JPH06136649A - アクリル系合成繊維からなる成形体およびその製造方法 - Google Patents

アクリル系合成繊維からなる成形体およびその製造方法

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JPH06136649A
JPH06136649A JP30815692A JP30815692A JPH06136649A JP H06136649 A JPH06136649 A JP H06136649A JP 30815692 A JP30815692 A JP 30815692A JP 30815692 A JP30815692 A JP 30815692A JP H06136649 A JPH06136649 A JP H06136649A
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acrylic synthetic
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sheet
fiber
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英俊 神崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高級感のある食品トレイや、形くずれしない程
度の適度な硬さと柔軟性とを備えた成形体とを提供す
る。 【構成】本発明の一例であるトレイは、特殊な構造のア
クリル系合成繊維で形成された特殊な構造のシートによ
り、特定の温度条件および加圧条件の下で圧縮成形して
形成される。図3は、このトレイの内側面を示す電顕写
真である。前記シートは、前記繊維を、高圧水を用いた
柱状流パンチング処理により不織布とすることで得られ
る。このトレイは、合成樹脂からなるものと比べて布状
の風合いがあるため、高級感のあるものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な素材(特殊な構
造を有するアクリル系合成繊維で構成されるシート)か
らなる成形体とその製造方法に関し、特に各種容器、食
品のトレイ、シート状のクッション材等の包装用品や、
衣料用の肩パットおよび芯地等として好適な成形体とそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種容器、食品のトレイ、および
シート状のクッション材等の包装用品や、衣料用の肩パ
ットおよび芯地等は、合成樹脂の圧縮成形、押出成形、
発泡成形等により成形されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような成形体のう
ち、各種容器、食品のトレイ、およびシート状のクッシ
ョン材等の包装用品は、合成樹脂からなるためその外観
には新鮮味がなく、特に高価な商品の包装材料として
は、高級感に欠けるものであった。最近の消費者の高級
品指向から、高価な商品にふさわしい包装材料が要望さ
れているが、従来の製造方法では、このような要望に応
えることができなかった。
【0004】また、衣料用の肩パットおよび芯地等は、
合成樹脂製品であると形状保持性には優れるが、硬すぎ
るという不具合があった。本発明は、このような不具合
を解決するためのものであり、合成樹脂ではなく特殊な
構造を有するアクリル系合成繊維からなる成形体を提供
することにより、食品のトレイ等の包装材料に高級感を
与えることとともに、衣料用の肩パットおよび芯地等に
形くずれしない程度の適度な硬さと柔軟性とを与えるこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1は、長さ方向に沿って延びる多数の細長い
空隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不特定であ
るアクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の一部はよ
り細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊条はある
部分では分散して広がり、別の部分では束状に集合して
いるとともに、前記繊維同士が互いに交絡により一体化
されてなるシートにより成形され、この成形体の内側面
と外側面とのうち少なくとも一方の面に、前記繊維の融
着部分が存在することを特徴とする成形体を提供する。
【0006】請求項2は、長さ方向に沿って延びる多数
の細長い空隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不
特定であるアクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の
一部はより細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊
条はある部分では分散して広がり、別の部分では束状に
集合しているとともに、前記繊維同士が互いに交絡によ
り一体化されてなるシートを、温度100〜250℃、
圧力0.5〜30kg/cm2 で成形することを特徴と
する製造方法を提供する。
【0007】請求項3は、長さ方向に沿って延びる多数
の細長い空隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不
