008】次に、CMP−KDNの合成について説明
する。この合成の出発物質としては、KDNまたはその
含有物とCTPまたはその含有物とが用いられる。KD
Nの含有物としては、D−マンノースとピルビン酸を出
発原料とし、シアル酸アルドラーゼ(EC.4.1.
3.3)の触媒作用によって合成したKDNの混合物
を、また、CTPの含有物としては、CMPを出発原料
とし、パン酵母または醸造用酵母を作用させて合成した
CTPの混合物などを例示することができる。KDNま
たはその含有物とKDNの1mM当量に対して3mM当
量以上のCTPまたはその含有物を出発原料として加
え、反応液を調製する。そして、CMP−KDN合成酵
素の至適pHが9.0〜10.0であるので、この反応
液にトリス−塩酸緩衝液(pH7.0〜9.0)、ホウ
酸緩衝液(pH8.0〜10.0)、グリシン−水酸化
ナトリウム緩衝液(pH8.5〜11.0)、炭酸ナト
リウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.0〜1
1.0)、ホウ酸ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH9.0〜11.0)などの緩衝液を加える。いず
れの緩衝液を用いる場合でも反応液全容量に対して50
〜200mM当量となるよう添加することが好ましい。
また、マグネシウムやマンガンなどの二価金属イオンと
DTTを、反応液全容量に対し、それぞれ10〜30m
M当量と0.5〜2mM当量となるよう緩衝液に添加す
る。CMP−KDN合成酵素の液量は、通常、1mM当
量のKDNに対して5〜50mlを添加する。CMP−
KDNの合成反応は、通常、10〜50℃程度、好まし
くは20〜40℃程度の温度条件下で行われる。反応時
間は、使用するCMP−KDN合成酵素の液量にもよる
が、通常、30分間〜15時間程度、好ましくは1〜8
時間程度でよい。
【0009】このようにして生成したCMP−KDN
は、比較的不安定な物質であるので、CMP−KDNの
合成反応を停止した後、直ちにCMP−KDNを分離・
精製する必要がある。CMP−KDNの分離・精製は、
公知の手段に従って行うことが可能であり、例えば、U
F膜による限外濾過、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー、ゲル濾過クロマトグラフィーなどの操作によっ
て、反応液中からCMP−KDNを分離することができ
る。この場合、CMP−KDNの分解を極力防止して回
収率を上げるため、すべての操作を4℃以下の温度条件
下で行うことが望ましい。
【0010】次に本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。
【実施例1】ウシ顎下腺100gに対して、0.4M塩
化カリウムを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH
9.0)200mlを加え、ワーリングブレンダー中で
20秒間づつ2回磨砕処理を行った。このようにして得
られた磨砕物について、1時間攪拌抽出を行った後、1
5,000×g、20分間遠心分離を行って脂肪層を除
去し、上澄液を回収した。また、沈殿物についても同様
の操作によって再抽出を行い、上澄液を回収した。これ
らの上澄液350mlについて、35〜60%飽和硫安
分画処理を行った後、1mMのDTTを含む50mMト
リス−塩酸緩衝液(pH9.0)に対して、4℃、6時
間透析を行った。透析後、20,000×g、20分間
遠心分離を行い、上澄液としてCMP−KDN合成酵素
の抽出液28mlを得た。
【0011】この酵素抽出液について、以下の方法によ
り、CMP−KDN合成能を測定した。CMP−KDN
合成の反応液を次のような配合で調製した。14Cでラベ
ルした〔14C〕D−マンノースとピルビン酸を出発原料
とし、シアル酸アルドラーゼの触媒作用によって合成し
た0.8nM当量の〔14C〕KDN(3.4×105
pm)と0.5μM当量のラベルしていないKDN、さ
らに、2.0μM当量のCTPを15mM塩化マグネシ
ウムを含む100mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.
