JPH05291638A - 超伝導素子 - Google Patents
超伝導素子Info
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- JPH05291638A JPH05291638A JP4092646A JP9264692A JPH05291638A JP H05291638 A JPH05291638 A JP H05291638A JP 4092646 A JP4092646 A JP 4092646A JP 9264692 A JP9264692 A JP 9264692A JP H05291638 A JPH05291638 A JP H05291638A
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Landscapes
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- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 A-B-Cu-O系系の薄い膜厚の超伝導層を形成
し、その表面に非超伝導層を積層した構造とすることに
より、均一で安定な超伝導層を得る 【構成】 非超伝導性表面からなる基板10上に極薄の
超伝導薄膜11を形成し、さらにこの薄膜の一部に接し
て非超伝導薄膜14を形成し、この非超伝導薄膜を介し
て前記超伝導薄膜の一部に電界、あるいは準粒子電流を
印加できる導電性電極15を形成する。超伝導薄膜11
をA-B-Cu-O系[但し、A はIIa 族元素、B はSc,Y,La,及
びLa系列元素、A 及びB 元素とCu元素の濃度は、0.5 ≦
(A+B)/Cu≦2.5 の範囲]層状金属酸化物超伝導体により
形成し、そのc軸を基体に垂直に結晶化させる。
し、その表面に非超伝導層を積層した構造とすることに
より、均一で安定な超伝導層を得る 【構成】 非超伝導性表面からなる基板10上に極薄の
超伝導薄膜11を形成し、さらにこの薄膜の一部に接し
て非超伝導薄膜14を形成し、この非超伝導薄膜を介し
て前記超伝導薄膜の一部に電界、あるいは準粒子電流を
印加できる導電性電極15を形成する。超伝導薄膜11
をA-B-Cu-O系[但し、A はIIa 族元素、B はSc,Y,La,及
びLa系列元素、A 及びB 元素とCu元素の濃度は、0.5 ≦
(A+B)/Cu≦2.5 の範囲]層状金属酸化物超伝導体により
形成し、そのc軸を基体に垂直に結晶化させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高臨界温度を有する酸
化物超伝導体薄膜により形成した超伝導素子に関するも
のである。
化物超伝導体薄膜により形成した超伝導素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高温超伝導体として、Muller等によりペ
ロブスカイト類型構造の酸化物超伝導体がすでに提案さ
れている。それ以後種々の酸化物系で超伝導性の確認が
なされ、主体成分が、アルカリ土類元素 (A)、希土類元
素 (Ln) 、銅 (Cu) の酸化物からなる高温金属酸化物超
伝導体は、30K程度の超伝導臨界温度をもつというこ
とが発見された。詳細な解析の結果、この物質は層状構
造をとり、そのほとんどのものがペロブスカイト構造ユ
ニット(A,Ln)CuO3 を、隣接する絶縁ブロック
層で挟んだ二次元構造となっている。代表的な物質とし
て Y-Ba-Cu-O、 Bi-Sr-Ca-Cu-O、Ti-Ba-Ca-Cu-O 系が知
られており、それぞれの超伝導臨界温度はほぼ92K,
115K,125Kが得られている。
ロブスカイト類型構造の酸化物超伝導体がすでに提案さ
れている。それ以後種々の酸化物系で超伝導性の確認が
なされ、主体成分が、アルカリ土類元素 (A)、希土類元
素 (Ln) 、銅 (Cu) の酸化物からなる高温金属酸化物超
伝導体は、30K程度の超伝導臨界温度をもつというこ
とが発見された。詳細な解析の結果、この物質は層状構
造をとり、そのほとんどのものがペロブスカイト構造ユ
ニット(A,Ln)CuO3 を、隣接する絶縁ブロック
層で挟んだ二次元構造となっている。代表的な物質とし
て Y-Ba-Cu-O、 Bi-Sr-Ca-Cu-O、Ti-Ba-Ca-Cu-O 系が知
られており、それぞれの超伝導臨界温度はほぼ92K,
115K,125Kが得られている。
【0003】一方、超伝導3端子素子は従来の金属超伝
