JPH0614167Y2 - 平形多心ファイバ用傷付け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は傷付け装置に関し、特に、複数本の光ファイバ
心線が並列状に配設された平形多心ファイバの該光ファ
イバ心線を切断するための平形多心ファイバ用傷付け装
置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、平形多心ファイバの複数本の光ファイバ心線を
切断する場合、各光ファイバ心線をまな板部材に載置さ
せると共に、該まな板部材に傷付用刃を接近させて該心
線に傷付け、その後、該心線を折り曲げていた。

しかして、従来では、傷付用刃のまな板部材への接近時
に、傷付用刃が倒れたり、又は、光ファイバ心線の軸心
方向へ位置づれしやすい傷付用刃のガイド構造であっ
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で述べたように、傷付用刃が倒れたり、位置
づれしたりすれば、複数本の光ファイバ心線に傷付用刃
が均等に当らないことになり、各光ファイバ心線の傷の
深さが不揃いとなったり、正確な位置に傷が形成されな
かったりして、光ファイバ心線の切断端面が鏡面に仕上
げることができないと共に、被覆層端面から光ファイバ
心線の切断端面まで長さ寸法が不揃いとなる虞れがあっ
た。

そこで、本考案では、各光ファイバ心線の切断端面が美
しい鏡面に仕上げられると共に被覆層端面から各光ファ
イバの切断端面までの長さ寸法が同一となる平形多心フ
ァイバ用傷付け装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における平形多心フ
ァイバ用傷付け装置は、複数本の光ファイバ心線が並列
状に配設された平形多心ファイバの該光ファイバ心線を
切断するための傷付け装置であって；一端が固定部に固
定されて、水平に配設される平行な上下一対の第１板バ
ネと；該第１板バネの他端に固着されて、該第１板バネ
にて、まな板部材側に接近・離間可能として保持される
ブロック体と；一端が該ブロック体に固着されて、水平
に配設される平行な上下一対の第２板バネと；該第２板
バネの他端に固着されて、該板バネにて、上記まな板部
材に接近・離間可能として保持される傷付用刃付ブロッ
ク体と；を備えたものである。

〔作用〕

ブロック体は、水平に配設された平行な上下一対の第１
板バネにて保持されているので、該ブロック体は、下方
押圧されれば、鉛直方向に沿って下方に平行移動するこ
とになる。つまり、該ブロック体に上下方向に押圧され
れば、該ブロック体は上下に平行に移動することにな
る。また、傷付用刃付ブロック体も、水平に配設された
平行な上下一対の第２板バネにて保持されているので、
該傷付用刃付ブロック体に上下方向の押圧力が作用すれ
ば、該傷付用刃付ブロック体は上下に平行移動する。

〔実施例〕

以下、実施例について図面を参照して説明する。

第１図と第２図は本考案に係る平形多心ファイバ用傷付
け装置の一実施例を示し、水平に配設される平行な上下
一対の第１板バネ１，１と、該第１板バネ１，１に保持
されるブロック体２と、該ブロック体２に固着されると
共に水平に配設される平行な上下一対の第２板バネ３，
３と、該第２板バネ３，３に保持される傷付用刃４付ブ
ロック体５と、を備え、第４図に示す様な、複数本の光
ファイバ心線６…が並列状に配設された平形多心ファイ
バ７の該光ファイバ心線６…を切断するために、該傷付
用刃４にて各光ファイバ心線６…に傷を付けるものであ
る。

しかして、第１板バネ１，１は、固定部８に一端１ａ，
１ａが埋設状に固定されて、他端１ｂ，１ｂがブロック
体２の本体部９の固定部８側に固着される。また、該ブ
ロック体２は、該本体部９と、該本体部９の下端面から
連設される腕部10と、からなり、該腕部10は、本体部10
から垂設される基端垂下片10aと、該垂下片10aから固定
部８と反対の方向に突出される水平片10bと、該水平片1
0bから垂設される先端垂下片10cと、からなる。

従って、ブロック体２の本体部９に矢印Ａの如く下方に
押圧力が作用すれば、第２図に示す様に、第１板バネ
１，１は撓み、該ブロック体２は平行に下降することに
なる。なお、この場合、第１板バネ１，１の折曲部１
ｃ，１ｃにより、ブロック体２は矢印Ｂ方向（つまり、
固定部８側）へ僅かに移動する。

しかして、傷付用刃４付ブロック体５は、第３図に示す
様に、上記ブロック体２の下方位置に配設されると共
に、傷付用刃４と、該傷付用刃４を保持する本体11とか
らなり、第２板バネ３の他端３ｂ，３ｂが該本体11に固
着されている。そして、第２板バネ３の一端３ａはブロ
ック体２の腕部10の先端垂下片10cに固着されている。

従って、このブロック体５が矢印Ｃの如く上方へ押圧さ
れれば、第２図に示す様に、第２板バネ３，３は撓み、
該ブロック体５は鉛直方向に沿って上昇することにな
る。なお、この場合、第２板バネ３，３の折曲部３ｃ，
３ｃにより、該ブロック体５は矢印Ｄ方向へ僅かに移動
する。

