JPH0878743A - 超電導電界効果型素子 - Google Patents

超電導電界効果型素子

Info

Publication number
JPH0878743A
JPH0878743A JP7191261A JP19126195A JPH0878743A JP H0878743 A JPH0878743 A JP H0878743A JP 7191261 A JP7191261 A JP 7191261A JP 19126195 A JP19126195 A JP 19126195A JP H0878743 A JPH0878743 A JP H0878743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
field effect
buffer layer
substrate
effect element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7191261A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Nakamura
孝夫 中村
Michitomo Iiyama
道朝 飯山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP7191261A priority Critical patent/JPH0878743A/ja
Publication of JPH0878743A publication Critical patent/JPH0878743A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 SrTiO3(100)またはY1Ba2Cu3
7-X (001)基板5上に配置されたPr1Ba2Cu37-y
ッファ層20と、Pr1Ba2Cu37-yバッファ層20上に配置さ
れたBaXSr1-xTiO3 バッファ層21と、BaXSr1-xTiO3
ッファ層21上に配置された酸化物超電導体の超電導ソー
ス領域2および超電導ドレイン領域3と、超電導ソース
領域2および超電導ドレイン領域3間に配置された超電
導チャネル10と、超電導チャネル10上にゲート絶縁層7
を介して配置されたゲート電極4とを具備する超電導電
界効果型素子。 【効果】 ゲート遮断時にリーク電流が流れないので、
素子の特性が優れている。また、電力消費も小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導電界効果型素子
に関する。より詳細には、酸化物超電導薄膜で構成され
た超電導チャネル、超電導ソース領域および超電導ドレ
イン領域と、超電導チャネル上にゲート絶縁層を介して
配置されたゲート電極とを備え、超電導チャネルに流れ
る電流を完全に遮断できる超電導電界効果型素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超電導現象を利用した素子は、従来の半
導体素子に比較して高速であり、消費電力も小さく、飛
躍的に高性能化することができると考えられている。特
に近年研究が進んでいる酸化物超電導体を使用すること
により、比較的高い温度で動作する超電導素子を作製す
ることが可能である。実用上極めて重要だと考えられて
いる3端子の超電導素子の1つに、超電導体で形成され
た超電導チャネルに流れる超電導電流をゲート電極で制
御する超電導電界効果型素子がある。超電導電界効果型
素子は、電圧制御型の素子であって信号の増幅作用があ
り、電流密度が大きく、製造上も困難な微細加工を必要
としない。
【0003】図3に超電導電界効果型素子の一例の概略
図を示す。図3に示した超電導電界効果型素子は、SrTi
3 等の基板5上に形成されたPr1Ba2Cu37-yバッファ
層20上に配置されたY1Ba2Cu37-X酸化物超電導体によ
る超電導チャネル10と、超電導チャネル10の両端付近に
それぞれ配置されたやはりY1Ba2Cu37-X酸化物超電導
体の超電導ソース領域2および超電導ドレイン領域3
と、超電導チャネル10上にSi34のゲート絶縁層7を介
して配置されたゲート電極4とを具備する。また、超電
導ソース領域2および超電導ドレイン領域3上にはそれ
ぞれソース電極12およびドレイン電極13が形成されてい
る。ゲート電極、ソース電極12およびドレイン電極13に
は、Au等の貴金属が使用されている。この超電導電界効
果型素子は、ソース電極12およびドレイン電極13から供
給され、超電導ソース領域2および超電導ドレイン電極
3間の超電導チャネル10を流れる超電導電流をゲート電
極4に印加する電圧で制御する。