導材料を用いてその原理が研究され、素子の試作実験が
なされた。代表的なものとしては半導体ー超伝導体を接
合したジョセフソン電界効果素子(JOFET)、超伝
導薄膜をトランジスタのベース電極に使用するSUBS
IT、非平衡超伝導状態を制御するQUITERONな
どが提案され、超高速スイッチ、超高周波信号処理など
として期待されている。これらのデバイスは精力的に試
作評価がなされたが、期待通りの特性は現在のところま
だ得られていない。
導材料を用いてその原理が研究され、素子の試作実験が
なされた。代表的なものとしては半導体ー超伝導体を接
合したジョセフソン電界効果素子(JOFET)、超伝
導薄膜をトランジスタのベース電極に使用するSUBS
IT、非平衡超伝導状態を制御するQUITERONな
どが提案され、超高速スイッチ、超高周波信号処理など
として期待されている。これらのデバイスは精力的に試
作評価がなされたが、期待通りの特性は現在のところま
だ得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超伝導体は基本的には
電気抵抗がゼロとなる物理現象であり、電界を印加でき
ない。しかし磁束が侵入している第2種超伝導状態で
は、部分的に超伝導が壊れており、電界が印加される。
この電界により超伝導体中の準粒子が電気的影響を受
け、電界効果がえられる可能性がある。金属超伝導体の
場合、電荷担体密度が大きく、通常の半導体のように電
界効果が得られにくい。それ故、超伝導体と導電体を接
合し、超伝導体からの超伝導近接効果を用いて、この導
電体に超伝導体中の超伝導電子を沁み出させて、電界効
果が有効である構造とした素子が提案されている。この
例では、電界効果を効率よく生じさせるために、導電体
を電荷担体密度の小さい半導体材料で構成される場合が
多い。このような素子においては半導体と超伝導体の接
合面で電子の反射が起こり、高周波電流特性に影響を与
えることが示されている。しかしながらこのような超伝
導素子に関する問題はまだまだ不明な点が多く、実際に
高性能が得られるかどうか明確ではない。高温超伝導材
料は電荷担体の密度が小さく、第2種超伝導体の特性を
持っているので、この電界効果が期待されている。
電気抵抗がゼロとなる物理現象であり、電界を印加でき
ない。しかし磁束が侵入している第2種超伝導状態で
は、部分的に超伝導が壊れており、電界が印加される。
この電界により超伝導体中の準粒子が電気的影響を受
け、電界効果がえられる可能性がある。金属超伝導体の
場合、電荷担体密度が大きく、通常の半導体のように電
界効果が得られにくい。それ故、超伝導体と導電体を接
合し、超伝導体からの超伝導近接効果を用いて、この導
電体に超伝導体中の超伝導電子を沁み出させて、電界効
果が有効である構造とした素子が提案されている。この
例では、電界効果を効率よく生じさせるために、導電体
を電荷担体密度の小さい半導体材料で構成される場合が
多い。このような素子においては半導体と超伝導体の接
合面で電子の反射が起こり、高周波電流特性に影響を与
えることが示されている。しかしながらこのような超伝
導素子に関する問題はまだまだ不明な点が多く、実際に
高性能が得られるかどうか明確ではない。高温超伝導材
料は電荷担体の密度が小さく、第2種超伝導体の特性を
持っているので、この電界効果が期待されている。
【0005】一方超伝導体に流れる超伝導電流は、この
超伝導体に準粒子電流を注入して超伝導を非平衡状態に
おくことによって制御可能である。高温超伝導材料の場
合は電荷単体の密度が小さいのでこの非平衡の効果が期
待されるが、効果的に電流注入による超伝導特性を制御
した例は少ない。
超伝導体に準粒子電流を注入して超伝導を非平衡状態に
おくことによって制御可能である。高温超伝導材料の場
合は電荷単体の密度が小さいのでこの非平衡の効果が期
待されるが、効果的に電流注入による超伝導特性を制御
した例は少ない。
【0006】現在、さまざまな構造の高温超伝導電界効
果素子、及び準粒子電流注入型素子が3端子素子として
検討されているが、いまだ実用的なものは得られていな
い。本発明は前記従来技術の問題を解決するため、均一
で安定な超伝導層を得ること、およびこの超伝導層を用
いて素子作成の均一性、安定性、信頼性の高い超伝導素
子を提供することを目的とする。
果素子、及び準粒子電流注入型素子が3端子素子として
検討されているが、いまだ実用的なものは得られていな
い。本発明は前記従来技術の問題を解決するため、均一
で安定な超伝導層を得ること、およびこの超伝導層を用
