JPH06137935A - 赤外線センサ - Google Patents

赤外線センサ

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JPH06137935A
JPH06137935A JP4284504A JP28450492A JPH06137935A JP H06137935 A JPH06137935 A JP H06137935A JP 4284504 A JP4284504 A JP 4284504A JP 28450492 A JP28450492 A JP 28450492A JP H06137935 A JPH06137935 A JP H06137935A
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infrared
base
substrate
infrared detecting
infrared sensor
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JP4284504A
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Inventor
Atsushi Sakai
淳 阪井
Koichi Aizawa
浩一 相澤
Takayoshi Awai
崇善 粟井
Takuo Ishida
拓郎 石田
Keiji Kakinote
啓治 柿手
Hidekazu Himesawa
秀和 姫澤
Fumihiro Kamiya
文啓 紙谷
Sadayuki Sumi
貞幸 角
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜抵抗体を用いた赤外線センサにおいて、
赤外線の検出感度を大幅に向上させて、各種の用途に好
適に採用できる赤外線センサを提供する。 【構成】 基板10に中空状態で支持された熱絶縁膜2
0の上に、一対の電極30、30を有する抵抗体層40
からなる赤外線検出部を備え、前記基板10がパッケー
ジの基台60上に実装されてなる赤外線センサにおい
て、基台10のうち、空間を隔てて赤外線検出部と対面
する個所68が基板の接合個所よりも凹んでいるか、基
板の接合個所にスペーサが設けられ、スペーサの上に基
板が接合されているか、により、赤外線検出部から基台
60の表面までの距離を長くして、赤外線検出部から基
台60の表面へ熱が逃げるのを阻止し、赤外線センサの
感度を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、赤外線センサに関
し、詳しくは、温度による抵抗値の変化を利用して赤外
線を検出する熱型赤外線センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体検知などに用いられる赤外線センサ
は、微弱な赤外線の輻射エネルギーを検出しなければな
らないため、高感度が要求される。赤外線センサに従来
使用されていた焦電素子に代わって、最近、Siマイク
ロマシニング技術を用いた熱型赤外線検出素子の開発が
盛んに行われている。これは、薄膜抵抗体には、温度の
変化によって抵抗値が変化するという特性があることか
ら、このような薄膜抵抗体に一対の電極を取り付けてお
き、赤外線の輻射エネルギーによる薄膜抵抗体の温度変
化を検出しようというものである。
【0003】このような薄膜抵抗体を用いた熱型赤外線
素子は、半導体製造プロセスを利用して作製できるた
め、バッチ処理による大量生産、低コスト化、ICとの
集積化が可能である等の特徴を有している。また、焦電
素子の欠点である、振動によってノイズが発生するとい
う問題がない点でも優れている。しかし、焦電素子に比
べて、感度が大幅に低いという大きな欠点があるため、
人体検知等に適用することは困難であった。
【0004】そこで、薄膜抵抗体を用いた熱型赤外線素
子の感度を向上させるための工夫が様々になされてい
る。たとえば、赤外線検出部を熱絶縁性薄膜体の上に設
けるとともに、この熱絶縁性薄膜体を支持する基板のう
ち、赤外線検出部の裏側に対応する部分をエッチングで
欠除し、熱絶縁性薄膜体を中空状態にして周辺のみで支
持する、いわゆるダイアフラム構造が採用されている。
この構造では、赤外線検出部の熱が、薄い熱絶縁性薄膜
体のみを通じて周囲の基板側に伝達されることになるの
で、赤外線検出部の熱が基板側に逃げ難く、赤外線の輻
射エネルギーを薄膜抵抗体の温度変化に効率良く変換で
き、その結果、検出感度が向上する。
【0005】また、赤外線検出部の赤外線入射側に、フ
