JPH0614014U - 荷姿修正装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 傾斜した包装体の荷姿を直立状態に修正する
装置。 【構成】 上下動する四角形の昇降フレームの対向する
二辺から外方に突出して、水平から斜め下方に屈折する
ことのできる修正レバーを取付ける。 【効果】 自動開梱機に送られてくる傾斜した荷姿の包
装体の姿勢を、開梱前に直立状態に修正できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は傾斜した包装体等を直立状態に修正するための荷姿修正装置に関し、 より詳しくは、パレットとその上に積上げた被包装物をストレッチフィルムで包 装し、一体化した包装体（以下「ストレッチ包装体」という）を（自動）開梱機 で開梱するに先立ち、傾斜したストレッチ包装体の荷姿を直立状態に修正する荷 姿修正装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４に示すように、従来よりガラス壜、ＰＥＴ壜、金属鑵などの空容器（被包 装物１３）の多くは、パレット１２に厚手の板紙の中敷シート１４を介してバラ で積上げ、その上に木製又はプラスチック製の天板１７を載せ、上下方向に複数 本のバンド１５を掛けて固定し、その側面にストレッチ包装１６をした包装体１ １として飲料メーカー等に納入されてきた。

【０００３】 このような軽量な被包装物をバラ積みしたストレッチ包装体を開梱する自動開 梱機としては本出願人の出願にかかる特願平３−２７７２６号及びその改良発明 である特願平４− 号各明細書記載の提案がなされている。

【０００４】 上記両明細書に記載されている装置（以下、「開梱機」という）は、基本的に はストレッチ包装体の頂面を押圧する押え装置と、上、下各１対のグリッパーを 備えており、被包装物の側面に巻付けられているストレッチフィルムを切断する に際しては、先づ押え装置がストレッチ包装体の頂面を押えて安定させ、次に下 部グリッパーがストレッチフィルムの下端を挟持し、さらに上部グリッパーが下 降して、切断中のストレッチフィルムの上端を挟持した後、切断装置でフィルム を切断する構成となっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、前記したような空容器は軽量なため高積みされることが多く、 ストレッチ包装体の高さはしばしば２メートル前後に達することがあり、飲料メ ーカーに届いたとき、ストレッチ包装体が正しく垂直になっているとは限らず、 多くの場合僅かであっても、いづれかの方向に傾斜している。そしてコンベアに よって開梱機に搬入されるストレッチ包装体が開梱機の奥行の方向（又は前後の 方向）、すなわちコンベアの送り方向と直角の方向に傾斜している場合、開梱機 の上部グリッパーが垂直に下降しても、その固定爪が正しくストレッチフィルム と被包装物の間に挿入されず、天板１７に突当るか、或いはストレッチフィルム の外側をかすめるかして、上部グリッパーがストレッチフィルムの上端を挟持で きないという問題があった。

【０００６】 本考案は上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、上記したような ストレッチ包装体を開梱機で開梱するに先立ち、ストレッチ包装体全体の傾斜し た姿勢を修正する荷姿修正装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案の荷姿修正装置は上下動する四角形の昇降フ レームの対向する二辺から外方に突出して、水平から斜め下方に屈折することの できる修正レバーを取付けた構成としたものである。

【０００８】 前記修正レバーは昇降フレームの対向する二辺のそれぞれ両端部に取付けても よい。 又、前記昇降フレームが開梱機の頂面押え装置とすると、該開梱機上で開梱工 程が開始される直前にストレッチ包装体の荷姿を修正することができる。

【０００９】 上記のように、昇降フレームを開梱機の頂面押え装置とする場合、該開梱機に おいて切断したストレッチフィルムを開扉する揺動アームの運動を妨げないよう にする必要がある。そのためには、前記頂面押え装置の対向する二辺のうち、ス トレッチ包装体のフィルムを切断する側面の側の辺に取付けられている修正レバ ーは、荷姿修正を完了して実質的に水平に戻った時点で、前記頂面押え装置の内 側に向って後退できる構成とするのがよい。

【００１０】

【作用】

本考案の荷姿修正装置においては、昇降フレームを下降させると、該フレーム に取付けられ、斜め下方に屈折している修正レバーが、傾斜しているストレッチ 包装体の傾斜方向にあって互いに対向する上端の二陵に当接し、これを押圧する ことになって、該包装全体の傾斜した姿勢を修正する作用をする。