いて素子作成の均一性、安定性、信頼性の高い超伝導素
子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の超伝導素子は、非超伝導性表面
からなる基板上に超伝導薄膜を形成し、さらに前記超伝
導薄膜の一部に接して高抵抗非超伝導薄膜を形成し、前
記高抵抗非超伝導薄膜を介して前記超伝導薄膜の一部に
電界を印加できる導電性電極を形成した超伝導素子にお
いて、前記超伝導薄膜の主成分がA−B−Cu−Oの複
合化合物を含む金属酸化物であることを特徴とする。
[但し、AはIIa族元素のうちの少なくとも一種、Bは
Sc,Y,LaおよびLa系列元素(原子番号57〜7
1、但し58、59、61を除く)のうち少なくとも一
種であり、かつAおよびB元素とCu元素の濃度は、
0.5≦(A+B)/Cu≦2.5の範囲である。]次
に本発明の第2番目の超伝導素子は、非超伝導性表面か
らなる基板上に超伝導薄膜を形成し、さらに前記超伝導
薄膜の一部に接して導電性非超伝導薄膜を形成し、前記
導電性非超伝導薄膜を介して前記超伝導薄膜の一部に電
流を印加できる導電性電極を形成した超伝導素子におい
て、前記超伝導薄膜の主成分がA−B−Cu−Oの複合
化合物を含む金属酸化物超伝導体であることを特徴とす
る超伝導素子。[但し、AはIIa族元素のうちの少なく
とも一種、BはSc,Y,LaおよびLa系列元素(原
子番号57〜71、但し58、59、61を除く)のう
ち少なくとも一種であり、かつAおよびB元素とCu元
素の濃度は、0.5≦(A+B)/Cu≦2.5の範囲
である。]前記本発明の第1〜2番目の超伝導素子の構
成においては、主成分がA−B−Cu−Oの複合化合物
を含む金属酸化物超伝導体が層状結晶構造を有し、その
層状結晶層が前記基板の表面とほぼ平行に形成されてい
ることが好ましい。
め、本発明の第1番目の超伝導素子は、非超伝導性表面
からなる基板上に超伝導薄膜を形成し、さらに前記超伝
導薄膜の一部に接して高抵抗非超伝導薄膜を形成し、前
記高抵抗非超伝導薄膜を介して前記超伝導薄膜の一部に
電界を印加できる導電性電極を形成した超伝導素子にお
いて、前記超伝導薄膜の主成分がA−B−Cu−Oの複
合化合物を含む金属酸化物であることを特徴とする。
[但し、AはIIa族元素のうちの少なくとも一種、Bは
Sc,Y,LaおよびLa系列元素(原子番号57〜7
1、但し58、59、61を除く)のうち少なくとも一
種であり、かつAおよびB元素とCu元素の濃度は、
0.5≦(A+B)/Cu≦2.5の範囲である。]次
に本発明の第2番目の超伝導素子は、非超伝導性表面か
らなる基板上に超伝導薄膜を形成し、さらに前記超伝導
薄膜の一部に接して導電性非超伝導薄膜を形成し、前記
導電性非超伝導薄膜を介して前記超伝導薄膜の一部に電
流を印加できる導電性電極を形成した超伝導素子におい
て、前記超伝導薄膜の主成分がA−B−Cu−Oの複合
化合物を含む金属酸化物超伝導体であることを特徴とす
る超伝導素子。[但し、AはIIa族元素のうちの少なく
とも一種、BはSc,Y,LaおよびLa系列元素(原
子番号57〜71、但し58、59、61を除く)のう
ち少なくとも一種であり、かつAおよびB元素とCu元
素の濃度は、0.5≦(A+B)/Cu≦2.5の範囲
である。]前記本発明の第1〜2番目の超伝導素子の構
成においては、主成分がA−B−Cu−Oの複合化合物
を含む金属酸化物超伝導体が層状結晶構造を有し、その
層状結晶層が前記基板の表面とほぼ平行に形成されてい
ることが好ましい。
【0008】また同構成においては、金属酸化物超伝導
薄膜の厚みが100オングストローム以下であることが
好ましい。さらに同構成においては、金属酸化物超伝導
薄膜の主成分がBi−Sr−Ca−Cu−Oの複合化合
物を含むことが好ましい。
薄膜の厚みが100オングストローム以下であることが
好ましい。さらに同構成においては、金属酸化物超伝導
薄膜の主成分がBi−Sr−Ca−Cu−Oの複合化合
物を含むことが好ましい。
【0009】
【作用】前記した本発明の第1〜2番目の超伝導素子の
構成によれば、A−B−Cu−O系の薄い膜厚の超伝導
層を形成し、その表面に非超伝導層を積層した構造とし
たことにより、超伝導薄膜の結晶構造と形成の特性を利
用して均一で安定な超伝導層を得ることができる。この
結果、均一性、安定性、信頼性の高い超伝導素子を得る
ことができる。
構成によれば、A−B−Cu−O系の薄い膜厚の超伝導
層を形成し、その表面に非超伝導層を積層した構造とし
たことにより、超伝導薄膜の結晶構造と形成の特性を利
