JPH0613900B2 - 自動変速機の変速シヨツク軽減装置 - Google Patents
自動変速機の変速シヨツク軽減装置Info
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- JPH0613900B2 JPH0613900B2 JP19770185A JP19770185A JPH0613900B2 JP H0613900 B2 JPH0613900 B2 JP H0613900B2 JP 19770185 A JP19770185 A JP 19770185A JP 19770185 A JP19770185 A JP 19770185A JP H0613900 B2 JPH0613900 B2 JP H0613900B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両用の自動変速機に利用され得るもので、
特に、自動変速機の変速ショックを軽減するための装置
に関するものである。
特に、自動変速機の変速ショックを軽減するための装置
に関するものである。
(従来の技術) 従来の自動変速機の変速ショック軽減装置としては、例
えば、特開昭52−106064号や特開昭53−85
264号に記載されるものがある。
えば、特開昭52−106064号や特開昭53−85
264号に記載されるものがある。
上記従来装置は、自動変速機の出力軸トルクをトルクセ
ンサで検出し、出力軸トルクが予め設定された態様で時
系列変化するよう、上記出力軸トルクの検出信号をフィ
ードバックしながら、変速用の流体圧式摩擦要素の流体
圧を制御し、これにより、変速ショックを軽減しようと
するものである。
ンサで検出し、出力軸トルクが予め設定された態様で時
系列変化するよう、上記出力軸トルクの検出信号をフィ
ードバックしながら、変速用の流体圧式摩擦要素の流体
圧を制御し、これにより、変速ショックを軽減しようと
するものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来装置は、自動変速機の出力軸ト
ルクをトルクセンサで検出して、この検出信号をフィー
ドバックしつつ、実際の出力軸トルクの変化が、予め設
定されたトルク変化に沿うようにリアルタイム制御を行
う構成であるため、当該制御をマイクロコンピュータ等
のディジタル演算回路を用いて行おうとすると、高速な
演算が可能な高価なものが必要となる。
ルクをトルクセンサで検出して、この検出信号をフィー
ドバックしつつ、実際の出力軸トルクの変化が、予め設
定されたトルク変化に沿うようにリアルタイム制御を行
う構成であるため、当該制御をマイクロコンピュータ等
のディジタル演算回路を用いて行おうとすると、高速な
演算が可能な高価なものが必要となる。
また、上記のようなリアルタイム制御のため、トルクセ
ンサ出力にノイズ等の誤差成分が混入すると、即座に制
御精度が低下することになり、これを防止するには、精
度の良いトルクセンサ、すなわち、高価なトルクセンサ
が必要になる。
ンサ出力にノイズ等の誤差成分が混入すると、即座に制
御精度が低下することになり、これを防止するには、精
度の良いトルクセンサ、すなわち、高価なトルクセンサ
が必要になる。
そこで従来、実開昭61−11050号公報に記載の如
く、変速時における変速機出力軸トルクの変動をモニタ
し、これが変速ショックの発生を示さないようなものと
なるよう、変速摩擦要素の締結、解放タイミングを学習
制御する装置が提案された。
く、変速時における変速機出力軸トルクの変動をモニタ
し、これが変速ショックの発生を示さないようなものと
なるよう、変速摩擦要素の締結、解放タイミングを学習
制御する装置が提案された。
しかし、変速ショックは、かように変速摩擦要素の締
結、解放タイミングを適切にしただけで解消されるもの
でなく、それにも増して、変速中における変速摩擦要素
への流体圧が適切に制御されなくては、変速ショックを
軽減すること不可能である。
結、解放タイミングを適切にしただけで解消されるもの
でなく、それにも増して、変速中における変速摩擦要素
への流体圧が適切に制御されなくては、変速ショックを
軽減すること不可能である。
ちなみに変速ショックは主として、変速時に摩擦要素へ
供給する圧力が高すぎることで、その締結が急峻に過
ぎ、変速機出力軸トルクが急変することに起因する。
供給する圧力が高すぎることで、その締結が急峻に過
ぎ、変速機出力軸トルクが急変することに起因する。
そこで、変速時に摩擦要素へ供給する圧力を低下させ、
その締結を緩やかに行わせて変速機出力軸トルクの変化
を滑らかにしようとする時、摩擦要素への供給圧が低過
ぎると、以下に説明する棚外れ変速により、大きな変速
ショックを生ずる。
その締結を緩やかに行わせて変速機出力軸トルクの変化
を滑らかにしようとする時、摩擦要素への供給圧が低過
ぎると、以下に説明する棚外れ変速により、大きな変速
ショックを生ずる。
つまり、第7図(a)に示すように摩擦要素が締結を開
始する変速開始瞬時ta から所定時間後の瞬時tb を変
速終了と見做して、この瞬時に摩擦要素への供給圧を調
圧上限値にする時、摩擦要素が未だ完全に締結を完了し
ていないため、調圧上限値により摩擦要素が完全締結さ
れる時に初めて変速を終了する。これが所謂、棚外れ変
速で、この棚外れ変速は、調圧上限値で摩擦要素が完全
締結される時に、第7図(a)の変速機出力軸トルクT
outに係わる変動波形中にTpにより示すような大き
なピークトルクを惹起し、変速終了時に不快な変速ショ
ックを生ずる。
始する変速開始瞬時ta から所定時間後の瞬時tb を変
速終了と見做して、この瞬時に摩擦要素への供給圧を調
圧上限値にする時、摩擦要素が未だ完全に締結を完了し
ていないため、調圧上限値により摩擦要素が完全締結さ
れる時に初めて変速を終了する。これが所謂、棚外れ変
速で、この棚外れ変速は、調圧上限値で摩擦要素が完全
締結される時に、第7図(a)の変速機出力軸トルクT
outに係わる変動波形中にTpにより示すような大き
なピークトルクを惹起し、変速終了時に不快な変速ショ
ックを生ずる。
そして、変速時に摩擦要素へ供給する圧力が高すぎる場
合、その締結完了が急峻に過ぎ、変速機出力軸トルクT
outの変動波形が第7図(c)に示す如く、瞬時ta
から瞬時tb までの変速中に大きなピークトルクTpを