特定であるアクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の
一部はより細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊
条はある部分では分散して広がり、別の部分では束状に
集合しているとともに、前記繊維同士が互いに交絡によ
り一体化されてなるシートにより板状に成形されたこと
を特徴とするアクリル系合成繊維からなる成形体を提供
する。
【0008】請求項4は、長さ方向に沿って延びる多数
の細長い空隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不
特定であるアクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の
一部はより細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊
条はある部分では分散して広がり、別の部分では束状に
集合しているとともに、前記繊維同士が互いに交絡によ
り一体化されてなるシートを、金属ロールにより圧延し
て成形することを特徴とするアクリル系合成繊維からな
る成形体の製造方法を提供する。
【0009】ここで、前記アクリル系合成繊維は、その
一部がより細い多数の微細繊条に分割されているのであ
って、分割されていない部分も当然にある。そのため、
前記シートにおいて交絡されている繊維、および前記成
形体の面において融着部分をなす繊維とは、それぞれ、
繊維の分割された部分(微細繊条)と分割されていない
部分との両方を含んでいる。
【0010】すなわち、請求項1および3の成形体は、
前述の特殊な構造を有するアクリル系合成繊維からなる
シートを所定形状に成形したものである。このアクリル
系合成繊維について、その横断面の電子顕微鏡写真
(4,000倍)を図1に、縦断面の電子顕微鏡写真
(4,000倍)を図2に示す。図1において、黒い部
分aが前記空隙の断面であり、その形状は、ほぼ円形状
のもの、偏平状のもの、その縁が屈曲を繰り返している
ものと様々であり、断面積も大きいもの、小さいものと
一定でなく、不特定な横断面を有する多数の細長い空隙
が繊維内に不規則に存在していることが分かる。
【0011】図2において、同様に、黒い部分bが前記
空隙であり、この各空隙が繊維の長さ方向に沿ってほぼ
平行に延びていることが分かる。本発明においては、こ
のような繊維によりシートが構成されるが、このシート
において、前記繊維の一部はより細い多数の微細繊条に
分割されている。このような微細繊条は、前記繊維に外
力を作用させることによりその一部が分割されて生じる
が、この分割を容易にするために、前述の細長い空隙の
長さは、60μm以上であることが好ましい。
【0012】また、この細長い空隙は、その隣合うもの
同士が部分的に空孔により連結されていてもよい。さら
に、繊維の一横断面におけるこの細長い空隙の数は、前
述のような外力による微細繊条への分割が容易になされ
るためには、100個以上存在することが好ましい。こ
のようなアクリル系合成繊維は、アクリル系重合体から
以下のようにして製造される。
【0013】アクリル系重合体としては、50重量%
(以下、『%』は、特記しない限り『重量%』を示す)
以上のアクリロニトリル単位(以下、『AN』と略称す
る。)と、ANと共重合可能な他のモノマーとの重合
体、またはこれらの重合体を混合した混合重合体があ
る。ANが50%より少ない場合は、アクリル系重合体
が本来有する非溶融性であり且つ熱可塑性であるという
熱特性が失われ、成形体の圧縮成形時に形態の保持が困
難となる。ANの含有量には上限がなくANの100%
重合体であっても良い。また、アクリル系重合体が混合
物である場合も、ANの含有量は混合重合体の重量を基
準にして50%以上含まれていることが必要である。
【0014】ANと共重合可能なモノマーとしては、従
来より知られている例えば、アクリル酸、メタクリル酸
及びそのエステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)、酢
酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミ
ド、メタメタクリルアミド、メタクリロニトリル、アリ
ルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、ビニルピリジン、N、N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレートなどがある。
【0015】上記アクリル系重合体とポリアルキレング
リコールを、従来より知られているアクリル系重合体の
溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド、ロダン塩濃厚水溶液、
塩化亜鉛濃厚水溶液、硝酸水溶液などの溶剤に溶解して
紡糸原液を調製する。紡糸原液中のアクリル系重合体濃
度は、溶剤によって最適濃度は異なるが、概ね10〜3
0%が好ましい。
【0016】このポリアルキレングリコールの添加は、
アクリル系合成繊維に前述の細長い空隙を形成するため
の重要な要件である。このポリアルキレングリコール
は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとが、
