JPH06138125A - 水晶振動子を用いた抗原抗体反応の測定法 - Google Patents

水晶振動子を用いた抗原抗体反応の測定法

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JPH06138125A
JPH06138125A JP22137192A JP22137192A JPH06138125A JP H06138125 A JPH06138125 A JP H06138125A JP 22137192 A JP22137192 A JP 22137192A JP 22137192 A JP22137192 A JP 22137192A JP H06138125 A JPH06138125 A JP H06138125A
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antibody
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Makoto Muratsugi
誠 邨次
Naoki Kamo
直樹 加茂
Shigeru Kurosawa
茂 黒沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非常に簡単な操作で迅速かつ高精度に抗原抗
体反応を測定する。 【構成】 測定しようとする抗原又は抗体と抗原抗体反
応を生じる抗体又は抗原を担持させた不溶性担体粒子を
含む液体媒体中で、前記抗原抗体反応にかかわる抗原又
は抗体を表面に固定化していない水晶振動子を発振させ
発振周波数を測定しつつ、次いでここへ測定試料を添加
し、最初に生じる急激な水晶振動子の発振周波数の変化
の後に生じる、穏やかでかつほぼ一定になったときの発
振周波数の変化の変化速度を求め、この値により測定試
料中の測定しようとする抗原又は抗体の量を求めること
を特徴とする水晶振動子を用いた抗原抗体反応の測定
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水晶振動子を用いた抗
原抗体反応の測定法に関する。さらに詳しくは抗原又は
抗体を担持した不溶性担体粒子と水晶振動子を用いた抗
原抗体反応の測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野に限らず、生化学、衛生
学、疫学等の種々の分野において、微量物質、特に抗原
及び抗体を定量的のみならず迅速、簡便に検出すること
がきわめて重要な課題となっている。上記課題の解決を
目的として、従来キュベット(セル)中で抗体または抗
原を担持させた不溶性担体粒子を測定しようとする抗原
または抗体と反応させ、その凝集状態を光学的手法を用
いて定量的に測定する方法が提案されている。特開昭5
4−108693号公報に記載される方法は、平均粒径
が1.6ミクロン以下の不溶性担体粒子に抗体または抗
原を担持し、この担持された抗体及び/または抗原に抗
原もしくは抗体またはその混合物を液体媒体中で反応さ
せ、この反応混合物に波長が0.6〜24ミクロンの範
囲から選ばれる光を反応開始以後、2以上の時点に於て
照射し、一定時間内における該反応混合物の吸光度また
は吸光率の増加を測定することにより、抗原抗体反応を
定量的に判定しようとするものである。
【0003】ANALITICAL CHEMISTR
Y(アナリティカル・ケミストリー)、第59巻、25
19頁〜2522頁、(1987)に記載される方法は
0.2ミクロンのポリスチレンラテックスに変性γ−グ
ロブリンを固定化し、液体媒体中でリウマチ因子との免
疫反応により、一定の大きさの凝集体を形成させ、凝集
体の大きさと一致するArレーザ光を該液体媒体に照射
し、凝集体によってArレーザ光を吸収させ凝集体周囲
の温度上昇によって発生する音波を圧電素子で電気信号
に変換し、電気信号の大きさを測定することにより、抗
原−抗体反応を定量的に判定しようとするものである。
【0004】一方、抗原または抗体を担持した不溶性担
体粒子と水晶振動子を組み合わせた抗原−抗体反応の測