惹起して、ここで不快な変速ショックを生ずる。
合、その締結完了が急峻に過ぎ、変速機出力軸トルクT
outの変動波形が第7図(c)に示す如く、瞬時ta
から瞬時tb までの変速中に大きなピークトルクTpを
惹起して、ここで不快な変速ショックを生ずる。
変速時に摩擦要素へ供給する圧力が適切である場合、変
速機出力軸トルクToutの変動波形が第7図(b)に
示す如く、変速終了時tb に棚外れ変速ショックの原因
となる大きなピークトルクを持ったものでなくなるし、
また瞬時ta から瞬時tb までの変速中におけるピーク
トルクTpも左程大きくなることはなく、変速ショック
の発生はない。
速機出力軸トルクToutの変動波形が第7図(b)に
示す如く、変速終了時tb に棚外れ変速ショックの原因
となる大きなピークトルクを持ったものでなくなるし、
また瞬時ta から瞬時tb までの変速中におけるピーク
トルクTpも左程大きくなることはなく、変速ショック
の発生はない。
本発明は、上述の事実を認識し、変速時の変速機出力軸
トルク波形におけるピークトルクの大きさ、および発生
時期から、変速時に摩擦要素へ供給する流体圧が適切か
否かを判別して、この適切が達成されるよう上記流体圧
を調整することにより、 高速演算を必要とすることなく、従って安価なディジタ
ル演算回路で、更にトルクセンサも、高精度を必要とし
ない安価なものを用いて、確実な変速ショック軽減効果
を達成し得るようにした装置を提案することを目的とす
る。
トルク波形におけるピークトルクの大きさ、および発生
時期から、変速時に摩擦要素へ供給する流体圧が適切か
否かを判別して、この適切が達成されるよう上記流体圧
を調整することにより、 高速演算を必要とすることなく、従って安価なディジタ
ル演算回路で、更にトルクセンサも、高精度を必要とし
ない安価なものを用いて、確実な変速ショック軽減効果
を達成し得るようにした装置を提案することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明の変速ショック軽減装置は、第1
図に概念を示すように、 流体圧により締結される複数の流体圧式摩擦要素100
の掛け換えにより変速を行う自動変速機101におい
て、 該自動変速機の出力軸トルクを検出する出力トルクセン
サ102と、 該出力トルクセンサにより検出された出力軸トルクの、
前記変速時における変動波形を認識するトルク波形認識
手段103と、 該トルク波形認識手段によって認識された変速時におけ
るトルク波形のピーク値に基づいて、変動動作の良否を
判別する変速動作良否判別手段104と、 該手段により変速動作の不良が判別される時、前記ピー
ク値の発生時期が変速中であるのか、変速終了時である
のかを判別するピークトルク発生時期判別手段105
と、 該手段の判別結果に基づき、前記ピーク値の発生時期が
変速中である場合は、変速中に前記流体圧式摩擦要素へ
供給される流体圧を上昇させ、前記ピーク値の発生時期
が変速終了時である場合は、前記流体圧を低下させる流
体圧調整手段106とを具備した構成に特徴づけられ
る。
図に概念を示すように、 流体圧により締結される複数の流体圧式摩擦要素100
の掛け換えにより変速を行う自動変速機101におい
て、 該自動変速機の出力軸トルクを検出する出力トルクセン
サ102と、 該出力トルクセンサにより検出された出力軸トルクの、
前記変速時における変動波形を認識するトルク波形認識
手段103と、 該トルク波形認識手段によって認識された変速時におけ
るトルク波形のピーク値に基づいて、変動動作の良否を
判別する変速動作良否判別手段104と、 該手段により変速動作の不良が判別される時、前記ピー
ク値の発生時期が変速中であるのか、変速終了時である
のかを判別するピークトルク発生時期判別手段105
と、 該手段の判別結果に基づき、前記ピーク値の発生時期が
変速中である場合は、変速中に前記流体圧式摩擦要素へ
供給される流体圧を上昇させ、前記ピーク値の発生時期
が変速終了時である場合は、前記流体圧を低下させる流
体圧調整手段106とを具備した構成に特徴づけられ
る。
(作用) 流体圧で締結される複数の流体圧式摩擦要素100の掛
け換えにより行われる自動変速機101の変速中、トル
ク波形認識手段103は、出力トルクセンサ102が検
出した自動変速機101の出力軸トルクの変動波形を認
識する。
け換えにより行われる自動変速機101の変速中、トル
ク波形認識手段103は、出力トルクセンサ102が検
出した自動変速機101の出力軸トルクの変動波形を認
識する。
一方、変速動作良否判別手段104は、該認識された変
速時におけるトルク波形のピーク値に基づいて、変速動
作の良否を判別し、変速動作の不良が判別される時、ピ
ークトルク発生時期判別手段105は、上記ピーク値の
発生時期が変速中であるのが、変速終了時であるのかを
判別する。
速時におけるトルク波形のピーク値に基づいて、変速動
作の良否を判別し、変速動作の不良が判別される時、ピ
ークトルク発生時期判別手段105は、上記ピーク値の
発生時期が変速中であるのが、変速終了時であるのかを
判別する。
そして、該手段105の判別結果に基づき流体圧調整手
段106は、上記ピーク値の発生時期が変速中である場
合、変速中に前記流体圧式摩擦要素100へ供給される
流体圧を上昇させ、上記ピーク値の発生時期が変速終了
時である場合、上記流体圧を低下させる。
段106は、上記ピーク値の発生時期が変速中である場
合、変速中に前記流体圧式摩擦要素100へ供給される
流体圧を上昇させ、上記ピーク値の発生時期が変速終了
時である場合、上記流体圧を低下させる。
かくして、変速中に前記流体圧式摩擦要素100へ供給
される流体圧は、変速ショックの原因となる大きなピー
クトルクを、変速中および変速後の何れにおいても発生
させることのない適切値に調整されることとなり、変速
ショックを確実に軽減することができる。
される流体圧は、変速ショックの原因となる大きなピー
クトルクを、変速中および変速後の何れにおいても発生
させることのない適切値に調整されることとなり、変速
ショックを確実に軽減することができる。
ところで本発明においては、変速時の変速機出力軸トル
ク波形におけるピークトルクの大きさ、および発生時期
から、変速時に摩擦要素へ供給する流体圧が適切か否