用して均一で安定な超伝導層を得ることができる。この
結果、均一性、安定性、信頼性の高い超伝導素子を得る
ことができる。
【0010】また、主成分がA−B−Cu−Oの複合化
合物を含む金属酸化物超伝導体が層状結晶構造を有し、
その層状結晶層が前記基板の表面とほぼ平行に形成され
ているという本発明の好ましい構成よれば、ペロブスカ
イト結晶を絶縁結晶層で挟み込んだ構造を利用して、基
板表面上にc軸配向性の超薄膜を形成することができ
る。これによりさらに優れた均一性、安定性、信頼性の
高い超伝導素子を得ることができる。
合物を含む金属酸化物超伝導体が層状結晶構造を有し、
その層状結晶層が前記基板の表面とほぼ平行に形成され
ているという本発明の好ましい構成よれば、ペロブスカ
イト結晶を絶縁結晶層で挟み込んだ構造を利用して、基
板表面上にc軸配向性の超薄膜を形成することができ
る。これによりさらに優れた均一性、安定性、信頼性の
高い超伝導素子を得ることができる。
【0011】また、金属酸化物超伝導薄膜の厚みが10
0オングストローム以下であるという本発明の好ましい
構成によれば、良好な超伝導特性を示し、この極薄の薄
膜の一部に電界を印加する、または準粒子電流を注入す
ることなどの手段により、薄膜を流れる超伝導電流を効
率よく制御できる。
0オングストローム以下であるという本発明の好ましい
構成によれば、良好な超伝導特性を示し、この極薄の薄
膜の一部に電界を印加する、または準粒子電流を注入す
ることなどの手段により、薄膜を流れる超伝導電流を効
率よく制御できる。
【0012】さらに、金属酸化物超伝導薄膜の主成分が
Bi−Sr−Ca−Cu−Oの複合化合物を含むという
本発明の好ましい構成によれば、素子材料としてさらに
優れたものとすることができる。
Bi−Sr−Ca−Cu−Oの複合化合物を含むという
本発明の好ましい構成によれば、素子材料としてさらに
優れたものとすることができる。
【0013】
【実施例】以下一実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。本実施例は非超伝導性表面からなる基板上
に超伝導薄膜を形成し、さらにこの薄膜の一部に接して
非超伝導薄膜を形成し、この非超伝導薄膜を介して前記
超伝導薄膜の一部に電界を印加できる、あるいは準粒子
電流を注入できる導電性電極を形成した超伝導素子に於
て、前記超伝導薄膜をその主成分がA−B−Cu−Oの
複合化合物からなる金属酸化物超伝導体により形成し、
この金属酸化物超伝導体材料の結晶的特性である層状結
晶構造を利用して超伝導体の超薄膜を形成し、この超薄
膜に電界を印加するかまたは準粒子電流を注入できる構
造の超伝導素子としたものである。
に説明する。本実施例は非超伝導性表面からなる基板上
に超伝導薄膜を形成し、さらにこの薄膜の一部に接して
非超伝導薄膜を形成し、この非超伝導薄膜を介して前記
超伝導薄膜の一部に電界を印加できる、あるいは準粒子
電流を注入できる導電性電極を形成した超伝導素子に於
て、前記超伝導薄膜をその主成分がA−B−Cu−Oの
複合化合物からなる金属酸化物超伝導体により形成し、
この金属酸化物超伝導体材料の結晶的特性である層状結
晶構造を利用して超伝導体の超薄膜を形成し、この超薄
膜に電界を印加するかまたは準粒子電流を注入できる構
造の超伝導素子としたものである。
【0014】酸化物超伝導材料を利用して、従来提案さ
れている超伝導素子を形成する場合、超伝導体の一部に
電界を印加する、あるいは準粒子電流を注入するために
超伝導体を薄膜化する必要があった。しかしながらこの
ような薄膜を用いた実験は、高温超伝導体の電荷担体密
度が金属超伝導体に比べて小さいとは云うものの、高温
超伝導体の超伝導メカニズムが未だ不明であること、電
界を印加する電極を、この超伝導薄膜に対して非超伝導
層を介して均一に形成することなどの、各種問題があ
り、信頼に足る結果が得られていなかった。
れている超伝導素子を形成する場合、超伝導体の一部に
電界を印加する、あるいは準粒子電流を注入するために
超伝導体を薄膜化する必要があった。しかしながらこの
ような薄膜を用いた実験は、高温超伝導体の電荷担体密
度が金属超伝導体に比べて小さいとは云うものの、高温
超伝導体の超伝導メカニズムが未だ不明であること、電
界を印加する電極を、この超伝導薄膜に対して非超伝導
層を介して均一に形成することなどの、各種問題があ
り、信頼に足る結果が得られていなかった。
【0015】本発明者らは、この超伝導薄膜の形成を高
