JPH0613671A - 超伝導素子およびその製造方法 - Google Patents

超伝導素子およびその製造方法

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JPH0613671A
JPH0613671A JP4170507A JP17050792A JPH0613671A JP H0613671 A JPH0613671 A JP H0613671A JP 4170507 A JP4170507 A JP 4170507A JP 17050792 A JP17050792 A JP 17050792A JP H0613671 A JPH0613671 A JP H0613671A
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紘一 水野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電界が印加されるチャネル層2に、Cuを含む
酸化物超伝導薄膜と11、Cuを含む酸化物薄膜12との積
層膜を用い、そのチャネル層に接して、ソース電極5、
ドレイン電極6、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を
形成することによって、有効に電界効果を生じる超伝導
素子とする。 【構成】MgO基板を基体1に用い、rfマグネトロン
スパッタリング法によって、主として2212相の酸化
物超伝導体を含むBi系酸化物超伝導体が堆積するよう
に調整した酸化物粉末のターゲットを用い、酸化物超伝
導体薄膜11を堆積させる。ひき続き2212相のBi
系酸化物が堆積するように調整した酸化物粉末のターゲ
ットより酸化物薄膜12を堆積させる。この2層膜でチ
ャネル層2を構成する。さらにゲート絶縁膜3となるS
rTiO3 薄膜を堆積させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超伝導応用技術に関し、
酸化物超伝導体を用いた、電界効果型三端子超伝導素子
に関するものである。特にゲート電極に印加する電圧に
よって素子特性を制御する電界効果型の超伝導素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属系の超伝導体を用いた超伝導
素子といえば、弱結合型ジョセフソン素子、トンネル接
合型ジョセフソン素子、超伝導体の超伝導遷移を利用す
るボロメータ等があった。また、超伝導三端子素子とし
て、半導体−超伝導体接合を利用したジョセフソン電界
効果素子(JOFET)、超伝導薄膜をトランジスタの
ベース電極に使用するSUBSIT、非平衡超伝導状態
を制御するQUITERON等が提案され、原理的研究
及び素子試作がなされた。これらの素子は超高速スイッ
チ、超高周波信号処理用の素子として期待されている
が、現在の所まだ期待どおりの特性は得られていない。
【0003】一方、近年発見された酸化物超伝導体の中
には、その超伝導遷移温度が液体窒素温度(77.3ケ
ルビン)を越えるものがあり、超伝導体の応用分野を大
きく広げることとなった。この酸化物超伝導体の素子応
用については、酸化物超伝導体を二つに割り、再びわず
かに接触させたジョセフソン素子、酸化物超伝導体を薄
膜にし、小さなくびれをつけたブリッジ型ジョセフソン
素子、酸化物超伝導体間をAu、Ag等の貴金属で接続
したジョセフソン素子等、弱結合型のジョセフソン素子
の試作例が大半を占めている。また、金属超伝導体を用
いた超伝導三端子素子と同じ原理による素子も提案され
てはいるが、その特性確認はいまだされていない。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】超伝導体は、基本
的には完全導体であり、電位差を与えることはできない
(すなわち電界を印加できない)。しかし、超伝導転移
点付近の状態は超伝導状態と、常伝導状態の混合状態と
考えられ、電界の印加が可能である。この様な状態の時
に印加電界の大きさを変化させると、前述した混合状態
のうちの常伝導状態にある準粒子(常伝導電子)が電気
的影響を受ける可能性がある。金属超伝導体(金属)の
場合、キャリア密度が大きく、通常の半導体のように電
界効果が得られにくいためこの様な現象を利用した素子
は実現が難しいと考えられる。一方、酸化物超伝導体は
キャリア密度が金属超伝導体に比べ小さく(すなわち半
導体に近く)電界効果が有効に生じると考えられる。し
かしながら、実際に効果的に電圧制御によって超伝導素
子の特性を制御した例は少ない。
