JPH06139725A - ヘッド保持装置 - Google Patents

ヘッド保持装置

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JPH06139725A
JPH06139725A JP32457292A JP32457292A JPH06139725A JP H06139725 A JPH06139725 A JP H06139725A JP 32457292 A JP32457292 A JP 32457292A JP 32457292 A JP32457292 A JP 32457292A JP H06139725 A JPH06139725 A JP H06139725A
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liquid crystal
thermotropic liquid
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range
holding device
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JP32457292A
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English (en)
Inventor
Kenji Tanaka
研二 田中
Satoru Ishii
悟 石井
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ディスク装置等においてヘッド保持装置
に原因するリード/ライトエラーを防止する。 【構成】 上記ヘッド保持装置を構成する構成部材の少
なくとも一部をテレフタル酸単位、イソフタル酸単位、
4−ヒドロキシ安息香酸単位、ヒドロキノン単位及びア
リーレンジオール単位からなる全芳香族コポリエステル
(A)に、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位、4−
ヒドロキシ安息香酸単位および4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル単位からなる全芳香族コポリエステルを必須
とするサーモトロピック液晶ポリマーで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検知対象物と微小な間
隔でもって相対的に移動するヘッドを保持するための再
生および/または記録ヘッドの保持装置、たとえば、磁
気ヘッドあるいは光ピックアップを保持する保持装置に
関する。特に磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装置、
たとえば固定磁気ディスク装置に使用されるキャリッジ
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にフロッピーディスクなどの磁気
ディスク装置では、磁気記録媒体を回転させた状態で磁
気ヘッドによりデータの記録または再生が行われる。磁
気ヘッドはキャリッジにより保持されるものがあり、必
要なときに磁気記録媒体上の所定のトラックまで移動さ
れる。キャリッジは、例えば図1に示すように構成され
ている。すなわち、キャリッジ本体1は、一方の側部に
円筒上の滑り軸受部3a,3bを備えている。各滑り軸
受部(以下メイン滑り軸受部と称す。)3a,3bは、
キャリッジ本体1をメインレール2aで安定に保持でき
るような所定の位置に本体1と連続して設けられてい
る。一方、キャリッジ本体1の他方の側部には「コ」字
形の滑り軸受部(以下、サブ滑り軸受部と称す。)4が
設けられている。
【0003】キャリッジ本体1は、メイン滑り軸受部3
a,3bを貫通して配置される。メインレール2aおよ
びサブ滑り軸受部4の上下部に挟まれるサブレール2b
により保持され、移動する際に進行を案内される。メイ
ンおよびサブレール2a,2bはフロッピーディスク装
置のフレーム(図示せず)に平行になるように固定され
ている。このようなキャリッジには、図1に示すよう
に、先端表面部に例えばキャリッジ本体側の磁気ヘッド
5が金属製板バネに固定されて設けられている。ここ
で、通常キャリッジには、図2に示すようにキャリッジ
本体側の磁気ヘッド5に対して上下方向に対応するキャ
リッジ本体1に接続されたアーム7側に保持された磁気
ヘッド6が設けられている。
【0004】キャリッジは、磁気ディスク装置の動作時
(データのリード、ライト時)に、メイン滑り軸受部3
a,3bおよびサブ滑り軸受部4でメインレール2a、
サブレール2b上を摺動して図示しないメディア方向へ
移動する。キャリッジの移動は通常ステップモータの駆
