JPH06137782A - 炉壁清掃装置 - Google Patents

炉壁清掃装置

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JPH06137782A
JPH06137782A JP31147892A JP31147892A JPH06137782A JP H06137782 A JPH06137782 A JP H06137782A JP 31147892 A JP31147892 A JP 31147892A JP 31147892 A JP31147892 A JP 31147892A JP H06137782 A JPH06137782 A JP H06137782A
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furnace wall
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Mikito Saiga
幹人 雑賀
Akira Komatsubara
彰 小松原
Kazuhiro Kato
和宏 加藤
Fusasue Odawara
房季 尾田原
Teruaki Matsumoto
曜明 松本
Manabu Orimoto
学 折本
Yasuo Nishihara
康雄 西原
Yasuo Toyooka
康雄 豊岡
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
Kansai Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボイラー等の火炉壁表面に付着したスケール
を研掃材(ショット材)で研掃するための装置を提供す
ること。 【構成】 研掃材供給管7からの研掃材は、フード本体
2内の投射ノズル5より圧縮空気により高速ジェット状
で火炉水壁管12の表面に付着したスケール13に投射
される。剥離されたスケールは回収ノズル6を経て回収
される。フード本体2の一端開口部に沿ってシール用ブ
ラシ9とシール用ブラシ10が設けられ、火炉水壁管面
に沿って摺動する。剥離されたスケールと研掃材は研掃
材循環管8を経て図示していないタンクに供給される。
タンクは2基設置され、流路切替によって一方のタンク
は研掃材を貯蔵供給し、他方のタンクはスケールと研掃
材を分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラ等の火炉壁の表
面に付着したスケールを除去するのに好適な炉壁清掃装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、国内の事業用発電においては、電
力の需要の拡大と立地難から、建設後10〜20ケ年経
過した経年火力を最適に点検保守しながら寿命延伸して
運用してゆこうとする動きが常識化してきている。ま
た、一方ではその運用形態は、原子力発電の安全化と、
電力需給差からデーリースタートストップ(DSS)運
用が増加しており、ボイラの経年劣化と共に、起動停止
操作に伴う熱応力の繰り返しによって割れが発生するな
ど部材にとって非常に厳しい環境となっている。
【0003】このため、ボイラの部材をある定められた
定期期間中に極力多くの部位について欠陥がないか否を
非破壊検査によって確認し、処置してゆくことは極めて
重要な課題となりつつある。さらにこれらのボイラ設備
の中で、この種の要点検箇所は、同一種で数千ケ所に及
ぶこともあり、汚い、危険なしかも暑い火炉内での点検
作業を効率的に、しかも信頼性高く行なう事が人手不足
と相まって絶対不可欠条件となっており、この種の検査
や、検査を行なう為に必要な前処理として表面の清掃作
業のロボット化のニーズが高まっている。
【0004】火炉壁の清掃は、従来そのほとんどにおい
て、第一ステップとして、最表面に付着した硬質スケー
ルを削岩機で除去した後、第二ステップでベビーグライ
ンダーを使用して比較的軟質なスケールや鋼管やメンブ
レンバ表面の酸化被膜を除去する方法が採用されてい
た。ブラスト法になるものは、従来は、工場内での金属
表面塗装用前処理として、または鋳物砂の除去、さらに
は表面効果(ショットピーニング)法としてかねてから
行われてきた方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボイラ
火炉壁の清掃に応用した例はなく、仮に従来技術をその
まま利用するとした場合には 1)被研掃面(火炉水壁)が従来の工場内水手取付けと
異なり、垂直面であり、且つ一面の大きさが一辺(幅8