【0005】さらに、酸化物超伝導体薄膜または、酸化
物常伝導体薄膜に薄く均一な絶縁膜を形成することは難
しく、欠陥の発生を防ぐには、絶縁膜の厚みを厚くする
必要があり、その絶縁膜を介して電界を効果的に酸化物
超伝導体または、酸化物常伝導薄膜に印加することがで
きなかった。そのため、酸化物超伝導薄膜または、酸化
物薄膜の上に、薄く、かつ均一に絶縁膜を形成すること
が望まれていた。
【0006】本発明は、前述したような従来技術の課題
を解決するため、外部電界でその電気的特性(超伝導特
性または常伝導特性)を変化できるチャネル層を得るこ
と、及びこのチャネル層を用いて、電界効果によって特
性制御可能な超伝導三端子素子を提供することを目的と
する。また、高い再現性と信頼性で、この超伝導三端子
素子を作製する製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の超伝導素子は、チャネル層と、前記チャネ
ル層上に接するソース電極、ドレイン電極、さらに前記
ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置し、しかも
前記チャネル層に接するゲート絶縁膜、および前記ゲー
ト絶縁膜に接するゲート電極とより構成される電界効果
型の素子において、前記チャネル層がCuを含む酸化物
超伝導薄膜と、Cuを含む酸化物薄膜との積層膜よりな
ることを特徴とする。
【0008】前記構成においては、少なくともチャネル
層およびゲート絶縁膜に、Bi系層状構造化合物を用い
ることが好ましい。前記構成においては、少なくとも2
つのゲート電極を有することが好ましい。
【0009】本発明の超伝導素子は、Cuを含む酸化物
超伝導薄膜と、Cuを含む酸化物薄膜との積層膜よりな
るチャネル層と、前記チャネル層上に接するソース電
極、ドレイン電極、さらに前記ソース電極と前記ドレイ
ン電極との間に位置し、しかも前記チャネル層に接する
ゲート絶縁膜、および前記ゲート絶縁膜に接するゲート
電極とより構成される電界効果型の超伝導素子におい
て、少なくとも前記チャネル層、および前記ゲート絶縁
膜を同一真空中で成膜し、前記チャネル層がCuを含む
酸化物超伝導薄膜と、Cuを含む酸化物薄膜との積層膜
に形成することを特徴とする。
【0010】
【作用】前記した本発明の構成によれば、電界が印加さ
れるチャネル層に、Cuを含む酸化物超伝導薄膜と、C
uを含む酸化物薄膜との積層膜を用い、そのチャネル層
に接して、ソース電極、ドレイン電極、ゲート絶縁膜お
よびゲート電極を形成することによって、有効に電界効
果を生じる超伝導素子とすることができる。
【0011】また、上記のような超伝導素子において、
少なくともチャネル層およびゲート絶縁膜に、Bi系層
状構造化合物を用いることによって、薄く均一な絶縁膜
を得ることができる。
【0012】また、少なくとも2つのゲート電極を形成
することによって、より有効に電界効果を生じさせる素
子とすることができる。また本発明の製造方法によれ
ば、前記超伝導素子の作製において、少なくともチャネ
ル層、およびゲート絶縁膜を同一真空中で成膜する製造
方法によって、再現性、信頼性を確保することができ
る。
【0013】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。本発明は、電界が印加されるチャネル層に、
Cuを含む酸化物超伝導薄膜と、Cuを含む酸化物薄膜
との積層膜を用いた、電界効果型の超伝導素子と、その
超伝導素子の製造方法に関するものである。
【0014】発明者らは、電界が印加されるチャネル層
に、Cuを含む酸化物超伝導薄膜と、Cuを含む酸化物
薄膜との積層膜を用い、その積層膜に接して設けたゲー
ト絶縁膜を介して電界を印加した場合、その積層膜の超
伝導遷移点付近での常伝導抵抗、もしくは零抵抗温度
が、変化することを見いだした。
【0015】酸化物超伝導体は、キャリア密度が小さ
く、さらにそのキャリア密の大きさによって、超伝導遷
移特性等、種々の超伝導特性、超伝導遷移温度より高温
での常伝導抵抗等常伝導特性が変化する。一方、酸化物
超伝導体においても、金属超伝導体と同様に異種材料間
に近接効果が起きることが報告されている。本発明のチ
ャネル層は、酸化物超伝導体と、酸化物薄膜の積層膜で
あり、その両薄膜間の近接効果によって、相互に影響を
うけ、キャリア密度等が変化していると考えられる。発
明者らは、積層膜の構造(積層材料、積層順、積層周期
等)を変えることにより、素子特性および電界効果の現
われ方も変化することを見いだした。このことは、望み
の素子特性を積層膜を設計することによって得られるこ