重量比で80:20〜20:80の範囲内で共重合され
たランダム型共重合体、或いはブロック型共重合体であ
り、その数平均分子量は5,000〜50,000、好
ましくは6,000〜20,000である。
【0017】数平均分子量が5,000より小さい場合
には、繊維の長さ方向に連続して延びる細長い空隙が形
成されず、ごく微細なほぼ球状の空隙を有する多孔質繊
維となる。一方、その数平均分子量が50,000を超
えると、巨大な筋状の空洞を有する繊維となり、しかも
繊維の横断面において、多くても高々数十個の空洞部を
有する繊維となる。このような繊維では、外力による微
細繊条への分割が困難となり、本発明の成形体用の繊維
には適さない。繊維の長さ方向に沿って延び、横断面で
の断面形状が不特定の形状である細長い空隙を有する繊
維が得られるためには、数平均分子量が10,000〜
20,000であるものが、特に好ましい。
【0018】更に、上記ポリアルキレングリコールを溶
解して調製した紡糸原液は、その後少なくとも4時間熟
成する。このことが、繊維の長さ方向に沿って連続した
細長い空隙を多数有するアクリル系合成繊維を得るため
に必要な条件である。ここで、熟成とは、上記アクリル
系重合体とポリアルキレングリコールとを溶解して調製
した紡糸原液を、激しく攪拌したり、振動したりするこ
となく、例えば静置しておくことや穏やかに送液するこ
とである。
【0019】このようにポリアルキレングリコールを添
加した紡糸原液を熟成することにより、どの様な理由で
前述のような細長い空隙が形成されるのか定かではない
が、以下のように推測される。すなわち、紡糸原液の熟
成によりポリアルキレングリコールの凝集が生じ、紡糸
原液が管の中を通って紡糸口金の細孔からその凝固媒体
中へ紡糸されるときに、紡糸原液に剪断力が作用してポ
リアルキレングリコールの微細な筋が形成される。そし
て、アクリル系重合体は凝固し、ポリアルキレングリコ
ールの凝固しないという両者の凝固特性の相違により、
両重合体の相分離によって前記のような複雑な形状をし
た空隙が生じるものと考えられる。この熟成時間は、4
時間以上であればより長い時間であってもよいが、4〜
10時間であることが好ましい。
【0020】ポリアルキレングリコールの添加量は、ア
クリル系重合体に対して、5〜20%、好ましくは10
〜15%とする。その添加量が5%より少ない場合に
は、前述の細長い空隙が少なくなり、20%を超えると
これが多くなりすぎ、繊維の製造工程で繊維がより細い
微細繊条に分割されたり、安定な紡糸ができなくなる等
の問題を生じる。その添加量が10〜15%であると、
前記細長い空隙の数、紡糸の安定性等において最もバラ
ンスがとれるため好ましい。
【0021】前記紡糸原液を、紡糸口金を通して紡糸原
液の凝固媒体中に押し出し、凝固糸条に水洗、延伸、乾
燥、熱処理等の各種処理を施せば、長さ方向に沿って延
びる多数の細長い空隙を内部に有するアクリル系合成繊
維が形成される。この時、紡糸原液に添加されたポリア
ルキレングリコールは、凝固、水洗、延伸等の過程で凝
固糸条体から溶出される。
【0022】ここで、採用する紡糸方法は、湿式紡糸、
乾式紡糸、或いは乾湿式紡糸等いずれの方法でもよく、
紡糸後は凝固糸条体からポリアルキレングリコールを溶
出するために、水性媒体中で延伸、水洗することが好ま
しい。そして、本発明の成形体は、このようなアクリル
系合成繊維の一部がより細い多数の微細繊条に分割さ
れ、この微細繊条がある部分では分散して広がり、別の
部分では束状に集合しているとともに、前記繊維同士が
互いに交絡により一体化されてなるシートにより成形さ
れる。
【0023】前述のアクリル系合成繊維は、外力を受け
ることにより、容易にその一部が微細繊条へ分割すると
ともに、分割された微細繊条同士、未分割アクリル系合
成繊維同士、および分割された微細繊条と未分割アクリ
ル系合成繊維との絡み合いが生じる。すなわち、このア
クリル系合成繊維に外力を作用させることで、微細繊条
への分割と繊維および繊条の交絡とが、同時にしかも容
易に行われれる。
【0024】したがって、本発明におけるシートは、前
記アクリル系合成繊維を、例えば、従来より公知である
高圧水を用いた柱状流パンチング処理により不織布とす
ることで得られる。この柱状流パンチング処理により、
不織布の表面に存在するアクリル系合成繊維の大部分
は、より細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊条
はある部分では分散してランダムに広がり、別の部分で
は束状となって集合し、且つこれらの繊維相互が交絡す
る。また、不織布の内部には未分割のアクリル系合成繊
維が存在する。
【0025】このようなアクリル系合成繊維の分割は、
この繊維に与える外力の大きさを変えることによりその
程度を調節することができ、また、得られた微細繊条の
分散状態および繊維相互の交絡程度も、前記外力の大き
さにより調節することができる。シートを構成する繊維
の長さには特に制限はなく、長繊維、短繊維ともに使用
できるが、成形体の形状保持性の点で、5〜150mm
の長繊維が好ましく、10〜60mmのものがより好ま
しい。
【0026】前記不織布の目付量は、目的とする成形体
の特性に合わせて適宜変更することが出来るが、通常は
50〜1000g/m2 とし、好ましくは100〜50
0g/m2 とする。高圧柱状流パンチングに使用するノ
ズル径は、0.05〜1mm、好ましくは0.1〜0.