動力がスチール製のベルト、またはリードスクリューに
より伝達されて行われている。そして、キャリッジ上の
磁気ヘッド5が微少間隙を保って磁気記録媒体に接触す
ることにより、データのリード、ライトが行われてい
る。キャリッジの別の例として、図3の様な構造のもの
があげられる。図3はコイル巻線部11、ストッパー1
0、ピン8および回転軸用の孔9などを設けたキャリッ
ジ本体の上面図を示す。図4は、図3のキャリッジに磁
気ヘッドを組み込み回転軸を中心としたキャリッジの動
きによる磁気ディスクの読み取りの様子を模式的に示し
た図である。回転軸を中心にキャリッジが円周方向の回
転をすることにより、磁気ヘッド部分は磁気記録媒体
(磁気ディスク)に微少間隔を保って接触することによ
り任意の位置のデータのリード、ライトを行うことがで
きる。
【0005】図3のような、キャリッジ装置では、特に
ストッパーの耐衝撃性や、回転軸用円形孔の寸法精度な
どが要求される。なお、このような構造のものはアクチ
ュエーターとも称される。いずれにしろ磁気ディスク装
置における磁気ヘッドは、数μmという微小な間隔で磁
気ディスクと離隔して設置されている。このように微小
な間隔を介して読み取りおよび/または書取動作が行わ
れるために、微細な異物が該間隙に挟在してもリード/
ライトエラーの原因となる。磁気ヘッドは、検知対象と
しての磁気記録媒体と相対的に移動するところから異物
が挟在する可能性はさらに高くなる。そのため、固定磁
気ディスク装置などでは装置全体を密封し、装置内部を
外雰囲気から遮断し、雰囲気中の異物の共存を避ける場
合すらある。
【0006】さらに、コンパクトディスク、レーザーデ
ィスク、ビデオディスク、光磁気ディスクなどに用いら
れる光ピックアップでも事情は同様である。すなわち、
光ピックアップの光学系は、たとえば発光素子、発光素
子からの検知光を記録媒体に照射する対物レンズ、記録
媒体からの反射光を受ける受光素子、受光素子への反射
光軸を発光素子からの送光軸と異なる方向へ向ける反射
部材とからなり、そのほか回折格子、コリメーターレン
ズ、凸レンズなどの付属光学系とからなる。そしてこれ
らを取り付ける取り付け部材とからなるものである。光
散乱などを防止するために対物レンズや受光素子など
は、記録媒体とは微小な間隔を保持する。ここでは、前
述の磁気ディスクにおける磁気ヘッドと同様に、異物の
挟在に起因する光ピックアップの読み取りおよび/また
は書取動作エラーが発生することがある。そのほか、温
度、変化、湿度変化による寸法変化や振動などが、該光
学系へ影響を及ぼすこともある。
【0007】特開昭63−136364号公報に開示さ
れているサーモトロピック液晶ポリエステルと無機フィ
ラーとを主成分とする組成物からなるキャリッジ装置の
場合には、比重の重い無機フィラーを含むため十分な装
置の軽量化が難しいと同時に、無機フィラーの脱離がリ
ード/ライトエラーの原因となる。さらに、サーモトロ
ピック液晶ポリエステルでは、それ特有の現象として分
子配向が表面部分で特に大きいため、成形時表面フィブ
リル化が起こりやすいと共に成形品表面に繰り返し摩擦
あるいは繰り返し打撃が加わると、表面フィブリル化が
起こり毛羽立ってくるという表面特性の欠点があり実用
上問題視されている。
【0008】この表面毛羽立の原因となる繰り返し摩擦
あるいは繰り返し打撃は、装置動作時における打撃ある
いは摺動等に起因するものではなく、装置の構成部材を
成形する際の運搬などにより受けるわずかな打撃や衝撃
に起因するものであるために、単に装置動作時の打撃軽
減などを目的とする装置あるいは構成部材の構造などの
改良のみでは回避し得ない性質のものである。このこと
は、装置の非摺動性部位からも毛羽立が発生しているこ
とからもわかる。そして、構成部材表面の毛羽立は、該
部材表面層の剥離に至り、剥離したわずかな剥離片によ
ってもリード/ライトエラーの原因となるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、サーモトロ
ピック液晶ポリマーをもつ高強度、高弾性率、低線膨張
率、低吸湿寸法変化、高振動減衰性といった特性を保持
しつつ、リード/ライトエラーの原因となる表面のフィ
ブリル化を低減するという課題を解決することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は鋭意検討した結果本発明に達した。すな
わち、本発明は、検知対象物と微小な間隔を保って相対
的に移動するヘッドの保持装置において、該保持装置を
構成する構成部材の少なくとも一部が、下記一般式
(1)、(2)、(3)、(4)および(5)を必須の
繰り返し構成単位とするサーモトロピック液晶ポリマー
からなる部材により構成されてなることを特徴とするヘ