〜15)m×(高さ30〜50)mに及ぶ大型構造から
構成されており、研掃材の供給や、補給、回収設備が非
常に大型化する。 2)ブラスト装置そのものが、大型であってマンホール
から炉内持込みが困難である。 3)研掃材投射時の騒音が大きく、炉内での他の作業と
の同時作業の制約となっていた。 などの問題があった。また、ボイラ火炉壁の清掃に際し
て清掃効率良く、かつ必要最小限の時間で確実に清掃を
行うことができる炉壁清掃装置が要望されていた。
【0006】本発明の目的は、こうした従来技術の欠点
を補い、且つボイラー等の水壁構造から成る火炉の超音
波探傷(UT)や管外径、肉厚検査などの検査の前処理
として管表面のスケールを除去して表面を表面荒さ50
μ程度に生地面レベルへ清掃するにあたって、(1)小
型軽量にして、(2)研掃材を可能な限り回収再利用
し、(3)清掃にあたり、騒音を少なく、(4)しか
も、自動的に清掃面がクリーンで過研掃とならない、
(5)清掃効果を高め、(6)かつ、必要最小限の時間
で清掃を確実にさせることができる。炉壁清掃装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した小型軽量にして
研掃材を可能な限り回収再利用すると共に、清掃にあた
り騒音を少なくするという目的は、粒状研掃材を圧縮空
気によりスケール表面に投射する投射ノズルと研掃材の
投射による衝撃力によって火炉壁表面から剥離されたス
ケールを回収するための回収ノズルとを一端面が開口し
たフード本体内に設置した研掃装置を設け、フード本体
の開口部周辺部に沿って火炉壁周辺に摺動可能なシール
材を設け、回収ノズルを介して回収されたスケールを研
掃材との混合物から両者を分離し、分離された研掃材を
再度投射ノズルに供給する研掃材回収循環手段を設ける
ことによって達成される。
【0008】また研掃材の回収再利用をより効率的にか
つ小型な装置で達成するという目的は、研掃材分離貯蔵
タンクを備え、各々の研掃材分離貯蔵タンクに対する流
路切り替えによって、一方のタンクで研掃材とスケール
とを分離し、他方のタンクでスケールと分離された研掃
材を貯蔵して投射ノズルに供給する構成としたことによ
って達成される。
【0009】また被研掃物である火炉壁表面を自動的に
清掃し過剰な研掃による母材の減肉とならないようにす
るという目的は、投射ノズルを備えた研掃装置の移動方
向における前方側及び後方側に各々光量センサを付設
し、研掃後の火炉壁面に当てられた光の反射光量によっ
て研掃度を検出し、清掃の完了されているか否かを判断
する手段によって達成される。
【0010】また火炉壁面から剥離されたスケールがフ
ード本体外部に洩れないようにするという目的は、フー
ド本体の開口部周辺部とその内側との二重構造のシール
機能を有し、研掃装置移動方向と略直交する部分が馬毛
材等のように研掃装置の移動方向に略平行する部分の硬
質プラスチック繊維等よりも柔軟な多数の繊維状物で形
成することによって達成される。
【0011】清掃効率を高めるという目的は、研掃装置
の火炉壁面における任意の方向の移動を制御する研掃装
置駆動制御手段を備えることによって達成される。必要
最小限の時間で清掃を確実に完了させるという目的は、
予め研掃装置による清掃開始点、終了点を予め設定し、
清掃後の壁面を光量センサにより検知し、開始点及び終
了点までの研掃装置の移動速度を設定し、光量センサの
検知回路に設けられたバイアス機能に基づいて研掃装置
の移動速度を自動的に加速又は減速に補正手段を設ける
ことによって達成される。
【0012】
【作用】投射ノズルと回収ノズルはフード本体内に設置
され、フード本体開口部周辺部にはシール用ブラシが設
けられているために清掃作業時における騒音が外部に漏
出する割合が少なく、騒音を少なくすることができる。
また火炉壁面に投射された研掃材と火炉壁面から剥離さ
れたスケールは回収ノズルを介して回収され、研掃材分
離貯蔵タンクで研掃材とスケールとが分離され、スケー
ルと分離された研掃材は再び投射ノズルに供給されるた
めに研掃材の回収再利用を効率的に行なうことができ
る。
【0013】フード本体の移動方向前方側及び後方側に
各々光量センサを付設しているために火炉壁面における
研掃度を検出し清掃の完了したか否かを測定する手段を
設けているために、火炉壁面の母材を過度に研掃するこ
とがない。研掃装置は火炉壁面に対して任意の方向に移
動制御されるために研掃装置による火炉壁面の清掃効率
が向上する。予め、火炉壁面に付着したスケールの性状
を把握し、この性状から設定した研掃装置の移動速度に