【0004】上記の超電導電界効果型素子では、超電導
チャネル10を流れる電流をゲート電極4に印加する電圧
で制御する。そのため、超電導チャネル10のゲート部分
の厚さは5nm程度にしなければならず、また、ゲート絶
縁層7の厚さも10〜15nmにしなければならない。一方、
この極薄の超電導チャネルは、結晶性がよく、特性が優
れた酸化物超電導薄膜で構成されていなければならな
い。これを実現するために、上記超電導電界効果型素子
では、Y1Ba2Cu37-X酸化物超電導体と、結晶構造が等
しく、格子定数が極めて近いPr1Ba2Cu37-yの層を基板
上に形成し、その上にY1Ba2Cu37-X酸化物超電導体で
超電導チャネルを形成している。このPr1Ba2Cu37-y
バッファ層により、基板と超電導チャネルとの間の相互
拡散が防止され、結晶の格子定数の不一致も解消され
る。よって、Pr1Ba2Cu37-yバッファ層上には、Y1Ba2
Cu37-X酸化物超電導薄膜が良好に二次元成長する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の超電導電界効果型素子では、後処理によってはPr1B
a2Cu37-y 層の低温における抵抗値が極めて小さくな
ることがある。また、Y1Ba2Cu37-X等一部の酸化物超
電導体が、Pr1Ba2Cu37-yと接して配置されると長距離
近接効果によりPr1Ba2Cu37-y層中を超電導電流が流れ
ることがある。従って、Pr1Ba2Cu37-yバッファ層と、
その上に配置されたY1Ba2Cu37-X酸化物超電導体の超
電導チャネルを有する従来の超電導電界効果型素子で
は、ゲート電極に印加された電圧により超電導チャネル
中に発生した空乏層が Pr1Ba2Cu37-yバッファ層に達
すると、 Pr1Ba2Cu37-yバッファ層の表面の一部が超
電導状態となる。すなわち、ゲートが閉じられている状
態でもバッファ層をバイパスして、ソース−ドレイン間
に超電導電流が流れ、完全なオン/オフ動作を実現する
ことが難しい。
【0006】そこで本発明の目的は、上記従来技術の問
題点を解決した新規な構成の超電導電界効果型素子を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、基板
と、この基板上に配置された酸化物超電導体で構成され
た超電導ソース領域および超電導ドレイン領域と、基板
上で超電導ソース領域および超電導ドレイン領域間に配
置され、酸化物超電導体で構成された超電導チャネル
と、超電導チャネル上にゲート絶縁層を介して配置さ
れ、超電導チャネルを流れる電流を制御するためのゲー
ト電圧が印加されるゲート電極とを備える超電導電界効
果型素子において、基板上の前記超電導電界効果型素子
全体の下側にBaxSr1-xTiO3 (0≦x≦1)で示される
材料のバッファ層を具備することを特徴とする超電導電
界効果型素子が提供される。
【0008】本発明の超電導電界効果型素子は、BaxSr
1-xTiO3 (0≦x≦1)のバッファ層の下にさらにPr1
Ba2Cu37-yバッファ層を備えることが好ましい。ま
た、本発明の超電導電界効果型素子は、基板が酸化物超
電導体で構成されていてもよい。
【0009】
【作用】本発明の超電導電界効果型素子は、超電導電界
効果型素子全体の下側にBaxSr1-xTiO3(0≦x≦1)
のバッファ層を具備するところにその主要な特徴があ
る。上記BaxSr1-xTiO3 は絶縁体であり、長距離近接効
果により超電導電流が流れるようなことがない。従っ
て、ゲート電極に適当な大きさの電圧を印加することに
より、超電導チャネルの電流を完全に遮断することがで
きる。
【0010】また、BaxSr1-xTiO3 の結晶の格子定数
は、酸化物超電導体の格子定数に近く、酸化物超電導体
との間での相互拡散も小さいのでバッファ層としての特
性も良好である。
【0011】本発明の超電導電界効果型素子では、上記
のBaxSr1-xTiO3 バッファ層の厚さは、10〜30nmが好ま
しい。厚さが10nm未満の場合、均一なバッファ層が形成
されないことがある。また、均一なバッファ層が形成で
きても、後述するよう下層にPr1Ba2Cu37-yバッファ層
が形成されている場合には、トンネル効果によりPr1Ba2
Cu37-y バッファ層中に超電導電流が流れることがあ
る。一方、BaxSr1-xTiO3バッファ層の厚さが、30nmを
越えていても、その効果は変わらず、却って平滑なバッ
ファ層を形成することが難しくなる。
【0012】また、本発明の超電導電界効果型素子で
は、上記のBaxSr1-xTiO3 バッファ層の下側に、さらに
Pr1Ba2Cu37-yバッファ層を備えることも好ましい。Pr