ッド保持装置に関する。
【0011】
【化5】
【0012】〔式中、Arは、式
【0013】
【化6】
【0014】(式中、Xは、独立に水素、C〜C
ルキル基、ハロゲン原子またはアリール基であり、そし
て原子価結合がお互いにパラであるときには、少なくと
も一つの基Xは、水素以外でなければならないという条
件がある。)の二価の置換された単核芳香族基;および
【0015】
【化7】
【0016】(式中、Xは、独立に水素、C〜C
ルキル基、ハロゲン原子またはアリール基であり、そし
てQはO、S、SO、S−S、SO、COおよび化学
結合からなる群から選ばれる。)の二価の二核芳香族;
および式
【0017】
【化4】
【0018】の二価のナフタレン基またはそれらの異性
体からなる群から選ばれた少なくとも一つのメンバーを
含有して成り、そして式中、a、b、c、d、eはいず
れも正の整数であり、かつa+bは、b+eにほぼ等し
く;a対bの比は、約0.42:1〜約2.33:1の
範囲内にあり:d対eの比は、約5:1〜約99:1の
範囲内にあり:そしてc対(a+b)は、約0.15:
1〜約0.8:1の範囲内にある。〕本発明で使用する
サーモトロピック液晶ポリマーは、溶融時に光学的異方
性を示す熱溶融可能なポリマーである。このような熱溶
融時に光学異方性を示すポリマーは、溶融状態でポリマ
ー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を有している。
光学的異方性溶融相の性質は、直行偏光子を利用した通
常の偏光検査法により確認できる。
【0019】ここで(1)〜(5)の各繰り返し構成単
位はそれぞれ、(1)は、テレフタル酸またはその誘導
体から誘導される繰り返し構成単位であり、(2)は、
イソフタル酸またはその誘導体から誘導される繰り返し
構成単位であり、(3)は、4−ヒドロキシ安息香酸ま
たはその誘導体から誘導される繰り返し構成単位であ
り、(4)は、ヒドロキノンまたはその誘導体から誘導
される繰り返し構成単位であり、(5)は、アリーレン
ジオールまたはその誘導体から誘導される繰り返し構成
単位であって、上記式(4)の構成単位を含まないもの
である。
【0020】例えば、レゾルシノール、メチルヒドロキ
ノン、クロロヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、
フェニルヒドロキノン、4,4′−4,3′−および
3,3′−ジフェノール;4,4′−4,3′−および
3,3′−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4′
−4,3′−および3,3′−ジヒドロキシジフェニル
スルフィド;4,4′−4,3′−および3,3′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド;4,4′−4,
3′−および3,3′−ジヒドロキシジフェニルジスル
フィド;4,4′−4,3′−および3,3′−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン;4,4′−4,3′−およ
び3,3′−ジヒドロキシベンゾフェノン;およびナフ
タレンジオール;例えば1,4−、1,5−、2,6−
および2,7−ナフタレンジオ−ルである。これらの中
で4,4′−、4,3′−および3,3′−ジフェノー
ルが好ましい。
【0021】本発明に使用するサーモトロピック液晶ポ
リマーは、上記化合物を溶融アシドリシス法やスラリー
重合法等の多様なエステル形成法により製造することが
できる。本発明に使用するサーモトロピック液晶ポリマ
ーは、たとえば特公昭47−47870号公報あるいは
特開昭60−120719号公報に述べられている方法
を用いて製造することができる。上記公報には、適当な
ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸およびジオールを酸
無水物と反応させるアルカノイル化ステップ、第1ステ
ップの反応生成物を重縮合してプレポリマーを製造する
予備重合ステップ、およびプレポリマーを加熱して所望
の重縮合物を製造する第3ステップからなる方法が記載
されている。
【0022】さらに詳細に言えば、上記のサーモトロピ
ック液晶ポリマーは、必要とされる量のイソフタル酸お
よびテレフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸およびヒド
ロキノンおよびアリーレンジオール例えば4,4′−ビ
フェノールを反応器中に仕込むことによって製造され
る。通常低級モノカルボン酸の無水物、好ましくはC
〜Cモノカルボン酸の無水物を少なくとも化学量論的
に添加する。無水酢酸を使用することが最も好ましい。