とを意味する。
【0016】一方、上記のような超伝導素子において、
少なくともチャネル層およびゲート絶縁膜に、Bi系層
状構造化合物を用いることによって、各々の材料の結晶
構造、格子定数、構成元素、熱膨張係数等が同じか近い
ために、チャネル層上にゲート絶縁膜が原子層レベルで
エピタキシャル成長するため、薄く均一な絶縁膜を形成
でき、そのゲート絶縁膜中の欠陥密度も低減できること
を見いだした。
【0017】また、少なくとも2つのゲート電極を対向
させてゲート絶縁膜の上に形成することによって、電極
間隔を狭くでき、電界を大きくすることができ、より有
効に電界効果を生じさせ得る素子を構成できることを見
いだした。
【0018】さらに、以上のような超伝導素子の作製に
おいて、少なくともチャネル層、およびゲート絶縁膜を
同一真空中で成膜することによって、チャネル層表面の
劣化を防ぎ、素子特性の、再現性、信頼性が向上するこ
とを見いだした。
【0019】上記のような電界効果型超伝導素子を構成
する場合、チャネル層を構成する酸化物超伝導体と酸化
物薄膜との積層膜の積層構造(積層材料および組合せ、
積層順、積層周期等)は、用途にあわせて任意である
が、材料の組合せとしては、同種の結晶構造を持つもの
同士が望ましい。例えば、Y−Ba−Cu−OとPr−
Ba−Cu−Oの組合せ、Bi−Sr−Ca−Cu−O
とBi−Sr−Cu−O(2201相)、またはBi−
Sr−Ca−Cu−OとBi−Sr−Ln−Cu−O
(2212相、LnはY、またはランタノイド元素)の
組合せ等が望ましい。また、チャネル層に用いた積層膜
を構成する各薄膜、およびゲート絶縁膜まで含めて、同
種の結晶構造、格子定数をもつ材料の選択が望ましい。
例えば、チャネル層用の積層膜及びゲート絶縁膜すべて
にC軸配向したBi系層状構造化合物を用いると、A,
B軸の格子定数及びA,B面内での熱膨張係数が非常に
近いため、ゲート絶縁膜まで結晶性よく成膜でき、チャ
ネル層の電気的特性の高性能化、ゲート絶縁膜の絶縁耐
圧の向上、リーク電流の減少等に効果がある。
【0020】特に、酸化物超伝導薄膜の材料として、主
として2212相のBi系酸化物超伝導体:(Bi1-y
Pby 2 −Sr2 −Ca1 −Cu2 −Ox 、(ただし
0 ≦y <0.5 、xは任意値)、もしくは、主として22
23相の下記酸化物超伝導体:(Bi1-y Pby 2
Sr2 −Ca2 −Cu3 −Ox (ただし0 ≦y <0.5、
xは任意値)を用い、酸化物薄膜の材料として、主とし
て2212相の酸化物:(Bi1-y Pby 2 −Sr2
−Ln1 −Cu2 −Ox 、(ただし0 ≦y <0.5 、xは
任意値、LnはY、およびランタノイド元素のうち少な
くとも一つをさす)、もしくは主として2201相のB
i系酸化物:(Bi1-y Pby 2 −Sr2 −Cu1
x (ただし0 ≦y <0.5 、xは任意値)の組み合わせ
を用いると、積層膜作製が容易で、良好なチャネル層が
形成できる。
【0021】さらに、ゲート絶縁膜上に2つのゲート電
極を狭い間隔で対向させて形成すると電極間ギャップを
小さくでき等化的に電界が大きくなり、電界効果を顕著
に大きくできる。
【0022】また、少なくともチャネル層、ゲート電極
を同一真空中で形成すると、チャネル層表面が劣化せ
ず、界面状態が良好に保てるため、素子特性の再現性、
安定性に顕著な効果がある。
【0023】以下に具体的実施例を挙げて、本発明をよ
り詳細に説明する。 実施例1 図1(a)は本発明の第1の実施例を示す概略図であ
る。また、図1(b)は、図1(a)のチャネル層2を
詳細に記述したものである。まず、(100)MgO基
板を基体1に用い、rfマグネトロンスパッタリング法
によって、主として2212相の酸化物超伝導体を含む
Bi系酸化物超伝導体:Bi2 −Sr2 −Ca1 −Cu
2 −Ox (xは任意値)が堆積するように調整した酸化
物粉末のターゲットを用い、厚さ30nmの酸化物超伝
導体薄膜11を堆積させた。ひき続き同一真空中におい
て、主として2212相のBi系酸化物:Bi2 −Sr
2 −Nd1 −Cu2 −Ox (xは任意値)が堆積するよ
うに調整した酸化物粉末のターゲットより酸化物薄膜1
2を厚さ30nm堆積させた。この2層膜でチャネル層
2を構成した。
【0024】さらにゲート絶縁膜3となるSrTiO3
薄膜を200nm堆積させた。このゲート絶縁膜の堆積
までを、同一真空中で、しかも基板の温度を650℃に
保ったまま行った。
【0025】その後、ネガレジストを用いたフォトリソ
グラフィーおよびイオンミリングにより、チャネル層