定方法としては、以下の方法が提案されている。特開昭
63−11835号公報に記載される方法は、水晶振動
子表面に抗体または抗原を固定化した水晶振動子バイオ
センサーにおいて、抗原−抗体反応によって結合した基
質にさらに抗体または抗原を固定化したラテックスまた
はその他の微粒子を抗原−抗体反応によって結合させる
ことによって水晶振動子バイオセンサーの感度を増幅さ
せて、抗原−抗体反応を測定するというものである。特
開昭64−35269号公報に記載される方法は、水晶
振動子表面に抗体または抗原を固定化した水晶振動子バ
イオセンサーにおいて、抗原−抗体反応によって結合し
た基質にさらに抗体または抗原を固定化した磁性微粒子
を抗原−抗体反応によって結合させ、磁気引力により磁
性微粒子を水晶振動子表面に引き付けることによって水
晶振動子バイオセンサーの感度を増幅させて、抗原−抗
体反応を測定するというものである。
【0005】抗体または抗原を固定化した不溶性担体粒
子に抗原または抗体を反応させて凝集体を形成させ、こ
れを光学的手法を用いて定量的に測定する場合、その測
定装置は、光源、モノクロメータ、受光素子、増幅器、
積分器など、種々の光学機器によって構成される。従っ
て、装置全体がきわめて大きなものになり、さらに、価
格も高価となる。このような装置を用いる場合、装置の
設置スペースが大きくなり、また、装置の持ち運びは容
易に行えないため、ベッドサイドなどでの迅速測定やモ
ニタリングには向かないという問題がある。また、一測
定(一検体)当りの検査コストを下げるために、大量の
検体数を連続的に測定して、装置の稼働率を上げる必要
があり、開業医などの検体数の少ない場所での使用は、
コスト高になってしまうという問題がある。
【0006】一方、従来の抗体または抗原を固定化した
不溶性担体粒子と水晶振動子を組み合わせた抗原−抗体
反応の測定方法は、抗体または抗原を水晶振動子表面に
固定化することが必要であり、操作が繁雑であると同時
に固定化した抗体または抗原が失活することにより測定
感度が低下するという欠点がある。さらに、抗原−抗体
反応により水晶振動子表面に結合した基質に、抗体また
は抗原を固定化した不溶性担体粒子を抗原−抗体反応に
より結合させるときに未結合の基質を分離するB/F分
離操作が必要であり測定操作が繁雑である。
【0007】これに比し、特開平3−77061号公報
に記載される方法は、抗原または抗体と、この抗原また
は抗体に対応する抗体または抗原を担持した不溶性担体
粒子とを液体媒体中で反応させ、同時に、該反応にかか
わる抗原または抗体を表面に固定化していない水晶振動
子を該液体媒体中で発振させ、該反応に起因する凝集体
形成による水晶振動子の発振周波数変化を測定すること
を特徴とする抗原抗体反応の測定法であり、前記の課題
をある程度解決している。これは具体的には片面封止型
の水晶振動子を恒温キュベット中の液体媒体に浸漬して
発振させ発振周波数が安定したところで、該発振周波数
F1を測定し、次に該恒温キュベット中に分析試料を一
定量添加してそのまま撹拌を行い、再度発振周波数が安
定したところで、発振周波数を測定しF2とし、以上の
操作に於ける周波数変化 dF=F1−F2 から、予
め既知濃度の試量を用いて求めておいた検量線に従い、
分析試量中の測定しようとする抗原または抗体の存在及
び濃度を求めることが出来るもので、小形軽量化出来る
ことを特徴としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−77061号公報に具体的に記載される方法は、小
型化が容易で操作が簡便であるという特徴を持っている
反面、測定時間が現行の光学系を用いた方法より短縮で
きておらず、緊急時の検査には不向きであり、しかも測
定精度も充分とは言い難い。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するためになされたものである。即ち本発明は、測
定しようとする抗原又は抗体と抗原抗体反応を生じる抗
体又は抗原を担持させた不溶性担体粒子を含む液体媒体
