JPH0614087U - 半導体デバイス用トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】トレーを積み重ねてもデバイスに荷重がかから
ず、しかもリードはポケットの内壁に接触することがな
くて、変形や損傷させられることのない半導体デバイス
用トレーを提供する。 【構成】デバイスの底面を支持するための坐台４をポケ
ット中央に突設し、坐台にデバイスを載せた際、デバイ
ス側面から外方へ延びる配線用リード９の下端がポケッ
ト底面に接触せず、しかもデバイスの上面がポケット上
縁から突出しないように坐台の高さを設定し、トレーど
うしを積み重ねた際に、下段トレーのポケット内壁に内
側から嵌合し、ポケット内側面に下部が拡がるテーパー
面７ａを設けたガイドリブ７を下面に突設し、トレー下
面におけるテーパー面７ａの基部に囲まれる部分がデバ
イスの上面よりも小さい相似形をなし、かつ、デバイス
の上面周縁部８ａとテーパー面７ａとの間に水平方向の
遊びが生じるようにガイドリブを配した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はＩＣ等の半導体デバイスを収納するためのトレーに関し、より詳しく は４辺にリードを備えるデバイスを収納するのに好適な半導体デバイス用トレー に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＩＣ等の半導体デバイスは集積化が進むとともに、年々小型化、薄型化してい る。このようなデバイスには垂直方向の荷重や外部からの衝撃などができるだけ 掛からないようにする必要があり、デバイスを運搬、保管するためのトレーの構 造は、半導体デバイス製品の歩留りに大きく影響を及ぼしている。

【０００３】 特に、デバイスの側面から外方へ延びる配線用リードには極めて細い金属線が 使用される傾向にあり、リードがトレーのポケット内壁などへ接触して変形、折 曲等しないようにデバイスを収納しなければならない。

【０００４】 そこで、図８の(a) 〜(c) に断面を示すような半導体デバイス用トレーが用い られており、図中の符号２１はトレー、２２はデバイスを収納するためのポケッ ト、２３はデバイスを載せる坐台、２４はデバイスを示している。

【０００５】 (a) 図は坐台２３の上面をデバイス２４の底面よりも一回り大なるものとし、 上面の周縁には上向きのリブ２５を設けて、このリブ内にデバイスの下部を嵌め ることにより、デバイスが水平方向に移動できないように構成してある。

【０００６】 (b) 図はトレーの下面に押えリブ２７を突設し、複数段積み重ねたトレーの上 段のものの押えリブ２７が下段のトレーのポケット２２内にあるデバイスを上か ら押さえ、これによりデバイス２４が動かないように固定するものとなっている 。

【０００７】 (c) 図は(b) 図に示したトレーにおける押えリブ２７の下面外周に足を形成し た段部２８を設け、上段トレーの押えリブ２７の段部２８が下段トレー内のデバ イスの上周面と上側部２４ａとを押さえて、上下方向および水平方向にガタが発 生しないようにしてある。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上述した(a) 〜(c) 図に示す各トレーはポケット内部に収納された半導体デバ イスを水平方向に移動しないように固定して、リードがポケット内壁に接触しな いように構成されているが、デバイスの小型化、薄型化にともなってリードとデ バイス本体の側面との間隔は例えば０．０８ｍｍ程度と極めて狭く設計される傾 向にあり、(a) 図のトレーにおけるリブの水平方向の厚さをこの間隔よりも薄く 形成しなければならず、加工が困難であった。

【０００９】 (b) 図、(c) 図のトレーはともに半導体デバイスを上段トレーの下面リブで上 から押えるものなので、トレーを多段に積み重ねたばあいは、下位のトレーのデ バイスほど垂直荷重がかかり、ために下位トレーのデバイスに歪みが発生したり 、リードが変形したり損傷させられたりすることがある。

【００１０】 本考案はトレーを積み重ねてもデバイスに荷重がかからず、しかもリードはポ ケットの内壁に接触することがなくて、変形や損傷させられることのない半導体 デバイス用トレーを提供することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の半導体デバイス用トレーは半導体デバイ スを個別に収納するための方形のポケットを上面に多数備え、少なくとも２段以 上積み重ねて使用する半導体デバイス用トレーにおいて、デバイスの底面を支持 するための坐台をポケット中央に突設し、坐台にデバイスを載せた際、デバイス 側面から外方へ延びる配線用リードの下端がポケット底面に接触せず、しかもデ バイスの上面がポケット上縁から突出しないように坐台の高さを設定し、トレー どうしを積み重ねた際に、下段トレーのポケット内壁に内側から嵌合し、ポケッ ト内側面に下部が拡がるテーパー面を設けたガイドリブを下面に突設し、トレー 下面における前記テーパー面の基部に囲まれる部分がデバイスの上面よりも小さ い相似形をなし、かつ、デバイスの上面周縁部と前記テーパー面との間に水平方 向の遊びが生じるように前記ガイドリブを配したものとしてある。