その量は、好ましくは、すべてのヒドロキシル基のアセ
チル化のために必要とされる量を約5〜20モル%越え
ることが好ましい。このアセチル化反応は、約2〜6時
間の間約140℃で行われる。次に反応混合物を1時間
当たり約20〜40℃の速度で約240〜320℃に加
熱し、そして約数分〜約4時間の間約240〜320℃
で保持する。次に得られた低分子量ポリマーを約1〜2
4時間の期間約280〜340℃の温度に加熱すること
によって必要とされる高分子量に固相進展(solid
state advanced)させる。
【0023】本発明に用いられるサーモトロピック液晶
ポリマーは、通常は、約2,000〜200,000、
好ましくは約10,000〜約100,000、そして
さらに好ましくは、約20,000〜約25,000の
重量平均分子量を示す。これらの分子量は、ポリマーの
溶液化を含まない技術によって、たとえば圧縮成形フィ
ルムについて赤外分光法により末端基を定量することに
より測定される。もちろん、適宜の溶剤に溶解するなら
ばGPCにより測定することもできる。本発明に用いら
れるサーモトロピック液晶ポリマーは、約260℃また
はそれ以上で安定な配向された溶融相を生成させる。こ
の溶融相は、サーモトロピック液晶ポリマーであるが故
に取扱易くそしてその分解温度未満で溶融押出して、ブ
リスターの発生が少ない成形品を得ることができる。特
にキャリッジ装置などのヘッド保持装置に要求される性
質を満足することができ、特に従来のサーモトロピック
液晶ポリマーでは得られなかった、他の性質を満足しな
がらかつフィブリルの発生が少なく比較的平滑な表面が
得られるものである。
【0024】上記サーモトロピック液晶ポリマーは、高
弾性率、高強度、および良好な耐熱安定性を示す。これ
らのポリマーは、少なくとも約200℃、好ましくは少
なくとも約220℃の熱変形温度を有する(ASTM
D−648、18.6kg/cmの荷重下で測定)。
本発明に使用されるサーモトロピック液晶ポリマーに
は、本発明の目的を損なわない範囲で、無機充填材(タ
ルク、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭
素繊維など)、酸化防止剤、熱安定剤(たとえばヒンダ
ードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類および
これらの置換体など)、紫外線吸収剤、滑材、離型剤
(たとえば高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩など)、顔料
(たとえばカーボンブラック、硫化カドミウムなど)、
染料、難燃剤および帯電防止剤などの従来公知の添加剤
を添加したり、他の熱可塑性樹脂や上記サーモトロピッ
ク液晶ポリマー以外のサーモトロピック液晶ポリマーを
ブレンドして、所定の特性を付与することができる。
【0025】好適にブレンドできる、上記サーモトロピ
ック液晶ポリマー以外のサーモトロピック液晶ポリマー
としては、相溶性などの点から上記サーモトロピック液
晶ポリマー(以下コポリエステル(A)という。)以外
のサーモトロピック液晶ポリマーである各種全芳香族コ
ポリエステルが挙げられる。このようなサーモトロピッ
ク液晶ポリマーとしては特に制限はないが、好ましいも
のとしては、良好な表面特性を保持しつつ機械的強度な
どが改良できる点で下記のコポリエステル(B)があ
る。すなわち、コポリエステル(B)は、下記(1)、
(2)、(3)および(6)からなるサーモトロピック
液晶ポリマーである。このコポリエステル(B)は、前
記式(4)で表されるヒドロキノンまたはその誘導体か
ら誘導される繰り返し構成単位を実質的に含まないこと
もその特徴である。
【0026】
【化8】
【0027】上記式(1)、(2)および(3)は、そ
れぞれコポリエステル(A)の構成単位である式
(1)、(2)および(3)と同一であり、式(6)
は、4,4′−ジヒドロキシジフェニルまたはその誘導
体から誘導される繰り返し構成単位からなるものであ
る。さらに上記式(1)〜(3)および(6)におい
て、p、r、sはそれぞれ正の整数、qは0または正の
整数で、かつp+qは、ほぼsに等しく;p対(p+
q)の比は、約0.5:1〜1:1の範囲にあり;r対
sの比は、約1:1〜約7:1、好ましくは約2:1〜
約4:1の範囲にあるものが好ましい。また、下記の全
芳香族コポリエステル(C)も、コポリエステル(B)
とともにまたはこれとは別個に配合することができる。
【0028】
【化9】
【0029】上記式(3)および(7)において、t、
uはそれぞれ正の整数であり、t対(t+u)の比は、
0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲である。コポリ