2、およびゲート絶縁膜3をチャネル層形状にパターニ
ングした。さらに、ソース電極、ドレイン電極用のコン
タクトホールを、同様のイオンミリングで形成後、Pt
薄膜を堆積、ゲート電極4、ソース電極5、ドレイン電
極6をパターニングし、素子を完成させた。Pt薄膜の
パターニングはリフトオフ法にて行った。
【0026】この素子は、ゲート電極に電圧を印加する
ことによってソース電極、ドレイン電極間のコンダクタ
ンスが変化した。ソース、ドレイン間に一定電流を流し
ながら、ゲート電極に制御電圧を加えることによって、
ソース、ドレイン間の電圧が変調され、電界効果型の素
子として動作した。この電界効果は、素子温度、20ケ
ルビンから100ケルビンで顕著であり、動作機構は解
明されていないが、電界効果によるキャリアの遍在に起
因する、超伝導性の誘起または抑制であるとすると説明
がつく。またこの効果は、積層膜で顕著であり、酸化物
超伝導薄膜と酸化物薄膜の近接効果によって、より効果
的になる効果と考えられる。
【0027】実施例2 図2(a)、(b)に第2の実施例の概略図を示す。図
2(c)は、チャネル層のより詳細な模式図である。作
製方法は本第1の発明の実施例と同様で、ゲート絶縁膜
まで同一真空中で堆積したものであるが、チャネル層2
の構成が異なる。本実施例のチャネル層2は、基体1上
に堆積した厚さ30nmの、主として2201相のBi
系酸化物:Bi2 −Sr2 −Cu1 −Ox (xは任意
値)、を含む酸化物薄膜12と、その上に堆積した厚さ
30nmの、主として2223相のBi系酸化物超伝導
体:Bi2 −Sr2 −Sr2 −Cu3 −Ox (xは任意
値)、を含む酸化物超伝導体薄膜11より構成した。ま
たゲート絶縁膜3は、rfスパッタリング法による厚さ
200nmのSiO2 薄膜である。基板の温度は、チャ
ネル層の堆積時は650℃に保ち、ゲート絶縁膜3の堆
積時は200℃とした。さらに、ゲート電極4は、電極
間隔が2μmの対向型とした。
【0028】この素子は、対向する各ゲート電極に異な
った電圧または同電位の電圧を印加することによって、
ソース電極、チャネル電極間のコンダクタンスが変化し
た。ソース、ドレイン間に一定電流を流しながら、ゲー
ト電極に制御電圧を加えることによって、ソース、ドレ
イン間の電圧が変調され、電界効果型の素子として動作
した。この電界効果は、素子温度、20ケルビンから1
10ケルビンで顕著であり、特に対向するゲート電極に
異なった電位を与えた場合より変調効果が大きかった。
【0029】実施例3 次に第3の実施例を説明する。作製方法は本第1の発明
の実施例と同様であるが、チャネル層2の構成が異な
る。本実施例のチャネル層2は、主として2201相の
Bi系酸化物:Bi2 −Sr2 −Cu1 −Ox (xは任
意値)を含む酸化物薄膜12と、主として2212相の
Bi系酸化物超伝導体:Bi2 −Sr2 −Sr1 −Cu
2 −Ox (xは任意値)を含む酸化物超伝導体薄膜11
より構成した多層膜であり、その構成は厚さ3nmの2
212相と2.4nmの2201相を交互に各8層ずつ
堆積したものである。図3はこのチャネル層の模式図を
示したものである。本実施例では、最上層は、2201
相とした。またゲート絶縁膜は、rfスパッタリング法
による厚さ100nmのBi−Ti−O薄膜である。基
板の温度は、チャネル層の堆積時は650℃に保ち、ゲ
ート絶縁膜の堆積時も650℃とした。さらにゲート電
極は、電極間隔を2μmとし、対向型とした。
【0030】この素子もまた、対向するゲート電極に異
なった電圧または同電位の電圧を印加することによって
ソース電極、ドレイン電極間のコンダクタンスが変化し
た。特にこの多層膜をチャネル層に用いた素子は、チャ
ネル層の積層膜を種々の形状(積層周期、各々の積層さ
れる酸化物薄膜の膜厚など)を変えることによってその
素子特性、顕著な電解効果の得られる動作温度を変化さ
せることができた。さらに、ゲート絶縁膜に用いたBi
−Ti−O薄膜はBi系層状構造化合物の一つであり、
チャネル層にエピタキシャル成長しており、膜中の欠陥
がほとんどなく、良好なゲート絶縁膜として機能した。
【0031】以上の実施例の超伝導素子は、すべて、チ
ャネル層、およびゲート絶縁膜を同一真空中で成膜して
おり、素子特性は安定し、また再現性もよいものであっ
た。以上説明した通り本発明の実施例によれば、電界が
印加されるチャネル層2に、Cuを含む酸化物超伝導薄
膜と11、Cuを含む酸化物薄膜12との積層膜を用い、そ
のチャネル層に接して、ソース電極5、ドレイン電極