中で、前記抗原抗体反応にかかわる抗原又は抗体を表面
に固定化していない水晶振動子を発振させ発振周波数を
測定しつつ、次いでここへ測定試料を添加し、最初に生
じる急激な水晶振動子の発振周波数の変化の後に生じ
る、穏やかでかつほぼ一定になったときの発振周波数の
変化の変化速度を求め、この値により測定試料中の測定
しようとする抗原又は抗体の量を求めることを特徴とす
る水晶振動子を用いた抗原抗体反応の測定法に関する。
【0010】以下に本発明の詳細を述べる。本発明で用
いる不溶性担体粒子としては、本発明の測定を行うとき
に用いられる液体媒体に実質的に不溶性である有機高分
子物質の微粒子、例えばポリスチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸ソーダ
共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、
スチレン−クロルメチルスチレン共重合体、塩素化ポリ
スチレン等のラテックス、またはシリカ、シリカ−アル
ミナ等の無機酸化物微粒子、有機薄膜を被履したフェラ
イトなどの磁性金属微粒子などが挙げられる。不溶性担
体粒子の粒径は、十分な発振周波数変化をもたらすため
に、好ましくは、0.05μm以上であり、更に液体媒
体中に安定に分散することが可能な範囲で大きくできる
が好ましくは1μm以下とされる。
【0011】該不溶性担体粒子に、測定しようとする抗
原または抗体と抗原抗体反応を生じる抗体または抗原を
物理的または化学的に吸着させて、抗体または抗原が担
持された不溶性担体粒子とされる。ここで、不溶性担体
粒子に担持させる抗体または抗原としては、本発明の抗
原−抗体反応の測定方法により、その存在または濃度
(量)を測定しようとする抗原または抗体と抗原抗体反
応を生じるものが使用される。一般に不溶性担体粒子に
担持する抗体としては、ウサギ、ヒツジ、ヤギ等の動物
由来の多価抗体、モノクローナル抗体などが使用され
る。一方抗原としては、例えばタンパク質、ポリペプチ
ド、ステロイド、多糖類、脂質、花粉、ダスト等種々の
ものを用いることが出来る。
【0012】不溶性担体粒子に、抗体または抗原、特に
抗体を担持させる方法としては既に多くの方法が提案さ
れており、いずれの方法を用いてもよい。不溶性担体粒
子に例えば特にハプテンの様な不完全抗原を担持させる
場合には、該担体粒子を例えばカップリング剤により化
学的に処理して、該抗原を化学的に吸着させるのが有利
である。また、不溶性担体粒子として、例えばスルホン
基、アミノ基、カルボキシル基またはその反応性誘導基
等の官能性基を有する高分子物質のラテックスを用い、
このようなラテックスに抗体または抗原を化学的に吸着
させることもできる。
【0013】次に本発明で使用される水晶振動子につい
て説明する。本発明で使用する水晶振動子としては、測
定しようとする抗原−抗体反応にかかわる抗原または抗
体を表面に固定化しないものを使用することが必要であ
る。従って、従来の抗原または抗体を表面に固定化した
水晶振動子バイオセンサーのような、抗原または抗体の
固定化操作は不必要である。本発明に使用する水晶振動
子の種類(ATカット、GTカット、BTカット等)
や、電極の材質(金、銀、等)、形状などは、特に制限
されるものではないが、高濃度電解質溶液中での安定な
発振を行わせるため、片面を絶縁性の板で封止した型の
素子を用いることが好ましい。片面封止には種々の公知
の方法を用いることが出来るが、片面封止による固定差
を低減させるために水晶振動子の片面に、電極部分を除
いて装着剤を塗布し、水晶板と同じ大きさの絶縁性の薄
板(例えば水晶板等)を張り付けて封止した素子を用い
ることが好ましい。更に、発振の安定性を向上させるた
めに電極に接続しているリード線のうち液体媒体中に浸
漬する部分は、接着性に優れたシリコン系樹脂等の接着
剤などで完全に覆うことが好ましい。
【0014】さらに、水晶振動子表面へのタンパク質等
の非特異的吸着を抑制するために予め測定しようとする
抗原−抗体反応にかかわる抗原や抗体以外のタンパク質