0)中に溶解させた。この反応液にCMP−KDN合成
酵素抽出液40μlを加え、全量を100μlとした。
酵素反応を37℃、2時間行った後、98%冷エタノー
ルを70%濃度となるように加えて反応を停止した。酵
素反応で生成したCMP−〔14C〕KDNとCMP−K
DNを反応液から分離するために30,000×g、2
0分間遠心分離を行って変性した蛋白質を除去し、上澄
液を回収した。この上澄液をHPTLCプレート上で1
−プロパノール:水=2:1の溶媒を用いて2度展開し
た。HPTLCプレート上の254nmにおける吸収を
確認した後、オートラジオグラフィーによって〔14C〕
KDNの放射活性スポットのやや下に新たな放射活性ス
ポットの生成が認められた。このスポットは、254n
mにおけるCMPの吸収も示すことから、CMP−〔14
C〕KDNであると判断された。ラベルしていないCM
P−KDNを含むCMP−〔14C〕KDNのスポットを
掻き取り、70%エタノールで抽出した。そして、抽出
したCMP−〔14C〕KDNにシンチレーションカクテ
ルを加え、シンチレーションカウンターによって放射活
性を測定した。
【0012】CMP−KDN合成酵素の活性は、最初に
加えた〔14C〕KDNの放射活性に対するCMP−〔14
C〕KDNの放射活性の相対比を合成率として表した。
また、反応液から回収したCMP−〔14C〕KDNとC
MP−KDNを含む70%エタノール抽出液を凍結乾燥
してアルコール分を除去し、適量の水を加えて再溶解し
たもの(KDNとして0.6〜3μg/40μl)に対
して、2.7M水素化ホウ素ナトリウム溶液20μlを
加え、室温で15分間処理した。この処理により、未反
応のKDNは分解されるが、CMP−KDNは分解され
ない。次に、アセトン20μlを加えて過剰量の水素化
ホウ素ナトリウムを分解し、Warrenのチオバルビ
ツール酸(TBA)法(J.Biol.,Chem.,
234,1971−1975,1959)に従って、5
49nmにおける吸収を測定した。
【0013】一方、ウシ脳、ウシ肝臓、ウシ腎臓につい
ても、同様の処理を行ってCMP−KDN合成酵素抽出
液を調製し、同様の方法でCMP−KDN合成酵素の活
性を測定した。各抽出液のCMP−KDN合成率を表1
に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【実施例2】KDN268.2mg(1mM当量)とC
TP1,647.3mg(3mM当量)を15mM塩化
マグネシウムを含む100mMトリス−塩酸緩衝液(p
H9.0)60mlに溶解した後、実施例1で調製した
酵素抽出液40mlを加え、全量を100mlとした。
37℃、2時間酵素反応を行った後、反応液を30,0
00×g、20分間遠心分離し、上澄液95mlを回収
した。そして、この上澄液にアンモニア水でpH9.0
に調整した冷蒸留水200mlを加えて希釈した後、ア
ミコン社製YC05膜(分画分子量500)を用いて限
外濾過を行った。30mlまで濃縮した段階で、さら
に、同様の冷蒸留水100mlを加え、再び限外濾過を
行った。これらの操作をもう一度繰り返し行い、得られ
た濾液470mlを全て回収して、凍結乾燥を行った。
【0016】この凍結乾燥物に、アンモニア水でpH
9.0に調整した1−プロパノール:水=2:1の溶液
を適量加えて再溶解したものを、同溶液で平衡化させた
イアトロビーズカラム(2×120cm)に供給し、同
溶液によるシリカカラムクロマトグラフィーを行った。
得られた各溶出画分をHPTLCプレート上で1−プロ
パノール:水=2:1の溶媒を用いて2度展開した。H
PTLCプレート上の254nmにおける吸収を確認し
た後、ジフェニルアミン−アニリン試薬で発色させた。
未反応のKDNのスポットのやや下に254nmにおけ
るCMPの吸収をも示すCMP−KDNのスポットを検
出した。未反応のKDNは、434〜503ml溶出画
分(69ml)に、CMP−KDNは、456〜538
ml溶出画分(82ml)にそれぞれ認められた。KD
NとCMP−KDNが混在する456〜503mlの溶
出画分(53ml)を凍結濃縮したものについて、再度
クロマトグラフィーを行った。2回のクロマトグラフィ
ーで得られたKDNが若干混在するCMP−KDN画分
を合わせて回収し、凍結濃縮を行った。
【0017】そして、この濃縮液をアンモニア水でpH
9.0に調整した冷蒸留水で平衡化したバイオ−ゲルP
−2カラム(2×110cm)に供給し、同溶液による
ゲル濾過クロマトグラフィーを行った。CMP−KDN
は、345〜405ml溶出画分(60ml)に、KD
Nは、390〜420ml溶出画分(30ml)にそれ
ぞれ認められた。KDNとCMP−KDNが混在する3
90〜405mlの溶出画分(15ml)を凍結濃縮し
たものについて、再度クロマトグラフィーを行った。2
回のクロマトグラフィーで得られたCMP−KDN画分
を合わせて回収し、凍結乾燥を行った。このようにし
て、CMP−KDN249.3mg(0.40mM当
量)を得ることができた。なお、収率は、40.0%で
あった。
【0018】
【実施例3】ブタ肝臓100gに対して0.4M塩化カ
リウムを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.