ィルタを設けておくことが行われている。このフィルタ
は、シリコンなどからなる基板の表面に光学干渉多層膜
がコーティングされたものなどからなり、検出しようと
する赤外線の波長帯を良好に透過させるとともに、雑音
となる不要な波長成分を遮断し、空気との屈折率差によ
る反射損失を軽減することができ、その結果、赤外線セ
ンサの感度を向上させることができる。
【0006】その他、従来採用されていた主な感度向上
方法は、熱絶縁性薄膜体の熱抵抗を高くする方法、
薄膜抵抗体の温度−抵抗係数(B定数)を高くする方
法、赤外線吸収膜の吸収率を高める方法などがある。
の方法は、熱絶縁性薄膜体に、SiO2 のような熱伝
導率の低い材料を用いるとともに、膜厚を薄くしたり、
前記ダイアフラム構造における中空部分の面積を大きく
したりするというように形状的にも工夫して、熱抵抗を
高めるようにする方法である。
【0007】の方法は、たとえば、薄膜抵抗体にアモ
ルファスSiを用いれば、前記B定数が8000程度に
なり、わずかな温度上昇でも、大きな出力変化が得られ
て感度が向上する。の方法は、たとえば、赤外線吸収
膜の材料に、金黒(ゴールドブラック)を用いれば、赤
外線吸収率が90%以上あるので、赤外線の輻射エネル
ギーを薄膜抵抗体の温度上昇に有効に利用できる。ま
た、SiO2 も、人体検知用の一般的な赤外線センサに
おける検出波長に該当する7〜12μm程度の波長帯に
対する吸収率が高いので、感度向上に有効である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な各種の感度向上方法を採用しても、薄膜抵抗体を用い
た熱型赤外線検出素子の感度向上には限度があり、各種
の用途に実用化するには、いまだ感度が不足していた。
具体的には、人体検知装置に赤外線センサを利用する場
合、従来の焦電素子に比べて、薄膜抵抗体を用いた赤外
線検出素子は、周辺装置などの条件が同じであると、感
度が1/10以下であり、実用上充分な感度を達成する
には、改善が必要である。
【0009】たとえば、前記の方法では、熱絶縁性薄
膜体の厚みをあまり薄くしたり、中空部分の面積を広く
したりすると、薄膜体の強度が不足して、破壊に至るこ
とになるので、この方法による感度向上効果には限度が
ある。前記の方法では、現在のところ、前記アモルフ
ァスSiよりも、さらに特性の優れた実用可能な薄膜抵
抗体の材料は見当たらず、これ以上の感度向上は難し
い。前記の方法でも、赤外線吸収膜の材料として、現
在以上の、飛躍的な特性向上は望めない。また、熱絶縁
性薄膜体や薄膜抵抗体、赤外線吸収膜などに、特性の優
れた材料が見つかったとしても、材料のコストが大幅に
高くなるのでは、実用化は困難である。
【0010】そこで、この発明の課題は、前記のような
薄膜抵抗体を用いた赤外線センサにおいて、赤外線の検
出感度を大幅に向上させて、各種の用途に好適に採用で
きる赤外線センサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明のうち、請求項1の赤外線センサは、基板に中空
状態で支持された熱絶縁膜の上に、一対の電極を有する
抵抗体層からなる赤外線検出部を備え、前記基板がパッ
ケージの基台上に実装されてなる赤外線センサにおい
て、基台のうち、空間を隔てて赤外線検出部と対面する
個所が基板の接合個所よりも凹んでいる。
【0012】基板や熱絶縁膜、赤外線検出部などの赤外
線検出素子の基本的な構造は、従来の薄膜抵抗体を用い
た赤外線検出素子と同様でよい。このような赤外線検出
素子は、金属や合成樹脂、セラミックなどからなるパッ
ケージ内に実装されて、赤外線センサが構成される。パ
ッケージの基本的な構造も、従来の通常の赤外線センサ
と同様でよい。
【0013】この発明では、パッケージの基台の、赤外
線検出素子を搭載する面のうち、赤外線検出素子の赤外
線検出部と、基板に設けられた中空部の空間を隔てて対
面する個所を、基板の中空部の周辺等で基板を基台に接
合する個所よりも凹ませておく。この基台に設ける凹部
の平面形状および深さは、基板の基台への接合面積を充
分にとることができ、基台の強度などを損なわなけれ
ば、出来るだけ大きく深いほうが好ましいが、凹部の加
工の手間なども考慮して、少なくとも、赤外線検出部に
おける抵抗体層や赤外線吸収層の平面形状と同じ程度の
形状寸法にしておくのが好ましい。
【0014】凹部の加工方法は、基台の材料に合わせ
て、任意の加工手段が採用でき、たとえば、基台の成形
と同時に成形しておいたり、機械加工を行ったり、エッ
チングなどの化学的加工手段を採用したりすることがで