で表面を被履しておくこともできる。以上のような本発
明で使用する水晶振動子の具体例を図1、図2及び図3
に示す。図1は正面図、図2は背面図、図3は図2のa
−a′線断面図である。これらの図に示されるように、
水晶板1の両面には電極2が取りつけられ、各電極には
リード線3がとりつけられている。図2に示されるよう
に、水晶振動子の片面は絶縁性薄板5が接着剤4によっ
て接着され、封止されている。また、リード線3の、液
体媒体中に浸漬する部分は、接着剤4によって被履され
ている。
【0015】本発明の測定法を行うために使用される測
定装置としては、例えば図4に示されるような公知の装
置が用いられる。図4において、片面封止型の水晶振動
子6は、発振回路、周波数カウンタ及びデータ処理用の
マイクロコンピュータによって構成される測定システム
に接続される。そして水晶振動子6は、測定時に反応を
行う測定用の恒温セル7内へ設置される。恒温セル7内
には、液体媒体を撹拌するための撹拌子8が設置され、
該撹拌子8を操作するためにマグネットスターラー9が
恒温セル7の下部に配置される。本発明の抗原抗体反応
の測定法は、以上のような不活性担体粒子、水晶振動
子、測定装置等と、測定しようとする分析試料を用いて
行われる。
【0016】具体的な測定法の例を次に述べる。まず、
測定装置を組み、抗体または抗原を担持した不溶性担体
粒子を緩衝溶液等の液体媒体中に分散させ、測定用の恒
温セル中にいれて撹拌子により一定速度で撹拌してお
く。ここで、本発明で使用する液体媒体としては、リン
酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が好ま
しい。また、抗体または抗原を担持した不溶性担体粒子
は、適宜の濃度で使用されるが、抗原抗体反応を十分に
行わせることから、前記液体媒体中0.01重量%以上
が好ましい。更に感度向上のため不溶性担体粒子が液体
媒体中で安定に分散することが可能な範囲で濃くするこ
とが出来るが1.0重量%以下であることが好ましい。
さらに、撹拌子の回転速度は、抗原抗体反応を、速やか
に行わせると同時に発振を安定に行わせるために好まし
くは500rpm〜1500rpmの範囲で、特に好ま
しくは、800rpm〜1000rpmの範囲とするこ
とができ、反応中は一定の回転速度に保つことが好まし
い。
【0017】次に、片面封止型水晶振動子を上記恒温セ
ル中の液体媒体に浸漬して発振させる。発振周波数が安
定したところで、測定試料を一定量添加する。そのまま
撹拌をつづけ、発振周波数の変化を測定していると、ま
ず最初に急激に変化が生ずる。これは液体媒体中のタン
パク質などが水晶振動子表面に吸着することに起因する
と考えられる。続いて穏やかな発振周波数の変化とな
り、この変化はほぼ一定の変化量になる。このほぼ一定
になったときの発振周波数の変化速度を求める。この穏
やかな変化は、抗原抗体反応を生じない測定試料を用い
たときは起こらず、また試料中の抗原または抗体の濃度
を増減すると、その量に応じて変化速度が変わる。この
変化速度から測定測量中の抗原又は抗体量を求めること
により、測定精度の高い測定が可能とされる。すなわ
ち、この穏やかな変化が抗原抗体反応による凝集反応を
反映していると考えられる。
【0018】また、発振周波数の変化は、最小二乗法で
滑らかに補間(スムージング)することにより、より高
い精度で測定が可能である。図5(A)にスムージング
後の単位時間当りの周波数変化量((dF/K)/時
間)の一例のグラフを示す。また、図5(B)に、これ
を変化速度に変換したグラフを示す。この場合、図5
(A)における直線の傾きの大きさ、図5(B)におけ
る直線の値が、求められる変化速度Vである。このVの
測定計算には、測定試料添加後2〜3分あればよく、数
十分はかかる特開平3−77061号公報で具体的に示
されるエンドポイント法より、きわめて速く、かつより
高い精度で測定できる。
【0019】以上の測定の間、恒温セル中の液体媒体の
温度は、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは、2