温金属酸化物超伝導体の結晶構造を利用して行なうこと
により、効果の大きな素子構造とする事に成功した。つ
まり、本発明で見い出した高温金属酸化物超伝導体は、
ペロブスカイト結晶を絶縁結晶層で挟み込んだ構造を利
用して、基板表面上にc軸配向性の超薄膜を形成した。
この薄膜は、その厚みが100オングストローム以下で
も良好な超伝導特性を示し、そのような極薄の薄膜の一
部に電界を印加したり、準粒子電流を注入することで、
薄膜を流れる超伝導電流を効率よく制御できることを見
い出した。この場合、なぜこのような極薄の膜を用いる
と効率がよいのかは定かではないが、電界効果の場合に
は、超伝導部分と非超伝導部分が混在した極薄の薄膜に
流れる準粒子電流が電界により制御され、これにより超
伝導状態が非平衡となり、結果として超伝導電流が制御
されるものと考えられ、準粒子電流を注入する場合に
は、極薄の超伝導薄膜中の準粒子の密度の変化が大きく
なりその効果が大きくなると考えられる。膜厚は薄い程
よいが、10オングストローム程度となると、その薄膜
を形成する基板表面の荒さが問題になるので、通常は難
しい。
温金属酸化物超伝導体の結晶構造を利用して行なうこと
により、効果の大きな素子構造とする事に成功した。つ
まり、本発明で見い出した高温金属酸化物超伝導体は、
ペロブスカイト結晶を絶縁結晶層で挟み込んだ構造を利
用して、基板表面上にc軸配向性の超薄膜を形成した。
この薄膜は、その厚みが100オングストローム以下で
も良好な超伝導特性を示し、そのような極薄の薄膜の一
部に電界を印加したり、準粒子電流を注入することで、
薄膜を流れる超伝導電流を効率よく制御できることを見
い出した。この場合、なぜこのような極薄の膜を用いる
と効率がよいのかは定かではないが、電界効果の場合に
は、超伝導部分と非超伝導部分が混在した極薄の薄膜に
流れる準粒子電流が電界により制御され、これにより超
伝導状態が非平衡となり、結果として超伝導電流が制御
されるものと考えられ、準粒子電流を注入する場合に
は、極薄の超伝導薄膜中の準粒子の密度の変化が大きく
なりその効果が大きくなると考えられる。膜厚は薄い程
よいが、10オングストローム程度となると、その薄膜
を形成する基板表面の荒さが問題になるので、通常は難
しい。
【0016】以下、図面を用いて具体的な実施例を説明
する。図1(a)〜(b)は本発明の一実施例を示す超
伝導素子構造である。前述のように金属酸化物超伝導体
において、Y-Ba-Cu-O 、Bi-Sr-Ca-Cu-O 、Tl-Ba-Ca-Cu-
O などが超伝導体として確認されている。これらの特徴
としては、Cu-O層を含む結晶であり、その結晶構造は層
状構造である。これらのうち Bi-Sr-Ca-Cu-O材料は、超
伝導特性においても結晶構造においても2次元性が強
く、本発明の効果を得やすい。この材料の結晶構造を模
式的に示すと図2のようになる。この図2では Bi-O 層
23の間に薄い Sr-Ca-Cu-O 層24中にCu-O層を2面含
むBi2 Sr2 CaCu2 Ox の2面構造21と、厚い
Sr-Ca-Cu-O 層25中にCu-O 層を3面含むBi2 Sr
2 Ca2 Cu3 Ox の3面構造22を示した。以下では
この材料系を例にとって説明する。
する。図1(a)〜(b)は本発明の一実施例を示す超
伝導素子構造である。前述のように金属酸化物超伝導体
において、Y-Ba-Cu-O 、Bi-Sr-Ca-Cu-O 、Tl-Ba-Ca-Cu-
O などが超伝導体として確認されている。これらの特徴
としては、Cu-O層を含む結晶であり、その結晶構造は層
状構造である。これらのうち Bi-Sr-Ca-Cu-O材料は、超
伝導特性においても結晶構造においても2次元性が強
く、本発明の効果を得やすい。この材料の結晶構造を模
式的に示すと図2のようになる。この図2では Bi-O 層
23の間に薄い Sr-Ca-Cu-O 層24中にCu-O層を2面含
むBi2 Sr2 CaCu2 Ox の2面構造21と、厚い
Sr-Ca-Cu-O 層25中にCu-O 層を3面含むBi2 Sr
2 Ca2 Cu3 Ox の3面構造22を示した。以下では
この材料系を例にとって説明する。
【0017】この薄膜の作成は高周波マグネトロンスパ
ッタ装置を用いて行なった。スパッタリングターゲット
は、Bi2.3 Sr2 CaCu2.1 Ox の直径60mmの
円盤とした。650℃に加熱した MgO単結晶 (100)面基
体上に、60Wのスパッタリング放電を行なうことで結
晶性のよいc軸配向性薄膜を作成した。約30分で40