5mmとし、噴射水の圧力は20〜100kg/c
2 、好ましくは40〜80kg/cm2 とし、ウェブ
にこのような噴射水を当てて繊維を絡ませることによ
り、アクリル系合成繊維の微細繊条への分割と繊維相互
の交絡がほぼ同時に進行し、本発明における成形体用の
シートを形成することができる。
【0027】請求項1の成形体は、このようなシートに
より立体的に成形され、その内側面と外側面との少なく
とも一方を形成する前記繊維の一部が融着してあるもの
である。すなわち、前記成形体は、前述のアクリル系合
成繊維からなるシートを所定形状の金型内に入れて、所
定温度および圧力の下で成形することにより得られる。
ここで成形時には、金型の温度を100〜250℃、好
ましくは150〜200℃とし、圧力を0.5〜30k
g/cm2 、好ましくは1〜10kg/cm2 、成形時
間を1〜60秒、好ましくは2〜10秒とする。
【0028】成形温度が250℃を超えると、アクリル
系合成繊維の変性や分解が起こって成形が困難となり、
圧力が30kg/cm2 を超えると、シートの各面にお
ける繊維の融着が激しくなって成形が困難となる。ま
た、成形温度が100℃未満で圧力が0.5kg/cm
2 未満では、シートの各面に繊維の融着部分を形成する
ことができない。
【0029】これらの条件を前記範囲内において適宜調
節することにより、種々の特性を有する成形体を製造す
ることができる。また、使用する金型は、目的とする成
形体の形状等に合わせて適宜設計変更することが出来
る。請求項3の成形体は、前述のシートにより板状に成
形されたものであり、金属ロールに挟んで圧延すること
により得られる。この時、金属ロールの温度は、80〜
250℃、好ましくは90〜150℃とし、線圧を0.
5〜100kg/cm、好ましくは1〜10kg/cm
とする。これらの条件を適宜調節することにより、種々
の特性を有する成形体を製造することができる。
【0030】金属ロールは、目的に応じて、表面が平滑
なロール、表面に凹凸を有するロール等各種のものを使
用することができる。すなわち、表面に凹凸を有するロ
ールを使用すれば、成形体の表面に凹凸模様が描かれる
ため、意匠性のある成形体が得られる。図3は請求項1
の成形体の一例であるトレイの内側面を、図4はその外
側面の形態を示す電子顕微鏡写真(235倍)である。
【0031】成形体の内側面および外側面に存在するア
クリル系合成繊維は、そのほとんどが微細繊条に分割さ
れており、この微細繊条はある部分では分散して広が
り、別の部分では束状となって集束しており、これらの
繊条は相互に交絡していることが分かる。そして、成形
体の内側面及び外側面に存在するこれらの微細繊条は緊
密に密着しており、部分的に熱と圧力により融着して接
着しているところがある(図3及び図4において、黒く
なっている部分c)。この微細繊条が融着した部分に
は、繊維が樹脂化しているところも見られる。
【0032】図5は、前述の図3および4で示した成形
体(トレイ)における断面の形態を示す電子顕微鏡写真
(177倍)である。図5において、上面は成形体の内
側面に相当し、下面は外側面に相当する。この写真から
も分かるように、成形体の内側面と外側面とにおいて、
前記アクリル系合成繊維が分割されてなる微細繊条が成
形時に加熱および加圧されて融着し、樹脂化した薄い層
(白色不透明な部分d)となっている部分が認められ
る。
【0033】また、この図5から分かるように、成形体
となったシートの厚み方向における内部には、未分割の
アクリル系合成繊維も存在し、これらは未分割のもの同
士で交絡するかまたは分割された微細繊条と交絡してい
る。これらの厚み方向内部に存在する未分割の繊維およ
び分割された微細繊条は、繊維相互が密着して単に強く
圧着されているだけで、融着されてはいない。すなわ
ち、成形体に成形された後でも、これを形成するシート
の厚み方向における内部には、成形される前とほどんど
変わらない構造(長さ方向に延びる細長い多数の空隙を
有する)のアクリル系合成繊維が存在している。さら
に、繊維間には多くの空間(例えばe)を含んでいる。
【0034】一方、図6は請求項3にかかる成形体の一
例である板状物の表面を、図7は裏面の状態を示す電子
顕微鏡写真(590倍)であり、図8はこの板状物の表
面側の断面状態を示す電子顕微鏡写真(630倍)であ