か、また不適切なら適切値からどちらの方向にずれてい
るかを判別して、上記流体圧を調整することから、 前記従来装置のような、リアルタイムに出力軸トルクを
フィードバックして、これが予定のトルク変化態様とな
るよう摩擦要素の作動圧を制御する装置に較べて、 高速演算を必要とすることなく、従って安価なディジタ
ル演算回路で、更にトルクセンサも、高精度を必要とし
ない安価なものを用いて、確実な変速ショック軽減効果
を達成することができる。
ク波形におけるピークトルクの大きさ、および発生時期
から、変速時に摩擦要素へ供給する流体圧が適切か否
か、また不適切なら適切値からどちらの方向にずれてい
るかを判別して、上記流体圧を調整することから、 前記従来装置のような、リアルタイムに出力軸トルクを
フィードバックして、これが予定のトルク変化態様とな
るよう摩擦要素の作動圧を制御する装置に較べて、 高速演算を必要とすることなく、従って安価なディジタ
ル演算回路で、更にトルクセンサも、高精度を必要とし
ない安価なものを用いて、確実な変速ショック軽減効果
を達成することができる。
(実施例) 本発明の一実施例の構成を第2図に示す。
制御回路20は、マイクロコンピュータあるいは他のデ
ィジタル回路を用いて構成されるディジタル演算回路を
中心に構成されている。図中では、制御機能を判り易く
するために、一部機能ブロックにて図示してある。
ィジタル回路を用いて構成されるディジタル演算回路を
中心に構成されている。図中では、制御機能を判り易く
するために、一部機能ブロックにて図示してある。
制御回路20へ入力される情報は、出力トルクセンサ1
0で検出される自動変速機(図示略)の出力軸トルクT
outと、スロットル開度センサ11で検出されるスロ
ットル開度STH、および出力軸回転数センサ12で検出
される自動変速機の出力軸回転数NOUT である。
0で検出される自動変速機(図示略)の出力軸トルクT
outと、スロットル開度センサ11で検出されるスロ
ットル開度STH、および出力軸回転数センサ12で検出
される自動変速機の出力軸回転数NOUT である。
トルクセンサ10は、周知の磁歪形トルクセンサ(前述
した従来例公報に記されているものと同様のもの)であ
り、出力信号がアナログ信号であるため、制御回路20
内でA/D変換器30によりディジタル信号に変換され
る。スロットル開度センサ11および出力軸回転数セン
サ12は、出力信号がディジタル信号である。
した従来例公報に記されているものと同様のもの)であ
り、出力信号がアナログ信号であるため、制御回路20
内でA/D変換器30によりディジタル信号に変換され
る。スロットル開度センサ11および出力軸回転数セン
サ12は、出力信号がディジタル信号である。
制御回路20から出力される出力信号は、圧力制御弁4
0の駆動信号Iで、自動変速機の伝動経路(変速段)を
決定する変速用の流体圧式摩擦要素の流体圧を制御す
る。
0の駆動信号Iで、自動変速機の伝動経路(変速段)を
決定する変速用の流体圧式摩擦要素の流体圧を制御す
る。
圧力制御弁40は、第3図に示すように、スプールバル
ブ51とソレノイドバルブ52とで構成する。入力油路
55へ供給される供給圧力PL (オイルポンプからの出
力圧である)を、固定オリフィス53と、ソレノイドバ
ルブ52によって開度調節される可変オリフィス58と
により調圧して制御圧PC を作り出し、これをスプール
バルブ51に与えることで、スプール51Sの変位量が
調整されて、結果として、出力油路56からの出力圧P
S が調整される。出力油路56は前記流体圧式摩擦要素
の作動油供給路に接続され、その締結作動を司どる。
ブ51とソレノイドバルブ52とで構成する。入力油路
55へ供給される供給圧力PL (オイルポンプからの出
力圧である)を、固定オリフィス53と、ソレノイドバ
ルブ52によって開度調節される可変オリフィス58と
により調圧して制御圧PC を作り出し、これをスプール
バルブ51に与えることで、スプール51Sの変位量が
調整されて、結果として、出力油路56からの出力圧P
S が調整される。出力油路56は前記流体圧式摩擦要素
の作動油供給路に接続され、その締結作動を司どる。
そして、上記制御回路20から、圧力制御弁40に与え
られる駆動信号Iは、上記ソレノイドバルブ52の励磁
電流であり、この駆動信号Iは、制御回路20内のPW
M回路(パルス幅変調回路)31から出力されるパルス
幅変調された電流信号である。
られる駆動信号Iは、上記ソレノイドバルブ52の励磁
電流であり、この駆動信号Iは、制御回路20内のPW
M回路(パルス幅変調回路)31から出力されるパルス
幅変調された電流信号である。
すなわち、上記駆動信号IのON・OFFデューディ比
をPWM回路31により変化させることで、ソレノイド
バルブ52のスプール52Sの変位量が調整され、可変
オリフィス54の開度調整が行われる。これにより、出
力圧PS の調整がなされることになる。
をPWM回路31により変化させることで、ソレノイド
バルブ52のスプール52Sの変位量が調整され、可変
オリフィス54の開度調整が行われる。これにより、出
力圧PS の調整がなされることになる。
制御回路20は、上記各入力情報Tout,STH,N
OUT に基づいて、前記変速用の流体圧式摩擦要素に与え
る油圧を決定し、本発明が狙いとする変速ショック軽減
制御を行うもので、その構成を機能的に示すと、第2図
に示すような機能部21〜29で構成されるものにな
る。
OUT に基づいて、前記変速用の流体圧式摩擦要素に与え
る油圧を決定し、本発明が狙いとする変速ショック軽減
制御を行うもので、その構成を機能的に示すと、第2図
に示すような機能部21〜29で構成されるものにな
る。
変速点決定部21は、スロットル開度STHと出力軸回転
数NOUT に基づいて、自動変速機のギヤ位置(変速段)
を決定する。
数NOUT に基づいて、自動変速機のギヤ位置(変速段)
を決定する。
圧力決定部22は、変速点決定部21によってギヤ位置
が決定されたとき、そのギヤ位置の変化、すなわち変速
指令が発せられた時を知認して、この変速時における変
速用の流体圧式摩擦要素への供給圧PF の時間毎の変化
を予め設定する(この設定された供給圧の時間変化を
「基準圧力変化」とする)。
が決定されたとき、そのギヤ位置の変化、すなわち変速
指令が発せられた時を知認して、この変速時における変