きる。つぎに、請求項2の赤外線センサでは、前記同様
の赤外線センサにおいて、基台のうち、基板の接合個所
にスペーサが設けられ、スペーサの上に基板が接合され
ている。
【0015】すなわち、基台の赤外線検出部と対面する
個所に凹部を加工する代わりに、基板の接合個所を、赤
外線検出部と対面する個所よりも高くしておくのであ
る。スペーサの形状および配置は、基板を基台に安定し
て確実に接合しておけ、スペーサが赤外線検出部と対面
する個所にはみださないようにしておければ、自由に設
定できる。スペーサの高さは、高くしておくほど、赤外
線検出部と基台の表面との間の距離をとれるが、基板の
支持強度やパッケージ全体の高さなども考慮して、必要
かつ充分な高さに設定しておけばよい。スペーサの材料
は、基台および基板に接合可能な材料であればよく、基
台あるいは基板と同じ材料など、通常の半導体装置やパ
ッケージに使用されている材料が用いられる。
【0016】以上に説明した、基台に設ける凹部もしく
はスペーサの構成以外の、赤外線センサの構成、たとえ
ば、赤外線検出部の抵抗体層や赤外線吸収層あるいは熱
絶縁膜の材料や構造、基板に対する熱絶縁膜の支持構
造、基板に設ける中空部の形状などは、通常の赤外線セ
ンサにおける構成を、任意に組み合わせて構成すること
ができる。なお、パッケージ内を真空もしくは減圧状態
にしておくと、この発明の作用効果がより高まり、赤外
線センサの感度向上に有効である。
【0017】
【作用】赤外線検出部において、一定の入射エネルギー
に対する温度上昇を高くするのに適した構造体は、赤外
線検出部を構成する材料の熱伝導率、比熱等の物性値お
よび構造体の形状寸法をもとに、所定の熱計算を行うこ
とによって、推定することができる。しかし、本発明者
らが、上記のような熱計算にもとづいて、実際に赤外線
検出素子を作製し、その構造と温度上昇の関係を求めた
ところ、ある一定レベル以上まで熱抵抗が高くなってく
ると、それ以上は推定値通りに温度上昇が起こらないと
いうことが、判明した。
【0018】これは、赤外線検出部、たとえば熱絶縁膜
の材料やダイアフラム構造の具体的形状構造を改善し
て、赤外線検出部から熱絶縁膜などを介して熱が逃げる
のが良好に阻止された状態になると、赤外線検出部の周
囲に存在する空気を介しての熱伝導が、赤外線検出部か
ら外部への熱の伝達に大きな割合を占めるようになるか
らであると考えられる。したがって、この段階では、そ
れ以上に熱絶縁膜の材料の改良などを行っても、もは
や、赤外線センサの感度向上にはあまり役に立たないの
である。
【0019】ところで、一般に、温度T1 、T2 の2枚
の平行平板間で、中間に存在する気体を介しての熱伝導
量Qは、気体分子の平均自由工程Lが平行平板間の間隔
dよりも充分に小さい場合、以下の式で表される。 Q=κA(T1 −T2 )/d ここで、κ:気体の熱伝導率、A:断面積である。
【0020】上の式を、前記赤外線センサに適用する
と、赤外線検出部と、これに対面する構造物との間隔を
大きくするほど、間の気体を介しての熱伝導は少なくな
り、赤外線検出部を良好に熱絶縁できることが判る。赤
外線検出部の片面側には、赤外線フィルタが設けられ、
赤外線検出部の反対面側には、基台の表面が間隔をあけ
て対面している。赤外線フィルタと赤外線検出部の距離
は、赤外線検出素子の実装構造や光学的や制約条件があ
るので、通常、1〜2mm程度に設定されていて、この距
離を大きく変更することはできない。
【0021】このような考察にもとづき、本発明者ら
は、赤外線検出部と基台の表面との間の距離を大きくす
れば、赤外線検出部から熱が逃げ難くなり、従来限界で
あるとされていた赤外線センサの感度を、より一層向上
させることが可能になることを見い出した。そして、本
願発明のうち、請求項1では、基台のうち、空間を隔て
て赤外線検出部と対面する個所を、基板の接合個所より
も凹ませておくことにより、赤外線検出部と、これに対
面する基台の表面との距離を大きくして、赤外線検出部
から基台の表面への熱伝達を阻止することができる。こ
の構造は、表面が平坦な基台を用いた場合と、基台の厚
みは同じでよく、パッケージ全体の厚みが増える心配も
ないという利点を有している。
【0022】また、請求項2では、基台のうち、基板の
接合個所にスペーサを設け、スペーサの上に基板を接合
しておくことにより、前記同様に、赤外線検出部と、こ
れにた対面する基台の表面との距離を大きくして、赤外
線検出部から基台の表面への熱伝達を阻止することがで
きる。この構造は、基台の厚みを充分に確保できるの
で、基台の機械的強度や耐久性が良好であるという利点
