JPH0614054Y2 - 排気ガス再循環制御バルブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動車等の内燃機関の排気ガス再循環シス
テムに用いられる排気ガス再循環制御バルブに関するも
のである。

〔従来の技術〕

第２図は例えば特開昭52-89721号公報に記載された従来
の排気ガス再循環制御バルブ〔以下ＥＧＲ(Exhaust Gas
Recirculation)バルブと略称する。］の一例を示すも
のであり、図において、１は燃焼室２を有する機関、３
は燃焼室２に連設されており排気ガスが通る排気管、４
はこの排気管３に接続され燃焼室２からの排気ガスを冷
却するＥＧＲクーラ、５はこのＥＧＲクーラ４に接続さ
れＥＧＲクーラ４で冷却された排気ガスを導入し、機関
１の吸気管（図示せず）への排気ガスの再循環量を調節
するＥＧＲバルブ、６はＥＧＲバルブ５内に設けられ吸
気管からの負圧信号によって応動し、排気ガスの通路の
開度を調節する調節弁、７は上部に負圧室８を形成し、
差圧により調節弁６を作動させるゴム製のダイアフラム
であり、作動手段を構成する。

従来のＥＧＲバルブ５は上記のように構成され、排気管
４からの排気ガスはＥＧＲクーラ４によって冷却された
後、ＥＧＲバルブ５に導かれる。そして、調節弁６によ
って再循環量の調節された排気ガスは、吸気管に供給さ
れる。これによって、排気ガスが機関１内で再燃焼さ
れ、排気ガス中の有害な窒素酸化物は低減される。な
お、排気管３から導かれた排気ガスは高温であるが、Ｅ
ＧＲクーラ４で冷却されることによって、ＥＧＲバルブ
５に導かれるときには排気ガスの温度は低減されている
ので、ダイアフラム７の熱による劣化が低減されてい
る。

第３図は第２図のＥＧＲバルブ５の正断面図であり、図
において１０はアルミダイカスト成形により形成され、
内部に排気ガス用通路11を有したハウジング、12は機関
１の排気管３からの排気ガスが導かれる通路入口、13は
機関の吸気管（図示せず）に排気ガスを導く通路出口、
14は排気ガス用通路11の途中で、ハウジング10の内部に
形成され調節弁６が当接する環状の弁座、17は調節弁６
に連設されハウジング10に装着された摺動部材18の内部
を上下方向に摺動する軸部、19は摺動部材18の下部に敷
設されかつ排気ガス用通路11の上部に位置しており、前
記摺動部材１８と軸部１７との摺動部分と前記排気ガス
用通路１１とを仕切り、排気ガス内に含まれるカーボン
等の侵入を防止する断面コの字状のホルダである。

20および21はそれぞれダイアフラム７を挟持し、中央部
が調節弁６の上端部22に装着された円板状の第１および
第２の押さえ板、24は底部にテーパ状凹部を備えた下部
負圧ケースで、この下部負圧ケース24は摺動部材18のテ
ーパ部に密着し、ボルト23で３ケ所（図示せず）ハウジ
ング10に固定されている。25はダイアフラム７の周縁部
を下部負圧ケース24と協働して挟持する上部負圧ケース
で、ダイアフラム７と上部負圧ケース25とによって負圧
室８が形成されている。

27は上部負圧ケース25と押さえ板20との間に介在し、押
さえ板20を下方に押圧する圧縮スプリング、28は上部負
圧ケース25に貫通装着され、機関１の吸気管からの負圧
を導入する負圧導入管、29は下部負圧ケース24とハウジ
ング10との間に介在しハウジング10からの熱を遮断する
非金属パッキンである。

