JPH06137335A - 転がり軸受用潤滑装置 - Google Patents

転がり軸受用潤滑装置

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JPH06137335A
JPH06137335A JP4311184A JP31118492A JPH06137335A JP H06137335 A JPH06137335 A JP H06137335A JP 4311184 A JP4311184 A JP 4311184A JP 31118492 A JP31118492 A JP 31118492A JP H06137335 A JPH06137335 A JP H06137335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular
rolling bearing
bearing
lubricating fluid
collar
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP4311184A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Doi
憲一 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nachi Fujikoshi Corp
Original Assignee
Nachi Fujikoshi Corp
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Publication date
Application filed by Nachi Fujikoshi Corp filed Critical Nachi Fujikoshi Corp
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Publication of JPH06137335A publication Critical patent/JPH06137335A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速で回転する工作機械の主軸やスピンドル
用転がり軸受の強制潤滑において発生する風切り音によ
る騒音を低下、特に金属音を低下させる。 【構成】 潤滑流体噴出口は回転軸5を支持する転がり
軸受2の内外輪間4,3に向けて開口する環状の微小隙
間8を有する。環状の微小隙間は、従来の単一または複
数のノズル総断面積とほぼ同一の環状の断面積を有す
る。潤滑流体を環状の微小隙間より転がり軸受の内外輪
間軌道面の全周11に均一に噴出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械の主軸やスピ
ンドル等の回転軸の支持手段として使用される転がり軸
受の潤滑装置、特に高速回転での転がり軸受の潤滑装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の主軸やスピンドル等の回転軸
を支持する転がり軸受を潤滑するものの一つにオイルミ
ストを用いるものがある。これらは、軸受をオイルミス
ト雰囲気中で回転させるもの、オイルミストを軸の遠心
力を利用して軸受へ吹きつけるもの、オイルミストを軸
受へノズルで直接吹きつけるものがある。しかし、内面
研削盤等のスピンドルにおいては、軸の回転数は毎分、
数万回転から20万回転におよび、さらに20万回転を
超えるものもある。このような高速回転においては、軸
受をオイルミスト雰囲気中で回転させるものやオイルミ
ストを軸の遠心力を利用して軸受へ吹きつけるもので
は、軸受の回転に伴う乱流空気の抵抗により、オイルミ
ストが軸受部に到達せず潤滑ができない、また、たとえ
潤滑できても潤滑の方向、量、速度が安定せず、適正な
潤滑ができないという欠点があった。
【0003】そこで、内面研削盤等のスピンドルのよう
な高速回転する軸受の潤滑はオイルミストを軸受へノズ
ルで直接吹きつけるものが用いられる。例えば、転がり
軸に近接して転がり軸受の玉の軌道に向かって直径2〜
3ミリの小径穴をノズルとして高速度でオイルミストを
噴出させていた。これによれば、オイルミストを強制的
に軸受部に吹きつけるので潤滑量、方向、速度が安定し
て得られ高速回転においても充分な軸受の潤滑が可能と
なった。さらに、潤滑効果を高めるためには複数のノズ
ルを設けるなどしていた。この場合のノズル本数やノズ
ル径は、回転数、軸受の構造種類、潤滑剤の種類、量、
その他種々の条件により過去の経験や実験値によって決
定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のオイルミストを軸受へノズルで直接吹きつけるものに
おいては、転がり軸受の転動体がノズルから噴出される
オイルミストを通過する際、風切り音が発生し、高速回
転においては、騒音が増大するばかりでなく、作業者が
聞くに耐えない「キーン」という高い連続音(以下金属
音という)を発生し、作業環境上思わしくないという問
題があった。
【0005】本発明は、従来技術のこのような問題点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、風切り音による騒音の発生、特に金属音の発生をな
くし、かつ充分なエア流量を確保し、より良質で安定な
オイルミスト潤滑を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、圧力により付勢された潤滑流体
を噴出口から噴出して転がり軸受の潤滑を行う潤滑装置
において、前記噴出口は転がり軸受の内外輪間に向けて
開口する環状の微小隙間で形成されるようにしたもので
ある。また、前記環状の微小隙間は、単一または複数の
ノズルにより潤滑流体を噴出する潤滑方法におけるノズ
ル総断面積とほぼ同一の環状の断面積を形成するように
した。
【0007】