【００１２】

【作用】

デバイスをトレーのポケット内の坐台に載せて、このトレーの上に別のトレー を載せると、下段トレーのデバイスがポケット坐台の適正位置から外れているば あいには、上段トレーの下面ガイドリブのテーパー面がデバイス上面のずれてい る縁部に接触し、デバイスは坐台上の適正位置部、すなわちポケットの中央部へ 移動させられ、リードがポケット内壁へ接触することが防止される。

【００１３】 また、ポケット内に収納されたデバイス上面の周縁部とガイドリブのテーパー 面間には遊びを設けてあるので、デバイスがテーパー面から押圧されることはな く、しかもデバイスの上面と上段トレーの下面との間には隙間があるので、デバ イスは垂直方向に押圧されることもなくフリーに収納されて、デバイスに余分な 荷重が掛らない。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の具体例を図１〜７に基づいて詳細に説明する。 トレー１は半導体デバイスをポケット２に収納して積み重ねて使用するもので あるので、トレー上面は収納容器としての機能を有し、トレー下面は下段トレー 用の蓋としての機能を有する。

【００１５】 トレー上面は図１、２に示すように、デバイスを個別に収納するためのポケッ ト２が多数（図中では３２個）設けられており、上向きに突設した外周枠３内を 縦横の仕切部３ａ、３ｂによって各ポケットを区画し、各ポケット中央にはデバ イスを載せるための上面が平坦な坐台４をポケット底部より一段高く設け、これ により坐台４と外周枠３、仕切部３ａ、３ｂとの間には周溝５が形成されている 。

【００１６】 外周枠３と仕切部３ａ、３ｂは坐台にデバイスを載せた際、デバイスの上面が ポケットの上縁から突出しないように、その上端をデバイス上面よりも高くなる ように形成してあり、坐台はその上に載せたデバイスの周辺リードが周溝５の内 底に接触しない高さに設定してある。

【００１７】 また、坐台に載せたデバイスが水平方向に移動しても坐台の周縁がリードに接 触しないように、坐台の上面はデバイスの底面よりも若干小さい相似形のものと してある。 なお、図中の符号１ａはトレーを持ち運ぶための把手である。

【００１８】 トレー下面には、図３〜６に示すようにトレー全周の縁枠６と各ポケットに対 応するガイドリブ７が下方へ向かって突設されている。 ガイドリブ７は図４に示すように、各ポケットの周溝５における４辺と対応す る部位で、トレーの下面に不連続方形状にそれぞれ４個設けてあり、しかも相対 する内側面どうしは下部が拡がるテーパー面７ａに形成してある。また、トレー の下面におけるテーパー面の基部に囲まれる部分はポケット内に収納するデバイ スの上面よりも小さい相似形となるようにしてある。

【００１９】 次にトレー上面と下面を構成する各部分の相互の位置関係を、ポケット内の坐 台中央にデバイスを載せ、別のトレーを上から載せた状態を一部拡大して示す図 ５に基づいて説明する。

【００２０】 テーパー面７ａの水平角度はデバイス本体８上面の縁部８ａとリード９基部の 折曲部（肩部）９ａとを結ぶ線の水平角度よりも小なるものとし、かつ、テーパ ー面７ａと下段のポケット内に収納されたデバイス本体８上面の縁部８ａとの間 に水平方向の遊びを設け、この遊びはデバイスをポケット中央に置いた際のテー パー面とデバイス上面の縁部８ａとの水平方向の間隔α₂ が０．０２５ｍｍ以上 となるようにするのが好適である。

【００２１】 また、ポケットの広さはポケット内に収納するデバイスのリード先端９ｂから ポケット内壁までの水平方向の間隔α₁ が、 α₁ ＞α₂ となるように設定する。

【００２２】 このように構成された半導体デバイス用トレーは次のように使用する。 デバイスを、その側面から延びるリードがポケット内壁に接触しないように坐 台へ載せ、別のトレーをその下面全周の縁枠６を下段トレーの外周枠３へ嵌合さ せて載せる。