6、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を形成すること
によって、有効に電界効果を生じる超伝導素子を実現す
ることができる。また本実施例のチャネル層のように、
酸化物超伝導体薄膜と、酸化物薄膜の積層膜を利用する
と、電界効果が顕著であり、良好な超伝導三端子素子を
構成できる。
【0032】現在電気通信の分野では、自動車電話の普
及、デジタル画像情報の伝送、情報ネットワークの普及
などにより、大量の信号を伝達する手段として、より高
周波を用いた通信手段が望まれていた。本発明による超
伝導素子は、従来使用できなかった高周波の電波の信号
処理、検知に利用できるため、これら電気通信分野の電
波周波数の利用範囲を拡大できる。
【0033】これらの点で本発明の実用的効果は、電気
情報通信分野で大である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、電界が印加される
チャネル層に、Cuを含む酸化物超伝導薄膜と、Cuを
含む酸化物薄膜との積層膜を用い、その積層膜に接して
設けたゲート絶縁膜を介して電界を印加した場合、その
積層膜の超伝導遷移点付近での常伝導抵抗、もしくは零
抵抗温度が、変化し、超伝導素子を構成できる効果があ
る。
【0035】また、上記のような超伝導素子において、
少なくともチャネル層およびゲート絶縁膜に、Bi系層
状構造化合物を用いることによって、各々の材料の結晶
構造、格子定数、構成元素等が同じか近いために、チャ
ネル層上にゲート絶縁膜が原子層レベルでエピタキシャ
ル成長するため、薄く均一な絶縁膜を形成でき、そのゲ
ート絶縁膜中の欠陥密度も低減できる効果がある。
【0036】また、少なくとも2つのゲート電極を対向
させてゲート絶縁膜の上に形成することによって、電極
間隔を狭くでき、電界を大きくすることができ、より有
効に電界効果を生じさせ得る素子を構成できる。
【0037】さらに、以上のような超伝導素子の作製に
おいて、少なくともチャネル層、およびゲート絶縁膜を
同一真空中で成膜することによって、チャネル層表面の
劣化を防ぎ、素子特性の再現性、信頼性が向上する効果
がある。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施例を説明する超伝導素子の概
略図とチャネル層の模式図である。
【0040】
【図2】本発明の第2実施例を説明する超伝導素子の概
略図とチャネル層の模式図である。
【0041】
【図3】本発明の第3実施例に用いたチャネル層の模式
図である。
【0042】
【符号の説明】
1 基体 2 チャネル層 3 ゲート絶縁膜 4 ゲート電極 5 ソース電極 6 ドレイン電極 11 酸化物超伝導薄膜 12 酸化物薄膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャネル層と、前記チャネル層上に接す
    るソース電極、ドレイン電極、さらに前記ソース電極と
    前記ドレイン電極との間に位置し、しかも前記チャネル
    層に接するゲート絶縁膜、および前記ゲート絶縁膜に接
    するゲート電極とより構成される電界効果型の素子にお
    いて、前記チャネル層がCuを含む酸化物超伝導薄膜
    と、Cuを含む酸化物薄膜との積層膜よりなることを特
    徴とする超伝導素子。
  2. 【請求項2】 少なくともチャネル層およびゲート絶縁
    膜に、Bi系層状構造化合物を用いる請求項1に記載の
    超伝導素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも2つのゲート電極を有する請
    求項1または2に記載の超伝導素子。
  4. 【請求項4】 Cuを含む酸化物超伝導薄膜と、Cuを
    含む酸化物薄膜との積層膜よりなるチャネル層と、前記
    チャネル層上に接するソース電極、ドレイン電極、さら
    に前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置し、
    しかも前記チャネル層に接するゲート絶縁膜、および前
    記ゲート絶縁膜に接するゲート電極とより構成される電
    界効果型の超伝導素子において、少なくとも前記チャネ
    ル層、および前記ゲート絶縁膜を同一真空中で成膜し、
    前記チャネル層がCuを含む酸化物超伝導薄膜と、Cu
    を含む酸化物薄膜との積層膜に形成することを特徴とす
    る超伝導素子の製造方法。
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