0オングストローム程度のBi2 Sr2 CaCu2 Ox
薄膜が形成された。この薄膜の超伝導転移温度は70K
であった。このような薄膜は、表面が原子のスケールで
平坦となっていることが透過電子顕微鏡で確認され、c
軸が垂直に配向し MgO基体と結晶方位の揃ったエピタキ
シャル薄膜であることが反射電子線回折で確認できた。
ッタ装置を用いて行なった。スパッタリングターゲット
は、Bi2.3 Sr2 CaCu2.1 Ox の直径60mmの
円盤とした。650℃に加熱した MgO単結晶 (100)面基
体上に、60Wのスパッタリング放電を行なうことで結
晶性のよいc軸配向性薄膜を作成した。約30分で40
0オングストローム程度のBi2 Sr2 CaCu2 Ox
薄膜が形成された。この薄膜の超伝導転移温度は70K
であった。このような薄膜は、表面が原子のスケールで
平坦となっていることが透過電子顕微鏡で確認され、c
軸が垂直に配向し MgO基体と結晶方位の揃ったエピタキ
シャル薄膜であることが反射電子線回折で確認できた。
【0018】一方蒸着条件を変化させてc軸が基体表面
に垂直でない結晶方位をもつBi2Sr2 CaCu2 O
x 薄膜が形成できるが、この場合は表面の平滑性が悪
く、50オングストローム程度の膜厚の薄膜を形成しよ
うとしても機械的なピンホールが形成されてしまい、薄
膜としての超伝導特性も極端に劣化してしまうことがわ
かった。
に垂直でない結晶方位をもつBi2Sr2 CaCu2 O
x 薄膜が形成できるが、この場合は表面の平滑性が悪
く、50オングストローム程度の膜厚の薄膜を形成しよ
うとしても機械的なピンホールが形成されてしまい、薄
膜としての超伝導特性も極端に劣化してしまうことがわ
かった。
【0019】本実施例の素子の作成は、まず MgO基板を
基体10に用い、アルゴンガスと0.1Pa以上の分圧
の酸素ガスを導入して、およそ4分間蒸着することによ
り、およそ50オングストロームのBi2 Sr2 CaC
u2 Ox 薄膜を形成した。基体としてはSrTiO3 、
LaAlO3 、LaGaO3 などのペロブスカイト単結
晶が使用できる。この超伝導層11を成膜後、ひき続き
同一真空槽内で非超伝導層を形成する。この非超伝導層
14は電界効果を利用する場合はその上に形成する導電
性電極の抵抗率に比較して十分大きな抵抗をもつ高抵抗
薄膜であれば使用可能であり、また準粒子電流注入効果
を利用する場合は導電性電極と同程度の低抵抗率のもの
が望ましいが、いずれにしても超伝導薄膜との界面反応
の小さなものを選択することがのぞましい。
基体10に用い、アルゴンガスと0.1Pa以上の分圧
の酸素ガスを導入して、およそ4分間蒸着することによ
り、およそ50オングストロームのBi2 Sr2 CaC
u2 Ox 薄膜を形成した。基体としてはSrTiO3 、
LaAlO3 、LaGaO3 などのペロブスカイト単結
晶が使用できる。この超伝導層11を成膜後、ひき続き
同一真空槽内で非超伝導層を形成する。この非超伝導層
14は電界効果を利用する場合はその上に形成する導電
性電極の抵抗率に比較して十分大きな抵抗をもつ高抵抗
薄膜であれば使用可能であり、また準粒子電流注入効果
を利用する場合は導電性電極と同程度の低抵抗率のもの
が望ましいが、いずれにしても超伝導薄膜との界面反応
の小さなものを選択することがのぞましい。
【0020】超伝導膜形成後、基板温度を室温に下げ、
酸素ガスとアルゴンのガス圧を調整して厚さ500オン
グストローム程度の非超伝導層をを形成する。この非超
伝導層は、前述のスパッタリング技術により形成するの
が簡便であるが、均質で一様な膜が得られるすべての方
法が利用可能である。また材料は均一な薄膜が形成で
き、長期的に安定であるすべてのものが使用できる。こ
こでは電界効果素子用としてAlx Oy のアモルファス
薄膜を形成した。この材料は酸素ガスによりスパッタ蒸
着することでその抵抗率を増すことができ、また、酸素
ガス条件が適切でない場合も、超伝導膜の表面層の酸素
を均一に吸収して均一な自然高抵抗層を形成することを
発明者らは見いだした。さらにこの後、酸素ガスを排気
して、純アルゴンガスをスパッタガスとして用い、ゲー
ト電極として同一真空層内で白金を蒸着した。
酸素ガスとアルゴンのガス圧を調整して厚さ500オン
グストローム程度の非超伝導層をを形成する。この非超
伝導層は、前述のスパッタリング技術により形成するの
が簡便であるが、均質で一様な膜が得られるすべての方
法が利用可能である。また材料は均一な薄膜が形成で