る。図6および7において、細長くのびた白い部分(例
えばf)が繊維であり、黒い部分(例えばg)は、この
繊維によって囲まれた空間である。また、図8から分か
るように、表面部分は主として分割された微細繊条(例
えばf)からなり、厚み方向の中間部は主として、分割
された微細繊条であって表面部分よりは太いもの(例え
ばh)と、未分割のアクリル系合成繊維(例えばi)と
からなっている。さらに、この板状物の厚み方向内部に
は、繊維間に多くの空間(例えばj)を含んでいる。
【0035】すなわち、板状物の表面および裏面に存在
するアクリル系合成繊維は、そのほとんどが微細繊条に
分割されており、この微細繊条はある部分では分散して
広がり、別の部分では束状となって集束しており、これ
らの繊条は相互に交絡していることが分かる。また、こ
れらの繊条は融着してはいないが、緊密に密着している
ことが分かる。
【0036】なお、本発明におけるシートとして、前述
のアクリル系合成繊維からなる不織布を製造する際に、
他の繊維、例えば合成繊維や天然繊維を50%以下の範
囲で適宜混合することができる。
【0037】
【作用】請求項1にかかる成形体は、長さ方向に沿って
延びる多数の細長い空隙を内部に有し、前記空隙の横断
面形状が不特定であるアクリル系合成繊維で構成され、
前記繊維の一部はより細い多数の微細繊条に分割され、
この微細繊条はある部分では分散して広がり、別の部分
では束状に集合しているとともに、前記繊維同士が互い
に交絡により一体化されてなるシートにより立体的に成
形されている。
【0038】従来の繊維からなる不織布等を金型に入
れ、加熱、加圧の下で立体的な成形体を製造しようとす
ると、成形時にかかる延伸力に十分に対応できずに、不
織布等が部分的に引き延ばされたり、切断されたりし
て、均一な成形体を得ることが困難であった。しかしな
がら、請求項1にかかる成形体においては、前記アクリ
ル系合成繊維の特殊な構造とこの繊維からなるシートの
特殊な構造とに加え、非溶融性ではあるが熱可塑性であ
るというアクリル系合成繊維が本来有している熱的特性
とにより、シートの引張強度等の物性を大幅に改良する
ことができるため、金型を用いた成形時に作用する延伸
力に前記シートが充分対応することができると推測され
る。
【0039】また、請求項1にかかる成形体は前記シー
トにより所定形状に成形され、その内側面と外側面との
うち少なくとも一方の面に、前記繊維の融着部分が存在
している。ここで、請求項2にかかる製造方法により、
前記シートを温度100〜250℃、圧力0.5〜30
kg/cm2 で成形すれば、成形体の内側面と外側面と
のうち少なくとも一方の面に前記繊維の融着部分を形成
することができる。
【0040】この融着部分が、立体的な成形体の形状保
持性に大きく寄与しており、前述のように、所定形状に
成形されたシート断面の内部に、未分割のアクリル系合
成繊維が存在し、繊維間には多くの空間を含んでいるの
にもかかわらず、成形体形状を強固に保持する大きな要
因になっている。一方、請求項3にかかる成形体は、前
記シートにより板状に成形されたものであり、前述のよ
うな板状物表面における繊維の交絡とその緊密な密着状
態とが、板状物の形状保持性、適度の硬さ、柔軟性、及
び可撓性に大きく寄与しており、厚み方向内部に存在す
る空間と未分割のアクリル系合成繊維とが、板状物に弾
力性を与えている。このような板状物は、請求項4にか
かる方法により容易に得ることができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。まず、成形体用のシートを構成するアクリル系合成
繊維を以下のようにして製造した。ジメチルホルムアミ
ドに、組成が、AN95.0%、アクリル酸メチル4.
5%、及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5%である共
重合体と、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキ
シド−ポリエチレンオキシドのブロック型ポリエーテル
(数平均分子量が10,000、重合比はポリエチレン
オキシド:ポリエチレンオキシド=70:30)とを添
加して溶解させた液体を、6時間静置することにより、
前記共重合体が23%、ブロック型ポリエーテルが2.