【作用】上記のように構成された本発明の装置において
は、圧力によって付勢された潤滑流体が環状の微小隙間
より噴出され、軸受の内外輪間の全周に沿って潤滑流体
が均一に、高速度で、連続して吹きつけられる。環状の
微小隙間は、単一または複数の円形断面ノズルにより潤
滑流体を噴出する潤滑方法におけるノズル総断面積とほ
ぼ同一の環状の断面積を形成するので、適性な給油量が
確保される。
【0008】
【実施例】以下、添付した図面を参照して本発明の実施
例について説明する。図1および図2は1個の転がり軸
受に対して潤滑する場合の第一実施例である。図1は内
面研削盤に使用される砥石スピンドルの前側の転がり軸
受部分の縦断面図である。また、図2は図1のカラ─部
の要部斜視図である。スピンドルハウジング1に転がり
軸受2の外輪3が固定され、内輪4がスピンドル5に固
定されることによってスピンドルが支持され高速で回転
する。
【0009】一端を転がり軸受2の外輪3に接して配置
された第1のカラー6と、第1のカラーと同心に組立て
られ、第1のカラーの内径7と均一な環状の微小隙間8
を形成する第2のカラー9が設けられている。第2のカ
ラー9、第1のカラー6、転がり軸受2の外輪3はスピ
ンドルハウジング1と前蓋10によって挟持されること
によって固定されている。転がり軸受2の内輪4は一端
をスピンドル5の肩部5aに当接させ他端をスピンドル
5に切られた螺子16に螺着される軸受ナット17によ
ってスピンドルに固定されている。
【0010】環状の微小隙間8は転がり軸受2の内外輪
間の内輪側11に潤滑流体が噴出するような位置に設け
られている。第1のカラー6の外周に沿ってハウジング
側に環状溝12が設けられており、環状溝に開口する連
通路13がハウジング内に設けられる。第1のカラー6
には環状溝12に開口する小孔14が軸直角方向に複数
個設けられ第1のカラー6と第2のカラー9とで形成す
る環状の連通路15を介して環状の微小隙間8に連通さ
れている。なお、環状の微小隙間8は図示寸法に対して
きわめて小さいので、実施例各図において誇張して図示
してある。
【0011】図示されていないハウジング外部から連通
路13に圧力によって付勢されたオイルミストや潤滑油
等の潤滑流体が供給され、連通路13、環状溝12、小
孔14、環状の連通路15を通って、環状の微小隙間8
より潤滑流体が噴出し、軸受の内外輪間の軌道面の全周
に沿って潤滑流体が均一に、高速度で、連続して吹きつ
けられる。転がり軸受2の転動体2aはあたかも連続し
た潤滑流体の中で回転している状態となり、転がり軸受
2の冷却および潤滑がおこなわれ、かつ、潤滑流体と転
がり軸受けの転動体との干渉で生じる風切り音が発生し
なくなる。
【0012】図3は、本発明の第二実施例を示す。図3
は、環状の微小隙間を前蓋側に設けたものである。図3
において、前蓋20に断面がL型の第1のカラー26が
軸5に同心に嵌着されている。第1のカラー26の内径
27が軸受2の外輪3および内輪4間の円周に沿うよう
に前蓋20および第1のカラーと本体21とにより軸受
2の外輪3が挟持されている。前蓋20には図1の第2
のカラーに相当する断面がL型の舌部29が軸5に同心
に張り出しており、第1のカラー26の内径27と均一
な環状の微小隙間8が形成されている。潤滑流体はハウ
ジング1に設けられた流路22、前蓋20に明けられた
流路23および環状の微小隙間8に併設された環状の連
通路25を経て、環状の微小隙間8より噴出し、第一実
施例と同様な作用が行われる。このようにすれば、第一
実施例に較べ部品点数が減少し、加工、組付けが容易と
なりさらに潤滑流体のスピンドル外への飛散を減少する
ことができる。
【0013】図4は、本発明の第三実施例を示す。図4
は間隔をあけて設置された2つの転がり軸受に対して間
座を兼ねて2つの噴出用の環状の微小隙間を対向して設
けたものである。図4において、2個の転がり軸受2の
外輪3にそれぞれ当接する2個の第1のカラー36が背
中あわせに断面が逆T字型カラー39が挟持してもうけ
られ、逆T字型カラーには第1のカラー36の内径37
に対向する2つの環状舌部が逆T字型に配されており環
状の微小隙間8a、8bが形成されている。潤滑流体は
ハウジングの環状溝32、環状溝に開口し軸直角方向に
複数個設けられ第1のカラー36と逆T字型カラー39
で形成する環状の連通路35に連通した小孔34、環状
の連通路35を経て環状の微小隙間8a、8bより転が
り軸受の内外輪間の軌道面に沿って噴出し、第一実施例
と同様な作用が行われる。
【0014】図5は、本発明の第四実施例を示す。図4
の場合は環状の微小隙間を構成するカラーがすべて外輪
側に設けられていたが、図5においては、図4の逆T字
型カラー39に相当するリング状のカラーB49がスピ
ンドル側に設けられている。図4の第1のカラー36に
相当するカラーA46の内周に内周環状溝45が設けら
れ、ハウジング41に設けられた環状溝42及び内周環
状溝を連通する小孔44が複数、放射状に設けられてい
る。カラーA46の内周47とスピンドル側に設けられ
たカラーB49との間に環状の微小隙間8a、8bが形
成されている。潤滑流体はハウジングの環状溝42から
小孔44を経て内周環状溝45に達し、左右に振り分け
られた環状の微小隙間8a、8bより転がり軸受の内外
輪間の軌道面に噴出し、第三実施例と同様な作用が行わ
れる。この場合、第三実施例に較べて部品点数が減少
し、加工、組付が容易になる。
【0015】(実験例)実験例として、前述の構造のス
ピンドルについて潤滑流体としてオイルミストを使用し
た場合の潤滑方法についてのべる。転がり軸受の型番は
7003C相当、回転数70,000RPM、オイルミ
スト潤滑で回転させた。従来の噴出ノズルを転がり軸受
の内輪側および外輪側の各々一箇所計2か所に設けた場
合、は、騒音が80dB〔A〕、軸受部の振動が0.6
5G、軸受部温度上昇が21度であった。
【0016】対して前述の第二実施例(図3)による方
法で環状の微小隙間を約60μmとした場合において