1Ba2Cu37-yバッファ層により、基板とBaxSr1-xTiO3
のバッファ層との間の相互拡散が防止され、良質なBaxS
r1-xTiO3 のバッファ層が形成できるからである。この
場合、Pr1Ba2Cu37-yバッファ層の厚さは10〜30nmが好
ましい。すなわち、本発明の超電導電界効果型素子にお
いては、Pr1Ba2Cu37-yバッファ層により、超電導チャ
ネルを形成する酸化物超電導薄膜の結晶性、超電導特性
が改善されているだけでなく、BaxSr1-xTiO3 バッファ
層によりPr1Ba2Cu37-yバッファ層へのリーク電流が防
止される。従って、従来のバッファ層を全く具備しない
超電導電界効果型素子およびPr1Ba2Cu37-yバッファ層
しか具備しない超電導電界効果型素子と比較して、各種
特性が向上している。
【0013】本発明の超電導電界効果型素子には、任意
の酸化物超電導体が使用できるが、Y1Ba2Cu37-X系酸
化物超電導体は安定的に高品質の結晶性のよい薄膜が得
られるので好ましい。また、Bi2Sr2Ca2Cu3x 系酸化物
超電導体は、特にその超電導臨界温度Tc が高いので好
ましい。また、本発明の超電導電界効果型素子に使用す
る基板としては、MgO、SrTiO3等の絶縁体基板の他、
適当なバッファ層を成膜面上に有するSi等の半導体基板
および酸化物超電導体基板が使用できる。本発明の超電
導電界効果型素子に酸化物超電導体基板を使用した場合
には、その構成が、GaAsMESFETと類似したものに
なり、超電導集積回路に応用することが容易になる。
【0014】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0015】
【実施例】
実施例1 本発明の超電導電界効果型素子を作製した。図1を参照
して、その工程を説明する。まず、図1(a)に示すよう
なSrTiO3(100)基板5上に図1(b) に示すようc
軸配向のPr1Ba2Cu37-yバッファ層20を成膜する。成膜
方法としては、MBE法、特に反応性共蒸着法が好まし
い。反応性共蒸着法で成膜を行う際の主な成膜条件を以
下に示す。 基板温度 700 ℃ 圧力 3×10-5Torr(基板近傍)(O3を70体積
%以上含んだO2) 蒸着源およびるつぼ温度 Pr: 1300 ℃ Ba: 620 ℃ Cu: 1000 ℃ 膜厚 10 nm Pr1Ba2Cu37-yバッファ層20の厚さは、その上に良質の
BaxSr1-xTiO3層が形成できる10〜30nmが好ましい。
【0016】次に、蒸着源をBaおよびTiに切り替えてPr
1Ba2Cu37-yバッファ層20上に、図1(c)に示すよう、B
aTiO3バッファ層21を連続して形成する。成膜条件を以
下に示す。 基板温度 500 ℃ 圧力 3×10-5Torr(基板近傍)(O3を70体積
%以上含んだO2) 蒸着源およびるつぼ温度 Ba: 600 ℃ Ti: 1500 ℃ 膜厚 30 nm
【0017】続いて、蒸着源をY、BaおよびCuに切り替
えて、BaTiO3バッファ層21上に、連続してc軸配向の
1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜1を図1(d) に示すよ
う、成膜する。Y1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜1の厚
さは、超電導チャネルに適当な5nm程度の厚さとする。
主な成膜条件を以下に示す。 基板温度 700 ℃ 圧力 3×10-5Torr(基板近傍)(O3を70体積
%以上含んだO2) 蒸着源およびるつぼ温度 Y: 1220 ℃ Ba: 620 ℃ Cu: 1000 ℃ 膜厚 5 nm
【0018】次に、図1(e) に示すよう、Y1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜1上に、ゲート絶縁層7をSrTiO3
で形成する。ゲート絶縁層7上に、Auでゲート電極4を
真空蒸着法で形成する。ゲート絶縁層7の厚さは、トン
ネル電流が流れないよう10nm以上の厚さにする必要があ
るが、厚すぎる場合には、ゲート電極に高い信号電圧を
印加しなければ超電導チャネル中を流れる超電導電流の
変調、制御を行うことができなくなる。従って、ゲート
絶縁層7の厚さは、100 nm以下とする。主な成膜条件を
以下に示す。 基板温度 500 ℃ 圧力 3×10-5Torr(基板近傍)(O3を70体積
%以上含んだO2) 蒸着源およびるつぼ温度 Sr: 600 ℃ Ti: 1500 ℃ 膜厚 15 nm
【0019】ゲート絶縁層7は、MgO、Si34、BaxSr
1-xTiO3 (0≦x≦1)でも形成することができる。