5〜37℃に保つのがよく、反応中は恒温にするのが好
ましい。この範囲を外れると抗原抗体反応が不安定にな
りやすい。前記測定装置において、一度使用した水晶振
動子は、タンパク質などによる汚染を洗浄除去して、再
度使用してもよいが、該水晶振動子は廉価であることか
ら一測定毎に取り替えてもよい。
【0020】以上のような本発明の測定法によれば、未
知試料中の種々の抗原または抗体の存在または濃度
(量)を検知することが可能である。例えば、分析試料
として、ヒトの血清、尿、体液、唾液、細胞抽出液、組
織抽出液等を用いて、種々の疾病等の診断を行うことが
できる。具体的には、C−反応性タンパク(炎症性疾患
等の診断)、リウマチ因子(慢性関節リウマチの診
断)、抗ストレプトリジンO価(溶血性連鎖球菌感染症
等の診断)、フィブリン体分解産物(汎発性血管内凝固
症候群の診断)、ヒト絨毛性ゴナドトロビン(妊娠の診
断)、α−フェトプロティン(原発性肝癌の診断)、B
型肝炎ウィルス表面抗原(B型肝炎の診断)、尿中微量
アルブミン(腎疾患の診断)、β2−ミクログロブリン
(腎不全の診断)などの存在の検知及び定量を精度よく
迅速に行うことができる。
【0021】実施例 以下に、本発明の実施例として、アンチストレプトリジ
ンO抗体(以下、単にASOとする)測定について詳述
する。 片面封止型水晶振動子の製作 基本となる水晶振動子はATカット、9MHz(八雲通
信社)を用いた。図1は本実施例の水晶振動子の正面
図、図2は背面図、図3は図2中のa−a′間の断面図
である。図中で示される水晶板1の両面には電極2が取
り付けられており該電極からは図4で示す測定装置の発
振回路に接続されるリード線3が取り付けられている。
該水晶振動子の片面(背面)には、シリコンシーラント
45(シリコン系接着剤、信越化学工業(株)製)によ
り、水晶製の絶縁性薄板5を張り付け封止してある。さ
らに、リード線についても測定溶液に浸漬して直接液体
媒体と接触する部分はシリコンシーラント45で被履し
た。封止による水晶振動子のばらつき(個体差)を除く
ために、次の操作により各片面封止水晶振動子の感度係
数Kを予め求めておいた。恒温セル中に2〜60%(重
量%)サッカロースりん酸バッファー溶液中での発振周
波数の変化を測定した。次に、各溶液の(ρη)1/2
値(ρ:溶液の密度、η:溶液の粘度)と各測定周波数
の間の校正直線を作成し、その勾配Kを各片面封止水晶
振動子の感度係数とした。実測の周波数変化の補正は、
測定値ΔFをそのとき用いた片面封止水晶振動子の感度
系数Kで除すことによって行った。 〈ラテックス溶液の調製〉セラテスタムASO−E(日
立化成工業(株)製)1m1に対して、10mM燐酸緩
衝生理食塩液(pH6.8、以下PBS)を8m1割合
で混合調整した。 〈検量線用血清の調製〉ASO高値血清1040IU/
ml−OD280を基準として、希釈した場合はこれにあ
わせるようBSAを入れた。
【0022】〈検量線の作成〉上述の方法で調製したラ
テックス溶液1.2mlを恒温キュベットに入れ、発振
機(自作、ノーマルTTL方式)、周波数カウンター
(岩崎通信社製、SC−7201)、マイクロコンピュ
ーター(日本電気、PC−9801)に接続した片面封
止型水晶振動子を投入した。撹拌子で液体媒体を撹拌し
ながら発振させる。発振が安定した段階でASO標準血
清(セラテスタムS、日立化成工業株式会社)をマイク
ロシリンジで最終濃度が100IU/mlになるように
加え、次にコンピューターより初速度Vを読み取った。
次に上記の方法で順次標準血清の濃度を200、50
0、750、1000IU/mlになるように加え、V
を読み取る。約2〜3分でVが測定できる。この標準血
清濃度とVの関係を図6に示す。これから分かるように
Vは恒温キュベット中のASOの濃度に比例して変化し
ていた。図6を以下の測定の検量線とした。 〈ヒト血清を用いた測定〉予め、自動分析機(日立製作
所、7150型)でASOを定量した(ダイアヤトロン
社製、IATROACE ASOを診断試薬として用い
た、レートアッセイ法による定量)24検体を上述と同