3%含有する紡糸原液を調製した。
【0042】この紡糸原液を、直径0.08mmの細孔
を有する紡糸口金を通して、温度35℃、ジメチルホル
ムアミドを75%含有する水系凝固浴中に押し出し、凝
固糸条体を水洗後、沸騰水中で10倍延伸してから80
℃の熱風中で乾燥し、その後捲縮を付与し、更に76m
mに切断することにより繊維に加工した。得られた繊維
の単繊度は2dであり、引張強度は3.2g/d、引張
伸度は32%であった。
【0043】この繊維の横断面及び縦断面の状態を示す
電子顕微鏡写真を、図1及び図2(4,000倍)に示
す。これらの図から分かるように、この繊維は、その長
さ方向に沿って延びる細長い空隙を極めて多数有してい
た。この繊維を、カード機を用いて目付け量120及び
200g/m2 の二つのウェブに形成し、このウェブを
金網上に置いて4m/分の速度で移動させながら、直径
0.1mmの細孔を有するノズルが0.8mm間隔で一
列に配置された装置から60kg/cm2 の高圧の水
を、前記ウェブに向けて噴射した。この処理を10回繰
り返した後、得られた不織布を80℃の熱風中で乾燥し
た。
【0044】これにより得られたシートは、アクリル系
合成繊維の一部がより細い多数の微細繊条に分割されて
おり、この微細繊条は、ある部分ではランダムな方向に
分散し別の部分では束状に集束しており、これらの微細
繊条や未分割の繊維が相互に交絡し、全体として交絡に
より全繊維の一体化がなされているものであった。この
ようにして得られた二種類のシートにより、各種の成形
体を成形した。 <実施例1>目付け量200g/m2 のシートをトレイ
製造用金型に入れ、温度180℃、圧力2kg/cm2
で6秒間成形することによりトレイを製造した。
【0045】得られたトレイの内側面、外側面、および
断面の状態を示す電子顕微鏡写真を図3(235倍)、
図4(234倍)、および図5(177倍)に、それぞ
れ示す。トレイの内側面および外側面に存在するアクリ
ル系合成繊維は、そのほとんどが微細繊条に分割されて
おり、この微細繊条はある部分では分散して広がり、別
の部分では束状となって集束しており、これらの繊条は
相互に交絡していることが分かる。そして、成形体の内
側面及び外側面に存在するこれらの微細繊条は緊密に密
着しており、部分的に熱と圧力により融着して接着して
いるところがある(図3及び図4において、黒くなって
いる部分c)。この微細繊条が融着した部分には、繊維
が樹脂化しているところも見られる。
【0046】図5において、上面はトレイの内側面に相
当し、下面は外側面に相当する。この写真からも分かる
ように、成形体の内側面と外側面とにおいて、前記アク
リル系合成繊維が分割されてなる微細繊条が成形時に加
熱および加圧されて融着し、樹脂化した薄い層(白色不
透明な部分d)となっている部分が認められる。また、
この図5から分かるように、成形体となったシートの厚
み方向における内部には、未分割のアクリル系合成繊維
も存在し、これらは未分割のもの同士で交絡するかまた
は分割された微細繊条と交絡している。これらの厚み方
向内部に存在する未分割の繊維および分割された微細繊
条は、繊維相互が密着して単に強く圧着されているだけ
で、融着されてはいない。すなわち、成形体に成形され
た後でも、これを形成するシートの厚み方向における内
部には、成形される前とほどんど変わらない構造(長さ
方向に延びる細長い多数の空隙を有する)のアクリル系
合成繊維が存在している。さらに、繊維間には多くの空
間(例えばe)を含んでいる。
【0047】このように、得られたトレイの内側面及び
外側面には、繊維の融着により樹脂化した不透明な部分
が認められ、その内部の繊維は、圧着されてはいるが融
着されている部分は認められなかった。また、成形時
に、シートの変形、破損等の異常は認められず、成形性
は極めて良好であった。さらに、得られたトレイは、合
成樹脂からなるものとは違い、布製のような風合いを有
していた。 <実施例2>成形圧力を5kg/cm2 にした以外は、
実施例1と同様にしてトレイを製造した。
【0048】得られたトレイは、その内側面及び外側面
において繊維が融着し、樹脂化した半透明部分が明瞭に
認められる以外には、実施例1のトレイと外観上の違い
はなかった。また、成形時に、シートの変形、破損等の
異常は認められず、成形性は極めて良好であった。さら
に、得られたトレイは、合成樹脂からなるものとは違
い、布製のような風合いを有していた。 <実施例3>目付け量120g/m2 のシートを実施例
1と同様の条件で成形することにより、トレイを製造し
た。
【0049】得られたトレイの内側面及び外側面には、
繊維の融着により樹脂化した不透明な部分が認められ、
その内部の繊維は、圧着されてはいるが融着されている
部分は認められなかった。また、成形時に、シートの変
形、破損等の異常は認められず、成形性は極めて良好で
あった。また、得られたトレイの内側面、外側面、およ
び断面の状態は、実施例1のものとほとんど同じであっ
た。さらに、得られたトレイは、合成樹脂からなるもの
とは違い、布製のような風合いを有していた。 <実施例4>目付け量200g/m2 のシートを圧延機
(線速度4m/分、表面が平滑な二本のロールからな
り、表面温度90℃)にかけ、線圧60kg/cmで成
形することによりカレンダ加工された板状物を製造し
た。
【0050】得られた板状物の内側面、外側面、および