【００１１】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の一実施例である荷姿修正装置について詳細に 説明するが、本考案はこれに限定されない。 図１は本考案の一実施例である荷姿修正装置の側面図、図２は図１の平面図、 図３は荷姿修正時の状態を示す側面図である。

【００１２】 図中の符号１は昇降フレームとしての開梱機の頂面押え装置、２ａは頂面押え 装置１の対向する二辺のうち、ストレッチ包装体のフィルムを切断する側面の側 の辺に取付けられている修正レバー、２ｂはその反対側の辺に取付けられている 修正レバー、３は修正レバー２ａを屈折させるエアシリンダー、４は同じく修正 レバー２ａを頂面押え装置１の内側に向って後退させるエアシリンダー、５は修 正レバー２ａを屈折させるエアシリンダー、６は押え装置の支持アーム、７は開 梱機の後方支柱、８はチェーン、９は開梱機の揺動アーム、１０は開梱機の上部 グリッパー、１０ａは上部グリッパーの固定爪、１０ｂは可動爪、１１はストレ ッチ包装体、１２はパレット、１３は被包装物、１４は中敷シート、１５はバン ド、１６はストレッチフィルム、１７は天板であり、又Ａはストレッチ包装体の フィルムを切断する側面、ＢはＡとは反対側の側面、Ｐはストレッチ包装体の側 面Ａと頂面が接する陵、Ｑは側面Ｂと頂面が接する陵である。

【００１３】 図１及び図２を参照して本考案の実施例について説明する。本実施例において は、昇降フレームとしての開梱機の頂面押え装置１は支持アーム６に懸架され、 開梱機の後方支柱７に沿って、図示されていないモーターで駆動されるチェーン ８により昇降する。この頂面押え装置１のフレームの対向する二辺には、それぞ れ左右１対の修正レバー２ａ，２ｂが取付けられている。すなわち、頂面押え装 置１のフレームの対向する前記二辺のうち、ストレッチ包装体１１のフィルムを 切断する側面Ａの側の辺には修正レバー２ａと、該修正レバーを屈折させるエア シリンダー３及び前記頂面押え装置の内側に向って後退させるエアシリンダー４ が取付けられている。又、頂面押え装置１の前記とは反対側の辺（すなわち、ス トレッチ包装体の側面Ｂの側の辺）には、修正レバー２ｂと該修正レバーを屈折 させるエアシリンダー５が取付けられている。

【００１４】 以下、図１，図２及び主に図３を参照して本実施例の装置の作動について説明 する。開梱されるべきストレッチ包装体１１がコンベアによって搬送されてきて 、開梱機上の所定の位置で停止すると、本実施例の装置のエアシリンダー４が作 動して修正レバー２ａを押え装置１の外側に向って前進させる。次にエアシリン ダー３及び５が作動して、修正レバー２ａ，２ｂを斜め下方に屈折させる。次に 図示されていない開梱機上のモーターが始動し、チェーン８を駆動し、支持アー ム６を開梱機の後方支柱７に沿って下降させる。このようにして頂面押え装置１ がストレッチ包装体１１に向って下降する。

【００１５】 ストレッチ包装体１１が正しく直立していると、図１に示すように修正レバー ２ａ，２ｂが同時にそれぞれストレッチ包装体１１の陵Ｐ，Ｑと接触するが、傾 斜していると、図３に示すように、修正レバー２ａと陵Ｐ、あるいは修正レバー ２ｂと陵Ｑのいづれかが先に接触することになる。前述の通り、ストレッチ包装 体１１は（図２及び図３参照）、その側面Ａ、頂面、側面Ｂ、底面にわたって複 数本のバンド１５を掛けられて固定されているが、傾斜しているストレッチ包装 体の二陵、Ｐ，Ｑのうち、先に修正レバー（２ａ又は２ｂ）と接触している方の 陵が、（接触した）修正レバーの表面をスライドし、押え装置１の中央寄りに移 動し始めると、前記移動している陵と接触しているバンド１５も共に移動し、下 向に傾斜しているストレッチ包装体１１の側面（図３における側面Ａ）全体を支 えて引起し直立させる。（図３参照）

【００１６】 これにより、ストレッチ包装体１１のフィルムを切断する側面Ａの上端が開梱 機の上部グリッパー１０の真下に位置することになり、上部グリッパー１０の固 定爪１０ａをストレッチ包装体１１の切断すべきストレッチフィルム１６と被包 装物１３の間に正しく挿入して、確実にストレッチフィルム１６の上端を挟持さ せることができる。

