JPH0614147U - 物品荷役システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物品の運搬および荷降しを自動的に行うこと
ができる物品荷役システムを提供すること。 【構成】 荷積み地点と荷降ろし地点との間に敷設さ
れ、荷降ろし地点で垂直方向に徐々に傾きながら反転す
るガイドウエイ、該ガイドウエイを走行するバケット、
前記ガイドウエイの走行路面に設けられた一次側装置並
びにバケットに設けられた二次側装置からなるリニアモ
ータ及びバケットの走行制御装置からなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、リニアモータを利用したバケット走行により、物品の運搬および 荷降しを自動的に実施可能にする物品荷役システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、物品の荷積みから荷降しを含む運搬作業には、自動車、特にトラック などが広く用いられ、このような自動車から物品を荷降ろしする場合には、この 自動車のドアや側壁を倒した後、リフター装置や人力によって荷物を車上から床 上や地上へ降ろす必要がある。また、このような荷降しを終了した後は、自動車 を運転して、再び荷積み地点へ移動して、荷積みのために待機しなければならな い。さらに、山間部などにおける木材の運搬や、ごみ集積地などのごみの運搬で は、人力操作によるトロッコなどが、そのガイドウェイの設置容易性、コスト等 の点で有利であるところから、広く実用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる従来の自動車による物品の運搬作業では、道路の混雑に よる搬送遅滞や排気ガスによる大気汚染が避けられないばかりか、物品の荷降し に多大の人力と費用，経費が必要になり、特に、トロッコででは人力による走行 であるため、危険を伴うという実用上の問題点があった。

【０００４】 この考案は上記のような従来の問題点を解消するためになされたものであり、 周辺に公害を与えず、迅速かつ安全に物品の運搬および荷降しを、自動的に行え るようにした物品荷役装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案にかかる物品荷役システムは、物品の荷積み地点と荷降し地点との間 に敷設され、かつ少くとも該荷降し地点付近で垂直方向に徐々に傾きながら反転 するガイドウェイと、 該ガイドウェイに沿って走行可能に設けられたバケットと、 上記ガイドウェイに沿った走行路面に設けられた一次側装置および上記バケッ トに設けられた二次側装置からなるリニアモータと、 上記バケットに設けられ、遠隔指令信号に従って該バケットの上記ガイドウェ イに沿った走行を制御する走行制御装置とから構成したものである。

【０００６】

【作用】

この考案におけるガイドウェイは、荷降し地点に向って走行するバケットを徐 々に垂直方向に倒しながらガイドするため、荷積み地点で開口部上方から積込ん だ物品を、次第に傾けながら運び、荷降し地点で、開口部を下方に向けることが できる。このため、上記物品が開口部から床上などへ自重で落下し、自動的に荷 降しを行えるようにする。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図について説明する。図１はこの考案の物品荷役 システムの全体を示す概念図であり、図１において、（Ａ）は屋根付きの荷積み 地点、（Ｂ）は屋外の荷降し地点で、これらの２地点（Ａ），（Ｂ）間にはそれ ぞれ枕木や高架台などに固定されるように一対のガイドウェイ（１）が敷設され ている。このガイドウェイ（１）はバケットの走行をガイドするために用いられ 、その上下面が荷積み地点（Ａ）と荷降し地点（Ｂ）とでは略１８０°に反転し 、これらの間では、徐々に垂直方向にねじるように傾いている。また、このガイ ドウェイ（１）は、バケットのガイド（車輪など）が脱落しない脱落防止構造が 採用されている。（２）はガイドウェイ（１）に沿って走行する複数台のバケッ トで、これらが一台ずつまたは連結された複数台が、荷積み地点（Ａ）で積込ま れた物品を、荷降し地点へ運搬するように駆動される。（３）は各バケット（２ ）の車輪である。（４）はガイドウェイ（１）に沿った走行路面および高架台に 配置された一次側装置で、これが各バケット（２）の本体に設けられた二次側装 置（図示しない）とともにリニアモータを構成している。ここで、一次側装置お よび二次側装置は、一方が永久磁石のとき、他方を電磁石としたり、あるいは一 方が誘導コイルのとき、他方を超電導コイルとしたりすることができ、その磁気 浮上形式として、反発型，吸引型，誘導型などのいずれの方式も採用できる。