を有している。
【0023】なお、この発明では、赤外線検出部と基台
の表面との間に存在する気体の熱伝導特性を改善するこ
とによって、赤外線検出部から基台への熱伝達をより削
減することができる。具体的には、赤外線センサのパッ
ケージ内に、熱伝導率の小さな気体を封入しておいた
り、真空もしくは減圧状態にしておいたりすれば、前記
式における、熱伝導率κの値が小さくなるのである。
【0024】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1に、赤外線センサの
全体構造を示している。シリコンなどからなる基板10
の上に、窒化シリコンや酸化シリコンなどからなる熱絶
縁膜20が形成され、熱絶縁膜20の上には、アモルフ
ァスSiなどからなる抵抗体層40、抵抗体層40を上
下から挟むクロムなどからなる電極層30、30、抵抗
体層40の表面を覆う赤外線吸収層50を備えた赤外線
検出部が形成されている。電極層30、30の端部に
は、配線接続用のパッド32、32が設けられている。
赤外線検出部の設置個所に対応する熱絶縁膜20の裏側
で、基板10には中空部12が欠除形成されており、こ
の中空部12の部分では、熱絶縁膜20が中空状態にな
っており、いわゆるダイアフラム構造を構成している。
【0025】上記のような構造の赤外線検出素子が、パ
ッケージに封入されて赤外線センサとなる。赤外線検出
素子の基板10が、セラミックや、金属あるいは合成樹
脂などからなる基台60の上に、接合剤62を介して接
合搭載されている。基台60には、棒状の端子64、6
4が、基台60の上下面を貫通して取り付けられてい
る。端子64、64の上端と、赤外線検出素子のパッド
32、32は、ボンディングワイヤ66で配線接続され
ている。
【0026】基台60のうち、赤外線検出素子の赤外線
検出部すなわち抵抗体層40や赤外線吸収層50と対面
する個所に、凹部68が形成されており、基板10が接
合される個所よりも、表面が低くなっている。すなわ
ち、赤外線検出部を設けた熱絶縁膜20から、基板10
の中空部12を介して、凹部68の底面までの距離が、
熱絶縁膜20から基板10を基台60に接合した個所ま
での距離よりも、大きくなっている。
【0027】基台60の上方には、金属などからなるキ
ャップ状の蓋体70が被せられて、赤外線検出素子を封
入した状態で、基台60に接合されている。この基台6
0と蓋体70で囲まれた内部空間は、不活性ガスを充填
しておいたり、減圧状態にしておいたりすることができ
る。蓋体70のうち、赤外線検出部すなわち抵抗体層4
0および赤外線吸収層50と対面する個所には、窓が貫
通形成されて、この窓にはフィルタ72が取り付けられ
ている。フィルタ72は、検出しようとする赤外線の透
過率の高いガラスや透明合成樹脂などが用いられる。
【0028】上記のような構造を備えた赤外線センサの
製造方法について、特に、赤外線検出素子部分の製造方
法を主に説明する。まず、シリコン基板の上に熱絶縁膜
を形成した。すなわち、減圧CVD法を用い、Si3
4 を0.1μm、SiO2 を0.4μm、さらにSi3
4 を0.1μm連続形成して、3層構造の多層膜から
なる熱絶縁膜を形成した。
【0029】この熱絶縁膜の上に、赤外線検出部を形成
した。EB蒸着により、下部電極となるCrを0.2μ
m形成し、フォトリソグラフィで所定のパターンに加工
した。下部電極の上に、プラズマCVD法で、抵抗体層
となるアモルファスSiを1μm形成し、所定のパター
ンに加工した。この抵抗体層の上に、プラズマCVD法
で、赤外線吸収膜となるSiO2 を1.5μm形成し、
所定のパターンに加工した。このようにして形成された
赤外線検出部の平面形状は、1mm角の正方形状であっ
た。なお、ひとつの基板上には、上記したような赤外線
検出部を合計4個形成して、ブリッジ状に配線接続し
た。
【0030】基板のうち、赤外線検出部が形成された面
の裏面側から、水酸化カリウムでエッチングして、基板
をパターン状に欠除して中空部を形成した。このように
して形成された熱絶縁膜の中空部分の大きさは、1.5
mm角の正方形状であった。このようにして作製された赤
外線検出素子を、パッケージの基台上にダイボンディン
グして実装し、ワイヤボンディングで配線接続を行った
後、蓋体で封止した。このとき使用した基台には、赤外
線検出素子の赤外線検出部と対面する個所に、幅1.5
mm、深さ1.5mmの凹部を形成しておいた。
【0031】以上のようにして製造された赤外線センサ
に、黒体炉から照射された一定エネルギーの赤外線を入
射させて、そのときの温度上昇を測定したところ、0.