速用の流体圧式摩擦要素への供給圧PF の時間毎の変化
を予め設定する(この設定された供給圧の時間変化を
「基準圧力変化」とする)。
波形認識部24は、出力軸トルクToutを入力して、
変速時における出力軸トルクToutの変動波形を認識
する。
変速時における出力軸トルクToutの変動波形を認識
する。
良否判定部25は、波形認識部24で測定された出力軸
トルクToutの変動波形に基づいて、1回の変速が行
われたときに、その変速動作が、運転者に不快感を与え
るような変速ショックの原因となる大きなピークトルク
を生じていないかを、つまり変速の良否を判別する。
トルクToutの変動波形に基づいて、1回の変速が行
われたときに、その変速動作が、運転者に不快感を与え
るような変速ショックの原因となる大きなピークトルク
を生じていないかを、つまり変速の良否を判別する。
棚はずれ検出部26は、変速不良にともなう上記の大き
なピークトルクの発生が検知される時、その発生時期が
変速終了時である場合に、棚はずれ現象によって出力軸
トルクの大きな変動が生じたと判定する。
なピークトルクの発生が検知される時、その発生時期が
変速終了時である場合に、棚はずれ現象によって出力軸
トルクの大きな変動が生じたと判定する。
記憶部27は、上記良否判別部25および棚外れ検出部
26の判別結果に応じて、 良否判別部25が上記変速不良を検知していなければ無
条件に変速良好の判定を行い、 良否判別部25が変速不良を検知していれば、棚外れ検
出部26のよる棚外れ変速の検知、非検知に応じ、検知
なら棚外れ変速による(変速時の摩擦要素への供給圧の
低すぎによる)変速不良と判定し、非検知なら通常変速
中における(変速時の摩擦要素への供給圧の高すぎによ
る)変速不良と判定する。
26の判別結果に応じて、 良否判別部25が上記変速不良を検知していなければ無
条件に変速良好の判定を行い、 良否判別部25が変速不良を検知していれば、棚外れ検
出部26のよる棚外れ変速の検知、非検知に応じ、検知
なら棚外れ変速による(変速時の摩擦要素への供給圧の
低すぎによる)変速不良と判定し、非検知なら通常変速
中における(変速時の摩擦要素への供給圧の高すぎによ
る)変速不良と判定する。
記憶部27は更に、変速の種類および運転条件毎に、変
速時の摩擦要素への供給圧補正量△Pを、テーブルデー
タとしてメモリしており、この補正量を上記変速不良の
判定結果に応じて修正する。加えて記憶部27は、変速
の種類および運転条件毎に、摩擦要素の耐摩耗性を考慮
した許容変速所要時間Jcを、テーブルデータとして格
納しているものとする。
速時の摩擦要素への供給圧補正量△Pを、テーブルデー
タとしてメモリしており、この補正量を上記変速不良の
判定結果に応じて修正する。加えて記憶部27は、変速
の種類および運転条件毎に、摩擦要素の耐摩耗性を考慮
した許容変速所要時間Jcを、テーブルデータとして格
納しているものとする。
圧力変化修正部23は、圧力決定部22で時々刻々設定
された基準圧力PF と、上記記憶部27における圧力補
正量ΔPとから、変速時に締結させるべき摩擦要素への
供給圧を決定する。
された基準圧力PF と、上記記憶部27における圧力補
正量ΔPとから、変速時に締結させるべき摩擦要素への
供給圧を決定する。
変速終了判定時28は、波形認識部24で出力軸トルク
の変動波形を認識するに際して計測する変速所要時間J
K が、前記記憶部27に格納されているデータテーブルか
ら求めた許容変速所要時間JC に達したときを変速動作
の終了時点と判定する。
の変動波形を認識するに際して計測する変速所要時間J
K が、前記記憶部27に格納されているデータテーブルか
ら求めた許容変速所要時間JC に達したときを変速動作
の終了時点と判定する。
圧力制御部29は、変速終了まで、圧力変化修正部23
で決定された供給圧に基づいて、圧力制御弁40へ与え
る駆動信号Iを形成するための出力(以下「圧力指令値
P」とする)を発生する。
で決定された供給圧に基づいて、圧力制御弁40へ与え
る駆動信号Iを形成するための出力(以下「圧力指令値
P」とする)を発生する。
次に、第4図〜第6図は、上記制御回路20をマイクロ
コンピュータを用いて構成した場合に、この制御回路2
0で実行される処理を示すフローチャートである。第4
図〜第6図に示す処理は、一連の処理であり、所定時間
毎に繰り返し実行される。
コンピュータを用いて構成した場合に、この制御回路2
0で実行される処理を示すフローチャートである。第4
図〜第6図に示す処理は、一連の処理であり、所定時間
毎に繰り返し実行される。
第4図のステップ61の処理では、スロットル開度STH
と出力軸回転数NOUT の各入力データが読み込まれる。
と出力軸回転数NOUT の各入力データが読み込まれる。
ステップ62では、制御モード判別用のフラグFの内容
を判別して、以後どのルーチンへ進むかを決定する。こ
のフラグFは、2ビットデータで設定され、「00」の
ときには「変速せず」、「01」のときには「変速
中」、「10」のときには「変速動作良否判別中」であ
ることを示す。なお、イグニッションスイッチが投入さ
れたときには、フラグFは「00」にリセットされる。
を判別して、以後どのルーチンへ進むかを決定する。こ
のフラグFは、2ビットデータで設定され、「00」の
ときには「変速せず」、「01」のときには「変速
中」、「10」のときには「変速動作良否判別中」であ
ることを示す。なお、イグニッションスイッチが投入さ
れたときには、フラグFは「00」にリセットされる。
ステップ62の判別の結果、フラグF=00であったと
すると、次にステップ63の処理により、運転条件の判
定が行われ、ステップ64の処理により、予めメモリに
記憶されている変速線図に基づいて、上記運転条件(ス
ロットル開度STHと出力軸回転数NOUT で決定される)
が、変速を必要とする変速点を越えているか否かを判別
する。
すると、次にステップ63の処理により、運転条件の判
定が行われ、ステップ64の処理により、予めメモリに
記憶されている変速線図に基づいて、上記運転条件(ス
ロットル開度STHと出力軸回転数NOUT で決定される)
が、変速を必要とする変速点を越えているか否かを判別
する。
ここで、運転条件が変速を必要とする状態になければ、
何も制御をすることなく、ルーチンを終了する。他方、