き、長期的に安定であるすべてのものが使用できる。こ
こでは電界効果素子用としてAlx Oy のアモルファス
薄膜を形成した。この材料は酸素ガスによりスパッタ蒸
着することでその抵抗率を増すことができ、また、酸素
ガス条件が適切でない場合も、超伝導膜の表面層の酸素
を均一に吸収して均一な自然高抵抗層を形成することを
発明者らは見いだした。さらにこの後、酸素ガスを排気
して、純アルゴンガスをスパッタガスとして用い、ゲー
ト電極として同一真空層内で白金を蒸着した。
【0021】その後、フォトレジストを用いたフォトリ
ソグラフィー、およびイオンミリングにより、ゲート非
超伝導層14、及びゲート電極15、さらにはソース電
極とドレイン電極のためのコンタクト穴を形成した。こ
のときイオンミリングにより超伝導層の表面が一部ミリ
ングされるが電気的な接触は問題なく得られる。これら
プロセスにおけるフォトレジストを除去した後、最後
に、メタルマスクを用い200nmの金をコンタクト電
極として高周波マグネトロンスパッタリング法により堆
積させソース電極、およびドレイン電極とした。これら
ソース電極、およびドレイン電極は、極薄超伝導薄膜を
形成する前に基体表面に予め形成しておいてもよい。こ
の場合の素子構造を図1(b)で示す。
ソグラフィー、およびイオンミリングにより、ゲート非
超伝導層14、及びゲート電極15、さらにはソース電
極とドレイン電極のためのコンタクト穴を形成した。こ
のときイオンミリングにより超伝導層の表面が一部ミリ
ングされるが電気的な接触は問題なく得られる。これら
プロセスにおけるフォトレジストを除去した後、最後
に、メタルマスクを用い200nmの金をコンタクト電
極として高周波マグネトロンスパッタリング法により堆
積させソース電極、およびドレイン電極とした。これら
ソース電極、およびドレイン電極は、極薄超伝導薄膜を
形成する前に基体表面に予め形成しておいてもよい。こ
の場合の素子構造を図1(b)で示す。
【0022】このような超伝導素子の超伝導薄膜の厚み
を変化させて、ゲート電極に印加した電界、あるいは準
粒子電流が超伝導薄膜中を流れる超伝導電流にどの様に
影響するかを詳細に調べた結果、超伝導薄膜中を流れる
超伝導電流の変化が確認できた。
を変化させて、ゲート電極に印加した電界、あるいは準
粒子電流が超伝導薄膜中を流れる超伝導電流にどの様に
影響するかを詳細に調べた結果、超伝導薄膜中を流れる
超伝導電流の変化が確認できた。
【0023】以上の結果は、薄膜形成時の表面形状、お
よび結晶性のデータより層状ペロブスカイト構造を持つ
金属酸化物超伝導体に共通であることは容易に想像で
き、それ故、本実施例の構造を適用することにより、3
端子超伝導素子を実現できることは明らかである。
よび結晶性のデータより層状ペロブスカイト構造を持つ
金属酸化物超伝導体に共通であることは容易に想像で
き、それ故、本実施例の構造を適用することにより、3
端子超伝導素子を実現できることは明らかである。
【0024】以上説明したように、本実施例の超伝導素
子は極薄の超伝導層をc軸配向の結晶として形成し、そ
の表面に非超伝導層を積層した構造であり、超伝導薄膜
の結晶構造と形成の特性を利用して均一で安定な超伝導
層を得ることができるため、素子作成の均一性、安定性
に優れ、信頼性の高い優れた超伝導素子を製造できる効
果がある。
子は極薄の超伝導層をc軸配向の結晶として形成し、そ
の表面に非超伝導層を積層した構造であり、超伝導薄膜
の結晶構造と形成の特性を利用して均一で安定な超伝導
層を得ることができるため、素子作成の均一性、安定性
に優れ、信頼性の高い優れた超伝導素子を製造できる効
果がある。
【0025】また本実施例の超伝導素子は、低消費電力
のスイッチング素子や、非線形性、あるいは超伝導体に
特有の量子効果を利用した高感度の高周波のミキサーと
しても利用できる。さらにこの素子は基本的に3端子素
子であり、トランジスタ動作が可能であるので現在半導
体素子により実現されている高集積電子回路を容易に構
成できるものである。
のスイッチング素子や、非線形性、あるいは超伝導体に
特有の量子効果を利用した高感度の高周波のミキサーと
しても利用できる。さらにこの素子は基本的に3端子素
子であり、トランジスタ動作が可能であるので現在半導
体素子により実現されている高集積電子回路を容易に構
成できるものである。
【0026】これらの点だけでも本実施例の超伝導素子
は、計算機応用、電子機器応用などに対する実用的効果
が大であることは明らかである。
は、計算機応用、電子機器応用などに対する実用的効果