0)200mlを加え、ワーリングブレンダー中で20
秒間づつ2回磨砕処理を行った。このようにして得られ
た磨砕物について1時間攪拌抽出を行った後、15,0
00×g、20分間遠心分離を行って脂肪層を除去し、
上澄液を回収した。また、沈澱物についても同様の操作
によって再抽出を行い、上澄液を回収した。これらの上
澄液350mlについて、35〜60%飽和硫安分画処
理を行った後、1mMDTTを含む50mMトリス−塩
酸緩衝液(pH9.0)に対して、4℃、6時間透析を
行った。透析後、20,000×g、20分間遠心分離
を行い、上澄液としてCMP−KDN合成酵素抽出液4
5mlを得た。
【0019】この酵素抽出液について、実施例1と同様
の方法でCMP−KDN合成能を測定した。
【0020】一方、ウシ脳及びブタ脳、ブタ顎下腺、ブ
タ小腸、ブタ腎臓、ブタ脾臓についても、同様の処理を
行ってCMP−KDN合成酵素抽出液を調製し、同様の
方法でCMP−KDN合成酵素活性を測定した。各抽出
液のCMP−KDN合成率を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【実施例4】KDN268.2mgの(1mM当量)と
CTP1,647.3mgの(3mM当量)を15mM
塩化マグネシウムを含む100mMトリス−塩酸緩衝液
(pH9.0)60mlに溶解した後、実施例3で調製
した酵素抽出液40mlを加え、全量を100mlとし
た。37℃、2時間酵素反応を行った後、反応液を3
0,000×g、20分間遠心分離し、上澄液95ml
を回収した。そして、この上澄液にアンモニア水でpH
9.0に調整した冷蒸留水200mlを加えて希釈した
後、アミコン社製YC05膜(分画分子量500)を用
いてUF濾過した。30mlまで濃縮した段階で、さら
に、同冷蒸留水100mlを加えて再びUF濾過した。
この操作をもう一度繰り返し行って、得られた濾液47
0mlを全て回収し、凍結乾燥を行った。
【0023】この凍結乾燥物に、アンモニア水でpH
9.0に調整した1−プロパノール:水=2:1の溶液
を適量加えて再溶解したものを、同溶液で平衡化させた
イアトロビーズカラム(2×120cm)に供給し、同
溶液によるシリカカラムクロマトグラフィーを行った。
得られた各溶出画分をHPTLCプレート上で1−プロ
パノール:水=2:1の溶媒を用いて2度展開した。H
PTLCプレート上の254nmにおける吸収を確認し
た後、ジフェニルアミン−アニリン試薬で発色させた。
未反応のKDNのスポットのやや下に254nmにおけ
るCMPの吸収をも示すCMP−KDNのスポットを検
出した。未反応のKDNは、432〜510ml溶出画
分(78ml)に、CMP−KDNは、453〜 52
3ml溶出画分(70ml)にそれぞれ認められた。K
DNとCMP−KDNが混在する453〜510mlの
溶出画分(57ml)を凍結濃縮したものについて再度
クロマトグラフィーを行った。2回のクロマトグラフィ
ーで得られたKDNが若干混在するCMP−KDN画分
を合わせて回収し、凍結濃縮を行った。
【0024】そして、この濃縮液をアンモニア水でpH
9.0に調整した冷蒸留水で平衡化したバイオ−ゲルP
−2カラム(2×110cm)に供給し、同溶液による
ゲル濾過クロマトグラフィーを行った。CMP−KDN
は、345〜399ml溶出画分(54ml)に、KD
Nは、387〜435ml溶出画分(48ml)にそれ
ぞれ認められた。KDNとCMP−KDNが混在する3
87〜399mlの溶出画分(12ml)を凍結濃縮し
たものについて、再度クロマトグラフィーを行った。2
回のクロマトグラフィーで得られたCMP−KDN画分
を合わせて回収し、凍結乾燥を行った。このようにし
て、CMP−KDN112.2mg(0.18mM当
量)を得ることができた。なお、収率は、18.0%で
あった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、CMP−KDN合成能
の高いウシ顎下腺またはブタ肝臓の酵素抽出液の存在下
にCTPとKDNとを反応させてCMP−KDNを生成
せしめるので、効率的にCMP−KDNを合成すること
ができる。このCMP−KDNは、生化学などの分野に
おける研究試薬として有用性が期待される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シチジントリホスフェイトと2−ケト−
    3−デオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノノン酸
    とを、ウシ顎下腺またはブタ肝臓の酵素抽出液の存在下
    に反応させてシチジンモノホスフェイト−2−ケト−3
    −デオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノノン酸を
    生成せしめることを特徴とするシチジンモノホスフェイ
    ト−2−ケト−3−デオキシ−D−グリセロ−D−ガラ
    クト−ノノン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 ウシ顎下腺またはブタ肝臓の酵素抽出液
    が、ウシ顎下腺またはブタ肝臓の水性抽出物上澄液の3
    5〜60%飽和硫安分画画分である請求項1記載の製造
    法。
JP4321161A 1992-11-05 1992-11-05 Cmp−kdnの合成方法 Pending JPH06141880A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008148620A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Yamasa Shoyu Co Ltd Cmp−デアミノノイラミン酸の製造法
JP2012055317A (ja) * 2011-11-17 2012-03-22 Yamasa Shoyu Co Ltd Cmp−デアミノノイラミン酸の製造法

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