変速を必要とする場合には、ステップ66〜69の処理
が実行される。
何も制御をすることなく、ルーチンを終了する。他方、
変速を必要とする場合には、ステップ66〜69の処理
が実行される。
ステップ66では、メモリに格納されている圧力データ
のデータテーブル(以下「圧力データテーブル」と言
う)のルックアップ処理により、変速時に、変速用の流
体圧式摩擦要素へ与える液体圧の基本圧力PF を求め
る。
のデータテーブル(以下「圧力データテーブル」と言
う)のルックアップ処理により、変速時に、変速用の流
体圧式摩擦要素へ与える液体圧の基本圧力PF を求め
る。
上記圧力データテーブルは、変速の種類(例えば、「1
速→2速シフト」や「2速→3速シフト」等)と、運転
条件(スロットル開度STHと出力軸回転数NOUTや車速
等)に応じて複数のテーブルに分けられており、各々の
条件下での要求圧力データが格納されている。
速→2速シフト」や「2速→3速シフト」等)と、運転
条件(スロットル開度STHと出力軸回転数NOUTや車速
等)に応じて複数のテーブルに分けられており、各々の
条件下での要求圧力データが格納されている。
次のステップ67では、メモリに格納されている補正量
データのデータテーブル(以下「補正データテーブル」
と言う)のルックアップ処理により、上記ステップ66
で求めた圧力データに対する補正量(1回の補正量であ
る)を求め、この補正量ΔPによって上記圧力データP
F を補正する。
データのデータテーブル(以下「補正データテーブル」
と言う)のルックアップ処理により、上記ステップ66
で求めた圧力データに対する補正量(1回の補正量であ
る)を求め、この補正量ΔPによって上記圧力データP
F を補正する。
ステップ68では、上記ステップ67で補正された圧力
データを、摩擦要素の供給圧の指令値(前述の圧力指令
値Pである)として出力する。この圧力指令値Pは、前
記変速の種類に対応して決定された圧力制御を行う必要
のある摩擦要素に対して出力される。そして、圧力指令
値Pは、PWM回路31へ供給されて、圧力制御弁40
の駆動信号Iに変換される。これにより、摩擦要素へ供
給される流体圧は、上記圧力指令値Pに等しくなる。
データを、摩擦要素の供給圧の指令値(前述の圧力指令
値Pである)として出力する。この圧力指令値Pは、前
記変速の種類に対応して決定された圧力制御を行う必要
のある摩擦要素に対して出力される。そして、圧力指令
値Pは、PWM回路31へ供給されて、圧力制御弁40
の駆動信号Iに変換される。これにより、摩擦要素へ供
給される流体圧は、上記圧力指令値Pに等しくなる。
以上のステップ66〜68の処理が実行されることによ
り、実際の変速動作が開始される。従って、次のステッ
プ69により、フラグFを「01」として「変速中」で
あることを記憶する。
り、実際の変速動作が開始される。従って、次のステッ
プ69により、フラグFを「01」として「変速中」で
あることを記憶する。
上記の如く変速動作が開始されると、第5図のステップ
70で行われるフラグFの内容の判別結果により、次
に、ステップ71の処理が実行され、前記A/D変換器
30を起動させて、出力軸トルクToutのデータの読
込みを行う。
70で行われるフラグFの内容の判別結果により、次
に、ステップ71の処理が実行され、前記A/D変換器
30を起動させて、出力軸トルクToutのデータの読
込みを行う。
そして、次のステップ72では、変速動作の開始後、摩
擦要素の締結が開始される時点を検出する処理が行われ
る。
擦要素の締結が開始される時点を検出する処理が行われ
る。
これは、第7図における時点ta を判別する処理であ
り、この時点ta は、摩擦要素の締結が開始されて、そ
のクラッチプレートの圧接が開始されたために、出力軸
トルクToutが変動(イナーシャ成分等による負荷の
変化によるもの)して、急速に出力軸トルクToutが
低下し始めた点である。
り、この時点ta は、摩擦要素の締結が開始されて、そ
のクラッチプレートの圧接が開始されたために、出力軸
トルクToutが変動(イナーシャ成分等による負荷の
変化によるもの)して、急速に出力軸トルクToutが
低下し始めた点である。
従って、ステップ72の処理では、前記ステップ71で
読み込まれた出力軸トルクToutを前回の処理で読み
込んだ出力軸トルクと比較して、所定回数連続して出力
軸トルクToutが減少し、かつ、この間の出力軸トル
クの減少量が所定値以上であるときに、上記摩擦要素の
締結開始時点ta であると判定する。
読み込まれた出力軸トルクToutを前回の処理で読み
込んだ出力軸トルクと比較して、所定回数連続して出力
軸トルクToutが減少し、かつ、この間の出力軸トル
クの減少量が所定値以上であるときに、上記摩擦要素の
締結開始時点ta であると判定する。
上記締結開始時点ta が検出されると、次に、ステップ
73,74の処理が行われる。これら、ステップ73,
74の処理は、変動動作に伴う出力軸トルクToutの
変動波形の認識を行う処理であり、トルク波形認識手段
に相当する。
73,74の処理が行われる。これら、ステップ73,
74の処理は、変動動作に伴う出力軸トルクToutの
変動波形の認識を行う処理であり、トルク波形認識手段
に相当する。
この出力軸トルクToutの変動波形の認識は、変速終
了時を含む変速期間中の出力軸トルクToutのピーク
トルクTP及びその発生時期を求めることによって行わ
れる。
了時を含む変速期間中の出力軸トルクToutのピーク
トルクTP及びその発生時期を求めることによって行わ
れる。
すなわち、ステップ73では、上記締結開始時点ta が
検出されたときからタイマカウンタを始動させて、時点
ta からの経過時間JK を計測する。
検出されたときからタイマカウンタを始動させて、時点
ta からの経過時間JK を計測する。
ピークトルクTP の計測は、ステップ71で読み込まれ
る出力軸トルクToutを前回の処理で読み込んだ出力
軸トルクと比較することをルーチン処理が行われる毎に
繰り返し行い、これらの比較結果とその大小関係から変
速期間中で最も大きい値を求めて、これをピークトルク
TP とすることにより行われる。
る出力軸トルクToutを前回の処理で読み込んだ出力
軸トルクと比較することをルーチン処理が行われる毎に
繰り返し行い、これらの比較結果とその大小関係から変