断面の状態を示す電子顕微鏡写真を図6(590倍)、
図7(590倍)、および図8(630倍)に、それぞ
れ示す。図6および7において、細長くのびた白い部分
(例えばf)が繊維であり、黒い部分(例えばg)は、
この繊維によって囲まれた空間である。また、図8から
分かるように、表面部分は主として分割された微細繊条
(例えばf)からなり、厚み方向の中間部は主として、
分割された微細繊条であって表面部分よりは太いもの
(例えばh)と、未分割のアクリル系合成繊維(例えば
i)とからなっている。さらに、この板状物の厚み方向
内部には、繊維間に多くの空間(例えばj)を含んでい
る。
【0051】すなわち、板状物の表面および裏面に存在
するアクリル系合成繊維は、そのほとんどが微細繊条に
分割されており、この微細繊条はある部分では分散して
広がり、別の部分では束状となって集束しており、これ
らの繊条は相互に交絡していることが分かる。また、こ
れらの繊条は融着してはいないが、緊密に密着している
ことが分かる。
【0052】この板状物の形状保持性、硬さ、柔軟性、
および可撓性は商品の包装用資材として十分なものであ
った。 <実施例5>目付け量200g/m2 のシートを圧延機
(線速度4m/分、表面に幅0.4mm、長さ2.6m
m、高さ0.60mmの突起を千鳥状に配置した二本の
エンボスロールからなり、表面温度90℃)にかけ、線
圧60kg/cmで成形することによりエンボス加工さ
れた板状物を製造した。
【0053】得られた板状物の表面、裏面、および断面
における浮き出し部分の状態を示す電子顕微鏡写真を、
図9(590倍)、図10(580倍)、および図11
(226倍)に、凹み部分の状態を示す電子顕微鏡写真
を、図12(590倍)、図13(580倍)、および
図14(370倍)にそれぞれ示す。浮き出し部分につ
いては、図9および10において、細長くのびた白い部
分(例えばf)が繊維であり、黒い部分(例えばg)
は、この繊維によって囲まれた空間である。また、図1
1から分かるように、表面部分は主として分割された微
細繊条(例えばf)からなり、厚み方向の中間部は主と
して、分割された微細繊条であって表面部分よりは太い
もの(例えばh)と、未分割のアクリル系合成繊維(例
えばi)とからなっている。さらに、この板状物の表面
部分には、繊維間に非常に小さい空間(例えばg)があ
り、厚み方向内部には、繊維間に多くの空間(例えば
j)を含んでいる。
【0054】すなわち、板状物の表面および裏面に存在
するアクリル系合成繊維は、そのほとんどが微細繊条に
分割されており、この微細繊条はある部分では分散して
広がり、別の部分では束状となって集束しており、これ
らの繊条は相互に交絡していることが分かる。また、こ
れらの繊条は融着してはいないが、緊密に密着している
ことが分かる。
【0055】凹み部分については、図12および13か
ら分かるように、板状物の表面および裏面に存在するア
クリル系合成繊維は、そのほとんどが微細繊条に分割さ
れており、この微細繊条はある部分では分散して広が
り、別の部分では束状となって集束しており、これらの
繊条は相互に交絡しているとともに、板状物の表裏面が
熱と圧力との作用により圧着されており、繊維が融着し
ている部分(例えばk)が多く認められる。また、図1
4から分かるように、厚み方向においては、圧縮程度が
大きいため繊維が極めて密に詰まった状態にあるが、繊
維間には空間(例えばl)が存在している。
【0056】この板状物は、実施例4のものと比べてよ
り柔軟であるが、形状保持性により優れているものであ
った。
【0057】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1にか
かる成形体は、特殊な構造のアクリル系合成繊維で形成
された特殊な構造のシートにより立体的に成形され、そ
の内側面と外側面とのうち少なくとも一方の面に前記繊
維の融着部分が存在するため、形状保持性がよいものと
なる。これにより、合成樹脂製品とは違って布製の風合
いを有する高級感のあるトレイや、形くずれしない適度
な硬さを有する肩パット等を提供することができる。
【0058】請求項2にかかる成形体は、前記シートに
より板状に成形されたものであるため、これにより、十
分な形状保持性を有するとともに、適度な硬さと柔軟
性、可撓性を備えた板状物を提供することができるた
め、シート状クッション材等の包装材料や衣料用芯地と
して有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形体を構成するアクリル系合成繊維
の横断面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真
(4,000倍)である。
【図2】本発明の成形体を構成するアクリル系合成繊維
の縦断面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真
(4,000倍)である。
【図3】請求項1にかかる成形体の内側面における繊維
の形状を示す電子顕微鏡写真(235倍)である。
【図4】請求項1にかかる成形体の外側面における繊維
の形状を示す電子顕微鏡写真(234倍)である。
【図5】請求項1にかかる成形体の断面における繊維の
形状を示す、電子顕微鏡写真(177倍)である。
【図6】請求項3にかかる成形体(実施例4)の表面に