5m℃/0.1μWであった。比較のために、同様の構
造を備えているが、基台には凹部を設けていない赤外線
センサを製造し、同様の測定を行ったところ、温度上昇
が、0.3m℃/0.1μWであった。このことから、
この実施例の赤外線センサは、従来構造の赤外線センサ
に比べて、入射した赤外線のエネルギーが同じでも、よ
り大きな温度上昇が得られることが判る。すなわち、赤
外線検出部から熱が逃げ難く、赤外線のエネルギーを抵
抗体層の温度上昇に有効に変換して、高い出力感度が得
られることになる。
【0032】つぎに、図2に示す実施例は、基台に凹部
を形成しておく代わりに、スペーサを設けておく場合で
ある。基本的な構造は前記実施例と同様であるので、共
通する部分には同じ符号をつけ、構成の異なる部分を主
に説明する。赤外線検出素子の構造は前記実施例と全く
同じである。パッケージの基台60には、前記実施例の
ような凹部は形成されておらず、全面が平坦に形成され
ている。この基台60の上で、赤外線検出素子の基板1
0を接合する個所に、基台60と同様の材料などからな
るスペーサ69、69が接合され、このスペーサ69、
69の上に接合材62を介して基板10が接合されてい
る。したがって、赤外線検出部の熱絶縁膜20から基台
60の表面までの距離は、基板10の厚みにスペーサ6
9の厚みを加えた長さになる。
【0033】上記実施例についても、前記実施例と同様
に温度上昇を測定したところ、前記実施例と同様に高い
温度上昇を示し、赤外線センサの感度向上を果たせるこ
とが確認できた。
【0034】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる赤外線
センサは、パッケージ内で、赤外線検出部が設けられた
基板を実装する基台の表面から赤外線検出部までの距離
を大きくとったことにより、赤外線検出部から基台の表
面へ熱が逃げるのを良好に阻止して、赤外線検出部にお
ける赤外線の検出感度を大幅に向上させることができ
た。
【0035】その結果、従来、薄膜抵抗体を用いた熱型
赤外線センサでは、限界があると考えられていた検出感
度を、さらに大きく向上させることが可能になり、この
種赤外線センサの実用化、あるいは、用途の拡大に大き
く貢献することができる。また、この発明では、基台に
凹部を設けたり、スペーサを取り付けたりするだけで、
赤外線検出部などに高価な材料を用いたり、複雑な構造
や特殊な処理工程を採用したりするものではないので、
赤外線センサの製造は容易でコスト的にも安価に生産す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例をあらわす赤外線センサの
断面図
【図2】 別の実施例をあらわす赤外線センサの断面図
【符号の説明】
10 基板 12 中空部 20 熱絶縁膜 30 電極層 40 抵抗体層 50 赤外線吸収層 60 基台 68 凹部 69 スペーサ 70 蓋体 72 フィルタ
フロントページの続き (72)発明者 石田 拓郎 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 柿手 啓治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 姫澤 秀和 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 紙谷 文啓 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 角 貞幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に中空状態で支持された熱絶縁膜の
    上に、一対の電極を有する抵抗体層からなる赤外線検出
    部を備え、前記基板がパッケージの基台上に実装されて
    なる赤外線センサにおいて、基台のうち、空間を隔てて
    赤外線検出部と対面する個所が基板の接合個所よりも凹
    んでいることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 【請求項2】 基板に中空状態で支持された熱絶縁膜の
    上に、一対の電極を有する抵抗体層からなる赤外線検出
    部を備え、前記基板がパッケージの基台上に実装されて
    なる赤外線センサにおいて、基台のうち、基板の接合個
    所にスペーサが設けられ、スペーサの上に基板が接合さ
    れていることを特徴とする赤外線センサ。
JP4284504A 1992-10-22 1992-10-22 赤外線センサ Pending JPH06137935A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5693942A (en) * 1995-04-07 1997-12-02 Ishizuka Electronics Corporation Infrared detector
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