【０００８】 図２は上記バケット（２）の走行制御システムを示し、（５）はバケット（２ ）に設けられたリニアモータの二次側装置、（６）は二次側装置（５）の動作、 例えば発進、停止、加減速を制御する走行制御装置としての制御器、（７）は制 御器（６）の受信アンテナ、（８）は上記制御を遠隔地点で指示するリモートコ マンダ、（９）はリモートコマンダ（８）の送信アンテナである。

【０００９】 次に動作について説明する。まず、リモートコマンダ（８）によりオペレータ が荷積み地点（Ａ）のバケット（２）に対し、バケット（２）上の物品搬送を指 示する。この指示信号は送信アンテナ（９）、受信アンテナ（７）を介して制御 器（６）で受信され、制御器（６）は二次側装置（５）にモータ駆動電流を供給 する。このため、バケット（２）はガイドウェイ（１）に沿って走行し、荷降し 地点（Ｂ）へ向かう。この荷降し地点（Ｂ）付近では、ガイドウェイ（１）が徐 々に垂直方向にねじるように傾いているため、バケット（２）も同様に９０°〜 １８０°へ傾いていき、荷降し地点Ｂではバケット（２）の開口部が完全に下方 に向く。このため、このバケット（２）内の物品、例えば鉱石，廃棄物などを運 搬台や地上，床上に落下させて堆積させることができる。つまり、物品の自動荷 降しが行われる。こうして、荷降ろしを完了した後は、上記リモートコマンダ（ ８）からの指示により、バケット（２）を荷積み地点（Ａ）に復帰させ、次の荷 役のために待機することになる。なお、荷積み地点（Ａ）には複数台のバケット （２）があるため、これらを複数の引込みガイドウェイに設置することで、ポイ ント切替えにて交互に荷降し地点へ走行させることができ、これにより上記荷役 作業の効率化を図ることができる。そして、かかる機構の簡単なリニアモータを 動力として用いることにより、メンテナンスが容易になり、排気ガスによる環境 汚染もなくなるという利点が得られる。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば物品の荷積み地点と荷降し地点との間にガイ ドウェイを敷設し、これを少くとも該荷降し地点付近で垂直方向に徐々に傾ける ように反転させるとともに、該ガイドウェイに沿って走行可能にバケットを設け 、また、上記ガイドウェイに沿った走行路面に設けれられた一次側装置および上 記バケットに設けられた二次側装置からリニアモータを構成し、上記バケットに 走行制御装置を設けて、遠隔指令信号に従って該バケットの上記ガイドウェイに 沿った走行を制御するように構成したので、人力を要することなく、迅速，容易 に物品の荷役を行うことができ、しかも道路混雑などに影響されず、排気汚染を 拡げることもなくなる等の実用上の利益が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の物品荷役システムの全体を示す概念
図である。

【図２】この考案におけるバケットの走行制御システム
を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ガイドウェイ ２ バケット ４ 一次側装置 ５ 二次側装置 ６ 走行制御装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品の荷積み地点と荷降し地点との間に
   敷設され、かつ少くとも該荷降し地点付近で垂直方向に
   徐々に傾きながら反転するガイドウェイと、 該ガイドウェイに沿って走行可能に設けられたバケット
   と、 上記ガイドウェイに沿った走行路面に設けられた一次側
   装置および上記バケットに設けられた二次側装置からな
   るリニアモータと、 上記バケットに設けられ、遠隔指令信号に従って該バケ
   ットの上記ガイドウェイに沿った走行を制御する走行制
   御装置とを備えた物品搬送システム。