が大であることは明らかである。
【0027】
【発明の効果】以上説明した通り、前記した本発明の第
1〜2番目の超伝導素子は、A−B−Cu−O系の薄い
膜厚の超伝導層を形成し、その表面に非超伝導層を積層
した構造としたことにより、超伝導薄膜の結晶構造と形
成の特性を利用して均一で安定な超伝導層を得ることが
できる。この結果、均一性、安定性、信頼性の高い超伝
導素子を得ることができる。
1〜2番目の超伝導素子は、A−B−Cu−O系の薄い
膜厚の超伝導層を形成し、その表面に非超伝導層を積層
した構造としたことにより、超伝導薄膜の結晶構造と形
成の特性を利用して均一で安定な超伝導層を得ることが
できる。この結果、均一性、安定性、信頼性の高い超伝
導素子を得ることができる。
【図1】本発明の一実施例の超伝導素子の構造図であ
る。
る。
【図2】層状ペロブスカイト構造を持つ金属酸化物超伝
導体の結晶構造の模式図である。
導体の結晶構造の模式図である。
10 基体 11 c軸配向超伝導層 12 ドレイン電極 13 ソース電極 14 非超伝導層 15 ゲート電極
Claims (5)
- 【請求項1】 非超伝導性表面からなる基板上に超伝導
薄膜を形成し、さらに前記超伝導薄膜の一部に接して高
抵抗非超伝導薄膜を形成し、前記高抵抗非超伝導薄膜を
介して前記超伝導薄膜の一部に電界を印加できる導電性
電極を形成した超伝導素子において、前記超伝導薄膜の
主成分がA−B−Cu−Oの複合化合物を含む金属酸化
物であることを特徴とする超伝導素子。[但し、AはII
a族元素のうちの少なくとも一種、BはSc,Y,La
およびLa系列元素(原子番号57〜71、但し58、
59、61を除く)のうち少なくとも一種であり、かつ
AおよびB元素とCu元素の濃度は、0.5≦(A+
B)/Cu≦2.5の範囲である。] - 【請求項2】 非超伝導性表面からなる基板上に超伝導
薄膜を形成し、さらに前記超伝導薄膜の一部に接して導
電性非超伝導薄膜を形成し、前記導電性非超伝導薄膜を
介して前記超伝導薄膜の一部に電流を印加できる導電性
電極を形成した超伝導素子において、前記超伝導薄膜の
主成分がA−B−Cu−Oの複合化合物を含む金属酸化
物超伝導体であることを特徴とする超伝導素子。[但
し、AはIIa族元素のうちの少なくとも一種、BはS
c,Y,LaおよびLa系列元素(原子番号57〜7
1、但し58、59、61を除く)のうち少なくとも一
種であり、かつAおよびB元素とCu元素の濃度は、
0.5≦(A+B)/Cu≦2.5の範囲である。] - 【請求項3】 主成分がA−B−Cu−Oの複合化合物
を含む金属酸化物超伝導体が層状結晶構造を有し、その
層状結晶層が前記基板の表面とほぼ平行に形成されてな
る請求項1または2に記載の超伝導素子。 - 【請求項4】 金属酸化物超伝導薄膜の厚みが100オ
ングストローム以下である請求項1または2に記載の超
伝導素子。 - 【請求項5】 金属酸化物超伝導薄膜の主成分がBi−
Sr−Ca−Cu−Oの複合化合物を含む請求項1また
は2に記載の超伝導素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092646A JPH05291638A (ja) | 1992-04-13 | 1992-04-13 | 超伝導素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092646A JPH05291638A (ja) | 1992-04-13 | 1992-04-13 | 超伝導素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05291638A true JPH05291638A (ja) | 1993-11-05 |
Family
ID=14060223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4092646A Pending JPH05291638A (ja) | 1992-04-13 | 1992-04-13 | 超伝導素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05291638A (ja) |
-
1992
- 1992-04-13 JP JP4092646A patent/JPH05291638A/ja active Pending
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