エステル(B)および(C)は、通常は約2,000〜
約200,000、好ましくは約10,000〜約10
0,000の範囲内に重量平均分子量を有する。これら
の分子量は、前記コポリエステル(A)と同様にポリマ
ーの溶液化を含まない技術によってもまた測定され得
る。また、コポリエステル(B)および(C)の製造方
法としては、コポリエステル(A)と同様な方法を用い
ることができる。コポリエステル(B)および(C)を
併用する場合にも、本発明の目的を損なわない範囲で、
前述の無機充填材、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、滑材、離型剤、顔料、染料、難燃剤および帯電防止
剤などの通常の添加剤を配合することができる。
【0030】コポリエステル(A)およびコポリエステ
ル(B)または(C)の配合比は、キャリッジ装置など
のヘッド保持装置の構造および同装置に付随して使用さ
れる部品の材質に応じて機械的強度、弾性率あるいは線
膨張率などの所望の物性が得られるように適宜選択すれ
ばよい。通常はコポリエステル(A):1〜99重量部
に対してコポリエステル(B)または(C):99〜1
重量部を配合することができる。好ましくはコポリエス
テル(A):5〜95重量部に対してコポリエステル
(B)または(C):95〜5重量部を配合することが
できる。コポリエステル(B)とコボリエステル(C)
とは、併用することもできる。この場合の併用の割合
は、コポリエステル(B):コポリエステル(C)=
1:99〜99:1(重量比)の範囲から選択すること
ができる。本発明に用いるコポリエステルの配合手段は
特に限定されることはなく、種々の手段が適用できる。
例えば、別々に押出機に供給して溶融混合してもよく、
また、あらかじめヘンシェルミキサーやタンブラー等の
混合機で予備混合した後に押出機に供給してもよい。
【0031】本発明のヘッド保持装置は、検知対象物と
ヘッドとの間隔が微小間隔、たとえば1mm以下である
ような相対的に移動式のヘッドを保持するためのヘッド
保持装置である。このヘッドの検知機能は、検知対象物
と微少間隔でもって該対象物の状態を検知し得るものな
らば特に限定されない。たとえば、磁気を検知する磁気
ヘッドあるいは光を検知する光ピックアップなどが例示
される。また、再生のために磁気あるいは光を単に検知
するのみではなく、磁気あるいは光を発生または放出し
て記録させる読み取り/書き込みが可能な再生/記録ヘ
ッドであることもできる。このヘッドは、検知対象物、
たとえば磁気記録媒体と相対的に移動する。すなわち、
ヘッドの位置は固定され検知対象物たとえば磁気記録媒
体が移動する、検知対象物は固定されヘッドのみが移動
する、さらにその両方が移動するなどの場合がある。い
ずれにしろ相対的な位置関係が変動するために、異物夾
雑の可能性が高いような装置である。
【0032】ヘッド保持装置を構成する部材としては特
に限定されないが、たとえば磁気ヘッドを保持するため
のキャリッジ、その構成部材としてのリードスクリュ
ー、同じく磁気ヘッドを保持するためのアクチュエータ
ー部材または光ピックアップにおける光学系の取り付け
ブロック、カートリッジ、アーム、ヘッドシェルなどの
構成部材が例示される。好ましくは、ヘッドを保持する
部材、たとえばキャリッジまたはアクチュエーターのヘ
ッド保持部材である。たとえば図1、図3でいえば、キ
ャリッジ本体1が部分的にまたはその全てが本発明のコ
ポリエステルにより構成される。これらの構成部材の製
造は、本発明のコポリエステルがサーモトロピック液晶
ポリマーであるところから、従来公知の射出成形方法に
より行うことが可能である。
【0033】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よるヘッド保持装置は、特定の構造をもつサーモトロピ
ック液晶ポリマーを使用するために、該ポリマーの表面
フィブリル化が少ない性質により、剥離したわずかな剥
離片によるリード/ライトエラーを減少させることが可
能である。さらに該ポリマーは成形性なども良好なため
射出成形により複雑な成形品であっても、製造が容易で
ある。また、線膨張係数、寸法安定性などの良好なため
に好適である。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。ま
ず、実施例および比較例に使用した原材料をしめす。サ
ーモトロピック液晶ポリマー(A):テレフタル酸、イ
ソフタル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキノン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル(=0.54/0.