一方、ゲート電極4は、Au以外にPt、Ag等の貴金属、多
結晶Si、酸化物超電導体を使用してもよい。
【0020】最後に、図1(f) に示すようY1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜を反応性共蒸着法で成膜し、超電
導ソース領域2および超電導ドレイン領域3を形成す
る。Y1Ba2Cu37-X 酸化物超電導薄膜1の超電導ソー
ス領域2および超電導ドレイン領域3間の部分が、超電
導チャネル10となる。超電導ソース領域2および超電導
ドレイン領域3は、コンタクトを形成するのに十分な 1
00nm以上の厚さとすることが好ましい。また、垂直方向
に大きな電流を流すことができるa軸配向の酸化物超電
導薄膜で形成することが好ましい。a軸配向のY1Ba2Cu
37-X酸化物超電導薄膜の成膜条件を以下に示す。 基板温度 650 ℃ 圧力 3×10-5Torr(基板近傍)(O3を70体積
%以上含んだO2) 蒸着源およびるつぼ温度 Y: 1220 ℃ Ba: 620 ℃ Cu: 1000 ℃ 膜厚 300 nm
【0021】以上のように作製した本発明の超電導電界
効果型素子の特性を測定し、従来の超電導電界効果型素
子の特性と比較した。結果を図2(a)および(b)に示す。
図2(a)のグラフは、超電導電界効果型素子のゲート電
極に印加された電圧VGと超電導ソース領域および超電
導ドレイン領域間電流IDSとの関係を示したものであ
る。本発明の超電導電界効果型素子の特性は実線で、従
来の超電導電界効果型素子の特性は破線で示してある。
図2(a)からわかるよう、従来の超電導電界効果型素子
では、電圧VG をいくら上げても電流IDSが僅かに流れ
るが、本発明の超電導電界効果型素子は、電圧VG を上
げると電流IDSが完全に遮断される。従って、本発明の
超電導電界効果型素子は、電流遮断時の損失が少なく、
消費電力が小さい。図2(b)のグラフは、本発明の超電
導電界効果型素子のソース−ドレイン間の電流−電圧特
性を示す。図2(b)からわかるように、本発明の超電導
電界効果型素子のソース−ドレイン間の電流−電圧特性
は、理想的なものとなっている。
【0022】本実施例では、本発明の超電導電界効果型
素子の一例についてのみ説明したが、本発明の超電導電
界効果型素子の構成は、本実施例のものに限定されな
い。例えば、超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域は、超電導チャネルに超電導電流を効率よく絞り込め
るよう超電導チャネルから厚さが緩やかに変化する形状
とすることもできる。また、超電導チャネル、ゲート絶
縁層およびゲート電極は、製造工程でセルフアラインす
るように構成することもできる。
【0023】実施例2 本発明の別の超電導電界効果型素子を作製した。本実施
例の超電導電界効果型素子は、バッファ層21が、Ba0.3S
r0.7SrTiO3 で構成されている点が実施例1のものと異
なり、他の部分は実施例1の素子と等しい。従って、以
下の説明は、実施例1との相違点を中心に行う。まず、
図1(a)に示すようなSrTiO3(100)基板5上に図1
(b) に示すよう厚さ10nmのc軸配向のPr1Ba2Cu37-y
ッファ層20を反応性共蒸着法で成膜する。
【0024】次に、蒸着源をBa、SrおよびTiに切り替え
てPr1Ba2Cu37-yバッファ層20上に、図1(c)に示すよ
う、Ba0.3Sr0.7SrTiO3バッファ層21を連続して形成す
る。成膜条件を以下に示す。 基板温度 500 ℃ 圧力 3×10-5Torr(基板近傍)(O3を70体積
%以上含んだO2) 蒸着源およびるつぼ温度 Ba: 580 ℃ Sr: 590 ℃ Ti: 1500 ℃ 膜厚 30 nm
【0025】続いて、蒸着源をY、BaおよびCuに切り替
えて、Ba0.3Sr0.7SrTiO3 バッファ層21上に、連続して
c軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜1を図1
(d) に示すよう、成膜する。Y1Ba2Cu37-X酸化物超電
導薄膜1の厚さは、超電導チャネルに適当な5nm程度の
厚さとする。
【0026】次に、図1(e) に示すよう、Y1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜1上に、ゲート絶縁層7をSrTiO3
で形成する。ゲート絶縁層7上に、Auでゲート電極4を
真空蒸着法で形成する。ゲート絶縁層7の厚さは、トン
ネル電流が流れないよう10nm以上の厚さにする必要があ
るが、厚すぎる場合には、ゲート電極に高い信号電圧を