速期間中で最も大きい値を求めて、これをピークトルク
TP とすることにより行われる。
ステップ73と74の処理は、ステップ75の処理で変
速終了が検出され、ステップ77がステップ78を選択
する計測終了まで繰り返される。
速終了が検出され、ステップ77がステップ78を選択
する計測終了まで繰り返される。
ステップ75の変速終了の判別処理は、予め、メモリに
格納されている許容変速所要時間データのデータテーブ
ルから、前記運転条件に対応する許容変速所要時間JC
を求め、このJC と前記経過時間JK とを比較し、JK
≧JC となったか否かにより変速終了を判別する。
格納されている許容変速所要時間データのデータテーブ
ルから、前記運転条件に対応する許容変速所要時間JC
を求め、このJC と前記経過時間JK とを比較し、JK
≧JC となったか否かにより変速終了を判別する。
上記許容変速所要時間JC は、摩擦要素のすべり期間が
必要以上に長いと、摩擦要素の摩耗が早まるため、摩擦
要素の耐摩耗性を考慮して各運転条件毎に設定されたも
のである。
必要以上に長いと、摩擦要素の摩耗が早まるため、摩擦
要素の耐摩耗性を考慮して各運転条件毎に設定されたも
のである。
上記JK ≧JC が成立して、変速終了が検出されると、
ステップ76の処理により、圧力指令値Pに代わって、
摩擦要素が完全締結または完全開放の状態となる供給圧
を生じるような指令値信号を出力する。すなわち、完全
締結の場合には、駆動信号Iのデューティ比が100%
(ON時間のデューティ比で表す)、完全開放の場合に
はデューティ比が0%となるような指令値信号を発生す
る。これにより、実際の変速動作も終了する。
ステップ76の処理により、圧力指令値Pに代わって、
摩擦要素が完全締結または完全開放の状態となる供給圧
を生じるような指令値信号を出力する。すなわち、完全
締結の場合には、駆動信号Iのデューティ比が100%
(ON時間のデューティ比で表す)、完全開放の場合に
はデューティ比が0%となるような指令値信号を発生す
る。これにより、実際の変速動作も終了する。
次のステップ77では、変速終了後の一定時間Δtの間
だけ、ステップ73,74を通るループに制御を戻し、
さらにピークトルクTP の計測を行うようにする。つま
りステップ73と74の処理を、変速終了時さらにΔt
だけ実行させる。この実行時間は、JK ≧(JC +Δ
t)の判別によりモニタされる。
だけ、ステップ73,74を通るループに制御を戻し、
さらにピークトルクTP の計測を行うようにする。つま
りステップ73と74の処理を、変速終了時さらにΔt
だけ実行させる。この実行時間は、JK ≧(JC +Δ
t)の判別によりモニタされる。
すなわち、この変速終了時、一定時間だけ、ピークトル
クTP の計測を継続して行うことにより、出力軸トルク
Toutの変動波形中から前述した「棚はずれ」現象に
よって生じるトルク変動パターンを検出することを狙い
としている。
クTP の計測を継続して行うことにより、出力軸トルク
Toutの変動波形中から前述した「棚はずれ」現象に
よって生じるトルク変動パターンを検出することを狙い
としている。
そして、ステップ77の判定がYESとなった後は、ス
テップ78でフラグFが「10」に設定されることによ
り、第6図に示すステップ80〜90の処理が実行され
る。
テップ78でフラグFが「10」に設定されることによ
り、第6図に示すステップ80〜90の処理が実行され
る。
ステップ80,81は変速動作良否判別手段に相当し、
ここの処理では、前記ステップ74で計測されたピーク
トルクTP が所定の基準値TR 以下であるか否かを判別
し、TP ≦TR のときに、変速動作が良好に行われたも
のと判定する。必要以上に大きなピークトルクが発生す
ることは、すなわち、変速ショックの発生原因になるか
らである。
ここの処理では、前記ステップ74で計測されたピーク
トルクTP が所定の基準値TR 以下であるか否かを判別
し、TP ≦TR のときに、変速動作が良好に行われたも
のと判定する。必要以上に大きなピークトルクが発生す
ることは、すなわち、変速ショックの発生原因になるか
らである。
ここで、変速動作が良好に行われたものと判定された場
合には、別段、摩擦要素の供給圧を調整する必要がない
ため、ステップ90でフラグFをリセットして、処理を
終了する。
合には、別段、摩擦要素の供給圧を調整する必要がない
ため、ステップ90でフラグFをリセットして、処理を
終了する。
他方、変速動作が良好に行われなかったと判定された場
合には、ステップ82の処理により、基準値TR より大
きなピークトルクTP の発生時期が第7図(a)に示す
ような変速終了時であるか否かにより、「棚はずれ」に
よる変速不良であるか否かを判別する。すなわち、ステ
ップ77で、変速動作終了時の一定時間の計測が行われ
る間に、ピークトルクTP が計測された場合に、棚はず
れによるものと判定する。
合には、ステップ82の処理により、基準値TR より大
きなピークトルクTP の発生時期が第7図(a)に示す
ような変速終了時であるか否かにより、「棚はずれ」に
よる変速不良であるか否かを判別する。すなわち、ステ
ップ77で、変速動作終了時の一定時間の計測が行われ
る間に、ピークトルクTP が計測された場合に、棚はず
れによるものと判定する。
ここで、前記基準値TR より大きなピークトルクT
P が、「棚はずれ」によるものであると判定された場合
には、次にステップ83の処理により、前回の変速動作
時においても「棚はずれ」が検出されたか否かを判別す
る。
P が、「棚はずれ」によるものであると判定された場合
には、次にステップ83の処理により、前回の変速動作
時においても「棚はずれ」が検出されたか否かを判別す
る。
ここで、前回にも「棚はずれ」が発生していた場合に
は、摩擦要素への供給圧が大幅に低すぎたことが原因で
あるので、次回の同種、同運転条件での変速時には供給
圧を大幅に上昇させるように、大きな圧力修正量A1 を
決定する(ステップ85)。この圧力修正量A1 は、今
回の変速動作でステップ67において求めた圧力補正量
ΔPよりも大きな値であり、前記ピークトルクTP の大
きさに対応して、その大きさが決定される。
は、摩擦要素への供給圧が大幅に低すぎたことが原因で
あるので、次回の同種、同運転条件での変速時には供給