【００１７】 ストレッチ包装体１１の姿勢が正しく修正されると、修正レバー２ａ，２ｂは ストレッチ包装体１１の陵Ｐ，Ｑに均等に接触する。そして押え装置１がその高 さ（図１に実線で、図３に点線で示す位置）まで下降すると、エアシリンダー３ 及び５が作動して、修正レバー２ａ，２ｂを実質的に水平に戻し、続いてエアシ リンダー４が作動して修正レバー２ａを頂面押え装置１の内側に向って後退させ る。これは修正レバー２ａが、前記上部グリッパー１０を取付けた開梱機の揺動 アーム９の旋回運動を妨害しないためである。

【００１８】 修正レバー２ａ，２ｂの原点復帰後も、頂面押え装置１は下降を続け、該押え 装置１の重量が完全にストレッチ包装体１１の上にかかった時、図示していない リミットスイッチなどの検知装置によって（頂面押え装置１の）下降が停止され る。この時点で開梱機はストレッチフィルムの切断工程に移り、実質的な開梱装 置が開始される。

【００１９】 このようにして、本考案の荷姿修正装置においては、昇降フレームを下降させ 、該フレームに取付けられ、斜め下方に屈折している修正レバーを傾斜している ストレッチ包装体の傾斜方向にあって互いに対向する上端の二陵に当接すること により、該包装体の傾斜した姿勢を修正することができる。

【００２０】

【考案の効果】 以上、詳述したように本考案によれば、たとえばストレッチ包装体を自動開梱 機で開梱するに先立ち、ストレッチ包装体全体の姿勢を修正することのできる荷 姿修正装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の荷姿修正装置の一実施例の側面図であ
る。

【図２】図１の平面図である。

【図３】本実施例の装置によるストレッチ包装体の荷姿
修正の状態を示す側面図である。

【図４】ストレッチ包装体の側面図である。

【符号の説明】

１：昇降フレーム（開梱機の頂面押え装置）、２ａ：昇
降フレーム１の対向する二辺のうち、ストレッチ包装体
のフィルム切断面側の辺に取付けられている修正レバ
ー、２ｂ：昇降フレーム１の辺２ａの反対側の辺に取付
けられている修正レバー、３：修正レバー２ａを屈折さ
せるためのエアシリンダー、４：修正レバー２ａを前後
進させるエアシリンダー、５：修正レバー２ｂを屈折さ
せるためのエアシリンダー、６：昇降フレーム１の支持
アーム、７：開梱機の後方支柱、８：チェーン、９：開
梱機の揺動アーム、１０：開梱機の上部グリッパー、１
０ａ：上部グリッパーの固定爪、１０ｂ：上部グリッパ
ーの可動爪、１１：ストレッチ包装体、１２：パレッ
ト、１３：被包装物、１４：中敷シート、１５：バン
ド、１６：ストレッチフィルム、１７：天板、Ａ：スト
レッチ包装体のフィルムを切断する側面、Ｂ：Ａと反対
の側面、Ｐ：ストレッチ包装体の側面Ａと頂面とが接す
る陵、Ｑ：ストレッチ包装体の側面Ｂと頂面とが接する
陵

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 川西 薫 大阪府高槻市大塚町１丁目９番３号 王子 製袋株式会社機械工場内 (72)考案者 岩崎 廣司 東京都千代田区外神田３丁目６番４号 王 子製袋株式会社内

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下動する四角形の昇降フレームの対向
   する二辺から外方に突出して、水平から斜め下方に屈折
   することのできる修正レバーを取付けてなる傾斜した包
   装体を直立状態に修正する荷姿修正装置。
2. 【請求項２】 上記修正レバーが昇降フレームの対向す
   る二辺のそれぞれ両端部に取付けられている請求項１記
   載の荷姿修正装置。
3. 【請求項３】 上記昇降フレームがストレッチ包装体の
   開梱機の頂面押え装置である請求項１又は２記載の荷姿
   修正装置。
4. 【請求項４】 上記昇降フレームとしてのストレッチ包
   装体の開梱機の頂面押え装置に取付けられた修正レバー
   のうち、ストレッチ包装体のフィルムを切断する側面の
   側の辺に取付けられている修正レバーが前後進できるも
   のである請求項３記載の荷姿修正装置。