印加しなければ超電導チャネル中を流れる超電導電流の
変調、制御を行うことができなくなる。従って、ゲート
絶縁層7の厚さは、100 nm以下とする。ゲート絶縁層7
は、MgO、Si34、BaxSr1-xTiO3 (0≦x≦1)でも
形成することができる。一方、ゲート電極4は、Au以外
にPt、Ag等の貴金属、多結晶Si、酸化物超電導体を使用
してもよい。
【0027】最後に、図1(f) に示すようY1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜を反応性共蒸着法で成膜し、超電
導ソース領域2および超電導ドレイン領域3を形成す
る。Y1Ba2Cu37-X 酸化物超電導薄膜1のゲート電極
4の下側の部分が、超電導チャネル10となる。超電導ソ
ース領域2および超電導ドレイン領域3は、コンタクト
を形成するのに十分な 100nm以上の厚さとすることが好
ましい。また、垂直方向に大きな電流を流すことができ
るa軸配向の酸化物超電導薄膜で形成することが好まし
い。
【0028】以上のように作製した本発明の超電導電界
効果型素子の特性を測定したところ、実施例1の超電導
電界効果型素子と同様、ゲート電圧VG を上げると電流
DSが完全に遮断されることが確認された。また、本実
施例の超電導電界効果型素子のソース−ドレイン間の電
流−電圧特性も、実施例1の超電導電界効果型素子と同
様理想的なものとなっている。
【0029】本実施例では、本発明の超電導電界効果型
素子の一例についてのみ説明したが、本発明の超電導電
界効果型素子の構成は、本実施例のものに限定されな
い。例えば、超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域は、超電導チャネルに超電導電流を効率よく絞り込め
るよう超電導チャネルから厚さが緩やかに変化する形状
とすることもできる。また、超電導チャネル、ゲート絶
縁層およびゲート電極は、製造工程でセルフアラインす
るように構成することもできる。
【0030】実施例3 本発明のさらに別の超電導電界効果型素子を作製した。
本実施例の超電導電界効果型素子は、基板5が、Y1Ba2
Cu37-X酸化物超電導体で構成されている点が実施例2
のものと異なり、他の部分は実施例2の素子と等しい。
従って、以下の説明は、実施例1および2との相違点を
中心に行う。まず、図1(a)に示すようなY1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導体単結晶基板5の(001)面上に図
1(b) に示すよう厚さ10nmのc軸配向のPr1Ba2Cu37-y
バッファ層20を反応性共蒸着法で成膜する。Y1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導体単結晶基板5は、溶融法で作製し
た5mm角で厚さ0.5 mmのものを使用した。
【0031】次に、蒸着源をBa、SrおよびTiに切り替え
てPr1Ba2Cu37-yバッファ層20上に、図1(c)に示すよ
う、厚さ30nmのBa0.3Sr0.7SrTiO3バッファ層21を連続
して形成する。成膜条件は実施例2と等しい。
【0032】続いて、蒸着源をY、BaおよびCuに切り替
えて、Ba0.3Sr0.7SrTiO3 バッファ層21上に、連続して
c軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜1を図1
(d) に示すよう、成膜する。Y1Ba2Cu37-X酸化物超電
導薄膜1の厚さは、超電導チャネルに適当な5nm程度の
厚さとする。成膜条件は実施例1および2と等しい。
【0033】次に、図1(e) に示すよう、Y1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜1上に、ゲート絶縁層7をSrTiO3
で形成する。ゲート絶縁層7上に、Auでゲート電極4を
真空蒸着法で形成する。ゲート絶縁層7の厚さは、トン
ネル電流が流れないよう10nm以上の厚さにする必要があ
るが、厚すぎる場合には、ゲート電極に高い信号電圧を
印加しなければ超電導チャネル中を流れる超電導電流の
変調、制御を行うことができなくなる。従って、ゲート
絶縁層7の厚さは、100 nm以下とする。ゲート絶縁層7
は、MgO、Si34、BaxSr1-xTiO3 (0≦x≦1)でも
形成することができる。一方、ゲート電極4は、Au以外
にPt、Ag等の貴金属、多結晶Si、酸化物超電導体を使用
してもよい。
【0034】最後に、図1(f) に示すようY1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜を反応性共蒸着法で成膜し、超電