は、騒音が77dB〔A〕、軸受部の振動が0.60
G、軸受部温度上昇が18度と低下した。また、本実験
例では環状の微小隙間断面積を従来のノズルの場合の総
断面積の値としたので、エア消費量も従来のノズルによ
る方法とほぼ同等であった。特に重要なことは、金属音
がなくなり、騒音値の低下以上に風切り音が小さくなっ
た。より詳しくは、図によって説明すると、図7は前述
の従来の場合の騒音分析を示したものであり、図6は前
述の本発明の図3の方法の場合での騒音分析結果であ
る。図6、図7を較べてみると明らかなように、本発明
によれば、周波数4,000Hz以上で騒音レベルが極
端に小さくなっており、金属音を示す高周波部分が激減
したことがわかる。
【0017】なお、本発明はオイルミスト潤滑の場合の
他、オイルエア潤滑やオイルジェット潤滑等の場合にも
応用できる。また、実験例で示したように本発明におけ
る環状の微小隙間は従来のノズル噴出潤滑方法の経験値
や実験値によるノズル断面積にあわせ、数十μm程度と
したが、微小隙間をより大きくした場合は、潤滑性能が
向上するがエアや潤滑油の消費量が増すので、潤滑性能
と消費量との兼ね合いで最適隙間を決定することはいう
までもない。
【0018】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による転
がり軸受の潤滑方法では、環状の微小隙間より潤滑流体
を噴出させ、軸受の内外輪間の軌道面の全周に沿って潤
滑流体が均一に、高速度で、連続して吹きつけられるよ
うにしたので、転がり軸受内で転動体はあたかも連続し
た潤滑流体の中で回転している状態となり、風切り音に
よる騒音の発生、特に金属音の発生をなくすことができ
た。環状の微小隙間の決定にあたっては、従来のノズル
噴出潤滑方法の場合のノズル断面積から容易に選定でき
るので、エア消費量を増すことなく、充分なエア流量を
確保できた。また、転がり軸受の転動体がどの位置にあ
っても常に新しい潤滑油が強制的に供給されるので、転
がり軸受の冷却効果が向上し、比較的少量の供給油量で
も油膜切れによる転がり軸受の焼き付けを防止するとい
う効果を奏するものとなった。したがって、本発明の潤
滑方法は、高速化する工作機械の主軸やスピンドルに対
して、より静かで安定した潤滑方法を提供するものとな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の説明図である。
【図2】本発明の第一実施例のカラー部斜視図である。
【図3】本発明の第二実施例の説明図である。
【図4】本発明の第三実施例の説明図である。
【図5】本発明の第四実施例の説明図である。
【図6】本発明の第二実施例による実験例の騒音分析結
果である。
【図7】従来のノズルによる潤滑方法での実験例の騒音
分析結果である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 転がり軸受 3 外輪 4 内輪 5 スピンドル 6 第1のカラー 7 第1のカラーの内径 8 環状の微小隙間 9 第2のカラー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力により付勢された潤滑流体を噴出口
    から噴出して転がり軸受の潤滑を行う潤滑装置におい
    て、前記噴出口は転がり軸受の内外輪間に向けて開口す
    る環状の微小隙間で形成されたことを特徴とする転がり
    軸受用潤滑装置。
  2. 【請求項2】 前記環状の微小隙間は、単一または複数
    のノズルにより潤滑流体を噴出する潤滑方法におけるノ
    ズル総断面積とほぼ同一の環状の断面積を形成するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の転がり軸受用潤
    滑装置。
JP4311184A 1992-10-27 1992-10-27 転がり軸受用潤滑装置 Withdrawn JPH06137335A (ja)

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JP4311184A JPH06137335A (ja) 1992-10-27 1992-10-27 転がり軸受用潤滑装置

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JP4311184A JPH06137335A (ja) 1992-10-27 1992-10-27 転がり軸受用潤滑装置

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JPH06137335A true JPH06137335A (ja) 1994-05-17

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JP4311184A Withdrawn JPH06137335A (ja) 1992-10-27 1992-10-27 転がり軸受用潤滑装置

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JP (1) JPH06137335A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7819587B2 (en) * 2004-10-19 2010-10-26 Ntn Corporation Lubricating device for rolling bearing

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7819587B2 (en) * 2004-10-19 2010-10-26 Ntn Corporation Lubricating device for rolling bearing

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Effective date: 20000104