【００２３】 この際、図６に仮想線で示すように、デバイスが坐台の中央から左側へずれて 載っているばあいには、ガイドリブ７のテーパー面７ａがデバイス８上面の左辺 縁部８ａに接触し、上段トレーを下ろしていくにしたがって、テーパー面７ａが デバイス８上面の左辺縁部８ａをポケット中央方向へ押し、これによりデバイス ８が坐台上でスライドして、図中実線で示すようにポケットの中央部位置まで移 動する。

【００２４】 この際、テーパー面７ａの水平角度はデバイス上面の縁部８ａとリード９の肩 部９ａを結ぶ線の水平角度よりも小なるものとしてあるので、テーパー面７ａは リード９と接触せず、リードに変形や損傷を与えない。

【００２５】 ポケット内のデバイスは固定されず、坐台上へフリーにセットされているので 、水平方向へα₂ の範囲内で移動できるが、リードとポケット内壁間の水平方向 の間隔α₁ を、α₂ よりも大なるものとしてあるので、リード９の先端９ａがポ ケット内壁に接触するようなことはない。

【００２６】 また、デバイスと上段トレーの下面との間には隙間が生じるので、デバイスに は垂直方向の荷重がかからず、トレーを多段に積み重ねてもデバイスに歪みが生 じるようなことはない。

【００２７】 なお、上記実施例においてガイドリブをトレー下面の前後左右方向に４個独立 して設けてあるが、ガイドリブは図７の(a) 図に示すように連続する方形に形成 してもよいし、(b) 図のようにポケットの４角部へ嵌合するように形成してもよ い。

【００２８】

【考案の効果】

本考案の半導体デバイス用トレーによれば、トレーポケット内の坐台に載せら れたデバイスが適正位置からずれていても、このトレーに別のトレーを上から載 せるだけでポケット中央部の適正位置へ導くことができ、ためにリードはポケッ ト内壁に接触せず、リードに変形や損傷を与えない。

【００２９】 また、ポケット内に収納されたデバイス上面の周縁部とガイドリブのテーパー 面との間には遊びを設けてあり、しかもデバイス上面と上に載せられる別のトレ ー下面との間に隙間があるので、デバイスは固定されず、ポケット内にフリーに 収納されて、垂直方向の荷重による負担を受けることがなく、デバイスを収納し たトレーを多段に積み重ねても下位のトレーのデバイスに歪みが生じるようなこ とはない。

【００３０】 したがって、４辺にリードを備えるデバイスであっても、安全に保管、運搬す ることができ、半導体デバイス製品の歩留りを向上させる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る半導体デバイス用トレーの一例を
示す平面図。

【図２】ポケット部分を示す拡大平面図。

【図３】ポケット部分を下面から示す拡大底面図。

【図４】図２のＩＶ−ＩＶ線断面図。

【図５】トレーの嵌合状態を示す一部拡大断面図。

【図６】本考案に係るトレーの使用状態を示す断面図。

【図７】他の実施例を示す一部拡大底面図。

【図８】従来の半導体デバイス用トレーを示す断面図。

【符号の説明】

１ トレー ２ ポケット ３ 外周枠 ３ａ、３ｂ 仕切部 ４ 坐台 ５ 周溝 ６ 縁枠 ７ ガイドリブ ７ａ テーパー面 ８ 半導体デバイス ９ リード

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】半導体デバイスを個別に収納するための方
   形のポケットを上面に多数備え、少なくとも２段以上積
   み重ねて使用する半導体デバイス用トレーにおいて、デ
   バイスの底面を支持するための坐台をポケット中央に突
   設し、坐台にデバイスを載せた際、デバイス側面から外
   方へ延びる配線用リードの下端がポケット底面に接触せ
   ず、しかもデバイスの上面がポケット上縁から突出しな
   いように坐台の高さを設定し、トレーどうしを積み重ね
   た際に、下段トレーのポケット内壁に内側から嵌合し、
   ポケット内側面に下部が拡がるテーパー面を設けたガイ
   ドリブを下面に突設し、トレー下面における前記テーパ
   ー面の基部に囲まれる部分がデバイスの上面よりも小さ
   い相似形をなし、かつ、デバイスの上面周縁部と前記テ
   ーパー面との間に水平方向の遊びが生じるように前記ガ
   イドリブを配してなる半導体デバイス用トレー。