しかして、この装置を使用して光ファイバ心線６…に傷
を付けるには、第５図Ｉに示す様に、被覆層保持部材19
にて保持された被覆層12から露出した光ファイバ心線６
…を、心線保持体13にて保持すると共に、まな板部材14
上に載置状とした後、第１図に示す様に、ブロック体２
を下方に押下げて傷付用刃４にて、該光ファイバ心線６
…に傷を付ける。

ここで、光ファイバ心線６とは、第４図に示す様に、コ
ア15とクラッド16とを備えたガラス部であり、各心線６
…に、シリコン樹脂等からなる被覆膜17が被覆され、そ
の外部に、ナイロン等からなる外被層18が被覆されてい
る。なお、この被覆膜17と外被層18とでもって上述の被
覆層12が形成される。

しかして、まな板部材14の位置は、ブロック体２が第１
図に示す状態から第２図に示す様に、寸法Ｘ（下降量）
だけ押下げられた状態となれば、第２板バネ３，３が撓
んで、傷付用刃４の刃先部が寸法Ｙだけ上昇するような
位置に保持される。なお、19はストッパであって、ブロ
ック体２が寸法Ｘだけ下降すれば、腕部10が当接して、
該ブロック体２の下降を規制する。

従って、ブロック体２を下方へ押圧すれば、傷付用刃４
は、常に同一量だけ鉛直方向に沿って下降することにな
り、各光ファイバ心線６…には均等な刃圧が負荷され、
同一の深さ寸法の傷が付く。

そして、各心線６…に傷が付けば、第５図IIに示す様
に、心線保持体13を矢印Ｅの如く僅かな引張力を加えつ
つまな板部材14を矢印の如く上昇させて、心線６…を切
断した後、まな板部材14を、第５図IIIに示す様に、矢
印の如く下降させる。

しかして、本実施例によれば、ブロック体２を押下げる
際に該ブロック体２は第２図に示す如く矢印Ｂ方向に僅
かに移動するが、傷付用刃４が押上げられる際に、ブロ
ック体５は矢印Ｄ方向に僅かに移動することになるの
で、その水平方向の「ずれ」は打消されることになり、
傷付用刃４の上下動の際にはほとんど水平方向のずれは
ない。

次に、第６図は、変形例を示し、この場合、側面から見
て、腕部16が上述の実施例の場合の左右対称となってい
る。つまり、ブロック体２の下降の際における該ブロッ
ク体２の水平方向の微小移動方向と、傷付用刃４の上昇
の際における該傷付用刃４の水平方向の微小移動方向
と、が同一となる。

なお、本考案では、図例の実施例に限らず、本考案の要
旨を逸脱しない範囲で設定変更自由であり、例えば、ブ
ロック体２としては、第１板バネ１，１にて、まな板部
材14に接近・離間可能として保持されると共に、傷付用
刃ブロック体が固着される第２板バネ３，３を、まな板
部材14に接近・離間可能として保持するものであれば、
種々の形状のものが使用される。また、平形多心ファイ
バ７の光ファイバ心線６の数は、図例の如く、４本に限
るものではない。なお、ブロック体２の下降量Ｘ及び傷
付用刃４の上昇量Ｙは、第１・第２板バネ１，３のバネ
定数等を考慮して、傷付用刃４による光ファイバ心線６
…への刃圧が最適となる量に設定される。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載
する効果を奏する。

ブロック体２が下方へ押圧されれば、傷付用刃４は、鉛
直方向に沿って下降することになり、平形多心ファイバ
７の各光ファイバ心線６…にこの傷付用刃４は均等な刃
圧を負荷することができ、各光ファイバ心線６…に付け
る傷の深さを均等とすることができると共に、その傷口
がみだれたりすることがななる。従って、各光ファイバ
心線６の切断端面は美しい鏡面に仕上がると共に、被覆
層12の端面から各光ファイバ心線６…の切断端面までの
長さ寸法を揃えることができ、接続の際にて、簡単かつ
確実に接続することができる。また、各光ファイバ心線
６…への刃圧は、第２板バネ３の撓みによるので、再現
性があり、長期にわたって、常に、光ファイバ心線６…
に、深さ寸法が一定の傷を付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す簡略側面図、第２図は
ブロック体が下方へ押圧された状態の簡略側面図、第３
図は要部簡略正面図、第４図は平形多心ファイバの拡大
断面図、第５図は光ファイバの切断工程の説明図、第６
図は変形例の簡略側面図である。 １…第１板バネ、１ａ…一端、１ｂ…他端、２…ブロッ
ク体、３…第２板バネ、３ａ…一端、３ｂ…他端、５…
傷付用刃付ブロック体、６…光ファイバ心線、７…平形
多心ファイバ、８…固定部、14…まな板部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数本の光ファイバ心線が並列状に配設さ
   れた平形多心ファイバの該光ファイバ心線を切断するた
   めの傷付け装置であって、 一端が固定部に固定されて、水平に配設される平行な上
   下一対の第１板バネと、 該第１板バネの他端に固着されて、該第１板バネにて、
   まな板部材側に接近・離間可能として保持されるブロッ
   ク体と、 一端が該ブロック体に固着されて、水平に配設される平
   行な上下一対の第２板バネと、 該第２板バネの他端に固着されて、該板バネにて、上記
   まな板部材に接近・離間可能として保持される傷付用刃
   付ブロック体と、 を備えたことを特徴とする平形多心ファイバ用傷付け装
   置。