上記のように構成された従来のＥＧＲバルブ５において
は、まず機関１の排気管３から導かれた排気ガスは通路
入口12から排気ガス用通路11に入る。その排気ガスは、
負圧導入管28を通じて負圧室８内に導かれた負圧の大き
さに応じて動作する調節弁６の開度に応じて通路出口13
から吸気管に導かれ、燃料と空気との混合気にこの排気
ガスが混合され、これ等は燃焼室２に導かれて燃焼され
る。これによって排気ガス中の有害成分である窒素酸化
物の量は低減される。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のように構成された従来の排気ガス再循環制御バル
ブにおいては、排気ガス中に含まれるガーボン等が摺動
部材18内に侵入するのを防止するために、断面コの字状
のホルダ19が摺動部材18の下部に取り付けられている
が、ホルダ１９と軸部１７との間には、軸部１７の摺動
がホルダ１９によって阻害されないように隙間が設けら
れているので、それだけではカーボンの摺動部材１８へ
の侵入や摺動部材１８と摺動関係にある軸部１７への付
着を防ぐことができず、摺動部材１８内に侵入したカー
ボン等や軸部１７に付着したカーボン等が、摺動部材１
８と接触することにより、軸部１７の摺動作動がスムー
ズに行なわれず、調節弁６が負圧室８内の負圧の大きさ
に応じて正確に動作しないことが生じるという問題点が
あった。

この考案は、上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、カーボンが摺動部材に侵入することが防止
される排気ガス再循環制御バルブを得ることを目的とす
る。

［問題点を解決するための手段］ この考案に係る排気ガス再循環制御バルブは、摺動部材
の軸部との摺動部分と排気ガス用通路とを仕切るホルダ
と、このホルダの内部で前記軸部に固定され排気ガス中
に含まれるカーボン等が摺動部材内に侵入するのを防止
する遮蔽板を備えたものである。

［作用］ この考案においては、排気ガス用通路を通る排気ガス中
のカーボン等が摺動部材に侵入することや、摺動部材と
摺動関係にある軸部へ付着するのに対しては、ホルダお
よび遮蔽板で防止され、摺動部材内に侵入したり、軸部
１７に付着したカーボンが摺動部材１８と接触すること
により軸部の摺動がスムースに行なわれないということ
は避けられ、調節弁は負圧室内の負圧の大きさに応じて
正確に動作する。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図に基づいて説明する。
第１図はこの考案の一実施例を示す正断面図であり、第
２図、第３図と同一または相当部分は同一符号を付し、
その説明は省略する。

図において、30はホルダ19内の軸部17に取り付けられた
円板状の遮蔽板であり、その点が従来例と異なり、その
他の構成は従来例の構成と同様である。

上記のように構成された排気ガス再循環制御バルブにお
いては、排気ガス用通路11を通る排気ガス中のカーボン
等が摺動部材18に侵入するのに対しては、ホルダ19およ
び遮蔽板30で防止され、摺動部材18内に侵入したカーボ
ン等により軸部17の摺動がスムースに行なわれないとい
うことは避けられ、調節弁６は負圧室８内の負圧の大き
さに応じて正確に動作する。

また、遮蔽板３０は調節弁６の上限を規制してこの調節
弁６のストロークを一定にするストッパとしの役割を兼
ねるようにしてもよく、こうすれば従来ストッパを兼ね
ていた断面コ字状の第１の押さえ板２０の図示上方への
曲げ部分を短くすることができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案の排気ガス再循環制御バ
ルブは、ホルダに加えて軸部に取り付けられた遮蔽板を
備えたことにより、摺動部材内にカーボン等が侵入した
り、摺動部材と摺動関係にある軸部にカーボン等が付着
されることは防止され、調節弁は正確に動作するという
効果がある。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの考案の一実施例を示す正断面図、第２図は
従来の排気ガス再循環制御バルブの一例を示す概略構成
図、第３図は第２図の排気ガス再循環制御バルブを示す
正断面図である。 １……機関、３……排気管、６……調節弁、７……ダイ
アフラム、10……ハウジング、11……排気ガス用通路、
17……軸部、18……摺動部材、19……ホルダ、30……遮
蔽板。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示すもの
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に排気ガス用通路を有したハウジング
   と、このハウジング内に設けられ機関の排気管から前記
   排気ガス用通路を介して吸気管に循環される排気ガスの
   量を調節する調節弁と、この調節弁に連設され摺動部材
   に対して摺動自在の軸部と、この軸部を作動させて前記
   調節弁を開閉する作動手段と、前記ハウジング内に前記
   摺動部材及び軸部の外面を囲んで取付けられ、且つ前記
   軸部に対して摺動可能なホルダと、このホルダの内部で
   前記軸部に固定された遮蔽板とを備えていることを特徴
   とする排気ガス再循環制御バルブ。