対し光量センサからの検知情報を基に移動速度が調整さ
れるために確実に火炉壁面の清掃状況に応じた清掃操作
が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の炉壁清掃装置を火炉水管壁に設置
した状態を示す断面図、図2は要部断面で示す図1の平
面図、図3は図1のA−A線矢視図である。
【0015】この炉壁清掃装置は、ケーシング1内にフ
ード本体2を備えており、このフード本体2の上下にそ
れぞれ光量センサ3が配置されている。フード本体2に
はノズルホルダ4が設けられており、このノズルホルダ
4に投射ノズル5が嵌合されている。投射ノズル5には
研掃材供給管7が接続されている。またフード本体2内
の前記ノズルホルダ4の下方側に回収ノズル6が配置さ
れており、この回収ノズル6に研掃材循環管8が接続さ
れている。
【0016】フード本体2の一部開口部には矩形状のシ
ール用ブラシ9と矩形状のシール用ブラシ10が設けら
れて二重シール構造からなり、これらのシール用ブラシ
9,10は火炉水壁管12に対し摺動するようになって
いる。シール用ブラシ9,10はケーシング1の移動方
向(即ち、図3において水平方向)部分のシール用ブラ
シ9,10は比較的柔軟な馬毛材が用いられ、その両側
(即ち、図3において垂直方向)部分のシール用ブラシ
9,10は堅いプラスチック繊維が用いられている。
【0017】投射ノズル5は、図に示すように火炉水壁
管11の面に対し若干下方に傾斜するように設置され、
フード本体2は支持具11を介してケーシング1内部に
固定されている。
【0018】図1〜図3において、火炉壁管12上に付
着したスケール13は、研掃材供給管7から供給される
圧縮空気・研掃材混合気14によって研掃され、研掃材
・スケール混合気15として研掃材循環管8を経て所定
箇所に循環可能となっている。
【0019】図4は本発明の炉壁清掃装置における光量
センサの一例による測定原理図を示し、ランプ31から
の光はハーフミラー32で反射され、被検出物である火
炉壁表面から反射した光はハーフミラー32を透過して
レンズ33を経てカラーセンサ素子34に至る。カラー
センサ素子34で検出された光はそれぞれ赤・緑・青の
光信号として取り出され、それぞれRアンプ、Gアンプ
及びBランプで増幅され、それぞれのアナログ信号はA
/D変換器に出力される。A/D変換器では前記アナロ
グ信号がデジタル信号に変換され、マイクロプロセッサ
に至る。マイクロプロセッサにおいては、予めそれぞれ
の赤、緑及び青の光信号に対する基準値が入力されてお
り、ここで演算されて入出力回路からフード本体等の研
掃装置を移動させる駆動装置に出力される。
【0020】図5は本発明の炉壁清掃装置を備えた全体
系統図である。図5において、フード本体2の内部に連
通する研掃材供給管7はそれぞれ研掃材分離貯蔵タンク
16Aと16Bに接続されている。また、研掃材循環管
8は研掃材循環管8Aと8Bに分岐され、それぞれ研掃
材分離貯蔵タンク16Aと16Bにそれぞれ接続されて
いる。研掃材分離貯蔵タンク16A及び16Bにはそれ
ぞれ衝突板17A及び17Bがタンク内上部に設置され
ている。
【0021】圧縮空気供給管18は圧縮空気供給管18
Aと18Bに分岐されており、圧縮空気供給管18Aは
研掃材分離貯蔵タンク16Aの底部と研掃材分離貯蔵タ
ンク16Bの底部とそれぞれ連通し、研掃材供給管7A
に連通している。また一方の圧縮空気供給管18Bは研
掃材分離貯蔵タンク16Bの底部と連通し、研掃材供給
管7Bに接続されている。圧縮空気供給管18Aは分岐
してバランス管19Aに連通しており、このバランス管
19Aは研掃材分離貯蔵タンク16Aの頂部に連通して
いる。また圧縮空気供給管18Bはバランス管19Bに
連通しており、このバランス管19Bは研掃材分離貯蔵
タンク16Bの頂部に連通している。
【0022】研掃材分離貯蔵タンク16A及び16Bの
側面であって研掃材循環管8A及び8Bに対応する面か
ら排気管21がそれぞれ設置されており、この排気管2
1はサイクロンセパレータ22に接続されている。サイ
クロンセパレータ22からの排気管23はブロワ24に
連通している。図4において、V1からV10は各々電
磁式ボール弁を示している。
【0023】次に上記のように構成される炉壁清掃装置
の作用について説明する。本発明において研掃材として
は、例えば直径0.6mmのステンレス鋼9からなるも
のが使用される。火炉水壁管12に対し図1に示すよう
にフードを対面させフード本体2の前面に設けられたシ