導ソース領域2および超電導ドレイン領域3を形成す
る。Y1Ba2Cu37-X 酸化物超電導薄膜1のゲート電極
4の下側の部分が、超電導チャネル10となる。超電導ソ
ース領域2および超電導ドレイン領域3は、コンタクト
を形成するのに十分な 100nm以上の厚さとすることが好
ましい。また、垂直方向に大きな電流を流すことができ
るa軸配向の酸化物超電導薄膜で形成することが好まし
い。
【0035】以上のように作製した本発明の超電導電界
効果型素子の特性を測定したところ、実施例1の超電導
電界効果型素子と同様、ゲート電圧VG を上げると電流
DSが完全に遮断されることが確認された。また、本実
施例の超電導電界効果型素子のソース−ドレイン間の電
流−電圧特性も、実施例1および2の超電導電界効果型
素子と同様理想的なものとなっている。
【0036】本実施例の超電導電界効果型素子は、Y1B
a2Cu37-X酸化物超電導体の基板を有し、その上に形成
されたバッファ層を利用して、活性領域および超電導電
極を形成している。この構成は、GaAs基板を使用したM
ESFETと似ており、超電導集積回路に有利に応用可
能である。
【0037】本実施例では、本発明の超電導電界効果型
素子の一例についてのみ説明したが、本発明の超電導電
界効果型素子の構成は、本実施例のものに限定されな
い。例えば、超電導ソース領域および超電導ドレイン領
域は、超電導チャネルに超電導電流を効率よく絞り込め
るよう超電導チャネルから厚さが緩やかに変化する形状
とすることもできる。また、超電導チャネル、ゲート絶
縁層およびゲート電極は、製造工程でセルフアラインす
るように構成することもできる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従えば、
新規な構成の超電導電界効果型素子が提供される。本発
明の超電導電界効果型素子は、ゲート電極に電圧を印加
してゲートを閉じているときに、リーク電流が流れない
ので従来の超電導電界効果型素子よりも優れた特性を示
す。また、消費電力も低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導電界効果型素子を作製する工程
を説明する図である。
【図2】本発明の超電導電界効果型素子の特性を示すグ
ラフである。
【図3】従来の超電導電界効果型素子の構成を説明する
図である。
【符号の説明】
1 酸化物超電導薄膜 2 超電導ソース領域 3 超電導ドレイン領域 4 ゲート電極 5 基板 7 ゲート絶縁層 10 超電導チャネル 20 Pr1Ba2Cu37-yバッファ層 21 BaxTi1-x3バッファ層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板上に配置された酸化物
    超電導体で構成された超電導ソース領域および超電導ド
    レイン領域と、基板上で超電導ソース領域および超電導
    ドレイン領域間に配置され、酸化物超電導体で構成され
    た超電導チャネルと、超電導チャネル上にゲート絶縁層
    を介して配置され、超電導チャネルを流れる電流を制御
    するためのゲート電圧が印加されるゲート電極とを備え
    る超電導電界効果型素子において、基板上の前記超電導
    電界効果型素子全体の下側にBaxSr1-xTiO3 (0≦x≦
    1)で示される材料のバッファ層を具備することを特徴
    とする超電導電界効果型素子。
  2. 【請求項2】 前記BaxSr1-xTiO3 (0≦x≦1)材料
    のバッファ層の下にさらにPr1Ba2Cu37-yバッファ層を
    備えることを特徴とする請求項1に記載の超電導電界効
    果型素子。
  3. 【請求項3】 前記基板が、酸化物超電導体で構成され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の超電
    導電界効果型素子。
JP7191261A 1994-07-04 1995-07-04 超電導電界効果型素子 Withdrawn JPH0878743A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7191261A JPH0878743A (ja) 1994-07-04 1995-07-04 超電導電界効果型素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17475794 1994-07-04
JP6-174757 1994-07-04