じ方法で測定した。その結果を図7に示す。相関係数は
0.95で、よい相関が得られている。
【0023】
【発明の効果】本発明の抗原抗体反応の測定法によれ
ば、非常に簡単な操作で迅速にかつ高精度で検体の抗体
濃度の測定が出来る。さらに本発明の抗原抗体反応の測
定法を用いる装置は光学検出機器を含まないので小型化
し易くさらに安価に製作できる。従ってベッドサイド等
での迅速測定などに用いることが出来る。さらに、種々
の抗体または抗原を担持した不溶性担体粒子と組み合わ
せることにより、一種の水晶振動子で多種類の抗原また
は抗体の検出が可能となりコストを下げることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される水晶振動子の正面図であ
る。
【図2】該水晶振動子の背面図である。
【図3】該水晶振動子のa−a′線断面図である。
【図4】本発明の測定装置の一例を示す概略図である。
【図5】(A)は水晶振動子を用いた抗原抗体反応の測
定法による抗原抗体反応の測定結果のグラフ、(B)は
図5(A)のデータを一次微分したグラフである。
【図6】本発明の実施例におけるASO抗体濃度と周波
数変化速度Vの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例における、患者検体24例の光
学系を用いた従来法による測定結果と本発明による測定
結果の相関図である。
【符号の説明】
1…水晶板 2…電極 3…リード線 4…接着剤 5…絶縁性薄板 6…片面封止水晶振動子 7…恒温セル 8…撹拌子 9…マグネットスターラー
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】本発明の水晶振動子を用いた抗原抗体反応の測
定法による抗原抗体反応の測定結果のグラフである〔横
軸は時間、上段(A)の縦軸は周波数変化量、下段
(B)の縦軸は周波数変化速度(上段の一次微分値)で
ある〕

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定しようとする抗原又は抗体と抗原抗
    体反応を生じる抗体又は抗原を担持させた不溶性担体粒
    子を含む液体媒体中で、前記抗原抗体反応にかかわる抗
    原又は抗体を表面に固定化していない水晶振動子を発振
    させ発振周波数を測定しつつ、次いでここへ測定試料を
    添加し、最初に生じる急激な水晶振動子の発振周波数の
    変化の後に生じる、穏やかでかつほぼ一定になったとき
    の発振周波数の変化の変化速度を求め、この値により測
    定試料中の測定しようとする抗原又は抗体の量を求める
    ことを特徴とする、水晶振動子を用いた抗原抗体反応の
    測定法。
  2. 【請求項2】 測定した発振周波数のデータを最小二乗
    法で滑らかに補間した後変化速度を求めるものである請
    求項1に記載の水晶振動子を用いた抗原抗体反応の測定
    法。
  3. 【請求項3】 水晶振動子として、片面を封止したもの
    を用いる請求項1又は2に記載の水晶振動子を用いた抗
    原抗体反応の測定法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005011115A1 (ja) * 2003-07-26 2005-02-03 Nagaura, Kumiko 水晶振動子およびその加工方法
JP2010529422A (ja) * 2007-06-01 2010-08-26 アトノミックス アクティーゼルスカブ 標的検体の検出用のナノ粒子を用いた生体表面弾性波(saw)共振器増幅

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005011115A1 (ja) * 2003-07-26 2005-02-03 Nagaura, Kumiko 水晶振動子およびその加工方法
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