ール用ブラシ9,10が火炉水壁管12の面に密着した
状態に設置される。次に図7のフローチャートも参照し
つつ本発明の炉壁清掃装置における操作を説明する。図
7おいて、No1は研掃材分離貯蔵タンク16A、No
2は研掃材分離貯蔵タンク16Bにおける研掃操作及び
回収操作を示す。
【0024】まず、清掃作業のスタートに際し、ブロワ
24を作動させ研掃材循環管8、研掃材循環管8B、研
掃材分離貯蔵タンク16B、排気管21を介してフード
本体内を吸引する。この場合、図に示すように電磁式ボ
ール弁V6及びV5は解放され、研掃材分離貯蔵タンク
16Bを通してフード本体2内が吸引可能となる。
【0025】次に電磁式ボール弁V8が解放され、圧縮
空気供給管18、圧縮空気供給管18Aを介して研掃材
供給管7Aに圧縮空気が導入され、電磁式ボール弁V9
が解放され、研掃材分離貯蔵タンク16A内が加圧され
る。そして、電磁式ボール弁V4が解放され、研掃材分
離貯蔵タンク16Aに貯蔵された研掃材20が研掃材供
給管7Aを介して研掃材循環管7より放射ノズル5から
火炉水壁管12表面に付着したスケール13面に投射さ
れる。
【0026】この際、投射ノズル5を介して噴射される
圧縮空気・研掃材混合物14は高速ジェット状になって
噴出され、研掃材の衝撃力によってスケール13が火炉
水壁管12の表面から剥離する。また投射ノズル4から
噴出される空気流量の1.8〜3.0倍の吸引能力を有
するブロワ24によって研掃材・スケールと吸引空気と
の混合気15が研掃材循環管8を介して研掃材分離貯蔵
タンク16B内に吸引される。なお、投射ノズル5とス
ケール13の表面との距離は、30〜50mm(投射ノ
ズル5の口径の3〜7倍とすることが望ましい。この設
定条件では、研掃能力を従来の9倍程度に向上させるこ
とができる。
【0027】研掃材分離貯蔵タンク16B内では混合気
は衝突板17Bに衝突後、方向変換したのち低流速とな
って比重差(研掃材比重:8.0、スケール比重:約
2.0)によって研掃材20のみがタンク内に貯蔵さ
れ、スケールと空気の混合気は排気管21を介してサン
クロンセパレータ22に導入される。サイクロンセパレ
ータ22内においては、スケールと空気が分離され、空
気のみブロワ24を通し、大気放出される。空気と分離
されたスケールはサイクロンセパレータ22に捕捉され
る。
【0028】投射ノズル5に供給される研掃材20の量
は投射ノズル5の口径、電磁式ボール弁V4及びV7の
口径、更には空気供給圧力によってほぼ一定にコントロ
ールできるので、研掃材分離貯蔵タンク16Aの中に貯
蔵された研掃材20は、徐々にレベル低下しやがて空に
なる。一方、研掃材分離貯蔵タンク16Bでは、研掃材
20が回収され、レベルは徐々に高くなる。そして、衝
突板17Bの下端近くになると混合気の流路が狭まり、
流速が速くなる結果、研掃材20のターミナル速度以上
となり再飛散し、回収率が低下するため、おのずと最高
許容レベルが決定される。
【0029】また投射ノズル5から噴射される研掃材2
0は、被研掃物である火炉水壁管12には、スケール1
3によってその表面が凹凸状を有しているため、シール
性が不十分の場合、研掃材20がフード本体2の外部に
飛散し、研掃材回収率が低下することになる。本実施例
においては、シール用ブラシ9とシール用ブラシ10と
の二重構造のシール性としているため研掃材がフード本
体の外部に漏れることがなく、研掃材の回収率を99%
以上と高率に維持できることが判明している。
【0030】次に電磁式ボール弁V9,V8,V4がそ
れぞれ順次閉鎖され、次に電磁式ボール弁V1,V3が
それぞれ解放される。そして電磁式ボール弁V6,V5
が閉鎖される。また電磁式ボール弁V2,V10が解放
され電磁式ボール弁V7が解放されて研掃材分離貯蔵タ
ンク16B内の研掃材20が圧縮空気供給管18Aから
供給される圧縮空気によって研掃材供給管7より投射ノ
ズル5に圧縮空気・研掃材混合気が供給される。
【0031】次に電磁式ボール弁V2及びV7が閉鎖さ
れ、電磁式ボール弁V5及びV6が解放され、フード本
体2内の研掃材が研掃材循環管8、研掃材循環管8Bを
経て研掃材分離貯蔵タンク16B、排気管21を経て回
収された研掃材、スケールの混合気がサイクロンセパレ
ータに導入され、前記同様の操作によりスケールと研掃
材が分離される。
【0032】次に電磁式ボール弁V3,V1が閉鎖さ
れ、上記した研掃材分離貯蔵タンク16Aからの研掃材
供給の操作に移ることになる。このように研掃材の回収
率の高い研掃材分離貯蔵タンク二基を交互に電磁式ボー