おける繊維の形状を示す電子顕微鏡写真(590倍)で
ある。
【図7】請求項3にかかる成形体(実施例4)の裏面に
おける繊維の形状を示す電子顕微鏡写真(590倍)で
ある。
【図8】請求項3にかかる成形体(実施例4)の断面に
おける繊維の形状を示す電子顕微鏡写真(630倍)で
ある。
【図9】請求項3にかかる成形体(実施例5の浮き出し
部分)の表面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真
(590倍)である。
【図10】請求項3にかかる成形体(実施例5の浮き出
し部分)の裏面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写
真(580倍)である。
【図11】請求項3にかかる成形体(実施例5の浮き出
し部分)の断面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写
真(226倍)である。
【図12】請求項3にかかる成形体(実施例5の凹み部
分)の表面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真
(590倍)である。
【図13】請求項3にかかる成形体(実施例5の凹み部
分)の裏面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真
(580倍)である。
【図14】請求項3にかかる成形体(実施例5の凹み部
分)の断面における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真
(370倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/38 7199−3B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って延びる多数の細長い空
    隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不特定である
    アクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の一部はより
    細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊条はある部
    分では分散して広がり、別の部分では束状に集合してい
    るとともに、前記繊維同士が互いに交絡により一体化さ
    れてなるシートにより立体的に成形され、この成形体の
    内側面と外側面とのうち少なくとも一方の面に、前記繊
    維の融着部分が存在することを特徴とするアクリル系合
    成繊維からなる成形体。
  2. 【請求項2】 長さ方向に沿って延びる多数の細長い空
    隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不特定である
    アクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の一部はより
    細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊条はある部
    分では分散して広がり、別の部分では束状に集合してい
    るとともに、前記繊維同士が互いに交絡により一体化さ
    れてなるシートを、温度100〜250℃、圧力0.5
    〜30kg/cm2 で立体的に成形することを特徴とす
    るアクリル系合成繊維からなる成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 長さ方向に沿って延びる多数の細長い空
    隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不特定である
    アクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の一部はより
    細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊条はある部
    分では分散して広がり、別の部分では束状に集合してい
    るとともに、前記繊維同士が互いに交絡により一体化さ
    れてなるシートにより板状に成形されたことを特徴とす
    るアクリル系合成繊維からなる成形体。
  4. 【請求項4】 長さ方向に沿って延びる多数の細長い空
    隙を内部に有し、前記空隙の横断面形状が不特定である
    アクリル系合成繊維で構成され、前記繊維の一部はより
    細い多数の微細繊条に分割され、この微細繊条はある部
    分では分散して広がり、別の部分では束状に集合してい
    るとともに、前記繊維同士が互いに交絡により一体化さ
    れてなるシートを、金属ロールにより圧延して成形する
    ことを特徴とするアクリル系合成繊維からなる成形体の
    製造方法。
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JPH108393A (ja) * 1996-06-26 1998-01-13 Kuraray Co Ltd プレス成形用紙

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