46/0.54/0.95/0.05モル比)の5元コ
ポリエステルであるサーモトロピック液晶ポリマーの粉
状物。融点350℃(DSCによる融点、以下同じ)。 サーモトロピック液晶ポリマー(B−1):テレフタル
酸、イソフタル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル(=0.6/0.4/2/1
モル比)の4元コポリエステルであるサーモトロピック
液晶ポリマーの粉状物。融点350℃ サーモトロピック液晶ポリマー(B−2):テレフタル
酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル(=1/2/1モル比)の3元コポリエステ
ルであるサーモトロピック液晶ポリマーの粉状物。融点
400℃ サーモトロピック液晶ポリマー(C):4−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の2元コポ
リエステル(=7/3モル比)であるサーモトロピック
液晶ポリマーの粉状物。融点280℃。
【0035】実施例1および2 サーモトロピック液晶ポリマーを表1記載の配合処方に
よりエアオーブンに入れ120℃で4時間乾燥した後、
2軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)を用いて
シリンダー温度355℃で混練造粒した。得られた樹脂
ペレットを射出成形機(住友重機工業(株)製SG−2
5)によりシリンダー温度350℃で常法により射出成
形し曲げ試験片を得た。曲げ試験はASTM D790
に準拠して測定した。線膨張率は、曲げ試験片の中央部
から切削した試験片を用い、流動方向である長手方向に
ついて測定した。
【0036】また、図3に示す形状のキャリッジ本体の
a,b部を、樹脂の流動方向が長手方向になるようにゲ
ート位置を設定して常法に従い射出成形により得た。こ
れにアルミニウム製のCをとりつけキャリッジとした。
このキャリッジの表面を50倍の顕微鏡で観察をするこ
とにより、その表面毛羽立の状態を目視で次の基準に従
って測定した。 評価基準:◎ 全く表面毛羽立は認められない。 ○ ほとんど認められない。 × 全面に認められる 上記の成形したキャリッジを、アルミダイキャストをシ
ャーシとする磁気固定ディスクドライブ装置に磁気ヘッ
ドの保持部材として組み込み、該装置のリード・ライト
作動テストを該磁気ヘッドにより1万回行った。エラー
発生を次の基準に従って測定した。 評価基準:◎ 全くエラー発生なし。 ○ 1回発生あり。 × 複数回エラー発生あり。
【0037】比較例1〜3 サーモトロピック液晶ポリマー(B−1)、同(B−
2)および同(C)を使用し実施例と同様に試験した。
上記実施例および比較例のサーモトロピック液晶ポリマ
ーの配合処方を表1に、結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヘッドのキャリッジの一例を示す斜視図。
【図2】図1のキャリッジの磁気ヘッド部の一例を示す
断面図。
【図3】磁気ヘッドのキャリッジの別の一例を示す斜視
図。
【図4】図3のキャリッジに磁気ヘッドを組み込み、磁
気ディスクの読み取り時の回転軸を中心としたキャリッ
ジの動きを示す模式図。
【符号の説明】
1 キャリッジ本体 2 レール 3,4 滑り軸受部 5,6,12 磁気ヘッド 7 アーム 8 ピン 9 回転軸用孔(円形) 10 ストッパー 11 コイル 13 磁気ディスク 14 回転軸
【化10】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検知対象物と微小な間隔を保って相対的
    に移動するヘッドの保持装置において、該保持装置を構
    成する構成部材の少なくとも一部が、下記一般式
    (1)、(2)、(3)、(4)および(5)を必須の
    繰り返し構成単位とするサーモトロピック液晶ポリマー
    からなる部材により構成されてなることを特徴とするヘ
    ッド保持装置。 【化1】 〔式中、Arは、式 【化2】 (式中、Xは、独立に水素、C〜Cアルキル基、ハ
    ロゲン原子またはアリール基であり、そして原子価結合
    がお互いにパラであるときには、少なくとも一つの基X
    は、水素以外でなければならないという条件がある。)
    の二価の置換された単核芳香族基;および式 【化3】 (式中、Xは、独立に水素、C〜Cアルキル基、ハ
    ロゲン原子またはアリール基であり、そしてQはO、
    S、SO、S−S、SO、COおよび化学結合からな
    る群から選ばれる。)の二価の二核芳香族;および式 【化4】 の二価のナフタレン基またはそれらの異性体からなる群
    から選ばれた少なくとも一つのメンバーを含有して成
    り、そして式中、a、b、c、d、eはいずれも正の整
    数であり、かつa+bは、b+eにほぼ等しく;a対b
    の比は、約0.42:1〜約2.33:1の範囲内にあ
    り:d対eの比は、約5:1〜約99:1の範囲内にあ
    り:そしてc対(a+b)は、約0.15:1〜約0.
    8:1の範囲内にある。〕
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996036049A1 (fr) * 1995-05-10 1996-11-14 Nippon Petrochemicals Co., Ltd. Commande d'une unite de disques, produit intermediaire d'elaboration de son bras et leur procede de fabrication
US6226152B1 (en) 1995-03-10 2001-05-01 Nippon Petrochemicals, Co., Ltd. Joined metal-resin plate body, swing-type actuator made using the same, and processes for producing these

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WO1996036049A1 (fr) * 1995-05-10 1996-11-14 Nippon Petrochemicals Co., Ltd. Commande d'une unite de disques, produit intermediaire d'elaboration de son bras et leur procede de fabrication

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