ル弁によって切り替え操作し、比較的少量の研掃材20
を連続用に活用し、火炉水壁管12に付着したスケール
を研掃し回収することができる。
【0033】このような火炉清掃操作において、フード
本体2に付設された光量センサ3による検出によってフ
ード本体2の移動方向(上下方向)による移動動作が行
われる。この場合、フード本体2を上昇させる場合には
二つの光量センサ3により火炉壁面の光量を検出を開始
する。この場合、火炉水壁管12の表面に付着したスケ
ール13と火炉水壁面12におけるカラー光量をそれぞ
れ検出することによって上昇端か否かを判断し上昇端の
場合には光量センサ3による検出が終了する。
【0034】清掃度がOKの場合には清掃が完了した信
号が出力され、清掃度がOKでない場合にはフード本体
2が下降し、再び光量センサ3による検出が開始され
る。下降端か否かが判断され、下降端である場合には光
量センサ3による検出が終了し、清掃度OKの場合には
清掃度完了信号が出力されることになる。また、清掃度
がOKでない場合には再びフード本体2が上昇しつつ再
び光量センサ3による検出が行われる。このような動作
によって火炉水壁面の清掃を確実に行なうと共に、過度
の研掃操作により火炉壁面を構成する母材の損傷を未然
に防止することができる。上記した実施例では、特にフ
ード本体を上下方向に移動する例を示したが、火炉壁面
に対してX、Y、Zの任意の方向に移動可能な駆動装置
に連動してフード本体を付設して火炉壁面に対して移動
させることができる。
【0035】図8はフード本体をX、Yの方向に移動可
能な駆動制御装置を備えた例を示しており、図中、26
は図5における研掃材分離貯蔵タンク16A,16B及
びブロワ22を含む研掃材回収循環手段、27は移動機
構遠隔操作装置、28は研掃材回収循環手段遠隔操作装
置を示しており、移動機構制御装置29、研掃材回収循
環手段制御装置30、演算処理装置31、モニタテレビ
32は操作盤33に収納されている。火炉水壁管にはX
軸移動機構34とY軸移動機構35が設置され、これら
のX軸移動機構34とY軸移動機構35に対してそれぞ
れフード本体を備え、その上下両端部に光量センサが設
置された研掃装置が各々の軸方向に沿って移動自在とな
っている。
【0036】この装置においては、操作盤33に収納さ
れた演算処理装置31を介して移動機構制御装置29及
び研掃材回収循環手段制御装置30が各々作動し、これ
らの制御装置による指令に基づいて各操作条件や運転状
況がモニタテレビ32によって把握可能となっている。
【0037】図9はこれらの研削操作のフローをブロッ
ク状に示したものである。図9において、まず研削操作
開始に際して、基準位置セット時に予め演算処理装置に
よって清掃情報入力として清掃位置、清掃範囲、清掃速
度を入力し、清掃速度に対して光量センサ3からの情報
によってプラス・マイナスのある限られた範囲のバイア
スが設置される。まず清掃開始信号が入力されると真空
圧力等のReady条件が成立し清掃が開始され、清掃
装置はY軸移動機構35に沿って上昇する。
【0038】この場合、清掃装置のY軸移動機構35に
おける移動操作は図7に基づいて説明した操作と同様で
ある。すなわち光量センサ3によって清掃がOKか否か
が検出され、清掃OKとなったときには終了信号が発せ
られ、研掃装置待機信号によってブロワ24を運転状態
のまま研掃材分離貯蔵タンク16A又は16Bの下部に
取り付けられた電磁式ボール弁(研掃材供給弁)V4又
はV7を閉とし、予め設定された清掃範囲内の清掃が完
了していないときにはX軸移動機構34に移動し、X軸
移動完了後、次の1ライン清掃が開始される。
【0039】一般に火炉水壁面は、水冷壁(伝熱管)と
これらの管の間をメンブレンパーと称する鋼板から構成
されており、投射ノズル4を備えた研掃装置を水平移動
させるためには管の断面略半分の凹凸を越えないと水平
方向に隣接する被研掃面に到達しない。しかし、研掃装
置の水平移動に際しても研掃材分離貯蔵タンク16A又
は16B下部の電磁式ボール弁(研掃材供給弁)V4又
はV7を閉とし、投射ノズル4からは圧縮空気のみ供給
され、循環系はブロワ24による吸気状態のままである
ため、フード本体2からの研掃材の流出損を大幅に減少
することができる。
【0040】また上記のような火炉水壁面の構造である
ことから、X軸移動機構34、Y軸移動機構35、又は
必要に応じてZ軸移動機構は、火炉水壁面に取り付けた
駆動軸に対して研掃装置を設置したアームがアクチュエ
ータ有する操作手段を介して移動するものが望ましい。
【0041】また、火炉水壁面ではその裏側に検査ロボ