圧を大幅に上昇させるように、大きな圧力修正量A1 を
決定する(ステップ85)。この圧力修正量A1 は、今
回の変速動作でステップ67において求めた圧力補正量
ΔPよりも大きな値であり、前記ピークトルクTP の大
きさに対応して、その大きさが決定される。
また、ステップ83の判定がONであるときは、前回の
変速動作時には「棚はずれ」が生じていないのに今回は
生じてしまったことを表す。これは、前回の変速動作で
求めた圧力修正量(これを「B0 」とする)が供給圧を
過剰に低減させる値であったためであるので、次回の変
速時には、供給圧を今回よりも増加させるように、圧力
修正量A2 を決定する(ステップ87)。
変速動作時には「棚はずれ」が生じていないのに今回は
生じてしまったことを表す。これは、前回の変速動作で
求めた圧力修正量(これを「B0 」とする)が供給圧を
過剰に低減させる値であったためであるので、次回の変
速時には、供給圧を今回よりも増加させるように、圧力
修正量A2 を決定する(ステップ87)。
他方、ステップ82の判定がONとなった場合には、所
定値以上のピークトルクTP の発生時期が、「棚はず
れ」による場合と異なり、第7図(c)のように、ギヤ
比交替が行われる変速中であると見做せ、このピークト
ルクは、摩擦要素への供給圧が高すぎる結果、イナーシ
ャ成分の放出に起因して生じる。
定値以上のピークトルクTP の発生時期が、「棚はず
れ」による場合と異なり、第7図(c)のように、ギヤ
比交替が行われる変速中であると見做せ、このピークト
ルクは、摩擦要素への供給圧が高すぎる結果、イナーシ
ャ成分の放出に起因して生じる。
従って、このピークトルクTP を低減させるには、摩擦
要素への供給圧を低下させれば良い。
要素への供給圧を低下させれば良い。
ここで、ステップ84によって、前回の変速動作時に
「棚はずれ」が生じていた場合には、必要以上に供給圧
を低下させることができないので、ステップ86では、
ステップ88で決定される圧力修正量B2 よりも小さな
圧力修正量B1 が算出される。
「棚はずれ」が生じていた場合には、必要以上に供給圧
を低下させることができないので、ステップ86では、
ステップ88で決定される圧力修正量B2 よりも小さな
圧力修正量B1 が算出される。
但し、上記圧力修正量B1 ,B2 は負の値であり、これ
らは、ピークトルクTP の大きさに応じて、その大きさ
が決定される。
らは、ピークトルクTP の大きさに応じて、その大きさ
が決定される。
ステップ89では、上記ステップ85〜88で求められ
た圧力修正量A1 ,A2 ,B1 ,B2 を、前記補正デー
タテーブル内の、今回の変速動作時における運転条件お
よび変速の種類と同一の条件・種類に対応する位置の圧
力補正量データΔPと入れ替える。
た圧力修正量A1 ,A2 ,B1 ,B2 を、前記補正デー
タテーブル内の、今回の変速動作時における運転条件お
よび変速の種類と同一の条件・種類に対応する位置の圧
力補正量データΔPと入れ替える。
これにより、今回と同一の条件・種類の変速が、再び行
われるときには、前記圧力修正量に置き換えられた圧力
補正量ΔPを用いて圧力指令値Pが決定されることにな
り、結果として、より適正な供給圧が摩擦要素へ与えら
れることになる。
われるときには、前記圧力修正量に置き換えられた圧力
補正量ΔPを用いて圧力指令値Pが決定されることにな
り、結果として、より適正な供給圧が摩擦要素へ与えら
れることになる。
従って、前記ステップ82がピークトルク発生時期判別
手段に相当し、ステップ83〜89が流体圧調整手段に
対応する。
手段に相当し、ステップ83〜89が流体圧調整手段に
対応する。
以上のように、本実施例は、変速動作が行われる毎に、
所定値以上の大きなピークトルクTP の判別による変速
動作の良否評価およびその発生時期に基づく圧力修正方
向の判定を行って、これらに応じて、次回の変速で用い
る圧力補正量ΔPを修正することで、変速ショックを減
じる方向へ摩擦要素への供給圧を調整することができ
る。
所定値以上の大きなピークトルクTP の判別による変速
動作の良否評価およびその発生時期に基づく圧力修正方
向の判定を行って、これらに応じて、次回の変速で用い
る圧力補正量ΔPを修正することで、変速ショックを減
じる方向へ摩擦要素への供給圧を調整することができ
る。
なお、上記実施例では、自動変速機の出力軸トルクの変
化を検出するセンサとして、トルクセンサ10を用いた
例を示したが、この他に、加速度センサを用いても検出
可能である。但し、トルクセンサを用いた方が、実際の
摩擦要素の締結開始時点ta を検出することができるの
で、許容変速所要時間の調整を正確に行うことができる
利点がある。
化を検出するセンサとして、トルクセンサ10を用いた
例を示したが、この他に、加速度センサを用いても検出
可能である。但し、トルクセンサを用いた方が、実際の
摩擦要素の締結開始時点ta を検出することができるの
で、許容変速所要時間の調整を正確に行うことができる
利点がある。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明は、自動変速機の変
速時における出力軸トルクの変動波形を認識して、当該
波形上のピークトルクおよびその発生時期から、摩擦要
素への供給圧の過不足を判定して、この過不足をなくす
よう供給圧を補正する構成としたから、 従来装置のような、リアルタイムで出力軸トルクの検出
値をフィードバックして、予め設定された経時変化に沿
うよう供給圧を制御するものに比べて、 演算処理時間が遅いディジタル回路を用いて供給圧の補
正、従って変速ショックの軽減を確実に実現することが
でき、コスト低減に繋がる。
速時における出力軸トルクの変動波形を認識して、当該
波形上のピークトルクおよびその発生時期から、摩擦要
素への供給圧の過不足を判定して、この過不足をなくす
よう供給圧を補正する構成としたから、 従来装置のような、リアルタイムで出力軸トルクの検出
値をフィードバックして、予め設定された経時変化に沿
うよう供給圧を制御するものに比べて、 演算処理時間が遅いディジタル回路を用いて供給圧の補
正、従って変速ショックの軽減を確実に実現することが
でき、コスト低減に繋がる。
また、上記の構成によれば更に、出力軸トルクの変化を