JP7191261A JPH0878743A (ja) 1994-07-04 1995-07-04 超電導電界効果型素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0878743A true JPH0878743A (ja) 1996-03-22

Family

ID=26496252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7191261A Withdrawn JPH0878743A (ja) 1994-07-04 1995-07-04 超電導電界効果型素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0878743A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100433623B1 (ko) * 2001-09-17 2004-05-31 한국전자통신연구원 급격한 금속-절연체 상전이를 이용한 전계 효과 트랜지스터

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100433623B1 (ko) * 2001-09-17 2004-05-31 한국전자통신연구원 급격한 금속-절연체 상전이를 이용한 전계 효과 트랜지스터
USRE42530E1 (en) 2001-09-17 2011-07-12 Electronics And Telecommunications Research Institute Device using a metal-insulator transition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0834321B2 (ja) 反転misfet構造を有する超伝導電界効果トランジスタの製造方法
JPH05251777A (ja) 超電導電界効果型素子およびその作製方法
JPH0878743A (ja) 超電導電界効果型素子
US5861361A (en) Superconducting field effect device having a superconducting channel and method for manufacturing the same
JP2680960B2 (ja) 超電導電界効果型素子およびその作製方法
JP2680949B2 (ja) 超電導電界効果型素子の作製方法
JP2680954B2 (ja) 超電導電界効果型素子
JP2680961B2 (ja) 超電導電界効果型素子およびその作製方法
JP2680959B2 (ja) 超電導電界効果型素子およびその作製方法
JP2691065B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2730368B2 (ja) 超電導電界効果型素子およびその作製方法
JP2599498B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2614939B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2641976B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2641978B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2647251B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2599500B2 (ja) 超電導素子および作製方法
EP0691690B1 (en) Superconducting device having a superconducting channel formed of oxide superconductor material
JP2597743B2 (ja) 超電導素子の作製方法
JP2667289B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2641966B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2738144B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP3212141B2 (ja) 超伝導素子
JPH05152628A (ja) 超電導電界効果型素子およびその作製方法
JPH07131081A (ja) 超電導電界効果型素子およびその作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021001