ットを設置し、探触子を介して水壁の裏側に所定の間隔
で溶着された金物の位置の確認信号および情報を入力
し、予め設けられた演算回路にて火炉壁面に対する研掃
装置の研掃範囲を演算して設置することもできる。この
場合、必要最小限の研掃領域が設定でき、清掃効率を上
げる効果がある。
【0042】また、火炉壁面に付着するスケールの性状
はボイラーに使用する燃料及びボイラーの運用時の火炉
壁面温度等によって異なる。したがって投射ノズル5か
らの研掃材の粗粒子径や放射ノズル5の先端部と火炉壁
面までの距離等は上記したスケールの性状によって設定
することができる。油焚き、特に軽質油焚きのボイラー
に対しては粒径0.6mmのSUS製の研掃材が最適で
あることを確認した。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば投射ノズル
と回収ノズルとを一端が開口したフード本体に設置し、
フード本体開口部周辺部に沿ってシール用ブラシを設け
ており、かつ回収された研掃材をスケールと分離して再
利用することができる。また研掃材分離手段として研掃
材分離貯蔵タンクを二基備え、それぞれの流路切り替え
によって連続的にブラスト法による研掃が可能となり、
検査前処理としての清掃装置を小型化することができ
る。
【0044】また、研掃手段に対し、光量センサを付設
し、光の反射光量によって研掃度を検出し清掃の完了か
否かを測定するために被研掃物である火炉壁面を確実に
清掃することができると共に火炉壁面の母材を過度に損
傷することがない。さらにシール材としてフード本体移
動方向と略直交する部分が馬毛材等のような柔軟なブラ
シ状物で形成し、フード本体移動方向に略平行する部分
が硬質プラスチック性等の硬質なブラシ材とすることに
よってシール機能を維持したままでフード本体を火炉壁
面に沿って移動することができ、かつ研掃材や剥離され
たスケールが外部に漏出することを防止できる。さらに
また、投射ノズルと研掃されるべき火炉壁面のスケール
との距離を投射ノズル口径の3〜7倍にすることによっ
て研掃能力を例えば、従来の約7倍程度までに固めるこ
とができる。
【0045】火炉壁面における清掃範囲を自動設定化で
き、清掃時間を短縮化することによって清掃効率を高め
ることができると共に火炉壁面における清掃を確実に実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炉壁清掃装置におけるフード構造図を
示す断面図である。
【図2】図1の内部構造を示す平面図である。
【図3】図1のA−A線矢視図である。
【図4】本発明における光量センサの測定原理図であ
る。
【図5】本発明の炉壁清掃装置の全体系統図である。
【図6】図5の装置における研削フローチャートであ
る。
【図7】本発明における光量センサによる研掃状態を識
別するためのフローチャートである。
【図8】研掃装置をX、Y方向に移動可能な駆動制御装
置を備えた概略的構成図である。
【図9】本発明における清掃操作のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
2 フード本体 3 光量センサ 5 投射ノズル 6 回収ノズル 7 研掃材供給管 8 研掃材循環管 9,10 シール用ブラシ 12 火炉水壁管 13 スケール 16A,16B 研掃材分離貯蔵タンク 17A,17B 衝突板 18A,18B 圧縮空気供給管 19A,19B バランス管 20 研掃材 21 排気管 22 サイクロンセパレータ 24 ブロワ 26 研掃材回収循環手段 27 移動機構遠隔操作装置 28 研掃材回収循環手段遠隔操作装置 29 移動機構制御装置 30 研掃材回収循環手段制御装置 31 演算処理装置 32 モニタテレビ 33 操作板 34 X軸移動機構 35 Y軸移動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 和宏 兵庫県尼崎市若王寺3丁目11番20号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 尾田原 房季 兵庫県尼崎市若王寺3丁目11番20号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 松本 曜明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 折本 学 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 西原 康雄 広島県呉市宝町6番9号 バブ日立エンジ ニアリング株式会社内 (72)発明者 豊岡 康雄 広島県呉市宝町6番9号 バブ日立エンジ ニアリング株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化石燃料を用いるボイラー等の火炉壁表