検出するセンサの検出信号中にノイズ等の誤差成分が混
入していても、この誤差成分に左右されずに、供給圧の
過不足判定、つまり変速動作の良否評価および変速不良
の原因判定が可能であり、上記センサに、高精度のセン
サを用いる必要が無くなり、コスト低減が図れる。
検出するセンサの検出信号中にノイズ等の誤差成分が混
入していても、この誤差成分に左右されずに、供給圧の
過不足判定、つまり変速動作の良否評価および変速不良
の原因判定が可能であり、上記センサに、高精度のセン
サを用いる必要が無くなり、コスト低減が図れる。
第1図は本発明変速ショック軽減装置の概念図、 第2図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図、 第3図は第2図中の圧力制御弁の具体的構成を示す断面
図、 第4図〜第6図は第2図中の制御回路で実行される処理
を示すフローチャート、 第7図(a)〜(c)は夫々、変速中に摩擦要素へ供給
される圧力が不足する場合、適切である場合、高すぎる
場合について、変速機出力軸トルクの経時変化を示すト
ルク波形図である。 100……流体式摩擦要素 101……自動変速機 102……出力トルクセンサ 103……トルク波形認識手段 104……変速動作良否判別手段 105……ピークトルク発生時期判別手段 106……流体圧調整手段 10……出力トルクセンサ 11……スロットル開度センサ 12……出力軸回転数センサ 20……制御回路 21……変速点決定部 22……圧力決定部 23……圧力変化修正部 24……波形認識部 25……良否判定部 26……棚はずれ検出部 27……記憶部 28……変速終了判定部 29……圧力制御部 40……圧力制御弁 TP ……ピークトルク Tout……出力軸トルク ΔP……圧力補正量 A1 ,A2 ,B1 ,B2 ……圧力修正量
図、 第4図〜第6図は第2図中の制御回路で実行される処理
を示すフローチャート、 第7図(a)〜(c)は夫々、変速中に摩擦要素へ供給
される圧力が不足する場合、適切である場合、高すぎる
場合について、変速機出力軸トルクの経時変化を示すト
ルク波形図である。 100……流体式摩擦要素 101……自動変速機 102……出力トルクセンサ 103……トルク波形認識手段 104……変速動作良否判別手段 105……ピークトルク発生時期判別手段 106……流体圧調整手段 10……出力トルクセンサ 11……スロットル開度センサ 12……出力軸回転数センサ 20……制御回路 21……変速点決定部 22……圧力決定部 23……圧力変化修正部 24……波形認識部 25……良否判定部 26……棚はずれ検出部 27……記憶部 28……変速終了判定部 29……圧力制御部 40……圧力制御弁 TP ……ピークトルク Tout……出力軸トルク ΔP……圧力補正量 A1 ,A2 ,B1 ,B2 ……圧力修正量
Claims (1)
- 【請求項1】流体圧により締結される複数の流体圧式摩
擦要素の掛け換えにより変速を行う自動変速機におい
て、 該自動変速機の出力軸トルクを検出する出力トルクセン
サと、 該出力トルクセンサにより検出された出力軸トルクの、
前記変速時における変動波形を認識するトルク波形認識
手段と、 該トルク波形認識手段によって認識された変速時におけ
るトルク波形のピーク値に基づいて、変動動作の良否を
判別する変速動作良否判別手段と、 該手段により変速動作の不良が判別される時、前記ピー
ク値の発生時期が変速中であるのか、変速終了時である
のかを判別するピークトルク発生時期判別手段と、 該手段の判別結果に基づき、前記ピーク値の発生時期が
変速中である場合は、変速中に前記流体圧式摩擦要素へ
供給される流体圧を上昇させ、前記ピーク値の発生時期
が変速終了時である場合は、前記流体圧を低下させる流
体圧調整手段とを 具備することを特徴とする自動変速機の変速ショック軽
減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19770185A JPH0613900B2 (ja) | 1985-09-09 | 1985-09-09 | 自動変速機の変速シヨツク軽減装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19770185A JPH0613900B2 (ja) | 1985-09-09 | 1985-09-09 | 自動変速機の変速シヨツク軽減装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6262050A JPS6262050A (ja) | 1987-03-18 |
JPH0613900B2 true JPH0613900B2 (ja) | 1994-02-23 |
Family
ID=16378920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19770185A Expired - Lifetime JPH0613900B2 (ja) | 1985-09-09 | 1985-09-09 | 自動変速機の変速シヨツク軽減装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0613900B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8846149B2 (en) * | 2006-02-21 | 2014-09-30 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. | Delamination resistant semiconductor film and method for forming the same |
JP5152168B2 (ja) * | 2009-12-17 | 2013-02-27 | トヨタ自動車株式会社 | 動力伝達装置 |
-
1985
- 1985-09-09 JP JP19770185A patent/JPH0613900B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6262050A (ja) | 1987-03-18 |
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