    面に付着したスケールを粒状研掃材によって清掃する炉
    壁清掃装置において、前記粒状研掃材を圧縮空気により
    スケール表面に投射する投射ノズルと、研掃材の投射に
    よる衝撃力によって火炉壁表面から剥離されたスケール
    を回収するための回収ノズルとを一端面が開口したフー
    ド本体内に設置した研掃装置と、前記フード本体の開口
    部周辺部に沿って前記火炉端面に摺動可能なシール材
    と、前記回収ノズルを介して回収ささたスケールと研掃
    材との混合物から両者を分離し、分離された研掃材を再
    度前記投射ノズルに供給する研掃材回収循環手段と、を
    設けたことを特徴とする炉壁清掃装置。
  2. 【請求項2】 前記研掃材回収循環手段は、2基の研掃
    材分離貯蔵タンクを備え、各々の研掃材分離貯蔵タンク
    に対する流路切替によって一方のタンクで研掃材とスケ
    ールとを分離し、他方のタンクでスケールと分離された
    研掃材を貯蔵して前記投射ノズルに供給するようにした
    ことを特徴とする請求項1の炉壁清掃装置。
  3. 【請求項3】 前記投射ノズルを備えた研掃装置の移動
    方向における前方側及び後方側に各々光量センサを付設
    し、研掃後の火炉水壁管に当てられた光の反射光量によ
    って研掃度を検出し、清掃の完了したか否かを測定する
    手段を備えたことを特徴とする請求項1の炉壁清掃装
    置。
  4. 【請求項4】 前記研掃装置の前記火炉壁面に対する
    X、Y、Z方向の少なくともひとつの任意方向の移動を
    制御する研掃装置駆動制御手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1の炉壁清掃装置。
  5. 【請求項5】 前記研掃装置駆動制御手段は、火炉壁面
    の研掃装置による清掃開始点、終了点を予め設定して発
    信する手段と、清掃後の壁面を光量センサによる検知す
    る手段と、前記開始点及び終了点までの清掃後の壁面に
    おける研掃装置の移動速度を検知し、前記光量センサの
    検知回路に設けられたバイアス機能に基づいて該移動速
    度を自動的に加速又は減速に補正する手段を設けたこと
    を特徴とする請求項4の炉壁清掃装置。
  6. 【請求項6】 前記シール材は、フード本体の開口部周
    辺部とその内側とに設けられた二重シール構造とされ、
    投射ノズルを備えたフード本体の移動方向と略直交する
    部分が、フード本体の移動方向に略平行する部分よりも
    柔軟な多数のブラシ材で形成されていることを特徴とす
    る請求項1の炉壁清掃装置。
  7. 【請求項7】 前記投射ノズルと研掃されるべき火炉壁
    面のスケールとの距離を投射ノズル口径の3〜7倍とし
    たことを特徴とする請求項1の炉壁清掃装置。
  8. 【請求項8】 前記シール材のフード本体の移動方向と
    略直交する部分が馬毛材からなり、前記シール材のフー
    ド本体の移動方向に略平行する部分が硬質プラスチック
    繊維からなることを特徴とする請求項4の炉壁清掃装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008014589A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd ボイラー内壁面に付着した固形物の除去方法
KR101149239B1 (ko) * 2003-07-16 2012-05-25 아토믹 에너지 오브 캐나다 리미티드 블라스팅 매체 및 침착 부스러기를 수집하기 위한 시스템
KR101352460B1 (ko) * 2013-05-22 2014-01-17 티텍 주식회사 발전소 보일러 내부 청소용 고압분사장치 제어방법
JP2014119171A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Taihei Dengyo Kaisha Ltd 燃焼生成灰塊除去装置

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